以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、代表的な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
さらに、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを省略する場合もある。
(実施の形態1)
<半導体装置の構造>
次に、本実施の形態1の半導体装置の構造を、図面を参照して説明する。図1は、実施の形態1の半導体装置が形成される半導体基板および素子領域を示す平面図である。図2〜図4は、実施の形態1の半導体装置の要部平面図である。図5は、実施の形態1の半導体装置の要部断面図である。図6は、実施の形態1の半導体装置におけるメモリセルの等価回路図である。
なお、図2〜図4では、金属シリサイド層14、絶縁膜15および層間絶縁膜16を除去して透視した状態を示している。また、図5では、メモリセル領域1Aにおける図2のA−A断面に対応した素子構造と、周辺回路領域1Bにおける図3のB−B断面に対応した素子構造とを、合わせて図示している。また、周辺回路領域1Cにおける図4のC−C断面に対応した素子構造は、平面視において、90°回転して配置されている点を除き、周辺回路領域1Bにおける図3のB−B断面に対応した素子構造と同様であるため、図5では、周辺回路領域1Cにおける図4のC−C断面に対応した素子構造の図示を省略する。
図1に示すように、半導体装置は、半導体基板1を有している。半導体基板1は、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体ウェハである。半導体基板1は、半導体基板1の主面1aの一部の領域として、複数の素子領域CHPを有する。なお、半導体基板1の主面1aにそれぞれ平行な2つの方向であって、互いに交差、好適には直交する2つの方向を、X軸方向およびY軸方向とする。
図1に示すように、各素子領域CHPにおいて、半導体装置は、半導体基板1の主面1aの一部の領域として、メモリセル領域1Aならびに周辺回路領域1Bおよび1Cを有している。図2に示すように、メモリセル領域1AにはメモリセルMCAおよびMCBが形成され、図3および図4に示すように、周辺回路領域1Bおよび1CにはMISFETQ1がそれぞれ形成されている。ここで、周辺回路とは、不揮発性メモリ以外の回路であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、制御回路、センスアンプ、カラムデコーダ、ロウデコーダ、入出力回路などである。周辺回路領域1Bおよび1Cの各々に形成されるMISFETQ1は、周辺回路用のMISFETである。
なお、図1、図3および図4に示すように、周辺回路領域1Bでは、ゲート電極GE1は、平面視において、Y軸方向に延在するが、周辺回路領域1Cでは、ゲート電極GE1は、平面視において、X軸方向に延在する。
次に、図2および図5を参照し、メモリセル領域1Aに形成されたメモリセルMCAおよびMCBの構成を具体的に説明する。
メモリセル領域1Aにおいて、半導体装置は、活性領域AR1および活性領域AR2と素子分離領域IR1とを有している。活性領域AR1および活性領域AR2は、半導体基板1の主面1aにそれぞれ形成され、半導体基板1の主面1a内において、X軸方向にそれぞれ延在している。活性領域AR1および活性領域AR2は、半導体基板1の主面1a内において、Y軸方向に沿って間隔を空けて配置されている。
半導体基板1の主面1a側であって、活性領域AR1と活性領域AR2との間には、素子分離領域IR1が形成されている。素子分離領域IR1は、半導体基板1の主面1a内において、X軸方向に延在しており、活性領域AR1と活性領域AR2との間に形成されている。素子分離領域IR1は、素子を分離するためのものであり、素子分離領域IR1には、素子分離膜2が形成されている。
なお、図2に示すように、Y軸方向に沿っては、活性領域AR1と活性領域AR2とが間隔を空けて配置されているが、活性領域AR1と活性領域AR2とが全体として繋がって一つの活性領域となっていてもよい。つまり、半導体基板1の主面1a内において、一つの活性領域の一部の領域に、X軸方向に延在する素子分離領域IR1が形成されることで、活性領域AR1と活性領域AR2とが、Y軸方向に沿って間隔を空けて配置されるようになっていてもよい。
活性領域AR1および活性領域AR2は、素子分離領域IR1により規定すなわち区画されている。また、図5に示すように、活性領域AR1には、p型ウェルPW1が形成され、図示は省略するが、活性領域AR2にも、活性領域AR1と同様に、p型ウェルPW1が形成されている。すなわち、活性領域AR1および活性領域AR2は、p型ウェルPW1が形成された領域である。p型ウェルPW1は、p型の導電型を有する。
このようにして、図2のY軸方向には、複数の活性領域と複数の素子分離領域とが、交互に配置されて活性領域の列を形成しており、また、この活性領域の列が図2のX軸方向に複数配置されている。
活性領域AR1では、p型ウェルPW1に、不揮発性メモリとしての2つのメモリセルMCAおよびMCBが形成されている。メモリセルMCAおよびMCBの各々は、スプリットゲート型のメモリセルである。
図5に示すように、メモリセルMCAは、制御ゲート電極CGAを有する制御トランジスタCTAと、制御トランジスタCTAに接続され、メモリゲート電極MGAを有するメモリトランジスタMTAと、を有している。また、メモリセルMCBは、制御ゲート電極CGBを有する制御トランジスタCTBと、制御トランジスタCTBに接続され、メモリゲート電極MGBを有するメモリトランジスタMTBと、を有している。2つのメモリセルMCAおよびMCBは、ドレイン領域として機能する半導体領域MDを共有している。
図2に示すように、活性領域AR2上にも、活性領域AR1上と同様に、2つのメモリセルMCAおよびMCBが形成されている。図示は省略するが、活性領域AR2でも、活性領域AR1と同様に、2つのメモリセルMCAおよびMCBは、ドレイン領域として機能する半導体領域MDを共有している。このようにして、メモリセルMCAおよびMCBはY軸方向に複数配置され、メモリセル列を形成している。また、Y軸方向に配列した複数のメモリセルMCAおよび複数のメモリセルMCBからなるメモリセル列は、図2のX軸方向に複数配置されている。このようにして、複数のメモリセルが、平面視において、X軸方向およびY軸方向に配列したアレイ状に形成されている。
なお、本願明細書において、平面視において、とは、半導体基板1の主面1aに垂直な方向から視た場合を意味する。なお、前述した、半導体基板1の主面1a内において、という場合にも、半導体基板1の主面1aに垂直な方向から視た場合を意味する。
図2および図5に示すように、メモリセルMCAとメモリセルMCBとは、ドレイン領域として機能する半導体領域MDを挟んでほぼ対称に配置されている。メモリセルMCAとメモリセルMCBとは、図2のX軸方向に沿って並んで配置されている。
メモリセルMCAは、n型の半導体領域MSと、n型の半導体領域MDと、制御ゲート電極CGAと、メモリゲート電極MGAと、を有している。n型の半導体領域MSと、n型の半導体領域MDとは、p型の導電型とは反対の導電型であるn型の導電型を有する。また、メモリセルMCAは、制御ゲート電極CGAと半導体基板1との間に形成されたゲート絶縁膜GI1Aと、メモリゲート電極MGAと半導体基板1との間、および、メモリゲート電極MGAと制御ゲート電極CGAとの間に形成されたゲート絶縁膜GI2Aと、を有している。すなわち、ゲート絶縁膜GI1A、制御ゲート電極CGA、メモリゲート電極MGAおよびゲート絶縁膜GI2Aにより、メモリセルMCAが形成されている。
なお、メモリセルMCAは、制御ゲート電極CGA上に形成されたキャップ絶縁膜を有していてもよい。
メモリセルMCBは、n型の半導体領域MSと、n型の半導体領域MDと、制御ゲート電極CGBと、メモリゲート電極MGBと、を有している。n型の半導体領域MSと、n型の半導体領域MDとは、p型の導電型とは反対の導電型であるn型の導電型を有する。また、メモリセルMCBは、制御ゲート電極CGBと半導体基板1との間に形成されたゲート絶縁膜GI1Bと、メモリゲート電極MGBと半導体基板1との間、および、メモリゲート電極MGBと制御ゲート電極CGBとの間に形成されたゲート絶縁膜GI2Bと、を有している。すなわち、ゲート絶縁膜GI1B、制御ゲート電極CGB、メモリゲート電極MGBおよびゲート絶縁膜GI2Bにより、メモリセルMCBが形成されている。
なお、メモリセルMCBは、制御ゲート電極CGB上に形成されたキャップ絶縁膜を有していてもよい。
メモリセルMCAでは、制御ゲート電極CGAおよびメモリゲート電極MGAは、それらの互いに対向する側面すなわち側壁の間にゲート絶縁膜GI2Aを介した状態で、半導体基板1の主面1aに沿って延在し、並んで配置されている。制御ゲート電極CGAおよびメモリゲート電極MGAの延在方向は、図2のY軸方向である。
メモリセルMCBでは、制御ゲート電極CGBおよびメモリゲート電極MGBは、それらの互いに対向する側面すなわち側壁の間にゲート絶縁膜GI2Bを介した状態で、半導体基板1の主面1aに沿って延在し、並んで配置されている。制御ゲート電極CGBおよびメモリゲート電極MGBの延在方向は、図2のY軸方向である。
制御ゲート電極CGA、メモリゲート電極MGAおよびゲート絶縁膜GI2Aは、活性領域AR1上、素子分離領域IR1上および活性領域AR2上を通って、Y軸方向に沿ってそれぞれ延在するように、形成されている。また、制御ゲート電極CGB、メモリゲート電極MGBおよびゲート絶縁膜GI2Bは、活性領域AR1上、素子分離領域IR1上および活性領域AR2上を通って、Y軸方向に沿ってそれぞれ延在するように、形成されている。
なお、図2のX軸方向は、制御ゲート電極CGA、メモリゲート電極MGA、制御ゲート電極CGBおよびメモリゲート電極MGBの各々のゲート長方向である。また、図2のY軸方向は、制御ゲート電極CGA、メモリゲート電極MGA、制御ゲート電極CGBおよびメモリゲート電極MGBの各々のゲート幅方向である。
制御ゲート電極CGAは、半導体領域MDと半導体領域MSとの間のp型ウェルPW1上に、すなわち半導体基板1上に、ゲート絶縁膜GI1Aを介して形成されている。そして、メモリゲート電極MGAは、半導体領域MDと半導体領域MSとの間のp型ウェルPW1上に、すなわち半導体基板1上に、ゲート絶縁膜GI2Aを介して形成されている。また、半導体領域MS側にメモリゲート電極MGAが配置され、半導体領域MD側に制御ゲート電極CGAが配置されている。制御ゲート電極CGAおよびメモリゲート電極MGAは、メモリセルMCAすなわち不揮発性メモリを構成するゲート電極である。
制御ゲート電極CGBは、半導体領域MDと半導体領域MSとの間のp型ウェルPW1上に、すなわち半導体基板1上に、ゲート絶縁膜GI1Bを介して形成されている。そして、メモリゲート電極MGBは、半導体領域MDと半導体領域MSとの間のp型ウェルPW1上に、すなわち半導体基板1上に、ゲート絶縁膜GI2Bを介して形成されている。また、半導体領域MS側にメモリゲート電極MGBが配置され、半導体領域MD側に制御ゲート電極CGBが配置されている。制御ゲート電極CGBおよびメモリゲート電極MGBは、メモリセルMCBすなわち不揮発性メモリを構成するゲート電極である。
制御ゲート電極CGAとメモリゲート電極MGAとは、間にゲート絶縁膜GI2Aを介在させて互いに隣り合っており、メモリゲート電極MGAは、制御ゲート電極CGAの側面に、ゲート絶縁膜GI2Aを介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。また、ゲート絶縁膜GI2Aは、メモリゲート電極MGAと半導体基板1のp型ウェルPW1の間の領域と、メモリゲート電極MGAと制御ゲート電極CGAとの間の領域の、両領域にわたって形成されている。
制御ゲート電極CGBとメモリゲート電極MGBとは、間にゲート絶縁膜GI2Bを介在させて互いに隣り合っており、メモリゲート電極MGBは、制御ゲート電極CGBの側面に、ゲート絶縁膜GI2Bを介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。また、ゲート絶縁膜GI2Bは、メモリゲート電極MGBと半導体基板1のp型ウェルPW1の間の領域と、メモリゲート電極MGBと制御ゲート電極CGBとの間の領域の、両領域にわたって形成されている。
なお、電極の側面に形成されているとは、その電極の側面よりも外側方に形成されていることを意味する。
メモリゲート電極MGAは、半導体基板1の主面1a上であって、制御ゲート電極CGAを挟んで制御ゲート電極CGBと反対側に配置されている。また、メモリゲート電極MGBは、半導体基板1の主面1a上であって、制御ゲート電極CGBを挟んで制御ゲート電極CGAと反対側に配置されている。
制御ゲート電極CGAとp型ウェルPW1との間に形成されたゲート絶縁膜GI1Aが、制御トランジスタCTAのゲート絶縁膜として機能し、メモリゲート電極MGAとp型ウェルPW1との間のゲート絶縁膜GI2Aが、メモリトランジスタMTAのゲート絶縁膜として機能する。
制御ゲート電極CGBとp型ウェルPW1との間に形成されたゲート絶縁膜GI1Bが、制御トランジスタCTBのゲート絶縁膜として機能し、メモリゲート電極MGBとp型ウェルPW1との間のゲート絶縁膜GI2Bが、メモリトランジスタMTBのゲート絶縁膜として機能する。
ゲート絶縁膜GI1Aおよびゲート絶縁膜GI1Bは、絶縁膜3からなる。絶縁膜3は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸窒化シリコン膜などの絶縁膜からなり、好適には、窒化シリコン膜よりも高い比誘電率を有する高誘電率膜、すなわちいわゆるHigh−k膜からなる。なお、本願において、High−k膜または高誘電率膜というときは、窒化シリコン膜よりも誘電率(比誘電率)が高い膜を意味する。絶縁膜3が高誘電率膜であるときは、絶縁膜3として、例えば、酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜または酸化ランタン膜などの金属酸化物膜を用いることができる。
メモリゲート電極MGAとp型ウェルPW1との間のゲート絶縁膜GI2A、および、メモリゲート電極MGBとp型ウェルPW1との間のゲート絶縁膜GI2Bは、メモリトランジスタのゲート絶縁膜として機能する。一方、メモリゲート電極MGAと制御ゲート電極CGAとの間のゲート絶縁膜GI2Aは、メモリゲート電極MGAと制御ゲート電極CGAとの間を絶縁すなわち電気的に分離するための絶縁膜として機能する。また、メモリゲート電極MGBと制御ゲート電極CGBとの間のゲート絶縁膜GI2Bは、メモリゲート電極MGBと制御ゲート電極CGBとの間を絶縁すなわち電気的に分離するための絶縁膜として機能する。
ゲート絶縁膜GI2Aおよびゲート絶縁膜GI2Bは、絶縁膜5からなる。絶縁膜5は、例えば、酸化シリコン膜5aと、酸化シリコン膜5a上の電荷蓄積部としての窒化シリコン膜5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜5cとを含む積層膜である。
絶縁膜5のうち、窒化シリコン膜5bは、電荷を蓄積するための絶縁膜であり、電荷蓄積部として機能する。すなわち、窒化シリコン膜5bは、絶縁膜5中に形成されたトラップ性絶縁膜である。このため、絶縁膜5は、その内部に電荷蓄積部を有する絶縁膜とみなすことができる。
窒化シリコン膜5bの上下に位置する酸化シリコン膜5cおよび酸化シリコン膜5aは、電荷を閉じ込める電荷ブロック層として機能する。窒化シリコン膜5bを酸化シリコン膜5cおよび酸化シリコン膜5aで挟んだ構造とすることで、窒化シリコン膜5bへの電荷の蓄積が可能となる。酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5bおよび酸化シリコン膜5cは、MONOS膜の一部としてのONO(Oxide-Nitride-Oxide)膜とみなすことができる。
制御ゲート電極CGAおよびCGBの各々は、例えばn型不純物を導入した多結晶シリコン膜であるn型ポリシリコン膜などの導電膜4からなる。また、メモリゲート電極MGAおよびMGBの各々は、例えばn型不純物を導入した多結晶シリコン膜であるn型ポリシリコン膜などの導電膜6からなる。
メモリゲート電極MGAは、半導体基板1上に制御ゲート電極CGAを覆うように形成された、例えばシリコン膜からなる導電膜6を、異方性エッチングすなわちエッチバックすることにより、形成されている。そして、メモリゲート電極MGAは、制御ゲート電極CGAの制御ゲート電極CGB側と反対側の側面SS2Aに、ゲート絶縁膜GI2Aを介して導電膜6を残すことにより、形成されている。このため、メモリゲート電極MGAは、制御ゲート電極CGAの側面SS2Aに、ゲート絶縁膜GI2Aを介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。
メモリゲート電極MGBは、半導体基板1上に制御ゲート電極CGBを覆うように形成された、例えばシリコン膜からなる導電膜6を、異方性エッチングすなわちエッチバックすることにより、形成されている。そして、メモリゲート電極MGBは、制御ゲート電極CGBの制御ゲート電極CGA側と反対側の側面SS2Bに、ゲート絶縁膜GI2Bを介して導電膜6を残すことにより、形成されている。このため、メモリゲート電極MGBは、制御ゲート電極CGBの側面SS2Bに、ゲート絶縁膜GI2Bを介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。
制御ゲート電極CGAのメモリゲート電極MGA側と反対側の側面SS1Aには、サイドウォールスペーサSW1Aが形成され、メモリゲート電極MGAの制御ゲート電極CGA側と反対側の側面SS2Aには、サイドウォールスペーサSW2Aが形成されている。また、制御ゲート電極CGBのメモリゲート電極MGB側と反対側の側面SS1Bには、サイドウォールスペーサSW1Bが形成され、メモリゲート電極MGBの制御ゲート電極CGB側と反対側の側面SS2Bには、サイドウォールスペーサSW2Bが形成されている。サイドウォールスペーサSW1A、SW1B、SW2AおよびSW2Bの各々は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜またはそれらの積層膜などの絶縁膜13からなる。
なお、制御ゲート電極CGAとサイドウォールスペーサSW1Aとの間、および、メモリゲート電極MGAとサイドウォールスペーサSW2Aとの間には、図示しない側壁絶縁膜が介在していてもよい。また、制御ゲート電極CGBとサイドウォールスペーサSW1Bとの間、および、メモリゲート電極MGBとサイドウォールスペーサSW2Bとの間には、図示しない側壁絶縁膜が介在していてもよい。
半導体領域MSは、ソース領域およびドレイン領域の一方として機能する半導体領域であり、半導体領域MDは、ソース領域およびドレイン領域の他方として機能する半導体領域である。ここでは、半導体領域MSは、例えばソース領域として機能する半導体領域であり、半導体領域MDは、例えばドレイン領域として機能する半導体領域である。半導体領域MSおよび半導体領域MDの各々は、n型の不純物が導入された半導体領域からなり、それぞれLDD(Lightly doped drain)構造を備えている。
ドレイン用の半導体領域MDは、低濃度拡散層としてのn−型半導体領域11aと、n−型半導体領域11aよりも高い不純物濃度を有する高濃度拡散層としてのn+型半導体領域12aと、を有している。メモリセルMCAのソース用の半導体領域MSは、低濃度拡散層としてのn−型半導体領域11bと、n−型半導体領域11bよりも高い不純物濃度を有する高濃度拡散層としてのn+型半導体領域12bと、を有している。また、メモリセルMCBのソース用の半導体領域MSは、低濃度拡散層としてのn−型半導体領域11cと、n−型半導体領域11cよりも高い不純物濃度を有する高濃度拡散層としてのn+型半導体領域12cと、を有している。n+型半導体領域12aは、n−型半導体領域11aよりも接合深さが深く、かつ、不純物濃度が高い。n+型半導体領域12bは、n−型半導体領域11bよりも接合深さが深く、かつ、不純物濃度が高い。また、n+型半導体領域12cは、n−型半導体領域11cよりも接合深さが深く、かつ、不純物濃度が高い。
ドレイン領域としての2つのn−型半導体領域11aのうち、一方は、制御ゲート電極CGAのメモリゲート電極MGA側と反対側の側面SS1Aに対して自己整合的に形成され、他方は、制御ゲート電極CGBのメモリゲート電極MGB側と反対側の側面SS1Bに対して自己整合的に形成されている。すなわち、2つのn−型半導体領域11aのうち、一方は、制御ゲート電極CGAを挟んでメモリゲート電極MGAと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に形成され、他方は、制御ゲート電極CGBを挟んでメモリゲート電極MGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に形成されている。
また、ドレイン領域としてのn+型半導体領域12aは、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aに形成されたサイドウォールスペーサSW1Aの側面に対して自己整合的に形成され、かつ、制御ゲート電極CGBの側面SS1Bに形成されたサイドウォールスペーサSW1Bの側面に対して自己整合的に形成されている。すなわち、n+型半導体領域12aは、サイドウォールスペーサSW1Aを挟んで制御ゲート電極CGAと反対側に位置し、かつ、サイドウォールスペーサSW1Bを挟んで制御ゲート電極CGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に形成されている。
このため、2つの低濃度のn−型半導体領域11aのうち、一方は、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aに形成されたサイドウォールスペーサSW1Aの下に形成され、他方は、制御ゲート電極CGBの側面SS1Bに形成されたサイドウォールスペーサSW1Bの下に形成されている。また、高濃度のn+型半導体領域12aは、制御ゲート電極CGA側、および、制御ゲート電極CGB側に形成された2つの低濃度のn−型半導体領域11aの間に形成されている。つまり、メモリセルMCAの制御トランジスタCTAと、メモリセルMCBの制御トランジスタCTBとは、高濃度のn+型半導体領域12aを共有している。
メモリゲート電極MGA下のゲート絶縁膜GI2Aの下には、メモリトランジスタMTAのチャネル領域が形成され、制御ゲート電極CGA下のゲート絶縁膜GI1Aの下には、制御トランジスタCTAのチャネル領域が形成されている。また、メモリゲート電極MGB下のゲート絶縁膜GI2Bの下には、メモリトランジスタMTBのチャネル領域が形成され、制御ゲート電極CGB下のゲート絶縁膜GI1Bの下には、制御トランジスタCTBのチャネル領域が形成されている。
したがって、2つの低濃度のn−型半導体領域11aのうち、一方は、制御トランジスタCTAのチャネル領域に隣接するように形成され、他方は、制御トランジスタCTBのチャネル領域に隣接するように形成されている。また、高濃度のn+型半導体領域12aは、2つの低濃度のn−型半導体領域11aのいずれにも接触し、制御トランジスタCTAのチャネル領域からもn−型半導体領域11aの分だけ離間するように形成され、制御トランジスタCTBのチャネル領域からもn−型半導体領域11aの分だけ離間するように形成されている。
メモリセルMCAでは、ソース領域としてのn−型半導体領域11bは、メモリゲート電極MGAの制御ゲート電極CGA側と反対側の側面SS2Aに対して自己整合的に形成されている。また、メモリセルMCBでは、ソース領域としてのn−型半導体領域11cは、メモリゲート電極MGBの制御ゲート電極CGB側と反対側の側面SS2Bに対して自己整合的に形成されている。すなわち、n−型半導体領域11bは、メモリゲート電極MGAを挟んで制御ゲート電極CGAと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に形成され、n−型半導体領域11cは、メモリゲート電極MGBを挟んで制御ゲート電極CGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に形成されている。
メモリセルMCAでは、ソース領域としてのn+型半導体領域12bは、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aに形成されたサイドウォールスペーサSW2Aの側面に対して自己整合的に形成されている。また、メモリセルMCBでは、ソース領域としてのn+型半導体領域12cは、メモリゲート電極MGBの側面SS2Bに形成されたサイドウォールスペーサSW2Bの側面に対して自己整合的に形成されている。すなわち、n−型半導体領域12bは、サイドウォールスペーサSW2Aを挟んでメモリゲート電極MGAと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に形成されている。また、n−型半導体領域11cは、サイドウォールスペーサSW2Bを挟んでメモリゲート電極MGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に形成されている。
このため、低濃度のn−型半導体領域11bは、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aに形成されたサイドウォールスペーサSW2Aの下に形成され、低濃度のn−型半導体領域11cは、メモリゲート電極MGBの側面SS2Bに形成されたサイドウォールスペーサSW2Bの下に形成されている。また、高濃度のn+型半導体領域12bは、低濃度のn−型半導体領域11bの外側に形成され、高濃度のn+型半導体領域12cは、低濃度のn−型半導体領域11cの外側に形成されている。
したがって、低濃度のn−型半導体領域11bは、メモリトランジスタMTAのチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域12bは、低濃度のn−型半導体領域11bに接触し、メモリトランジスタMTAのチャネル領域からn−型半導体領域11bの分だけ離間するように形成されている。また、低濃度のn−型半導体領域11cは、メモリトランジスタMTBのチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域12cは、低濃度のn−型半導体領域11cに接触し、メモリトランジスタMTBのチャネル領域からn−型半導体領域11cの分だけ離間するように形成されている。
n+型半導体領域12a、12bおよび12cの各々の上、すなわちn+型半導体領域12a、12bおよび12cの各々の上面には、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術などにより、金属シリサイド層14が形成されている。金属シリサイド層14は、例えばコバルトシリサイド層、ニッケルシリサイド層、または、プラチナ添加ニッケルシリサイド層などからなる。金属シリサイド層14により、拡散抵抗やコンタクト抵抗を低抵抗化することができる。
また、金属シリサイド層14は、制御ゲート電極CGA、制御ゲート電極CGB、メモリゲート電極MGAおよびメモリゲート電極MGBのいずれかの上面の全部または一部に形成されていてもよい。
次に、図3および図5を参照し、周辺回路領域1Bに形成されたMISFETQ1の構成を具体的に説明する。
周辺回路領域1Bにおいて、半導体装置は、活性領域AR3と素子分離領域IR2とを有している。素子分離領域IR2は、素子を分離するためのものであり、素子分離領域IR2には、素子分離膜2が形成されている。活性領域AR3は、素子分離領域IR2により規定、すなわち区画され、素子分離領域IR2により他の活性領域と電気的に分離されており、活性領域AR3には、p型ウェルPW2が形成されている。すなわち、活性領域AR3は、p型ウェルPW2が形成された領域である。p型ウェルPW2は、p型の導電型を有する。
図5に示すように、周辺回路領域1Bのp型ウェルPW2には、MISFETQ1が形成されている。周辺回路領域1Bには、実際には複数のMISFETQ1が形成され、図5には、そのうちの1つのMISFETQ1のゲート幅方向に垂直な断面が示されている。
図5に示すように、MISFETQ1は、n−型半導体領域11dおよびn+型半導体領域12dからなる半導体領域と、n−型半導体領域11eおよびn+型半導体領域12eからなる半導体領域と、p型ウェルPW2上に形成されたゲート絶縁膜GI3と、ゲート絶縁膜GI3上に形成されたゲート電極GE1と、を有している。n−型半導体領域11dおよび11e、ならびに、n+型半導体領域12dおよび12eの各々は、p型の導電型とは反対の導電型であるn型の導電型を有する。
ゲート絶縁膜GI3は、絶縁膜3からなる。ゲート絶縁膜GI3は、MISFETQ1のゲート絶縁膜として機能する。絶縁膜3として、メモリセルMCAおよびMCBの絶縁膜3と同層に形成された絶縁膜を用いることができる。
ゲート電極GE1は、導電膜4からなる。導電膜4として、メモリセルMCAおよびMCBの導電膜4と同層に形成された導電膜を用いることができる。
ゲート電極GE1のX軸方向における一方の側の側面SS3Aには、サイドウォールスペーサSW3Aが形成され、ゲート電極GE1のX軸方向における一方の側と反対側の側面SS3Bには、サイドウォールスペーサSW3Bが形成されている。サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bの各々は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜またはそれらの積層膜などの絶縁膜13からなる。
n−型半導体領域11dおよびn+型半導体領域12dからなる半導体領域は、ソース領域およびドレイン領域の一方として機能する半導体領域であり、n−型半導体領域11eおよびn+型半導体領域12eからなる半導体領域は、ソース領域およびドレイン領域の他方として機能する半導体領域である。n−型半導体領域11dおよびn+型半導体領域12dからなる半導体領域、ならびに、n−型半導体領域11eおよびn+型半導体領域12eからなる半導体領域の各々は、メモリセルMCAおよびMCBの半導体領域MSおよびMDと同様に、LDD構造を備えている。n+型半導体領域12dは、n−型半導体領域11dよりも接合深さが深く、かつ、不純物濃度が高く、n+型半導体領域12eは、n−型半導体領域11eよりも接合深さが深く、かつ、不純物濃度が高い。
n−型半導体領域11dは、ゲート電極GE1の一方の側との側面SS3Aに対して自己整合的に形成され、n−型半導体領域11eは、ゲート電極GE1の一方の側と反対側の側面SS3Bに対して自己整合的に形成されている。すなわち、n−型半導体領域11dは、ゲート電極GE1のX軸方向における一方の側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成され、n−型半導体領域11eは、ゲート電極GE1のX軸方向における一方の側と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成されている。
また、n+型半導体領域12dは、ゲート電極GE1の側面SS3Aに形成されたサイドウォールスペーサSW3Aの側面に対して自己整合的に形成され、n+型半導体領域12eは、ゲート電極GE1の側面SS3Bに形成されたサイドウォールスペーサSW3Bの側面に対して自己整合的に形成されている。すなわち、n+型半導体領域12dは、サイドウォールスペーサSW3Aを挟んでゲート電極GE1と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成され、n+型半導体領域12eは、サイドウォールスペーサSW3Bを挟んでゲート電極GE1と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成されている。
このため、低濃度のn−型半導体領域11dは、ゲート電極GE1の側面SS3Aに形成されたサイドウォールスペーサSW3Aの下に形成され、低濃度のn−型半導体領域11eは、ゲート電極GE1の側面SS3Bに形成されたサイドウォールスペーサSW3Bの下に形成されている。また、高濃度のn+型半導体領域12dは、低濃度のn−型半導体領域11dの外側に形成され、高濃度のn+型半導体領域12eは、低濃度のn−型半導体領域11eの外側に形成されている。
ゲート電極GE1の下には、MISFETQ1のチャネル領域が形成されている。したがって、低濃度のn−型半導体領域11dは、MISFETQ1のチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域12dは、低濃度のn−型半導体領域11dに接触し、MISFETQ1のチャネル領域からn−型半導体領域11dの分だけ離間するように形成されている。また、低濃度のn−型半導体領域11eは、MISFETQ1のチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域12eは、低濃度のn−型半導体領域11eに接触し、MISFETQ1のチャネル領域からn−型半導体領域11eの分だけ離間するように形成されている。
n+型半導体領域12dおよび12eの各々の上、すなわちn+型半導体領域12dおよび12eの各々の上面には、メモリセルMCAおよびMCBにおけるn+型半導体領域12a、12bおよび12cの各々の上と同様に、サリサイド技術などにより、金属シリサイド層14が形成されている。なお、金属シリサイド層14は、ゲート電極GE1上に形成されていてもよい。
次に、メモリセル領域1Aに形成されたメモリセルMCAおよびMCBの各々の上の構成、ならびに、周辺回路領域1Bに形成されたMISFETQ1上の構成を、具体的に説明する。
半導体基板1上には、制御ゲート電極CGAおよびCGB、メモリゲート電極MGAおよびMGB、ゲート電極GE1、ならびに、サイドウォールスペーサSW1A、SW1BSW2A、SW2B、SW3AおよびSW3Bを覆うように、絶縁膜15が形成されている。絶縁膜15は、例えば窒化シリコン膜などからなる。
絶縁膜15上には、層間絶縁膜16が形成されている。層間絶縁膜16は、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜などからなる。層間絶縁膜16の上面は平坦化されている。
メモリセル領域1Aでは、層間絶縁膜16にはコンタクトホールが形成され、そのコンタクトホール内に、導体膜からなるプラグPG1が埋め込まれている。また、周辺回路領域1Bでは、層間絶縁膜16にはコンタクトホールが形成され、そのコンタクトホール内に、導体膜からなるプラグPG3が埋め込まれている。なお、図2に示すように、活性領域AR2上では、プラグPG2が形成されている。
プラグPG1およびPG3の各々は、コンタクトホールの底部、および、側壁上すなわち側面上に形成された薄いバリア導体膜と、このバリア導体膜上にコンタクトホールを埋め込むように形成された主導体膜と、により形成されている。図5では、図面の簡略化のために、プラグPG1およびPG3の各々を構成するバリア導体膜および主導体膜を一体化して示す。なお、プラグPG1およびPG3を構成するバリア導体膜は、例えば、チタン(Ti)膜、窒化チタン(TiN)膜、またはそれらの積層膜とすることができ、プラグPG1およびPG3を構成する主導体膜は、タングステン(W)膜とすることができる。
プラグPG1は、n+型半導体領域12a、12bおよび12c、制御ゲート電極CGAおよびCGB、ならびに、メモリゲート電極MGAおよびMGBの各々の上に形成されている。そして、プラグPG1は、n+型半導体領域12a、12bおよび12c、制御ゲート電極CGAおよびCGB、ならびに、メモリゲート電極MGAおよびMGBの各々と、電気的に接続されている。また、プラグPG3は、n+型半導体領域12dおよび12e、ならびに、ゲート電極GE1の各々の上に形成され、n+型半導体領域12dおよび12e、ならびに、ゲート電極GE1の各々と、電気的に接続されている。
プラグPG1およびPG3が埋め込まれた層間絶縁膜16上には、例えば銅(Cu)を主導電材料とする埋込配線としてのダマシン配線として、第1層目の配線が形成され、その第1層目の配線上には、ダマシン配線として、上層の配線も形成されているが、ここではその図示および説明は省略する。また、第1層目の配線およびそれよりも上層の配線は、ダマシン配線に限定されず、配線用の導電膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン(W)配線またはアルミニウム(Al)配線などとすることもできる。
次に、メモリセル領域1Aに形成されたメモリセルMCAおよびMCBを代表してメモリセルMCAの動作を説明する。しかし、メモリセルMCBもメモリセルMCAの回路構成と同様の回路構成を有するため、メモリセルMCBの動作も、メモリセルMCAの動作と同様である。
図7は、「書込」、「消去」および「読出」時におけるメモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。図7の表には、「書込」、「消去」および「読出」時のそれぞれにおいて、メモリゲート電極MGAに印加される電圧Vmg、半導体領域MSに印加される電圧Vs、制御ゲート電極CGAに印加される電圧Vcg、および、半導体領域MDに印加される電圧Vdが記載されている。また、図7の表には、「書込」、「消去」および「読出」時のそれぞれにおいて、p型ウェルPW1に印加される電圧Vbが記載されている。なお、図7の表に示したものは電圧の印加条件の好適な一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。
本実施の形態1では、メモリトランジスタの絶縁膜5中の電荷蓄積部である窒化シリコン膜5bへの電子の注入を「書込」と定義し、ホール、すなわち正孔の注入を「消去」と定義する。さらに、電源電圧Vddを1.5Vとする。
書き込み方式は、いわゆるソースサイド注入(Source Side Injection:SSI)方式と呼ばれるホットエレクトロン書き込みを用いることができる。例えば図7の「書込」の欄に示すような電圧を、書き込みを行うメモリセルMCAの各部位に印加し、メモリセルMCAのゲート絶縁膜GI2A中の窒化シリコン膜5b中に電子を注入する。ホットエレクトロンは、主としてメモリゲート電極MGA下にゲート絶縁膜GI2Aを介して位置する部分のチャネル領域で発生し、ゲート絶縁膜GI2A中の電荷蓄積部である窒化シリコン膜5bに注入される。注入されたホットエレクトロンは、ゲート絶縁膜GI2A中の窒化シリコン膜5b中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタの閾値電圧(Vth)が上昇する。
消去方法は、バンド間トンネル(Band-To-Band Tunneling:BTBT)現象によるホットホール注入消去方式を用いることができる。つまり、BTBT現象により発生したホール、すなわち正孔を電荷蓄積部、すなわちゲート絶縁膜GI2A中の窒化シリコン膜5bに注入することにより消去を行う。例えば図7の「消去」の欄に示すような電圧を、消去を行うメモリセルMCAの各部位に印加し、BTBT現象によりホールを発生させ電界加速することでメモリセルMCAのゲート絶縁膜GI2A中の窒化シリコン膜5b中にホールを注入し、それによってメモリトランジスタの閾値電圧を低下させる。
消去方法は、直接トンネル現象を利用したホール注入による消去方式も用いることができる。つまり、直接トンネル現象によりホールを電荷蓄積部、すなわちゲート絶縁膜GI2A中の窒化シリコン膜5bに注入することにより消去を行う。図7の「消去」の欄では図示を省略するが、メモリゲート電極MGAに印加される電圧Vmgを、例えば正の電圧である12Vとし、p型ウェルPW1に印加される電圧Vbを、例えば0Vとする。これにより、メモリゲート電極MGA側からホールが、酸化シリコン膜5cを介して直接トンネル現象により電荷蓄積部、すなわち窒化シリコン膜5bに注入され、窒化シリコン膜5b中の電子を相殺することにより消去が行われる。あるいは、窒化シリコン膜5bに注入されたホールが窒化シリコン膜5b中のトラップ準位に捕獲されることにより消去が行われる。これによりメモリトランジスタの閾値電圧が低下し、消去状態となる。このような消去方法を用いた場合には、BTBT現象による消去方法を用いた場合と比較し、消費電流を低減することができる。
読出し時には、例えば図7の「読出」の欄に示すような電圧を、読出しを行うメモリセルMCAの各部位に印加する。読出し時のメモリゲート電極MGAに印加する電圧Vmgを、書き込み状態におけるメモリトランジスタの閾値電圧と消去状態におけるメモリトランジスタの閾値電圧との間の値にすることで、書き込み状態と消去状態とを判別することができる。
<半導体装置の製造方法>
次に、本実施の形態1の半導体装置の製造方法について説明する。図8〜図10は、実施の形態1の半導体装置の製造工程の一部を示すプロセスフロー図である。図11〜図23および図27は、実施の形態1の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。図24は、実施の形態1の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。図25および図26は、不純物イオンを注入する方向を説明するための図である。
図10は、図9のステップS13に含まれる工程を示す。図11〜図23および図27では、メモリセル領域1Aにおける図2のA−A断面に対応した素子構造と、周辺回路領域1Bにおける図3のB−B断面に対応した素子構造とを、合わせて図示している。また、周辺回路領域1Cにおける図4のC−C断面に対応した素子構造は、平面視において、90°回転して配置されている点を除き、周辺回路領域1Bにおける図3のB−B断面に対応した素子構造と同様であるため、図11〜図23および図27では、周辺回路領域1Cにおける図4のC−C断面に対応した素子構造の図示を省略する。
また、本実施の形態1においては、メモリセル領域1Aに、nチャネル型の制御トランジスタCTAおよびCTBならびにメモリトランジスタMTAおよびMTBを形成する場合について説明する。しかし、導電型を逆にしてpチャネル型の制御トランジスタCTAおよびCTBならびにメモリトランジスタMTAおよびMTBをメモリセル領域1Aに形成することもできる。同様に、本実施の形態1においては、周辺回路領域1Bにnチャネル型のMISFETQ1を形成する場合について説明する。しかし、導電型を逆にしてpチャネル型のMISFETQ1を周辺回路領域1Bに形成することもでき、また、周辺回路領域1BにCMISFET(Complementary MISFET)などを形成することもできる。
図11に示すように、まず、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体ウェハとしての半導体基板1を用意、すなわち準備する(図8のステップS1)。
次に、図11に示すように、半導体基板1の主面1aのメモリセル領域1Aにおいて、活性領域AR1を区画する素子分離領域IR1となり、半導体基板1の主面1a側の周辺回路領域1Bにおいて、活性領域AR3を区画する素子分離領域IR2となる、素子分離膜2を形成する(図8のステップS2)。素子分離膜2は、酸化シリコンなどの絶縁体からなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon)法などにより形成することができる。例えば、素子分離領域IR1およびIR2に素子分離用の溝を形成した後、この素子分離用の溝内に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜を埋め込むことで、素子分離膜2を形成することができる。
なお、図11では、メモリセル領域1Aにおける素子分離領域IR1および素子分離膜2の図示を省略するが、メモリセル領域1Aにおける素子分離領域IR1および素子分離膜2は、図2に示したように形成することができる。
次に、図11に示すように、メモリセル領域1Aで活性領域AR1にp型ウェルPW1を形成し、周辺回路領域1Bで活性領域AR3にp型ウェルPW2を形成する(図8のステップS3)。p型ウェルPW1およびPW2は、例えばホウ素(B)などのp型の不純物を、半導体基板1に、イオン注入法などで導入することにより、形成することができる。p型ウェルPW1およびPW2は、半導体基板1の主面1aから所定の深さにわたって形成される。
なお、周辺回路領域1Bでp型ウェルPW2を形成する際に、周辺回路領域1Cでもp型ウェルPW2が形成される。そのため、ステップS1〜ステップS3を行うことにより、メモリセル領域1Aで主面1aに形成されたp型ウェルPW1と、周辺回路領域1Bで主面1aに形成されたp型ウェルPW2と、周辺回路領域1Cで主面1aに形成されたp型ウェルPW2と、を有する半導体基板1を用意することになる。
次に、例えばフッ酸(HF)水溶液を用いたウェットエッチングなどにより半導体基板1の表面の自然酸化膜を除去し、半導体基板1の表面を洗浄することによって、半導体基板1の表面を清浄化する。これにより、半導体基板1の表面、すなわちp型ウェルPW1およびPW2の表面が露出される。
次に、図12に示すように、半導体基板1の主面1a全面に、絶縁膜3および導電膜4を形成する(図4のステップS4)。
このステップS4では、まず、図12に示すように、メモリセル領域1Aおよび周辺回路領域1Bで、半導体基板1の主面1aに、絶縁膜3を形成する。前述したように、絶縁膜3として、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜もしくは酸窒化シリコン膜、またはHigh−k膜、すなわち高誘電率膜を用いることができ、絶縁膜3として使用可能な材料例は、前述した通りである。また、絶縁膜3を、熱酸化法、スパッタリング法、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法または化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法などを用いて形成することができる。
このステップS4では、次に、図12に示すように、メモリセル領域1Aおよび周辺回路領域1Bで、絶縁膜3上に、シリコンからなる導電膜4を形成する。
好適には、導電膜4は、多結晶シリコン膜、すなわちポリシリコン膜からなる。このような導電膜4を、CVD法などを用いて形成することができる。導電膜4の膜厚を、絶縁膜3を覆うように十分な程度の厚さとすることができる。また、成膜時は導電膜4をアモルファスシリコン膜として成膜してから、その後の熱処理でアモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜とすることもできる。
導電膜4として、例えばリン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物またはホウ素(B)などのp型の不純物を導入して低抵抗率としたものを用いることが、好ましい。不純物は、導電膜4の成膜時または成膜後に導入することができる。導電膜4の成膜時に不純物を導入する場合には、導電膜4の成膜用のガスにドーピングガスを含ませることで、不純物が導入された導電膜4を成膜することができる。一方、シリコン膜の成膜後に不純物を導入する場合には、意図的には不純物を導入せずにシリコン膜を成膜した後に、このシリコン膜に不純物をイオン注入法などで導入することで、不純物が導入された導電膜4を形成することができる。
なお、導電膜4を形成した後、導電膜4をパターニング(後述する図8のステップS5)する前に、導電膜4上に、キャップ絶縁膜用の絶縁膜を形成してもよい。
次に、図12に示すように、導電膜4をパターニングする(図8のステップS5)。このステップS5では、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、導電膜4を、パターニングする。
まず、導電膜4上にレジスト膜(図示せず)を形成する。次いで、メモリセル領域1Aのうち、制御ゲート電極CGAおよびCGBを形成する予定の領域以外の領域で、レジスト膜を貫通して導電膜4に達する開口部を形成し、開口部が形成されたレジスト膜からなるレジストパターン(図示せず)を形成する。このとき、メモリセル領域1Aのうち、制御ゲート電極CGAおよびCGBを形成する予定の領域に配置された部分の導電膜4、ならびに、周辺回路領域1Bに配置された部分の導電膜4は、レジスト膜に覆われている。
次いで、レジストパターンをエッチングマスクとして用いて、導電膜4を、例えばドライエッチングなどによりエッチングしてパターニングする。
これにより、メモリセル領域1Aで、導電膜4からなる制御ゲート電極CGAが形成され、制御ゲート電極CGAと半導体基板1のp型ウェルPW1との間の絶縁膜3からなるゲート絶縁膜GI1Aが形成される。言い換えれば、制御ゲート電極CGAは、メモリセル領域1Aで、p型ウェルPW1上、すなわち半導体基板1の主面1a上に、ゲート絶縁膜GI1Aを介して形成される。
また、メモリセル領域1Aで、導電膜4からなる制御ゲート電極CGBが形成され、制御ゲート電極CGBと半導体基板1のp型ウェルPW1との間の絶縁膜3からなるゲート絶縁膜GI1Bが形成される。言い換えれば、制御ゲート電極CGBは、メモリセル領域1Aで、p型ウェルPW1上、すなわち半導体基板1の主面1a上に、ゲート絶縁膜GI1Bを介して形成される。
一方、周辺回路領域1Bでは、導電膜4が残される。その後、レジストパターン、すなわちレジスト膜を除去する。
このとき、図2に示したように、制御ゲート電極CGAおよびCGBの各々は、平面視において、活性領域AR1上、素子分離領域IR1上および活性領域AR2上を通って、Y軸方向にそれぞれ延在する。
なお、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGAおよびCGBのいずれにも覆われていない部分の絶縁膜3は、ステップS5のドライエッチングを行うことによって、または、ステップS5のドライエッチングの後にウェットエッチングを行うことによって、除去され得る。そして、メモリセル領域1Aのうち、制御ゲート電極CGAおよびCGBのいずれも形成されていない部分では、半導体基板1のp型ウェルPW1が露出する。
次に、図13に示すように、半導体基板1の主面1a全面に、メモリトランジスタMTAのゲート絶縁膜GI2A(後述する図15参照)用、および、メモリトランジスタMTBのゲート絶縁膜GI2B(後述する図15参照)用の、絶縁膜5を形成する(図8のステップS6)。
このステップS6において、メモリセル領域1Aでは、露出した部分の半導体基板1の主面1a、制御ゲート電極CGAの上面および側面、ならびに、制御ゲート電極CGBの上面および側面に、絶縁膜5が形成される。また、周辺回路領域1Bに残された部分の導電膜4の上面に、絶縁膜5が形成される。すなわち、ステップS6において、絶縁膜5は、半導体基板1の主面1a、制御ゲート電極CGAおよびCGBの表面、ならびに、周辺回路領域1Bに残された部分の導電膜4の表面を覆うように、形成される。
絶縁膜5は、前述したように、内部に電荷蓄積部を有する絶縁膜であり、絶縁膜として、下から順に形成された酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5bおよび酸化シリコン膜5cの積層膜からなる。
絶縁膜5のうち、酸化シリコン膜5aを、例えば熱酸化法またはISSG酸化法などにより形成することができる。また、絶縁膜5のうち、窒化シリコン膜5bを、例えばCVD法により形成することができる。さらに、絶縁膜5のうち、酸化シリコン膜5cを、例えばCVD法またはISSG(In Situ Steam Generation)酸化法により形成することができる。
まず、露出した部分の半導体基板1の主面1aと、制御ゲート電極CGAの上面および側面と、制御ゲート電極CGBの上面および側面と、周辺回路領域1Bに残された部分の導電膜4の上面および側面とに、例えば熱酸化法またはISSG酸化法により酸化シリコン膜5aを形成する。このとき、露出した部分の半導体基板1の主面1a、制御ゲート電極CGAの上面および側面、制御ゲート電極CGBの上面および側面、ならびに、周辺回路領域1Bに残された部分の導電膜4の上面が、酸化される。酸化シリコン膜5aの厚みは、例えば4nm程度とすることができる。
他の形態として、酸化シリコン膜5aをALD(Atomic Layer Deposition)法で形成することもできる。このとき、露出した部分の半導体基板1の主面1a、制御ゲート電極CGAの上面および側面、制御ゲート電極CGBの上面および側面、ならびに、周辺回路領域1Bに残された部分の導電膜4の上面に酸化シリコンが成長する。
次に、酸化シリコン膜5a上に窒化シリコン膜5bを例えばCVD法で形成し、さらに窒化シリコン膜5b上に酸化シリコン膜5cを例えばCVD法、ISSG酸化法またはその両方で形成する。これにより、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5bおよび酸化シリコン膜5cの積層膜からなる絶縁膜5を形成することができる。
メモリセル領域1Aに形成された絶縁膜5は、メモリゲート電極MGAおよびMGB(後述する図14参照)の各々のゲート絶縁膜として機能し、電荷保持機能を有する。絶縁膜5は、電荷蓄積部としての窒化シリコン膜5bを、電荷ブロック層としての酸化シリコン膜5aと酸化シリコン膜5cとで挟んだ構造を有している。そして、酸化シリコン膜5aおよび5cからなる電荷ブロック層のポテンシャル障壁高さが、窒化シリコン膜5bからなる電荷蓄積部のポテンシャル障壁高さに比べ、高くなる。
なお、本実施の形態1においては、トラップ準位を有する絶縁膜として、窒化シリコン膜5bを用いるが、窒化シリコン膜5bを用いた場合、信頼性の面で好適である。しかし、トラップ準位を有する絶縁膜としては、窒化シリコン膜に限定されず、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)膜、酸化ハフニウム膜または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する高誘電率膜を用いることができる。
次に、図13に示すように、半導体基板1の主面1a全面に、すなわち絶縁膜5上に、シリコンからなる導電膜6を形成する(図8のステップS7)。
好適には、導電膜6は、例えば多結晶シリコン膜、すなわちポリシリコン膜からなる。このような導電膜6を、CVD法などを用いて形成することができる。また、成膜時は導電膜6をアモルファスシリコン膜として成膜してから、その後の熱処理でアモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜とすることもできる。
導電膜6として、例えばリン(P)もしくはヒ素(As)などのn型の不純物、または、ホウ素(B)などのp型の不純物を導入して低抵抗率としたものを用いることが、好ましい。不純物は、導電膜6の成膜時または成膜後に導入することができる。導電膜6の成膜後のイオン注入で導電膜6に不純物を導入することもできるが、導電膜6の成膜時に導電膜6に不純物を導入することもできる。導電膜6の成膜時に不純物を導入する場合には、導電膜6の成膜用のガスにドーピングガスを含ませることで、不純物が導入された導電膜6を成膜することができる。
次に、図14に示すように、異方性エッチング技術により導電膜6をエッチバックして、メモリゲート電極MGAおよびMGBを形成する(図8のステップS8)。
このステップS8では、導電膜6の膜厚の分だけ導電膜6をエッチバックすることにより、制御ゲート電極CGAの両側面に、絶縁膜5を介して導電膜6をサイドウォールスペーサ状に残し、制御ゲート電極CGBの両側面に、絶縁膜5を介して導電膜6をサイドウォールスペーサ状に残す。そして、他の領域の導電膜6を除去する。
これにより、図14に示すように、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGAのX軸方向における一方の側、すなわち制御ゲート電極CGB側と反対側の側面SS0Aに、絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に残された導電膜6からなる、メモリゲート電極MGAが形成される。また、制御ゲート電極CGAの制御ゲート電極CGB側の側面SS1Aに、絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に残された導電膜6からなる、スペーサSP1が形成される。
また、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGBのX軸方向における一方の側、すなわち制御ゲート電極CGA側と反対側の側面SS0Bに、絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に残された導電膜6からなる、メモリゲート電極MGBが形成される。また、制御ゲート電極CGBの制御ゲート電極CGA側の側面SS1Bに、絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に残された導電膜6からなる、スペーサSP1が形成される。
メモリゲート電極MGAは、絶縁膜5上に、絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGAと隣り合うように形成される。メモリゲート電極MGAとスペーサSP1とは、制御ゲート電極CGAを挟んでほぼ対称な構造を有している。メモリゲート電極MGAと半導体基板1のp型ウェルPW1との間、および、メモリゲート電極MGAと制御ゲート電極CGAとの間には、絶縁膜5が介在しており、このメモリゲート電極MGAは、絶縁膜5に接触した導電膜6からなる。
メモリゲート電極MGBは、絶縁膜5上に、絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGBと隣り合うように形成される。メモリゲート電極MGBとスペーサSP1とは、制御ゲート電極CGBを挟んでほぼ対称な構造を有している。メモリゲート電極MGBと半導体基板1のp型ウェルPW1との間、および、メモリゲート電極MGBと制御ゲート電極CGBとの間には、絶縁膜5が介在しており、このメモリゲート電極MGBは、絶縁膜5に接触した導電膜6からなる。
ステップS8のエッチバック工程を行った段階で、絶縁膜5のうち、メモリゲート電極MGAおよびMGB、ならびに、スペーサSP1のいずれにも覆われていない部分が、露出する。すなわち、メモリゲート電極MGAおよびMGB、ならびに、スペーサSP1のいずれにも覆われていない部分の絶縁膜5が、露出する。メモリゲート電極MGA下の絶縁膜5が、メモリトランジスタMTAのゲート絶縁膜GI2A(後述する図15参照)となり、メモリゲート電極MGB下の絶縁膜5が、メモリトランジスタMTBのゲート絶縁膜GI2B(後述する図15参照)となる。また、ステップS7にて形成される導電膜6の膜厚を調整することで、メモリゲート長を調整することができる。
次に、図15に示すように、スペーサSP1および絶縁膜5を除去する(図8のステップS9)。
このステップS9では、まず、フォトリソグラフィを用いて、メモリゲート電極MGAおよびMGBが覆われ、かつ、スペーサSP1が露出されるようなレジストパターン(図示せず)を半導体基板1上に形成する。そして、形成されたレジストパターンをエッチングマスクとしたドライエッチングにより、スペーサSP1を除去する。一方、メモリゲート電極MGAおよびMGBは、レジストパターンで覆われていたので、エッチングされずに残される。その後、このレジストパターンを除去する。
このステップS9では、次に、メモリゲート電極MGAおよびMGBのいずれにも覆われていない部分の絶縁膜5を、例えばウェットエッチングなどのエッチングによって除去する。この際、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGAとp型ウェルPW1との間、および、メモリゲート電極MGAと制御ゲート電極CGAとの間に位置する絶縁膜5は、除去されずに残される。また、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGBとp型ウェルPW1との間、および、メモリゲート電極MGBと制御ゲート電極CGBとの間に位置する絶縁膜5は、除去されずに残される。さらに、他の領域に位置する絶縁膜5は除去される。
これにより、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGAとp型ウェルPW1との間に残された部分、および、メモリゲート電極MGAと制御ゲート電極CGAとの間に残された部分の絶縁膜5からなるゲート絶縁膜GI2Aが形成される。また、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGBとp型ウェルPW1との間に残された部分、および、メモリゲート電極MGBと制御ゲート電極CGBとの間に残された部分の絶縁膜5からなるゲート絶縁膜GI2Bが形成される。
なお、ステップS9において、絶縁膜5のうち、酸化シリコン膜5cおよび窒化シリコン膜5bが除去され、酸化シリコン膜5aが除去されずに残されるように、エッチングを行うこともできる。
次に、図16に示すように、周辺回路領域1Bで、導電膜4をパターニングする(図8のステップS10)。このステップS10では、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、周辺回路領域1Bで、導電膜4をパターニングする。
まず、半導体基板1の主面1a全面に、レジスト膜(図示せず)を形成する。次いで、周辺回路領域1Bのうち、ゲート電極GE1を形成する予定の領域以外の領域で、レジスト膜を貫通して導電膜4に達する開口部を形成し、開口部が形成されたレジスト膜からなるレジストパターン(図示せず)を形成する。このとき、周辺回路領域1Bのうち、ゲート電極GE1を形成する予定の領域に配置された部分の導電膜4、および、メモリセル領域1Aにおける半導体基板1の主面1aは、レジスト膜に覆われている。
次いで、レジストパターンをエッチングマスクとして用いて、導電膜4を、例えばドライエッチングなどによりエッチングしてパターニングする。
これにより、周辺回路領域1Bで、導電膜4からなるゲート電極GE1が形成され、ゲート電極GE1とp型ウェルPW2との間の絶縁膜3からなるゲート絶縁膜GI3が形成される。言い換えれば、ゲート電極GE1は、周辺回路領域1Bで、p型ウェルPW2上、すなわち半導体基板1の主面1a上に、ゲート絶縁膜GI3を介して形成される。
一方、メモリセル領域1Aでは、メモリゲート電極MGAおよびMGB、ならびに、制御ゲート電極CGAおよびCGBは、レジストパターンで覆われているため、メモリゲート電極MGAおよびMGB、ならびに、制御ゲート電極CGAおよびCGBは、エッチングされない。その後、レジストパターン、すなわちレジスト膜を除去する。
このとき、図3に示したように、周辺回路領域1Bでは、ゲート電極GE1は、平面視において、活性領域AR3上を通って、Y軸方向に延在する。
なお、周辺回路領域1Bにおいて、ゲート電極GE1で覆われない部分の絶縁膜3は、ステップS10のドライエッチングを行うことによって、または、ステップS10のドライエッチングの後にウェットエッチングを行うことによって、除去され得る。
次に、図17〜図19に示すように、n−型半導体領域11a、11b、11c、11dおよび11eを形成する(図9のステップS11)。このステップS11では、例えばフォトリソグラフィおよびイオン注入法を用いて、p型ウェルPW1およびPW2の上層部に、n−型半導体領域11a、11b、11c、11dおよび11eを形成する。
このステップS11では、まず、図17に示すように、半導体基板1の主面1a全面を覆うように、マスク膜としてのレジスト膜RF1を形成する。次いで、メモリセル領域1Aのうち、n−型半導体領域11aを形成する領域で、レジスト膜RF1を貫通してp型ウェルPW1に達する開口部OP1を形成し、開口部OP1が形成されたレジスト膜RF1からなるレジストパターンRP1を形成する。すなわち、レジスト膜RF1を貫通して、制御ゲート電極CGAと制御ゲート電極CGBとの間に位置する部分のp型ウェルPW1に達する開口部OP1を形成する。
このとき、メモリセル領域1Aのうち、n−型半導体領域11aを形成する予定の領域以外の領域に位置する部分のp型ウェルPW1、および、周辺回路領域1Bにおける半導体基板1の主面1aは、レジスト膜RF1に覆われる。すなわち、メモリセル領域1Aでは、メモリゲート電極MGAを挟んで制御ゲート電極CGAと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1、および、メモリゲート電極MGBを挟んで制御ゲート電極CGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1は、レジスト膜RF1に覆われる。
次いで、レジストパターンRP1をマスクとして用いて、例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物イオンIM1を注入する。これにより、制御ゲート電極CGAと制御ゲート電極CGBとの間に位置する部分、すなわち制御ゲート電極CGAを挟んでメモリゲート電極MGAと反対側に位置し、かつ、制御ゲート電極CGBを挟んでメモリゲート電極MGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に、n−型半導体領域11aが形成される。その後、レジストパターンRP1は、除去される。
好適には、制御ゲート電極CGAの制御ゲート電極CGB側の側面SS1A、および、制御ゲート電極CGBの制御ゲート電極CGA側の側面SS1Bのいずれも、開口部OP1内に露出している。これにより、n−型半導体領域11aが、制御ゲート電極CGAの側面SS1A、および、制御ゲート電極CGBの側面SS1Bに、自己整合して形成される。
さらに、好適には、不純物イオンIM1は、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から注入される。これにより、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aがゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、n−型半導体領域11aは、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aに、自己整合して形成される。また、制御ゲート電極CGBの側面SS1Bがゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、n−型半導体領域11aは、制御ゲート電極CGBの側面SS1Bに、自己整合して形成される。そのため、ゲート幅方向(Y軸方向)におけるいずれの位置においても、制御トランジスタCTAおよびCTBにおいて、ホットキャリアを抑制するか、または、短チャネル効果を抑制することができる。
なお、本願明細書では、半導体基板1の主面1aに垂直な方向とは、半導体基板1の主面1aに垂直な方向に加え、半導体基板1の主面1aに垂直な方向となす角度が2°以内である方向も含むものと定義する。
このステップS11では、次に、図18に示すように、半導体基板1の主面1a全面を覆うように、マスク膜としてのレジスト膜RF2を形成する。次いで、メモリセル領域1Aのうち、n−型半導体領域11bおよび11cを形成する領域で、レジスト膜RF2を貫通してp型ウェルPW1に達する開口部OP2を形成し、開口部OP2が形成されたレジスト膜RF2からなるレジストパターンRP2を形成する。すなわち、レジスト膜RF2を貫通して、メモリゲート電極MGAを挟んで制御ゲート電極CGAと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1に達する開口部OP2としての開口部OP2Aを形成する。また、レジスト膜RF2を貫通して、メモリゲート電極MGBを挟んで制御ゲート電極CGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1に達する開口部OP2としての開口部OP2Bを形成する。
このとき、メモリセル領域1Aにおけるn−型半導体領域11a、および、周辺回路領域1Bにおける半導体基板1の主面1aは、レジスト膜RF2に覆われている。すなわち、メモリセル領域1Aでは、制御ゲート電極CGAと制御ゲート電極CGBとの間に位置する部分のp型ウェルPW1は、レジスト膜RF2に覆われている。
次いで、レジストパターンRP2をマスクとして用いて、例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物イオンIM2を注入する。これにより、メモリゲート電極MGAを挟んで制御ゲート電極CGAと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に、n−型半導体領域11bが形成され、メモリゲート電極MGBを挟んで制御ゲート電極CGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に、n−型半導体領域11cが形成される。その後、レジストパターンRP2は、除去される。
好適には、メモリゲート電極MGAの制御ゲート電極CGA側と反対側の側面SS2Aは、開口部OP2A内に露出し、メモリゲート電極MGBの制御ゲート電極CGB側と反対側の側面SS2Bは、開口部OP2B内に露出している。これにより、n−型半導体領域11bが、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aに、自己整合して形成され、n−型半導体領域11cが、メモリゲート電極MGBの側面SS2Bに、自己整合して形成される。
さらに、好適には、不純物イオンIM2は、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から注入される。これにより、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aがゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、n−型半導体領域11bは、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aに自己整合して形成される。また、メモリゲート電極MGBの側面SS2Bがゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、n−型半導体領域11cは、メモリゲート電極MGBの側面SS2Bに自己整合して形成される。そのため、ゲート幅方向(Y軸方向)におけるいずれの位置においても、メモリトランジスタMTAおよびMTBにおいて、ホットキャリアを抑制するか、または、短チャネル効果を抑制することができる。
なお、図17および図18に示す工程を行うことにより、制御ゲート電極CGAおよびメモリゲート電極MGAをマスクとして、半導体基板1にn型の不純物イオンを注入し、制御ゲート電極CGBおよびメモリゲート電極MGBをマスクとして、半導体基板1にn型の不純物イオンを注入することになる。
このステップS11では、次に、図19に示すように、半導体基板1の主面1a全面を覆うように、マスク膜としてのレジスト膜RF3を形成する。次いで、周辺回路領域1Bで、レジスト膜RF3を除去し、メモリセル領域1Aで残された部分のレジスト膜RF3からなるレジストパターンRP3を形成する。このとき、メモリセル領域1Aにおけるn−型半導体領域11a、11bおよび11cは、レジスト膜RF3に覆われている。
次いで、レジストパターンRP3をマスクとして用いて、例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物イオンIM3を注入する。このとき、周辺回路領域1Bでは、ゲート電極GE1をマスクとして、半導体基板1にn型の不純物イオンIM3が注入される。
これにより、周辺回路領域1Bで、n−型半導体領域11dが、ゲート電極GE1の一方の側の側面SS3Aに自己整合して形成され、n−型半導体領域11eが、ゲート電極GE1の一方の側と反対側の側面SS3Bに自己整合して形成される。すなわち、n−型半導体領域11dが、ゲート電極GE1の一方の側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成され、n−型半導体領域11eが、ゲート電極GE1の一方の側と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成される。その後、レジストパターンRP3は、除去される。
好適には、不純物イオンIM3は、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から注入される。これにより、ゲート電極GE1の側面SS3Aがゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、n−型半導体領域11dは、ゲート電極GE1の側面SS3Aに自己整合して形成される。また、ゲート電極GE1の側面SS3Bがゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、n−型半導体領域11eは、ゲート電極GE1の側面SS3Bに自己整合して形成される。そのため、ゲート幅方向(Y軸方向)におけるいずれの位置においても、MISFETQ1において、ホットキャリアを抑制するか、または、短チャネル効果を抑制することができる。
また、n−型半導体領域11a、11b、11c、11dおよび11eの各々を形成する工程を行う順番は、上記の順番に限定されるものではない。したがって、n−型半導体領域11a、11b、11c、11dおよび11eの各々を形成する工程を、いずれの順番で行ってもよい。
次に、図20および図21に示すように、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aに、サイドウォールスペーサSW1Aを形成し、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aに、サイドウォールスペーサSW2Aを形成する(図9のステップS12)。
まず、図20に示すように、半導体基板1の主面1a全面に、絶縁膜13を形成する。この絶縁膜13は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜またはそれらの積層膜などの絶縁膜からなる。
次に、図21に示すように、形成された絶縁膜13を、例えば異方性エッチングによりエッチバックする。
このようにして、制御ゲート電極CGAのメモリゲート電極MGA側と反対側の側面SS1A、すなわち側面SS0Aと反対側の側面SS1Aに選択的に絶縁膜13を残すことにより、絶縁膜13からなるサイドウォールスペーサSW1Aが形成される。また、メモリゲート電極MGAの制御ゲート電極CGA側と反対側の側面SS2Aに選択的に絶縁膜13を残すことにより、絶縁膜13からなるサイドウォールスペーサSW2Aが形成される。
一方、制御ゲート電極CGBのメモリゲート電極MGB側と反対側の側面SS1B、すなわち側面SS0Bと反対側の側面SS1Bに選択的に絶縁膜13を残すことにより、絶縁膜13からなるサイドウォールスペーサSW1Bが形成される。また、メモリゲート電極MGBの制御ゲート電極CGB側と反対側の側面SS2Bに選択的に絶縁膜13を残すことにより、絶縁膜13からなるサイドウォールスペーサSW2Bが形成される。
あるいは、ゲート電極GE1の側面SS3Aに、選択的に絶縁膜13を残すことにより、絶縁膜13からなるサイドウォールスペーサSW3Aが形成される。また、ゲート電極GE1の側面SS3Aと反対側の側面SS3Bに、選択的に絶縁膜13を残すことにより、絶縁膜13からなるサイドウォールスペーサSW3Bが形成される。
次に、図22〜図27に示すように、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eを形成する(図9のステップS13)。このステップS13では、例えばフォトリソグラフィおよびイオン注入法を用いて、p型ウェルPW1およびPW2の上層部に、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eを形成する。
このステップS13では、まず、図22に示すように、周辺回路領域1Bで、p型ウェルPW2に、不純物イオンを注入する(図10のステップS21)。
このステップS21では、まず、半導体基板1の主面1a全面を覆うように、レジスト膜RF4を形成する。次いで、周辺回路領域1Bで、レジスト膜RF4を除去し、メモリセル領域1Aで残された部分のレジスト膜RF4からなるレジストパターンRP4を形成する。このとき、メモリセル領域1Aにおけるn−型半導体領域11a、11bおよび11cは、レジスト膜RF4に覆われている。
このステップS21では、次に、レジストパターンRP4をマスクとして用いて、例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物イオンIM4を注入する。このとき、周辺回路領域1Bでは、ゲート電極GE1、ならびに、サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bをマスクとして、半導体基板1にn型の不純物イオンIM4が注入される。
これにより、周辺回路領域1Bで、n+型半導体領域12dが、ゲート電極GE1の側面SS3Aに形成されたサイドウォールスペーサSW3Aの側面に自己整合して形成され、n+型半導体領域12eが、ゲート電極GE1の側面SS3Bに形成されたサイドウォールスペーサSW3Bの側面に自己整合して形成される。
すなわち、n+型半導体領域12dが、サイドウォールスペーサSW3Aを挟んでゲート電極GE1と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成され、n+型半導体領域12eが、サイドウォールスペーサSW3Bを挟んでゲート電極GE1と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成される。n+型半導体領域12dは、n−型半導体領域11dに接触し、n+型半導体領域12dにおけるn型の不純物濃度は、n−型半導体領域11dにおけるn型の不純物濃度よりも高い。n+型半導体領域12eは、n−型半導体領域11eに接触し、n+型半導体領域12eにおけるn型の不純物濃度は、n−型半導体領域11eにおけるn型の不純物濃度よりも高い。
その後、レジストパターンRP4は、除去される。
なお、不純物イオンIM4は、例えば、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から注入される。
このステップS13では、次に、図23および図24に示すように、メモリセル領域1Aで、p型ウェルPW1に、不純物イオンを注入する(図10のステップS22)。
このステップS22では、まず、半導体基板1の主面1a全面を覆うように、レジスト膜RF5を形成する。次いで、メモリセル領域1Aで、レジスト膜RF5を除去し、周辺回路領域1Bで残された部分のレジスト膜RF5からなるレジストパターンRP5を形成する。このとき、周辺回路領域1Bにおけるn−型半導体領域11dおよび11e、ならびに、n+型半導体領域12dおよび12eは、レジスト膜RF5に覆われている。
このステップS22では、次に、レジストパターンRP5をマスクとして用いて、例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物イオンIM5を注入する。このとき、メモリセル領域1Aでは、制御ゲート電極CGAおよびCGB、メモリゲート電極MGAおよびMGB、サイドウォールスペーサSW1A、SW1B、SW2AおよびSW2Bをマスクとして、半導体基板1にn型の不純物イオンIM5が注入される。
これにより、メモリセル領域1Aで、n+型半導体領域12aが、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aに形成されたサイドウォールスペーサSW1Aの側面、および、制御ゲート電極CGBの側面SS1Bに形成されたサイドウォールスペーサSW1Bの側面に自己整合して形成される。また、メモリセル領域1Aで、n+型半導体領域12bが、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aに形成されたサイドウォールスペーサSW2Aの側面に自己整合して形成され、n+型半導体領域12cが、メモリゲート電極MGBの側面SS2Bに形成されたサイドウォールスペーサSW2Bの側面に自己整合して形成される。
すなわち、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aに形成されたサイドウォールスペーサSW1Aと、制御ゲート電極CGBの側面SS1Bに形成されたサイドウォールスペーサSW1Bとの間に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に、n+型半導体領域12aが形成される。また、サイドウォールスペーサSW2Aを挟んでメモリゲート電極MGAと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に、n+型半導体領域12bが形成され、サイドウォールスペーサSW2Bを挟んでメモリゲート電極MGBと反対側に位置する部分のp型ウェルPW1の上層部に、n+型半導体領域12cが形成される。
n+型半導体領域12aは、n−型半導体領域11aに接触し、n+型半導体領域12aにおけるn型の不純物濃度は、n−型半導体領域11aにおけるn型の不純物濃度よりも高い。n+型半導体領域12bは、n−型半導体領域11bに接触し、n+型半導体領域12bにおけるn型の不純物濃度は、n−型半導体領域11bにおけるn型の不純物濃度よりも高い。n+型半導体領域12cは、n−型半導体領域11cに接触し、n+型半導体領域12cにおけるn型の不純物濃度は、n−型半導体領域11cにおけるn型の不純物濃度よりも高い。
その後、レジストパターンRP5は、除去される。
好適には、図24および図25に示すように、不純物イオンIM5は、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR2から注入される。
これにより、サイドウォールスペーサSW1Aの側面が、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、ゲート幅方向(Y軸方向)の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12aの制御ゲート電極CGA側の端部位置のばらつきを低減することができる。また、サイドウォールスペーサSW2Aの側面が、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、ゲート幅方向(Y軸方向)の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12bのメモリゲート電極MGA側の端部位置のばらつきを低減することができる。
好適には、ステップS22の工程は、リン(P)からなる不純物イオンIM5を、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR2から注入する工程と、ヒ素(As)からなる不純物イオンを、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から注入する工程と、を含む。p型ウェルPW1中におけるリンの拡散係数は、p型ウェルPW1中におけるヒ素の拡散係数よりも大きい。そのため、ヒ素からなる不純物イオンが、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12aおよび12bの端部位置のばらつきに及ぼす影響よりも、リンからなる不純物イオンIM5が、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12aおよび12bの端部位置のばらつきに及ぼす影響の方が大きい。したがって、リンからなる不純物イオンIM5を、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR2から注入することが、好ましい。
このような場合、リンからなる不純物イオンIM5を注入する際の注入条件として、注入エネルギーを10keVとし、ドーズ量を2×1015cm−2とする。また、ヒ素からなる不純物イオンを注入する際の注入条件として、注入エネルギーを20keVとし、ドーズ量を2×1015cm−2とする。なお、注入エネルギーと注入量はデバイス構造によって可変である。
さらに好適には、互いに異なる2つの方向から不純物イオンを注入することができる。すなわち、図24〜図26に示すように、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)における一方の側に傾斜した方向DR2から注入する工程と、方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)における一方の側と反対側に傾斜した方向DR3から注入する工程と、を行うことができる。
これにより、サイドウォールスペーサSW1Aの側面に形成された凹凸がゲート幅方向(Y軸方向)に垂直な面(XZ面)に対して非対称な形状を有する場合でも、ゲート幅方向の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12aの制御ゲート電極CGA側の端部位置のばらつきを低減することができる。また、サイドウォールスペーサSW2Aの側面に形成された凹凸がゲート幅方向(Y軸方向)に垂直な面(XZ面)に対して非対称な形状を有する場合でも、ゲート幅方向の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12bのメモリゲート電極MGA側の端部位置のばらつきを低減することができる。
ここで、方向DR2が、方向DR1に対してY軸方向における一方の側に傾斜した方向であるとは、図25に示すように、X軸方向の負側から正側に向かう方向から視た断面において、方向DR2が、方向DR1に対して時計回りに角度θ1(0°<θ1<90°)だけ回転された方向であることを意味する。また、方向DR3が、方向DR1に対してY軸方向における一方の側と反対側に傾斜した方向であるとは、図26に示すように、X軸方向の負側から正側に向かう方向から視た断面において、方向DR3が、方向DR1に対して反時計回りに角度θ2(0°<θ2<90°)だけ回転された方向であることを意味する。また、好適なθ1の範囲は、10〜50°であり、好適なθ2の範囲は、10〜50°である。
不純物イオンIM5を注入する方向DR2は、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対して、ゲート幅方向(Y軸方向)に代えゲート長方向(X軸方向)に傾斜した方向であってもよい。このような場合でも、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から不純物イオンIM5を注入する場合に比べれば、ゲート幅方向(Y軸方向)の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12aの制御ゲート電極CGA側の端部位置のばらつきを低減することができる。また、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から不純物イオンIM5を注入する場合に比べれば、ゲート幅方向(Y軸方向)の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12bのメモリゲート電極MGA側の端部位置のばらつきを低減することができる。
ただし、サイドウォールスペーサSW1AとサイドウォールスペーサSW1Bとは、半導体領域MDを挟んでほぼ対称に配置されており、サイドウォールスペーサSW2AとサイドウォールスペーサSW2Bとは、半導体領域MSを挟んでほぼ対称に配置されている。そのため、方向DR2が、ゲート長方向(X軸方向)に傾斜した方向である場合、サイドウォールスペーサSW1Aをマスクとして不純物イオンIM5が注入される領域と、サイドウォールスペーサSW1Bをマスクとして不純物イオンIM5が注入される領域とが、半導体領域MDを挟んで対称に配置されない。また、方向DR2が、ゲート長方向(X軸方向)に傾斜した方向である場合、サイドウォールスペーサSW2Aをマスクとして不純物イオンIM5が注入される領域と、サイドウォールスペーサSW2Bをマスクとして不純物イオンIM5が注入される領域とが、半導体領域MSを挟んで対称に配置されない。したがって、不純物イオンIM5を注入する方向DR2は、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対して、ゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向であることが好ましい。
なお、図示および詳細な説明を省略するが、n+型半導体領域12aの制御ゲート電極CGB側の端部位置のばらつき、および、n+型半導体領域12cのメモリゲート電極MGB側の端部位置のばらつきを低減する効果についても、同様である。
このようにして、n−型半導体領域11aとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域12aとにより、メモリセルMCAおよびMCB(後述する図27参照)の各々のドレイン領域として機能するn型の半導体領域MDが形成される。また、n−型半導体領域11bとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域12bとにより、メモリセルMCAのソース領域として機能するn型の半導体領域MSが形成される。さらに、n−型半導体領域11cとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域12cとにより、メモリセルMCBのソース領域として機能するn型の半導体領域MSが形成される。
その後、n−型半導体領域11a、11b、11c、11dおよび11e、ならびに、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eなどに導入された不純物を活性化するための熱処理である活性化アニールを行う。
これにより、図27に示すように、メモリセル領域1Aで、制御トランジスタCTAおよびメモリトランジスタMTAが形成され、制御トランジスタCTAおよびメモリトランジスタMTAにより、不揮発性メモリとしてのメモリセルMCAが形成される。すなわち、制御ゲート電極CGAと、ゲート絶縁膜GI1Aと、メモリゲート電極MGAと、ゲート絶縁膜GI2Aと、半導体領域MSと、半導体領域MDと、により、不揮発性メモリとしてのメモリセルMCAが形成される。
また、図27に示すように、メモリセル領域1Aで、制御トランジスタCTBおよびメモリトランジスタMTBが形成され、制御トランジスタCTBおよびメモリトランジスタMTBにより、不揮発性メモリとしてのメモリセルMCBが形成される。すなわち、制御ゲート電極CGBと、ゲート絶縁膜GI1Bと、メモリゲート電極MGBと、ゲート絶縁膜GI2Bと、半導体領域MSと、半導体領域MDと、により、不揮発性メモリとしてのメモリセルMCBが形成される。
一方、図27に示すように、周辺回路領域1Bで、MISFETQ1が形成される。すなわち、ゲート電極GE1と、ゲート絶縁膜GI3と、n−型半導体領域11dおよび11eと、n+型半導体領域12dおよび12eと、により、MISFETQ1が形成される。
また、メモリセル領域1Aにおいてn+型半導体領域12a、12bおよび12cの各々を形成するために不純物イオンを注入する工程、ならびに、周辺回路領域1Bにおいてn+型半導体領域12dおよび12eの各々を形成するために不純物イオンを注入する工程を行う順番は、上記の順番に限定されるものではない。したがって、メモリセル領域1Aにおいてn+型半導体領域12a、12bおよび12cの各々を形成するために不純物イオンを注入する工程、ならびに、周辺回路領域1Bにおいてn+型半導体領域12dおよび12eの各々を形成するために不純物イオンを注入する工程を、いずれの順番で行ってもよい。
次に、図5に示すように、金属シリサイド層14を形成する(図9のステップS14)。このステップS14では、半導体基板1の主面1a全面に、制御ゲート電極CGAおよびCGB、メモリゲート電極MGAおよびMGB、ゲート電極GE1、ならびに、サイドウォールスペーサSW1A、SW1B、SW2A、SW2B、SW3AおよびSW3Bを覆うように、金属膜を形成する。金属膜は、例えばコバルト(Co)膜、ニッケル(Ni)膜、または、ニッケル白金合金膜などからなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。そして、半導体基板1に対して熱処理を施すことによって、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eのそれぞれの上層部を、金属膜と反応させる。これにより、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eの各々の上に、金属シリサイド層14がそれぞれ形成される。
金属シリサイド層14は、例えばコバルトシリサイド層、ニッケルシリサイド層、または、白金添加ニッケルシリサイド層とすることができる。その後、未反応の金属膜を除去する。このようないわゆるサリサイドプロセスを行うことによって、図5に示すように、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eの各々の上に、金属シリサイド層14を形成することができる。なお、制御ゲート電極CGAおよびCGB、メモリゲート電極MGAおよびMGB、ならびに、ゲート電極GE1の各々の上にも、金属シリサイド層14を形成することができる。
次に、図5に示すように、半導体基板1の主面1a全面に、絶縁膜15および層間絶縁膜16を形成する(図9のステップS15)。このステップS15では、まず、半導体基板1の主面1a上に、制御ゲート電極CGAおよびCGB、メモリゲート電極MGAおよびMGB、ゲート電極GE1、ならびに、サイドウォールスペーサSW1A、SW1B、SW2A、SW2B、SW3AおよびSW3Bを覆うように、絶縁膜15を形成する。絶縁膜15は、例えば窒化シリコン膜からなる。絶縁膜15を、例えばCVD法により形成することができる。
次に、図5に示すように、絶縁膜15上に、層間絶縁膜16を形成する。層間絶縁膜16は、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜などからなる。層間絶縁膜16を、例えばCVD法により形成した後、層間絶縁膜16の上面を平坦化する。
次に、図2および図5に示すように、層間絶縁膜16を貫通するプラグPG1、PG2およびPG3を形成する(図9のステップS16)。なお、以下では、プラグPG1、PG2およびPG3のうち、プラグPG1およびPG3を形成する場合を例示して説明する。
まず、フォトリソグラフィを用いて層間絶縁膜16上に形成したレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして、層間絶縁膜16をドライエッチングすることにより、層間絶縁膜16にコンタクトホールを形成する。次に、そのコンタクトホール内に、導体膜からなるプラグPG1およびPG3を形成する。
プラグPG1およびPG3を形成するには、例えば、コンタクトホールの内部を含む層間絶縁膜16上に、例えば、チタン(Ti)膜、窒化チタン(TiN)膜、またはそれらの積層膜からなるバリア導体膜を形成する。それから、このバリア導体膜上にタングステン(W)膜などからなる主導体膜を、コンタクトホールを埋めるように形成し、層間絶縁膜16上の不要な主導体膜およびバリア導体膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法またはエッチバック法などによって除去する。これにより、プラグPG1およびPG3を形成することができる。なお、図5では、図面の簡略化のために、プラグPG1およびPG3を構成するバリア導体膜および主導体膜を一体化して示す。
プラグPG1は、n+型半導体領域12a、12bおよび12c、制御ゲート電極CGAおよびCGB、ならびに、メモリゲート電極MGAおよびMGBの各々の上に形成され、n+型半導体領域12a、12bおよび12c、制御ゲート電極CGAおよびCGB、ならびに、メモリゲート電極MGAおよびMGBの各々と、電気的に接続される。また、プラグPG3は、n+型半導体領域12dおよび12e、ならびに、ゲート電極GE1の各々の上に形成され、n+型半導体領域12dおよび12e、ならびに、ゲート電極GE1の各々と、電気的に接続される。
以上のようにして、図5に示すように、本実施の形態1の半導体装置が製造される。なお、プラグPG1およびPG3が埋め込まれた層間絶縁膜16上に、例えば銅(Cu)を主導電膜とする配線を、例えばダマシン技術を用いて形成することができるが、ここでは、その説明を省略する。
<メモリセル領域におけるn+型半導体領域の端部位置について>
次に、メモリセル領域1Aにおいて、サイドウォールスペーサSW1AおよびSW2Aの側面がゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合における、n+型半導体領域12aおよび12bの端部位置について、比較例1の半導体装置の製造方法と対比しながら説明する。なお、以下では説明は省略するが、サイドウォールスペーサSW1BおよびSW2Bの側面がゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合における、n+型半導体領域12aおよび12cの端部位置についても、同様である。
図28および図29は、比較例1の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。図30は、実施の形態1の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。図29は、図28に示す平面図のうち、制御ゲート電極CGAおよびメモリゲート電極MGAの周辺を拡大して示している。また、図30は、図24に示す平面図のうち、制御ゲート電極CGAおよびメモリゲート電極MGAの周辺を拡大して示している。また、図29および図30では、不純物イオンIM5が注入される領域にハッチングを付している。
比較例1の半導体装置の製造方法は、図8のステップS1〜図9のステップS16に相当する工程を行って、比較例1の半導体装置を製造するものである。
比較例1の半導体装置の製造工程では、実施の形態1の半導体装置の製造工程と異なり、図9のステップS13に相当する工程の一部であって、図23を用いて説明した工程に相当する工程を行う際に、図28および図29に示すように、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から不純物イオンIM5を注入する。
メモリセルの微細化に伴って、制御ゲート電極CGAのゲート長が短くなる。このような場合、ステップS5に相当する工程において、導電膜4をパターニングして制御ゲート電極CGAを形成する際に、導電膜4上に形成されたレジストパターンの側面が平坦にならず、レジストパターンの側面が、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有することがある。また、レジストパターンの側面が表面粗さを有する場合、レジストパターンをエッチングマスクとして用いてエッチングを行ってパターニングされた制御ゲート電極CGAの側面も、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する。
例えば、表面粗さを有する第1パターンの側面に、第1パターンが形成された後に形成された第2パターンの側面は、第1パターンの側面が有する表面粗さよりも大きな表面粗さを有する。したがって、制御ゲート電極CGAの側面にゲート絶縁膜GI2Aを介して形成されるメモリゲート電極MGAの側面は、制御ゲート電極CGAの側面が有する表面粗さよりも大きな表面粗さを有する。また、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aに形成されるサイドウォールスペーサSW1Aの側面は、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aが有する表面粗さよりも大きな表面粗さを有する。さらに、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aに形成されるサイドウォールスペーサSW2Aの側面は、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aが有する表面粗さよりも大きな表面粗さを有する。
比較例1では、図29に示すように、サイドウォールスペーサSW1Aの側面が平坦でなく、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする凹部CC1が形成されている場合には、不純物イオンIM5は、平面視において、凹部CC1と重なる部分PR1のp型ウェルPW1、すなわちn−型半導体領域11aにも、注入される。また、サイドウォールスペーサSW2Aの側面が平坦でなく、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする凹部CC2が形成されている場合には、不純物イオンIM5は、平面視において、凹部CC2と重なる部分PR2のp型ウェルPW1、すなわちn−型半導体領域11bにも、注入される。
図29に示すように、例えば、ゲート長方向(X軸方向)において、凹部CC1と凹部CC2とが対向し、凸部CV1と凸部CV2とが対向している場合を考える。ここで、凹部CC1と凹部CC2とが対向し、ゲート長が局所的に短くなっている領域を、領域RS1と称し、凸部CV1と凸部CV2とが対向し、ゲート長が局所的に長くなっている領域を、領域RS2と称する。また、領域RS1における、n+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとのゲート長方向(X軸方向)における距離を、距離DS1とし、領域RS2における、n+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとのゲート長方向(X軸方向)における距離を、距離DS2とする。このような場合、比較例1では、距離DS1は、距離DS2よりも小さくなる。
ここで、LDD構造のエクステンション領域としてそれぞれ機能するn−型半導体領域11aとn−型半導体領域11bとのゲート長方向(X軸方向)における距離が短くなった場合を考える。このような場合には、n−型半導体領域11aおよび11bの各々において、不純物イオンの密度はある程度高いものの、不純物イオンの注入深さが浅いため、不純物イオンの拡散によるパンチスルーは、発生しにくい。
一方、ソース領域またはドレイン領域としてそれぞれ機能するn+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとの距離が短くなった場合を考える。このような場合には、n+型半導体領域12aおよび12bの各々において、不純物イオンの注入深さが深いため、不純物イオンの拡散によるパンチスルーが、発生しやすい。すなわち、n+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとの距離は、実効的なゲート長に等しい。その結果、例えば図29に示した領域RS1など、n+型半導体領域12aと、n+型半導体領域12bとの距離、すなわち実効的なゲート長が局所的に短くなっている領域では、この実効的なゲート長の短縮に伴ってパンチスルーが発生しやすくなるという短チャネル効果が顕著になる。
そのため、複数のメモリセルMCA(図5参照)にそれぞれ含まれる複数の制御トランジスタCTA(図5参照)における閾値電圧のばらつきが増大し、複数のメモリセルMCAにそれぞれ含まれる複数のメモリトランジスタMTA(図5参照)における閾値電圧のばらつきが増大する。したがって、複数のメモリセルMCAを有する半導体装置において、データを書き込む際に不良が発生し、半導体装置の性能が低下する。
一方、本実施の形態1の半導体装置の製造工程では、図23を用いて説明した工程(図10のステップS22)を行う際に、図23〜図25および図30に示すように、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR2から不純物イオンIM5を注入する。
本実施の形態1では、図30に示すように、サイドウォールスペーサSW1Aの側面が平坦でなく、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする凹部CC1が形成されている場合には、不純物イオンIM5は、平面視において、凹部CC1と重なる部分PR1のp型ウェルPW1、すなわちn−型半導体領域11aには、注入されない。また、サイドウォールスペーサSW2Aの側面が平坦でなく、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする凹部CC2が形成されている場合には、不純物イオンIM5は、平面視において、凹部CC2と重なる部分PR2のp型ウェルPW1、すなわちn−型半導体領域11bには、注入されない。
図29と同様に、図30に示すように、ゲート長方向(X軸方向)において、凹部CC1と凹部CC2とが対向し、ゲート長が局所的に短くなっている領域を、領域RS1とし、ゲート長方向(X軸方向)において、凸部CV1と凸部CV2とが対向し、ゲート長が局所的に長くなっている領域を、領域RS2とする。また、領域RS1における、n+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとのゲート長方向(X軸方向)における距離を、距離DS1とし、領域RS2における、n+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとのゲート長方向(X軸方向)における距離を、距離DS2とする。このような場合、本実施の形態1では、距離DS1を、距離DS2と等しくすることができる。すなわち、本実施の形態1では、ゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR2から不純物イオンを注入することにより、サイドウォールスペーサSW1AおよびSW2Aの側面の表面粗さの影響を、n+型半導体領域12aおよび12bの端部位置に及ぼさないようにすることができる。
これにより、例えば図30に示した領域RS1など、ゲート長が局所的に短くなっている領域でも、n+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとの距離、すなわち実効的なゲート長が局所的に短くなることを防止または抑制することができる。そのため、メモリセルMCAにおいて、実効的なゲート長の短縮に伴ってパンチスルーが発生しやすくなるという短チャネル効果を、抑制することができる。
すなわち、本実施の形態1では、比較例1ではパンチスルーが発生しやすい領域RS1においても、パンチスルーを発生しにくくすることができる。そのため、複数のメモリセルMCA(図5参照)にそれぞれ含まれる複数の制御トランジスタCTA(図5参照)における閾値電圧のばらつきを低減することができ、複数のメモリセルMCAにそれぞれ含まれる複数のメモリトランジスタMTA(図5参照)における閾値電圧のばらつきを低減することができる。したがって、複数のメモリセルMCAを有する半導体装置において、データを書き込む際に不良が発生することを防止または抑制することができ、半導体装置の性能を向上させることができる。
なお、図9のステップS11の一部であって、図17および図18を用いて説明した工程を行う際に、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向から不純物イオンを注入する場合を考える。このような場合、n−型半導体領域11aおよび11bに注入される不純物イオンは拡散しにくい。そのため、図30に示す領域RS1において、n−型半導体領域11aの制御ゲート電極CGA側の端部が、平面視において、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aから離れるか、または、n−型半導体領域11bのメモリゲート電極MGA側の端部が、平面視において、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aから離れるおそれがある。これに伴って、平面視において、制御ゲート電極CGAの側面SS1A側に隣接した部分、または、メモリゲート電極MGAの側面SS2A側に隣接した部分のp型ウェルPW1の上層部の抵抗が大きくなるため、制御トランジスタCTAおよびメモリトランジスタMTAを通って流れるオン電流が減少するおそれがある。
一方、本実施の形態1では、図9のステップS11の一部であって、図17および図18を用いて説明した工程を行う際に、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から不純物イオンを注入する。これにより、図30に示す領域RS1において、n−型半導体領域11aの制御ゲート電極CGA側の端部が、平面視において、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aから離れることを、防止または抑制することができる。また、図30に示す領域RS1において、n−型半導体領域11bのメモリゲート電極MGA側の端部が、平面視において、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aから離れることを、防止または抑制することができる。これに伴って、平面視において、制御ゲート電極CGAの側面SS1A側に隣接した部分、または、メモリゲート電極MGAの側面SS2A側に隣接した部分のp型ウェルPW1の上層部の抵抗を低減することができ、制御トランジスタCTAおよびメモリトランジスタMTAを通って流れるオン電流を増加させることができる。
なお、本実施の形態1では、例えば領域RS1と領域RS2との間で、ゲート長方向における、n+型半導体領域12aの制御ゲート電極CGA側の端部と、制御ゲート電極CGAの側面SS1Aとの距離が異なる。また、例えば領域RS1と領域RS2との間で、ゲート長方向における、n+型半導体領域12bのメモリゲート電極MGA側の端部と、メモリゲート電極MGAの側面SS2Aとの距離が異なる。しかし、n+型半導体領域12aおよび12bに注入される不純物イオンは拡散しやすいため、n+型半導体領域12aおよび12bについての上記した距離の差異が、制御トランジスタCTAおよびメモリトランジスタMTAを通って流れるオン電流およびオン抵抗に及ぼす影響は、小さい。
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
本実施の形態1では、スプリットゲート型のメモリセルMCAを備えた半導体装置の製造工程において、半導体基板1上に形成された制御ゲート電極CGAおよびメモリゲート電極MGAをマスクとして、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から、n型の不純物イオンを注入する。その後、制御ゲート電極CGA、メモリゲート電極MGA、サイドウォールスペーサSW1AおよびSW2Aをマスクとして、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対して傾斜した方向DR2から、n型の不純物イオンIM5を注入する。
これにより、サイドウォールスペーサSW1AおよびSW2Aの側面の表面粗さの影響を、n+型半導体領域12aおよび12bの端部位置に及ぼさないようにすることができる。すなわち、メモリセルMCAにおいて、サイドウォールスペーサSW1AおよびSW2Aの側面が表面粗さを有する場合でも、ゲート長方向におけるn+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとの距離が、局所的に短くなることを防止または抑制することができ、短チャネル効果を抑制することができる。そのため、複数のメモリセルMCAにそれぞれ含まれる複数の制御トランジスタCTAにおける閾値電圧のばらつきを低減することができ、複数のメモリセルMCAにそれぞれ含まれる複数のメモリトランジスタMTAにおける閾値電圧のばらつきを低減することができる。したがって、複数のメモリセルMCAを有する半導体装置において、データを書き込む際に不良が発生することを防止または抑制することができ、半導体装置の性能を向上させることができる。
上記した効果に加えて、本実施の形態1は、以下のような効果も有する。
スプリットゲート型のメモリセルMCAの製造工程では、まず、制御ゲート電極CGAが形成され、次に、制御ゲート電極CGAと隣り合うようにメモリゲート電極MGAが形成される。その後、制御ゲート電極CGAのメモリゲート電極MGA側と反対側の側面SS1AにサイドウォールスペーサSW1Aが形成され、メモリゲート電極MGAの制御ゲート電極CGA側と反対側の側面SS2AにサイドウォールスペーサSW2Aが形成される。そのため、側面の表面粗さは、制御ゲート電極CGA、メモリゲート電極MGA、サイドウォールスペーサSW1A、サイドウォールスペーサSW2Aの順で、増加する。よって、例えばサイドウォールスペーサSW2Aの側面の表面粗さは、MISFETQ1のゲート電極GE1の側面に形成されたサイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bの各々の側面の表面粗さよりも大きい。
したがって、ゲート幅方向に傾斜した方向から不純物イオンを注入することにより、サイドウォールスペーサの側面の表面粗さの影響を、ソース領域およびドレイン領域の端部位置に及ぼさないという効果は、周辺回路領域1Bよりも、メモリセル領域1Aにおいて大きい。
また、好適には、図22および図23に示すように、周辺回路領域1Bにおいてn+型半導体領域12dを形成するために不純物イオンを注入するステップS21と、メモリセル領域1Aにおいてn+型半導体領域12aおよび12bを形成するために不純物イオンを注入するステップS22と、互いに異なる工程として行う。これにより、メモリセル領域1Aでn+型半導体領域12aおよび12bを形成する際に、半導体基板1の主面1aに垂直な方向に対して傾斜した方向から不純物イオンを注入する際の影響を、周辺回路領域1Bで形成されるn+型半導体領域12dおよび12eに及ぼさないようにすることができる。
また、図25および図26を用いて説明した2つの方向DR2およびDR3の各々からの不純物イオンの注入のうち、方向DR2からの注入のみを行うようにすれば、製造工程数を低減することができる。そのため、ゲート幅方向に傾斜した方向から不純物イオンを注入することによりスループットが減少する影響を、最小限に抑えることができる。
なお、本実施の形態1では、スプリットゲート型のメモリセルで、一方向に延在した制御ゲート電極またはメモリゲート電極の側面に形成されたサイドウォールに自己整合してソース領域またはドレイン領域を形成する際に、半導体基板の主面に垂直な方向に対してゲート幅方向に傾斜した方向から不純物イオンを注入する例について説明した。同様に、MISFETまたはフローティング型のメモリセルで、一方向に延在したゲート電極の側面に形成されたサイドウォールに自己整合してソース領域またはドレイン領域を形成する際にも、半導体基板の主面に垂直な方向に対してゲート幅方向に傾斜した方向から不純物イオンを注入することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1の半導体装置の製造方法では、メモリセル領域1Aで、n+型半導体領域12aおよび12bを形成する際に、半導体基板1の主面1aに垂直な方向に対して傾斜した方向から不純物イオンを注入した。それに対して、実施の形態2の半導体装置の製造方法では、周辺回路領域1Bで、n+型半導体領域12dおよび12eを形成する際にも、半導体基板1の主面1aに垂直な方向に対して傾斜した方向から不純物イオンを注入する。
なお、本実施の形態2の半導体装置の構造は、実施の形態1の半導体装置の構造と同様である。
<半導体装置の製造工程>
次に、本実施の形態2の半導体装置の製造方法について説明する。図31は、実施の形態2の半導体装置の製造工程の一部を示すプロセスフロー図である。図32、図33、図35、図37および図38は、実施の形態2の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。図34および図36は、実施の形態2の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。
図31は、図9のステップS13に含まれる工程を示す。図32、図33、図35、図37および図38では、メモリセル領域1Aにおける図2のA−A断面に対応した素子構造と、周辺回路領域1Bにおける図3のB−B断面に対応した素子構造とに加え、周辺回路領域1Cにおける図4のC−C断面に対応した素子構造とを、合わせて図示している。
本実施の形態2では、まず、実施の形態1と同様に、図8のステップS1〜ステップS12を行う。図8のステップS1〜ステップS12が行われた後の半導体装置の要部断面を、図32に示す。
このうち、図8のステップS5では、周辺回路領域1Cでも、周辺回路領域1Bと同様に、p型ウェルPW2上、すなわち半導体基板1の主面1a上に、ゲート絶縁膜GI3を介してゲート電極GE1が形成される。また、図4に示したように、周辺回路領域1Cでは、ゲート電極GE1は、平面視において、活性領域AR3上を通って、X軸方向に延在する。
また、図9のステップS11では、周辺回路領域1Cでも、周辺回路領域1Bと同様に、ゲート電極GE1をマスクとして、半導体基板1にn型の不純物イオンが注入される。また、図9のステップS12では、周辺回路領域1Cでも、周辺回路領域1Bと同様に、ゲート電極GE1の側面SS3Aに、絶縁膜13からなるサイドウォールスペーサSW3Aが形成され、ゲート電極GE1の側面SS3Aと反対側の側面SS3Bに、絶縁膜13からなるサイドウォールスペーサSW3Bが形成される。
次に、図9のステップS13を行って、図33〜図38に示すように、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eを形成する。このステップS13では、例えばフォトリソグラフィおよびイオン注入法を用いて、p型ウェルPW1およびPW2の上層部に、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eを形成する。
このステップS13では、まず、図33および図34に示すように、周辺回路領域1Bで、p型ウェルPW2に、不純物イオンを注入する(図31のステップS31)。
このステップS31では、まず、半導体基板1の主面1a全面を覆うように、レジスト膜RF6を形成する。次に、周辺回路領域1Bで、レジスト膜RF6を除去し、メモリセル領域1Aおよび周辺回路領域1Cで残された部分のレジスト膜RF6からなるレジストパターンRP6を形成する。このとき、メモリセル領域1Aにおけるn−型半導体領域11a、11bおよび11c、ならびに、周辺回路領域1Cにおけるn−型半導体領域11dおよび11eは、レジスト膜RF6に覆われている。
このステップS31では、次に、メモリセル領域1Aおよび周辺回路領域1Cにおける半導体基板1の主面1aがレジスト膜RF6に覆われた状態で、レジストパターンRP6をマスクとして用いて、例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物イオンIM6を注入する。このとき、周辺回路領域1Bでは、ゲート電極GE1、ならびに、サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bをマスクとして、半導体基板1にn型の不純物イオンIM6が注入される。
これにより、周辺回路領域1Bで、n+型半導体領域12dが、ゲート電極GE1の側面SS3Aに形成されたサイドウォールスペーサSW3Aの側面に自己整合して形成され、n+型半導体領域12eが、ゲート電極GE1の側面SS3Bに形成されたサイドウォールスペーサSW3Bの側面に自己整合して形成される。
すなわち、周辺回路領域1Bで、n+型半導体領域12dが、サイドウォールスペーサSW3Aを挟んでゲート電極GE1と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成される。また、周辺回路領域1Bで、n+型半導体領域12eが、サイドウォールスペーサSW3Bを挟んでゲート電極GE1と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成される。その後、レジストパターンRP6は、除去される。
好適には、図33および図34に示すように、不純物イオンIM6は、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR4から注入される。
これにより、周辺回路領域1Bで、サイドウォールスペーサSW3Aの側面が、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、ゲート幅方向(Y軸方向)の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12dのゲート電極GE1側の端部位置のばらつきを低減することができる。また、周辺回路領域1Bで、サイドウォールスペーサSW3Bの側面が、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、ゲート幅方向(Y軸方向)の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12eのゲート電極GE1側の端部位置のばらつきを低減することができる。
なお、ステップS31は、図10のステップS22と同様に、リン(P)からなる不純物イオンIM6を、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR4から注入する工程と、ヒ素(As)からなる不純物イオンを、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から注入する工程と、を含んでもよい。
さらに好適には、実施の形態1で図24〜図26を用いて説明したのと同様に、互いに異なる2つの方向から不純物イオンを注入することができる。すなわち、図33および図34に示すように、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)における一方の側に傾斜した方向DR4から注入する工程と、方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)における一方の側と反対側に傾斜した方向DR5から注入する工程と、を行うことができる。
これにより、サイドウォールスペーサSW3Aの側面に形成された凹凸がゲート幅方向(Y軸方向)に垂直な面(XZ面)に対して非対称な形状を有する場合でも、ゲート幅方向の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12dのゲート電極GE1側の端部位置のばらつきを低減することができる。また、サイドウォールスペーサSW3Bの側面に形成された凹凸がゲート幅方向(Y軸方向)に垂直な面(XZ面)に対して非対称な形状を有する場合でも、ゲート幅方向の各位置の間での、ゲート長方向(X軸方向)におけるn+型半導体領域12eのゲート電極GE1側の端部位置のばらつきを低減することができる。
なお、方向DR4と方向DR1とのなす角度を、図25を用いて説明した方向DR2と方向DR1とのなす角度θ1と同様にすることができ、方向DR5と方向DR1とのなす角度を、図26を用いて説明した方向DR3と方向DR1とのなす角度θ2と同様にすることができる。
このステップS13では、次に、図35および図36に示すように、周辺回路領域1Cで、p型ウェルPW2に、不純物イオンを注入する(図31のステップS32)。
このステップS32では、まず、半導体基板1の主面1a全面を覆うように、レジスト膜RF7を形成する。次いで、周辺回路領域1Cで、レジスト膜RF7を除去し、メモリセル領域1Aおよび周辺回路領域1Bで残された部分のレジスト膜RF7からなるレジストパターンRP7を形成する。このとき、メモリセル領域1Aにおけるn−型半導体領域11a、11bおよび11c、ならびに、周辺回路領域1Bにおけるn−型半導体領域11dおよび11eならびにn+型半導体領域12dおよび12eは、レジスト膜RF7に覆われている。
このステップS32では、次に、メモリセル領域1Aおよび周辺回路領域1Bにおける半導体基板1の主面1aがレジスト膜RF7に覆われた状態で、レジストパターンRP7をマスクとして用いて、例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物イオンIM7を注入する。このとき、周辺回路領域1Cでは、ゲート電極GE1、ならびに、サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bをマスクとして、半導体基板1にn型の不純物イオンIM7が注入される。
これにより、周辺回路領域1Cで、n+型半導体領域12dが、ゲート電極GE1の側面SS3Aに形成されたサイドウォールスペーサSW3Aの側面に自己整合して形成され、n+型半導体領域12eが、ゲート電極GE1の側面SS3Bに形成されたサイドウォールスペーサSW3Bの側面に自己整合して形成される。
すなわち、周辺回路領域1Cで、n+型半導体領域12dが、サイドウォールスペーサSW3Aを挟んでゲート電極GE1と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成される。また、周辺回路領域1Cで、n+型半導体領域12eが、サイドウォールスペーサSW3Bを挟んでゲート電極GE1と反対側に位置する部分のp型ウェルPW2の上層部に形成される。その後、レジストパターンRP7は、除去される。
好適には、図35および図36に示すように、不純物イオンIM7は、半導体基板1の主面1aに垂直な方向1に対してゲート幅方向(X軸方向)に傾斜した方向DR6から注入される。
これにより、周辺回路領域1Cで、サイドウォールスペーサSW3Aの側面が、ゲート長方向(Y軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、ゲート幅方向(X軸方向)の各位置の間での、ゲート長方向(Y軸方向)におけるn+型半導体領域12dのゲート電極GE1側の端部位置のばらつきを低減することができる。また、周辺回路領域1Cで、サイドウォールスペーサSW3Bの側面が、ゲート長方向(Y軸方向)を深さ方向とする表面粗さを有する場合でも、ゲート幅方向(X軸方向)の各位置の間での、ゲート長方向(Y軸方向)におけるn+型半導体領域12eのゲート電極GE1側の端部位置のばらつきを低減することができる。
なお、ステップS32は、図10のステップS22と同様に、リン(P)からなる不純物イオンIM7を、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(X軸方向)に傾斜した方向DR6から注入する工程と、ヒ素(As)からなる不純物イオンIM7を、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から注入する工程と、を含んでもよい。
さらに好適には、実施の形態1で図24〜図26を用いて説明したのと同様に、互いに異なる2つの方向から不純物イオンを注入することができる。すなわち、図35および図36に示すように、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(X軸方向)における一方の側に傾斜した方向DR6から注入する工程と、方向DR1に対してゲート幅方向(X軸方向)における一方の側と反対側に傾斜した方向DR7から注入する工程と、を行うことができる。
これにより、サイドウォールスペーサSW3Aの側面に形成された凹凸がゲート幅方向(X軸方向)に垂直な面(YZ面)に対して非対称な形状を有する場合でも、ゲート幅方向の各位置の間での、ゲート長方向(Y軸方向)におけるn+型半導体領域12dのゲート電極GE1側の端部位置のばらつきを低減することができる。また、サイドウォールスペーサSW3Bの側面に形成された凹凸がゲート幅方向(X軸方向)に垂直な面(YZ面)に対して非対称な形状を有する場合でも、ゲート幅方向の各位置の間での、ゲート長方向(Y軸方向)におけるn+型半導体領域12eのゲート電極GE1側の端部位置のばらつきを低減することができる。
なお、方向DR6と方向DR1とのなす角度を、図25を用いて説明した方向DR2と方向DR1とのなす角度θ1と同様にすることができ、方向DR7と方向DR1とのなす角度を、図26を用いて説明した方向DR3と方向DR1とのなす角度θ2と同様にすることができる。
このステップS13では、次に、図10のステップS22と同様の工程を行って、図37に示すように、メモリセル領域1Aで、p型ウェルPW1に、不純物イオンを注入する(図31のステップS33)。
その後、n−型半導体領域11a、11b、11c、11dおよび11e、ならびに、n+型半導体領域12a、12b、12c、12dおよび12eなどに導入された不純物を活性化するための熱処理である活性化アニールを行う。これにより、図38に示すように、メモリセル領域1Aで、不揮発性メモリとしてのメモリセルMCAおよびMCBが形成され、周辺回路領域1Bおよび1Cの各々で、MISFETQ1が形成される。
なお、メモリセル領域1Aにおいて不純物イオンを注入する工程、周辺回路領域1Bにおいて不純物イオンを注入する工程、ならびに、周辺回路領域1Cにおいて不純物イオンを注入する工程を、いずれの順番で行ってもよい。
その後、実施の形態1と同様に、図9のステップS14〜図9のステップS16を行うことにより、本実施の形態2の半導体装置が製造される。
<周辺回路領域におけるn+型半導体領域の端部位置について>
次に、周辺回路領域1Bにおいて、サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bの各々の側面が、ゲート長方向を深さ方向とする表面粗さを有する場合における、n+型半導体領域12dのゲート電極GE1側の端部位置について、実施の形態1の半導体装置の製造方法と対比しながら説明する。なお、以下では説明は省略するが、周辺回路領域1Cにおいても、同様である。
図39は、実施の形態1の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。図40は、実施の形態2の半導体装置の製造工程中の要部平面図である。図39および図40は、ゲート電極GE1の周辺を拡大して示している。また、図39では、不純物イオンIM4が注入される領域にハッチングを付し、図40では、不純物イオンIM6が注入される領域にハッチングを付している。
実施の形態1の半導体装置の製造工程では、図9のステップS13に相当する工程の一部であって、図22を用いて説明した工程に相当する工程を行う際に、不純物イオンIM4を、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から注入する。
このような場合、図39に示すように、サイドウォールスペーサSW3Aの側面が平坦でなく、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする凹部CC3が形成されている場合には、不純物イオンIM4は、平面視において、凹部CC3と重なる部分PR3のp型ウェルPW2、すなわちn−型半導体領域11dにも、注入される。また、サイドウォールスペーサSW3Bの側面が平坦でなく、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする凹部CC4が形成されている場合には、不純物イオンIM4は、平面視において、凹部CC4と重なる部分PR4のp型ウェルPW2、すなわちn−型半導体領域11eにも、注入される。
図39に示すように、例えば、ゲート長方向(X軸方向)において、凹部CC3と凹部CC4とが対向し、凸部CV3と凸部CV4とが対向している場合を考える。ここで、凹部CC3と凹部CC4とが対向し、ゲート長が局所的に短くなっている領域を、領域RS3と称し、凸部CV3と凸部CV4とが対向し、ゲート長が局所的に長くなっている領域を、領域RS4と称する。また、領域RS3における、n+型半導体領域12dとn+型半導体領域12eとの間のゲート長方向(X軸方向)における距離を、距離DS3とし、領域RS4における、n+型半導体領域12dとn+型半導体領域12eとの間のゲート長方向(X軸方向)における距離を、距離DS4とする。このような場合、実施の形態1では、距離DS3は、距離DS4よりも小さくなる。
一方、本実施の形態2の半導体装置の製造工程では、図33および図34を用いて説明した工程(図31のステップS31)を行う際に、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR4から不純物イオンIM6を注入する。
図40に示すように、サイドウォールスペーサSW3Aの側面が平坦でなく、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする凹部CC3が形成されている場合には、不純物イオンIM6は、平面視において、凹部CC3と重なる部分PR3のp型ウェルPW2、すなわちn−型半導体領域11dには、注入されない。また、サイドウォールスペーサSW3Bの側面が平坦でなく、ゲート長方向(X軸方向)を深さ方向とする凹部CC4が形成されている場合には、不純物イオンIM6は、平面視において、凹部CC4と重なる部分PR4のp型ウェルPW2、すなわちn−型半導体領域11eには、注入されない。
図39と同様に、図40に示すように、ゲート長方向(X軸方向)において、凹部CC3と凹部CC4とが対向し、ゲート長が局所的に短くなっている領域を、領域RS3とし、ゲート長方向(X軸方向)において、凸部CV3と凸部CV4とが対向し、ゲート長が局所的に長くなっている領域を、領域RS4とする。また、領域RS3における、n+型半導体領域12dとn+型半導体領域12eとの間のゲート長方向(X軸方向)における距離を、距離DS3とし、領域RS4における、n+型半導体領域12dとn+型半導体領域12eとの間のゲート長方向(X軸方向)における距離を、距離DS4とする。このような場合、本実施の形態2では、距離DS3を、距離DS4と等しくすることができる。すなわち、本実施の形態2では、周辺回路領域1Bにおいても、ゲート幅方向(Y軸方向)に傾斜した方向DR4から不純物イオンを注入することにより、サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bの側面の表面粗さの影響を、n+型半導体領域12dおよび12eの端部位置に及ぼさないようにすることができる。
これにより、例えば図40に示した領域RS3など、ゲート長が局所的に短くなっている領域でも、n+型半導体領域12dとn+型半導体領域12eとの距離、すなわち実効的なゲート長が局所的に短くなることを防止または抑制することができる。そのため、MISFETQ1(図38参照)において、実効的なゲート長の短縮に伴ってパンチスルーが発生しやすくなるという短チャネル効果を、抑制することができる。したがって、複数のMISFETQ1の間における閾値電圧のばらつきを低減することができる。
また、本実施の形態2では、ステップS13は、平面視において、Y軸方向に延在するゲート電極GE1の両側に位置するp型ウェルPW2に不純物イオンを注入するステップS31と、平面視において、X軸方向に延在するゲート電極GE1の両側に位置するp型ウェルPW2に不純物イオンを注入するステップS32と、を含む。
ステップS31およびステップS32の各々は、平面視においてゲート電極GE1が延在する方向が異なる複数の領域のそれぞれにおいて、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してそれぞれの領域におけるゲート幅方向に傾斜した方向から不純物イオンを注入するものである。不純物イオンが注入される領域では、不純物イオンを注入する方向を半導体基板1の主面1aに投影した方向が、ゲート電極GE1が延在する方向に平行である。一方、不純物イオンが注入される領域以外の領域、すなわち、不純物イオンを注入する方向を半導体基板1の主面1aに投影した方向と交差する方向にゲート電極GE1が延在する領域では、半導体基板1の主面1aがレジスト膜で覆われる。
これにより、ある方向に延在するゲート電極GE1が配置された領域と、その方向と交差する方向に延在するゲート電極GE1が配置された領域と、のいずれの領域においても、ゲート長方向におけるn+型半導体領域12dとn+型半導体領域12eとの距離が、局所的に短くなることを防止または抑制することができる。
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、スプリットゲート型のメモリセルMCAを備えた半導体装置の製造工程において、半導体基板1上に形成された制御ゲート電極CGAおよびメモリゲート電極MGAをマスクとして、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1から、n型の不純物イオンを注入する。その後、制御ゲート電極CGA、メモリゲート電極MGA、サイドウォールスペーサSW1AおよびSW2Aをマスクとして、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対して傾斜した方向DR2から、n型の不純物イオンIM5を注入する。
これにより、メモリセルMCAにおいて、ゲート長方向におけるn+型半導体領域12aとn+型半導体領域12bとの距離が、局所的に短くなることを防止または抑制することができるなど、実施の形態1と同様の効果を有する。
一方、本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、周辺回路領域1Bにおいても、ゲート電極GE1、ならびに、サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bをマスクとして、半導体基板1の主面1aに垂直な方向DR1に対してゲート幅方向に傾斜した方向DR4から、n型の不純物イオンIM6を注入する。
これにより、サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bの側面の表面粗さの影響を、n+型半導体領域12dおよび12eの端部位置に及ぼさないようにすることができる。すなわち、MISFETQ1において、サイドウォールスペーサSW3AおよびSW3Bの側面が表面粗さを有する場合でも、ゲート長方向におけるn+型半導体領域12dとn+型半導体領域12eとの間の距離が、局所的に短くなることを防止または抑制することができ、短チャネル効果を抑制することができる。そのため、周辺回路領域1Bに形成された複数のMISFETQ1における閾値電圧のばらつきを低減することができる。
なお、本実施の形態2では、MISFETで、ゲート電極の側面に形成されたサイドウォールに自己整合してソース領域またはドレイン領域を形成する際に、半導体基板の主面に垂直な方向に対してゲート幅方向に傾斜した方向から不純物イオンを注入する例について説明した。同様に、MISFETと類似した構造を有するフローティング型のメモリセルで、ゲート電極の側面に形成されたサイドウォールに自己整合してソース領域またはドレイン領域を形成する際にも、半導体基板の主面に垂直な方向に対してゲート幅方向に傾斜した方向から不純物イオンを注入することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。