しかし、従来の構成では、電路管がむき出しになるため、コードの劣化が早く漏電の恐れもあるという問題があった。また、ユニット設置と照明配線の2回工事が必要となり、工事期間が長くなるという問題があった。
したがって、本発明の第1の目的は、上記した課題を解決し、電路管を収容でき、電路管がむき出しにならず、電路管の配線と道路の拡幅を同時に実現できる道路橋地覆拡幅ユニットを提供することにある。
本発明の第1の態様は、上記目的を達成するため、上面部と、前記上面部の一端下方側に連設した前面部と、前記前面部と対面して前記上面部の他端下方側に連設した背面部とを有し、底側及び左右の側端が開口部である逆U字型のフェースプレートと、
前記フェースプレートの底側に配置し前記フェースプレートと組み合わせて中空の縁石部を形成するベースプレートと、
前記ベースプレート上面に立設され、前記フェースプレートの前面部内側面に固定される前面側板と、
前記ベースプレート端部上面に立設され、前記フェースプレートの背面部内側面に固定される背面側板と、
前記ベースプレート上面に立設され、前記前面側板と前記背面側板とを連結し、上辺の一部が凹陥状に切り欠かれた複数のベースプレート補強リブとを有することを特徴とする道路橋地覆拡幅ユニットを提供する。
本発明の第1の態様によれば、フェースプレートでカバーされた中空の縁石部の中に設けられたベースプレート補強リブの凹陥状に切り欠かれた部分に無理なく電路管を通すことができ、また、道路橋地覆拡幅ユニットの設置の際に、フェースプレートをかぶせる前に電路管を配線することができる。したがって、電路管を収容でき、電路管がむき出しにならず、電路管の配線と道路の拡幅を同時に実現できる。電路管は、照明等の電線や通信ケーブルやその他の電気系統の配線を1又は複数を含むものであってもよい。照明には、街路灯等のように高所に設ける照明も、フットライト等のように低所に設ける照明も、道路の端部等を知らせるためのガイド灯等も含まれる。
本態様の道路橋地覆拡幅ユニット(標準部ユニット)は、道路橋の床版側端部に沿って、道路橋地覆拡幅ユニットの左右の側端の開口部同士を突き合わせて、縦列に連続して並べて床版に取り付けて連結することにより、道路に沿った縁石を形成することができると同時に、道路を拡幅し、さらに、縁石部に内設されて保護された状態で電路管も設置でき、しかも、縁石部を形成する時に電路管の配線も同時に行うことを可能とする。
さらに、本態様の道路橋地覆拡幅ユニット(標準部ユニット)は、照明を取り付ける道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)と組み合わせて縦列に並べて設置することができる。また、電路管が風雨に晒されることを防止できるとともに、道路の拡幅及び配線の工事の効率化、工事期間の短縮化が図れる。
本発明の第2の態様は、上記目的を達成するため、上面部と、前記上面部の一端下方側に連設した前面部と、前記前面部と対面して前記上面部の他端下方側に連設した背面部と、前記上面部から背面方向へ延出して設けられた照明台座部とを有し、底側及び左右の側端が開口部であるフェースプレートと、
前記フェースプレートの底側に配置し前記フェースプレートと組み合わせて中空の縁石部を形成するベースプレートと、
前記ベースプレート上面に立設され、前記フェースプレートの前面部内側面に固定される前面側板と、
前記ベースプレート端部上面に立設され、背面側に貫通する貫通穴が設けられ、前記フェースプレートの背面部内側面に固定される背面側板と、
前記ベースプレート上面に立設され、前記前面側板と前記背面側板とを連結し、上辺の一部が凹陥状に切り欠かれた複数のベースプレート補強リブとを有することを特徴とする道路橋地覆拡幅ユニットを提供する。
本発明の第2の態様によれば、フェースプレートでカバーされた中空の縁石部の中に設けられたベースプレート補強リブの凹陥状に切り欠かれた部分に無理なく電路管を通すことができ、さらに、貫通穴から配線が照明台座部の下方に引き出せるので、本態様の道路橋地覆拡幅ユニットの上部に設置する照明まで、電路管がむき出しにならず、保護された状態で配線することができる。また、道路橋地覆拡幅ユニットの設置の際に、フェースプレートをかぶせる前に電路管を配線することができる。したがって、電路管を収容でき、電路管がむき出しにならず、電路管の配線と道路の拡幅を同時に実現できる。
本態様の道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)は、道路橋の床版側端部に沿って、道路橋地覆拡幅ユニットの左右の側端の開口部同士を突き合わせて、縦列に連続して並べて床版に取り付けて連結することにより、道路に沿った縁石を形成することができると同時に、道路を拡幅し、さらに、照明を道路橋地覆拡幅ユニットの上部に設置でき、またさらに、照明まで縁石部に内設されて保護された状態で電路管も設置でき、しかも、縁石部を形成する時に電路管の配線も同時に行うことを可能とする。
さらに、照明を取り付ける本態様の道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)は、電柱部ユニット間を繋ぐ道路橋地覆拡幅ユニット(標準部ユニット)と組み合わせて、道路橋の床版側端部に沿って、縦列に並べて設置することができる。また、電路管が風雨に晒されることを防止できるとともに、道路の拡幅及び配線の工事の効率化、工事期間の短縮化が図れる。
前記照明台座部の中央部近傍には電路管挿通穴が設けられることが好ましい。照明台座部上部に設置した照明まで、照明台座部の電路管挿通穴に電路管を通すことができ、照明の電路管を内設でき、さらに、電路管挿通穴の上に中空支柱を立ててその上に照明を設置する場合でも、道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)上部に設けた照明まで電路管がむき出しにならずに配線することができる。
本発明の第3の態様は、上記目的を達成するため、道路橋地覆拡幅ユニットを、フェースプレートを被せない状態で、道路橋の床版側端部に沿って縦列に連続して並べて前記床版に取り付け、
次に、前記道路橋地覆拡幅ユニットの内部に設けられたベースプレート補強リブの凹陥状に切り欠かれた箇所に電路管を配置して配線し、
その後に、前記道路橋地覆拡幅ユニットのフェースプレートを被せて連続した縁石部を形成することを特徴とする道路橋地覆拡幅方法を提供する。
本発明の第3の態様によれば、道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)も道路橋地覆拡幅ユニット(標準部ユニット)もフェースプレートでカバーされた中に電路管を通すことができ、さらに、道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)の上部に設置した照明まで、電路管をむき出しにせずに通すことができる。また、道路橋地覆拡幅ユニットの設置の際に、フェースプレートをかぶせる前に電路管を配線して収容できる。したがって、電路管の配線もユニット設置の際に行うことができるため、電路管配線と道路の拡幅とを同時にできる。よって、電路管が風雨に晒されることを防止できるとともに、道路の拡幅及び配線の工事の効率化、工事期間の短縮化が図れる。
本発明によれば、電路管を収容でき、電路管がむき出しにならず、電路管の配線と道路の拡幅を同時に実現できる。
以下、本発明について、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
{構成}
本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1は、道路の拡幅とともに電路管を内部に通すこともできる縁石部を有する。本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1は複数個縦列して連結することができる。後述する本発明の実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´は照明を取り付け可能な照明台座部を有する道路橋地覆拡幅ユニットであるが、本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1は、本発明の実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´の一端又は両端に縦列して連結することができる道路橋地覆拡幅ユニットである。なお、電路管は、本実施例では、照明の電線を管の中に収容したものであるが、照明の電線や通信ケーブルやその他の電気系統の配線を1又は複数を含むものであってもよい。道路橋地覆拡幅ユニットを縦列に並べると、各道路橋地覆拡幅ユニットの縁石部が連なって一つの縁石を形成するように並ぶ。
本願においては、照明を取り付け可能な照明台座部を有しない構成の道路橋地覆拡幅ユニット1は標準部ユニットとなり、照明を取り付けることができる道路橋地覆拡幅ユニット1´は電柱部ユニットとなる。本発明の実施例1は標準部ユニット、本発明の実施例2は電柱部ユニットの役割を果たす。
本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1は、道路橋の道路幅を拡張する中空部分を背面側端部に有するものであり、橋梁上の設置に特に適している。実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1は、電路管を収容でき、電路管がむき出しにならず、電路管の配線と道路の拡幅を同時に実現できるものである。
図1は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の斜視図(1)である。図1は、平面(上面)、正面、左側面を表す図である。図2は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の斜視図(2)である。図2は、底面、正面、左側面を表す図である。
本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1は、フェースプレート2とベースプレート3と腹板6とを有する。本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1は、鋼製であって、背面側を外部側に、前面側(正面側)をコンクリート床版側にしてコンクリート床版の端部となるコンクリート床版側面に腹板6の先部折曲局面部67が接するように連続して並べて設置する。
フェースプレート2は、上面部24と、上面部の一端下方側に連設した前面部23と、前面部と対面して上面部の他端下方側に連設した背面部22とを有し、底側及び左右の側端が開口部である逆U字型である。ベースプレート3は、フェースプレート2の底側に配置しフェースプレート2と組み合わせて中空の縁石部10を形成する縁石底面部を有するとともにフェースプレートの前面側外方に延伸した延伸部を有する。また、縁石部10には、ベースプレート3の縁石底面部の上面側に立設され、上部に切欠き部81を有する複数のベースプレート底面部補強リブ8が含まれる。腹板6は、ベースプレート3の裏面に固定し先部折曲局面部67をコンクリート床版側面に接触した状態で取り付ける。
道路橋地覆拡幅ユニット1の中空部分は縁石及び電路管カバーとしての役割も兼ね備えることができる。本実施例においては、中空部分を総称して縁石部10と表すことがある。ベースプレート3の中で、フェースプレート2の前面部23より前方側(正面側)、すなわち、コンクリート床板側に延びた部分(延伸部)は、縁石部10には含まれず、フェースプレート2の下部となる部分(縁石底面部)は縁石部10に含まれる。
道路橋地覆拡幅ユニット1は、コンクリート床版の上にベースプレート3を載置した後、コンクリート床版の上にベースプレート3を取り付けて固定する。本実施例においては、ベースプレート3は、縁石部10の下部となる縁石底面部と、縁石底面部よりも縁石部10の前面側外方に延伸した部分である延伸部とを有するが、延伸部はなくてもよい。延伸部がない場合は、縁石底面部の下部に、コンクリート床版側面に接触させる先部折曲局面部67を有する。本実施例では、道路橋地覆拡幅ユニット1の正面側の延伸部の上にアスファルト等を流し入れて、車道又は歩道の幅を拡張する。道路橋地覆拡幅ユニット1の上に欄干や防護柵等を設けてもよい。支柱取付穴243は、欄干等を取り付けるのに用いる。
道路橋地覆拡幅ユニット1の左右端には、直角なコの字型すなわち角形の逆U字型の形状のロックプレート11をフェースプレート2の内側面に沿って嵌め込んであり、ロックプレート11は、フェースプレート2の左右端部内壁の外側に突出している。ロックプレート11は隣り合う道路橋地覆拡幅ユニットと共有であり、互いに連結する2つの道路橋地覆拡幅ユニットのフェースプレートそれぞれの内側面に沿って1つのロックプレート11を嵌め込んである。ロックプレート11はフェースプレート2の上面部24とベースプレート3の間の高さを保ち、がたつきを防止する。
図3は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の内部構造説明図である。図3は、図1におけるフェースプレート2とロックプレート11を取り外した状態を示す。
道路橋地覆拡幅ユニット1は、ベースプレート3の縁石底面部の上面側に立設しフェースプレート2の前面部内側面に固定した前面側板4と、ベースプレート3の端部上面に立設しフェースプレート2の背面部内側面に固定した背面側板5とを有する。前面側板4と背面側板5はベースプレート3の縁石底面部の上面側に垂直に立てて溶接してある。前面側板4の下部には切欠きがあり、アンカーバー35が直角に差し込まれて固定されている。本実施例では、アンカーバー35は20mm程度の厚みがあるが、これに限定されない。
ベースプレート3は、フェースプレート2の底側に配置した鋼製の平板であって、フェースプレート2の前面部23から背面部22までの長さよりも長いプレートであり、ベースプレート3の縁石底面部でフェースプレート2の底部側の開口部を塞ぎ直方体の中空筒状箱である縁石部10を形成する。ベースプレート3の上面側にはアンカーバー35が設けてある。アンカーバー35は、ベースプレート3の延伸部から縁石底面部の方向に複数設けられた棒状のリブであって、縁石部10の内部まで達する。
ベースプレート3の縁石底面部の上面側には、前面側板4と背面側板5が溶接して立設してある。また、ベースプレート3の縁石底面部の上面側には、ベースプレート底面部補強リブ8が、複数枚、前面側板4と背面側板5の内側面に溶接してある。
前面側板4は、フェースプレート2の前面部23の内側面に固定される。背面側板5は、フェースプレート2の背面部22の内側面に固定される。ベースプレート補強リブ8a〜dは、ベースプレート3の上面に立設され、前面側板4と背面側板5とを連結し、上辺の一部が凹陥状に切り欠かれた切欠き部81a〜dを有する。図においては、ベースプレート底面部補強リブ8は4枚設けてあるが、枚数は限定されない。切欠き部81は各ベースプレート底面部補強リブ8において、背面側板5から同程度離れた部分にほぼ同じ大きさで設けられる。本実施例では、切欠き部81はU字型に切り欠かれている。切欠き部81には、上部から電路管を挿入して配線することができる。底面に電路管が這うことなく空中で保持するため、漏電が防止できる。
図4は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の右側面図である。また、図5は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の左側面図である。また、図6は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の平面図である。また、図7は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の正面図である。また、図8は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の背面図である。また、図9は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1の底面図である。
本実施例の道路橋地覆拡幅ユニット1は、前面部23は正面視長方形、上面部24は上面視長方形、背面部22は背面視長方形で、縁石部10は中空の直方体である。フェースプレート補強リブ21は、上面部24の裏側に一部を溶接して垂設して複数枚設けてあり、それぞれの下端は、ベースプレート底面部補強リブ8の上端より下方であるが、切欠き部81の空間は塞がない。
また、図10は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1のA−A線断面図である。図11は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例1のB−B線断面図である。
前面側板4と前面部23、背面側板5と背面部22は、それぞれ密着させてボルト9で固定する。前面側板4及び背面側板5は、それぞれ、前面部23、背面部22の内側にある。
フェースプレート2は、鋼板を、同方向に連続して3面に屈曲させて、直角なコの字型すなわち角形の逆U字型の形状としてある。すなわち、フェースプレート2は、上面部24と、上端が上面部24の一端に連続しており上面部24に対し下方に直角な面となる前面部23と、上端が上面部24の他端に連続しており前面部23と対面し平行な面となる背面部22とを有する。フェースプレート2は、上面部24の裏側に一部を溶接して垂設し、前面部23と背面部22の内側面に当接して一部を溶接して固定したフェースプレート補強リブ21を複数枚有するが、枚数は限定されない。フェースプレート2の前面部23の下部はアンカーバー35の高さ分切り欠いてある。フェースプレート2の上面部24には支柱取付穴243を設けてある。支柱取付穴243は防護柵の支柱を取り付け可能とするための穴である。本実施例では、防護柵支柱なしのユニットであるが、防護柵支柱ありのユニットとしてもよい。上面部24の下面には、防護柵支柱等を設置した場合の補強のために補強プレート244が設けてある。
腹板6は、基部折曲面部66と先部折曲面部67とを有するL字型であって、基部折曲面部をベースプレート3の裏面に固定し先部折曲面部を下方に突出させてある。ベースプレート3の裏側にボルト9で固定されている。腹板6は、基部折曲面部66と先部折曲面部67の内側面に当接して固定した腹板補強リブ61を有する。腹板補強リブ61は基部折曲面部66と先部折曲面部67に溶接して固定してある。腹板補強リブ61は、基部折曲面部66及び先部折曲面部67に垂直に設けられている。本実施例では、先部折曲面部67は延伸部3bの下部に位置する。
本実施例では、腹板補強リブ61は3枚であるがこれに限らない。フェースプレート補強リブ21とベースプレート底面部補強リブ8は互いに重ならない。フェースプレート補強リブ21及びベースプレート底面部補強リブ8及び腹板補強リブ61はいずれも強度を保つ役割を果たす。ベースプレート底面部補強リブ8は、電路管支持の役割も果たす。
前面部23には、ボルト9の上方に右端から左端まで1本のガードプレート7が設けてある。また、腹板6の先部折曲面部67には、ボルト穴68が穿設してある。また、ベースプレート3には、ボルト穴38が穿設してある。
本実施例において、フェースプレート2について長手方向の長さは1194mm、幅方向の長さは500mm、高さは310mmであるが、大きさはこれに限定されない。なお、本実施例によれば、道路幅員は、ベースプレート3における先部折曲面部67が設けられた部分からベースプレート3の外側端部までの距離分広がる。
{効果}
本実施例によれば、フェースプレートでカバーされた中空の縁石部の中に設けられたベースプレート補強リブの凹陥状に切り欠かれた部分に無理なく電路管を通すことができ、また、道路橋地覆拡幅ユニットの設置の際に、フェースプレートをかぶせる前に電路管を配線することができる。したがって、電路管を収容でき、電路管がむき出しにならず、電路管の配線と道路の拡幅を同時に実現できる。
本実施例によれば、道路橋の床版側端部に沿って、道路橋地覆拡幅ユニットの左右の側端の開口部同士を突き合わせて並べて連結することにより、道路に沿った縁石を形成することができると同時に、道路を拡幅し、さらに、縁石部に内設されて保護された状態で電路管も設置でき、しかも、縁石部を形成する時に電路管の配線も同時に行うことを可能とする。
本実施例によれば、照明を取り付ける道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)と、本実施例の道路橋地覆拡幅ユニット(標準部ユニット)とを縦列に並べて設置することができる。また、電路管が風雨に晒されることを防止できるとともに、道路の拡幅及び配線の工事の効率化、工事期間の短縮化が図れる。
{構成}
本発明の実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´は、道路の拡幅とともに電路管を内部に通すこともでき照明を設置することもできる縁石部を有する。本発明の実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´は複数個縦列して連結することができるし、本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1の一端又は両端に縦列して連結することもできる道路橋地覆拡幅ユニットである。
本発明の実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´は、例えば街路灯のような照明の設置を所望する位置に配置して、上部に照明を取り付けることができる、電柱部ユニットとなる。
本発明の実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´は、道路橋の道路幅を拡張し照明を設置する中空部分を背面側端部に有するものであり、橋梁上の設置に特に適している。実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´は、電路管を収容でき、電路管がむき出しにならず、電路管の配線と道路の拡幅を同時に実現できるものである。
図12は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の斜視図(1)である。図12は、平面(上面)、正面、左側面を表す図である。図13は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の斜視図(2)である。図13は、底面、正面、左側面を表す図である。
本発明の実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´は、フェースプレート2´とベースプレート3と腹板6とを有する。本発明の実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´は、鋼製であって、背面側を外部側に、前面側(正面側)をコンクリート床版側にしてコンクリート床版の端部となるコンクリート床版側面に腹板6の先部折曲局面部67が接するように連続して並べて設置する。
フェースプレート2´は、上面部24と、上面部24の一端下方側に連設した前面部23と、前面部23と対面して上面部24の他端下方側に連設した背面部22´とを有し、上面部24から背面方向へ延出して設けられた照明台座部25を有し、底側及び左右の側端が開口部である。本実施例では、照明台座部25は上面部24の他端の中央部に連設されるが、他端の全体に連設されてもよいし、上面部24の他端の左側又は右側に連設されてもよい。上面部24と照明台座部25とは、同一面上にあり連なっている。照明台座部25は、上面部24を背面部側に延長した部分である。ベースプレート3は、フェースプレート2の底側に配置しフェースプレート2´と組み合わせて中空の縁石部10´を形成する縁石底面部を有するとともにフェースプレートの前面側外方に延伸した延伸部を有する。また、縁石部10´には、ベースプレート3の縁石底面部の上面側に立設され、上部に切欠き部81を有する複数のベースプレート底面部補強リブ8が含まれる。腹板6は、ベースプレート3の裏面に固定し先部折曲局面部67をコンクリート床版側面に接触した状態で取り付ける。照明台座部25の背面側端部下方には、台座背面部26が溶接して垂設されている。照明台座部25の側面側端部下方には、フェースガード12が溶接して垂設されている。台座背面部26とその左右のフェースガード12によって、照明台座部25下方の空間は風雨から防護されている。
道路橋地覆拡幅ユニット1´の中空部分及び照明台座部下方の空間は縁石及び照明台座並びに電路管カバーとしての役割も兼ね備えることができる。本実施例においては、中空部分及び照明台座部下方の空間を総称して縁石部10´と表すことがある。ベースプレート3の中で、フェースプレート2´の前面部23より前方側(正面側)、すなわち、コンクリート床板側に延びた部分(延伸部)は、縁石部10´には含まれず、フェースプレート2´の下部となる部分(縁石底面部)は縁石部10´に含まれる。
道路橋地覆拡幅ユニット1´は、コンクリート床版の上にベースプレート3を載置した後、コンクリート床版の上にベースプレート3を取り付けて固定する。本実施例においては、ベースプレート3は、縁石部10の下部となる縁石底面部と、縁石底面部よりも縁石部10の前面側外方に延伸した部分である延伸部とを有するが、延伸部はなくてもよい。延伸部がない場合は、縁石底面部の下部に、コンクリート床版側面に接触させる先部折曲局面部67を有する。本実施例では、道路橋地覆拡幅ユニット1´の正面側の延伸部の上にアスファルト等を流し入れて、車道又は歩道の幅を拡張する。道路橋地覆拡幅ユニット1´の上には照明を取り付けることができる。点検蓋242はボルト9で取り外し可能であり、フェースプレート2を外さなくても内部点検を可能とする。
道路橋地覆拡幅ユニット1´の左右端には、直角なコの字型すなわち角形の逆U字型の形状のロックプレート11をフェースプレート2の内側面に沿って嵌め込んで、フェースプレート2の左右端部内壁の外側に突出している。ロックプレート11は隣り合う道路橋地覆拡幅ユニットと共有であり、互いに連結する2つの道路橋地覆拡幅ユニットのフェースプレートそれぞれの内側面に沿って1つのロックプレート11を嵌め込んである。ロックプレート11はフェースプレート2´の上面部24とベースプレート3の間の高さを保ち、がたつきを防止する。
図14は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の内部構造説明図である。図3は、図12におけるフェースプレート2´とロックプレート11を取り外した状態を示す。
道路橋地覆拡幅ユニット1´は、ベースプレート3の縁石底面部の上面側に立設しフェースプレート2´の前面部内側面に固定した前面側板4と、ベースプレート3の端部上面に立設しフェースプレート2´の背面部内側面に固定した背面側板5´とを有する。前面側板4と背面側板5´はベースプレート3の縁石底面部の上面側に垂直に立てて溶接してある。前面側板4の下部には切欠きがあり、アンカーバー35が直角に差し込まれて固定されている。
背面側板5´の中央には、背面側に貫通する貫通穴52が設けられており、貫通穴52には電路管を通すことができる。
ベースプレート3は、フェースプレート2´の底側に配置した鋼製の平板であって、フェースプレート2´の23から背面部22´までの長さよりも長いプレートであり、ベースプレート3の縁石底面部でフェースプレートの底部側の開口部を塞ぎ直方体の中空筒状箱と照明台座部25とその下方の空間の組み合わせで構成される縁石部10´の一部を形成する。ベースプレート3の上面側にはアンカーバー35が設けてある。アンカーバー35は、ベースプレートの延伸部から縁石底面部の方向に複数設けられた棒状のリブであって、縁石部10´の内部まで達する。
ベースプレート3の縁石底面部の上面側には、前面側板4と背面側板5´が溶接して立設してある。また、ベースプレート3の縁石底面部の上面側には、ベースプレート底面部補強リブ8が、複数枚、前面側板4と背面側板5´の内側面に溶接してある。ベースプレート底面部補強リブ8の上部には、ベースリブフランジ82が設けられている。
前面側板4は、フェースプレート2´の前面部23の内側面に固定される。背面側板5´は、フェースプレート2´の背面部22の内側面に固定される。ベースプレート補強リブ8a〜eは、ベースプレート3の上面に立設され、前面側板4と背面側板5とを連結し、上辺の一部が凹陥状に切り欠かれた切欠き部81a〜eを有する。図においては、ベースプレート底面部補強リブ8は5枚設けてあるが、枚数は限定されない。切欠き部81は各ベースプレート底面部補強リブ8において、背面側板5から同程度離れた部分にほぼ同じ大きさで設けられる。本実施例では、切欠き部81はU字型に切り欠かれている。切欠き部81には、上部から電路管を挿入して配線することができる。底面に電路管が這うことなく空中で保持するため、漏電が防止できる。配線された電路管は、背面側板5´の中央の貫通穴52を通じて背面側に分岐することができる。
前面側板4と背面側板5´とベースプレート底面部補強リブ8の上端は同じ高さである。ベースリブフランジ82は、切欠き部81を除き、前面側板4の上端、背面側板5´の上端、ベースプレート底面部補強リブ8の上端に設けられた櫛形の2枚の平板で、フェースプレート2´を支える。ベースリブフランジ82は、照明台座部25の増設による重量増加を十分支えることができると同時に、電路管の配線等の妨げとならないため、設置がスムーズとなる。
図12から図14に示したように、道路橋地覆拡幅ユニット1´は、(a)上面部24と前面部23と背面部22´とを有し、上面部24から背面方向へ延出して設けられた照明台座部25を有するフェースプレート2´と、(b)フェースプレートの底側に配置しフェースプレートと組み合わせて中空の縁石部10´を形成するベースプレート3と、(c)ベースプレート上面に立設され、フェースプレートの前面部内側面に固定される前面側板4と、(d)ベースプレート端部上面に立設され、背面側に貫通する貫通穴52が設けられ、フェースプレートの背面部内側面に固定される背面側板5´と、(e)ベースプレート上面に立設され、前面側板と背面側板とを連結し、切欠き部81を有する複数のベースプレート補強リブ8とを有するものである。
図15は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の右側面図である。また、図16は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の左側面図である。また、図17は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の平面図である。また、図18は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の正面図である。また、図19は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の背面図である。
本実施例の道路橋地覆拡幅ユニット1´は、前面部23は正面視長方形であり、上面部24及び上面部24と一体である照明台座部25は、背面側に出っ張りのある上面視凸型形状であり、背面部22´は背面視長方形、台座背面部26は背面視長方形で、縁石部10´は、背面側に出っ張りのある中空の凸型箱体である。フェースプレート補強リブ21は、上面部24の裏側に一部を溶接して垂設して複数枚設けてあり、それぞれの下端は、ベースプレート底面部補強リブ8の上端より下方であるが、切欠き部81の空間は塞がない。
また、図20は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2の底面図である。
照明台座部25中央部近傍に、電路管挿通穴253が設けてある。貫通穴52を通じて分岐された電路管は、電路管挿通穴253から照明台座部25の上面に配線することができる。また、照明台座部25の四隅には支柱取付穴255が設けてあり、照明台座部25の上面には、照明の支柱を立てることができる。電路管挿通穴253の上に中空の支柱を立てることにより、電路管を風雨に晒さずに支柱の上の照明まで配線することができる。電路管挿通穴253の上に直接、街路灯等の照明を設置し配線することもできる。
照明台座部25の下面には、照明台座部25の下面で台座背面部26とその左右のフェースガード12によって囲まれた範囲を十字に切るようにフェースリブ13a、bが溶接して垂設されている。さらに、十字で区切られた、照明台座部25の下面に、照明の支柱を支える補強のために、補強プレート254がそれぞれ設けてある。フェースリブ13aは、照明の支柱の橋軸直角方向に対する補強のために、背面部22´と直角な方向に設けてあり、フェースリブ13bは、照明の支柱の橋軸方向に対する補強のために、背面部22´と平行な方向に設けてある。なお、橋軸方向は、道路橋の長さ方向(車両等の進行方向と平行)であり、橋軸直角方向は、道路橋の幅方向(車両等の進行方向と直角)である。道路橋地覆拡幅ユニットは、アンカーバー35が橋軸直角方向と平行になる方向に載置して橋軸方向に複数個連結して設置する。
また、図21は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2のA−A線断面図である。図22は、本発明の道路橋地覆拡幅ユニットの実施例2のB−B線断面図である。
前面側板4と前面部23、背面側板5´と背面部22´は、それぞれ密着させてボルト9で固定する。前面側板4及び背面側板5´は、それぞれ、前面部23、背面部22´の内側にある。背面部22´には、背面側板5´の貫通穴52と対応する部分に、貫通する穴が設けてあり、電路管を背面部内側から外側(照明台座部25の下部側)へ挿通させることができる。貫通穴52は、電路管が風雨に晒されずに、照明台座部25の下方に引き出せるように、照明台座部25でカバーされた位置、本実施例では背面側板5´の中央付近に、設けてある。
フェースプレート2´は、鋼板を、同方向に連続して2面に屈曲させて、直角な下向きLの字型としてあり、上面は、長方形の上面部24の背面側端部の中央部に台形型の照明台座部25が上面部24と同一面上に背面部側へ延設された凸型の平面で、上面部24の背面側端部の下方には長方形平板の背面部22´が溶接して垂設されている。
フェースプレート2´は、上面部24と、上端が上面部24の一端に連続しており上面部24に対し下方に直角な面となる前面部23と、上端が上面部24の他端に溶接されており前面部23と対面し平行な面となる背面部22´と、上面部24と一体となった照明台座部25とを有する。フェースプレート2は、上面部の裏側に一部を溶接して垂設し、前面部と背面部の内側面に当接して一部を溶接して固定したフェースプレート補強リブ21を複数枚有するが、枚数は限定されない。フェースプレート2の前面部23の下部はアンカーバー35の高さ分切り欠いてある。フェースプレート2の上面部24には点検蓋242を設けてある。点検蓋242はボルト9で固定されており、ボルトを外して開閉可能で、内部の点検やメンテナンスができる。
腹板6は、本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1の腹板と同様である。ただし腹板補強リブ61の数は5枚である。なお、腹板補強リブ61の枚数はこれに限らない。フェースプレート補強リブ21とベースプレート底面部補強リブ8は互いに重ならない。フェースプレート補強リブ21及びベースプレート底面部補強リブ8及び腹板補強リブ61はいずれも強度を保つ役割を果たす。ベースプレート底面部補強リブ8は、電路管支持の役割も果たす。
ガードプレート7、ボルト穴68、ボルト穴38については、本発明の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1の該当部分と同様である。
本実施例において、フェースプレート2´について長手方向の長さは1194mm、幅方向の長さは細い部分で500mm、高さは310mmであるが、大きさはこれに限定されない。なお、本実施例によれば、道路幅員は、ベースプレート3における先部折曲面部67が設けられた部分からベースプレート3の外側端部までの距離分広がる。照明はさらにその外側に設けることができるので、照明により拡幅部分が狭くなることがない。
{効果}
本実施例によれば、フェースプレートでカバーされた中空の縁石部の中に設けられたベースプレート補強リブの凹陥状に切り欠かれた部分に無理なく電路管を通すことができ、さらに、貫通穴から配線が照明台座部の下方に引き出せるので、上部に中空支柱を立てて設置した照明まで、電路管がむき出しにならず、保護された状態で配線することができる。また、道路橋地覆拡幅ユニットの設置の際に、フェースプレートをかぶせる前に電路管を配線することができる。したがって、電路管を収容でき、電路管がむき出しにならず、電路管の配線と道路の拡幅を同時に実現できる。
本実施例によれば、道路橋の床版側端部に沿って、道路橋地覆拡幅ユニットの左右の側端の開口部同士を突き合わせて並べて連結することにより、道路に沿った縁石を形成することができると同時に、道路を拡幅し、さらに、照明を道路橋地覆拡幅ユニットの上部に設置でき、またさらに、照明まで縁石部に内設されて保護された状態で電路管も設置でき、しかも、縁石部を形成する時に電路管の配線も同時に行うことを可能とする。
本実施例によれば、照明を取り付ける本実施例の道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)と、電柱部ユニット間を繋ぐ道路橋地覆拡幅ユニット(標準部ユニット)とを縦列に並べて設置することができる。また、電路管が風雨に晒されることを防止できるとともに、道路の拡幅及び配線の工事の効率化、工事期間の短縮化が図れる。
また、照明台座部の中央部近傍に電路管挿通穴が設けられているので、照明台座部上部に設置した照明まで、照明台座部の電路管挿通穴に電路管を通すことができ、照明の電路管を内設でき、さらに、電路管挿通穴の上に中空支柱を立ててその上に照明を設置する場合でも、道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)上部に設けた照明まで電路管がむき出しにならずに配線することができる。
{方法}
本発明の実施例3の道路橋地覆拡幅方法は、道路橋を拡幅するとともに該道路橋の端縁に沿って道路橋地覆拡幅ユニットを連続的に並べて接続し縁石部を形成する道路橋地覆拡幅方法であって、道路橋地覆拡幅ユニットのフェースプレートを被せる前に、道路橋地覆拡幅ユニットの内部に設けられたベースプレート補強リブの凹陥状に切り欠かれた箇所に電路管を配置して配線する。
具体的には、(1)道路橋地覆拡幅ユニットを、フェースプレートを被せない状態で、道路橋の床版側端部に沿って縦列に連続して並べて前記床版に取り付け、(2)次に、前記道路橋地覆拡幅ユニットの内部に設けられたベースプレート補強リブの凹陥状に切り欠かれた箇所に電路管を配置して配線し、(3)その後に、前記道路橋地覆拡幅ユニットのフェースプレートを被せて連続した縁石部を形成する。照明の設置を所望する位置の道路橋地覆拡幅ユニットも、その一端又は両端に連設する道路橋地覆拡幅ユニットも、内部に配線してからフェースプレートを設置する。
本実施例においては、照明の設置を所望する位置の道路橋地覆拡幅ユニットとして、上述した実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´(電柱部ユニット)を設置し、道路橋地覆拡幅ユニット1´の一端又は両端に連設する道路橋地覆拡幅ユニットとして、上述した実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1(標準部ユニット)を設置する際、まずは、道路橋地覆拡幅ユニット1も道路橋地覆拡幅ユニット1´も、フェースプレート2、2´を被せない状態で、ベースプレート3を道路橋の床版側端部に沿って縦列に連続して並べて、ボルトで取り付け、ベースプレート補強リブの凹陥状に切り欠かれた箇所、すなわち切欠き部81に、電路管を配置し、道路橋地覆拡幅ユニット1´の貫通穴52から背面側板5´の外側に配線し、蓋となるフェースプレート2、2´を被せて連続した縁石部10を形成する。フェースプレート2´を被せた後に、背面側板5´の外側に配線した電路管を電路管挿通穴253から支持板部25の上面に配線する。
例えば、一端に、実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´(電柱部ユニット)を配し、これに複数の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1(標準部ユニット)を連接して配し、さらに、実施例2の道路橋地覆拡幅ユニット1´(電柱部ユニット)を連接して配し、またさらに、複数の実施例1の道路橋地覆拡幅ユニット1(標準部ユニット)を連接して配し、したがって、道路の拡幅と照明配線を一度で行うことができる。
電路管挿通穴253の上に照明の中空支柱を立てて、縦列に連結して設置した道路橋地覆拡幅ユニット1、1´に電路管を通すと、道路橋の袂(端部)の電源部から照明まで、電路管が外部の風雨に晒されずに配線することができる。
道路橋地覆拡幅ユニット1、1´は、ともに、コンクリート床版側端部の上にベースプレート3を取り付けて設置する。ベースプレート3の下面と腹板先部折曲面部67の前面の2面において、コンクリート床版の側端部を覆って密着させ、ボルトで道路橋地覆拡幅ユニット1、1´をコンクリート床版に固定する。ベースプレート3の延伸部の上には、アスファルトを、アンカーバー35を覆うように舗装する。
本実施例の道路橋地覆拡幅方法によれば、道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)も道路橋地覆拡幅ユニット(標準部ユニット)もフェースプレートでカバーされた中に電路管を通すことができ、さらに、道路橋地覆拡幅ユニット(電柱部ユニット)の上部に設置した照明まで、電路管をむき出しにせずに通すことができる。また、道路橋地覆拡幅ユニットの設置の際に、フェースプレートをかぶせる前に電路管を配線して収容できる。したがって、電路管の配線もユニット設置の際に行うことができるため、電路管配線と道路の拡幅とを同時にできる。よって、電路管が風雨に晒されることを防止できるとともに、道路の拡幅及び配線の工事の効率化、工事期間の短縮化が図れる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。