以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明のデジタル放送受信装置を、単に「受信装置」という。図1は、本発明の実施形態におけるデジタル放送システムの概略構成を示したブロック図である。デジタル放送システム1は、受信装置10と、表示装置15と、送信装置20とを含んで構成されている。デジタル放送システム1において、受信装置10と、送信装置20との台数は、一般的にそれぞれ複数であるが、以下の説明においては、説明を容易にするため、受信装置10と、送信装置20との台数が、それぞれ1台であるデジタル放送システム1の場合について説明する。また、以下の説明では、デジタル放送システム1におけるデジタル放送のメディアトランスポート方式として、MMT(MPEG Media Transport)方式が採用されている場合について説明する。
送信装置20は、番組データi1と番組配列情報i2とを多重化した放送電波を送信する、例えば、放送局などの放送事業者に備えられた送信装置である。番組データi1は、少なくとも映像データおよび音声データの一方のデータが含まれる番組のコンテンツデータである。なお、以下の説明においては、番組データi1が、映像データおよび音声データの両方のデータを含む映像コンテンツであるものとして説明する。なお、番組データi1に含まれる映像データと音声データとのそれぞれは、予め定めた符号化方式で符号化されたデータである。例えば、映像データは、H.265、いわゆる、HEVC(High Efficiency Video Coding)などの符号化方式で符号化されたデータである。また、例えば、音声データは、ISO/IEC 14496 Part3、いわゆる、MPEG−4オーディオなどの符号化方式で符号化されたデータである。
また、番組配列情報i2は、映像コンテンツである番組データi1、つまり、放送される番組に関する付帯情報である。より具体的には、番組配列情報i2には、例えば、番組識別情報と、放送日時情報とが含まれている。ここで、番組識別情報は、例えば、放送される番組の種類、内容、分量、および配列などの番組を識別する情報である。また、放送日時情報は、番組の放送日時を示す情報である。また、番組配列情報i2には、電子番組表i3を生成する際に用いられる種々の情報が含まれている。
送信装置20から送信された放送電波は、地上波、ケーブルのような有線伝送路、または放送衛星を介して受信装置10に伝送される。図1には、放送電波が放送衛星BSを介して伝送される場合を示している。
受信装置10は、放送衛星BSを介して伝送される種々の情報を受信するデジタル放送受信装置である。以下の説明では、受信装置10が、セットトップボックス(STB)であるものとして説明する。つまり、受信装置10は、送信装置20から送信された放送電波を受信し、受信した放送電波に含まれる映像コンテンツである番組データi1を、接続された表示装置15が表示することができる形式の信号に変換して出力するチューナー装置である。なお、受信装置10が変換して表示装置15に出力する信号には、番組データi1に含まれる映像データに応じた画像信号、および音声データに応じた音声信号が含まれている。また、受信装置10は、受信した放送電波に含まれる番組配列情報i2に基づいて、電子番組表i3を生成し、生成した電子番組表i3を表示装置15に表示するための画像信号を出力する。
表示装置15は、受信装置10に接続され、受信装置10から出力され信号に応じた画像の表示や音声の出力を行う。以下の説明では、表示装置15が、テレビジョン受像機(テレビ)であるものとして説明する。つまり、表示装置15は、接続された受信装置10から出力された信号に含まれる画像信号に応じた画像を表示し、受信装置10から出力された信号に含まれる音声信号に応じた音を発生させるテレビである。表示装置15は、入力された画像信号に応じた画像を表示する、例えば、液晶パネル、有機ELパネルなどの表示パネルと、入力された音声信号に応じた音を発生させるスピーカーとを含んで構成される。この構成によって、表示装置15は、接続された受信装置10から出力された画像信号に応じた画像、つまり、映像コンテンツに含まれる映像データの画像や電子番組表i3の画像を表示し、受信装置10から出力された音声信号に応じた音声とかの音響、つまり、映像コンテンツに含まれる音声データに応じた音声とかの音響を発生させる。
次に、番組配列情報i2の一例について説明する。本実施形態において番組配列情報i2には、MMT方式によって送信される放送電波に関する各種テーブルを含んでいる。本実施形態に係る番組配列情報i2には、少なくともMH−イベント情報テーブル(MH−Event Information Table:MH−EIT)を含んでいる。MH−イベント情報テーブルは、番組の名称、放送日時、放送内容の説明など、番組に関する種々の情報が含まれたテーブルである。
ここで、番組配列情報i2に含まれるMH−イベント情報テーブル(以下、「MH−EIT」という)およびこのMH−EITにおける記述子のデータ構造について説明する。なお、以下の説明においては、説明を容易にするため、電子番組表i3の表示に関するMH−EIT内の一部の記述子についてのみ説明する。しかし、デジタル放送システム1では、MMT方式における全てのテーブルを扱うことができる。
<MH−EITのデータ構造>
図2は、本実施形態に係るMH−イベント情報テーブル(MH−EIT)のデータ構造を説明する図である。MH−EITは、送信装置20から送信される放送電波の構成の情報を表す構成要素の一つであり、上述したように、放送される番組の名称、放送日時などの番組に関する情報を表している。図2示したように、MH−EIT(MH−Event_Information_Table())には、イベント識別(event_id)、開始時刻(start_time)、および継続時間(duration)を含んでいる。イベント識別には、例えば、番組の識別情報などを表す、イベントの識別番号が示される。また、開始時刻には、イベントの開始時刻、つまり、番組の開始時刻(日時)が示される。また、継続時間は、イベントの継続時間、つまり、番組の放送時間の長さが示される。
また、MH−EIT(MH−Event_Information_Table())には、イベント識別ごとに記述子領域(descriptor())が設けられている。記述子領域(descriptor())は、記述子を格納する領域である。本実施形態に係るMH−EITには、MH−短形式イベント記述子、およびMH−拡張形式イベント記述子を含んでいる。このMH−短形式イベント記述子、およびMH−拡張形式イベント記述子に、番組名や番組の説明などの情報が記述される。また、本実施形態に係るMH−EIT(MH−Event_Information_Table())には、映像コンポーネント記述子を含んでいる。この映像コンポーネント記述子に、番組の映像データの解像度などの情報が記述される。
<MH−短形式イベント記述子のデータ構造>
図3は、本実施形態に係るMH−短形式イベント記述子のデータ構造を説明する図である。図3示したように、MH−短形式イベント記述子(MH−Short_Event_Descriptor())には、番組名(event_name_char)、および番組記述(text_char)を含んでいる。番組名には、番組の名称が記述される。番組記述には、番組の説明が記述される。
<MH−拡張形式イベント記述子のデータ構造>
図4は、本実施形態に係るMH−拡張形式イベント記述子のデータ構造を説明する図である。図4示したように、MH−拡張形式イベント記述子(MH−Extended_Event_Descriptor())には、項目ごとの項目名(文字符号)(item_description_char)、および項目記述(文字符号)(item_char)を含んでいる。項目名(文字符号)には、項目の名称が記述される。項目記述(文字符号)には、項目の内容が記述される。一般的に、項目名(文字符号)と項目記述(文字符号)とによって、番組の配役のリストが記述される。例えば、項目名「プロデューサー」であり、項目記述「日本 太郎」である場合、その項目名(文字符号)と項目記述(文字符号)とは、番組のプロデューサーが日本太郎であることを表している。
また、MH−拡張形式イベント記述子(MH−Extended_Event_Descriptor())には、拡張記述(文字符号)(text_char)を含んでいる。拡張記述(文字符号)には、項目なしの番組についての情報が記述される。
<映像コンポーネント記述子のデータ構造>
図5は、本実施形態に係る映像コンポーネント記述子のデータ構造を説明する図である。図5示したように、映像コンポーネント記述子(Video_Component_Descriptor())には、映像信号解像度(video_resolution)を含んでいる。映像信号解像度には、映像信号の垂直方向の解像度についての情報が記述される。
<映像信号解像度のデータ構造>
図6は、本実施形態に係る映像コンポーネント記述子における映像信号解像度の値の構造を説明する図である。図6示したように、映像信号解像度の値のそれぞれには、映像信号の垂直方向の解像度が割り当てられている。例えば、映像信号解像度の値が「6」である場合、映像信号の垂直方向の解像度が「2160」である、つまり、受信した映像信号が4Kサイズ(例えば、3840×2160)の解像度であることを示している。また、例えば、映像信号解像度の値が「7」である場合、映像信号の垂直方向の解像度が「4320」である、つまり、受信した映像信号が8Kサイズ(例えば、8192×4320)の解像度であることを示している。
受信装置10は、上述したような番組配列情報i2と、映像コンテンツである番組データi1とが多重化された放送電波を受信する。そして、受信装置10は、受信した番組データi1に応じた画像信号および音声信号を、接続されている表示装置15に出力する。また、受信装置10は、受信した番組配列情報i2に基づいて生成した電子番組表i3の画像信号を、接続されている表示装置15に出力する。
次に、受信装置10の構成について説明する。図7は、本実施形態におけるデジタル放送受信装置(受信装置10)の構成の一例を示したブロック図である。受信装置10は、放送受信部11と、赤外線通信部12と、記憶部13と、制御部14とを備えている。また、制御部14は、復調部141と、分離部142と、音声処理部143と、表示処理部144とを備えている。また、表示処理部144は、映像処理部1441と、番組表生成部1442とを含んで構成されている。なお、図7には、受信装置10が番組データi1や電子番組表i3に対応する信号を出力する表示装置15も併せて示している。
放送受信部11は、各チャンネルの放送電波を受信し、受信したそれぞれの放送電波を予め定めた一定の周波数の放送信号(例えば、トランスポートストリーム)に変換して出力するチューナーを含んで構成される。放送受信部11は、送信装置20から送信された放送電波を受信する。そして、放送受信部11は、受信した放送電波を変換した放送信号を、制御部14に備えた復調部141に出力する。
赤外線通信部12は、例えば、受信装置10のユーザーである視聴者が受信装置10を制御するために操作するリモートコントローラRCとの間で赤外線通信を行う通信部である。赤外線通信部12は、リモートコントローラRCから送信された、リモートコントローラRCが受け付けたユーザーの操作を表す情報が含まれた赤外線送信信号を受信する。赤外線通信部12は、受信した赤外線送信信号に含まれるユーザーによる操作内容の情報を制御部14に出力する。
記憶部13は、制御部14または制御部14内の構成要素が種々の処理を実行するためのプログラムや、処理に使用するデータを記憶する。記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを含んで構成される。なお、記憶部13は、その他のメモリや、HDD(Hard disk drive)などの記憶装置を含んで構成してもよい。また、記憶部13は、受信装置10に備えたCPU(Central Processing Unit)が実行するための各種プログラムや、CPUが実行している途中または処理の結果などを記憶してもよい。また、記憶部13は、例えば、放送受信部11が出力した放送信号や、音声処理部143が出力する音声信号と表示処理部144が出力する画像信号とを対応づけた信号に応じたデータを記憶するメモリ、いわゆる、ビデオメモリを含んで構成してもよい。
制御部14は、放送受信部11から出力された放送信号に対して種々の処理を行って、放送信号に含まれる番組データi1に対応する音声信号および画像信号を生成する。そして、制御部14は、生成した音声信号と画像信号とのそれぞれを表示装置15に出力する。また、制御部14は、放送受信部11から出力された放送信号に含まれる番組配列情報i2に基づいて電子番組表i3の画像信号を生成し、表示装置15に出力する。
復調部141は、放送受信部11から出力された放送信号(例えば、トランスポートストリーム)を復調する。復調部141は、復調した放送信号を分離部142に出力する。なお、復調部141が出力する放送信号は、番組データi1と番組配列情報i2とが多重化された状態の信号である。
分離部142は、復調部141から出力された放送信号(例えば、復調部141によって復調されたトランスポートストリーム)に含まれる番組データi1と番組配列情報i2とを分離する。そして、分離部142は、放送信号から分離した番組配列情報i2を、表示処理部144に備えた番組表生成部1442に出力する。また、分離部142は、分離した番組データi1から、音声データと映像データとを抽出する。そして、分離部142は、番組データi1から抽出した音声データを音声処理部143に、映像データを表示処理部144に備えた映像処理部1441にそれぞれ出力する。なお、分離部142が抽出する音声データと映像データとは、予め定めた符号化方式で符号化されている状態のデータである。なお、番組データi1に音声データまたは映像データのいずれか一方のデータのみが含まれる場合には、分離部142は、分離したいずれか一方のデータを、対応する音声処理部143または映像処理部1441のいずれか一方に出力する。
音声処理部143は、分離部142から出力された音声データに対して、音声データが符号化された符号化方式(例えば、MPEG−4オーディオ)に対応する予め定めた復号化方式で復号した音声信号(例えば、ストリーム形式の音声信号)を生成する。音声処理部143は、生成した(復号化した)音声信号を表示装置15に出力する。なお、音声処理部143は、赤外線通信部12から出力された操作内容の情報に含まれる、選択された番組の音声データを復号した音声信号を生成して表示装置15に出力する。
表示処理部144は、分離部142から出力された映像データに基づいた画像信号、分離部142から出力された番組配列情報i2に基づいた電子番組表i3の画像信号を生成し、生成した画像信号を表示装置15に出力する。例えば、表示処理部144は、赤外線通信部12から出力された操作内容の情報に含まれる選択された番組の映像データに基づいた画像信号を生成して表示装置15に出力する。また、表示処理部144は、赤外線通信部12から出力された操作内容の情報に含まれる電子番組表の表示の指示に応じて電子番組表i3の画像信号を生成して表示装置15に出力する。
映像処理部1441は、分離部142から出力された映像データに対して、映像データが符号化された符号化方式(例えば、HEVC)に対応する予め定めた復号化方式で復号した画像信号(例えば、ストリーム形式の画像信号)を生成する。映像処理部1441は、生成した(復号化した)画像信号を表示装置15に出力する。なお、映像処理部1441は、赤外線通信部12から出力された操作内容の情報により分離部142において分離・選択された番組の映像データを復号した画像信号を生成して表示装置15に出力する。また、映像コンテンツに対する変換を許可するか許可しないかを表す変換可否の情報(例えば、変換を許可するか否かを表すフラグ)が、変換を許可することを表している場合、映像処理部1441は、生成した(復号化した)画像信号を変換してから表示装置15に出力する。より具体的には、映像コンテンツに対する変換が、映像データの解像度を低解像度に変換するダウンコンバートである場合、例えば、映像処理部1441に備えた解像度ダウンコンバート部が、復号した画像信号に含まれる映像データの解像度をダウンコンバートし、このダウンコンバートした後の画像信号を、映像処理部1441が生成した(復号化した)画像信号として表示装置15に出力する。
番組表生成部1442は、分離部142から出力された番組配列情報i2に基づいて、電子番組表i3の画像信号を生成する。番組表生成部1442は、生成した電子番組表i3の画像信号を表示装置15に出力する。より具体的には、分離部142から出力された番組配列情報i2に含まれるMH−EITに基づいて電子番組表i3の画像信号を生成して表示装置15に出力する。
ここで、番組表生成部1442がMH−EITに基づいて電子番組表i3を生成する処理の概要について説明する。まず、番組表生成部1442は、分離部142から出力された番組配列情報i2に含まれるMH−EITから、番組識別情報と放送日時情報とを取得する。より具体的には、番組表生成部1442は、MH−EITに含まれるイベント識別(event_id)に記述されたイベントの識別番号を、番組識別情報として取得する。また、番組表生成部1442は、MH−EITに含まれる開始時刻(start_time)に記述されたイベントの開始時刻と、継続時間(duration)に記述されたイベントの継続時間とを、放送日時情報として取得する。続いて、番組表生成部1442は、取得した放送日時情報に基づいて、電子番組表i3において各番組を割り当てる領域、すなわち、電子番組表i3における各番組の枠組みを生成する。そして、番組表生成部1442は、割り当てた領域(枠組み)に、取得した番組識別情報のデータを配置する。番組表生成部1442は、このような電子番組表i3を生成する処理を、分離部142から出力された番組配列情報i2の数、すなわち、放送受信部11が受信したそれぞれのチャンネルの放送電波に対して繰り返し、最終的な電子番組表i3を生成する。そして、番組表生成部1442は、生成した最終的な電子番組表i3の画像信号を表示装置15に出力する。
ところで、放送受信部11が多重化して送信する放送電波に含まれる番組データi1には、様々な解像度の映像データが含まれている。そして、受信装置10に接続された表示装置15が、高解像度の映像データの表示に対応していない場合もある。例えば、受信装置10に接続された表示装置15に備えた表示パネルが、高解像度の映像データに応じた画像を表示することができないことが考えられる。このような場合、表示装置15では、ユーザーが選択した高解像度の番組の視聴ができないことになる。このため、受信装置10(例えば、映像処理部1441に備えた解像度ダウンコンバート部)は、ユーザーによって選択された高解像度の番組の映像データを、表示装置15が表示することができる解像度に変換(例えば、ダウンコンバートして低解像度に変換)して表示装置15に出力する。これにより、ユーザーは、画質は低下してしまうことになるが、高解像度の番組を表示装置15で視聴することができるようになる。なお、受信装置10は、表示装置15が表示することができる画像の解像度の情報を、例えば、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)などによる、接続された表示装置15との間での通信によって取得することができる。従って、受信装置10は、表示装置15が表示可能な解像度に合わせて映像データを変換(ダウンコンバートやアップコンバートなど)することができる。
しかしながら、放送受信部11が多重化して送信する放送電波に含まれる番組データi1には、解像度の変換などの映像コンテンツに対する変換が許可されていない場合もある。この場合、受信装置10であっても、番組データi1に含まれる映像データの解像度を変換した画像データを表示装置15に出力することはできない。そこで、受信装置10では、番組表生成部1442によって、表示装置15で視聴することができる解像度への変換が許可されていない高解像度の映像の番組に割り当てられた領域(枠組み)を、他の番組に割り当てられた領域(枠組み)と異なる表示にした電子番組表i3を生成する。つまり、受信装置10に備えた番組表生成部1442は、表示装置15によって視聴することができる番組と視聴することができない番組とを区別して識別することができるようにした電子番組表i3を生成する。これにより、受信装置10は、視聴することができない番組をユーザーに報知する。
なお、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組をユーザーに報知するために電子番組表i3内の枠組みの表示を変更する方法としては、例えば、視聴することができない番組の枠組みを灰色にすることによって目立たなくさせる、つまり、グレーダウンする方法がある。また、その他にも、例えば、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組の枠組みの色を視聴することができる番組の枠組みの色と異なる色にする、視聴することができない番組の枠組み内に番組識別情報のデータを配置しない(つまり、番組名や番組の説明などの情報を表示しない)などの方法もある。また、例えば、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組の枠組み内に、「この番組は表示することができません」など、視聴することができない番組であることを表すメッセージを表示する方法もある。なお、このようなメッセージは、例えば、ユーザーがリモートコントローラRCを操作して、視聴することができない番組であることを表している枠組みを選択したときに表示させてもよい。
また、電子番組表i3内に表示された枠組み(番組)を選択する場合には、選択している番組を示すために電子番組表i3に重畳されたカーソルを、リモートコントローラRCを操作して移動させて選択することができる。この場合には、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組の枠組みを飛ばす(スキップさせる)ことによって、視聴することができない番組を選択することができないようにしてもよい。この場合、例えば、視聴することができない番組の枠組みを飛ばしたことを表すメッセージ(例えば、「選択できない番組をスキップしました」など)を、電子番組表i3に重畳して表示させてもよい。
なお、上述したような方法のいずれによって、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組をユーザーに報知するかは、例えば、受信装置10の初期設定のときなどに、リモートコントローラRCを操作することによって、ユーザーが受信装置10に設定する構成にしてもよい。
このような構成によって、受信装置10は、映像コンテンツに対する変換が許可されていないことによって視聴することができない番組をユーザーに報知する。
次に、受信装置10に備えた番組表生成部1442による電子番組表i3の生成処理について、さらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、変換が許可されている映像コンテンツに対して行う受信装置10での映像コンテンツの変換処理が、高解像度の映像データを低解像度の映像データに変換するダウンコンバートの処理である場合において、解像度の変換が許可されているか否かをユーザーが識別することができるようにした電子番組表i3の生成処理について説明する。また、以下の説明においては、映像コンテンツに対する変換を許可するか許可しないかを表す変換可否の情報(例えば、変換を許可するか否かを表すフラグ)が、この番組に対応する番組配列情報i2のMH−EITに含まれているものとして説明する。そして、受信装置10は、接続された表示装置15との間での通信によって、表示装置15が表示することができる画像の解像度の情報をすでに取得しているものとして説明する。
図8は、本実施形態のデジタル放送受信装置(受信装置10)において電子番組表i3を生成する処理の処理手順を示したフローチャートである。なお、番組表生成部1442による電子番組表i3の生成処理は、例えば、ユーザーがリモートコントローラRCを操作して電子番組表を表示させる指示を受信装置10に出し、赤外線通信部12が、リモートコントローラRCからの赤外線送信信号を受信して、電子番組表を表示させる指示を受け付けたことを表す操作内容の情報が制御部14に出力されてから開始される。
電子番組表を表示させる指示を受け付けたことを表す操作内容の情報が制御部14に入力されると、まず、制御部14は、放送受信部11から出力された放送信号を復調部141で復調し、復調した放送信号に含まれる番組データi1と番組配列情報i2とを分離部142で分離することによって、放送信号から番組配列情報i2を抽出する(ステップS101)。
続いて、番組表生成部1442は、分離部142から出力された番組配列情報i2に含まれるMH−EITから番組識別情報と放送日時情報とを取得する。そして、番組表生成部1442は、取得した放送日時情報に基づいて、電子番組表i3の枠組みを構成する(ステップS102)。このとき、番組表生成部1442は、取得した番組識別情報のデータ、すなわち、電子番組表i3の対応する枠組みに表示する番組名や番組の説明などの情報を配置する。
続いて、番組表生成部1442は、電子番組表i3に構成したそれぞれの枠組みの番組について、映像データの解像度と変換可否との判定処理(以下、「映像データ判定処理」という)を行う(ステップS103)。映像データ判定処理では、まず、構成した枠組みに対応する番組配列情報i2に含まれるMH−EITから、映像コンポーネント記述子内の映像信号解像度の値を取得する。そして、取得した映像信号解像度の値が、表示装置15に表示することができる、すなわち、変換を行わずに視聴することができる解像度の値であるか否かを判定する(ステップS104)。なお、図6に示したように、映像信号解像度の値は、その値が大きくなるほど映像信号の垂直方向の解像度が高くなる。従って、ステップS104において行う番組が視聴することができるか否かの判定では、映像信号解像度の値が、表示装置15に表示することができる解像度の値以下の値である場合に現在判定を行っている枠組みの映像データの画像、すなわち、この枠組みの番組を視聴することができると判定し、表示装置15に表示することができる解像度の値よりも大きい値である場合にこの枠組みの番組を視聴することができないと判定する。
なお、ステップS104における番組が視聴することができるか否かの判定は、接続された表示装置15との間での通信によって取得した、表示装置15が表示することができる画像の解像度の情報を、例えば、記憶部13に記憶しておき、例えば、番組表生成部1442に備えた比較部が、取得した映像信号解像度の値と、記憶部13に記憶された表示装置15が表示することができる画像の解像度の情報と比較することによって行う構成であってもよい。
ステップS104の判定によって、現在判定を行っている枠組みの番組が表示装置15に表示することができる解像度の番組であると判定した場合(ステップS104の“YES”)には、番組表生成部1442は、電子番組表i3に構成した次の枠組みの番組について、映像データ判定処理を繰り返す。
一方、ステップS104の判定によって、現在処理を行っている枠組みの番組が表示装置15に表示することができる解像度の番組でないと判定した場合(ステップS104の“NO”)には、番組表生成部1442は、現在判定を行っている枠組みの番組が、変換が許可されている番組であるか否か、すなわち、ダウンコンバートすることができるか否かを判定する(ステップS105)。なお、ステップS105において行う変換が許可されている番組であるか否かの判定は、番組表生成部1442が、現在判定を行っている枠組みの番組(映像コンテンツ)に対応する番組配列情報i2に含まれるMH−EITから変換可否の情報を取得し、取得した変換可否の情報に基づいて判定する。
ステップS105の判定によって、現在判定を行っている枠組みの番組がダウンコンバートすることができる番組であると判定した場合(ステップS105の“YES”)には、番組表生成部1442は、電子番組表i3に構成した次の枠組みの番組について、映像データ判定処理を繰り返す。
一方、ステップS105の判定によって、現在処理を行っている枠組みの番組がダウンコンバートすることができる番組でないと判定した場合(ステップS105の“NO”)には、番組表生成部1442は、現在判定を行っている枠組みの表示を変更する(ステップS106)。そして、番組表生成部1442は、電子番組表i3に構成した次の枠組みの番組について、映像データ判定処理を繰り返す。
なお、ステップS106における枠組みの表示の変更は、例えば、番組表生成部1442に備えた番組表更新部が、現在判定を行っている枠組みの表示を更新する構成であってもよい。
このように、番組表生成部1442は、映像データ判定処理(ステップS103)を繰り返し、電子番組表i3に枠組みを構成した全ての番組に対して映像データの解像度の判定を行う。そして、番組表生成部1442は、映像データの解像度の判定の結果、映像データが変換を行わないと視聴することができない解像度である場合に、映像データの変換可否の判定を行う。そして、全ての番組に対して映像データの解像度と変換可否の判定が終了すると、番組表生成部1442は、生成した電子番組表i3を表示装置15に出力する(ステップS107)。これにより、表示装置15が、受信装置10から出力された電子番組表i3を表示してユーザーに提示し、電子番組表i3の生成処理を終了する。
このような処理手順によって番組表生成部1442、つまり、受信装置10は、受信した映像コンテンツの解像度が接続されている表示装置15が表示することができる解像度よりも高い場合に、映像コンテンツに対する解像度の変換が許可されているか否かを確認する。そして、受信装置10(番組表生成部1442)は、解像度の変換によって視聴することができる番組と視聴することができない番組とで、それぞれの枠組みの表示を変更した電子番組表i3を生成してユーザーに提示(報知)する。これにより、ユーザーは、電子番組表i3の表示から、番組を視聴することができるか否かを視覚的に確認することができる。
ここで、受信装置10に備えた番組表生成部1442が生成して表示装置15に出力する電子番組表i3の一例について説明する。図9は、本実施形態のデジタル放送受信装置(受信装置10)において生成した電子番組表i3の一例を模式的に示した図である。図9には、受信装置10が生成した電子番組表i3が表示装置15に表示している様子を示している。なお、以下の説明においては、受信装置10が8Kサイズの解像度の番組の画像信号を出力することができるセットトップボックス(Set Top Box:STB)であり、表示装置15が4Kサイズの解像度の番組を視聴することができるテレビであるものとして説明する。図9に示した電子番組表i3の一例では、1つの放送事業者(放送局)が3つのチャンネルでそれぞれの番組を放送している場合を示している。
図9に示したように、電子番組表i3では、各チャンネルの名称が表示装置15に表示された電子番組表i3の上から1段目の行に示され、番組の放送時刻が電子番組表i3の左端の列に示される。そして、電子番組表i3において各番組の放送日時は、上から1段目の行に示されたチャンネルの名称と、左端の列に示された放送時刻とによって定まる枠により表される。なお、放送局などの放送事業者が多数ある場合、図9において1段目に示したチャンネルの上部に、各チャンネルで番組を放送する放送局の名称などを示してもよい。
ユーザーが電子番組表を表示させる指示を受信装置10に出した場合、受信装置10に備えた番組表生成部1442は、上述した電子番組表i3の生成処理を行って、構成したそれぞれの枠組みに番組識別情報を配置した電子番組表i3を生成し、表示装置15に出力する。図9に示した一例では、放送局がそれぞれのチャンネルで4Kサイズの解像度の番組を放送する場合と、それぞれのチャンネルで8Kサイズの解像度の番組を放送する場合の一例を示している。より具体的には、図9に示した一例では、「7」時〜「9」時の間に、チャンネルAで4Kサイズの番組P11(「おはようジャパン」)を、チャンネルBで4Kサイズの番組P12(「モーニングニュース」)を、チャンネルCで4Kサイズの番組P13(「今日の天気」)を放送する場合の一例を示している。また、図9に示した一例では、「9」時〜「12」時の間に、チャンネルA〜チャンネルCの全てのチャンネルで8Kサイズの番組P21(「映画」)を放送する場合の一例を示している。また、図9に示した一例では、「12」時〜「13」時の間に、チャンネルAで4Kサイズの番組P31(「こんにちはジャパン」)を、チャンネルBで8Kサイズの番組P32(「こんにちはジャパン」)を、チャンネルCで4Kサイズの番組P33(「午後の天気」)を放送する場合の一例を示している。
そして、番組表生成部1442は、番組配列情報i2に含まれるMH−EITから、映像コンポーネント記述子内の映像信号解像度の値を取得して、表示装置15では視聴することができない番組が配置された枠組みの表示を変更する。図9に示した一例では、表示装置15が4Kサイズの解像度の番組を視聴することができる機能を持っている、つまり、8Kサイズの解像度の番組を視聴することができないテレビである。このため、番組表生成部1442は、図9に示したように、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない8Kサイズの番組P21の枠組みと、視聴することができる4Kサイズの番組P11、番組P12、番組P13、番組P31、および番組P33の枠組みとを区別して識別することができるようにした電子番組表i3を生成して出力し、表示装置15に表示させる。図9に示した一例では、解像度の変換が許可されていない8Kサイズの番組をグレーダウンした電子番組表i3を生成して表示装置15に表示させる場合を示している。また、図9に示した一例では、解像度の変換が許可されている8Kサイズの番組P32が、解像度を4Kサイズに変換することによって視聴することができるようになったことも示している。
図9の一例に示したように、番組表生成部1442は、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組の枠組みの表示を変更することによって、電子番組表i3内にユーザーが視聴することができない番組が含まれていることを視覚的に示す(報知する)。これにより、ユーザーは、電子番組表i3を確認することによって、視聴することができない番組を容易に認識することができる。
なお、図9に示した一例では、チャンネルAとチャンネルBとにおいて「12」時〜「13」時の間に放送される番組P31と番組P32とは同じ内容の番組であるが、送信装置20が送信したときの映像データの解像度が異なるため、枠組みの表示を異ならせている。しかし、番組P31と番組P32との映像データの解像度が共に同じ解像度(例えば、4Kサイズ)である場合には、枠組みの表示を同じにすることもできる。この場合、番組P31と番組P32とを、1つの枠組みで表してもよい。
なお、上述したように、番組P32は、解像度の変換が許可されているため、8Kサイズを4Kサイズに変換することによって視聴することができるようになった番組である。このため、番組表生成部1442は、図9に示したように、視聴することができない番組、つまり、解像度の変換が許可されていない番組P21を識別するための方法とは異なる方法で、解像度を変換して視聴することができるようになった番組P32の枠組みと、解像度の変換を行わずに視聴することができる番組P31の枠組みとを区別して識別することができるようにした電子番組表i3を生成して表示装置15に表示させてもよい。
なお、上述したように、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組をユーザーに示す(報知する)方法には、視聴することができない番組の枠組みをグレーダウンする方法以外にも、枠組みの色を変更する方法、枠組み内に番組識別情報のデータを配置(表示)しない方法、視聴することができない番組であることを表すメッセージを表示する方法など、様々な方法がある。しかし、これらの方法の場合でも、図9に示した一例(番組の枠組みをグレーダウンする方法)と同様に考えることができる。従って、番組の枠組みをグレーダウンする方法以外の方法によって視聴することができない番組をユーザーに示す(報知する)一例に関しての説明は省略する。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、受信した放送電波に多重化された番組データに付随する番組情報に含まれる映像データの解像度を表す情報と、映像コンテンツに対する変換可否の情報とに基づいて、番組の制作者や映像コンテンツの著作権者の意向によって視聴することができない番組を、ユーザーに報知する。より具体的には、放送電波に関するMH−イベント情報テーブルに含まれる、映像コンポーネント記述子内の映像信号解像度に記述された映像信号解像度の値に基づいて、表示装置に表示することができる番組であるか否かを判定する。そして、表示装置に表示することができない番組である場合に、映像コンテンツに対する変換可否の情報に基づいて、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組と、解像度の変換を行わずに、または解像度の変換を行って視聴することができる番組とを区別して表した電子番組表を生成し、表示装置に出力する。これにより、ユーザーは、表示装置に表示された電子番組表を確認することによって、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組を容易に確認(認識)することができる。
なお、本発明を実施するための形態では、番組表生成部1442が電子番組表i3の枠組みを構成した後に、それぞれの枠組みの番組について、映像データの解像度と変換可否とを判定する映像データ判定処理を行う場合について説明した。しかし、番組表生成部1442において行う映像データ判定処理は、本発明を実施するための形態において示した情報に限定されるものではない。例えば、番組表生成部1442が枠組みを構成するときに映像データ判定処理を行って、電子番組表i3の対応する枠組みに番組名や番組の説明などの情報を配置する際には、すでに解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組と、解像度の変換を行わずに、または解像度の変換を行って視聴することができる番組とが区別されている状態としてもよい。
また、本発明を実施するための形態では、映像コンテンツに対する変換可否の情報が、番組に対応する番組配列情報i2のMH−EITに含まれているものとして説明した。この映像コンテンツに対する変換可否の情報は、例えば、DTCP(Digital Transmission Content Protection)規格で規定されたコンテント利用記述子(image_constraint_token:ict)に記述されるような情報である。しかし、映像コンテンツに対する変換可否の情報は、本発明を実施するための形態において示したような形式で設定される情報に限定されるものではない。例えば、映像コンテンツである番組データi1に含まれる映像データの最初のフレームまたは一定間隔のフレームなど、映像コンテンツ自体に変換可否の情報が含まれる形式であってもよい。また、例えば、放送電波や放送電波として送信されるパケットに、映像コンテンツに対する変換可否の情報が含まれる形式であってもよい。
また、本発明を実施するための形態では、映像コンテンツに対する変換可否の情報が、解像度の変換を許可するか、許可しないかを表す情報(例えば、変換を許可するか否かを表すフラグ)である場合について説明した。しかし、映像コンテンツに対する変換可否の情報は、本発明を実施するための形態において示した情報に限定されるものではなく、例えば、解像度の変換を許可する場合に、どの解像度までの変換を許可するかを表す情報が含まれるものであってもよい。この場合、例えば、8Kサイズの解像度の番組の変換可否の情報において、4Kサイズまでのダウンコンバートが許可されているとすると、4Kサイズの解像度の番組を視聴することができる表示装置15ではダウンコンバートした番組を視聴することができるが、2Kサイズの解像度の番組を視聴することができる表示装置15ではダウンコンバートした番組を視聴することができない。このような場合であっても、番組表生成部1442は、すでに取得している表示装置15が表示することができる画像の解像度の情報に基づいて、それぞれの表示装置15に対応する電子番組表i3を生成することができる。より具体的には、4Kサイズの解像度の番組を視聴することができる表示装置15に対しては上記の番組を視聴することができる番組とした電子番組表i3を生成して出力し、2Kサイズの解像度の番組を視聴することができる表示装置15に対しては上記の番組を視聴することができない番組とした電子番組表i3を生成して出力する。
また、本発明を実施するための形態では、映像コンテンツに対する変換が、高解像度の映像データを低解像度に変換するダウンコンバートである場合について説明した。しかし、映像コンテンツに対する変換は、本発明を実施するための形態において示した解像度のダウンコンバートに限定されるものではない。つまり、本発明の考え方は、受信する能力とユーザーに提示する能力とに差がある構成のシステムであれば、本発明の考え方を同様に適用することができる。例えば、映像データのフレームレート、色範囲(色域)、分割など、映像データに対する変換であっても同様に、本発明の考え方を適用することができる。また、映像コンテンツに対する変換は、本発明を実施するための形態において示した映像データに対する変換に限定されるものではなく、例えば、音声データに対する変換であっても同様に、本発明の考え方を適用することができる。さらに、映像コンテンツに対する変換は、本発明を実施するための形態において示したダウンコンバートに限定されるものではなく、例えば、アップコンバートであっても同様に、本発明の考え方を適用することができる。
なお、本発明を実施するための形態では、電子番組表を表示させる指示が受信装置10に出されたときに、電子番組表の生成処理を開始する場合について説明した。しかし、電子番組表を生成するタイミング、つまり、電子番組表の生成処理を開始するタイミングは、本発明を実施するための形態において示したタイミングに限定されるものではない。例えば、番組表生成部1442が、予め定めた時間間隔や、放送電波に多重化された番組情報が更新されたときに、予め電子番組表を作成(更新)しておくこともできる。この場合、予め生成した電子番組表の画像信号を記憶部13に記憶しておき、電子番組表を表示させる指示が受信装置10に出されたときに、番組表生成部1442が記憶部13に記憶されている電子番組表の画像信号を読み出して表示装置15に出力することによって、より早く電子番組表をユーザーに提示することができる。
また、予め電子番組表を作成(更新)しておく場合には、例えば、予め定めた電子番組表に含まれる、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組を放送する放送局やチャンネルと、番組の放送時刻との情報を、電子番組表の画像信号とは別に記憶部13に記憶しておくこともできる。これにより、例えば、番組の視聴中にユーザーがリモートコントローラRCの数字ボタンや、隣接するチャンネルに切り替えるための選局ボタン(チャンネルボタン)を操作して、視聴する番組を直接選択しようとした場合でも、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組を選択できないようにすることができる。なお、解像度の変換が許可されていないため視聴することができない番組を選択できないようにする方法としては、例えば、視聴することができない番組を飛ばして(スキップして)、視聴することができる次の番組を選択する方法がある。この場合、例えば、視聴することができない番組の枠組みを飛ばしたことを表すメッセージを表示させてもよい。また、例えば、視聴することができない番組を選択するリモートコントローラRCの操作を受け付けない、つまり、ユーザーの操作に反応しないようにする方法もある。また、例えば、視聴することができない番組が選択された場合に、「この番組は表示することができません」など、選択した番組が視聴することができない番組であることを表すメッセージを表示して、現在選択されている(視聴している)番組から変更しない方法もある。
また、本発明を実施するための形態では、デジタル放送システム1におけるデジタル放送のメディアトランスポート方式としてMMT方式が採用されている場合について説明したが、デジタル放送システム1において採用されるメディアトランスポート方式は、本発明を実施するための形態において示した方式に限定されるものではない。例えば、デジタル放送システム1におけるデジタル放送のメディアトランスポート方式として、MPEG−2 TS(Moving Picture Experts Group−2 Transport Stream)方式やRTP(Real−time Transport Protocol)方式を採用してもよい。
また、本発明を実施するための形態では、番組配列情報i2が、番組データi1と多重化された放送電波によって送信される場合について説明したが、番組配列情報i2が送信される方法、つまり、受信装置10が番組配列情報i2を取得する方法は、本発明を実施するための形態において示した方法に限定されるものではない。例えば、受信装置10は、デジタル放送システム1の構成として含まれたサーバ装置との通信によって番組配列情報i2を取得してもよい。
また、本発明を実施するための形態では、受信装置10と表示装置15とのそれぞれの別の装置としてデジタル放送システム1に含まれる、つまり、受信装置10と表示装置15とが別体である場合について説明したが、受信した番組および電子番組表を表示する構成は、本発明を実施するための形態において示した構成に限定されるものではない。例えば、表示装置15内に受信装置10の機能が搭載された構成、つまり、表示装置15が受信装置10の機能を備えたテレビジョン受像機(テレビ)であってもよい。また、例えば、受信装置10を携帯電話などの移動端末に備えてもよい。そして、例えば、携帯端末に備えた記憶部を、受信装置10に備えた記憶部13として使用し、携帯端末に備えた音声出力部および表示部を、デジタル放送システム1に含まれる表示装置15として使用する構成にしてもよい。
なお、例えば、図7に示した受信装置10の一部、例えば、制御部14や、制御部14に備えた表示処理部144内の番組表生成部1442による処理を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の受信装置10や番組表生成部1442に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
また、本実施形態の受信装置10の一部、例えば、制御部14や、制御部14に備えた表示処理部144内の番組表生成部1442、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。また、本実施形態の受信装置10内の各構成要素は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。