JP6373925B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電源から変換した直流電源を主の負荷に供給する他に、出力電流の制御用にも供給する電源装置に関する。
この種の電源装置に関して、主の負荷となるLEDに直流電流を供給するDC/DCコンバータの他に、スイッチング素子の駆動を制御する出力制御部に制御電圧を供給する補助電源部を備えたLED電源装置の先行技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この先行技術は、スイッチング素子のスイッチング動作によって第1のコンデンサの電圧を変圧して第2のコンデンサに充電し、第2のコンデンサからLEDに直流出力を供給する。スイッチング素子の駆動状態は出力制御部によって制御されており、DC/DCコンバータは、出力制御部からの制御信号に応じてスイッチング素子を駆動してLEDに供給する直流出力を制御しつつ、出力制御部にも二次側で補助的に制御電圧を供給している。出力制御部は直流出力の電流を検出し、電流検出値が基準値を超える場合は一次側の駆動制御ICに対してPWM制御のデューティを減少させる出力制御信号を送り、逆に電流検出値が基準値に満たない場合はデューティを増加させる出力制御信号を送ることで直流出力を定電流に制御する。
上記のように、出力制御部の電源は二次側で補助的に供給されているため、LED消灯時のように入力電源がオフになると、二次側補助電圧の急激な低下に伴って出力制御信号のレベルも低下する。このとき、一次側の駆動制御ICは瞬間的にPWM制御のデューティを急激に増加させるため、これが消灯時にLEDの閃光となって現れることとなる。そこで先行技術は、補助電源部による制御電圧の供給能力が低下した場合に第2のコンデンサから補助電源部に電流を供給することで、出力制御信号のレベルが急激に低下するのを押さえ、消灯時の閃光が現れるのを防止している。
特開2015−176777号公報
上記の先行技術によれば、入力電源の遮断時における二次側電源の供給能力の低下を補償することで、一時的な出力制御の動作不具合を解消することができると考えられる。
しかしながら、その一方で二次側の補助電源は入力電源の遮断時だけでなく、その投入時(電源装置の起動時)においても供給能力が不安定化することがあり、特に起動時に補助電源の供給が不安定化すると、出力制御の動作がなかなか安定せずに出力電流がオーバシュートする可能性がある。出力制御の動作を安定化させるためには、補助電源の供給能力をいち早く安定化させる必要があるが、起動時には補助電源自体の動作もままならない状態であるため、先行技術のようにコンデンサ等が充電完了していることを前提にした手法は採用できない。
そこで本発明は、電源装置の起動時における動作不具合を防止する技術を提供するものである。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
本発明の電源装置は、主電源回路及び補助電源回路を備えた構成である。主電源回路は、交流電源を直流電源に変換して主の負荷に供給するものであり、補助電源回路は、主電源回路とは別に電源を別の直流電源に変換する。また電源装置は、出力制御の構成として出力電流検出部、主電源制御部及び出力電流制御部を備える。出力電流検出部は、主電源回路からの出力電流を検出し、主電源制御部は、補助電源回路から電力の供給を受けて動作し、出力電流検出部の検出結果に基づいて主電源回路による変換の動作を制御(例えば一次側のスイッチング素子等をPWM制御)する。出力電流制御部は、出力電流検出部の検出結果に基づいて行われる主電源制御部の制御に関する出力電流の基準を設定する。したがって、出力電流の検出結果が基準を超えていれば、主電源制御部は電力の出力を抑制し(例えばPWM制御のデューティを減少させ)、逆に基準を下回っていれば出力電流を補う(例えばPWM制御のデューティを増加させる)制御を行う。
本発明の電源装置は、外部電源供給部の構成をも備える。外部電源供給部は、補助電源回路からの電力を主電源制御部とは並列に分配することで、主の負荷とは別の外部負荷に供給するものである。外部負荷は、例えば電源装置に外付けされる付属的な負荷(外部コントローラ等)であり、こうした外部負荷への電力の供給は、二次側の補助電源を分配することで行われる。
ここで、電源装置の起動時において実際に外部負荷が接続されている場合、補助電源回路からの電力は主電源制御部の動作用だけでなく、外部負荷への供給用にも分配されることになる。この場合、補助電源回路の動作が安定化する前に供給能力が外部負荷に侵食され、本来の安定した動作状態に移行することが困難になるか、もしくは動作の安定化までに余計な時間を要する。一方で、補助電源回路の動作が安定しない間は、主電源制御部の動作もまた不安定となるため、主電源回路の出力電流もまた不安定となる可能性がある。その結果、主の負荷に供給する出力電流がオーバシュートしたり、外部負荷に供給する出力電圧にジッタが生じたりする可能性がある。
このような不具合の解消のため、本発明の電源装置は、初期動作指定部の構成を備える。初期動作指定部は、電源の供給開始に伴い主電源回路及び補助電源回路による定常の動作が開始されるまでの初動期間において、主電源制御部に対して出力電流制御部が設定する出力電流の基準を出力電流検出部の検出結果に基づく定常時の制御とは別の初期基準に設定するとともに、外部電源供給部による電力の供給開始を待機させるものである。
これにより、電源の供給が開始された直後は、出力電流の検出結果に基づいてリアルタイムに基準を設定する制御は行わず、予め動作が安定化するまでの時間を見越した初期基準を設定して出力電流が制御されるので、オーバシュートの発生等を確実に押さえることができる。また、電源の供給を開始してすぐのタイミングでは外部負荷への出力電流の供給が行われないので、補助電源回路の供給能力がいきなり侵食されることがなく、その動作が安定化するまでの猶予を充分に確保することができる。
本発明の電源装置は、外部信号出力部、入力部及び基準設定部の構成をさらに備えてもよい。外部信号出力部は、外部環境の変化に応じて外部信号を出力するものであり、入力部は、外部信号出力部から出力される外部信号を出力電流制御部にて入力するものである。また、基準設定部は、入力部にて入力された外部信号に基づいて出力電流制御部が設定する出力電流の基準を変化させるものである。このとき初期動作指定部は、補助電源回路が安定した状態になるまでは外部電源供給部による出力電流の可変動作の待機を継続させることとしている。
外部信号は外部環境の変化に応じて出力され、電源装置の定常的な動作中は外部信号に基づいて出力電流の基準を変化させることで、外部環境の変化に適合した負荷の動作(例えば、周囲の明るさに応じたLEDの調光等)を実現することができる。通常、外部環境の変化はある程度緩やかであると想定されるため、入力される外部信号が極短時間内で大きく変化したり、入力が途切れ途切れとなったりするようなことは通常は起こりにくい。ところが、電源装置の起動時である初動期間内には、補助電源回路の動作が安定しないだけでなく、外部信号の入力状態もまた安定していないことが多く、その場合、上記のように入力される外部信号が極短時間内で大きく変化したり、入力が途切れ途切れとなったりすることもあり得る。
そこで、起動時は、制御する出力電流の閾値を補助電源回路が安定して起動する閾値で起動し、不安定な状態にある間は、基準設定部により出力電流の基準を変化させることはせず、引き続き外部電源供給部による電力の供給開始を待機させることで、補助電源回路の動作が安定化するのに必要な準備期間を確保することができる。
また、初期動作指定部は、初動期間内に入力部にて入力される外部信号が不安定な状態にあるか否かを定期的に確認し、不安定な状態であることを所定回数以上にわたり確認するか、外部信号が安定な状態であることを所定回数確認すると外部電源供給部による電力の供給を開始させることとしてもよい。
このような態様であれば、補助電源回路の動作が安定化するのに充分な準備時間が確保されたと判断することができる。これにより、不用意に外部負荷への出力電流の供給開始が遅れるのを防止し、電源装置の起動後から適度に早期のタイミングで外部負荷を動作させることができる。
好ましくは、初期動作指定部は、外部電源供給部による電力の供給を開始させた後も、初動期間内に補助電源回路から主電源制御部に対する電力の供給状態を維持することが可能となる出力電流の基準を初期基準として設定していることとする。
このような態様であれば、例えば実際に電源装置に外部負荷が接続されていることを予め想定し、その上で初動期間内に外部電源供給部による電力の供給が開始されたとしても、補助電源回路の供給能力が不用意に浸食されることなく、安定して主電源制御部を動作させることができる。これにより、初動期間内から主電源回路の出力電流の制御を安定して実現しつつ、オーバシュートの発生や補助電源回路の出力電圧にジッタが生じるのを確実に防止することができる。
本発明によれば、電源装置の起動時における動作不具合を防止することができる。
電源装置の構成を概略的に示す回路図である。 電源装置における制御上の構成を概略的に示すブロック図である。 電源装置の起動時に発生し得る動作不具合を各種電圧の時間的な変化で示した図である。 メイン制御処理の手順例を示したフローチャートである。 タイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。 電源装置の初動期間内で動作が安定化される様子を各種電圧の時間的な変化で示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下では、電源装置を定電流型LED用電源として構成した実施形態を例に挙げて説明するが、本発明はこのような形態に限るものではない。
図1は、電源装置100の構成を概略的に示す回路図である。なお、図1の回路図においては、いくつかの電気的構成はブロック要素として簡略化して示されている。
電源装置100は、外部入力端子102及び負荷出力端子104を有しており、外部入力端子102には、図示しない外部電源(例えばAC+200V等)が接続されるものとなっている。また、負荷出力端子104には、例えば主な負荷となるLED照明装置106を接続することができる。
〔主電源回路〕
電源装置100は主電源回路110を有しており、主電源回路110は、図示しない外部電源から供給される電源を主電源回路110により変換し、定電流制御された出力電流をLED照明装置106に供給する。主電源回路110は、例えば一次側及び二次側の巻線112,114を備えたトランス116を有するほか、一次側のスイッチング素子118(MOSFET)、ダイオード121、コンデンサ122等から構成されている。この他にも主電源回路110には適宜、図示しない各種の電子部品が必要に応じて用いられている。
〔主電源制御部〕
電源装置100は2次側制御部120及び1次側制御部140を備えており、これらの構成により、電源装置100は主電源回路110の出力電流を定電流制御することができる。また、2次側制御部120と1次側制御部140とはフォトカプラ123,142の対を介して接続されており、2次側制御部120からの制御信号がフォトカプラ123,142を通じて1次側制御部140に伝達されるものとなっている。なお、2次側制御部120の周辺には適宜、フォトカプラ123の駆動用に抵抗126が接続されている。
〔出力電流検出部〕
また、主電源回路110の出力電流は出力電流検出部124で検出され、その検出信号(検出結果)は2次側制御部120に入力されている。
〔出力電流制御部〕
電源装置100は出力電流制御部130を備えており、出力電流制御部130は、例えば制御IC(マイコン)を実装した電子機器として搭載されている。出力電流制御部130は、出力電流の検出結果に基づいて2次側制御部120が制御信号を出力する際の基準(閾値)を2次側制御部120に対して設定する。すなわち、出力電流検出部124で検出された出力電流が基準(閾値)を超えていれば、2次側制御部120は1次側制御部140に対して通電デューティを減少させる制御信号を送り、逆に出力電流が基準(閾値)を下回っていれば、2次側制御部120は通電デューティを増加させる制御信号を送る。
1次側制御部140は、2次側制御部120から受け取った制御信号に基づいてスイッチング素子118を駆動制御し、巻線112における入力電流を制御する。すなわち、1次側制御部140は通常、目標の通電デューティを実現するべくMOSFET118をPWM制御しているが、2次側制御部120からの制御信号が通電デューティを減少させるものであれば、現在よりPWM信号のパルス幅を減少させ、逆に制御信号が通電デューティを増加させるものであれば、PWM信号のパルス幅を増加させる。これにより、主電源回路110で変換すべき出力電流の目標値に応じて制御される結果、主電源回路110の出力電流は、出力電流制御部130が設定する基準に応じて定電流制御されることになる。
〔外部信号出力部〕
また、電源装置100は調光外部信号出力部132を備えている。この調光外部信号出力部132は、例えば図示しないフォトトランジスタを内蔵しており、電源装置100がLED照明機器106とともに設置される場所の周辺環境(明るさ等)に応じて調光外部信号を生成する。調光外部信号出力部132は、生成した調光外部信号(例えば2値信号)を出力電流制御部130に対して出力する。出力電流制御部130は、入力された調光外部信号に応じて2次側制御部120に対する基準(閾値)の設定を変化させることができる。
〔補助電源回路〕
その他に電源装置100は、内部動作用に補助電源回路150を備えている。補助電源回路150は、例えば一次側及び二次側の巻線152,154、ダイオード158、コンデンサ160等から構成されている。この他にも補助電源回路150には適宜、図示しない各種の電子部品が必要に応じて用いられている。なお、一次側及び二次側の巻線152,154は主電源回路110のトランス116とコアを共有しており、これにより一次側の巻線152は、例えば1次側制御部140の駆動に必要な電力を供給し、二次側の巻線154は、2次側制御部120をはじめ出力電流制御部130、調光外部信号出力部132等の駆動に必要な電力を供給することができる。また、二次側の巻線154に発生する電力は三端子レギュレータ162で調整された後に2次側制御部120や出力電流制御部130、調光外部信号出力部132等に供給される。
〔外部電源供給部〕
さらに電源装置100は、外部コントロール用電源部170を備えており、この外部コントロール用電源部170は、補助電源回路150からの電力を2次側制御部120とは並列に分配して外部負荷に供給することができる。すなわち、電源装置100には予め外部コントロール用端子172が設けられており、この外部コントロール用端子172に様々な外付けの電子機器(外部負荷)を接続して利用することができる。例えば、電源装置100に外部コントロール制御部174を接続することで、電源装置100あるいはLED照明装置106に付加的な外部コントロール機能(例えば無線LAN接続機能、人感センサ連動ON/OFF機能等)を持たせることができる。このように電源装置100は、主の負荷であるLED照明装置106だけでなく、他の外部負荷に対する電力の供給をも行うことができる。
図2は、電源装置100における制御上の構成を概略的に示すブロック図である。図2中、図1に示した構成と同じ構成には同じ符号を付している。
〔出力電流制御系〕
上記のように、電源装置100の主な出力電流の制御については、2次側制御部120を中心とした制御系の構成が機能している。すなわち、出力電流検出部124からのフィードバック信号(検出電流)を2次側制御部120で受信し、参照する基準(閾値)と比較した結果に基づいて1次側制御部140に制御信号を送っている。これを受けて1次側制御部140が入力電力をPWM制御し、結果的に電源装置100からの出力電流が定電流制御されることになる。このため2次側制御部120には、予め基準値(閾値)を設定しておくための記憶部120aが設けられている。
〔アプリケーション制御系〕
上述した出力電流の制御系に対し、内部変数である基準(閾値)の可変制御については、出力電流制御部130を中心とした制御ICを用いたアプリケーションの構成が機能している。すなわち、出力電流制御部130は、制御ICとして図示しないCPUを有する他、基準(閾値)設定部130a及び初期動作指定部130b(初期基準(閾値)記憶部)を有している。このうち基準(閾値)設定部130aは、電源装置100の定常動作時において基準(閾値)をリアルタイムに(予め設定されたスケジュールでもよい)設定し、その設定信号を2次側制御部120に送信して記憶部120aに反映させている。これにより、2次側制御部120において基準(閾値)の設定が動的に可変制御されることになる。一方、初期動作指定部130bは、電源装置100の起動時において初期基準(閾値)を一時的に2次側制御部120に対して送信し、起動時に参照する初期基準(閾値)を記憶部120aに反映させている。なお、具体的な制御手法についてはさらに後述する。
また、出力電流制御部130は、外部コントロール用電源部170(外部電源供給部)に対する動作制御をも行っている。具体的には、電源装置100の起動時において出力電流制御部130は、初期動作指定部130bにより外部コントロール用電源部170に対する動作の可否信号(Disable/Enable)を送信し、外部負荷に対する電力の供給開始タイミングを制御している。なお、具体的な制御手法については後述する。
その他に、出力電流制御部130はインタフェースとしての入力部130c及び出力部130dを有している。上記の調光外部信号出力部132からの調光外部信号は、入力部130cを通じて出力電流制御部130に入力されており、2次側制御部120や外部コントロール用電源部170に対しては、出力部130dを通じて基準(閾値)設定部130aや初期動作指定部130bからそれぞれ信号が出力されている。
ここで、外部コントロール制御部174のような外部負荷を電源装置100に接続して利用するか否かは任意であり、外部負荷の有無は電源装置100の使用場所や用途、運用形態等によって異なるし、どのような外部負荷を接続するかも任意である。ただし、実際に外部負荷が接続されているのと接続されていないのとでは、電源装置100の起動時(入力電流の供給開始時)における動作の安定に大きな違いが生じることになる。すなわち、外部負荷が接続されている場合、電源装置100の起動時から外部負荷にも出力電流を供給している分、補助電源回路150の動作が不安定なまま供給能力が大きく侵食され、2次側制御部120や出力電流制御部130等の動作に不具合が生じる。この結果、メインの負荷に供給する出力電流にオーバシュートが発生したり、あるいは、補助電源回路150の出力電圧にジッタが発生したりすることがある。以下、この点について説明する。
〔起動時の動作不具合〕
図3は、電源装置100の起動時に発生し得ると考えられる動作不具合を各種電圧の時間的な変化で示した図である。なお、図3の電圧変化はシミュレーションにより得られるものであり、実際の電源装置100において観測された結果ではない。
〔時刻t1〜t2〕
先ず、時刻t1で電源装置100に電源の供給を開始した場合を考える。なお、図中の時刻t1以前の変化はあくまで参考とする。
図3中(A):主電源回路110のハード構成(巻線112,114の比等)により、時刻t1からある程度の電圧レベルで出力電流が発生する。
図3中(B):2次側の補助電源回路150についても、そのハード構成によって出力電圧が時刻t1〜時刻t2にかけて発生するが、本来所望する程度の電圧レベルには達していない。
図3中(C):1次側制御部140によるPWM信号は、出力電流制御部130の制御ICが初期化処理(ROM設定の読み込み)を行っている関係上、時刻t1〜時刻t2の期間内は本来の出力信号とは言えない(参考値)。
図3中(D):外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電圧は、補助電源回路150からの出力電圧が本来の電圧レベルに達していないため、時刻t1〜時刻t2の期間内ではほとんど電圧レベルが立ち上がっていない。
〔時刻t2〜t3〕
図3中(B):例えば時刻t2において、2次側制御部120の出力電流が所望の電圧レベル(例えば+5V以上)に達したとする。この場合の電圧レベルは、主電源回路110の出力電流(図3中(A))を上回ることがある。
図3中(D):時刻t2で2次側制御部120の出力電流が所望の電圧レベルに達したことに伴い、外部コントロール用電源部170から外部負荷に供給される出力電圧レベルも時刻t2から所望に立ち上がっていく。
図3中(C):時刻t2〜時刻t3の期間において、1次側制御部140によるPWM信号は、2次側制御部120の基準(閾値)が初期状態で最小(例えば0mA)に設定されているものとして出力される。すなわち、出力電流の基準(閾値)が最小であるため、2次側制御部120からの制御信号は当初デューティを全く増加させなくする方向に振れており、PWM信号は本来想定されるような矩形波とならない。
〔補助電源回路150の動作不安定化〕
次に、起動時において補助電源回路150の出力電圧が不安定となる現象について説明する。
(1)図3中(B):時刻t2で補助電源回路150の出力電圧は電圧レベルが一度大きく立ち上がるが(1つ目のピーク参照)、上記のように外部コントロール用電源部170から外部負荷に供給される出力電圧の電圧レベルも立ち上がるため、これによって補助電源回路150の供給能力が大きく浸食される(1つ目のピーク以降、それまでの電圧レベルが急激に下方へ引っ張られている)。
(2)図3中(D):一方、外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電圧は補助電源回路150の供給能力に依存しているため、補助電源回路150の供給能力が侵食されて電圧レベルが低下すると、これに連動して外部負荷への出力電圧も電圧レベルが低下する。
(3)図3中(B):すると、それまで侵食されていた補助電源回路150の供給能力が一時的に回復するため、再び補助電源回路150の出力電圧は電圧レベルが上昇に転じていく(1つ目のピーク以降の立ち上がりエッジ参照)。
(4)図3中(D):これにより、外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電圧もまた電圧レベルが回復に転じるため(2つ目のピーク参照)、せっかく回復した補助電源回路150の供給能力を再び浸食することになる。
以後、時刻t3まで上記(1)〜(4)に近似する事象が周期的に繰り返される結果、補助電源回路150による出力電圧の電圧レベルが極めて不安定となる現象(ジッタ)が発生する。
〔オーバシュートの例〕
なお、ここでは時刻t2〜時刻t3の期間において、2次側制御部120の基準(閾値)が初期状態で最小(例えば0mA)に設定されているものとしてPWM信号を出力する例を挙げているが、これとは別に基準(閾値)を最大(例えば定格の最大許容値)に設定することも考えられる。この場合、出力電流の基準(閾値)が最大であるため、2次側制御部120からの制御信号は当初デューティを最大に増加させる方向に振れる結果、PWM信号は本来想定される矩形波に比較してパルス幅が拡大される。その結果、主電源回路110の出力電圧は電圧レベルが急激に上昇することとなるが、そうすると今度は最大基準(閾値MAX)をも超えてしまうため、一時的にオーバシュートとなる。この後、2次側制御部120の制御信号はデューティを減少させる方向に逆振れし、PWM信号のパルス幅が縮小されてオーバシュートは収束する。
図3中(C):時刻t2〜時刻t3の期間において、時間の経過に伴い、出力電流制御部130は調光外部信号に応じて2次側制御部120の基準(閾値)を設定するはずであるが、2次側制御部120を駆動する補助電源回路150の出力電圧が安定していないため、基準(閾値)の設定が不完全なままとなる(基準が最小値から更新されない)。このため、依然として1次側制御部140のPWM信号が正規の矩形波を示すことができない。
図3中(A):したがって、入力電流のPWM制御が安定しない間は、主電源回路110の出力電圧も本来の電圧レベルに到達することができていない。
〔時刻t3以降〕
図3中(C):時刻t3で2次側制御部120の基準(閾値)が正しく設定されると、ここから1次側制御部140によるPWM信号が本来の波形で出力を開始する。
図3中(A):これにより、入力電流のPWM制御が安定して行われる結果、主電源回路110の出力電圧も本来の電圧レベルに到達することができる。
図3中(B):補助電源回路150の出力電圧は負荷レベルの変動に応じて電圧レベルが変化するが、時刻t3以降では不安定な現象(ジッタ)は見られない。
図3中(D):補助電源回路150の供給能力が安定化したことに伴い、時刻t3以降は外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電圧の電圧レベルもようやく安定する。
以上のように、電源装置100は起動からある程度の時間(時刻t1〜時刻t3)を置けば、最終的に安定した動作状態に遷移することは可能であるものの、特に時刻t2〜時刻t3の初動期間において極端に不安定な挙動を示すことがわかる。これが2次側制御部120の出力電流が不安定となるだけならまだしも、本実施形態のように外部負荷を接続して運用する態様の場合、初動期間において外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電圧が乱高下(図3中(D))してしまうと、外部負荷が周期的にON−OFFを繰り返すこととなるため、極端な場合は外部負荷にダメージを与えることにもなりかねない。
そこで本実施形態では、電源装置100の起動時において出力電流制御部130が初期動作に適した処理(プログラム)を実行し、初動期間内での動作が不安定化するのを防止している。以下、初期動作時の処理について説明する。
図4は、出力電流制御部130の制御ICが実行するメイン制御処理の手順例を示したフローチャートである。このメイン制御処理は、電源装置100に対する電源の供給が開始(いわゆる電源投入)され、補助電源回路150から電力が供給されたことで出力電流制御部130の制御ICが起動すると開始されるものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS100:出力電流制御部130の制御ICは、内部的にタイマ割込を許可(開始)する。タイマ割込を許可している間、制御ICは周期的(例えば1ms毎)にタイマ割込を発生させ、メイン制御処理とは別途のタイマ割込処理を実行する。なお、タイマ割込処理の詳細についてはさらに後述する。
ステップS102:出力電流制御部130の制御ICは、初期動作安定用のPWM信号出力を2次側制御部120に指定する。具体的には、2次側制御部120が行う制御上の基準(閾値)を初動期間に適した初期基準に設定することで、1次側制御部140が出力するPWM信号を初期動作の安定に適した波形にする。なお、初期基準や初期動作安定用のPWM信号についてはさらに後述する。
ステップS103:また、出力電流制御部130の制御ICは、外部コントロール用電源部170から外部負荷への電力の供給を初期状態では無効にしている(初期動作指定部)。なお、ハード構成上、外部コントロール用電源部170に出力有効(エネーブル)信号が入力されるまでの間は外部負荷に電力が供給されない場合、このようなステップをプログラム上に置かなくてもよい。
ステップS104:制御ICは、現在がタイマ割込の許可中であるか否かを確認する。ここでは先のステップS100で既にタイマ割込を許可した後であるため(Yes)、制御ICはこのステップS104を引き続きループする。そして以降、制御ICはタイマ割込を禁止(終了)するまでステップS104(Yes)をループし続ける。そして、別途のタイマ割込処理の中でタイマ割込を禁止(終了)すると(No)、制御ICはステップS106以降を実行する。
ステップS106:出力電流制御部130の制御ICは、定常動作開始用設定値確認処理を実行する。この処理では、制御ICは電源装置100が定常動作を開始するにあたって必要な設定値を確認する。具体的には、予め内蔵ROM等に記憶されている出力電流の基準(閾値)を読み出し、その基準を2次側制御部120に設定する。
〔メインループに移行〕
ステップS108:出力電流制御部130の制御ICは、ここからメインループに移行し、設定値確認処理を実行する。この処理では、制御ICは調光外部信号出力部132からの調光外部信号を参照しつつ、2次側制御部120に設定するべき基準(閾値)を定常的に確認する。例えば、外部環境の変化に伴い、調光外部信号が変化(例えば、暗い→明るいに変化)すると、出力電流制御部130の制御ICはLED照明装置の調光レベルを「高」にするための基準(「高」の閾値)を内蔵ROMから読み出す。
ステップS110:そして制御ICは、読み出した基準(「高」の閾値)を2次側制御部120に設定することで、新たに設定した基準に応じた制御信号に基づいて2次側制御部120による制御を行う。これにより、1次側制御部140によるPWM信号をLED照明装置106の調光レベルを「高」に合わせたデューティに制御することができる。
なお、ここでは調光レベルを「高」にする例について説明したが、逆に調光外部信号の変化(例えば明るい→暗いの変化)に応じて調光レベルを「低」にする場合、先のステップS108で出力電流制御部130の制御ICは調光レベル「低」の基準(「低」の閾値)を読み出し、ステップS110で新たな基準を2次側制御部120に設定する。そして、2次側制御部120は新たに設定された基準に応じた制御信号を1次側制御部140に送ることで、1次側制御部140は、LED照明装置106の調光レベルを「低」に合わせたデューティでPWM信号を出力する。
以後は出力電流制御部130が上記のステップS108,S110を繰り返すことで、調光外部信号に応じた設定値を確認しつつ、PWM信号を出力させて主電源回路110の出力電流を定常的に制御することができる。なお、この間は出力電流検出部124からの電流検出信号が2次側制御部120で参照されることになる。
〔タイマ割込処理〕
図5は、出力電流制御部130の制御ICが実行するタイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。上記のようにタイマ割込は、制御ICがメイン制御処理内のステップS104をループ実行している期間内に発生するイベントである。すなわち、タイマ割込が許可されている間(ステップS104=Yes)は、制御ICはステップS104のループを抜けることがなく、タイマ割込が発生する毎にタイマ割込処理を実行することになる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS200:出力電流制御部130の制御ICは、ポート信号入力処理を実行する。この処理では、制御ICは複数(例えば3つ)ある入力ポート(入力部)の各信号状態(例えば、各ポート入力信号バッファの値の有無)を取得する。なお、各入力ポートには調光外部信号出力部132からの調光外部信号(ハイレベル又はローレベルの2値)が入力されるものとなっている。また、この処理において、制御ICは以下を実行する。
(1)全ての入力ポート信号状態が一致するか否かを確認する。
(2)信号状態が全ての入力ポートで一致することを確認した場合、前回のタイマ割込から連続して一致したか否かを確認する。
(3)上記(2)で連続した回数をカウントし、最新の値を内蔵RAMに記憶する。
(4)上記(1)で全ての入力ポート信号が一致しなかった場合、上記(3)の回数をリセットする。
ステップS202:そして制御ICは、先のステップS200でカウントした回数に基づき、全てのポート信号状態がN回連続で一致したか否かを確認する。なお、ここでいう変数「N回」は、電源装置100のハード構成や用途等に応じて予め設定しておくことができる。いずれにしても、電源装置100の起動時においては通常、ノイズの影響等により調光外部信号出力部132からの調光外部信号の入力が安定していないため、「全てのポート信号状態がN回連続で一致」と判断することはなく(No)、その場合、制御ICはステップS204に進む。
ステップS204:出力電流制御部130の制御ICは、内部的に処理回数をインクリメントする。ここでいう「処理回数」は、先のステップS202を実行した回数をカウントした値であり、その値は内蔵RAM等に保存しておくことができる。ここでは、制御ICは処理回数のカウンタ値を1加算し、次のステップS206に進む。
ステップS206:制御ICは、現在の処理回数がM回以上であるか否かを確認する。ここでいう変数「M回」もまた、電源装置100のハード構成や用途等に応じて予め設定しておくことができる。処理回数が未だM回に達していなければ(No)、制御ICはここでタイマ割込処理を終了し、タイマ割込発生の直前において実行していたメイン制御処理(ステップS104のループ)に復帰する。
上記のように、出力電流制御部130の制御ICがメイン制御処理内のステップS104をループしながらタイマ割込処理を何回か実行し、やがてステップS204で処理回数がM回以上にインクリメントされると(ステップS206=Yes)、制御ICはステップS208を実行する。
ステップS208:出力電流制御部130の制御ICは、ここで外部コントロール用電源部170から外部負荷への電力の供給を有効にする。具体的には、外部コントロール用電源部170に対して出力有効(エネーブル)信号を出力する。これにより、以後は外部コントロール用電源部170から外部負荷への電力の供給が開始されることになる(初期動作指定部)。
ここで、1回のタイマ割込では、いずれの変数についてもカウント値は1ずつしか加算されないが、本実施形態においては、変数「M回」と「N回」との関係はN>Mに設定されているため、変数「M回」と「N回」とでは変数「M回」の方が先にカウントされることになる。したがって、ステップS202で「全ての入力ポート信号状態がN回連続で一致した」と確認するより前に、制御ICは必ずステップS206で「処理回数がM回以上」と判断することになる。言い換えれば、制御ICはステップS206で「処理回数がM回以上」と判断するまでの間、メイン制御処理内のステップS104をループし続けることで外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電流の供給開始を待機させていることになる(初期動作指定部)。
また、出力電流制御部130の制御ICが外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電流の供給を開始させた後も、ステップS202で「全ての入力ポート信号状態がN回連続で一致した」と確認しなければ、制御ICはタイマ割込を許可したままであるため、引き続きメイン制御処理内のステップS104をループする。
〔メインループへの移行条件〕
この後、電源装置100の各部において動作が安定化すると、調光外部信号出力部132からの調光外部信号の入力ポート信号状態が安定的に一致することとなる。この場合、タイマ割込処理を最大N回まで繰り返すうちに制御ICはステップS202で「全ての入力ポート信号状態がN回連続で一致した」と確認し(Yes)、ここで初めてステップS210を実行する。
ステップS210:そして、出力電流制御部130の制御ICはタイマ割込を禁止(終了)し、メイン制御処理内のステップS104に復帰する。
復帰した先のメイン制御処理内のステップS104では、制御ICはタイマ割込を既に禁止しているため(No)、これをもってステップS106に進み、上記のメインループに移行することになる。
〔初動期間内での動作安定化〕
図6は、電源装置100の初動期間内で動作が安定化される様子を各種電圧の時間的な変化で示した図である。
〔時刻t01〜t02〕
ここでも同様に、時刻t01で電源装置100に電源の供給を開始した場合を考える。なお、図中の時刻t01以前の変化はあくまで参考とする。
図6中(A):主電源回路110のハード構成(巻線112,114の比等)により、時刻t01からある程度の電圧レベルで出力電流が発生する。
図6中(B):2次側の補助電源回路150についても、そのハード構成によって出力電圧が時刻t01〜時刻t02にかけて発生するが、本来所望する程度の電圧レベルには達していない点は図3に示した例と同じである。
図6中(C):ここでも同様に、1次側制御部140によるPWM信号は、出力電流制御部130の制御ICが初期化処理(ROM設定の読み込み)を行っている関係上、時刻t01〜時刻t02の期間内は本来の出力信号とは言えない(同じく参考値)。
図6中(D):外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電流についても、補助電源回路150からの出力電流が本来の電圧レベルに達していないため、時刻t01〜時刻t02の期間内ではほとんど電圧レベルが立ち上がっていない。
ここまでは、先の図3に示した電圧レベルの変化と大きく違わない。しかし、出力電流制御部130の制御ICが上記のプログラム(メイン制御処理及びタイマ割込処理)を実行することにより、次の時刻t02から時刻t04の初動期間において電圧レベルの変化は安定した態様となる。すなわち、時刻t01から時刻t02までの間は、出力電流制御部130の制御ICが起動後に内蔵ROMの読み込みを行っている。そして、時刻t02から制御ICはメイン制御処理を開始する。
〔時刻t02〜t04〕
図6中(C):メイン制御処理(ステップS102)の実行に伴い、制御ICは2次側制御部120が行う制御上の基準(閾値)を初動期間に適した初期基準に設定するため、PWM信号が時刻t02から初期動作の安定に適した波形で出力される。ここで設定されている初期基準は、例えば補助電源回路150の出力電圧が安定して所望の電圧レベル(例えば+5V)となるのに必要な閾値に予め設定されており、初期基準の閾値に合わせてPWM信号のパルス幅が制御されることになる。
図6中(B):このため時刻t02において、2次側制御部120の出力電圧は所望の電圧レベル(例えば+5V以上)に達することができる。この場合の電圧レベルは、PWM信号によって正しく制御された結果であり、図3中(B)のように不安定な立ち上がりによる結果とは異なる。
図6中(D):時刻t02で2次側制御部120の出力電圧は所望の電圧レベルに達するが、この時点では未だ外部コントロール用電源部170から外部負荷への電力の供給は開始されない。すなわち、出力電流制御部130の制御ICは未だタイマ割込処理の中で外部コントロール用電源部170に出力有効(エネーブル)信号を出力していないからである。
〔時刻t03前〕
図6中(B):時刻t02から時刻t03までの初動期間において、いよいよ補助電源回路150の出力電圧の電圧レベルが安定状態となる。
この間、出力電流制御部130の制御ICによるタイマ割込処理が繰り返される結果、ステップS206で「処理回数がM回以上」と判断されることになる。その結果、ステップS208で外部コントロール用電源部170が出力有効(エネーブル)となり、外部負荷への電力の供給が開始されることになる。
図6中(D):したがって、時刻t03の少し前から外部コントロール用電源部170から外部負荷への出力電流の電圧レベルが所望(例えば+5V)に立ち上がる(最初の立ち上がりを参照)。
〔時刻t03〕
図6中(B):外部コントロール用電源部170からの出力電圧が安定した電圧レベルに達したことで、瞬間的に補助電源回路150の出力電圧は立ち下がるが、既に動作は安定した状態にあるため、直ちに電圧レベルは回復する。
図6中(C):また、時刻t03以降、出力電流制御部130の制御ICは定常動作開始用の設定値を確認し、本来の基準を2次側制御部120に設定する(メイン制御処理のステップS106)。これに伴い、1次側制御部140によるPWM信号が本格的な波形で出力されることになる。
〔時刻t04以降〕
図6中(C):時刻t04において、例えば外部調光信号に基づいて2次側制御部120の設定が変更された結果、PWM信号の出力波形が変化する。これ以降、制御ICはメイン制御処理のメインループを実行しつつ、常時、調光外部信号出力部132からの調光外部信号に応じて2次側制御部120に設定する基準を設定する。また定常的に、2次側制御部120は出力電流検出部124の検出結果に基づいて定電流制御を実現するべく制御される(メイン制御処理のステップS108,S110)。
図6中(A):その結果、主電源回路110の出力電流が調光レベルに応じた電流レベルに制御される。
図6中(B):補助電源回路150の出力電圧は既に電圧レベルが安定しているので、負荷レベルに応じて変動するとしても、その変動は不安定な現象(ジッタ)として生じているものではない。
図6中(D):また、補助電源回路150の供給能力は初動期間から安定化されているため、時刻t04以降も外部コントロール用電源部170から外部負荷に供給される電力の電圧レベルは極めて安定したものとなる。
以上説明したように、本実施形態の電源装置100によれば、以下の有用性を得ることができる。
(1)起動時(初動期間内)において、最初からいきなり定常時の出力電流の設定(閾値)を読み込んで定電流制御を実行しようとするのではなく、仮の(制御上はダミーとなる)初期基準を設定してPWM信号を出力することにより、補助電源回路150の供給能力を安定化させるのに必要な2次側制御部120の基準を確保することができる。
(2)また、補助電源回路150の供給能力(出力電流の電圧レベル)が安定化するまでの間は外部コントロール用電源部170から外部負荷への電力の供給を待機させているため、外部負荷によって補助電源回路150の供給能力が侵食されることがない。
(3)その結果、初動期間内において補助電源回路150の電圧レベルが不安定に陥ることがなく、外部負荷への電力の供給も安定した状態で開始することができる。
(4)また、出力電流制御部130の制御ICに上記のメイン制御処理及びタイマ割込処理のプログラムを実装するだけでよく、電源装置100のハード構成を大幅に変更する必要がない。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変更して実施することが可能である。例えば、電源装置100の詳細なハード構成は図1に示される例に限らず、適宜に変更することができる。
一実施形態では、調光外部信号出力部132からの調光外部信号に応じて基準の設定を変化させる構成としているが、出力電流制御部130の制御ICは、例えば時間の経過に応じて基準の設定を変化させることもできるし、物理操作スイッチ等の入力信号状態に応じて基準の設定を変化させることもできる。
一実施形態では、出力電流制御部130の制御ICがタイマ割込処理において「M回」の処理回数をカウントして外部負荷への電力の供給開始タイミングを制御しているが、例えば、補助電源回路150の出力電圧をモニタし、電圧レベルの変化が安定化したことを確認して外部負荷への電力の供給開始タイミングを制御してもよいし、その他の確認をトリガとして外部負荷への電力の供給開始タイミングを制御してもよい。
100 電源装置
110 主電源回路
124 出力電流検出部
120 2次側制御部(主電源制御部)
140 1次側制御部(主電源制御部)
130 出力電流制御部(初期動作指定部、基準設定部)
132 調光外部信号出力部(外部信号出力部)
150 補助電源回路
170 外部コントロール用電源部(外部電源供給部)

Claims (4)

  1. 交流電源を直流電源に変換して主の負荷に供給する主電源回路と、
    前記主電源回路とは別に電源を別の直流電源に変換する補助電源回路と、
    前記主電源回路からの出力電流を検出する出力電流検出部と、
    前記補助電源回路から電力の供給を受けて動作し、前記出力電流検出部の検出結果に基づいて前記主電源回路による変換の動作を制御する主電源制御部と、
    前記出力電流検出部の検出結果に基づいて行われる前記主電源制御部の制御に関する出力電流の基準を設定する出力電流制御部と、
    前記補助電源回路からの電力を前記主電源制御部とは並列に分配し、前記主の負荷とは別の外部負荷に供給する外部電源供給部と、
    電源の供給開始に伴い前記主電源回路及び前記補助電源回路による定常の動作が開始されるまでの初動期間において、前記主電源制御部に対して前記出力電流制御部が設定する出力電流の基準を前記出力電流検出部の検出結果に基づく定常時の制御とは別の初期基準に設定するとともに、前記外部電源供給部による電力の供給開始を待機させる初期動作指定部と
    を備えた電源装置。
  2. 請求項1に記載の電源装置において、
    外部環境の変化に応じて外部信号を出力する外部信号出力部と、
    前記外部信号出力部から出力される外部信号を前記出力電流制御部にて入力する入力部と、
    前記入力部にて入力された外部信号に基づいて前記出力電流制御部が設定する出力電流の基準を変化させる基準設定部とをさらに備え、
    前記初期動作指定部は、
    前記初動期間内に前記補助電源回路が不安定な状態にある間は前記外部電源供給部による電力の供給開始の待機を継続させることを特徴とする電源装置。
  3. 請求項2に記載の電源装置において、
    前記初期動作指定部は、
    前記初動期間内に前記入力部にて入力される外部信号が不安定な状態であることを所定回数確認すると前記外部電源供給部による電力の供給を開始させることを特徴とする電源装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電源装置において、
    前記初期動作指定部は、
    前記外部電源供給部による電力の供給を開始させた後も、前記初動期間内に前記補助電源回路から前記主電源制御部に対する電力の供給状態を維持することが可能となる出力電流の基準を前記初期基準として設定していることを特徴とする電源装置。
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