JP6375673B2 - 点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関(エンジン)に用いられる点火装置に関する。
点火プラグの負担を軽減し、無駄な電力消費を抑えて、火花放電を継続させる技術として、次のエネルギー投入回路を考案した(詳細は特願2013−082958参照。この技術は非公知である。)。エネルギー投入回路は、いわゆるフルトラ型の点火回路によって開始した火花放電(以下、主点火と呼ぶ。)が消える前に1次コイルのマイナス側から電気エネルギーを投入し、主点火と同一方向の2次電流を継続して流すことで、主点火として生じた火花放電を任意の期間に亘って継続させるものである。
なお、以下では、エネルギー投入回路により継続させる火花放電、つまり、主点火に続く火花放電を継続火花放電と呼ぶ。また、継続火花放電が続く期間を放電継続期間と呼ぶ。
エネルギー投入回路は、放電継続期間中の1次電流を制御することで、2次電流を調節して火花放電の維持を行う。また、継続火花放電中の2次電流を調節することで、点火プラグの負担を軽減し、且つ無駄な電力消費を抑えて、火花放電を継続することができる。
さらに、装置個体差、経年劣化および放電環境の多様性等に影響されず火花放電を安定して継続させるため、2次電流を検出してエネルギー投入回路にフィードバックするフィードバック回路を追加した構成を考案した(特願2013−246091参照。この技術は非公知である。)。
次に、本発明の理解補助の目的で、本発明を適用していないエネルギー投入回路の代表例を図6に基づき説明する。
図6に示す点火装置100は、フルトラに基づく主点火を点火プラグ101に生じさせる主点火回路102と、主点火に継続させて継続火花放電を生じさせるエネルギー投入回路103とを備える。
主点火回路102は、スイッチング素子104のオンによって車載バッテリ105から1次コイル106にプラスの1次電流を通電させて磁気エネルギーを蓄えさせ、その後、スイッチング素子104のオフにより、電磁誘導によって磁気エネルギーを電気エネルギーに変換して2次コイル107に高電圧を発生させ、主点火を生じさせる。また、エネルギー投入回路103は、昇圧回路108において車載バッテリ105の電圧を昇圧してコンデンサ109に蓄えるとともに、スイッチング素子110のオンオフにより、コンデンサ109に蓄えた電気エネルギーを1次コイル106のマイナス側に投入する。
また、図6に示す点火装置100は、2次電流を検出してエネルギー投入回路103にフィードバックするフィードバック回路111を備え、フィードバック回路111は、検出した2次電流をエネルギー投入回路103のドライバ回路にフィードバックする。
(問題点)
点火装置の故障等により、継続火花放電中の2次電流が異常な数値になった場合、以下のような事態になる虞がある。すなわち、継続火花放電中の2次電流が過小である場合、エネルギー投入回路によるエネルギー投入量が過小になってエンジン失火に至る可能性がある。逆に、継続火花放電中の2次電流が過大である場合、継続して使用するとエネルギー投入量が過大になって更なる故障に至る可能性がある。そこで、エネルギー投入回路の動作時に2次電流の異常を判定する手段が必要となっている。
(参考技術)
一方、本発明に関連する技術として、点火プラグの放電時間に基づき燃焼室内の「乱れ強度」を推定するとともに、推定結果に応じてエンジンの燃焼状態が安定領域にあるか否かを判定して「乱れ強度」を低下させる技術が公知である(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1の技術は、点火プラグの放電時間を利用して燃焼室内の乱れを修正する技術に関わるものであり、2次電流の異常に関わるものではない。
特開2012−219627号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エネルギー投入回路を備える内燃機関用の点火装置において、エネルギー投入回路の動作時に2次電流の異常を判定する手段を提供することにある。
本願の第1発明の内燃機関用の点火装置は、次の主点火回路、エネルギー投入回路、2次電流検出手段、電流検出回路および異常判定部を備える。
主点火回路は、点火コイルの1次コイルの通電制御を行って点火プラグに火花放電を生じさせる。また、エネルギー投入回路は、主点火回路の動作によって開始した火花放電中に、1次コイルの通電制御を行って、点火コイルの2次コイルに同一方向の2次電流を継続して流し、主点火回路の動作によって開始した火花放電を継続させる。また、2次電流検出手段は2次電流を検出する。また、電流検出回路は、エネルギー投入回路の動作時の2次電流の検出値に対し、絶対値としての上限、下限それぞれの閾値である制御上限(H)、制御下限(L)を設定するとともに、これら制御上限(H)、制御下限(L)と検出値との比較に基づき、エネルギー投入回路による通電制御を行うためのフィードバック信号を出力する。
そして、異常判定部は、エネルギー投入回路の動作時の2次電流の検出値に対し、制御上限(H)よりも絶対値として大きい許容上限(HH)、および、制御下限(L)よりも絶対値として小さい許容下限(LL)により画される許容範囲を設定するとともに、2次電流の検出値が許容範囲を外れたか否かを判定する。
これにより、2次電流の検出値が許容範囲を外れたことを検知することができる。このため、エネルギー投入回路の動作時に2次電流の異常を判定することができる。さらに、異常と判定した場合には、異常信号を出力してユーザに報知することで、更なる故障を防止することができる。
本願の第1発明に従属する第2発明によれば、異常判定部は、許容範囲を2次電流の指令値に応じて変更する。
これにより、指令値の変更に伴う誤判定を防止することができる。
点火装置の構成図である(実施例1)。 点火装置の動作を示すタイムチャートである(実施例1)。 (a)は2次電流の検出値が許容範囲を外れるパターンの1つとしての第1の態様を示すタイムチャートであり、(b)は第2の態様を示すタイムチャートであり、(c)は第3の態様を示すタイムチャートである(実施例1)。 点火装置の構成図である(実施例2)。 (a)は2次電流指令回路の構成図であり、(b)は2次電流指令信号の態様を示す表である(実施例2)。 点火装置の構成図である(参考例)。
以下において、発明を実施するための形態を、実施例を用いて説明する。なお、実施例は具体的な一例を開示するものであり、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。
〔実施例1の構成〕
図1を参照して実施例1の点火装置1を説明する。
点火装置1は、車両走行用の火花点火エンジンに搭載されるものであり、所定の点火時期に燃焼室内の混合気に点火するものである。なお、エンジンの一例は、ガソリンを燃料とする希薄燃焼(リーンバーン)が可能な直噴式エンジンであり、気筒内にタンブル流やスワール流等の混合気の旋回流を生じさせる旋回流コントロール手段を備える。そして、リーンバーンのように気筒内のガス流速が高く火花放電の吹き消え発生の可能性がある運転状態において、点火装置1は、主点火に続けて継続火花放電を行うように制御される。
また、点火装置1は、各気筒の点火プラグ2ごとに対応した点火コイル3を用いるDI(ダイレクト・イグニッション)タイプである。
さらに、点火装置1は、エンジン制御の中枢を成す電子制御ユニット(以下、ECU4と呼ぶ。)から与えられる点火信号IGtや放電継続信号IGw等の信号に基づいて点火コイル3の1次コイル5を通電制御するものであり、1次コイル5を通電制御することで点火コイル3の2次コイル6に生じる電気エネルギーを操作して、点火プラグ2の火花放電を制御する。
ここで、ECU4は、車両に搭載されてエンジンの運転状態や制御状態を示すパラメータ(暖機状態、エンジン回転速度、エンジン負荷、希薄燃焼の有無、旋回流の程度等)を検出する各種センサから信号が入力される。また、ECU4は、入力された信号を処理する入力回路、入力された信号に基づき、エンジン制御に関する制御処理や演算処理を行うCPU、エンジン制御に必要なデータやプログラム等を記憶して保持する各種のメモリ、CPUの処理結果に基づき、エンジン制御に必要な信号を出力する出力回路等を備えて構成される。そして、ECU4は、各種センサから取得したエンジンパラメータに応じた点火信号IGtおよび放電継続信号IGwを生成して出力する。
実施例1の点火装置1は、フルトラに基づき主点火を発生させる主点火回路8と、主点火として生じた火花放電を電気エネルギーの追加投入により継続火花放電として継続させるエネルギー投入回路9と、2次電流を検出してエネルギー投入回路9にフィードバックするフィードバック回路10と、点火装置1の異常判定を行う異常判定部11とを備えて構成される。
なお、主点火回路8、エネルギー投入回路9、フィードバック回路10および異常判定部11は、点火回路ユニットとして1つのケース内に収容配置され、点火プラグ2、点火コイル3および点火回路ユニットは、気筒数と同数設けられて気筒毎に設置される。
点火プラグ2は、周知構造を有するものであり、2次コイル6の一端に接続される中心電極と、エンジンのシリンダヘッド等を介してアース接地される接地電極とを備え、2次コイル6に生じる電気エネルギーにより中心電極と接地電極との間で火花放電を生じさせる。
点火コイル3は、1次コイル5と2次コイル6とを有し、1次コイル5を流れる電流(1次電流)の増減に応じて電磁誘導により2次コイル6に高電圧を発生させて点火プラグ2で放電を開始させ、放電電流(2次電流)を発生させる周知構造である。
1次コイル5の一端は車載バッテリ12のプラス電極に接続され、1次コイル5の他端は主点火回路8の点火用スイッチング手段13を介してアース接地される。さらに、1次コイル5の他端には、点火用スイッチング手段13を介してアース接地されるラインと並列に、エネルギー投入回路9が接続されている。
2次コイル6の一端は上述したように点火プラグ2の中心電極に接続され、2次コイル6の他端はフィードバック回路10に接続されている。なお、2次コイル6の他端は、2次電流の方向を一方向に限定する第1ダイオード14を介してフィードバック回路10に接続されている。
主点火回路8は、点火用スイッチング手段13のオンオフにより、1次コイル5にエネルギーを蓄えさせるとともに、1次コイル5に蓄えたエネルギーを利用して2次コイル6に高電圧を発生させ、点火プラグ2に主点火を生じさせる。
より具体的に、主点火回路8は、1次コイル5の通電状態を断続する点火用スイッチング手段13を備える。そして、主点火回路8は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間に点火用スイッチング手段13をオンすることで、1次コイル5に車載バッテリ12の電圧を印加してプラスの1次電流を通電し、1次コイル5に磁気エネルギーを蓄えさせる。その後、主点火回路8は、点火用スイッチング手段13のオフにより、電磁誘導によって磁気エネルギーを電気エネルギーに変換して2次コイル6に高電圧を発生させ、主点火を生じさせる。
なお、点火用スイッチング手段13は、パワートランジスタ、MOS型トランジスタ等である。また、点火信号IGtは、主点火回路8において1次コイル5に磁気エネルギーを蓄えさせる期間および点火開始時期を指令する信号である。
エネルギー投入回路9は、以下の昇圧回路15と、投入エネルギー制御手段16とを備えて構成される。
まず、昇圧回路15は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間において車載バッテリ12の電圧を昇圧してコンデンサ18に蓄えさせる。
次に、投入エネルギー制御手段16は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーを1次コイル5のマイナス側(接地側)に投入する。
昇圧回路15は、コンデンサ18以外に、チョークコイル19、昇圧用スイッチング手段20、昇圧用ドライバ回路21および第2ダイオード22を備えて構成される。なお、昇圧用スイッチング手段20は、例えば、MOS型トランジスタである。
ここで、チョークコイル19は一端が車載バッテリ12のプラス電極に接続され、昇圧用スイッチング手段20によりチョークコイル19の通電状態が断続される。また、昇圧用ドライバ回路21は、昇圧用スイッチング手段20に制御信号を与えて昇圧用スイッチング手段20をオンオフさせるものであり、昇圧用スイッチング手段20のオンオフ動作により、チョークコイル19で蓄えた磁気エネルギーはコンデンサ18で電気エネルギーとして充電される。
なお、昇圧用ドライバ回路21は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間において昇圧用スイッチング手段20を所定周期で繰り返してオンオフするように設けられている。
また、第2ダイオード22は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーがチョークコイル19側へ逆流するのを防ぐものである。
投入エネルギー制御手段16は、次の投入用スイッチング手段24、投入用ドライバ回路25および第3ダイオード26を備えて構成される。なお、投入用スイッチング手段24は、例えば、MOS型トランジスタである。
ここで、投入用スイッチング手段24は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーを1次コイル5にマイナス側から投入するのをオンオフし、投入用ドライバ回路25は、投入用スイッチング手段24に制御信号を与えてオンオフさせる。
そして、投入用ドライバ回路25は、投入用スイッチング手段24をオンオフさせてコンデンサ18から1次コイル5に投入する電気エネルギーを制御することで、放電継続信号IGwが与えられる期間において2次電流を所定値に維持させる。ここで、放電継続信号IGwは、継続火花放電を継続する期間を指令する信号であり、より具体的には、投入用スイッチング手段24にオンオフを繰り返させて昇圧回路15から1次コイル5に電気エネルギーを投入する期間を指令する信号である。
なお、第3ダイオード26は、1次コイル5からコンデンサ18への電流の逆流を阻止するものである。
フィードバック回路10は、2次電流を検出してエネルギー投入回路9の投入エネルギー制御手段16にフィードバックする。
ここで、フィードバック回路10には、2次電流を検出する2次電流検出手段としての2次電流検出抵抗28、および、フィードバック信号を合成して出力する電流検出回路29が設けられている。そして、2次電流の検出値は、2次電流検出抵抗28により電圧に変換されて電流検出回路29に出力される。また、電流検出回路29では、例えば、2次電流に対する上限下限の閾値が設定されており、検出値と上限、下限の閾値との比較に応じたフィードバック信号が合成されて投入用ドライバ回路25に出力される。
次に、図2を参照して点火装置1の正常時の動作を説明する。
なお、図2において、「IGt」は点火信号IGtの入力状態をハイ/ローで表すものであり、「IGw」は放電継続信号IGwの入力状態をハイ/ローで表すものである。また、「点火用スイッチ」、「投入用スイッチ」は、それぞれ、点火用スイッチング手段13、投入用スイッチング手段24のオンオフを表し、「I1」は1次電流(1次コイル5に流れる電流値)、「I2」は2次電流(2次コイル6に流れる電流値)を表す。
点火信号IGtがローからハイへ切り替わると(時間t01参照。)、点火信号IGtがハイの期間において、点火用スイッチング手段13がオン状態を維持してプラスの1次電流が流れ、1次コイル5に磁気エネルギーが蓄えられる。また、昇圧用スイッチング手段20がオンオフを繰り返して昇圧動作を行い、昇圧された電気エネルギーがコンデンサ18に蓄えられる。
やがて、点火信号IGtがハイからローへ切り替わると(時間t02参照。)、点火用スイッチング手段13がオフされ、1次コイル5の通電状態が遮断される。これにより、1次コイル5に蓄えられた磁気エネルギーが電気エネルギーに変換されて2次コイル6に高電圧が発生し、点火プラグ2において主点火が開始される。
点火プラグ2において主点火が開始された後、2次電流は略三角波形状で減衰する(I2の点線を参照。)。そして、2次電流が下限の閾値に到達する前に、放電継続信号IGwがローからハイへ切り替わる(時間t03参照。)。
放電継続信号IGwがローからハイへ切り替わると、投入用スイッチング手段24がオンオフ制御されて、コンデンサ18に蓄えられていた電気エネルギーが、1次コイル5のマイナス側に順次投入され、1次電流は、1次コイル5から車載バッテリ12のプラス電極に向かって流れる。より具体的には、投入用スイッチング手段24がオンされる毎に1次コイル5から車載バッテリ12のプラス電極に向かう1次電流が追加され、1次電流がマイナス側に増加していく(時間t03〜t04参照。)。
すなわち、1次電流の追加により2次電流が上限(後記する制御上限H)に達すると、投入用スイッチング手段24がオフしてエネルギー投入が停止し、2次電流が徐々に低下していく。また、2次電流が下限(後記する制御下限L)に達すると、投入用スイッチング手段24がオンしてエネルギー投入が再開する。そして、1次電流が追加される毎に、主点火による2次電流と同方向の2次電流が2次コイル6に順次追加され、2次電流は上限下限の間に維持される。
以上により、投入用スイッチング手段24をオンオフ制御することで、2次電流が火花放電を維持可能な程度に継続して流れる。その結果、放電継続信号IGwのオン状態が続くと、継続火花放電が点火プラグ2において維持される。
次に、実施例1の特徴的な構成について説明する。
点火装置1の異常判定部11は、主に、継続火花放電中の2次電流が異常な数値を示すことにより、エンジン失火に至ったり、更なる故障に至ったりすることを防止するため、次のように2次電流に対する許容範囲を設定する。
すなわち、許容範囲とは、エネルギー投入回路9の動作時の2次電流の検出値に対して設定されるものであり、許容範囲の上限の閾値は、電流検出回路29が設定する上限の閾値よりも絶対値として大きく、許容範囲の下限の閾値は、電流検出回路29が設定する下限の閾値よりも絶対値として小さい。
以下の説明では、電流検出回路29が設定する上限、下限の閾値をそれぞれ制御上限H、制御下限Lと呼び、異常判定部11が設定する上限、下限の閾値をそれぞれ許容上限HH、許容下限LLと呼ぶ(図3参照。)。
そして、異常判定部11は、エネルギー投入回路9の動作時に、2次電流の検出値が許容範囲を外れたか否かを判定し、2次電流の検出値が許容範囲を外れたと判定した場合に、2次電流の検出値が許容範囲を外れたことを示すダイアグ信号IGfをECU4に出力する。
なお、以下の説明では、2次電流の検出値が許容範囲を外れたか否かを判定する機能を、単に判定手段と呼ぶことがある。
ここで、異常判定部11は、放電継続信号IGwが入力されている間、2次電流の検出値の絶対値が許容上限HHよりも大きくならないか、または、2次電流の検出値の絶対値が許容下限LLよりも小さくならないかを監視する(つまり、図2および図3の時間t03が、異常判定部11による2次電流の検出値に対する監視を開始する時期に相当する。)。
そして、異常判定部11は、例えば、2次電流の検出値が許容範囲を外れる単位時間当たりの回数(つまり、頻度)や、2次電流の検出値が許容範囲を外れる時間の長さに基づき、判定手段としての機能を果たす。
例えば、異常判定部11は、2次電流の検出値が所定の時間内に2回以上許容範囲を外れたときに、2次電流の検出値が許容範囲を外れたものと判定する。また、異常判定部11は、2次電流の検出値が所定の時間連続して許容範囲を外れたときに、2次電流の検出値が許容範囲を外れたものと判定する。
そして、ECU4は、例えば、2次電流の検出値が許容範囲を外れた気筒に対し、次のような処置をとることができる。すなわち、ECU4は、当該気筒に対して放電継続信号IGwの出力を停止し、当該気筒における火花放電を主点火のみに基づくものとする処置をとることができる。
また、ECU4は、ダイアグ信号IGfの入力を受けた場合、各種公知の処理を実施して警告表示装置Aに所定の動作を行わせ、ユーザに異常を報知する。すなわち、警告表示装置Aは、異常判定部11により、2次電流の検出値が許容範囲を外れたものと判定されたときに、異常としてユーザに報知する報知手段として機能する。
なお、継続火花放電は、制御上、リーンバーンのように気筒内のガス流速が高く、吹き消え発生の可能性がある運転状態において行われる。このため、吹き消え発生の可能性があるときに、判定手段を実行すると、故障が発生していないにも関わらず2次電流の検出値が許容下限LLよりも小さくなり、許容範囲を外れたものと判定してしまう虞がある。
そこで、吹き消え発生の可能性が低いエンジン暖機後のアイドル運転時に、あえてエネルギー投入回路9を動作させて継続火花放電を発生させるようにした上で、判定手段を実行する。または、ガス流速が高いものの吹き消え発生の可能性がさほど高くない運転状態のときに、判定手段を実行する。これにより、吹き消えに伴う2次電流の検出値異常と、故障発生に伴う2次電流の検出値異常とを区別し、故障発生に伴う2次電流の検出値異常を確実に検知することができる。
また、2次電流の検出値が許容範囲を外れるパターンとして、以下のような第1〜第3の態様が考えられる。
まず、図3(a)に示すように、2次電流の経時変化を示す波形に関し、異常時の振幅が正常時の振幅に比べて大きくなり、波形の頂点近傍で2次電流の検出値が許容範囲を外れてしまう第1の態様が考えられる。この場合、異常判定部11は、2次電流の検出値が許容範囲を外れる頻度に基づき、2次電流の検出値が許容範囲を外れたものと判定する。なお、第1の態様は、投入用ドライバ回路25から投入用スイッチング手段24に与えられる制御信号が遅れている場合に発生するものと考えられる。
次に、図3(b)に示すように、主点火に伴う三角波が発生した後、ゼロのまま推移する第2の態様が考えられる。この場合、異常判定部11は、2次電流の検出値が許容範囲を外れる時間の長さに基づき、2次電流の検出値が許容範囲を外れたものと判定する。なお、第2の態様は、投入用ドライバ回路25から投入用スイッチング手段24に与えられる制御信号がオフ側に固定した場合に発生するものと考えられる。
さらに、図3(c)に示すように、主点火発生後に2次電流の検出値が絶対値を増やしながら制御上限Hを超え、さらに許容上限HHを超えた後、減少に転じ、絶対値を減らしながら許容上限HHを超え、さらに制御上限Hを超えてゼロに戻る第3の態様が考えられる。この場合、異常判定部11は、2次電流の検出値が許容範囲を外れる時間の長さに基づき、2次電流の検出値が許容範囲を外れたものと判定する。なお、第3の態様は、投入用ドライバ回路25から投入用スイッチング手段24に与えられる制御信号がオン側に固定した場合に発生するものと考えられる。
〔実施例1の効果〕
実施例1の点火装置1によれば、異常判定部11は、エネルギー投入回路9の動作時の2次電流の検出値に対する許容範囲を設定するとともに、2次電流の検出値が許容範囲を外れたか否かを判定する。
これにより、2次電流の検出値が許容範囲を外れたことを検知することができる。このため、エネルギー投入回路9の動作時に2次電流の異常を判定して、ECU4に知らせることができる。
さらに、ECU4で各種公知の処理を実施することで、警告表示装置Aによりユーザに異常を報知することができる。この結果、例えば、ディーラー等への修理持ち込みを促して更なる故障を防止することができる。
〔実施例2〕
実施例2の点火装置1は、図4に示すように、2次電流の指令値を示す2次電流指令信号IGaの入力をECU4から受ける。そして、点火装置1は、電流検出回路29に2次電流指令回路30を設け、2次電流指令回路30により、2次電流指令信号IGaの入力を受ける。また、電流検出回路29は、2次電流指令回路30から出力された2次電流の指令値と2次電流の検出値とを比較した結果に応じてフィードバック信号を合成する。
ここで、2次電流指令信号IGaは、点火信号IGtおよび放電継続信号IGwを出力する信号線とは別の3本の信号線L1〜L3によりECU4から点火装置1に出力される。また、ECU4は、内燃機関の運転状態を示すエンジンパラメータを各種センサから取得するとともにエンジンパラメータに応じて2次電流の指令値を求め、2次電流指令信号IGaを合成して出力する。
このとき、ECU4は、エンジンパラメータに応じて、予め設定された複数の数値から1つの数値を2次電流の指令値として選択する。また、ECU4は、それぞれの数値に対応した2次電流指令信号IGaの態様を信号線L1〜L3の電位(ハイ/ロー)の組合せにより設定している。
例えば、ECU4が2次電流の指令値として200mA、150mA、100mAの3つの数値を設定しているものとする(図5(b)参照。)。この場合、2次電流の指令値として200mAを選択した場合、2次電流指令信号IGaの態様は、例えば、信号線L1:ハイ、信号線L2:ロー、信号線L3:ローに設定され、150mAを選択した場合、信号線L1:ロー、信号線L2:ハイ、信号線L3:ローに設定され、100mAを選択した場合、信号線L1:ロー、信号線L2:ロー、信号線L3:ハイに設定されるものとする。
また、2次電流指令回路30は、信号線L1〜L3のそれぞれの論理信号からノイズを除去する3つの波形成形部32と、2次電流指令信号IGaの態様に応じた電位を出力する指令値出力部33とを有する(図5(a)参照。)。ここで、指令値出力部33は、1つの抵抗R0と、4つの抵抗R1〜R4が互いに並列をなす並列部34とが直列をなし、抵抗R0と並列部34との接続部35における電位を指令値として出力する。
すなわち、並列部34において並列に設けられた4つの枝路の内、抵抗R1〜R3が組み入れられた枝路には、それぞれスイッチング素子Tr1〜Tr3が組み入れられている。また、スイッチング素子Tr1〜Tr3は、それぞれ抵抗R1〜R3と直列に組み入れられている。また、スイッチング素子Tr1〜Tr3は、例えば、バイポーラランジスタである。そして、スイッチング素子Tr1〜Tr3のそれぞれのベースには信号線L1〜L3のハイ/ローが論理変換されずに入力され、スイッチング素子Tr1〜Tr3は、信号線L1〜L3のハイ/ローに応じてオンオフする。
これにより、信号線L1〜L3のハイ/ローに応じて並列部34の合成抵抗が3つの数値の間で変わるので、接続部35における電位も、信号線L1〜L3のハイ/ローに応じて3つの数値の間で変化する。このため、2次電流指令回路30は、2次電流指令信号IGaの態様に応じて、2次電流の指令値を200mA、150mA、100mAの内から選択して出力することができる。
そして、実施例2の点火装置1によれば、異常判定部11は、2次電流の指令値に応じて許容範囲を変更する。
すなわち、異常判定部11には、許容上限HH、許容下限LLをそれぞれ出力する許容上限指令回路38、許容下限指令回路39を有する(図4参照。)。また、許容上限指令回路38、許容下限指令回路39は、両方とも、2次電流指令回路30と同様の回路構成であり、信号線L1〜L3を通じて2次電流指令信号IGaの入力を受ける。
そして、許容上限指令回路38は、信号線L1〜L3のハイ/ローに応じて、許容上限HHを指令値200mA、150mA、100mAのそれぞれに対応する3つの数値の中から選択して出力する。同様に、許容下限指令回路39は、信号線L1〜L3のハイ/ローに応じて、許容下限LLを指令値200mA、150mA、100mAのそれぞれに対応する3つの数値の中から選択して出力する。
以上により、実施例2の点火装置1によれば、異常判定部11は、許容範囲を2次電流の指令値に応じて変更することができるので、指令値の変更に伴う誤判定を防止することができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、2次電流の検出値が許容範囲を外れるパターンとして、上述の第1〜第3の態様を例示したが、2次電流の検出値が許容範囲を外れるパターンは、第1〜第3の態様に限定されず、他にも様々な態様が考えられるので、第1〜第3の態様以外の態様でも、点火装置1は、2次電流の検出値異常を検知することができる。
上記の実施例2の2次電流指令回路は、3本の信号線L1〜L3により2次電流指令信号IGaの入力を受けて、3つの異なる数値の中から1つの数値を選択することで2次電流の指令値を把握するものであったが、2本または4本以上の信号線により2次電流指令信号IGaの入力を受けてもよく、4つ以上の異なる数値の中から1つの数値を選択することで2次電流の指令値を把握してもよい。さらに、1本の信号線により2次電流指令信号IGaの入力を受けてもよく、この場合、1本の信号線におけるハイ/ローにより、2次電流の指令値として2つの数値から一方の数値を選択することができる。
上記の実施例では、ガソリンエンジンに本発明の点火装置1を用いる例を示したが、継続火花放電によって燃料(具体的には混合気)の着火性の向上を図ることができるため、エタノール燃料や混合燃料を用いるエンジンに適用してもよい。また、粗悪燃料が用いられる可能性のあるエンジンに用いても継続火花放電により着火性の向上を図ることができる。
上記の実施例では、希薄燃焼(リーンバーン)運転が可能なエンジンに本発明の点火装置1を用いる例を示したが、希薄燃焼とは異なる燃焼状態であっても継続火花放電によって着火性の向上を図ることができるため、希薄燃焼可能なエンジンへの適用に限定するものではなく、希薄燃焼を行わないエンジンに用いてもよい。
上記の実施例では、燃焼室に直接燃料を噴射する直噴式エンジンに本発明の点火装置1を用いる例を示したが、吸気バルブの吸気上流側(吸気ポート内)に燃料を噴射するポート噴射式のエンジンに用いてもよい。
上記の実施例では、混合気の旋回流(タンブル流やスワール流等)を気筒内にて積極的に生じさせるエンジンに本発明の点火装置1を用いる例を開示したが、旋回流コントロール手段(タンブル流コントロールバルブやスワール流コントロールバルブ等)を有しないエンジンに用いてもよい。
1 点火装置 2 点火プラグ 3 点火コイル 5 1次コイル 6 2次コイル 8 主点火回路 9 エネルギー投入回路 28 2次電流検出抵抗(2次電流検出手段) 29 電流検出回路 制御上限 制御下限 HH 許容上限 LL 許容下限

Claims (3)

  1. 点火コイル(3)の1次コイル(5)の通電制御を行って点火プラグ(2)に火花放電を生じさせる主点火回路(8)と、
    この主点火回路(8)の動作によって開始した火花放電中に、前記1次コイル(5)の通電制御を行って、前記点火コイル(3)の2次コイル(6)に同一方向の2次電流を継続して流し、前記主点火回路(8)の動作によって開始した火花放電を継続させるエネルギー投入回路(9)と、
    2次電流を検出する2次電流検出手段(28)と、
    前記エネルギー投入回路(9)の動作時の2次電流の検出値に対し、絶対値としての上限、下限それぞれの閾値である制御上限(H)、制御下限(L)を設定するとともに、これら制御上限(H)、制御下限(L)と前記検出値との比較に基づき、前記エネルギー投入回路(9)による通電制御を行うためのフィードバック信号を出力する電流検出回路(29)と、
    前記エネルギー投入回路(9)の動作時の2次電流の検出値に対し、前記制御上限(H)よりも絶対値として大きい許容上限(HH)、および、前記制御下限(L)よりも絶対値として小さい許容下限(LL)により画される許容範囲を設定するとともに、2次電流の検出値が前記許容範囲を外れたか否かを判定する異常判定部(11)とを備える内燃機関用の点火装置(1)。
  2. 請求項1の点火装置(1)において、
    前記異常判定部(11)は、前記許容範囲を2次電流の指令値に応じて変更することを特徴とする内燃機関用の点火装置(1)。
  3. 請求項1または請求項2に記載の点火装置(1)において、
    前記異常判定部(11)により、2次電流の検出値が前記許容範囲を外れたものと判定されたときに、異常としてユーザに報知する報知手段を備える点火装置(1)。
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