以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、窒化物半導体装置に係る。実施形態に係る窒化物半導体装置は、半導体発光装置、半導体受光装置、及び、電子装置などを含む。半導体発光装置は、例えば、発光ダイオード(LED)及びレーザダイオード(LD)などを含む。半導体受光装置は、フォトダイオード(PD)などを含む。電子装置は、例えば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、電界効果トランジスタ(FET)及びショットキーバリアダイオード(SBD)などを含む。
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る窒化物半導体装置を例示する模式的斜視図である。
図1(a)に示すように、実施形態に係る窒化物半導体装置110は、基板40と、窒化物半導体層15と、を含む。
窒化物半導体層15は、第1面15f(例えばX−Y平面)に沿って広がる。第1面15fは、平面である。窒化物半導体層15の巨視的な主面が、第1面15fに対応する。窒化物半導体層15の主面は、X−Y平面に対して平行である。窒化物半導体層15は、第1領域15aと、第2領域15bと、を含む。
X−Y平面に対して平行な1つの方向をX軸方向とする。X−Y平面に対して平行で、X軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。X−Y平面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。X軸方向を第1方向D1とする。Y軸方向を第2方向D2とする。Z軸方向を第3方向D3とする。
第1領域15a及び第2領域15bのそれぞれは、第1方向D1に沿って延びる。第1方向D1は、第1面15fに対して平行である。第2領域15bは、第1面15f内で、第1領域15aと並ぶ。第2領域15bは、第2方向D2において第1領域15aと並ぶ。第2領域15bは、第1領域15aと接する。
第1方向D1における第1領域15aの長さは、第2方向D2における第1領域15aの長さよりも長い。第1方向D1における第2領域15bの長さは、第2方向D2における第2領域15bの長さよりも長い。
例えば、第1方向D1における第1領域15aの長さは、第3方向D3における第1領域15aの長さよりも長い。例えば、第1方向D1における第2領域15bの長さは、第3方向D3における第2領域15bの長さよりも長い。
第1領域15aと第2領域15bとの間の境界17は、例えば、断面をTEM(透過形電子顕微鏡)による観察を行うことで観測される場合がある。この他、境界17は、表面(第1面15f)を原子間力顕微鏡(AFM)やカソードルミネッセンス(CL)による観察を行うことで観測される場合がある。
窒化物半導体層15は、c軸16を有する。第1領域15aは、c軸16aを有する。第2領域15bは、c軸16bを有する。c軸16aは、c軸16bに対して実質的に平行である。c軸16(c軸16a及びc軸16b)の方向は、例えばX線回折により観測できる。第1領域15aのc軸16aと、第2領域15bのc軸と、は、互いに平行である。TEM像などにおいて、第1領域15aで観察される像の明暗の方向は、第2領域15bで観察される像の明暗の方向に対して平行である。例えば、窒化物半導体層15の巨視的なc軸16の方向がX線回折により観測される。このとき、この巨視的な方向が、c軸16aの方向及びc軸16bの方向と一致するとみなして良い。
窒化物半導体層15のc軸16(c軸16a及びc軸16bのそれぞれ)は、第1方向D1に対して傾斜している。c軸16(c軸16a及びc軸16bのそれぞれ)は、第1方向D1に対して平行ではなく、垂直でもない。
窒化物半導体層15のc軸16(c軸16a及びc軸16bのそれぞれ)は、第2方向D2に対して傾斜している。c軸16(c軸16a及びc軸16bのそれぞれ)は、第2方向D2に対して平行ではなく、垂直でもない。
窒化物半導体層15のc軸16(c軸16a及びc軸16bのそれぞれ)を第1面15fに投影した方向(軸)は、第2方向D2に対して傾斜している。第1領域15aのc軸16aを第1面15fに投影した方向と、第2方向D2と、の間の角度θ2は、例えば、5度以上85度以下である。第2領域15bのc軸16bを第1面15fに投影した方向と、第2方向D2と、の間の角度θ2は、例えば、5度以上85度以下である。
このように、第1領域15aのc軸16a、及び、第2領域15bのc軸16bのそれぞれを第1面15fに投影した方向(軸)のそれぞれは、それらの境界17の延在方向(第1方向D1)に対して傾斜している。第1領域15aのc軸16a、及び、第2領域15bのそれぞれをc軸16bの第1面15fに投影した方向(軸)のそれぞれは、境界17の延在方向(第1方向D1)に対して垂直な第2方向D2に対して傾斜している。
窒化物半導体層15のc軸16(c軸16a及びc軸16bのそれぞれ)は、第3方向D3(第1面15fに対して垂直な方向(軸))と交差する。窒化物半導体層15のc軸16は、第3方向D3に対して、実質的に垂直、または、傾斜している。
この例では、窒化物半導体層15のc軸16(c軸16a及びc軸16bのそれぞれ)は、第1面15fに対して傾斜する。第1領域15aのc軸16aと、第1面15fと、の間の角度θ1は、0度以上85度以下である。第2領域15bのc軸16bと、第1面15fと、の間の角度θ1は、例えば、0度以上85度以下である。主面15fは、例えばc面とは異なる。主面15fは、c面にオフ角を設けた結晶面(オフ基板、ミスカット基板)とは、異なる。例えば、主面15fは、半極性面である。または、例えば、主面15fは、非極性面である。
このような窒化物半導体層15は、斜面を有する基板40を用いた結晶成長により、得られる。
図1(b)は、基板40を例示する模式的斜視図である。
基板40は、主面40aを有する。主面40aは、基板40の巨視的な主面である。主面40aは、第1面15fに対して、実質的に平行である。基板40は、主面40aに沿って広がる。
主面40aは、上面40u(頂面)と、複数の斜面41と、を含む。複数の斜面41のそれぞれは、上面40uに対して傾斜する。巨視的な主面40aは、上面40uに対して平行であると見なす。複数の斜面41は、第1面15fに対して傾斜している。複数の斜面41は、第2方向D2において並ぶ。
斜面41は、例えば、斜面41aと、斜面41bと、を含む。斜面41bは、第2方向D2において斜面41aと離間する。
複数の斜面41(例えば、斜面41a及び斜面41b)のそれぞれの第1方向D1に沿った長さは、複数の斜面41(斜面41a及び斜面41b)のそれぞれの第2方向D2に沿った長さよりも長い。複数の斜面41(例えば、斜面41a及び斜面41b)のそれぞれの第1方向D1に沿った長さは、複数の斜面41(斜面41a及び41b)のそれぞれの第3方向D3に沿った長さよりも長い。
窒化物半導体層15は、これらの複数の斜面41から成長されている。この窒化物半導体層15のc軸16は、基板40の上面40u(主面40a)に対して傾斜している。このc軸16は、第3方向D3(上面40uに対して垂直な方向)と交差する。
この例では、基板40は、複数の凹部45を有する。複数の凹部45は、第2方向D2において並ぶ。複数の斜面41のそれぞれは、複数の凹部45のそれぞれの側面の一部である。
例えば、複数の凹部45は、第1凹部45aと第2凹部45bとを含む。第1凹部45a及び第2凹部45bは、第1方向D1に沿って延在する。複数の凹部45(第1凹部45a及び第2凹部45bなど)のそれぞれの第1方向D1の長さは、複数の凹部45のそれぞれの第2方向D2の長さよりも長い。複数の凹部45(第1凹部45a及び第2凹部45bなど)のそれぞれの第1方向D1の長さは、複数の凹部45のそれぞれの第3方向D3の長さよりも長い。
第1凹部45aは、側面46asと側面46arと底面46atとを有する。側面46arは、側面46asと対向する。底面46atは、側面46as及び側面46arと接続される。
第2凹部45bは、側面46bsと側面46brと底面46btとを有する。側面46brは、側面46bsと対向する。底面46btは、側面46bs及び側面46brと接続される。
側面46as、側面46ar、側面46bs及び側面46brは、第1方向D1に対して平行である。
側面46asと側面46bsとの間に、側面46arが配置される。側面46arと側面46brとの間に側面46bsが配置される。側面46asと側面46arとは、互いに向かい合う。側面46bsと側面46brとは、互いに向かい合う。
この例では、側面46arは、側面46asに対して実質的に平行である。側面46brは、側面46bsに対して実質的に平行である。
このように、基板40において、複数の凹部45のそれぞれは、互いに向かい合う第1側面及び第2側面を含む。第1側面は、例えば、側面46as及び側面46bsである。第2側面は、例えば、側面46ar及び側面46brである。
複数の斜面41のそれぞれは、複数の凹部45のそれぞれの第1側面(側面46as及び側面46bs)である。
この例では、第2側面(側面46ar及び側面46brなど)は、第1側面(側面46as及び側面46bs)に対して平行である。
実施形態においては、後述するように、凹部45の延在方向(第1方向D1)を、基板40の結晶方位に対して所定の角度で傾斜させる。すなわち、斜面41(例えば、側面46as及び側面46bs)の延在方向(第1方向D1)を、基板40の結晶方位に対して所定の角度で傾斜させる。このような斜面41から結晶成長させることで、窒化物半導体層15のc軸16は、第2方向D2に対して傾斜する。
そして、斜面41は、第3方向D3に対して傾斜している。斜面41から成長した窒化物半導体層15において、c軸16は、第3方向D3に対して交差する。c軸16は、第3方向D3に対して傾斜する。
このような基板40の斜面41(例えば、側面46as及び側面46bs)から結晶成長させることで、実施形態に係る窒化物半導体層15が得られる。
基板40には、例えば、シリコン、サファイア、スピネル、GaAs、InP、ZnO、Ge、SiGe及び、SiCのいずれかが用いられる。例えば、基板40の格子定数が、窒化物半導体層15の格子定数とは異なる。基板40の熱膨張係数は、窒化物半導体層15の熱膨張係数とは異なる。
基板40が、窒化物半導体層15とは異なる格子定数及び熱膨張係数の少なくともいずれかを有するときには、基板40の反りが大きくなりやすい。基板40の反りが過度に大きくなると、クラックが生じやすい。
一方、主面がc面の窒化物半導体層においては、ヘテロ構造を形成した場合に、大きな分極電界が生じ、装置の性能に影響を与える。主面がc面とは異なる面(半極性面または無極性面)である場合は、例えば、機能層に生じる内部電界が抑制され、装置の性能が向上する。しかしながら、半極性面や無極性面の結晶を、格子定数または熱膨張係数の異なる基板上に形成した場合には、基板の反りやクラックが特に発生しやすいことが分かった。
本願発明者の検討によると、このような反りやクラックの発生は、窒化物半導体層の特性のX−Y平面内の異方性に依存することが分かった。例えば、窒化物半導体層において、a軸方向の熱膨張係数は、c軸方向の熱膨張係数とは異なる。このとき、半極性面や無極性面の結晶を用いた場合は、X−Y平面内に、a軸の成分とc軸の成分と、が存在する。このため、X−Y平面内の2つの方向の熱膨張係数が、互いに異なる。すなわち、熱膨張係数に面内の異方性が生じる。このため、反りにも異方性が生じ易くなる。1つの方向における反りが大きくなる。このため、特にクラックが生じやすくなる。
実施形態においては、窒化物半導体層15のc軸16は、第3方向D3と交差する。すなわち、窒化物半導体層として、半極性面または無極性面の窒化物半導体を用いる。これにより、内部電界が抑制される。例えば、機能層に生じる内部電界が抑制される。このとき、窒化物半導体層15のc軸16を、第1方向D1に対して傾斜させる。これにより、例えば、熱膨張係数の面内異方性が抑制される。これにより、反りが抑制され、クラックも抑制される。装置の特性を向上させつつ、生産において高い歩留まりが得られる。
窒化物半導体層15は、複数の斜面41のそれぞれから成長した結晶が合体して形成される。複数の結晶のそれぞれが、複数の領域(例えば第1領域15a及び第2領域15bなど)のそれぞれとなる。これらの複数の領域の境界17において、結晶が合体する。結晶が合体する境界17においては、応力が生じる。例えば、境界17と交差する方向に引っ張り応力が生じる。もし、境界17において、熱膨張係数の異方性が大きい場合は、境界17において、1つの方向に大きな応力が加わる。その結果、反りやクラックが生じやすい。
本実施形態に係る窒化物半導体層15においては、2つの領域(例えば第1領域15a及び第2領域15b)の境界17の延在方向(第1方向D1)に対して、c軸16を傾斜させる。すなわち、第2方向D2に対して、c軸16を傾斜させる。これにより、境界17において生じる熱膨張係数の異方性を小さくできる。実施形態によれば、応力が緩和され、反りが抑制でき、クラックが抑制できる。
実施形態によれば、高生産性の窒化物半導体層及び窒化物半導体装置が得られる。
熱膨張係数の異方性については、後述する。
図2は、第1の実施形態に係る窒化物半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2に示した例では、窒化物半導体層15は、例えば、下地層50と、機能層10と、を含む。この例では、窒化物半導体層15は、バッファ層60をさらに含む。
基板40は、例えば、(113)面のシリコン基板である。
基板40は、複数の凹部45を有する。複数の凹部45のそれぞれには、複数の斜面41が設けられる。
基板40の一部(複数の斜面41)の上にバッファ層60が設けられる。バッファ層60の上に下地層50が設けられる。下地層50の上に機能層10が設けられる。基板40の上に、バッファ層60、下地層50、及び、機能層10がこの順で順次形成される。これらの形成においてエピタキシャル成長が行われる。バッファ層60、下地層50及び機能層10は、窒化物半導体である。
基板40の凹部45を除く上面40uに、マスク層64が設けられても良い。マスク層64には、例えば、酸化シリコン膜(SiO2)や窒化シリコン膜(SiNx)が用いられる。マスク層64の上の少なくとも一部の上には、バッファ層60が設けられない場合がある。バッファ層60の上、及び、マスク層64の上に、下地層50が設けられる。
バッファ層60は、例えば、AlN層を含む。AlN層の厚さは、例えば約100ナノメートル(nm)である。AlN層は、基板40に接する。
バッファ層60は、GaNを含んでも良い。バッファ層60としてGaNを用いる場合、GaN層の厚さは、例えば、約30nmである。バッファ層60には、窒化物半導体の混晶(例えば、AlGaNまたはInGaNなど)を用いても良い。
AlNにおいては、シリコンとの化学的反応が生じにくい。基板40にシリコン基板を用いる場合、AlNをシリコン基板と接するバッファ層60として用いる。これにより、例えば、シリコンとガリウムとの反応によって生じるメルトバックエッチングなどが抑制される。
バッファ層60において、AlN層は、単結晶であることが好ましい。AlNを1000℃以上の高温でエピタキシャル成長させることで、単結晶のAlN層を形成できる。
シリコンと窒化物半導体との間の熱膨張係数の差は大きい。基板40としてシリコン基板を用いる場合、窒化物半導体との熱膨張係数差は、他の材料と比べて大きい。このため、エピタキシャル成長後に生じる基板40の反りが大きくなり、特にクラックが生じやすい。
例えば、単結晶のAlNのバッファ層60を用いることで、エピタキシャル成長中に窒化物半導体中に応力を形成することができる。これにより、成長終了後の基板40の反りを抑制できる。
バッファ層60(AlN層)には、引っ張り応力(歪み)が形成されていることが好ましい。AlN層に引っ張り応力(歪み)が形成されることで、基板40とバッファ層60との界面での欠陥形成が抑制される。
下地層50は、例えばGaN層を含む。下地層50は、インジウム(In)を含んでも良い。下地層50がInを含むことで、下地層50と基板40(例えばシリコン基板)との格子不整合が緩和され、転位の発生が抑制される。下地層50がInを含む場合、結晶成長中にInの脱離反応が発生しやすい。In組成比を0.5以下とすることが好ましい。これにより、平坦性の良い下地層50を得ることができる。
下地層50は、基板40の複数の凹部45の側面(斜面41)のそれぞれから選択的に成長される。隣接する凹部45の側面のそれぞれから成長された複数の結晶(GaN結晶)が会合する。複数の結晶が合体する。成長を続けると、GaN結晶の上面(第1面15f)は、平坦になり、基板40の上面40u(主面40a)に対して平行になる。
例えば、基板40として、(113)面のシリコン基板を用いる場合には、窒化物半導体層15の(11−22)面が、第1面15fに対して平行になる。すなわち、(11−22)面が、基板40の上面40u(主面40a)に対して平行となる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、第1面15fに対して垂直な軸(Z軸)と、の間の角度は、約58度である。すなわち、窒化物半導体層15のc軸16と、第1面15fと、の間の角度θ1は、約32度である。
このように、凹凸(複数の凹部45)が形成された基板40を用い、凹部45の側面上に、選択的に窒化物半導体結晶を成長させる。これにより、窒化物半導体層15(例えば下地層50)のc軸16は、基板40の上面40u(主面40a)に対して傾斜する。
機能層10におけるc軸は、下地層50におけるc軸に対して、実質的に平行である。従って、機能層10のc軸16は、第2方向D2に対して傾斜する。機能層10のc軸16は、第3方向D3(上面40uに対して垂直な方向)に対して傾斜する。
この例では、窒化物半導体装置110は、発光装置である。機能層10は、例えば、第1半導体層11と、活性層13(例えば発光層)と、第2半導体層12と、を含む。第2半導体層12と基板40との間に第1半導体層11が配置される。第2半導体層12は、第3方向D3において、第1半導体層11と離間している。第2半導体層12と第1半導体層11との間に活性層13が配置される。第1半導体層は第1導電形である。第2半導体層は第2導電形である。第1導電形は、例えばn形であり、第2導電形は、例えばp形である。
活性層13は、複数の障壁層と、複数の障壁層の間に設けられた井戸層と、を含む。障壁層には、例えばGaNが用いられる。井戸層には、例えば、InGaN(例えば、In0.15Ga0.85N)が用いられる。活性層13は、MQW(Multi-Quantum Well)構造、または、SQW(Single-Quantum Well)構造を有する。機能層10の厚さは、例えば1マイクロメートル(μm)以上5μm以下であり、例えば約3.5μmである。機能層10の厚さは、例えば約2μmでも良い。
この例では、基板40の上に、第1半導体層11、活性層13及び第2半導体層12がこの順で積層されている。
この明細書において、積層されている状態は、互いに接して重ねられる状態、及び、間に他の層が挿入されて重ねられる状態を含む。上に設けられる状態は、直接接して設けられる状態、及び、間に他の層が挿入されて設けられる状態を含む。
後述するように、窒化物半導体装置110において、基板40と、バッファ層60と、下地層50と、が除去された状態で使用される場合がある。
例えば、機能層10の少なくとも一部(例えば第1半導体層11及び第2半導体層12の少なくともいずれか)における不純物濃度は、下地層50における不純物濃度よりも高い。
図3(a)〜図3(c)は、第1の実施形態に係る窒化物半導体装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図3(a)に示すように、基板40を用意する。例えば、基板40には、例えば、(113)面のシリコン基板が用いられる。シリコン基板のオリエンテーションフラットの方位は、例えば、<−110>方向である。シリコン基板の上に、マスク層64となる酸化シリコン膜64fが形成されている。酸化シリコン膜64fは、例えば、熱酸化膜である。酸化シリコン膜64fの厚さは、例えば、約100ナノメートル(nm)である。酸化シリコン膜64fの上に、所定の形状のレジスト膜65を形成する。レジスト膜65の形状は、例えば、ストライプ状である。ストライプの延在方向を、基板40の結晶方位に対して所定の角度で傾斜させる。ストライプの延在方向は、シリコンの<21−1>方向から、<110>方向に、所定の角度で傾斜する。傾斜の角度は、5度以上85度以下である。
レジスト膜65の幅(ストライプの延在方向に対して直交する方向の長さ)は、例えば約3μmである。レジスト膜65の開口部の幅(複数のストライプどうしの間隔)は、例えば約7μmである。ストライプの周期は、例えば約10μmである。
レジスト膜65をマスクとして、開口部の酸化シリコン膜64fを除去する。除去においては、例えば、バッファードフッ酸を用いたエッチングが行われる。除去の前に、O2アッシャ処理を行っても良い。親水性が向上し、エッチングの均一性が向上する。酸化シリコン膜64fの一部の除去の後に、レジスト膜65を除去する。これにより、マスク層64が形成される。
図3(b)に示すように、マスク層64をマスクとして用いて、基板40を加工する。すなわち、基板40に複数のストライプ状の凹部45を形成する。この加工においては、例えば、水酸化カリウム(KOH)溶液(25wt%、45℃)を用い、例えば15分間の処理が行われる。シリコンのエッチングレートの異方性により、凹部45の側面は、Z軸に対して傾斜する。すなわち、斜面41が形成される。シリコンをKOH溶液でエッチングする場合、シリコンの(111)面のエッチングレートが他の結晶面に比べて遅いため、シリコンの(111)面が斜面41として形成されやすい。この加工において、ドライエッチング処理を用いて斜面41を形成しても良い。
これにより、側面が傾斜した複数の凹部45を有する基板40が得られる。凹部45の側面(側壁)の一部は、シリコンの(1−11)面となる。この側面(斜面41)は、基板40の上面40uの(113)面に対して傾斜する。側面(斜面41)と、(113)面との間の角度は、約58.5度である。この斜面41(すなわち、(1−11)面)から窒化物結晶が成長される。側面(側壁)の一部は、(1−11)面に限らず、(11−1)面や(−11−1)面などの(111)面と等価な結晶面(ミラー指数の包括表現で{111}面で表される結晶面)であれば良い。シリコンの(111)面と等価な結晶面を形成することで、窒化物結晶の結晶成長が可能となる。
図3(c)に示すように、基板40の斜面41の上に、バッファ層60を形成する。さらに、バッファ層60の上に、下地層50を形成し、下地層50の上に、機能層10をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長の例について、以下説明する。
例えば、斜面41が形成された上記の基板40を、有機洗浄及び酸洗浄によって処理する。この後、基板40をMOCVD装置の反応室内に導入する。トリメチルアルミニウム(TMAl)及びアンモニア(NH3)を用い、バッファ層60となるAlN層を形成する。バッファ層60の厚さは、約100nmである。
その後、窒素及び水素を含む雰囲気にて、TMGa及びアンモニアを用い、下地層50の一部となるアンドープのGaN層を成長させる。このときの成長温度は約1060℃であり、成長圧力は600hPaであり、V/III比は、3300である。このアンドープのGaN層は、凹部45の側面(側壁)である(1−11)面(すなわち斜面41)から成長する。
これにより、c軸16が基板40の上面40u(主面40a)に対して垂直な方向から58.5度傾斜したGaN結晶が得られる。すなわち、GaN層のc軸16と、上面40uと、の間の角度θ1は、31.5度である。
アンドープGaN層の成長初期では、アンドープGaN層は、ストライプ状の結晶である。成長時間を長くすることで、隣り合うストライプ状の結晶が会合する。これにより、アンドープGaN層の主面(表面)は、(11−22)面となる。
さらに結晶成長を続け、下地層50が形成される。この上に、第1半導体層11、活性層13及び第2半導体層12を形成して、機能層10が形成される。これにより、窒化物半導体装置110が得られる。
以下、窒化物半導体層15に関する実験結果の例について説明する。
この実験においては、基板40に形成される凹部45の延在方向(第1方向D1)を変更する。すなわち、レジスト膜65のストライプの延在方向を変更する。レジスト膜65のストライプの延在方向と、シリコンの<21−1>方向と、の角度を変更する。第1試料においては、レジスト膜65のストライプの延在方向は、シリコンの<21−1>方向に対して平行である(傾斜角度は0度)。第2試料においては、レジスト膜65のストライプの延在方向は、シリコンの<21−1>方向から、<110>方向に13度傾斜する(傾斜角度は13度)。第3試料においては、レジスト膜65のストライプの延在方向は、シリコンの<21−1>方向から、<110>方向に18度傾斜する(傾斜角度は18度)。
第1〜第3試料においては、レジスト膜65の幅は、約3μmである。レジスト膜65の開口部の幅は、約7μmである。ストライプの周期は、約10μmである。
このような3種類の基板40の上に、バッファ層60としてAlN層を形成し、さらに、下地層50のGaN層を形成する。その際、GaN層の成長時間を変化させて、GaN層の成長の様子が観察される。成長時間が90分間のときに、GaN層の厚さは、約2μmである。
図4(a)〜図4(c)は、窒化物半導体装置に関する実験結果を例示する電子顕微鏡写真像である。
図4(a)〜図4(c)のそれぞれは、上記の第1試料SP10、第2試料SP20及び第3試料SP30のそれぞれに対応する。これらの電子顕微鏡写真は、基板40の上面40u(主面40a)に対して垂直な方向(第3方向D3)から観察したSEM像である。これらの例では、GaN層の成長時間が30分であり、GaN層の成長の途中の段階である。すなわち、凹部45の複数の側面のそれぞれから成長した複数の結晶が合体する前の状態である。
図4(a)に示すように、基板40の凹部45と、上面40u(マスク層64)と、下地層50の一部となる成長初期のGaN層51と、が観察される。このGaN層51は、凹部45に沿ったストライプ状である。
第1試料SP10においては、凹部45の延在方向(第1方向D1)は、<21−1>方向に沿っている。この場合、GaN層51のc軸をX−Y平面(第1面15fすなわち、基板40の上面40u)に投影した方向16pは、凹部45の延在方向(第1方向D1)に対して垂直な方向(第2方向D2)に沿う。第1試料SP10においては、GaN層51のc軸は、凹部45の延在方向に対して垂直となる。GaN層51の表面において、稜線52(段差)が観察される。稜線52は、凹部45の延在方向(第1方向D1)に対して垂直な方向(第2方向D2)に沿う。稜線52は、結晶表面の凹凸に由来する。この稜線52の延在方向は、方向16pに沿っている。
図4(b)に示すように、第2試料SP20(傾斜角が13度)においては、GaN層51のc軸をX−Y平面に投影した方向16pは、凹部45の延在方向(第1方向D1)に対して垂直な方向(第2方向D2)に対して傾斜する。方向16pと第2方向D2との間の角度は、傾斜角と同じであり、13度である。稜線52の延在方向と、第2方向D2と、の間の角度は、13度である。
図4(c)に示すように、第3試料SP30(傾斜角が18度)においても、GaN層51のc軸をX−Y平面に投影した方向16pは、凹部45の延在方向(第1方向D1)に対して垂直な方向(第2方向D2)に対して傾斜する。方向16pと第2方向D2との間の角度は、傾斜角と同じであり、18度である。稜線52の延在方向と、第2方向D2と、の間の角度は、18度である。
図4(b)及び図4(c)に示す例と同様に、例えば、主面15fに対して垂直な方向(第3方向D3)から観察したSEM像において、稜線52の延在方向と第2方向D2との間の角度が分かる。この角度により、方向16pが第2方向D2に対して傾斜していることが判断できる。
図5(a)及び図5(b)は、窒化物半導体装置に関する実験結果を例示する電子顕微鏡写真像である。
図5(a)及び図5(b)は、以下の第4試料SP11及び第5試料SP31のそれぞれに対応する。これらの試料においては、レジスト膜65の幅は、約2.5μmである。レジスト膜65の開口部の幅は、約2.5μmである。ストライプの周期は、約5μmである。すなわち、第4試料SP11及び第5試料SP31においては、レジスト膜65のストライプの周期は、第1〜第3試料SP10〜SP30に比べて短い。
第4試料SP11においては、レジスト膜65のストライプの延在方向は、シリコンの<21−1>方向に対して平行である(傾斜角度は0度)。第5試料SP31においては、レジスト膜65のストライプの延在方向は、シリコンの<21−1>方向から、<110>方向に18度傾斜する(傾斜角度は18度)。
第4試料SP11及び第5試料SP31においては、GaN層51の成長時間は、60分であり、第1〜第3試料SP10〜SP30に比べて長い。
図5(a)に示すように、第4試料SP11においては、成長時間を60分とすることで、隣り合うストライプ状のGaN結晶どうしが会合し、GaN層51(下地層50)が得られる。会合後に成長されたGaN層51の厚さは、約2.5μmである。GaN層51の主面(表面)は、(11−22)面である。このGaN層51を成長させた後に室温にすると、クラックCRが発生する。クラックCRの延在方向は、凹部45の延在方向(第1方向D1)に対して垂直である。クラックCRは、第2方向D2に沿って延在する。クラックCRは、複数のGaN結晶が合体する境界に対して垂直な方向に延在する。第1方向D1に沿うクラックは、観察されない。複数のクラックCRの間隔(第1方向D1における間隔)は、約500μmである。
図5(b)に示すように、第5試料SP31においても、成長時間を60分とすることで、隣り合うストライプ状のGaN結晶どうしが会合し、GaN層51(下地層50)が得られる。GaN層51の主面(表面)は、(11−22)面である。このGaN層51を成長させた後に室温にしても、クラックCRは観測されない。
このように、凹部45の延在方向(第1方向D1)を、基板40の結晶方位に対して所定の角度で傾斜させることで、クラックCRが抑制できる。この例では、凹部45の延在方向を、基板40の<2−11>方向から傾斜させる。GaN層51のc軸の方位を、基板40の上面40u(主面40a)に対して平行な面内(X−Y面内)で回転できる。c軸の方位を、凹部45の延在方向に対して垂直な方向(第2方向D2)から回転することで、クラックCRが抑制できる。
図6(a)〜図6(d)は、窒化物半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図6(a)は、基板40の凹部45の延在方向(第1方向D1)を変えたときの、シリコン基板とGaN層との熱膨張係数の差を例示している。シリコン基板の主面は、(113)面である。GaN層の主面は、(11−22)面である。横軸は、第1方向D1と、シリコンの<21−1>方向と、の間の角度(傾斜角α)である。縦軸は、熱膨張係数差ΔCである。熱膨張係数差ΔCは、基板40の上面40u(主面40a)に対して平行な2つの方向で異なる。差ΔC1は、凹部45の延在方向(第1方向D1)における熱膨張係数の差である。差ΔC2は、凹部45の延在方向に対して垂直な方向(第2方向D2)における熱膨張係数の差である。傾斜角αは、方向16pと第2方向D2との間の角度に対応する。
図6(b)は、基板40の凹部45の延在方向(第1方向D1)を変えたときの、シリコン基板とGaN層との熱膨張係数の差を例示している。シリコン基板の主面は、(001)面である。GaN層の主面は、(10−11)面である。の場合、c軸16とGaN層の主面との間の角度θ1は、約32度である。横軸は、第1方向D1とシリコンの<−110>方向と、の間の角度(傾斜角α)である。縦軸は、熱膨張係数差ΔCである。
図6(c)は、基板40の凹部45の延在方向(第1方向D1)を変えたときの、シリコン基板とGaN層との熱膨張係数の差を例示している。シリコン基板の主面は、(110)面である。GaN層の主面は、(11−20)面である。この場合、c軸16とGaN層の主面との間の角度θ1は、約0度である。横軸は、第1方向D1とシリコンの<−112>方向と、の間の角度(傾斜角α)である。縦軸は、熱膨張係数差ΔCである。
図6(d)は、基板40の凹部45の延在方向(第1方向D1)を変えたときの、シリコン基板とGaN層との熱膨張係数の差を例示している。シリコン基板の主面は、(112)面である。GaN層の主面は(10−10)面である。この場合、c軸16とGaN層の主面との間の角度θ1は、約0度である。横軸は、第1方向D1とシリコンの<−110>方向と、の間の角度(傾斜角α)である。縦軸は、熱膨張係数差ΔCである。
シリコンの熱膨張係数は、例えば、3.59×10−6(/K)である。GaNのa軸方向の熱膨張係数は、例えば、5.59×10−6(/K)である。GaNのc軸方向の熱膨張係数は、例えば、3.17×10−6(/K)である。傾斜角αを変えることで、第1方向D1における、GaNのa軸方向の成分及びc軸方向の成分の大きさが変化する。連動して、第2方向D2における、GaNのa軸方向の成分及びc軸方向の成分の大きさが変化する。
図6(a)において、傾斜角αが0度の場合は、凹部45の延在方向(第1方向D1)が、<21−1>方向に沿う場合に対応する。この場合には、熱膨張係数の差ΔC1は、約56%と大きい。このため、第1方向D1に対して直交する第2方向D2に沿って、クラックCRが生じると考えられる。
傾斜角αが0度の場合において、熱膨張係数の差ΔC2の絶対値は、約2%と小さい。このため、第1方向D1に沿ったクラックは生じ難いと考えられる。
シリコンの熱膨張係数は、GaNのa軸方向の熱膨張係数と、GaNのc軸方向の熱膨張係数と、の間である。このため、積層方向(第3方向D3)に対してc軸を傾斜させることで、GaNのa軸とシリコンとの間の熱膨張係数差と、GaNのc軸とシリコンとの間の熱膨張係数差と、が互いに補償するように作用する。その結果、熱膨張係数差の総和が小さくなる。その結果、凹部45の延在方向に対して垂直な方向には、クラックが生じ難いと考えられる。
図6(a)に示すように、傾斜角αが大きいと、差ΔC1は小さくなる。これは、GaNのc軸を第1方向D1に投影した成分が大きくなるためである。傾斜角αが18度の場合は、差ΔC1は、約48%となる。すなわち、傾斜角αが0度の場合に比べて、差ΔC1は、10%程度小さくなる。これにより、クラックの形成が抑制されると考えられる。
一方、傾斜角αが18度の場合、差ΔC2は、増大し、約4%となる。すなわち、熱膨張係数差の異方性(差ΔC1と差ΔC2との間の差)が小さくなる。これにより、反りの異方性が抑制される。
図6(b)〜図6(d)においても、同様に、傾斜角αが大きいと、差ΔC1は小さくなる。一方、差ΔC2は増大し、熱膨張係数差の異方性(差ΔC1と差ΔC2との間の差)が小さくなる。傾斜角αを大きくすることで、第2方向D2に沿った反りやクラックCRを抑制できる。
傾斜角αは、5度以上85度以下であることが好ましい。傾斜角αが5度よりも小さい、または85度よりも大きい場合には、熱膨張係数差(差ΔC1及び差ΔC2)の、傾斜角αが0度のときの値からの変化が1%未満である。このため、反りやクラックの抑制の効果が不十分である。傾斜角αは、13度以上がさらに好ましい。熱膨張係数差の異方性が小さくなり、クラックが抑制される。傾斜角αは、45度以下がさらに好ましい。窒化物結晶がc軸配向成長しやすくなり、結晶性が高くなる。傾斜角αは、c軸16をGaN層の主面に投影した方向と、第2方向D2と、の間の角度に対応する。
このように、窒化物半導体層15のc軸16のX−Y平面に投影した方向を、第2方向D2に対して傾斜させることで、熱膨張係数差の異方性が抑制できる。これにより、基板40の反りが抑制できる。クラックCRを抑制できる。
実施形態において、窒化物半導体層15のc軸16は、第3方向D3(すなわち、積層方向)に対して傾斜する。これにより、窒化物半導体層15に生じる内部電界を抑制でき、特性が向上できる。例えば、窒化物半導体層15を用いた発光装置において、発光効率が向上できる。特性の向上とともに、反りを抑制し、クラックを抑制し、高い生産性が得られる。
図7(a)〜図7(d)は、窒化物半導体装置を例示する電子顕微鏡写真像及び模式図である。
図7(d)は、上記の第3試料SP30の基板40を例示する模式的平面図である。図7(a)〜図7(c)は、図7(d)のA1−A2線断面の電子顕微鏡写真像である。
図7(d)に示すように、基板40は、シリコンのウェーハであり、オリエンテーションフラット47を有する。オリエンテーションフラット47と、凹部45の延在方向(第1方向D1)との間の角度βは、約17度である。
図7(a)〜図7(c)に示すように、複数の凹部45が形成される。凹部45は溝状である。基板40の上面40uと、側面46asの下端と、の距離d1は、約2.7μmである。基板40の上面40uと、側面46arの下端と、の距離d2は、約2.2μmである。基板40の上面40uには、マスク層64のシリコン酸化膜が形成されている。
実施形態において、基板40に設けられる複数の凹部45のそれぞれの深さは、0.3μm以上3μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、0.5μm以上0.9μm以下である。凹部45の深さは、距離d1である。これにより底面46atからの成長が抑制され、側面46asからの成長が支配的になりやすく、窒化物結晶の成長の選択性が向上する。
複数の凹部45のそれぞれの間の上面40uの第2方向D2の長さL1(レジスト膜65の幅に対応)は、約1μmである。複数の凹部45のそれぞれの深さ(距離d2)は、上面40uの第2方向D2の長さL1の0.3倍以上3倍以下である。これにより、側面46asからのGaN層の成長が支配的になりやすく、メルトバックエッチングが抑制されやすくなる。さらに好ましくは、0.5倍以上0.9倍以下である。窒化物結晶の成長の結晶性が向上する。
図8(a)〜図8(d)は、窒化物半導体装置を例示する電子顕微鏡写真像である。
これらの図は、第3試料SP30の基板40を用いて、窒化物半導体層15(GaN層51)を成長させた試料の電子顕微鏡写真像である。図8(b)〜図8(d)は、図8(a)に示す部分p1、部分p2及び部分p3のそれぞれの拡大像である。
基板40の凹部45の内側の表面にバッファ層60(AlN層)が成長する。窒化物結晶の結晶成長において、凹部45の内部に原料ガスが進入(気相拡散)する。これにより、凹部45の側面46as、側面46ar、及び、底面46atの上にAlN層が成長する。
凹部45の深さが深くなりすぎると、原料ガスが侵入(気相拡散)せず、底面46atの上にAlN層が成長しにくくなる。この場合には、凹部45の底面46atからメルトバックエッチングが生じやすくなる。そのため、凹部45の深さは、AlN層が成長する深さであることが好ましい。凹部45の深さは、0.3μm以上3μm以下であることが好ましい。
そして、このAlN層の上にGaN層51が成長する。図8(a)において、AlN層の被覆性は良好であり、AlN層によりシリコンが覆われる。GaN層51と基板40(シリコン)との間でメルトバックエッチングは、生じていない。シリコンの基板40に接して、AlN層を形成することが望ましい。図8(a)に示すように、側面46asの下端と、の距離d1は、約2.8μmである。基板40の上面40uと、側面46arの下端と、の距離d2は、約2.3μmである。複数の凹部45のそれぞれの深さ(距離d2)は、上面40uの第2方向D2の長さL1の約3倍である。底面46atからの成長が抑制され、側面46asからの成長が支配的となる。凹部45の深さが浅くなりすぎると、底面46atからの成長が生じ、側面46asからの成長が阻害され、結晶品質が低下する。
図9(a)〜図9(j)は、窒化物半導体装置を例示する電子顕微鏡写真像及び模式的斜視図である。
図9(b)、図9(c)、図9(e)、図9(g)、図9(i)の例において、図中の点線は側面46asを示している。これら例においては、側面46asは、シリコンの{111}面に実質的に対応する。
図9(a)及び図9(b)の例では、基板40の上面40uは、シリコンの(111)面である。この時、窒化物半導体層15(例えばGaN層51)のc軸16は、基板40の上面40uに対して実質的に垂直である。窒化物半導体層15のc面は、上面40uに対して実質的に平行である。
図9(c)及び図9(d)の例では、基板40の上面40uは、シリコンの(112)面である。この時、窒化物半導体層15(例えばGaN層51)のc軸16は、基板40の上面40uに対して平行である。窒化物半導体層15のm面((10−10)面)は、上面40uに対して実質的に平行である。
図9(e)及び図9(f)の例では、基板40の上面40uは、シリコンの(113)面である。この時、窒化物半導体層15(例えばGaN層51)のc軸16は、基板40の上面40uに対して傾斜する。窒化物半導体層15の(11−22)面は、上面40uに対して実質的に平行である。
図9(g)及び図9(h)の例では、基板40の上面40uは、シリコンの(001)面である。この時、窒化物半導体層15(例えばGaN層51)のc軸16は、基板40の上面40uに対して傾斜する。窒化物半導体層15の(10−11)面は、上面40uに対して実質的に平行である。
図9(i)及び図9(j)の例では、基板40の上面40uは、シリコンの(110)面である。この時、窒化物半導体層15(例えばGaN層51)のc軸16は、基板40の上面40uに対して実質的に平行である。窒化物半導体層15のa面((11−20)面)は、上面40uに対して実質的に平行である。
このように、基板40として用いるシリコン基板の面方位を変えることで、窒化物半導体層15の上面(第1面15f)の面方位、及び、c軸16の方向が、制御できる。
既に説明したように、例えば、(113)面のシリコン基板を用いる場合には、窒化物半導体層15の(11−22)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uに対して垂直な軸と、の間の角度は、約58度である。言い換えれば、c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、約32度である。
例えば、基板40として、(001)面で、<110>方向に向かって約8度傾斜させたシリコン基板を用いても良い。この場合には、窒化物半導体層15の(10−11)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uに対して垂直な軸と、の間の角度は、約62度である。c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、約28度である。
例えば、基板40として、(112)面のシリコン基板を用いても良い。この場合には、窒化物半導体層15の(10−10)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uと、の間の角度は、実質的に0度である。c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、実質的に0度である。
例えば、基板40として、(110)面のシリコン基板を用いても良い。この場合には、窒化物半導体層15の(11−20)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uと、の間の角度は、実質的に0度である。c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、実質的に0度である。
実施形態において、基板40として、サファイア基板を用いても良い。
例えば、基板40として、r面((1−102)面)のサファイア基板を用いても良い。この場合には、窒化物半導体層15の(11−22)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uに対して垂直な軸と、の間の角度は、約58度である。c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、約32度である。
例えば、基板40として、n面((11−23)面)のサファイア基板を用いても良い。この場合には、窒化物半導体層15の(10−11)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uに対して垂直な軸と、の間の角度は、約62度である。c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、約28度である。
例えば、基板40として、a面((11−20)面))のサファイア基板を用いても良い。この場合には、窒化物半導体層15の(10−10)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uと、の間の角度は、実質的に0度である。c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、実質的に0度である。
例えば、基板40として、m面((10−10)面)またはc面((0001)面)のサファイア基板を用いても良い。この場合には、窒化物半導体層15の(11−20)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uと、の間の角度は、実質的に0度である。c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、実質的に0度である。
例えば、基板40として、c面((0001)面)のサファイア基板を用いても良い。この場合には、窒化物半導体層15の(11−20)面が、基板40の上面40uに対して平行になる。このとき、窒化物半導体層15のc軸16と、基板40の上面40uと、の間の角度は、実質的に0度である。c軸16と第1面15fとの間の角度θ1は、実質的に0度である。
基板40の面方位によって、窒化物半導体層15の第1面15f(主面)の結晶面を変化させることができる。
例えば、実施形態において、窒化物半導体層15の第1面15fは、(11−22)面、(10−11)面、(11−20)面、及び、(10−10)面のいずれかに対して平行である。窒化物半導体層15の表面に凹凸などが形成される場合、第1面15fが、(11−22)面、(10−11)面、(11−20)面、及び、(10−10)面のいずれかに対して平行な部分を含む場合がある。
図10(a)〜図10(d)は、第1の実施形態に係る窒化物半導体装置を例示する模式的断面図である。
これらの例においては、窒化物半導体装置は、発光装置(例えばLED)である。
図10(a)に示す窒化物半導体装置121においては、基板40の上に下地層50(例えばGaN層)が設けられ、下地層50の上に、機能層10が設けられる。機能層10は、第1半導体層11、第2半導体層12及び活性層13に加えて、低不純物濃度層11iをさらに含む。低不純物濃度層11iは、第1半導体層11と下地層50との間に配置される。低不純物濃度層11iにおける不純物濃度は、第1半導体層11における不純物濃度よりも低い。低不純物濃度層11iには、例えば、アンドープのGaNが用いられる。
この例では、第1半導体層11は、第1部分11aと第2部分11bとを含む。第2部分11bは、第1面15fに対して平行な面内で、第1部分11aと並ぶ。第2半導体層12は、第3方向D3において、第1部分11aと離間する。第2半導体層12と第1部分11aとの間に活性層13が配置される。
第1電極11eと、第2電極12eと、が設けられる。第1電極11eは、第1半導体層11の第2部分11bと電気的に接続される。第2電極12eは、第2半導体層12と電気的に接続される。
第1電極11eと第2電極12eとの間に電圧を印加することで、活性層13に電流が供給され、活性層13から光が放出される。
図10(b)に示す窒化物半導体装置122においては、窒化物半導体層15が形成された後に、基板40及び下地層50が除去されている。この例では、保持部70が設けられている。第1電極11eと保持部70との間に、第2電極12eが設けられる。第1電極11eと第2電極12eとの間に機能層10が設けられる。
図10(c)に示す窒化物半導体装置123においても、基板40と下地層50が除去されている。第1半導体層11の第1部分11aと保持部70との間に第2半導体層12が配置される。第2半導体層12と保持部70との間に第2電極12eが配置される。保持部70は、第2電極12eと電気的に接続される。第1部分11aと第2半導体層12との間に活性層13が配置される。第1半導体層11の第2部分11bと保持部70との間に第1電極11eが設けられる。第1電極11eと保持部70との間に絶縁層75が設けられる。第1電極11eは、活性層13、第2半導体層12、第2電極12e及び保持部70と、電気的に絶縁される。
図10(d)に示す窒化物半導体装置124においても、基板40と下地層50が除去されている。この例では、保持部70は、第1電極11eと電気的に接続される。第2電極12eと保持部70との間に絶縁層75が設けられる。第1電極11e及び保持部70は、活性層13、第2半導体層12及び第2電極12eと、電気的に絶縁される。
図11は、第1の実施形態に係る別の窒化物半導体装置を例示する模式的断面図である。
この例の窒化物半導体装置131は、HEMT(High Electron Mobility Transistor)装置である。窒化物半導体装置131においては、機能層10は、第1層81と、第2層82と、を含む。窒化物半導体装置131には、ゲート電極85と、ソース電極83と、ドレイン電極84と、が設けられる。
第2層82は、第1層81と基板40との間に設けられる。
第2層82には、例えばアンドープのAlαGa1−αN(0≦α≦1)が用いられる。第1層81には、例えばアンドープまたはn形のAlβGa1−βN(0≦β≦1、α<β)が用いられる。例えば、第2層82にはアンドープのGaN層が用いられ、第1層81にはアンドープまたはn形のAlGaN層が用いられる。
ゲート電極85、ソース電極83及びドレイン電極84と、基板40と、の間に、機能層10が配置される。これらの電極は、X−Y平面内に並ぶ。ゲート電極85は、ソース電極83とドレイン電極84との間に配置される。ソース電極83及びドレイン電極84は、第1層81とオーミック接触する。ゲート電極85は、例えば、第1層81とショットキー接触する。
第1層81の格子定数は、第2層82の格子定数よりも小さい。これにより、第1層81に歪みが生じる。ピエゾ効果により、第1層81内にピエゾ分極が生じる。第2層82のうちの第1層81との界面付近に、2次元電子ガス82gが形成される。
窒化物半導体装置131においては、ゲート電極85に印加する電圧を制御することで、ゲート電極85の下の2次元電子ガス82gの濃度が変化し、ソース電極83とドレイン電極84との間に流れる電流が制御される。
このように、この例の窒化物半導体装置131は、基板40及び窒化物半導体層15に加え、第1電極(ソース電極83)と、第2電極(ドレイン電極84)と、第3電極(ゲート電極85)と、をさらに含む。これらの電極と、基板40と、の間に窒化物半導体層15が配置される。窒化物半導体層15(例えば機能層10)は、第1層81と、第2層82と、を含む。第1層81と基板40との間に第2層82が配置される。第1層81の格子定数は、第2層82の格子定数よりも小さい。
窒化物半導体装置131においては、実施形態に係る窒化物半導体層15を用いることで、反りが抑制され、クラックCRが抑制できる。
このように、実施形態に係る窒化物半導体装置は、窒化物半導体層15を含む。この窒化物半導体層15は、基板40の上に形成される。この基板40は、主面40aに沿って広がる。主面40aは、上面40uと、複数の斜面41と、を含む(図1(b)参照)。複数の斜面41は、上面40uに対して傾斜する。上面40uに対して平行な第1方向D1における複数の斜面41のそれぞれの長さは、上面40uに対して平行で第1方向D1に対して垂直な第2方向D2における複数の斜面41のそれぞれの長さよりも長い。複数の斜面41は、第2方向に並ぶ。このような、基板40の複数の斜面41から、窒化物半導体層15は成長される。窒化物半導体層15のc軸16は、第2方向D2に対して傾斜している。c軸16は、上面40uに対して垂直な第3方向D3と交差する。例えば、c軸16は、第3方向D3に対して傾斜する。
c軸16と上面40uとの間の角度は、0度以上85度以下である。c軸16を上面40uに投影した方向と、第2方向D2と、の間の角度は、5度以上85度以下である。
例えば、基板40がシリコン基板の場合、基板40の上面40uは、シリコンの(113)面、(001)面、(112)面、及び、(110)面のいずれかに対して平行である。
基板40の面方位は厳密面に限らず、指数が入れ替わった等価面でも良い。例えば、シリコンの(113)面の場合、(11−3)面や(311)面などでも良い。すなわち、(113)面と等価な面を含むミラー指数の包括表現である{113}面で表される結晶面であれば良い。
図12は、窒化物半導体装置を例示する電子顕微鏡写真像である。
図12には、電子線回折法などを用いて測定されたc軸16を示している。図12は、第1方向D1の方向に観察した断面TEM像である。
図12には、転位18が観察されている。c軸16と、転位18の方向と、は、ほぼ平行である。転位18の方向は、c軸16である。例示した転位18は、斜面41を起点に伸びている。転位18の方向は、操作が加わらない限り、窒化物結晶内で変化しない。斜面が見られない場合でも、転位18の方向は、c軸16である。
図12に示すように、積層欠陥19が観察されている。積層欠陥19は、c軸に対して垂直な方向に沿って延びる。したがって、積層欠陥19は、窒化物結晶の主面(第1面15f)と交差する。積層欠陥19は、境界17の領域に、主に形成される。例えば、斜面が観察されない場合において、積層欠陥19の方向及び転位18の方向などから、c軸16及び境界17が判断できる。例えば、積層欠陥19が主面と交差することにより、c軸16が、上面40uに対して垂直な第3方向D3と交差していることが判断できる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、窒化物半導体層の製造方法に係る。
図13は、第2の実施形態に係る窒化物半導体層の製造方法を例示するフローチャート図である。
本製造方法においては、基板40を用意する(ステップS110)。この基板40は、主面40aを有する。主面40aは、上面40uと、複数の斜面41と、を含む。複数の斜面41は、上面40uに対して傾斜する。上面40uに対して平行な第1方向D1における複数の斜面41のそれぞれの長さは、上面40uに対して平行で第1方向D1に対して垂直な第2方向D2における複数の斜面41のそれぞれの長さよりも長い。複数の斜面41は、第2方向D2に並ぶ。
本製造方法においては、複数の斜面41から、エピタキシャル成長により、窒化物半導体層15を成長させる(ステップS120)。
窒化物半導体層15のc軸16は、第1方向D1に対して傾斜する。c軸16は、第2方向D2に対して傾斜する。c軸16は、上面40uに対して垂直な第3方向D3と交差する。例えば、c軸16は、第3方向D3に対して傾斜する。
本製造方法によれば、反りが抑制でき、クラックCRが抑制できる。
実施形態に係る窒化物半導体層、窒化物半導体装置及び窒化物半導体層の製造方法において、窒化物半導体層15の成長方法には、例えば、有機金属気相堆積(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法、有機金属気相成長(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)法、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法、及び、ハライド気相エピタキシー(Halide Vapor Phase Epitaxy:HVPE)法などを用いることができる。
実施形態によれば、高生産性の窒化物半導体層、窒化物半導体装置及び窒化物半導体層の製造方法が提供できる。
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、窒化物半導体装置に含まれる窒化物半導体層、基板、バッファ層、下地層、半導体層、活性層及び電極などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した窒化物半導体層、窒化物半導体装置及び窒化物半導体層の製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての窒化物半導体層、窒化物半導体装置及び窒化物半導体層の製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。