JP6375003B1 - 空転歯車による双方向クラッチを用いた回転伝達装置 - Google Patents

空転歯車による双方向クラッチを用いた回転伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】入力軸と出力軸との間に遊星歯車体を設置し、出力軸から入力軸への回転伝達を遮断する機能と伝達を行う機能とを切り換え可能とした回転伝達装置を構成する。
【解決手段】ハウジング1内に入力軸2及び出力軸3を設置し、出力軸3に太陽歯車SGを固着するとともに入力軸2には外面カム体21を固着する。また、太陽歯車SGと噛み合う遊星歯車PGを設けた遊星歯車体4を、キャリア5に軸支して外面カム体21の周囲に配置する。遊星歯車体4には突出部PJを形成し、さらに、その自転を阻止する制御カム体6を遊星歯車体4の外方に設置する。入力軸2が回転したときは、外面カム体21により遊星歯車体4の自転が阻止され出力軸3へ回転が伝達されるが、出力軸3が回転したときは、制御カム体6の位置を変えて遊星歯車体4の自転の可・不可を制御し、入力軸2への回転伝達を遮断する機能と伝達する機能とを切り換えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力軸と出力軸との間の回転伝達状態を変更する回転伝達装置、特に、入力軸からの回転を出力軸に伝達し、出力軸から入力軸への回転の伝達は、出力軸を空転させて遮断するフリータイプ双方向クラッチのモードと、出力軸からの逆入力も伝達が可能なモードとに切り換えることのできる回転伝達装置に関するものである。
モーターなどの駆動源から機械装置あるいは作業機器等を駆動する動力伝達系では、駆動する機器の特性に対応するよう各種の伝達装置が使用される。このような伝達装置の中で「フリータイプ双方向クラッチ(又は、逆入力遮断クラッチ)」と呼ばれるものは、入力軸(駆動側)から出力軸(従動側)への動力伝達では、入力軸の正方向及び逆方向の回転をともに出力軸に伝達し、反対向きの、出力軸から入力軸への伝達は、出力軸を空転させて遮断する機能を備えている。
フリータイプ双方向クラッチは、一例として、巻き上げ式の電動カーテン等を手動でも操作できるようにした開閉駆動装置に適用することができる。この場合、フリータイプ双方向クラッチは、駆動モーターとカーテンの巻き上げ機構との間に介在され、入力軸に駆動モーターが、出力軸に巻き上げ機構が連結される。駆動モーターを正・逆回転させるとカーテンの昇降が可能であるとともに、駆動モーターの停止位置においては、手動による巻き上げ機構の操作が可能であって、このときには、出力軸が空転して入力軸と切り離され、駆動モーターに悪影響を及ぼすことがない。
フリータイプ双方向クラッチとして、本出願人は、下記の特許文献1の双方向クラッチを創案しており、これについて、図6、図7により説明する。
図6の中央の縦断面図に示すように、このフリータイプ双方向クラッチは、固定された断面円形のハウジングHGの中心部に配置された入力軸ISと出力軸OSとを備え、入力軸ISにはカム体CBが固着されるとともに、出力軸OSには太陽歯車SGが固着されている。カム体CBと太陽歯車SGとは、軸方向に隣接し対向して配置され、断面A−Aに示すとおり、カム体CBの断面は、ほぼ正3角形の形状をなし、断面の外周には正3角形の辺である3個の直線部が形成されている。
ハウジングHGの内部には、出力軸OSの太陽歯車SGと噛み合う遊星歯車PG(断面B−B)を形成した3個の遊星歯車体PBが、周方向に等間隔をおいて配設される。遊星歯車体PGの個数は、入力軸ISに固着されたカム体CBの辺の数と同じであって、各々の遊星歯車体PGは、カム体CBの辺のほぼ中央に位置している。3個の遊星歯車体PBは、一般的な遊星歯車機構の遊星歯車と同様に、中心軸oの回りに回転可能なキャリアCAの支持軸SSに軸支される。なお、支持軸SSの先端は、円板状のキャリア補助板CRに嵌め込まれており、このキャリア補助板CRは、連結片CLによってもキャリアCAと結合され、ハウジングHGの端板部に当接しながらキャリアCAと一体に回転可能となっている。
各々の遊星歯車体PGには、軸方向に突出する突出部PJ(断面A−A)が設けてあり、この突出部PJは、遊星歯車体PBをハウジングHGの内部に組み付けたときに、入力軸ISのカム体CBと当接する軸方向位置に設けられる。突出部PJの断面形状は正6角形であり、断面の外周には、正6角形の辺である6個の直線部が形成されている。そして、突出部PJがカム体CBの辺の中央と対向する断面A−Aの状態では、突出部PJとカム体CBとの間にはわずかな間隙が存在し、突出部PJの自転が許容されるよう、遊星歯車体PBとカム体CBとの相対的な位置が設定される。
図6のフリータイプ双方向クラッチの作動について、入力軸を回転したときの各部品の動きを示す図7(a)、及び、出力軸を回転したときの各部品の動きを示す図7(b)を参照しながら説明する。
入力軸ISが、例えば、駆動源のモーターにより反時計方向(図7の中央の縦断面図の右方から見て)に回転すると、正3角形状のカム体CBも反時計方向に回転する。これにより、図7(a)の断面A−Aに示すとおり、カム体CBの1辺(直線部)と遊星歯車体PBの突出部PJにおける正6角形断面の1辺(直線部)とが直線的に重なる。この状態では、重なった辺の部分が全体的に面接触して遊星歯車体PBが自転できなくなり、遊星歯車体PBとキャリアCAとは、入力軸ISと一体的に回転する。さらに、太陽歯車SGにより遊星歯車体PBと噛み合っている出力軸OSも、断面B−Bに示すとおり、遊星歯車体PBの移動(中心軸oの周りの公転)と一体となって回転する。
つまり、入力軸ISの回転は、遊星歯車体PBの遊星歯車PGと太陽歯車SGを介して出力軸OSを回転させ、これに連なる従動側の機器、例えば、カーテン等の昇降装置に駆動力が伝達される。遊星歯車体PB、キャリアCA等の入出力軸間に介在する部材が全体的にロックされるこの駆動力の伝達は、入力軸ISの回転方向が逆の時計方向であっても同じである。そして、重なる直線部の面接触によるトルク伝達であるため、図6のフリータイプ双方向クラッチでは大きなトルクの伝達が可能となる。
これに対して、図7(b)の断面B−Bに示すように、出力軸OSに固着された太陽歯車SGが反時計方向(図7の中央の縦断面図の右方から見て)に回転した場合には、これと噛み合う遊星歯車PGに自転の回転トルクが付与される。
この回転トルクにより、図7(b)の断面A−Aに示すように、遊星歯車体PBが入力軸ISと相対的にわずかに移動し、突出部PJがカム体CBの辺の中央に位置すると、遊星歯車体PBが自由に自転可能となる。すなわち、遊星歯車体PBの中心からカム体CAまでの距離が、突出部PJの外接円の半径よりも大きくなり、したがって、出力軸OSの回転により太陽歯車SGが回転しても、キャリアCAに軸支された遊星歯車体PBが自転(空転)するだけであって入力軸ISは回転せず、回転動力の伝達が遮断される。
特許第5926843号公報 特開2016−43909号公報
上述のとおり、図6のフリータイプ双方向クラッチは、コンパクトな構成でありながら大トルクの伝達が可能であり、出力軸側から不測の逆入力があった場合に、駆動源のモーター等を保護することも可能となる。しかし、各種の動力伝達系統に使用される回転伝達装置の中には、フリータイプ双方向クラッチとしての機能に限らず、例えば、通常は出力軸からの逆入力を遮断しながら、必要なときには、出力軸から入力軸への動力伝達(逆入力)を可能とする回転伝達装置が求められる場合がある。
そのような回転伝達装置の一例として、上記の特許文献2に開示された、エンジンとモーターの両方から駆動可能ないわゆるハイブリッド車両に搭載される伝達装置を挙げることができる。このハイブリッド車両では、図8に示すように、前輪FWがエンジンEGにより駆動され、後輪RWがモーターM/Gにより駆動されるが、後輪RWを駆動するモーターM/Gは電動・発電機として構成されており、車両の制動時や下り坂走行時には、モーターM/Gを後輪RWから駆動して発電機の作動を行わせ、走行エネルギを電力の形で回生する。そのため、モーターM/G(入力側)と後輪RW(出力側)との間には、一方向クラッチOW及び断接機構CTが設置してあり、エンジンEGによる走行時には、後輪RWとモーターM/Gを切り離してモーターM/Gの連れ回りを防ぐとともに、車両の制動時等には、後輪RWとモーターM/Gとを接続して回生ブレーキを作用させる。
つまり、特許文献2に記載された一方向クラッチOW及び断接機構CTは、フリータイプ双方向クラッチに対し、必要時に出力軸から入力軸への逆入力を可能とする機能を付加した回転伝達装置である。しかし、特許文献2のものは、装置自体の構造や動力伝達の切り換え制御のための構造が複雑であって、装置が大型化する問題がある。
本発明の課題は、図6のコンパクトな構造のフリータイプ双方向クラッチを利用し、例えば、図8に示すハイブリッド車両の動力伝達系にも使用できる、多機能の回転伝達装置を構成することにある。
上記の課題に鑑み、本発明の回転伝達装置は、図6のフリータイプ双方向クラッチを基本構造として、これに制御歯車体及び制御カム体を付加するとともに、その制御歯車体と制御カム体との間の回転伝達を断接する切り換え部材を設けることにより、出力軸が空転して入力軸への回転伝達が遮断されるモードと、出力軸から入力軸へ回転が伝達されるモードとに切り換え可能としたものである。すなわち、本発明は、
「回転不能のハウジング(1)、前記ハウジング(1)内で共通の中心軸の回りに回転可能な入力軸(2)及び出力軸(3)を備え、前記入力軸(2)からの正・逆方向の回転は前記出力軸(3)に伝達されるとともに、前記出力軸(3)から前記入力軸(2)への回転の伝達は、前記出力軸(3)が空転して遮断されるモードと回転が伝達されるモードとに切り換え可能な回転伝達装置であって、
前記入力軸(2)に固着された外面カム体(21)と、前記出力軸(3)に固着された太陽歯車(SG)と、前記太陽歯車(SG)に噛み合う遊星歯車(PG)を有する遊星歯車体(4)と、前記遊星歯車体(4)を回転可能に軸支し共通の中心軸の回りに回転可能なキャリア(5)とが設置され、
前記遊星歯車体(4)には、軸方向に突出して前記外面カム体(21)と当接する突出部(PJ)が設けられ、
前記入力軸(2)が回転したときは、前記外面カム体(21)と前記突出部(PJ)が当接し、前記遊星歯車体(4)の自転が阻止されて前記出力軸(3)に回転が伝達される一方、前記出力軸(3)が回転したときは、前記突出部(PJ)と前記外面カム体(21)の当接が解除され、前記太陽歯車(SG)による前記遊星歯車体(4)の自転が許容されて前記入力軸(2)への回転の伝達が遮断されるよう、前記遊星歯車体(4)と前記外面カム体(21)とが配置され、さらに、
前記遊星歯車体(4)の遊星歯車(PG)と噛み合う内歯歯車(RG)を有し、共通の中心軸の回りに回転可能な制御歯車体(7)と、前記遊星歯車体(4)の突出部(PJ)と当接可能な内周カム面(61)を有し、共通の中心軸の回りに回転可能な制御カム体(6)とが設置され、かつ、前記制御歯車体(7)と前記制御カム体(6)との間の回転伝達を断接する切り換え部材(8)が設置されており、
前記切り換え部材(8)を回転伝達状態とすると、前記出力軸(3)が回転したときは、前記制御カム体(6)の内周カム面(61)と前記突出部(PJ)が当接して前記遊星歯車体(4)の自転が阻止され、前記入力軸(2)に回転が伝達される」
ことを特徴とする回転伝達装置となっている(理解を容易とするため、添付図面の符号を()内に示す)。
前記突出部(PJ)の断面及び前記外面カム体(21)の断面に、それぞれ直線部を形成し、前記入力軸(2)から前記出力軸(3)に回転を伝達するときは、直線部同士が当接するよう構成するのが好ましい。また、前記外面カム体(21)の断面に曲線部を形成し、前記出力軸(3)から前記入力軸(2)に回転を伝達するときは、前記突出部(PJ)が前記曲線部に当接するよう構成するのが好ましい。
前記キャリア(5)と前記制御カム体(6)との間にばね(9)を設置し、前記制御カム体(6)が、前記太陽歯車(SG)による前記遊星歯車体(4)の自転を許容する位置に押圧されるよう構成するのが好ましい。
また、前記制御歯車体(7)と前記制御カム体(6)との外周にそれぞれ外歯を形成するとともに、前記切り換え部材(8)として、それぞれの外歯と噛み合い可能な制御用歯車(82)を設置し、前記制御用歯車(82)を、前記ハウジング(1)に回動可能に支持するように構成することができる。
前記突出部(PJ)及び前記外面カム体(21)の断面をそれぞれ正多角形状(正多角形又はそれに近似した形状)とし、かつ、前記遊星歯車体(4)は、前記外面カム体(21)の断面の辺の数と同一個数のものを周方向に等間隔で配置するのが好ましい。
本発明の回転伝達装置では、固定のハウジング内に、共通の中心軸の回りに回転可能な入力軸及び出力軸を設置し、出力軸にこれと同心の太陽歯車を固着するとともに、太陽歯車と噛み合う遊星歯車を有する一対の遊星歯車体を配置し、この遊星歯車体をキャリアに回転可能に軸支する。遊星歯車体には軸方向に突出する突出部を設けるとともに、入力軸にはこの突出部と当接する外面カム体が設けている。
つまり、本発明の回転伝達装置は、基本構造として図6に示すフリータイプ双方向クラッチの構造を備えており、これに、制御歯車体、制御カム体等からなるモード切り換え機構を付加したものである。したがって、本発明の回転伝達装置は、フリータイプ双方向クラッチとして作動するモードを備え、このモードにおいては、図6のフリータイプ双方向クラッチと同様に、入力軸を回転させた場合には、突出部と外面カム体とが当接して遊星歯車体の自転が拘束され、入力軸、遊星歯車体、キャリア及び太陽歯車がいわば糊付けされた状態で一体化されて、出力軸に回転が伝達される。一方、出力軸を回転させた場合には、太陽歯車の回転により、遊星歯車体がわずかに移動して、遊星歯車体の自転が許容される位置となり、入力軸には回転が伝達されず、出力軸が空転することとなる。そのため、本発明の回転伝達装置を、例えば、図8のハイブリッド車両に適用したときは、後輪からモーターM/Gへの回転伝達を遮断してモーターM/Gの連れ回りをなくし、前輪を駆動するエンジンの動力損失を回避することができる。
ちなみに、フリータイプ双方向クラッチとしての作動時には、モード切り換え機構における制御歯車体は、その内歯歯車が遊星歯車体の遊星歯車を介して太陽歯車と噛み合っているので、出力軸が空転するとやはり空転(ただし、回転方向は出力軸とは逆方向)することとなる。このとき、制御カム体は、それに形成された内周カム面が遊星歯車体の突出部に当接しない位置に保持され、停止したままである。
図5等に基づいて後に詳述するように、切り換え部材を備えたモード切り換え機構を切り換えて、制御歯車体と制御カム体との間を回転伝達状態とすると、空転(回転)している制御歯車体により制御カム体が共通の回転軸の回りに回転する。制御カム体がわずかに回転すると、その内周カム面が遊星歯車体の突出部に外側から当接して遊星歯車体の自転を阻止する。自転の阻止された遊星歯車体は、キャリア等と一体となって共通の回転軸の回りに回転(公転)し、直後には、遊星歯車体の突出部の内側の部分が入力軸の外面カム体に当接して、これを押しながら回転させる。このように、切り換えた後のモード(逆入力モード)においては、出力軸から入力軸の間の回転部材(制御歯車体及び制御カム体を含む。)が一体となる形で、出力軸から入力軸への回転伝達が行われる。
このように、本発明の回転伝達装置では、切り換え部材を操作することにより、出力軸を空転させて逆入力を遮断するフリータイプ双方向クラッチの機能と、出力軸から入力軸へ回転伝達する逆入力の機能とを行わせることが可能であって、例えば、ハイブリッド車両に適用したときは、回生ブレーキの作動を行わせて走行エネルギを回収することができる。その際に、入力軸から出力軸への回転伝達も逆入力となる回転伝達も、遊星歯車体、キャリア等の回転部材が一体化された状態で行われるため、伝達トルクが摩擦力等により制限されることはなく、本発明の回転伝達装置は、負荷トルクが大きい機器を駆動する動力伝達装置に好適である。また、遊星歯車体の自転を阻止するか許容するかによって回転の伝達・遮断を切り換えるので、構造がコンパクトであり、特に、軸方向の長さを短くすることができる。
請求項2の発明は、遊星歯車体の突出部の断面及び入力軸の外面カム体の断面にそれぞれ直線部を形成し、遊星歯車体の自転を拘束して入力軸から出力軸に回転を伝達するときは、その直線部同士を当接させることにより、遊星歯車体の自転を阻止するものである。こうすると、当接する部分は、平面部同士が圧接されて大きな力の伝達が可能となり、入力軸から出力軸への伝達トルクを増大できる。
請求項3の発明は、入力軸の外面カム体の断面に曲線部を形成し、出力軸から入力軸に回転を伝達するとき(逆入力モード)には、この曲線部を遊星歯車体の突出部に当接するものである。曲線部を設けるのは、次の理由による。
逆入力モードにおいては、遊星歯車体の自転を拘束した状態で遊星歯車体の突出部を外面カム体に当接し、外面カム体を押しながら入力軸を回転させるが、逆入力モードからフリータイプ双方向クラッチの作動に切り換えたときは、直ちに遊星歯車体の拘束を解除して自転を許容する必要がある。外面カム体に曲線部、例えば、遊星歯車体が自転したときに突出部の断面の包絡線となる曲線部、を形成してこれを突出部に当接すると、逆入力モードの終了した後には、確実に遊星歯車体を自転(空転)させることが可能となる。
請求項4の発明は、キャリアと制御カム体との間にばねを設置して、制御カム体を、太陽歯車による遊星歯車体の自転を許容する位置に押圧するものである。制御カム体は、逆入力モードにおいて、内周カム面を遊星歯車体の突出部に係合させて自転を阻止するために設けられた部材であって、フリータイプ双方向クラッチのモードでは突出部に係合するのを阻止する必要がある。請求項4の発明のように、制御カム体とキャリアとの間にばねを設置すると、回転伝達装置の作動中において振動等が生じたとしても、制御カム体の内周カム面が遊星歯車体の突出部と係合しない位置に確実に保持することができる。
請求項5の発明は、モード切り換え機構に関するものであり、制御歯車体と制御カム体との外周にそれぞれ外歯を形成するとともに、切り換え部材にはそれぞれの外歯と噛み合い可能な制御用歯車を設置し、この制御用歯車をハウジングに回動可能に支持するように構成するものである。これによれば、逆入力モードへの切り換え時においては、歯車結合により制御歯車体から制御カム体に回転が伝達されるため、制御カム体の内周カム面が遊星歯車体の突出部に強く圧接され、遊星歯車体の不測の自転が防止される。また、切り換え部材の制御用歯車が、固定のハウジングに回動可能に支持されているため、逆入力モードの出力軸から入力軸へ回転の伝達中に遠心力が作用することはない。したがって、逆入力モードの作動中に不測のモード切り換えが生じるなど、遠心力に起因して発生する制御状態の乱れを防止することが可能となる。
請求項6の発明は、突出部及び外面カム体の断面の形状をそれぞれ正多角形状、すなわち、正多角形あるいはそれに近似した形状とし、かつ、外面カム体の周囲に配置される遊星歯車体を、外面カム体の断面の辺の数と同一個数のものが周方向に等間隔で配置されるように構成したものである。このような構成にすれば、回転する部材が入出力軸の回りに均等な状態で配置され、不釣合い力に起因する振動の発生を防止できる。
本発明の回転伝達装置の実施例の全体構造を示す構造図である。 図1の回転伝達装置の主要部品を示す分解図である。 図1の回転伝達装置の外観を示す図である。 図1の回転伝達装置の逆入力を遮断するモードの作動を説明する図である。 図1の回転伝達装置の逆入力可能なモードの作動を説明する図である。 従来のフリータイプ双方向クラッチの一例を示す図である。 図6のフリータイプ双方向クラッチの作動を示す図である。 ハイブリッド車両の動力伝達系の一例を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の回転伝達装置について説明する。図1には、本発明の回転伝達装置の実施例の全体構造を示し、図2には、その主要な構成部品を分解図として単体の状態で示す。図3は、実施例の回転伝達装置の外観構造を、逆入力可能なモードにおいて示すものである。
図1(図3も参照)に示すように、この実施例の回転伝達装置は、外形がほぼ正方形をなす固定のハウジング1の中心部に配置された、共通の中心軸oの周りを回転可能な入力軸2と出力軸3とを備えている。入力軸2及び出力軸3とハウジング1との間には、それぞれ転がりベアリングBGが装着される。
ハウジング1は、断面円形の空間部1Sを形成したハウジング本体11と、空間部1Sを閉鎖するようにハウジング本体11に固着されるシールド体12とに分割され、空間部1Sには、遊星歯車体4、キャリア5等の回転部材が収容される。図3にも示すとおり、ハウジング1には、90°の角度範囲に亘って切り欠かれた切欠き開口部1Oが設けられており、切欠き開口部1Oには、制御歯車体6及び制御カム体7の外周に形成された歯車6G、7Gが露出するとともに、両歯車の間の回転伝達を断接する切り換え部材8が設置される。これらの部材は、本発明の回転伝達装置における、後述のモード切り換え機構を構成するものとなっている。
入力軸2には外面カム体21が一体的に固着される。図1の断面A−A(図2も参照)に示すとおり、外面カム体21の断面は、先端部が切除された正3角形に近似する形状であって、断面の外周には、直線部21Aと曲線部21Bとを有する3個の辺が形成されている。
出力軸3には、断面B−B(図2も参照)に示すとおり、太陽歯車SGが固着されている。入力軸2の外面カム体21と出力軸3の太陽歯車SGとは、両者の側方部が面接触するように軸方向に隣接し対向して配置される(断面C−C)。
入力軸2及び出力軸3の周囲には、太陽歯車SGと噛み合う遊星歯車PG(図1の断面B−B)を形成した3個の遊星歯車体4が、周方向に等間隔をおいて配設される。遊星歯車体4の個数は、入力軸2の外面カム体21の辺の数と同じであって、各々の遊星歯車体4は、外面カム体21の辺のほぼ中央に位置している。3個の遊星歯車体4は、図2に示すとおり、円板状のキャリア5に立設された支持軸51に滑り軸受(図示省略)を介して回転可能に軸支されており、キャリア5は、その中央の円形孔52が入力軸2に嵌め込まれて、中心軸oの回りに回転可能となっている。
各々の遊星歯車体4には、軸方向に突出する突出部PJ(図1の断面A−A)が設けてあり、この突出部PJは、遊星歯車体4をハウジング1の空間部1Sの内部に組み付けたときに、入力軸2の外面カム体21と当接する軸方向位置に設けられる。突出部PJの断面形状は正6角形であり、断面の外周には、正6角形の辺である6個の直線部が形成されている。そして、突出部PJが外面カム体21の辺の中央と対向する断面A−Aの状態では、突出部PJと外面カム体21との間にはわずかな間隙が存在し、突出部PJの自転が許容されるよう、遊星歯車体4と外面カム体21との相対的な位置が設定される。
このように、本発明の回転伝達装置は、基本構造として図6に示すフリータイプ双方向クラッチと同等の構造を備えていて、後述するとおり、出力軸3側からの逆入力を遮断するフリータイプ双方向クラッチの作動を行うことができるものである。さらに、本発明の回転伝達装置には、出力軸3から入力軸2への回転伝達を可能とするモード切り換え機構が設けられており、ここでは、モード切り換え機構の構造について説明する。
モード切り換え機構は、図1の断面A−Aに表示された制御カム体6と、断面B−Bに表示された制御歯車体7と、制御カム体6及び制御歯車体7との間の回転伝達を断接する切り換え部材8とから構成される。
制御カム体6は、入力軸2の外面カム体21と同じ軸方向位置に配置してあり、遊星歯車体4の突出部PJを取り囲む内周カム面61が形成された空間部を有している。また、図2にも示されるように、扇形のガイド溝62が周方向に3個形成され、このガイド溝62は、円板状のキャリア5に立設された扇形のガイド突起53に嵌め合わされる。ガイド溝62の周方向長さはガイド突起53のそれよりも長く、両者の間隙にはコイルばね9が挿入されていて、制御カム体6は、キャリア5に対して時計方向に回転するようにコイルばね9により押圧される。遊星歯車体4の突出部PJを取り囲む内周カム面61には、直線部61Aと円弧部61Bとが形成され、図1の断面A−Aの状態においては、遊星歯車体4の突出部PJが、内周カム面61にも外面カム体21にも当接することなく、回転(自転)ができるようになっている。
制御歯車体7は、出力軸3の太陽歯車SGと同じ軸方向位置に配置してあり、遊星歯車体4の遊星歯車PGと噛み合うリング状の内歯RGを有している。そして、制御カム体6と制御歯車体7の外周には、それぞれ外歯6G、7Gが形成してあり、したがって、制御歯車体7は、内方に内歯RGが形成されるとともに外方に外歯7Gが形成された環状の部材となっている。
制御カム体6の外歯6Gと制御歯車体7の外歯7Gとは、図3に示すように、その一部が切欠き開口部1Oからハウジング1の外部に露出しており、切欠き開口部1Oには、切り換え部材8が装着される。切り換え部材8は、ハウジング1に回動自在に枢着されたレバー81と、レバー81の先端に取り付けた制御用歯車82とからなる。レバー81が図1の位置にあると、制御カム体6と制御歯車体7とは切り離されるが、図3のように、制御用歯車82を外歯6Gと外歯7Gとに噛み合わせたときは、制御歯車体7の回転が制御用歯車82を介して制御カム体6に伝達される。
次いで、本発明の回転伝達装置の作動について、図4、図5により説明する。これらの図では、分かり易くするよう、ハウジングを省いて表示している。
図4は、本発明の回転伝達装置をフリータイプ双方向クラッチのモードとし、出力軸3からの逆入力を遮断するときの作動を説明する図であって、図4(a)は、入力軸2を回転したときの各部品の動きを示す図、図4(b)は、出力軸3を回転したときの各部品の動きを示す図である。フリータイプ双方向クラッチのモードでは、切り換え部材8の制御用歯車82が図4の位置に置かれ、制御カム体6と制御歯車体7とは切り離される。
図4(a)の縦断面図に示すように、入力軸2を時計方向(右方から見て)に回転すると、正3角形状の外面カム体21も時計方向に回転し、図4(a)の断面A−Aに示すとおり、外面カム体21の辺の直線部21Aと遊星歯車体4の突出部PJにおける正6角形断面の1辺とが直線的に重なる。この状態では、重なった辺の部分が全体的に面接触して遊星歯車体4の自転が阻止され、遊星歯車体4とキャリア5とが入力軸2と一体に回転するので、太陽歯車SGにより遊星歯車体4と噛み合っている出力軸3も、断面B−Bに示すとおり、一体となって中心軸oの周りに回転する。
入力軸2が反時計方向(右方から見て)に回転した場合には、外面カム体21の辺の曲線部21Bが突出部PJの正6角形断面における2個の頂点と当接する。このときも遊星歯車体4の自転は不可能となるため、遊星歯車体4とキャリア5とが入力軸2と一体に回転し、出力軸3も一体となって中心軸oの周りに反時計方向に回転する。なお、入力軸2が回転したときは、制御カム体6及び制御歯車体7も、遊星歯車体4とキャリア5と一体となりいわば糊付けされた状態で回転することとなる。
これに対して、図4(b)の縦断面図に示すように、出力軸3が時計方向(右方から見て)に回転すると、太陽歯車SGと噛み合う遊星歯車PGに自転の回転トルクが付与される。この回転トルクにより遊星歯車体4がわずかに自転して、遊星歯車体4と外面カム体21との相対的位置が変化し、図4(b)の断面B−Bに示すように、突出部PJが外面カム体21の辺の中央に位置する。この状態では、突出部PJの中心から外面カム体21までの距離が、突出部PJの外接円の半径よりも大きくなり、遊星歯車体4が自由に自転可能となる。つまり、出力軸3により太陽歯車SGが回転しても、キャリア5に軸支された遊星歯車体4が自転するだけであって、入力軸2への回転動力の伝達が遮断される。これは、出力軸3の回転方向が反時計方向であっても同じである。
なお、出力軸3が回転したときは、遊星歯車PGを介して太陽歯車SGと噛み合う制御歯車体7が逆方向に回転するが、制御カム体6は、遊星歯車体4の自転を許容する位置に停止したままであって、この位置は、コイルばね9により制御カム体6をキャリア5に対して時計方向に押圧し、ガイド溝62の端面をガイド突起53の端面に突き当てることにより保持される。
このように、本発明の回転伝達装置のフリータイプ双方向クラッチのモードでは、図6のフリータイプ双方向クラッチと同様に、入力軸2からの回転を出力軸3に伝達するとともに、出力軸3からの逆入力は、出力軸を空転させて遮断する。本発明の回転伝達装置を図8のハイブリッド車両に適用し、入力軸2をモーターM/Gに連結して出力軸3を後輪RWに連結した場合には、バッテリ等によりモーターM/Gに電気エネルギを供給して後輪RWを駆動し、車両を走行させたりエンジンEGによる走行をアシストしたりすることができる。また、エンジンEGの動力が十分となり後輪RWからの逆入力が発生する状況では、後輪RWを空転させて、モーターM/Gの連れ回りに起因するエンジンEGの動力損失を防止できる。
次に、出力軸3から入力軸2への回転伝達、つまり、逆入力が可能な逆入力モードへの切り換え時の作動等について、図5により説明する。図5(a)は、逆入力モードへの切り換え時の初めに生じる各部品の動きを表す図であり、図5(b)は、逆入力モードにおいて出力軸3から入力軸2へ回転を伝達する様子を表す図である。
逆入力モードへ切り換えるには、まず、切り換え部材8のレバー81を回動して外歯歯車82を図5の位置に置く。これにより、制御カム体6及び制御歯車体7の外周に形成された外歯6G、7Gが歯車結合され、制御歯車体7の回転が制御カム体6に伝達されるようになる。
上述したとおり、出力軸3を空転させるフリータイプ双方向クラッチのモードでは、制御歯車体7が出力軸3とは逆方向に回転しており、図5(a)の断面B−Bに示すように、出力軸3が時計方向(右方から見て)に回転しているときは、制御歯車体7は反時計方向に回転する。制御用歯車82により制御歯車体7の回転を制御カム体6に伝達すると、制御カム体6もコイルばね9を圧縮しながら反時計方向にわずかに回転し(図5(a)の破線矢印参照)、図5(a)の断面A−Aに示すように、制御カム体6に形成された内周カム面61の直線部61Aが、遊星歯車体4の突出部PJの正6角形断面の一辺と重なって当接する。この状態になると、遊星歯車体4の自転が拘束される。
遊星歯車体4の自転が拘束された後は、出力軸3の太陽歯車SG、遊星歯車体4及びキャリア5が糊付け状態となり、これらは、同じく糊付け状態となった制御カム体6及び制御歯車体7と共に時計方向に回転するようになる。そして、直後には、図5(b)の断面A−Aに示すように、遊星歯車体4の突出部PJの正6角形断面における2個の頂点が、入力軸2の外面カム体21の辺の曲線部21Bに当接する。その結果、外面カム体21が遊星歯車体4の突出部PJに時計方向に押される形で、入力軸2も時計方向に回転することとなる。つまり、逆入力モードでは、制御カム体6及び制御歯車体7も含め、出力軸3から入力軸2に至る回転部材が一体となって回転し、出力軸3から入力軸2に回転が伝達される。
本発明の回転伝達装置を図8のハイブリッド車両に適用する上述の適用例では、車両の制動時や下り坂走行時に、切り換え部材8を操作して回転伝達装置を逆入力モードに切り換える。これにより、フリータイプ双方向クラッチのモードでは切断されていた後輪RWがモーターM/Gに接続され、モーターM/Gを発電機として作動させることにより、制動時等の走行エネルギをバッテリに回収するとともに、車両には、回生ブレーキを作用させることが可能である。
図5(及び図1等)に示す本発明の実施例においては、入力軸2の外面カム体21の周囲に曲線部21Bを設け、逆入力モードでは、突出部PJの正6角形断面の2個の頂点を曲線部21Bに当接して、出力軸3から入力軸2に回転を伝達する。曲線部21Bを形成するのは、切り換え部材8を戻して逆入力モードからフリータイプ双方向クラッチのモードに復帰させる際に、迅速かつ確実に復帰させるためである。すなわち、外面カム体21の曲線部21Bは、遊星歯車体4が自転したときに突出部PJの断面の包絡線に近似させた曲線であり、遊星歯車体4を自転させた場合には、実質上、外面カム体21により自転が拘束されることはなく、出力軸3を容易に空転させることができる。
なお、外面カム体21の曲線部21Bを各辺に1個形成しているのは、逆入力モードでの回転方向が一方向に定まっている場合が多いためである。例えば、ハイブリッド車両に適用するときには、車両の前進走行時のみのエネルギ回収を行えば十分であり、反対方向の回転を考慮する必要はない。ただし、本発明の回転装置は、出力軸3の回転方向にかかわらず入力軸2への回転伝達が可能であるのは明らかである。
また、図5等の実施例では、制御歯車体6と制御カム体7の外歯6G、7Gと噛み合う制御用歯車82を設置し、これを取り付けたレバー81を回動操作して、フリータイプ双方向クラッチのモードと逆入力モードとを切り換える。レバー81は、固定のハウジング1に支持されているため、入力軸2や出力軸3の回転時において遠心力が作用することがない。そのため、不測のモード切り換えが生じるなどの、遠心力に起因する制御状態の乱れを防止することが可能となる。
以上詳述したように、本発明の回転伝達装置は、入力軸と出力軸との間に遊星歯車体を設置し、出力軸を回転したときは、遊星歯車体を空転させて入力軸への回転伝達を遮断するフリータイプ双方向クラッチを基本構造とし、これに制御歯車体及び制御カム体を備えた切り換え機構を設けることにより、入力軸への回転伝達が遮断されるモードと、出力軸から入力軸へ回転が伝達されるモードとに切り換え可能としたものである。そのため、本発明の回転伝達装置は、ハイブリッド車両に限らず一般的な動力伝達装置に適用可能なものであり、例えば、人力を補助するモーターを備えたいわゆる電動アシスト自転車において、下り坂走行時等にモーターを発電機として駆動しエネルギ回生を図るようにする場合の動力伝達装置にも適用できる。
上記の実施例では、制御歯車体及び制御カム体にそれぞれ外歯を形成し、切り換え機構にはこれらと噛み合う制御用歯車を設けて歯車結合による回転伝達を行っているが、切り換え機構には出力軸から入力軸へ伝達される回転トルクは作用しないため、制御用歯車の代わりに摩擦車を設置して摩擦伝動により制御歯車体から制御カム体に回転を伝達してもよい。また、入力軸に取付けた外面カム体の断面形状を正3角形状とし、制御歯車体には正6角形の突出部を形成しているが、これらを正4角形状等の他の形状を採用するなど、上記の実施例に対し各種の変形が可能であるのは明らかである。
1:ハウジング
2:入力軸
21:外面カム体
3:出力軸
4:遊星歯車体
5:キャリア
6;制御カム体
7:制御歯車体
8:切り換え部材
82:制御用歯車
SG:太陽歯車
PG:遊星歯車
PJ:突出部

Claims (6)

  1. 回転不能のハウジング、前記ハウジング内で共通の中心軸の回りに回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの回転は前記出力軸に伝達されるとともに、前記出力軸から前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸が空転して遮断されるモードと回転が伝達されるモードとに切り換え可能な回転伝達装置であって、
    前記入力軸に固着された外面カム体と、前記出力軸に固着された太陽歯車と、前記太陽歯車に噛み合う遊星歯車を有する遊星歯車体と、前記遊星歯車体を回転可能に軸支し共通の中心軸の回りに回転可能なキャリアとが設置され、
    前記遊星歯車体には、軸方向に突出して前記外面カム体と当接する突出部が設けられ、
    前記入力軸が回転したときは、前記外面カム体と前記突出部が当接し、前記遊星歯車体の自転が阻止されて前記出力軸に回転が伝達される一方、前記出力軸が回転したときは、前記突出部と前記外面カム体の当接が解除され、前記太陽歯車による前記遊星歯車体の自転が許容されて前記入力軸への回転の伝達が遮断されるよう、前記遊星歯車体と前記外面カム体とが配置され、さらに、
    前記遊星歯車体の遊星歯車と噛み合う内歯歯車を有し、共通の中心軸の回りに回転可能な制御歯車体と、前記遊星歯車体の突出部と当接可能な内周カム面を有し、共通の中心軸の回りに回転可能な制御カム体とが設置され、かつ、前記制御歯車体と前記制御カム体との間の回転伝達を断接する切り換え部材が設置されており、
    前記切り換え部材を回転伝達状態とすると、前記出力軸が回転したときは、前記制御カム体の内周カム面と前記突出部が当接して前記遊星歯車体の自転が阻止され、前記入力軸に回転が伝達されることを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記突出部の断面及び前記外面カム体の断面にはそれぞれ直線部が形成されており、前記入力軸から前記出力軸に回転が伝達されるときは、直線部同士が当接する請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記外面カム体の断面には曲線部が形成されており、前記出力軸から前記入力軸に回転が伝達されるときは、前記突出部が前記曲線部に当接する請求項1又は請求項2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記キャリアと前記制御カム体との間にばねが設置され、前記制御カム体が、前記太陽歯車による前記遊星歯車体の自転を許容する位置に押圧されている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回転伝達装置。
  5. 前記制御歯車体と前記制御カム体との外周にはそれぞれ外歯が形成されるとともに、前記切り換え部材には、それぞれの外歯と噛み合い可能な制御用歯車が設置され、前記制御用歯車は、前記ハウジングに回動可能に支持されている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の回転伝達装置。
  6. 前記突出部及び前記外面カム体の断面がそれぞれ正多角形状であり、かつ、前記遊星歯車体は、前記外面カム体の断面の辺の数と同一個数のものが周方向に等間隔で配置されている請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の回転伝達装置。
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