JP6376659B2 - 液圧発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ブレーキシステムに用いられる液圧発生装置に関する。
特許文献1,2には、例えば運転者のブレーキ操作に応じて、電動モータの駆動によってブレーキ液圧を発生可能な液圧発生装置が開示されている。
この特許文献1,2に記載の技術において、電動モータの回転駆動力は、駆動側プーリと、従動側プーリと、これらに架け渡されたベルトとによって伝達される。
特開2009−101947号公報 特開2013−154842号公報
ところで、例えば、ゴム等から構成される帯状のベルトを用いた伝達機構におけるベルトとプーリとの係合幅は、ギアを用いた伝達機構におけるギア同士の係合幅(噛合い幅)よりも、大きく確保する必要がある。
このため、液圧発生装置において、無端状の伝達部材であるベルトの幅方向の占有領域が大きくなってしまい、レイアウト性があまり良くないという課題がある。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、無端状の伝達部材を用いる場合においてレイアウト性を向上させることができる液圧発生装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る液圧発生装置は、電動モータの駆動によってピストンを移動させてブレーキ液圧を発生可能な液圧発生装置であって、前記電動モータが固定される基体を備える。また、前記液圧発生装置は、前記電動モータの回転軸に接続する入力部材と、前記入力部材の中心軸に平行な中心軸を有するとともに前記入力部材に連動して前記ピストンを駆動させる出力部材と、を備える。前記入力部材と前記出力部材とには、無端状の伝達部材が架け渡されている。そして、前記液圧発生装置は、前記出力部材を前記基体に対して回転可能に支持する軸受部材を備えており、前記伝達部材は、前記軸受部材の少なくとも一部と、前記出力部材の中心軸に垂直な方向から見て重ねて配置されている。前記出力部材は、前記入力部材から前記伝達部材を介して回転駆動力が伝達される回転輪を備える。前記回転輪は、前記伝達部材と係合する係合部と、該係合部に連設され、前記回転輪の回転駆動力を受けることにより回転する回転部材に固定される固定部と、を有している。前記固定部は、前記係合部よりも前記出力部材の中心軸方向の寸法が小さく形成されている。
この構成では、伝達部材が軸受部材の少なくとも一部と出力部材の中心軸に垂直な方向から見て重ねて配置されているため、無端状の伝達部材と軸受部材とを効率良くレイアウトすることができる。
したがって、無端状の伝達部材の係合幅を適切に確保しつつ、出力部材の中心軸方向における液圧発生装置の寸法の増大を抑制することができる。
また、回転輪が係合部よりも幅狭な固定部を有しているため、固定部の軸方向両側にスペースが形成される。このスペースを活用して軸受部材を配置すれば、出力部材の中心軸方向における液圧発生装置の寸法の増大を抑制できる。
前記液圧発生装置において、前記出力部材は、前記回転輪の回転駆動力を前記ピストンの軸方向における直線方向駆動力に変換する変換機構を備えるとよい。また、前記変換機構は、前記回転部材と係合して軸方向に移動可能に設けられる直動部材を備えるとよい。さらに、前記固定部は、前記変換機構の前記回転部材に固定されるとよい。
この構成では、出力部材が回転部材と直動部材とを有する変換機構を備え、回転輪の固定部が変換機構の回転部材に固定されているため、回転輪の回転駆動力を、固定部を介して回転部材に伝達して直動部材を軸方向に移動させることによって、ピストンの軸方向に沿う直線方向駆動力に変換することができる。
前記液圧発生装置において、前記軸受部材は、前記固定部の軸方向両側に少なくとも一つずつ配置されているとよい。また、前記伝達部材は、少なくとも一つの前記軸受部材における少なくとも一部と、前記出力部材の中心軸に垂直な方向から見て重ねて配置されているとよい。
この構成では、固定部の軸方向両側に少なくとも一つずつ軸受部材が配置され、伝達部材が少なくとも一つの軸受部材における少なくとも一部と出力部材の中心軸に垂直な方向から見て重ねて配置されているため、複数の軸受部材を固定部に対してバランス良く配置させることができる。したがって、出力部材は、軸受部材によって安定して支持され得る。
前記液圧発生装置において、前記基体は、前記入力部材、前記出力部材及び前記伝達部材を覆うカバーを備えるとよい。また、前記カバーは、前記軸受部材を内部に配置しつつ支持しているとよい。
この構成では、カバーは軸受部材を内部に配置しつつ支持しているため、入力部材等を覆うカバーを用いて軸受部材を安定的に支持することができる。
前記液圧発生装置において、前記基体には、運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、前記電動モータの駆動によってブレーキ液圧を発生させるスレーブシリンダと、が設けられているとよい。また、前記基体には、前記マスタシリンダがホイールシリンダに連通する状態と、前記マスタシリンダが前記ホイールシリンダから遮断される状態と、を切り替える切替弁が設けられているとよい。本発明は、かかる構成のような液圧発生装置に対して用いると好適である。
本発明によれば、無端状の伝達部材を用いる場合においてレイアウト性を向上させることができる液圧発生装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る液圧発生装置を用いた車両用ブレーキシステムを示した模式図である。 本実施形態に係る液圧発生装置を右から見た側面図である。 本実施形態に係る液圧発生装置の平面図である。 本実施形態に係る液圧発生装置を左から見た側面図である。 本実施形態に係る液圧発生装置を示した図で、図3のA−A断面図である。 本実施形態に係る液圧発生装置を示した図で、図4のB−B断面図である。 本実施形態に係る液圧発生装置を示した図で、図6のC−C断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
図1は、車両用ブレーキシステム100の全体構成を模式的に示したものであり、図1に示す各部材の配置は、図2から図7に示す各部材の配置とは異なっている。
図1に示すように、車両用ブレーキシステム100は、原動機(エンジンや走行用電動モータ等)の起動時に作動するバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、原動機の停止時などに作動する油圧式のブレーキシステムの双方を備えるものである。
車両用ブレーキシステム100は、液圧発生装置1と、液圧制御装置2と、を備えている。液圧発生装置1は、例えば運転者のブレーキペダルPの操作(ブレーキ操作)に応じて、電動モータ61の駆動によって第二ピストン32(ピストン)を移動させてブレーキ液圧を発生させることができる。また、液圧制御装置2は、車両挙動の安定化を支援するものである。
車両用ブレーキシステム100は、エンジン(内燃機関)のみを動力源とする自動車のほか、エンジンと走行用電動モータとを併用するハイブリッド自動車や、走行用電動モータのみを動力源とする電気自動車・燃料電池自動車等にも搭載することができる。
液圧発生装置1は、基体10と、基体10の左右方向の一面側(ここでは左面側)に配置される電動モータ61(図3及び図4参照)と、基体10の左右方向の他面側(ここでは右面側)に配置される制御装置50(図2及び図3参照)と、を備えている。
基体10には、マスタシリンダ20と、スレーブシリンダ30と、第一切替弁15a及び第二切替弁15b(以下、「切替弁15a,15b」ともいう)と、ストロークシミュレータ40と、が設けられている。
マスタシリンダ20は、運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生させる。スレーブシリンダ30は、電動モータ61の駆動によってブレーキ液圧を発生させる。切替弁15a,15bは、マスタシリンダ20がホイールシリンダWに連通する状態と、マスタシリンダ20がホイールシリンダWから遮断される状態と、を切り替えることができる。ストロークシミュレータ40は、ブレーキペダルPに操作反力を付与するものである。
なお、以下の説明における各方向は、液圧発生装置1を説明する上で便宜上設定したものであるが、液圧発生装置1を車両に搭載したときの方向と概ね一致している。液圧発生装置1は、ブレーキペダルPの前方に配置され、液圧発生装置1の基体10の後面10dがブレーキペダルPに対向している。そして、ブレーキペダルPを踏み込んだときのロッドP1の移動方向を前方(前端側)とし、ブレーキペダルPが戻ったときのロッドP1の移動方向を後方(後端側)としている(図2〜図4参照)。さらに、ロッドP1の移動方向(前後方向)に対して水平に直交する方向を左右方向としている(図3参照)。
基体10は、車両に搭載される金属部品であり(図2〜図4参照)、略直方体状の本体部10aを備えている。また、図3に示すように、基体10は、本体部10aの左側面10gに、複数のねじ部材81によって固定されるカバー10b(図4参照)を備えている。
図1に示すように、本体部10aの内部には三つのシリンダ穴21,31,41及び複数の液圧路11a,11b,12,14a,14b,14cが形成されている。また、基体10には、リザーバ26等の各種部品が取り付けられる。また、基体10の後面10d側にロッドP1が配置されている(図2〜図4参照)。
図2に示すように、本体部10aの右側面10hには、常閉型電磁弁13、切替弁15a,15b及び常開型電磁弁15c(以下、「電磁弁13,15a,15b,15c」ともいう)が取り付けられている。さらに、本体部10aの右側面10hには、ストロークセンサ19と、第一圧力センサ18a及び第二圧力センサ18b(以下、「圧力センサ18a,18b」ともいう)と、制御装置50とが取り付けられている。
なお、図2及び図3では、ストロークセンサ19、電磁弁13,15a,15b,15c及び圧力センサ18a,18bの配置を示すために、制御装置50を想像線によって示している。
ストロークセンサ19、電磁弁13,15a,15b,15c及び圧力センサ18a,18bは、本体部10aの右側面に開口している複数の取付穴10m,10n,10qに装着されている。
また、図3に示すように、本体部10aの右側面10hには、円筒状の突出部10iが突設されている。突出部10iは、右側面10hにおける前側の下部に設けられており(図2参照)、制御装置50のハウジング51内に収容されている。
また、突出部10iの周壁部の上端部には、凸条10jが形成されている。凸条10jは突出部10iの軸方向(左右方向)に延在している。
図5に示すように、第一シリンダ穴21は、有底円筒状の穴である。第一シリンダ穴21の中心軸L1は前後方向に延在している。第一シリンダ穴21は、本体部10aの後面10dに形成された円筒部10kの端面に開口している。
図6に示すように、第二シリンダ穴31は、第一シリンダ穴21の下方に離間して配置された有底円筒状の穴である。第二シリンダ穴31の中心軸L2は左右方向に延在しており、第一シリンダ穴21の中心軸L1に対して立体交差している(図3参照)。第二シリンダ穴31は本体部10aの左側面10gに開口している。
第二シリンダ穴31の底面31aは突出部10i内に配置されている。すなわち、第二シリンダ穴31の底部は、突出部10i内に配置されており、制御装置50のハウジング51内に収容されている。
図5に示すように、第三シリンダ穴41は、第一シリンダ穴21及び第二シリンダ穴31の下方に離間して配置された有底円筒状の穴である。第三シリンダ穴41の中心軸L3は第一シリンダ穴21の中心軸L1に平行である。第三シリンダ穴41は本体部10aの後面10dに開口している。
本実施形態では、第一シリンダ穴21と第三シリンダ穴41とが並設され、第一シリンダ穴21と第三シリンダ穴41との間に第二シリンダ穴31が配置されている。そして、第一シリンダ穴21の中心軸L1及び第三シリンダ穴41の中心軸L3を、第二シリンダ穴31の中心軸L2を通る水平面に投影すると、第二シリンダ穴31の中心軸L2は、第一シリンダ穴21の中心軸L1及び第三シリンダ穴41の中心軸L3に対して直交している(図3参照)。すなわち、図6に示すように、第二シリンダ穴31の中心軸L2は、第一シリンダ穴21の中心軸L1と第三シリンダ穴41の中心軸L3とを含む平面S1に対して直交している。
図5に示すように、マスタシリンダ20は、第一シリンダ穴21に挿入された二つの第一ピストン22,23(セコンダリピストン及びプライマリピストン)と、第一シリンダ穴21内に収容された二つの弾性部材24,25と、を備えている。
第一シリンダ穴21の底面21aと、底面21a側の第一ピストン22(セコンダリピストン)との間には底面側圧力室21cが形成されている。底面側圧力室21cにはコイルばねからなる第一弾性部材24が収容されている。
底面21a側の第一ピストン22と、開口部21b側の第一ピストン23(プライマリピストン)との間には開口側圧力室21dが形成されている。また、開口側圧力室21dにはコイルばねからなる第二弾性部材25が収容されている。
ブレーキペダルP(図1参照)のロッドP1は、開口部21bから第一シリンダ穴21内に挿入されている。ロッドP1の先端部(前端部)は、開口部21b側の第一ピストン23の後端部に連結されている。これにより、開口部21b側の第一ピストン23は、ロッドP1を介してブレーキペダルPに連結されている。両第一ピストン22,23は、ブレーキペダルPの踏力を受けて第一シリンダ穴21内を摺動し、底面側圧力室21c内及び開口側圧力室21d内のブレーキ液を加圧する。
図1に示すように、第一シリンダ穴21には、リザーバ26が接続されている。リザーバ26は、ブレーキ液を貯溜する容器であり、本体部10aの上面10eに取り付けられている。リザーバ26の下面に突設された二つの給液部26a,26aは、本体部10aの上面10eに形成された二つのリザーバユニオンポート17,17に挿入されている。
二つのリザーバユニオンポート17,17の底面には、第一シリンダ穴21の内周面に通じている連通穴17a,17aが開口している。一方の連通穴17aには、第二シリンダ穴31の内周面に通じている給液路17bが連結されている。
また、リザーバ26の給液管26bにはメインリザーバ(図示せず)から延ばされたホース26cが連結されている。
図6に示すように、スレーブシリンダ30は、第二シリンダ穴31に挿入された第二ピストン32と、第二シリンダ穴31内に収容された弾性部材33と、を備えている。
第二シリンダ穴31の底面31aと第二ピストン32との間には圧力室31cが形成されている。圧力室31cにはコイルばねからなる弾性部材33が収容されている。
第二シリンダ穴31の内周面には、リザーバユニオンポート17(図1参照)に通じる給液路17bが開口しており、給液路17bから第二ピストン32の周壁部に形成された給液ポート32aを通じて、圧力室31cにブレーキ液を供給することができる。
電動モータ61は、制御装置50によって駆動制御される電動サーボモータである。電動モータ61は、基体10のカバー10bの左側面に固定されている。電動モータ61は、取付け用のフランジ61aを有しており、フランジ61aにはボルト等の締結部材としてのねじ部材82が挿通される複数の貫通孔(図示せず)が形成されている。一方、カバー10bには、複数のねじ孔83が形成されている。ねじ部材82をカバー10bに締結、つまり、ねじ部材82をフランジ61aの貫通孔に挿通させてカバー10bのねじ孔83にねじ込むことによって、電動モータ61はカバー10bに固定される。すなわち、電動モータ61と、基体10のカバー10bとは、複数のねじ部材82を用いて、ねじ締結によって固着(螺着)される。
基体10の本体部10aと基体10のカバー10bとの間に形成されたスペースには、入力部材としての駆動側プーリ62と、出力部材63と、ベルト64(無端状の伝達部材)とが配置されている。すなわち、カバー10bは、駆動側プーリ62、出力部材63及びベルト64を覆っている。
駆動側プーリ62は、電動モータ61の回転軸61bに接続されている。この駆動側プーリ62は、回転軸61bにキーや止めねじ等の固定手段(図示せず)を用いて固定されている。駆動側プーリ62には、ベルト64が掛け回されている。出力部材63は、駆動側プーリ62の中心軸L4に平行な中心軸L2を有しており、駆動側プーリ62に連動して第二ピストン32を駆動させるものである。ここで、出力部材63は、第二シリンダ穴31と共通の中心軸L2を有している。ベルト64は、駆動側プーリ62と出力部材63とに架け渡されている(図7参照)。すなわち、入力部材としての駆動側プーリ62と、出力部材63とは、ベルト64によって回転駆動力を伝達可能に連結されている。
出力部材63は、従動側プーリ65(回転輪)と、変換機構66と、を備えている。従動側プーリ65には、ベルト64が掛け回されている。駆動側プーリ62の回転駆動力は、ベルト64を介して、従動側プーリ65に伝達される。変換機構66は、従動側プーリ65の回転駆動力を第二ピストン32の軸方向に沿う直線方向駆動力に変換するものである。
図7に示すように、出力部材63の従動側プーリ65は、基体10のカバー10b内における前側の下部に配置されており、駆動側プーリ62は、基体10のカバー10b内における後側の上部に配置されている。このようにして、カバー10b内のスペースを有効に利用して、駆動側プーリ62及び従動側プーリ65を配置することができる。また、電動モータ61、駆動側プーリ62、出力部材63及びスレーブシリンダ30を基体10に対してバランス良く配置することができる。
ベルト64は、ここでは、例えば、ゴム等の弾性部材から構成された、帯状を呈する無端状の歯付ベルトである。ベルト64は、駆動側プーリ62の歯(図示せず)及び従動側プーリ65の歯(図示せず)に噛み合って係合するベルト歯(図示せず)を内周面に有している。駆動側プーリ62は従動側プーリ65よりも径(歯数)が小さく設定されている。つまり、ベルト64を用いた伝達機構は減速機構を構成している。
電動モータ61は、複数のねじ部材82によって、基体10のカバー10bに固定されている。複数のねじ部材82のうちの一つは、ベルト64によって囲繞される領域R内に配置されている。すなわち、領域Rは、ベルト64の内側における駆動側プーリ62と従動側プーリ65との間の領域である。
また、領域R内に配置されるねじ部材82は、出力部材63の中心軸L2に平行な方向から見て駆動側プーリ62の中心軸L4と従動側プーリ65(出力部材63)の中心軸L2とを結んだ直線S2上に配置されていることが好ましい。
なお、前記したように、本実施形態では、複数のねじ部材82のうちの一つが、領域R内に配置されているが、複数のねじ部材82のうちの二つ以上が、領域R内に配置されるように構成されてもよい。また、本実施形態では、電動モータ61は4個のねじ部材82によって基体10に固定されているが、電動モータ61の固定に使用するねじ部材82の個数は、特に限定されるものではなく、例えば3個であってもよい。
図6に示すように、カバー10bの本体部10aに対向する面10uには、ねじ部材82が締結される位置において本体部10a側に突出する肉盛り部10v(図7参照)が設けられている。したがって、ねじ孔83は、カバー10bの肉盛り部10v内に形成される。そして、肉盛り部10vは、出力部材63の中心軸L2に垂直な方向から見て、ベルト64と重ねて(オーバーラップして)設けられている。
変換機構66は、従動側プーリ65の回転駆動力を受けることにより回転するナット部材67(回転部材)と、転動可能なボール68を介してナット部材67と螺合(係合)して軸方向に移動可能に設けられるねじ軸69(直動部材)と、を備えるボールねじ機構である。電動モータ61の回転駆動力が変換機構66に入力されると、ねじ軸69に対して第二ピストン32の軸方向に沿う直線方向駆動力が付与され、ねじ軸69が左右方向に進退移動する。
ねじ軸69の回り止めのための円柱形状の回り止めピン84が、例えばねじ軸69に形成された貫通孔に圧入されることによって、ねじ軸69に固定して設けられている。回り止めピン84は、その両端がねじ軸69の外周面から径方向外側へ略均等にそれぞれ突出するように位置決めされる。一方、カバー10bの後記する膨出部10r内に、摺動溝86が内周面に形成された円筒形状の回り止めスリーブ85が組み付けられて装着される。摺動溝86は、回り止めピン84の先端部を収容してねじ軸69の軸方向に対して移動可能に支持する。回り止めスリーブ85は、膨出部10r内に例えばスプライン嵌合されることによって、カバー10bに対して回転不能に組み付けられる。このような回り止めピン84と回り止めスリーブ85とを備えた回り止め機構によって、ねじ軸69は、回転することなく軸方向に進退移動することができる。ただし、ねじ軸69の回り止め機構は、前記した構成に限定されるものではなく、例えばすべりキーを用いたものであってもよい。
なお、前記したように、本実施形態では、変換機構66として、ボールねじ機構が採用されているが、これに限定されるものではなく、例えばナット部材とねじ軸とが直接螺合する送りねじ機構が採用されてもよい。
カバー10bの左側面には膨出部10rが形成されている。膨出部10rは有底筒状の部位であり、ねじ軸69の後端部(左方向端部)を収容するスペースを有している。すなわち、カバー10b(基体10)全体の左右方向の厚さを大きくすることなく、ねじ軸69の後端部を収容するために必要な部位のみが拡張されている。
従動側プーリ65は、ベルト64と係合する係合部65aと、変換機構66のナット部材67に固定される固定部65bと、を有している。係合部65aは、円筒形状を呈しており、外周面に歯(図示せず)が形成されている。固定部65bは、円盤形状を呈しており、係合部65aの内周面に連設されている。係合部65aと固定部65bとは、ここでは一体に形成されているが、別体に形成されて溶接等によって結合されていてもよい。
固定部65bは、ナット部材67に例えばキー72を用いて固定されている。すなわち、固定部65bとナット部材67とは、相対的な回転が不能に結合されている。ただし、固定部65bのナット部材67への固定は、キー72による固定に限定されるものではなく、例えば圧入や溶接等による固定であってもよい。
従動側プーリ65において、固定部65bは、係合部65aよりも軸方向(中心軸L2方向)の寸法が小さく形成されている。ここでは、係合部65aの軸方向の寸法は、ベルト64の幅とほぼ同等に形成されている。すなわち、ベルト64が駆動側プーリ62及び従動側プーリ65と係合する軸方向の幅(係合幅)は、係合部65aの軸方向の寸法(ベルト64の幅)に概ね等しい。一方、固定部65bの軸方向の寸法は、ベルト64の幅よりも小さく形成されている。
出力部材63は、軸受部材71a,71bによって、基体10に対して回転可能に支持されている。そして、ベルト64は、軸受部材71a,71bの少なくとも一部と、出力部材63の中心軸L2に垂直な方向から見て重ねて(オーバーラップして)配置されている。換言すれば、ベルト64の内側空間(ベルト64で囲まれた領域)に、軸受部材71a,71bの少なくとも一部が入り込んでいる。つまり、ベルト64の幅は、軸受部材71aと軸受部材71bとの離間距離よりも大きい。
本実施形態では、従動側プーリ65の固定部65bの軸方向両側に、軸受部材71aと軸受部材71bとが、それぞれ配置されている。そして、ベルト64は、2個の軸受部材71a,71bのそれぞれの少なくとも一部と、出力部材63の中心軸L2に垂直な方向から見て重ねて配置されている。
なお、前記したように、本実施形態では、出力部材63を支持する2個の軸受部材71a,71bが基体10に設置されているが、軸受部材の設置個数は特に限定されるものではなく、例えば3個以上であってもよい。
また、前記したように、本実施形態では、ベルト64は、2個の軸受部材71a,71bの両方と、出力部材63の中心軸L2に垂直な方向から見て重ねて配置されているが、これに限定されるものではない。ベルト64は、2個の軸受部材71a,71bのうちの一方と、出力部材63の中心軸L2に垂直な方向から見て重ねて配置されていてもよい。つまり、ベルト64は、複数の軸受部材71a,71bのうちの少なくとも一つの軸受部材における少なくとも一部と、出力部材63の中心軸L2に垂直な方向から見て重ねて配置されるように構成されていてもよい。
2個の軸受部材71a,71bのうちの一方の軸受部材71aの内輪は、ナット部材67における本体部10a側の外周面に圧入されている。従動側プーリ65の固定部65bは、ナット部材67の外周面から径方向外側に突出して形成された環状の凸部67aと、軸受部材71aとに当接して、両者によって挟持される。これにより、従動側プーリ65が軸方向において位置決めされる。
2個の軸受部材71a,71bのうちの他方の軸受部材71bは、ナット部材67におけるカバー10b側の外周面に圧入されている。軸受部材71bの本体部10a側の端面(右端面)は、凸部67aに当接している。
軸受部材71aは、本体部10aの左側面10gに開口して形成された取付け穴部10sに配置されている。そして、軸受部材71bは、基体10のカバー10bにおける膨出部10rの開口端の周縁部に形成された取付け穴部10tに配置されている。すなわち、カバー10bは、軸受部材71bを内部に配置しつつ支持している。
軸受部材71a,71bとして、ここでは、玉軸受が使用されているが、これに限定されるものではなく、例えば円すいころ軸受等の他の種類の軸受部材が使用されてもよい。
ねじ軸69は、開口部31bから第二シリンダ穴31内に挿入されている。ねじ軸69の先端部は第二ピストン32に当接している。そして、ねじ軸69が第二ピストン32側(ここでは右方)に移動したときには、第二ピストン32がねじ軸69からの入力である直線方向駆動力を受けて第二シリンダ穴31内を摺動し、圧力室31c内のブレーキ液を加圧する。
図5に示すように、ストロークシミュレータ40は、第三シリンダ穴41に挿入された第三ピストン42と、第三シリンダ穴41の開口部41bを閉塞する蓋部材43と、第三シリンダ穴41内に収容された弾性部材44と、を備えている。
第三シリンダ穴41の底面41aと第三ピストン42との間には底面側圧力室41cが形成されている。また、第三シリンダ穴41において、蓋部材43と第三ピストン42との間には開口側圧力室41dが形成されている。開口側圧力室41dにはコイルばねである弾性部材44が収容されている。
また、第三ピストン42の周壁部には、複数の給液ポート42aが形成されている。そして、分岐液圧路12から各給液ポート42aを通じて、第三ピストン42内にブレーキ液が流入するとともに、第三ピストン42内から各給液ポート42aを通じて、分岐液圧路12にブレーキ液が流出するように構成されている。
また、第三シリンダ穴41の内周面に設けられたシール部材45と、各給液ポート42aとの距離Laは、蓋部材43と第三ピストン42との距離Lbよりも大きく設定されている。これにより、第三ピストン42が最も蓋部材43側に移動した場合でも、各給液ポート42aはシール部材45よりも底面41a側に位置している。
ストロークシミュレータ40では、マスタシリンダ20の開口側圧力室21dで発生したブレーキ液圧によって、第三ピストン42が弾性部材44の付勢力に抗して蓋部材43側に移動する。そして、付勢された第三ピストン42によってブレーキペダルP(図1参照)に擬似的な操作反力が付与される。
次に、基体10の本体部10a内に形成された各液圧路について説明する。
図1に示すように、二つのメイン液圧路11a,11bは、マスタシリンダ20の第一シリンダ穴21を起点とする液圧路である。
第一メイン液圧路11aは、マスタシリンダ20の底面側圧力室21cに通じている。また、第二メイン液圧路11bは、マスタシリンダ20の開口側圧力室21dに通じている。両メイン液圧路11a,11bの終点である二つの出力ポート16,16には、液圧制御装置2に至る配管Ha,Hbが連結されている。
分岐液圧路12は、ストロークシミュレータ40の底面側圧力室41cから第二メイン液圧路11bに至る液圧路である。すなわち、マスタシリンダ20の第一シリンダ穴21とストロークシミュレータ40の第三シリンダ穴41とは、第二メイン液圧路11b及び分岐液圧路12を介して連通している。
また、分岐液圧路12には常閉型電磁弁13が設けられている。常閉型電磁弁13は、第一シリンダ穴21と第三シリンダ穴41との連通状態を遮断可能な電磁弁である。
第三連絡液圧路14cは、スレーブシリンダ30の第二シリンダ穴31を起点とする液圧路である。図6に示すように、第三連絡液圧路14cの一部は、突出部10iの凸条10j内に配置されている。そして、第三連絡液圧路14cは、第二シリンダ穴31の底部に通じている。
図1に示すように、第一連絡液圧路14a及び第二連絡液圧路14bは、第三連絡液圧路14cを起点とする液圧路である。第一連絡液圧路14aは、第三連絡液圧路14cから第一メイン液圧路11aに通じている。また、第二連絡液圧路14bは、第三連絡液圧路14cから第二メイン液圧路11bに通じている。
第一メイン液圧路11aにおいて、第一連絡液圧路14aとの連結部位には、2ポジション3ポートの三方向弁である第一切替弁15aが設けられている。第一切替弁15aは、第一メイン液圧路11aに通じる電磁弁用の取付穴10n(図2参照)に取り付けられている。
第一切替弁15aは、電磁弁であり、非通電時の第一ポジション(初期状態)においては、第一メイン液圧路11aの上流側(マスタシリンダ20側)と下流側(出力ポート16側)とを連通しつつ、第一連絡液圧路14aと第一メイン液圧路11aとを遮断する。
また、第一切替弁15aは、通電時の第二ポジションにおいては、第一メイン液圧路11aの上流側と下流側とを遮断しつつ、第一連絡液圧路14aと第一メイン液圧路11aの下流側とを連通する。
第二メイン液圧路11bにおいて、第二連絡液圧路14bとの連結部位には、2ポジション3ポートの三方向弁である第二切替弁15bが設けられている。第二切替弁15bは、第二メイン液圧路11bに通じる電磁弁用の取付穴10n(図2参照)に取り付けられている。
第二切替弁15bは、電磁弁であり、非通電時の第一ポジション(初期状態)においては、第二メイン液圧路11bの上流側(マスタシリンダ20側)と下流側(出力ポート16側)とを連通しつつ、第二連絡液圧路14bと第二メイン液圧路11bとを遮断する。
また、第二切替弁15bは、通電時の第二ポジションにおいては、第二メイン液圧路11bの上流側と下流側とを遮断しつつ、第二連絡液圧路14bと第二メイン液圧路11bの下流側とを連通する。
第一連絡液圧路14aにおいて、第三連絡液圧路14cとの連結部位よりも上流側(マスタシリンダ20側)には、常開型電磁弁15cが設けられている。常開型電磁弁15cは、第一連絡液圧路14aに通じる電磁弁用の取付穴10n(図2参照)に取り付けられている。
二つの圧力センサ18a,18bは、ブレーキ液圧の大きさを検知するものであり、メイン液圧路11a,11bに通じる圧力センサ用の取付穴10q、10q(図2参照)に取り付けられている。両圧力センサ18a,18bで取得された情報は、制御装置50(図2参照)に出力される。
第一圧力センサ18aは、第一切替弁15aよりも上流側に配置されており、マスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧を検知する。
第二圧力センサ18bは、第二切替弁15bよりも下流側に配置されており、第二連絡液圧路14bと第二メイン液圧路11bの下流側とが連通しているときには、スレーブシリンダ30で発生したブレーキ液圧を検知する。
ストロークセンサ19は、ブレーキペダルPのロッドP1の位置を磁気的に検出する磁気センサである。
図2に示すように、ストロークセンサ19は、基体10の本体部10aの右側面10hに形成されたストロークセンサ用の取付穴10mに取り付けられている。
なお、ロッドP1には磁石(図示せず)が取り付けられている。ストロークセンサ19は、ロッドP1の移動による磁界の変動を検出することで、ロッドP1の位置を検出する。さらに、ストロークセンサ19は、ロッドP1の位置を示す検出信号を制御装置50に出力する。制御装置50では、ストロークセンサ19からの情報に基づいて、ブレーキペダルPの踏み込み量を検出する。
図2及び図3に示すように、制御装置50は、ハウジング51を有している。ハウジング51は基体10の本体部10aの右側面10hに取り付けられた樹脂製の箱体である。ハウジング51内には制御基板53(図6参照)が収容されている。制御基板53は、電子回路(図示せず)がプリントされた基板本体に半導体チップなどの電子部品(図示せず)を取り付けたものである。この制御基板53は、本体部10aの突出部10iと干渉しない形状に形成されている。
また、ハウジング51内には、本体部10aの右側面10hから突出したストロークセンサ19、各電磁弁13,15a,15b,15c及び両圧力センサ18a,18bが収容されている。
さらに、ハウジング51内には本体部10aの突出部10iが収容されている。また、ハウジング51の右側面には凸部52が形成されている。凸部52は有底筒状の部位であり、突出部10iの先端部を収容するスペースを有している。すなわち、ハウジング51全体の左右方向の厚さを大きくすることなく、突出部10iの先端部を収容するために必要な部位のみが拡張されている。
図1に示すように、制御装置50の制御基板53(図6参照)は、両圧力センサ18a,18bやストロークセンサ19等の各種センサから得られた情報や予め記憶させておいたプログラム等に基づいて、電動モータ61の作動、常閉型電磁弁13の開閉、常開型電磁弁15cの開閉及び両切替弁15a,15bの切り替えを制御する。
図6〜図7に示すように、電動モータ61から延びる電気配線部74は、ベルト64によって囲繞される領域R(図7参照)を通って配置されている。電気配線部74は、電動モータ61と制御装置50とをつないでいる。
電気配線部74は、基体10の本体部10aを貫通して形成される貫通孔75に挿通されるとともに、制御装置50に電気的に接続されている。より具体的には、電動モータ61から延びる電気配線部74は、領域R及び貫通孔75を通って、制御装置50のハウジング51内に設けられた接続部に至り、該接続部から延びる図示しない配線を介して、制御装置50の制御基板53に電気的に接続されている。
電気配線部74は、電動モータ61に電力を供給する給電部材を含んでいる。また、本実施形態では、電気配線部74は、電動モータ61の動作に関する信号を伝送する信号線をも含んでおり、この信号線は、給電部材と並設されている。そして、前記信号線も、ベルト64によって囲繞される領域Rを通って配置されている。前記信号線は、例えば、電動モータ61の回転角度を検出する回転角度センサ(図示せず)で検出された信号を制御装置50に伝送するものである。ただし、電気配線部74は、給電部材及び信号線の少なくとも一方を含んでいればよい。給電部材及び信号線のうちの一方のみが電気配線部74に含まれている場合、他方は電気配線部74とは別にレイアウトされて配置される。
図1に示すように、液圧制御装置2は、車輪ブレーキの各ホイールシリンダWに付与するブレーキ液圧を適宜制御することで、アンチロックブレーキ制御や挙動安定化制御等の各種液圧制御を実行し得る構成を備えており、配管を介して各ホイールシリンダWに接続されている。
なお、図示は省略するが、液圧制御装置2は、電磁弁やポンプ等が設けられた液圧ユニット、ポンプを駆動するためのモータ、電磁弁やモータ等を制御するための制御装置等を備えている。
次に、車両用ブレーキシステム100の動作について概略説明する。
図1に示すように、車両用ブレーキシステム100では、車両のイグニッションスイッチがONになったり、ブレーキペダルPが僅かに操作されたことをストロークセンサ19が検出したりすると、第一切替弁15aは、第一メイン液圧路11aの上流側と下流側とを遮断しつつ、第一連絡液圧路14aと第一メイン液圧路11aの下流側とを連通する。また、第二切替弁15bは、第二メイン液圧路11bの上流側と下流側とを遮断しつつ、第二連絡液圧路14bと第二メイン液圧路11bの下流側とを連通する。また、常閉型電磁弁13は開弁する。
この状態では、ブレーキペダルPの操作によってマスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧は、ホイールシリンダWに伝達されずに、ストロークシミュレータ40に伝達される。そして、底面側圧力室41cのブレーキ液圧が大きくなり、第三ピストン42が弾性部材44の付勢力に抗して蓋部材43側に移動することで、ブレーキペダルPのストロークが許容される。このとき、弾性部材44によって付勢された第三ピストン42によって擬似的な操作反力がブレーキペダルPに付与される。
また、ストロークセンサ19によって、ブレーキペダルPの踏み込みが検出されると、電動モータ61が駆動し、電動モータ61の回転駆動力が、駆動側プーリ62及びベルト64を介して出力部材63に伝達される。出力部材63は、ねじ軸69を進退移動させることで、スレーブシリンダ30の第二ピストン32を駆動する。そして、スレーブシリンダ30の第二ピストン32が底面31a側に移動することで、圧力室31c内のブレーキ液が加圧される。
制御装置50は、スレーブシリンダ30から出力されたブレーキ液圧(第二圧力センサ18bで検知されたブレーキ液圧)と、マスタシリンダ20から出力されたブレーキ液圧(第一圧力センサ18aで検知されたブレーキ液圧)とを対比し、その対比結果に基づいて電動モータ61の回転数等を制御する。このようにして、液圧発生装置1ではブレーキペダルPの操作量に応じてブレーキ液圧を発生させる。
液圧発生装置1で発生したブレーキ液圧は、液圧制御装置2を介して各ホイールシリンダWに伝達され、各ホイールシリンダWが作動することにより、各車輪に制動力が付与される。
なお、スレーブシリンダ30の第二ピストン32がねじ軸69からの入力を受けている状態で、第二圧力センサ18bによって検出されたブレーキ液圧に異常が生じた場合には、常開型電磁弁15cが閉弁する。これにより、第二圧力センサ18bによって検出されたブレーキ液圧が上昇した場合には、第一連絡液圧路14a側の液圧路において失陥が生じていることになる。また、第二圧力センサ18bによって検出されたブレーキ液圧が上昇しない場合には、第二連絡液圧路14b側の液圧路に失陥が生じていることになる。
また、スレーブシリンダ30が作動しない状態(例えば、電力が得られない場合など)においては、第一切替弁15aは、第一メイン液圧路11aの上流側と下流側とを連通しつつ、第一連絡液圧路14aと第一メイン液圧路11aとを遮断する。また、第二切替弁15bは、第二メイン液圧路11bの上流側と下流側とを連通しつつ、第二連絡液圧路14bと第二メイン液圧路11bとを遮断する。また、常閉型電磁弁13は閉弁する。この状態では、マスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧が各ホイールシリンダWに伝達される。
以上説明した本実施形態に係る液圧発生装置1では、図6に示すように、ベルト64が、軸受部材71a,71bの少なくとも一部と、出力部材63の中心軸L2に垂直な方向から見て重ねて配置されている。このため、ベルト64と軸受部材71a,71bとを、効率良くレイアウトすることができる。
したがって、ベルト64の駆動側プーリ62及び従動側プーリ65との係合幅を適切に確保しつつ、出力部材63の中心軸L2方向における液圧発生装置1の寸法の増大を抑制することができる。
また、液圧発生装置1では、従動側プーリ65が係合部65aよりも幅狭な固定部65bを有している。このため、固定部65bの軸方向両側にスペースが形成される。このスペースを活用して軸受部材71a,71bを配置すれば、出力部材63の中心軸L2方向における液圧発生装置1の寸法の増大を抑制できる。
また、液圧発生装置1では、出力部材63がナット部材67とねじ軸69とを有する変換機構66を備え、従動側プーリ65の固定部65bが変換機構66のナット部材67に固定されている。このため、従動側プーリ65の回転駆動力を、固定部65bを介してナット部材67に伝達してねじ軸69を軸方向に移動させることによって、第二ピストン32の軸方向に沿う直線方向駆動力に変換することができる。
また、液圧発生装置1では、固定部65bの軸方向両側に少なくとも一つずつ軸受部材71a,71bが配置され、ベルト64が少なくとも一つの軸受部材71a(71b)における少なくとも一部と、出力部材63の中心軸L2に垂直な方向から見て重ねて配置されている。このため、複数の軸受部材71a,71bを固定部65bに対してバランス良く配置させることができる。したがって、出力部材63は、軸受部材71a,71bによって安定して支持され得る。
また、液圧発生装置1では、カバー10bは軸受部材71a,71bを内部に配置しつつ支持しているため、駆動側プーリ62、出力部材63及びベルト64を覆うカバー10bを用いて軸受部材71a,71bを安定的に支持することができる。
また、図1に示すように、液圧発生装置1の基体10には、マスタシリンダ20と、スレーブシリンダ30と、切替弁15a,15bと、が設けられている。本発明は、かかる構成のような液圧発生装置1に対して用いると好適である。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、図7に示すように、前記した実施形態では、従動側プーリ65は、カバー10b内における前側の下部に配置され、駆動側プーリ62は、カバー10b内における後側の上部に配置されているが、本発明は、これに限定されるものではない。従動側プーリ65及び駆動側プーリ62のカバー10b内における位置は、任意に設定することができる。例えば、従動側プーリ65がカバー10b内における後側の下部に配置され、駆動側プーリ62がカバー10b内における前側の上部に配置されるように構成されてもよい。
また、図3に示す前記した実施形態とは逆に、電動モータ61が、基体10の右面側に配置され、制御装置50が、基体10の左面側に配置されるように構成されてもよい。
また、図2に示す各電磁弁13,15a,15b,15c及び両圧力センサ18a,18bの設置位置は一例であり、特に限定されるものではない。
また、図5〜図6に示す各シリンダ穴21,31,41の設置位置、設置方向及び開口方向は一例であり、特に限定されるものではない。
また、図1に示すように、前記した実施形態では、一つのピストンを用いたシリンダによってスレーブシリンダ30が構成されているが、二つのピストンを有するタンデム型のシリンダによってスレーブシリンダが構成されていてもよい。
また、前記した実施形態の液圧発生装置1は、マスタシリンダ20、スレーブシリンダ30及びストロークシミュレータ40の三つを備えているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、液圧発生装置は、マスタシリンダ20及びスレーブシリンダ30の二つだけを備えていてもよく、あるいは、スレーブシリンダ30だけを備えていてもよく、さらには、液圧制御装置2が合体されていてもよい。
1 液圧発生装置
2 液圧制御装置
10 基体
10a 本体部
10b カバー
15a 第一切替弁(切替弁)
15b 第二切替弁(切替弁)
20 マスタシリンダ
30 スレーブシリンダ
31 第二シリンダ穴
32 第二ピストン(ピストン)
50 制御装置
61 電動モータ
61b 回転軸
62 駆動側プーリ(入力部材)
63 出力部材
64 ベルト(無端状の伝達部材)
65a 係合部
65b 固定部
65 従動側プーリ(回転輪)
66 変換機構
67 ナット部材(回転部材)
69 ねじ軸(直動部材)
71a,71b 軸受部材
100 車両用ブレーキシステム
L2 出力部材の中心軸
L4 駆動側プーリ(入力部材)の中心軸
P ブレーキペダル
W ホイールシリンダ

Claims (5)

  1. 電動モータの駆動によってピストンを移動させてブレーキ液圧を発生可能な液圧発生装置であって、
    前記電動モータが固定される基体と、
    前記電動モータの回転軸に接続する入力部材と、
    前記入力部材の中心軸に平行な中心軸を有するとともに前記入力部材に連動して前記ピストンを駆動させる出力部材と、
    前記入力部材と前記出力部材とに架け渡される無端状の伝達部材と、
    前記出力部材を前記基体に対して回転可能に支持する軸受部材と、を備え、
    前記伝達部材は、前記軸受部材の少なくとも一部と、前記出力部材の中心軸に垂直な方向から見て重ねて配置されており、
    前記出力部材は、前記入力部材から前記伝達部材を介して回転駆動力が伝達される回転輪を備え、
    前記回転輪は、前記伝達部材と係合する係合部と、該係合部に連設され、前記回転輪の回転駆動力を受けることにより回転する回転部材に固定される固定部と、を有し、
    前記固定部は、前記係合部よりも前記出力部材の中心軸方向の寸法が小さく形成されていることを特徴とする液圧発生装置。
  2. 前記出力部材は、前記回転輪の回転駆動力を前記ピストンの軸方向における直線方向駆動力に変換する変換機構を備え、
    前記変換機構は、前記回転部材と係合して軸方向に移動可能に設けられる直動部材を備え、
    前記固定部は、前記変換機構の前記回転部材に固定されることを特徴とする請求項に記載の液圧発生装置。
  3. 前記軸受部材は、前記固定部の軸方向両側に少なくとも一つずつ配置され、
    前記伝達部材は、少なくとも一つの前記軸受部材における少なくとも一部と、前記出力部材の中心軸に垂直な方向から見て重ねて配置されていることを特徴とする請求項または請求項に記載の液圧発生装置。
  4. 前記基体は、前記入力部材、前記出力部材及び前記伝達部材を覆うカバーを備え、
    前記カバーは、前記軸受部材を内部に配置しつつ支持していることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の液圧発生装置。
  5. 前記基体には、
    運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、
    前記電動モータの駆動によってブレーキ液圧を発生させるスレーブシリンダと、
    前記マスタシリンダがホイールシリンダに連通する状態と前記マスタシリンダが前記ホイールシリンダから遮断される状態とを切り替える切替弁と、が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の液圧発生装置。
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