JP6374371B2 - 電力系統監視装置および電力系統監視方法 - Google Patents
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Description
本発明は、電力系統監視装置および電力系統監視方法に関する。
電力系統の安定運用のために電力系統を監視する装置は、電力系統の動揺に関する特性(動特性定数)を把握する必要がある。電力系統の動揺に関する動特性定数には、例えば慣性定数、制動係数、同期化力係数がある。
慣性定数は、電力系統に連系された同期発電機や原動機の回転質量に由来する。制動係数は、PSS(Power System Stabilizer)を備えた同期発電機の制動トルクや負荷の周波数特性に由来する。同期化力係数は、送受電端の電圧や相差角による送電容量の変化に由来する。
慣性定数は、同期発電機や原動機の並解列によって変化する。系統運用者は大型同期発電機の並解列を把握していることから、大型同期発電機の仕様に基づく慣性定数を算出可能である。また、従来は、大型同期発電機の持つ質量の比率が高く、分散電源や原動機等の小型同期機の並解列が慣性定数の精度に大きく影響することはなかった。
ところが近年、風力発電機や太陽光発電に代表される非同期発電機の普及により大型同期発電機が減少し、慣性定数に占める小型同期機の持つ質量の比率が高まりつつある。小型同期機は、その数が多く、かつ個々の運転状態は不明であるため、小型同期機の持つ質量は慣性定数の誤差要因となる。
制動係数の算出も、慣性定数と同様に、従来はPSSを備えた大型同期発電機の制動トルクが支配的であり、負荷の周波数特性は、季節や昼間/夜間といった大まかな変化として加味されていた。しかし、大型同期発電機の減少によって、負荷の周波数特性変化が誤差要因として顕著になりつつある。近年では能動的な制御特性を備えたパワーエレクトロニクス機器や分散電源の技術開発が進みつつあり、それらが電力系統に普及すると、制動係数の動的な変化が大きくなることが予想される。
同期化力係数は、平衡状態における送受電端の相差角差、または送受電端電圧や線路インピーダンスにより変化するため、潮流状態や系統切換に応じて動的に変化する。地域によっては、頻繁な系統切換や設備情報の不足なども、同期化力係数の誤差要因となる。以上に例とした挙げた慣性定数、制動係数、同期化力係数以外の動特性定数も、やはり電力系統の構成や運転状態によって変化する。
このため、発電機仕様や設備情報に基づく物理モデルから動特性定数を算出する手法に代えて、電力系統の計測値に基づく最適化計算によって動特性定数を推定する手法が検討されている(特許文献1)。特許文献1には、「不確実な動特性定数を含む解析データから得られる解析結果データ出力と、予め保存されたデータ点列とを用いて、動特性定数の値を非線形最小2乗法で計算することにより、電力系統解析の解析対象モデルが非線形特性を有する場合でも、系統現象時や試験時の応答データ等を用いて、解析対象モデル中の不確定な複数の動特性定数を同時に高精度で推定可能な、電力系統の動特性定数推定方法と装置、およびプログラムを提供する」という記載がある。
特許文献1に記載の技術では、電力系統に停電等の現象が発生したときの応答データや試験時の応答データ等を用いることで、解析対象モデル中の不確定な複数の動特性定数を同時に高精度に推定する。
しかし、特許文献1の技術は、電力系統に故障が発生した時に計測される応答データ等を対象としている。すなわち、特許文献1の技術は、大擾乱に伴って観測される計測信号の使用を前提としており、微弱な計測信号から推定した動特性定数の精度を判断することができない。
そのため、特許文献1の技術では、小型同期機や負荷、分散電源等によって常時変化する動特性定数を、小擾乱に伴って観測される計測信号から推定することができない。したがって、特許文献1の技術では、動特性定数の推定精度を判断した上で、推定した動特性定数を系統動揺の解析や制御に用いることができない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、計測信号を用いて動特性定数を推定し、推定結果の精度を得ることのできる電力系統監視装置および電力系統監視方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に従う電力系統監視装置は、電力系統を監視する装置であって、電力系統から得る計測値から所定の動特性定数を推定する動特性定数推定部と、動特性定数推定部が推定した動特性定数推定値の精度を示す相対精度指標を、計測値から計算する相対精度計算部と、基準動特性情報と動特性定数推定値と相対精度指標とから推定誤差を計算する推定誤差計算部と、を備える。
本発明によれば、電力系統から得る計測信号を用いて動特性定数を推定し、さらに、動特性定数推定値の推定誤差を算出することができる。したがって、動特性定数推定値の精度を把握した上で、その動特性定数推定値を用いた処理を実行できる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係る電力系統監視装置1は、後述のように、電力系統2の計測値と基準発電機情報を入力としており、計測値から動特性定数を推定する動特性定数推定部と、計測値から動特性定数推定値の相対精度指標を計算する相対精度計算部と、動特性定数推定値と、相対精度指標と、基準発電機情報とから推定誤差を計算する推定誤差計算部と、を備える。
本実施形態の電力系統監視装置によれば、任意の強度の計測信号を用いて動特性定数を推定することができ、さらに、その推定結果の精度を判断する誤差情報を提供することができる。
図1〜図7を用いて第1実施例を説明する。図1は、電力系統監視装置の機能構成図である。電力系統監視装置1は、図2で後述のようにコンピュータ装置から構成されるが、その機能に着目すると、例えば、動特性定数推定部F10と、相対精度計算部F11と、推定誤差計算部F12とを含む。電力系統監視装置1は、「電力系統から得る計測信号」の例である電力系統計測値と、電力系統構成情報と、「基準動特性情報」の例である基準発電機情報とを入力とし、動特性定数推定値と推定誤差を出力する。
処理の流れは後述するが、動特性定数推定部F10は、電力系統計測値と電力系統構成情報とに基づいて、動特性定数を推定し、動特性定数推定値として出力する。相対精度計算部F11は、電力系統計測値と、動特性定数推定部F10から得る係数の行列とから、動特性定数推定値の精度を示す相対精度指標を算出する。推定誤差計算部F12は、相対精度指標と動特性定数推定値と基準発電機情報とから、動特性定数推定値の持つ誤差を推定し、推定誤差として出力する。
図2は、電力系統監視装置1を含むシステムの機器構成図である。電力系統監視装置1は、例えば、プロセッサ100、メモリ101、通信インターフェース(図中I/F)102、インターフェース103,104、ユーザインターフェース105を含むコンピュータ装置である。メモリ101は、主記憶装置および補助記憶装置を含んでおり、図1に示す各機能F10〜F12を実現するためのコンピュータプログラムと、情報を管理するテーブルとを格納している。
通信インターフェース102は、通信回線4と通信する装置である。インターフェース103は電力系統構成情報DB5から電力系統構成情報を読み出す装置である。インターフェース104は、推定情報記録装置7へ動特性定数推定値および推定誤差を出力する装置である。ユーザインターフェース105は、電力系統監視装置1を使用するユーザが基準発電機情報を入力する装置である。ユーザインターフェース105は、後述の画面を表示してユーザへ情報を提供することもできる。なお、電力系統監視装置1への情報入出力の方法は、上述の例に限定しない。共通のインターフェースを用いて、電力系統構成情報をデータベース5から取得したり、動特性定数推定値および推定誤差を記録装置7へ出力したり、基準発電機情報を取得したりしてもよい。
電力系統2の電圧や周波数、電力等の各種状態量は、計測装置3によって計測され、通信回線4を介して、電力系統監視装置1に電力系統計測値として入力される。
電力系統2の構成を示す電力系統構成情報は、例えば、系統トポロジーや主要発電機の仕様等を含む。電力系統構成情報は、電力系統構成情報DB(データベース)5へ記録されており、電力系統監視装置1により読み出される。
基準発電機情報設定部6は、推定誤差を計算する上で基準となる発電機を、基準発電機情報として電力系統監視装置1に設定する。
電力系統監視装置1が出力する動特性定数推定値と推定誤差は、推定情報記録装置7に記録される。例えば、動特性定数推定値を電力系統解析装置8へ入力して、電力系統解析装置8での安定度解析に用いた場合に、その解析結果の信頼性を示すために、推定情報記録装置7に動特性定数推定値および推定誤差を保存する。
図3は、電力系統2を、4機系統を例として描いた模式図である。
電力系統2は、一方の電力線21Aと、他方の電力正21Bと、各電力線21A,21Bを必要に応じて接続するための接続線22と、一方の電力線21Aに接続する2機の発電機ノード23Aと、他方の電力線21Bに接続する2機の発電機ノード23Bを含む。以下、特に区別しない場合、電力線21A,21Bを電力線21と、発電機ノード23A,23Bを発電機ノード23と呼ぶ。発電機ノード23は、発電機単体あるいは縮約発電機の連系ノードである。
電力系統2は、一方の電力線21Aと、他方の電力正21Bと、各電力線21A,21Bを必要に応じて接続するための接続線22と、一方の電力線21Aに接続する2機の発電機ノード23Aと、他方の電力線21Bに接続する2機の発電機ノード23Bを含む。以下、特に区別しない場合、電力線21A,21Bを電力線21と、発電機ノード23A,23Bを発電機ノード23と呼ぶ。発電機ノード23は、発電機単体あるいは縮約発電機の連系ノードである。
ここで動特性定数推定部F10による動特性定数の推定方法を説明する。動特性定数の推定には、例えば、カルマンフィルタや部分空間法といった数学的手法を用いることができる。本実施例では、外乱オブザーバを用いる場合を例に説明する。
動特性定数推定部F10の入力は、電力系統計測値と、電力系統構成情報である。電力系統計測値とは、位相計測装置によって計測された相差角と角速度、負荷の電力需要などの時系列データである。電力系統構成情報は、電力系統の接続関係を表す系統トポロジー、既知の動特性定数などである。動特性定数推定部F10は、電力系統計測値および電力系統構成情報を用いて、下記式1,2に示す状態空間モデルを構成する。外乱オブザーバを用いる場合は、計算初期状態における既知の動特性定数(以後、初期動特性定数と言う)を補正することで、動特性定数推定値を計算する。
dx/dt=Ax+Bu+e・・・(式1)
y=Cx+Du・・・(式2)
式1,2において、状態ベクトルxは、電力系統のノードの平衡点からの相差角および角速度である。入力ベクトルuは、発電機ノードの機械入力や負荷需要である。状態行列Aは、状態ベクトルxの時間変化に関する微分方程式の係数行列に相当し、系統トポロジーに基づいて、慣性定数M_n、制動係数D_n、同期化力係数K_nmを含んで構成される。添え字n,mは、発電機ノードの番号を表す。入力行列Bも同様に、系統トポロジーに基づいて、慣性定数M_nを含んで構成される。出力ベクトルyは、ここでは議論を簡単化するため、状態ベクトルxを直接計測した値とする。その場合、出力行列Cは単位行列であり、直達行列Dは零行列である。eは外乱ベクトルである。
式1,2の状態空間モデルに対して、外乱オブザーバは、下記の式3,4によって構成される。
dx’/dt=A’x’+B’u・・・(式3)
dx’_h/dt=(A’−LC’)x’_h+B’u+Ly・・・(式4)
式3において、ベクトルx’は、状態ベクトルxと外乱ベクトルeから構成される拡張状態ベクトルである。式4において、ベクトルx’_hは、拡張状態ベクトルx’の推定値である。行列A’,B’,C’は、拡張状態ベクトルx’に対応する拡張システム行列である。行列Lは、オブザーバゲインである。式4を逐次的に計算することで、拡張状態ベクトルx’の推定値、即ち状態ベクトルxと外乱ベクトルeの推定値が得られる。ここで、外乱ベクトルeは、次の式5のように分解される。
e(t)=ΔAx(t)+ΔBu(t)+r(t)・・・(式5)
ここでは、状態ベクトルx、入力ベクトルu、外乱ベクトルe,外部外乱ベクトルrが時系列データであることを明示して、それぞれx(t),u(t),e(t),r(t)と表記した。行列ΔA,ΔBは、それぞれ状態行列A,入力行列Bの真値からの偏差に相当する偏差行列である。このように外乱オブザーバでは、偏差行列が外乱ベクトルに含まれる。
式5から偏差行列ならびにそれを構成する慣性定数、制動係数、同期化力係数の偏差を推定するには、状態ベクトルx、入力ベクトルu、外部外乱ベクトルrの各要素の時系列データが線形独立であることを前提として、以下の式6,式7の回帰分析によって計算する。
trans(ΔG_i)=inv(trans(Z(t))Z(t))trans(Z(t))e_i(t)・・・(式6)
ΔG_i=[ΔA_i1,ΔA_i2,…,ΔB_i1,ΔB_i2,…]・・・(式7)
Z(t)=[x_1(t),x_2(t),…,u_1(t),u_2(t),…]・・・(式8)
式6において、trans()は転置演算を示し、inv()は逆行列演算を表す。e_i(t)は、外乱ベクトル推定値のi番要素の時系列データを表す。式7において、ΔA_ijは偏差行列ΔAのi行j列要素を表し、ΔB_ijも同様である。上記の式8において、x_j(t)は状態ベクトルxのj番要素の時系列データを表し、u_j(t)も同様である。
式6,7,8を解いて得られるΔA_ij,ΔB_ijの推定値は、慣性定数偏差ΔM_n,制動係数偏差ΔD_n,同期化力係数偏差ΔK_nmの関数として表される。よって、ΔM_n,ΔD_n,ΔK_nmの推定値は、ΔA_ij,ΔB_ijの推定値に関する連立方程式を解くことで算出できる。以上の演算によって、動特性定数推定部F10は動特性定数推定値を出力する。
続いて相対精度計算部F11での計算方法の例を説明する。相対精度計算部F11は、式5,6,7,8に着目して、動特性定数偏差の各推定値についての精度を示す相対精度指標を算出する。
式5に示したように、外乱ベクトルeは、偏差行列ΔA,ΔBを係数とした状態ベクトルx、入力ベクトルu、および外部外乱ベクトルrの線形合成である。式7,8の記号を用いて、ΔG_ij×Z_j(t)で表される値が大きいほど、式5の線形合成において強度の強い信号である。式6の回帰分析では、式5における強度が強い信号ほど外部外乱ベクトルrの影響を受けにくく、当該信号の係数である偏差行列要素を精度良く算出可能である。従って、式5における強度が強い信号になるほど、対応する動特性定数偏差も精度良く算出可能である。よって、偏差行列および対応する動特性定数偏差の推定精度を示す指標として、ΔG_ij×Z_j(t)を用いて、式9のように推定精度指標ηを定義する。ここでlog10は常用対数、varは分散を示す。
η_ij=log10(var(ΔG_ij×Z_j(t)))・・・(式9)
しかしながら、ΔG_ijを構成するΔA_ijとΔB_ijは、推定すべき未知の値である。従って、式9を直接に算出することはできない。そこで、本実施例では、ΔA_ijとΔB_ijに代えて、A_ijとB_ijを用い、下記の式10,11のように相対精度指標η’を定義する。
η’_ij=log10(var(G_ij×Z_j(t)))・・・(式10)
G_i=[A_i1,A_i2,…,B_i1,B_i2,…]・・・(式11)
相対精度指標η’と推定精度指標ηの大きさは、異なる。しかし、ΔA_ijとΔB_ijの大きさが、それぞれA_ijとB_ijの大きさに比例すると仮定すれば、両指標η’とηの相対的な大小関係は同じ順番となる。実際にはこの仮定が厳密に成立するわけではないが、式9,10は常用対数表記であり、相対精度指標η’は推定精度指標ηの大小関係をオーダーにおいて近似する指標である。
なお、相対精度指標をΔG_ij×Z_j(t)の分散で記述したが、これに限らず、例えば相対精度指標を外部外乱r(t)の分散で正規化してもよい。あるいは、外部外乱r(t)の分散が未知の場合は、相対精度指標を外乱e(t)の推定値の分散で正規化することで、外乱に対する信号強度の強さとして相対精度指標を記述できる。分散による記述を、信号強度を表す他の統計的指標で代替しても良い。
推定誤差計算部F12の計算方法の例を説明する。推定誤差計算部F12は、電力系統監視装置1への入力である基準発電機情報と、動特性定数推定部F10によって計算された動特性定数推定値と、相対精度計算部F11によって計算された相対精度指標η’とに基づいて、以下の処理によって推定誤差を算出する。
図4は、基準発電機情報を管理するテーブルT10の例を示す。基準発電機情報管理テーブルT10は、例えば、動特性定数の明らかな基準発電機ノードについて、そのノード番号C100と、基準となる動特性定数C101とを対応付けて管理する。動特性定数の明らかな発電機ノードとは、例えば、定数がキャリブレーションされた単機の発電機ノードや、パワーエレクトロニクス制御によって擬似的に動特性を模擬した分散電源の発電機ノードである。
図5は、動特性定数推定部F10によって計算される動特性定数推定値を管理する動特性定数推定値管理テーブルT11の例である。動特性定数推定値管理テーブルT11は、基準発電機情報管理テーブルT10と動揺に、発電機ノードを特定する発電機ノード番号C110と、推定した動特性定数の値とを対応付けて管理する。なお、図4および図5では、動特性定数の例として慣性定数を示すが、制動係数や同期化力係数についても同様のテーブルが用意されている。
図4のテーブルT10と図5のテーブルT11とを比較することで、基準発電機ノードについて、次の式12のように基準推定誤差ζを算出できる。ここでは例として、動特性定数のうち慣性定数について記述する。
ζ(M)_n=((M0_n+ΔM_n)―M_n)/M_n・・・(式12)
ζ(M)_nは、基準発電機ノードnの慣性定数に関する基準推定誤差である。M0_n、ΔM_nは、それぞれ動特性定数推定部F10において、基準発電機ノードnの慣性定数に関する初期動特性定数、偏差推定値である。M_nは、基準発電機ノードnの慣性定数である。
図6は、相対精度計算部F11によって計算された相対精度指標η’(M)_nと、式12で得た基準推定誤差ζ(M)_nをプロットしたグラフである。なお、η’(M)_nは、式10の相対精度指標η’_ijのうち、発電機ノードnの慣性定数に対応する要素である。
図6(1)に示すように、基準発電機ノードのプロットPが2点以上あれば、相対精度指標η’(M)_nと基準推定誤差ζ(M)_nの関係を直線L1で近似することで、他の発電機ノードの相対精度指標を推定誤差に換算することができる。
図6(2)に示すように、基準発電機ノードのプロットPが複数あり、それらの信頼性が異なる場合は、基準推定誤差ζ(M)_nのそれぞれに重み付けをして直線L2で近似し、相対精度指標を推定誤差に換算する。
図6(3)に示すように、基準発電機ノードのプロットPの数が十分に多い場合、直線近似に代えて、曲線L3で近似することで、相対精度指標を推定誤差に換算することもできる。推定誤差計算部F12は、以上の処理によって、相対精度指標と推定誤差を関連付け、各発電機ノードの動特性定数に関する推定誤差を算出する。
図6(4)に示すように、基準発電機ノードのプロットPが1つであっても、数直線上で基準推定誤差をプロットすれば、基準推定誤差に対して他の発電機ノードの推定誤差の大小を判定することはできる。この方法は例えば、動特性定数を常時推定するうえで、基準推定誤差が十分に小さくなるタイミングを捉えて、基準推定誤差よりも推定誤差が小さい発電機の動特性定数の推定結果のみを採用するのに有効である。
図7は、電力系統監視装置1の処理を示すフローチャートである。電力系統監視装置1は、最初に初期化処理を実施し、初期動特性定数を設定する(S10)。電力系統監視装置1は、動特性定数推定部F10により、動特性定数を推定する(S11)。動特性定数推定部F10は、動特性定数の推定値を、図1で述べた推定情報記録装置7に向けて出力する。推定情報記録装置7は、受領した動特性定数推定値を、ステップS13で受領する推定誤差に対応付けて記録する。
電力系統監視装置1は、相対精度計算部F11により、動特性定数推定値の精度を示す指標である相対精度指標を計算する(S12)。電力系統監視装置1は、推定誤差計算部F12により、推定誤差を計算する(S13)。推定誤差計算部F12は、計算した推定誤差を、推定情報記録装置7へ送る。
電力系統監視装置1は、上述のステップS10〜S13を実行することで、動特性定数推定値と推定誤差を推定情報記録装置7等へ出力できる。さらに本実施例では、付随的な処理としてステップS14を実行する。ステップS14において、電力系統監視装置1は、予め設定された誤差閾値と推定誤差を比較し、推定誤差が誤差閾値を下回った動特性定数について、初期動特性定数を更新する。このように電力系統監視装置1は、ステップS11〜S14を繰り返し実行することで、初期動特性定数の精度(推定精度)を逐次的に向上する。前回推定した推定誤差を新たな誤差閾値として使用してもよい。
このように構成される本実施例によれば、電力系統から得る計測信号を用いて動特性定数を推定することができ、さらにその推定結果の精度を得ることができる。したがって、本実施例によれば、動特性定数推定値の精度を把握した上で、その動特性定数推定値を用いた処理を実行できる。
本実施例では、従来技術のように大きな擾乱の発生を待つ必要はなく、電力系統で観測される任意の微弱な計測信号から動特性定数を推定し、その推定した動特性定数の精度を判断することができる。従って、電力系統監視装置1は、推定誤差を確認した上で動特性定数推定値を使用し、電力系統の状態を監視することができる。
さらに本実施例では、動特性定数推定値の精度を判別することができるため、初期動特性定数の精度を逐次的に向上することができる。したがって、電力系統監視装置1は、電力系統を監視する性能を自動的に改善することができるため、電力系統監視装置1の信頼性およびユーザの使い勝手を高めることができる。
図8〜図10を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例は、第1実施例の変形例に相当するため、第1実施例との相違を中心に説明する。本実施例では、基準発電機情報を電力系統監視装置1Aの内部で生成する場合を説明する。
図8は、本実施例の電力系統監視装置1Aの機能構成を示す。電力系統監視装置1Aは、図1で述べた動特性定数推定部F10と、相対精度計算部F11および推定誤差計算部F12を備えている。さらに本実施例の電力系統監視装置1Aは、基準発電機情報を生成する基準発電機情報生成部F13を備える。
基準発電機情報生成部F13は、相対精度計算部F11で計算された相対精度指標を入力として、基準発電機情報を計算によって生成し、生成した基準発電機情報を推定誤差計算部F12に出力する。
図9は、基準発電機情報の生成方法の例を示す。以下、各発電機ノードの慣性定数に関する相対精度指標η’(M)_nを例として説明する。
図9(1)は、複数の発電機ノードの慣性定数(推定値)の時間変化を示す。図9(1)は、動特性定数推定部F10の処理を複数回実行することで得られる。図9(1)の横軸は時間を示し、縦軸は慣性定数推定値の大きさを示す。図9(1)にプロットされた折れ線のそれぞれが、各発電機ノードの慣性定数推定値の時間変化を示す。
図9(2)は、図9(1)に示す各慣性定数推定値についての相対精度指標の時間変化を示す。図9(2)は、相対精度計算部F11の処理を複数回実行することで得られる。図9(2)の横軸は時間を示し、縦軸は相対精度指標の大きさを示す。図9(2)にプロットされた折れ線のそれぞれが、各発電機ノードの相対精度指標η’(M)_nの時間変化を示す。
慣性定数の推定精度が安定して高い発電機ノード(例えばG1,G2)については、慣性定数推定値の変化が少ないため、その相対精度指標は大きな値を維持する。そこで、基準発電機情報生成部F13は、図9(2)において相対精度指標の平均値が大きい順に一つないし複数の基準発電機ノードG1,G2を選び出す。そして、基準発電機情報生成部F13は、図9(1)における基準発電機ノードG1,G2の慣性定数について平均値や中央値等の統計的代表値を計算し、その計算結果を基準発電機情報として推定誤差計算部F12へ出力する。
本実施例では、上述のように慣性定数推定値の精度を示す相対精度指標に基づいて、基準発電機情報を生成する。このようにして生成した基準発電機情報は、第1実施例で設定される基準発電機情報の代わりに使用するものであるため、代替基準発電機情報と呼ぶこともできる。
図9で述べた方法に代えて、図9(1)における代替基準発電機ノードG1,G2の慣性定数について標準偏差等の統計的範囲を計算し、その計算結果を式12の基準推定誤差の代替値として用いてもよい。
図10は、本実施例の電力系統監視装置1Aが実行する電力系統監視処理を示すフローチャートである。本処理は、基準発電機情報生成部F13で統計値を計算するための繰り返し処理S20がある。
最初に電力系統監視装置1Aは、初期動特性定数を設定するための初期化処理を実行する(S10)。電力系統監視装置1Aは、動特性定数推定部F10による動特性定数の推定処理(S11)と相対精度計算部F11による相対精度指標の計算処理(S12)を、繰り返し処理(S20)として実行する。
電力系統監視装置1Aは、予め指定された回数に達するまで、あるいは動特性定数の統計的代表値が収束するまで、ステップS11,S12を実行する。繰り返し処理が終了すると、電力系統監視装置1Aは、基準発電機情報生成部F13は基準発電機情報を生成する(S21)。推定誤差計算部F12は、基準発電機情報生成部F13で生成された基準発電機情報と相対精度計算部F11の算出した相対精度指標とに基づいて、推定誤差を計算し、出力する(S13)。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、基準発電機情報が設定されない場合であっても、電力系統監視装置1Aの内部で基準発電機情報を作り出すことができる。本実施例の基準発電機情報生成部F13が生成する基準発電機情報としての動特性定数は必ずしも正確ではないが、基準発電機情報を外部から得られない場合でも動特性定数を推定でき、さらに動特性定数推定値の精度を計算できる。したがって、ユーザの使い勝手が向上する。
図11,図12を用いて第3実施例を説明する。本実施例では、電力系統監視装置1に、動特性定数の推定値とその誤差をユーザへ提供するための推定情報表示装置9を接続している。
推定情報表示装置9は、電力系統監視装置1から動特性定数推定値および推定誤差を受領して画面に表示する。そして、推定情報表示装置9は、タグ情報を推定情報記録装置7へ出力する。
推定情報表示装置9は、電力系統監視装置1とは別体のコンピュータとして構成してもよいし、電力系統監視装置1の機能として電力系統監視装置1内に設けてもよい。あるいは、推定情報表示装置9は、推定情報記録装置7と一体化してもよい。なお、電力系統監視装置1内に、推定情報記録装置7および推定情報表示装置9を設けてもよい。
図12は、推定情報表示装置9の表示する画面例である。図12(1),(2)の横軸は、時間軸である。図7の処理においてステップS11〜S13を繰り返すたびに時間軸が進む。図12(1)の縦軸は、動特性定数の推定誤差の大きさである。図12(2)の縦軸は、相対精度指標の大きさである。
図12(1)の実線G11,G12は、基準発電機ノードに関する基準推定誤差を示し、点線G13,G14はその他の発電機ノードについて推定誤差計算部F12が計算した推定誤差を示す。図12(2)の太線G11A,G12Aは、基準発電機ノードに関する相対精度指標であり、細線G13A,G14Aは、その他の発電機ノードに関する相対精度指標である。
電力系統監視装置1に入力される電力系統計測値の信号強度の大きさによって、動特性定数の推定誤差と相対精度指標は変化する。よって、推定精度の高い動特性定数推定値を得るには、電力系統計測値の信号強度が大きいタイミングの計算結果を選択的に抽出する必要がある。
その方法として、例えば、推定誤差計算部F12が計算した推定誤差について、図12(1)の画面上で閾値Thを設定してフィルタリングを実施する。これにより、閾値Th以下の推定誤差となった推定値のみを自動的に抽出可能である。
あるいは、図12(2)の時間軸上で、発電機ノードのそれぞれについて相対精度指標が大きな推定結果を選び、それに対応する推定値を抽出することで、相対的に推定精度の高い動特性定数推定値を得ることもできる。
推定精度の高い動特性定数推定値を手動で抽出することもできる。例えば、ユーザ(オペレータ)は、図12(1)の画面上で、基準推定誤差が連続して小さい期間TSを選択する。電力系統監視装置1は、その選択された期間TSにおいて推定誤差が閾値Thより小さい発電機ノード、あるいは相対精度指標が基準発電機ノードよりも大きな発電機ノードに関して、推定値を抽出する。
以上のようにして推定情報表示装置9を用いて、推定値を抽出することができる。抽出された推定値には、タグ情報が付される。抽出された推定値は、タグ情報が付されることにより、推定情報記録装置7において、動特性定数推定値および推定誤差と対応付けて分類される。
電力系統解析装置8は、タグ情報のついた動特性定数推定値を用いることで、系統解析において、より精度の高い動特性定数推定値に基づく計算が可能になる。系統解析には、例えば、電力系統の動揺に関する固有値の解析、動揺抑制のための制御パラメータ設計等がある。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、電力系統計測値の信号強度の強いタイミングで算出された動特性定数推定値を用いて、電力系統を監視することができ、信頼性および使い勝手が向上する。
図13を用いて第4実施例を説明する。本実施例では、電力系統監視装置1の活用例を説明する。
電力系統2の物理量である電力や位相角は、計測装置3で計測される。電力系統監視装置1は、この計測情報と基準発電機情報と電力系統構成情報とを入力として、動特性定数の推定値とその推定誤差を計算する。電力系統監視装置1は、計算結果のうち、精度が高い動特性定数(慣性定数、制動係数、同期化力係数)の推定値を推定情報記録装置7に出力する。
電力系統制御装置10は、推定情報記録装置7に記録された動特性定数を用いて、安定化装置11の制御パラメータを計算して出力する。安定化装置11は、この制御パラメータに基づいて、有効電力や無効電力等を電力系統2に出力する。
このように構成される本実施例では、電力系統監視装置1が電力系統2の動特性定数を常時推定し、その推定値のうち精度の高いものを用いて電力系統制御装置10が安定化装置11の制御パラメータを決定する。したがって、本実施例では、電力系統2の同期安定性を向上できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含むことができる。例えば、上記実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。さらに、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。なお、本実施形態に含まれる技術的特徴は、特許請求の範囲に記載した組合せ以外にも組み合わせることができる。
1,1A:電力系統監視装置、2:電力系統、3:計測装置、4:通信回線、5:電力系統構成情報データベース、6:基準発電機情報設定部、7:推定情報記録装置、8:電力系統解析装置、9:推定情報表示装置、10:電力系統制御装置、11:安定化装置、F10:動特性定数推定部、F11:相対精度計算部、F12:推定誤差計算部、F13:基準発電機情報生成部
Claims (15)
- 電力系統を監視する装置であって、
電力系統から得る計測信号から所定の動特性定数を推定する動特性定数推定部と、
前記動特性定数推定部が推定した動特性定数推定値の精度を示す相対精度指標を、前記計測信号から計算する相対精度計算部と、
基準動特性情報と前記動特性定数推定値と前記相対精度指標とから推定誤差を計算する推定誤差計算部と、
を備える電力系統監視装置。 - 前記相対精度計算部は、前記計測信号の信号強度に基づいて、前記相対精度指標を計算する、
請求項1に記載の電力系統監視装置。 - 前記相対精度計算部は、前記計測信号の信号強度と前記電力系統の動特性を表す微分方程式の係数との積に基づいて、前記相対精度指標を計算する、
請求項1に記載の電力系統監視装置。 - 前記所定の動特性定数は、第1の動特性定数と第2の動特性定数を含んでおり、
前記計測信号は、前記第1の動特性定数の推定に用いる第1の計測信号と、前記第2の動特性定数の推定に用いる第2の計測信号とを含んでおり、
前記相対精度計算部は、前記第1の計測信号の信号強度と前記第2の計測信号の信号強度との大小関係に基づいて、前記相対精度指標を計算する、
請求項1に記載の電力系統監視装置。 - 前記基準動特性情報は、動特性定数の明らかな基準発電機ノードを示す番号と、当該基準発電機ノードが持つ前記動特性定数とを含む、
請求項1に記載の電力系統監視装置。 - 前記基準発電機ノードは、動特性定数のキャリブレーション済の単体発電機ノード、あるいは擬似的に同期発電機の動特性を模擬した分散電源ノードである、
請求項5に記載の電力系統監視装置。 - 前記推定誤差計算部は、
前記動特性定数推定値と前記基準動特性情報とを比較することで、前記基準発電機ノードに関する前記動特性定数の推定誤差である基準推定誤差を計算し、
前記計算した基準推定誤差を前記相対精度指標の関数で表すことで、前記基準発電機ノード以外の他の発電機ノードの前記相対精度指標を推定誤差に換算する、
請求項5に記載の電力系統監視装置。 - 前記動特性定数推定部と、前記相対精度計算部と、前記推定誤差計算部の処理を繰り返して実施しながら、その都度前記推定誤差が最も小さい発電機ノードとその動特性定数推定値とを、前記基準動特性情報に追加する、
請求項7に記載の電力系統監視装置。 - 前記基準動特性情報を前記相対精度指標から計算する基準動特性情報生成部をさらに備える、
請求項1に記載の電力系統監視装置。 - 前記基準動特性情報生成部は、前記相対精度指標の最も良い発電機ノードとその動特性定数とを用いて前記基準動特性情報を生成する、
請求項9に記載の電力系統監視装置。 - 前記動特性定数推定部と、前記相対精度計算部と、前記推定誤差計算部の処理とは繰り返し実施され、
前記基準動特性情報生成部は、前記相対精度指標の平均値が最も良い発電機ノードとその動特性定数とを用いて前記基準動特性情報を生成する、
請求項9に記載の電力系統監視装置。 - 前記相対精度指標と前記推定誤差を表示する推定情報表示装置をさらに備える、
請求項1に記載の電力系統監視装置。 - 複数の前記動特性定数推定値のうち、前記推定情報表示装置の表示する前記推定誤差に対して設定される閾値以下の前記動特性定数推定値を出力する、
請求項12に記載の電力系統監視装置。 - 前記推定情報表示装置の画面上で、前記相対精度指標に閾値を設定することで前記動特性定数推定値のうち精度の高い結果を選択的に出力すること、
請求項12に記載の電力系統監視装置。 - コンピュータを用いて電力系統を監視する方法であって、
前記コンピュータは、
電力系統に設けられる計測装置から計測信号を取得し、
前記計測信号から所定の動特性定数を動特性定数推定値として推定し、
前記動特性定数推定値の精度を示す相対精度指標を前記計測信号から計算し、
前記動特性定数推定値の基準となる基準動特性情報を取得し、
前記基準動特性情報と前記動特性定数推定値と前記相対精度指標とから推定誤差を計算する、
電力系統監視方法。
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