JP2015178710A - 壁高欄施工方法と壁高欄 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の壁高欄施工方法は、橋梁のコンクリート床版上にベースコンクリートを形成し、ベースコンクリートに支柱を立設し、支柱の外側にPCa外壁を固定し、支柱の内側にPCa内壁を固定することによって、PCa外壁とPCa内壁で支柱を被覆して、両壁間に空洞を備えた壁高欄を施工する方法である。本発明の壁高欄は、橋梁のコンクリート床版の上にベースコンクリートが形成され、ベースコンクリートに支柱が立設され、支柱の外側にPCa外壁が固定されて、PCa外壁とPCa内壁で支柱を被覆して、両壁間に空洞を備えたものである。
【選択図】図1
Description
本発明の壁高欄施工方法は、橋梁のコンクリート床版の幅方向側方に壁高欄を施工する壁高欄施工方法において、コンクリート床版上にベースコンクリートを形成し、前記ベースコンクリートに支柱を立設固定し、前記支柱の外側にプレキャストコンクリート製の外壁(以下「PCa外壁」という)を固定し、前記支柱の内側(車道側)にプレキャストコンクリート製の内壁(以下「PCa内壁」という)を固定することによって、PCa外壁とPCa内壁で支柱を被覆して、両壁間に空洞を備えた壁高欄を施工する方法である。ベースコンクリートをPCa内壁に接触又は近接するように形成して、PCa内壁を内側から支持し、内部への水の浸入を防止することもできる。この場合、コンクリート床版とPCa内壁の下端の隙間、ベースコンクリートとPCa内壁の隙間、ベースコンクリートとPCa外壁の下端の隙間のうち任意の隙間に充填材を充填して、PCa外壁とPCa内壁の双方又はいずれか一方の高さや設置位置を調整することもできる。
本発明の壁高欄は、橋梁のコンクリート床版の幅方向側方に設けられる壁高欄において、前記コンクリート床版の上にベースコンクリートが形成され、前記ベースコンクリートに支柱が立設固定され、前記支柱の外側にPCa外壁が固定され、前記支柱の内側にPCa内壁が固定されてPCa外壁とPCa内壁で支柱が被覆され、両壁間に空洞が形成されたものである。ここで、PCa内壁は、コンクリートと鉄筋で梁の役目(たとえば、ガードレール)を果たし、車両の衝突に対し、梁で受けてその荷重を支柱へと分散する。つまり、支柱と協働して防護柵として機能する。また、PCa外壁は、外部から密閉しているが、外側へと取り外し可能な構造で内部を維持管理しやすくする構造としてもよい。この場合、コンクリート床版と前記PCa内壁の下端の隙間、ベースコンクリートとPCa内壁の隙間、ベースコンクリートとPCa外壁の下端の隙間のうち任意の隙間に充填材を充填し、ベースコンクリートのPCa内壁寄りの一端を、支柱の内側に固定されたPCa内壁又は当該PCa内壁とベースコンクリートの隙間の充填材に当接させ、PCa内壁の下端を内側から支持するとともに、PCa内壁側からの水の浸入を防止できるようにしてもよい。
(1)現場でのコンクリートの打設や養生が不要であるため、従来工法に比して、施工時間を大幅に短縮することができる。
(2)PCa外壁とPCa内壁の間に大きな空洞が形成されるため、従来技術に比して大幅な軽量化を図ることができる。
(3)コンクリート床版又は鋼床版に支柱を立設し、その支柱にPCa内壁を固定するので、剛性の高い壁高欄を施工することができる。
(4)PCa内壁の下端とコンクリート床版(又は鋼床版)の隙間、PCa内壁とベースコンクリート(又はブロック)の隙間、PCa外壁の下端とベースコンクリート(又は鋼床版)の隙間に充填材を充填した場合、あるいはその上から防水膜等の防水工を施工した場合、水の浸入を防止できるため、水による支柱の腐食を予防できる。
(5)PCa内壁はコンクリート製であるため、既存のコンクリート製の壁高欄となじみやすく(調和しやすく)、鋼製の壁高欄に比して景観を損ねにくい。
(1)コンクリート床版又は鋼床版に立設した支柱にPCa内壁及びPCa外壁を固定してあるので、コンクリート製の壁高欄同様、剛性が高い。
(2)PCa外壁とPCa内壁の間に大きな空洞が形成されるため、従来の壁高欄に比して非常に軽量である。
(3)PCa内壁の下端とコンクリート床版(又は鋼床版)の隙間、PCa内壁とベースコンクリート(又はブロック)の隙間、PCa外壁の下端とベースコンクリート(又は鋼床版)の隙間に充填材を充填した場合、あるいはその上から防水膜等の防水工を施工した場合、水の浸入を防止できるため、水による支柱の腐食を予防できる。
(4)PCa内壁はコンクリート製であるため、既存のコンクリート製の壁高欄となじみやすく(調和しやすく)、鋼製の壁高欄に比して景観を損ねにくい。
(5)PCa内壁のコンクリート内に芯材が配置されているので、芯材とコンクリートの協働によって梁の機能を奏することができ、PCa内壁が外部から衝撃をうけたときに、その衝撃荷重が支柱へ分散されて高欄の損傷が軽減される。
本発明の壁高欄10は、各種橋梁(高速道路、高速鉄道、高架橋、一般橋梁等)に施工可能なものであるが、その一例として図1(a)(b)に示す壁高欄施工方法は、コンクリート床版Xが敷設された高速道路橋に壁高欄10を取り付ける場合の例である。
本発明の壁高欄施工方法の他例を、図5(a)(b)を参照して説明する。この施工方法は、鋼床版Yが敷設された高速道路橋に壁高欄10を取り付ける場合の例である。図5(a)(b)では、鋼床版Yに支柱2を立設固定し、その支柱2の外側(高速道路の外側)にPCa外壁3を、内側にPCa内壁4を固定することによって、PCa外壁3とPCa内壁4で支柱2を被覆して、両壁3、4間に空洞Sを備えた壁高欄10を施工する方法である。この実施形態でも、実施形態1と同様、支柱2は高速道路橋の橋軸方向に間隔をあけて多数本設置し、複数本(例えば、三本)の支柱2に対して一枚のPCa外壁3と一枚のPCa内壁4を固定するようにしてある。支柱2の本数や設置間隔は、壁高欄10の設置対象である高速道路橋の長さに応じて適宜設計することができる。PCa内壁4の内側下部に鋼製のブロック11(図5(a)(b))を設置して、PCa内壁4を内側から支持できるようにしてもよい。
本発明の壁高欄10の一例を、図面を参照して説明する。この壁高欄10は、コンクリート床版Xが敷設された高速道路橋に取り付けられた壁高欄10の例であり、例えば、前記壁高欄施工法の実施形態1に記載の方法で施工可能なものである。一例として図2及び図3(a)〜(c)に示す壁高欄10は、コンクリート床版Xの上にベースコンクリート1が形成され、ベースコンクリート1上に鋼製の支柱2が立設固定されたものであり、支柱2の外側にPCa外壁3を、支柱2の内側にPCa内壁4を固定することによって、PCa外壁3とPCa内壁4で支柱2が被覆されている。本発明の壁高欄10は、軽量化のため、PCa外壁4とPCa内壁4の間に空洞S(図3(a)〜(c))が形成されている。
本発明の壁高欄10の他例を、図5(a)(b)を参照して説明する。図5(a)(b)は鋼床版Yが敷設された高速道路橋に取り付けられた壁高欄10の例であり、例えば、前記実施形態2に記載の壁高欄施工法で施工可能なものである。図5(a)(b)の壁高欄10は、鋼床版Yの上に鋼製の支柱2が立設固定されたものであり、支柱2の外側にPCa外壁3が、支柱2の内側にPCa内壁4が固定することによって、PCa外壁3とPCa内壁4で支柱2が被覆され、両壁3、4間に空洞Sが形成されている。前記PCa内壁4の内側の下端寄り箇所には鋼製のブロック11が設けられている。このブロック11は支柱2の内側に固定されるPCa内壁4の下端側を支持するとともに、水の浸入を防止できるようにしてある。ブロック11は高速道路橋の全長に亘って設けてある。この実施形態でも、壁高欄10の最端部に用いるPCa外壁3及びPCa内壁4は、他のPCa外壁3及びPCa内壁4よりも一方端(図9(a)では左側)を延長させてあり(長くしてあり)、その延長させた部分の端部に、壁高欄10の断面形状に合わせたプレキャストコンクリート製又は鋼製の蓋13を取り付けて閉塞してある(図9(a)(b))。蓋13はボルト等の固定具6で取り付けることができる。
2 支柱
2a 台座プレート
2b 支柱本体
3 PCa外壁
4 PCa内壁
4a (PCa内壁の)天井部
4b (PCa内壁の)壁面部
4c (PCa内壁の)傾斜部
5 固定部
5a、5b (支柱本体の外側の)固定部
5c、5d (支柱本体の内側の)固定部
6 固定具
7 充填材
8 挿通孔
9 当接部
9a (上側の)当接部
9b (下側の)当接部
10 壁高欄
11 ブロック
12 芯材
13 蓋
A アンカーボルト
S 空洞
X コンクリート床版
Y 鋼床版
Claims (13)
- 橋梁のコンクリート床版の幅方向側方に壁高欄を施工する壁高欄施工方法において、
前記コンクリート床版上にベースコンクリートを形成し、
前記ベースコンクリートに支柱を立設固定し、
前記支柱の外側にPCa外壁を固定し、前記支柱の内側にPCa内壁を固定することによって、PCa外壁とPCa内壁で支柱を被覆して、両壁間に空洞を備えた壁高欄を施工する、
ことを特徴とする壁高欄施工方法。 - 請求項1記載の壁高欄施工方法において、
ベースコンクリートをPCa内壁に接触又は近接するように形成することによって、PCa内壁を内側から支持し、内部への水の浸入を防止する、
ことを特徴とする壁高欄施工方法。 - 請求項1又は請求項2記載の壁高欄施工方法において、
コンクリート床版とPCa内壁の下端の隙間、PCa内壁とベースコンクリートの隙間、ベースコンクリートとPCa外壁の下端の隙間のうち任意の隙間に充填材を充填し、PCa外壁とPCa内壁の双方又は一方の高さや設置位置を調整する、
ことを特徴とする壁高欄施工方法。 - 橋梁の鋼床版の幅方向側方に壁高欄を施工する壁高欄施工方法において、
前記鋼床版に支柱を立設固定し、
前記支柱の外側にPCa外壁を固定し、前記支柱の内側にPCa内壁を固定することによって、PCa外壁とPCa内壁で支柱を被覆して、両壁間に空洞を備えた壁高欄を施工する、
ことを特徴とする壁高欄施工方法。 - 請求項4記載の壁高欄施工方法において、
PCa内壁の内側にブロックを設置することによって、PCa内壁を内側から支持し、内部への水の浸入を防止する、
ことを特徴とする壁高欄施工方法。 - 請求項4又は請求項5記載の壁高欄施工方法において、
鋼床版とPCa内壁の下端の隙間、PCa内壁とブロックの隙間、鋼床版とPCa外壁の下端の隙間のうち任意の隙間に充填材を充填し、PCa外壁とPCa内壁の双方又は一方の高さや設置位置を調整する、
ことを特徴とする壁高欄施工方法。 - 橋梁のコンクリート床版の幅方向側方に設けられる壁高欄において、
前記コンクリート床版の上にベースコンクリートが形成され、
前記ベースコンクリートに支柱が立設固定され、
前記支柱の外側にPCa外壁が固定され、前記支柱の内側にPCa内壁が固定されて、PCa外壁とPCa内壁で支柱を被覆して、両壁間に空洞が形成された、
ことを特徴とする壁高欄。 - 請求項7記載の壁高欄において、
コンクリート床版とPCa内壁の下端の隙間、PCa内壁とベースコンクリートの隙間、ベースコンクリートとPCa外壁の下端の隙間のうち任意の隙間に充填材が充填され、
前記ベースコンクリートのPCa寄りの一端が、支柱の内側に固定されたPCa内壁又は当該PCa内壁とベースコンクリートの隙間の充填材に当接して、PCa内壁の下端が内側から支持され、PCa内壁側からの水の浸入を防止可能である、
ことを特徴とする壁高欄。 - 橋梁の鋼床版の幅方向側方に設けられる壁高欄において、
前記鋼床版の上に支柱が立設固定され、
前記支柱の外側にPCa外壁が固定され、前記支柱の内側にPCa内壁が固定されて、PCa外壁とPCa内壁で支柱を被覆して、両壁間に空洞が形成された、
ことを特徴とする壁高欄。 - 請求項9記載の壁高欄において、
PCa内壁の内側の下端寄りの箇所にブロックが設けられ、
鋼床版とPCa外壁の下端の隙間、PCa内壁とブロックの隙間、鋼床版とPCa内壁の下端の隙間のうち任意の隙間に充填材が充填され、
前記ブロックのPCa寄りの一端が、支柱の内側に固定されたPCa内壁又は当該PCa内壁とブロックの隙間の充填材に当接して、PCa内壁の下端が内側から支持され、PCa内壁側からの水の浸入を防止可能である、
ことを特徴とする壁高欄。 - 請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の壁高欄において、
支柱の内側に固定部材が設けられ、
PCa内壁の内面側に、内向きに突出する当接部が設けられ、
前記PCa内壁の当接部が前記支柱の固定部材に固定された、
ことを特徴とする壁高欄。 - 請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の壁高欄において、
PCa内壁のコンクリート内部に鉄筋やPC鋼材といった芯材が配設された、
ことを特徴とする壁高欄。 - 請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の壁高欄において、
PCa外壁は支柱から取り外し可能であり、
前記PCa外壁を支柱から取り外すことによって、壁高欄の内部を管理可能である、
ことを特徴とする壁高欄。
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