以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50の上皿55には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の下には、第1始動口11が配置され、更にその下には、第2始動口12が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。センターケース5の左方にはゲート17が配置されており、ここを遊技球が通過すると普通図柄が変動し、普通図柄が当り図柄で停止すると翼片が開放される。遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、特別図柄保留数表示装置18と、7セグメント表示装置からなる特別図柄表示装置9とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。これら普通入賞口を総じて一般入賞口31ともいう。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。なお、入賞口スイッチ31aの符号は第1左入賞口31に対応しているが、前記各一般入賞口、すなわち第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に対してそれぞれ入賞口スイッチが設けられており、各一般入賞口に遊技球が入ったことを個別に検出可能に構成されている。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特別図柄表示装置9及び普通図柄表示装置7の表示、特別図柄保留数表示装置18、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記。以下、普電といえば普通電動役物を指すものとする)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを、演出中継端子板65を介して受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者がこれらを操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより繰り返し実行される。本実施形態では、当該メインルーチンが1回起動されるごとにS10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「199」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)については、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「199」までの200個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が150であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が一巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から+1されていく。そして、再び大当り決定用乱数が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「1」〜「18」の18個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「1」に戻る。S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は、常に「7」である。この当り決定用乱数は普通図柄の抽選に使用し、初期値乱数、大当り決定用乱数、リーチ判定用乱数は特別図柄の抽選に使用し、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数は、普通図柄の抽選・特別図柄の抽選の双方に用いる。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認、ゲート17の遊技球の通過の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12を合わせて4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が対応する始動口に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。当否判定処理(S55)では、特別図柄および普通図柄のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。この当否判定処理(S55)に続く不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
続く画像出力処理等の各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球信号を送信する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が一巡したときの、初期値乱数の値(0〜199の200通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/200である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
始動入賞確認処理(S50)の概要を図6に示す。主制御装置80は、まず第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、特別図柄の保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を保留記憶として記憶し、特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、特別図柄保留数表示装置18は2個のLEDを点灯または消灯させることによる2進法で保留記憶されている数を表す(ただし保留記憶数が4個の場合は2個のLEDを共に点滅させる)もので、「点灯態様を1増加させる」とは2進法で示される数を1つ増やすという意味である。なお、この抽出乱数保留記憶処理(S110)が行なわれると、サブ統合制御装置83にもコマンドが送信され、演出図柄表示装置6に保留記憶の数を表示する。演出図柄表示装置6においては、保留キャラクタを、保留記憶の数と同数、表示することにより、保留記憶の数を表示する。
保留キャラクタを図15(a)に示す。保留キャラクタは、通常保留キャラクタ、仮先読み保留キャラクタ、大当り示唆保留キャラクタ1〜3、確率状態示唆保留キャラクタ1〜3、延長期間示唆保留キャラクタ1〜3、出球示唆保留キャラクタ1〜3の6種類、計14個がある。通常保留キャラクタ、仮先読み保留キャラクタ、大当り示唆保留キャラクタ1〜3は、いずれも円形をしており、仮先読み保留キャラクタは「?」が円内に表示され、大当り示唆保留キャラクタ1は円内に水平線が表示され、大当り示唆保留キャラクタ2は円内に斜線が表示され、大当り示唆保留キャラクタ3は円内が黒く塗りつぶされている。大当り示唆保留キャラクタ1〜3の内のいずれが表示されたかにより、大当りになる確率(信頼度)を遊技者に示唆する。具体的には図15(b)に示すように、大当り示唆保留キャラクタ1が大当りになる信頼度が最も低く、大当り示唆保留キャラクタ2はその次に低く、大当り示唆保留キャラクタ3は大当りになる信頼度が最も高い図柄として設定されている。
確率状態示唆保留キャラクタ1〜3は、三角形をしており、確率状態示唆保留キャラクタ1は三角形の中に水平線が表示され、確率状態示唆保留キャラクタ2は三角形の中に斜線が表示され、確率状態示唆保留キャラクタ3は三角形の中が黒く塗りつぶされている。確率状態示唆保留キャラクタ1〜3の内のいずれが表示されたかにより、それが消化されて大当りになった場合に大当り後の状態が高確率状態となる確率(信頼度)を遊技者に示唆する。すなわち図15(c)に示すように、確率状態示唆保留キャラクタ1が大当り後が高確率状態である信頼度が最も低く、確率状態示唆保留キャラクタ2はその次に低く、確率状態示唆保留キャラクタ3は大当り後が高確率状態である信頼度が最も高い図柄として設定されている。
延長期間示唆保留キャラクタ1〜3は、正方形をしており、延長期間示唆保留キャラクタ1は正方形の中に水平線が表示され、延長期間示唆保留キャラクタ2は正方形の中に斜線が表示され、延長期間示唆保留キャラクタ3は正方形の中が黒く塗りつぶされている。延長期間示唆保留キャラクタ1〜3の内のいずれが表示されたかにより、それが消化されて大当りになった場合に大当り後に開放延長期間が最大となる確率(信頼度)を遊技者に示唆する。開放延長期間とは、時短フラグ(後述)が1となっている期間である。図15(d)に示すように、延長期間示唆保留キャラクタ1が開放延長期間が最大となる信頼度が最も低く、延長期間示唆保留キャラクタ2はその次に低く、延長期間示唆保留キャラクタ3は開放延長期間が最大となる信頼度が最も高い図柄として設定されている。
出球示唆保留キャラクタ1〜3は、六角形をしており、出球示唆保留キャラクタ1は六角形の中に水平線が表示され、出球示唆保留キャラクタ2は六角形の中に斜線が表示され、出球示唆保留キャラクタ3は六角形の中が黒く塗りつぶされている。出球示唆保留キャラクタ1〜3の内のいずれが表示されたかにより、それが消化された場合に、16R(ラウンド)大当りとなる確率(信頼度)を遊技者に示唆する。すなわち図15(e)に示すように、出球示唆保留キャラクタ1が16R大当りとなる信頼度が最も低く、出球示唆保留キャラクタ2はその次に低く、出球示唆保留キャラクタ3は16R大当りとなる信頼度が最も高い図柄として設定されている。
以上のように保留キャラクタの外形で示唆する内容を示し、柄により信頼度の違いを表している(通常保留キャラクタおよび仮先読みキャラクタは除く)。このように形が違っても、同じ柄で信頼度の高低を表すので、遊技者は、どの柄の信頼度(期待度ともいう)が高いかをすぐに理解することができる。これら保留キャラクタの何れかが保留記憶の数と同数、表示される。どの保留キャラクタが表示されるかは、後述する処理により決定される。なお、保留キャラクタを保留図柄とも言う。
図6に戻る。こうして各乱数を記憶すると、先読み判定処理(S115)を実行し、当処理を終了(リターン)する。第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は保留記憶が満杯の場合(S105:yes)、はそのまま当処理を終了する。なお、ここでは保留記憶数を示すコマンドを、S110にてサブ統合制御装置83に送信したが、S115の後に送信してもよい。
先読み判定処理の概要を図7に示す。当処理が起動されると、S105で抽出した乱数が大当りだったか否かを判定する(S150)。具体的には、現在の遊技状態に応じ、確変テーブルまたは通常テーブルを選択し、大当り決定用乱数を各テーブルに記録されている当り値と照合することにより判定する。これについては当否判定処理の説明にて後述する。肯定判断(S150:yes)なら先読み信号1をサブ統合制御装置83に送信する処理(S160)を実行して当処理を終了(リターン)する。なお、先読み信号1には単に当りであることだけではなく、大当り図柄決定用乱数の値も含まれる。否定判断(S150:no)なら、先読み信号2をサブ統合制御装置83に送信する処理(S170)を実行して当処理を終了する。
図5におけるS55の当否判定処理の内、特別図柄に係る当否判定などを行なう処理は、図8〜11に示すようなもので、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図9のS250に移行し、特別図柄の保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する。この保留記憶があれば(S250:yes)、保留記憶数をデクリメントし(S255)、S260に進む。S260では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S260:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S270)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。つまり当り確率は1/30となる。S260が否定判断された場合は、S275にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当り確率は1/300となる。
S270またはS275の判定が行なわれると、S280にて大当りか否かを判定(当否判定)し、肯定判定であれば(S280:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S285)。ここで、大当り図柄決定用乱数と大当り図柄の関係を図16に示す。図16に示すように、大当り図柄決定用乱数の値が1の場合には、特別図柄表示装置9に表示する大当り図柄として、7セグメント表示装置で「1」が表示される場合に点灯される2個のセグメントの内、上のみが点灯され、且つ小数点が点灯された状態の図柄が選択される。これを図柄1とする。大当り図柄決定用乱数の値が2の場合には、特別図柄表示装置9に表示する大当り図柄として、7セグメント表示装置で「2」が表示される場合に点灯される5個のセグメントから、最上部と最下部の各1本が消灯された状態の図柄が選択される。これを図柄2とする。以下、同様に大当り図柄決定用乱数の値3〜18に応じ、特別図柄表示装置9に表示する大当り図柄として図柄3〜図柄18が決定される。
これら図柄1〜18が表示された際に発生される大当り遊技の内容を図17に示す。図柄1または図柄6が表示された際に発生される大当り遊技は、最終ラウンドが16ラウンドで、各ラウンドの開放時間が最長で28秒であり、大当り遊技後(図17では大当り後と記載)の遊技状態は、特別図柄が10000回変動するまで高確率遊技状態となり、特別図柄が100回変動するまで開放延長状態となる。開放延長状態とは、時短フラグ(後述)が1となっている状態のことである。また、特別図柄は10000回変動する前に、ほぼ確実に再び大当り図柄が表示され、該大当り図柄に応じた大当り、すなわち図17に示された大当り遊技が発生されるので、「特別図柄が10000回変動するまで高確率遊技状態」とは、次回大当りになるまで高確率遊技状態が続くことを意味している。一方、「特別図柄が100回変動するまで開放延長状態」とは、特別図柄は100回変動しても当らない確率が約3.5%あるので、その場合は、開放延長状態が終わり、高確率遊技状態のみが続くことになる。以下、同様に他の当り図柄についても、最終ラウンド、最大開放時間、大当り遊技後の状態が設定されている。
図9に戻る。こうして大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S290)、大当り設定処理を行う(S295)。なお、S280において外れと判定された場合は、変動パターン決定用乱数等によって変動パターンを決定し(S300)、ハズレ設定処理(S305)を行なう。ハズレ設定処理では、確変回数のデクリメント(確変フラグが1のとき)が行なわれる。S295、又はS305に続いては、保留情報送信処理(S310)を行なう。保留情報送信処理(S310)では、サブ統合制御装置83に保留個数を減算するための指定を送信する。そしてS315にて、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力する。なお、S315の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄を設定し、その変動表示を開始するが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。また、特別図柄が変動する際には必ず演出図柄も変動され、且つ演出図柄が変動されるときには特別図柄も変動されるので、これらの図柄が変動することを単に「図柄が変動する」とも言う。S315の処理が終了すると特別遊技処理を行なう。
図8において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図10のS350に移行し、図柄変動時間(S290、又はS300の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。
図8において確定図柄を表示中と判定された場合(S210:yes)には、図11のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示終了処理(S405)を行なってから大当りになる組合せや否かを判定する(S410)。肯定判断なら確変フラグが1か否かを判定し(S415)、肯定判断なら(S415:yes)確変フラグを0にし(S420)、S425に移行する。否定判断なら(S415:no)そのまま、S425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。
S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。そしてS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450に移行して確変フラグが1か否かを判定する。肯定判断(S450:yes)であれば、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にし、S465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)、または確変回数が0ではないとき(S455:no)は、そのままS465に移行する。S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短回数が0ではないとき(S470:no)又は時短フラグが1でないとき(S465:no)はそのままS480に移行する。S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
図12〜14に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が、経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって当処理を終了(リターン)する。
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図13のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。また2ラウンド大当りの場合の各ラウンドの最大開放時間は0.9秒に設定している。無論、これらの秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
図12のS510でインターバル中であると判定された場合は、図13のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図12のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図14のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、大当り終了後に確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合は確変回数(1万回)を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。
S630では、大当り終了後に時短に移行するか否かを判定する。肯定判断の場合(S630:yes)は、時短回数(例えば100回)を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、S645に進む。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の当否抽選の高確率化、普通電動役物の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。S645では大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S650)を行なって特別遊技処理を終了する。なお、図12で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。以上が特別遊技処理である。
サブ統合制御装置83にて実行される保留表示処理の概要を図18に示す。当処理はサブ統合制御装置83が、図7の先読み判定処理により送信された先読み信号1または先読み信号2を受信すると起動され(S700:yes)、先読み演出をするか否かを判定する(S710)。この判定は、先読み信号の内容と、サブ統合制御装置83で発生された乱数の値とに基づいて行われる。この乱数は、主制御装置80のメインルーチン(図5)にて大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数を発生させたのと同様に、ループ処理(図示省略)をサブ統合制御装置83において実行することにより、発生される。なお、このようなソフトウェアにより発生される乱数ではなくサブ統合制御装置83のCPUが備えるハード乱数を用いてもよい。また、既に先読み演出が行われている場合は、否定判断(S710:no)する。否定判断の場合はS720にて通常保留表示処理を行なってから当処理を終了する。通常保留表示処理(S720)では、通常保留キャラクタ(図15参照)を演出図柄表示装置6の所定位置に表示する。ここで「所定位置」とは、現在の保留記憶の個数に応じて決まる演出図柄表示装置6の画面上の位置である。具体的には後で図示するが、当該先読み信号が最も古い保留記憶に対応する場合は、演出図柄表示装置6の画面の左下が「所定位置」であり、そこから当該先読み信号が新しい保留記憶になるにつれ、保留キャラクタの幅よりもやや広い分だけ右にずれた位置が「所定位置」となる。なお、先読み信号1または先読み信号2を受信した際に、保留記憶も変動中の演出図柄も存在しない場合は、保留キャラクタを表示することなく保留表示処理を終了する。また、保留が既に4個ある場合は、「所定位置」が存在しない(前記記載に倣うと保留図柄が5個表示されることになってしまう)ことになるが、この場合は始動入賞確認処理(図6)のS105が肯定判断されて終了し(リターン)、先読み判定処理(S115)が実行されないので、先読み信号1,2のいずれも受信せず、従って保留表示処理が起動することがない。
肯定判断の場合(S710:yes)は、仮先読み保留表示処理(S730)を行う。仮先読み保留表示処理では、仮先読み保留キャラクタ(図15参照)を前記所定位置に表示する。そして先読みフラグを1にし(S740)、カウント値を2にして(S750)当処理を終了する。先読みフラグとは、現在、演出図柄表示装置6において先読みによる保留演出が行われていることを示すものであり、1が保留演出中、0が非保留演出中を意味する。カウント値とは、後述する保留キャラクタの選択をする回数を制限するための数値で、ここでは2、すなわち最大2回まで保留キャラクタを選択できることになる。
サブ統合制御装置83にて実行される保留表示更新処理の概要を図19に示す。当処理はサブ統合制御装置83が、図9の保留情報送信処理(S310)により送信された保留情報を受信すると起動され(S800:yes)、保留表示減算・移動処理(S805)を行なう。パチンコ機50においては、後述するように保留キャラクタを演出図柄表示装置6の画面の左下に保留記憶の数と同数だけ横方向に並べて表示することにより保留記憶の数を表す。保留記憶が消化されると、並べられた保留キャラクタの内、最も左の保留キャラクタが消滅する。これが「保留表示の減算」である。そして消えた保留キャラクタの右方に保留キャラクタがあった場合には、その保留キャラクタが左方にずれる。これが「保留表示の移動」である。S805の処理ではこれらが行なわれる。続くS810にて先読みフラグが1か否かを判定する。否定判断なら当処理を終了(リターン)し、肯定判断(S810:yes)なら選択カウンタがプラスか否かを判定する(S815)。否定判断なら当処理を終了し、肯定判断ならガイダンス表示処理(S820)を行う。
ガイダンス表示処理とは、演出図柄表示装置6に表示された保留図柄(ここでは特に仮先読み保留キャラクタ)を、他の保留図柄に変更するための操作案内をする画面(ガイダンス画面)を、演出図柄表示装置6に表示する処理である(具体的には後述)。そしてジョグダイヤル68が回転されたか否かを判定する(S830)。肯定判断ならS835にてカーソルの位置を変更し、S830に戻る。ここでカーソルとは、ガイダンス画面に表示されるものであり、詳しくは後述する。ジョグダイヤル68が操作されていないと判断された場合(S830:no)には、演出ボタン67が操作されたか否かを判定する(S840)。否定判断なら当処理を終了し、肯定判断なら選択カウンタをデクリメントする(S845)。そして保留図柄決定処理(S850)にて保留キャラクタを決定し、該決定された保留キャラクタに、現在表示中の仮先読み保留キャラクタを変更(S855)して当処理を終了する。
保留図柄決定処理(S850)では、主制御装置80から受信した先読み信号が先読み信号1、先読み信号2のいずれであったか、S830〜S840にて遊技者から指定された保留キャラクタの種類が何であったか(ここでは大当り示唆保留キャラクタか確率状態示唆保留キャラクタか)、および乱数に基づいて、S855で表示される保留キャラクタを決定する。乱数は、遊技者から指定された保留キャラクタの中からどの信頼度の保留キャラクタを表示させるかを決定するのに用いられる。ここで、遊技者が大当り示唆保留キャラクタを選んだ場合を例にとると、大当り示唆保留キャラクタ1〜3の中のいずれを用いるかを決定するのに前記乱数を用いる。そして、先読み信号1を受信した場合、大当り示唆保留キャラクタ1〜3を各25%の確率で選択する(残りの25%はS710で否定判断すなわち先読み演出をしないと判定された場合とする)。一方、先読み信号2を受信した場合、1/100の確率で大当り示唆保留キャラクタ1を、1/200の確率で大当り示唆保留キャラクタ2を、1/500の確率で大当り示唆保留キャラクタ3を選択する。この場合、大当り示唆保留キャラクタ1の信頼度は7.7%、大当り示唆保留キャラクタ2の信頼度は14.3%、大当り示唆保留キャラクタ3の信頼度は45.5%となる。確率状態示唆保留キャラクタ1〜3についても同様にして選択され、確率状態示唆保留キャラクタ1よりも確率状態示唆保留キャラクタ2の方が大当り後に高確率状態になる可能性が高く、確率状態示唆保留キャラクタ2よりも確率状態示唆保留キャラクタ3の方が大当り後に高確率状態になる可能性が高くなる設定となっている。なお、選択カウンタの初期値は2であった(S750参照)から、S820〜S855の処理は2回まで繰り返せることになる。
実際に保留図柄が演出図柄表示装置6に表示され、演出が行なわれていく様子を図20〜21に示す。まず図20(a)は、左・中・右の3図柄からなる演出図柄91が画面上で変動されている様子で、この画面の左下には保留キャラクタ92、93が表示されている。保留キャラクタが2個表示されているので、保留記憶の数は2個であり、保留キャラクタ92,93とも通常保留キャラクタである。ここで第1始動口11または第2始動口12に新たに入球(以下、単に始動入賞という)が発生したときの様子を示すのが図20(b)である。ここでは保留キャラクタ93の右に新たな保留キャラクタ94として、仮先読み保留キャラクタが表示された。これは保留表示処理のS710で肯定判断されたことによるものである。前後するが、保留キャラクタ92,93が通常保留キャラクタであったのは、保留表示処理のS710で否定判断されたことによる。
変動されていた演出図柄91が停止された状態が図20(c)である。ここでは「114」というハズレの態様で確定表示されたので、図20(d)に示すように最も古い保留記憶(保留キャラクタ92)が消化され、次の図柄変動が開始される。保留キャラクタ92が消化されたことにより、保留キャラクタ93,94が保留図柄1つ分だけ左にずれる(S805の処理)。続いて画面がガイダンス表示に切り替わり、演出図柄91は画面の右上で小さく変動される状態となる(図20(e))。ガイダンス表示では仮先読み保留キャラクタ(保留キャラクタ94)を、大当りになるか否かの可能性を示す保留キャラクタ(図20(e)では保留表示と表記。以下同様)に変えるか、或いは大当り後に高確率状態に移行するか否かの可能性を示す保留キャラクタに変えるかを遊技者に促す。前者を選択する場合には円形のカーソル95を「A」に合わせて演出ボタン67を押す。後者を選択する場合にはカーソル95を図20(f)のように「B」に合わせて、演出ボタン67を押す。なお、カーソル95はジョグダイヤル68を回転させると「A」「B」間を移動する。図20(f)の状態で演出ボタン67を押すと保留キャラクタ94(仮先読み保留キャラクタ)が保留キャラクタ96(確率状態示唆保留キャラクタ2)に変化する(図20(g))。ここでは確率状態示唆保留キャラクタ2になったが、保留図柄決定処理(S845)によって確率状態示唆保留キャラクタ1や確率状態示唆保留キャラクタ3になることも当然ある。また、図20(e)の状態で演出ボタン67を押すと大当り示唆保留キャラクタ1〜3のいずれかに変化する。なお、演出ボタン67やジョグダイヤル68の入力が有効なのは現在変動中の演出図柄が確定表示されるまでであり、有効期間を終了すると保留キャラクタ94は仮先読みキャラクタのままとなる。
変動されていた演出図柄91が「422」というハズレの態様で停止された状態が図20(h)である。続いて図21(i)に示すように最も古い保留記憶(保留キャラクタ93)が消化され、次の図柄変動が開始される。保留キャラクタ93が消化されたことにより、再びガイダンス表示に切り替わり、演出図柄91は画面の右上で小さく変動される状態となる。ここで「A」すなわち大当りになるか否かの可能性を示す保留キャラクタを選択すると、保留キャラクタ96(確率状態示唆キャラクタ)が保留キャラクタ97(大当り示唆保留キャラクタ3)に変化する(図21(j))。ここでは大当り示唆保留キャラクタ3になったが、保留図柄決定処理(S845)によって大当り示唆保留キャラクタ1や大当り示唆保留キャラクタ2になることもある。変動されていた演出図柄91が「213」というハズレの態様で停止された状態が図20(l)である。やがて保留キャラクタ97も消化され(図21(m))、左と右の演出図柄91が同じ数字「3」で停止された様子が図21(n)である。なお、先読み保留が消化されると先読みフラグは0に戻る。画面が切り替わり、演出図柄91は画面の右上で小さく変動される状態となり、画面の大部分では「桃太郎」の物語が展開されるスーパーリーチ(桃太郎リーチという)が開始される(図21(o))。そして桃太郎が鬼退治に成功すると、大当り遊技の内容が遊技者に報知される(図21(p))。
このように構成された遊技機によれば、大当りになる信頼度を知りたい遊技者はガイダンス表示処理により表示された画面にて、保留キャラクタを選択することにより、自分が知りたい情報を得ることができる。例えば、大当りになる信頼度を知りたい遊技者は、大当り示唆キャラクタを選択し、大当り後に高確率状態となるか否かを知りたい遊技者は確率状態示唆キャラクタを選択すれば、所望の情報の信頼度を知ることができる。
また、同じ遊技者であっても、遊技状態に応じて知りたい情報は変化する。例えばパチンコ機50では、確変回数が1万回となっているので、一旦、高確率状態となると、ほぼ間違いなく次回の大当りが得られ、しかも確率が上昇している分だけ、通常状態(低確率状態)よりも短時間で大当りを得られると期待できる。更に時短フラグが1の間は遊技球が減ることなく、次回の大当りを得ることになる。こうした状態では、多くの遊技者は大当りになるか否かに大した興味は抱かない。むしろ、次回発生する大当りの結果、高確率状態は継続するのか終わるのかに関心を抱く。こうした遊技状態では、遊技者は大当り後に高確率状態となるか否かを知りたいので、確率状態示唆キャラクタを選択すると考えられる。このような遊技状態に応じた嗜好の変化にも、パチンコ機50は対応することができる。
また、選択を2回行うことができるので、大当りに対する信頼度と高確率になるか否かの信頼度の双方の情報を得ることができる。また、選択を誤った場合にも選択のやり直しをすることができる(ただし保留記憶の数が3個以上必要)。またこのように選択の回数が制限されているので、選択できることの喜びを遊技者が味わうことができる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。演出ボタン67およびジョグダイヤル68が本発明の「操作手段」に相当し、サブ統合制御装置83が本発明の「サブ制御装置」に相当し、S105の処理が本発明の「乱数値抽出手段」に相当し、S110の処理が本発明の「保留記憶手段」に相当し、S260〜S280の処理が本発明の「大当り判定手段」に相当し、S615〜S640の処理が本発明の「遊技状態決定手段」に相当し、S315,S350、及びS355の処理が本発明の「特別図柄表示制御手段」に相当し、S160及びS170の処理が本発明の「先読みコマンド送信手段」に相当し、S315の処理が本発明の「表示制御コマンド送信手段」に相当し、S710の処理が本発明の「先読み演出実行判定手段」に相当し、S810〜S815の処理が本発明の「先読み演出選択許可判定手段」に相当し、S805の処理が第1参考例の「保留表示手段」に相当し、S850〜S855の処理が本発明の「先読み演出実行判定手段」に相当し、大当り示唆キャラクタ1〜3が本発明の「大当り示唆演出」に相当し、確率状態示唆キャラクタ1〜3及び延長期間示唆キャラクタ1〜3が本発明の「遊技状態示唆演出」に相当する。
なお、第1大当り示唆演出および第2大当り示唆演出に相当するものは、それぞれ大当り示唆保留キャラクタ1および大当り示唆保留キャラクタ2ということもできるし、大当り示唆保留キャラクタ2および大当り示唆保留キャラクタ3ということもできるし、大当り示唆保留キャラクタ1および大当り示唆保留キャラクタ3ということもできる。また、第1遊技状態示唆演出および第2遊技状態示唆演出に相当するものは、それぞれ確率状態示唆保留キャラクタ1および確率状態示唆保留キャラクタ2ということもできるし、確率状態示唆保留キャラクタ2および確率状態示唆保留キャラクタ3ということもできるし、確率状態示唆保留キャラクタ1および確率状態示唆保留キャラクタ3ということもできる。或いは、延長期間示唆保留キャラクタ1および延長期間示唆保留キャラクタ2ということもできるし、延長期間示唆保留キャラクタ2および延長期間示唆保留キャラクタ3ということもできるし、延長期間示唆保留キャラクタ1および延長期間示唆保留キャラクタ3ということもできる。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図22〜23を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
図22〜23は保留図柄が演出図柄表示装置6に表示され、演出が行なわれていく様子であり、図22(a)では、左・中・右の3図柄からなる演出図柄91が画面上で変動されている。この画面の左下には3個の保留キャラクタ92が表示されている。保留キャラクタが3個表示されているので、保留記憶の数は3個であり、いずれの保留キャラクタ92も通常保留キャラクタである。ここで第1始動口11または第2始動口12に新たに始動入賞が発生したときの様子を示すのが図22(b)である。ここでは右端の保留キャラクタ92の右に新たな保留キャラクタ98として、大当り示唆保留キャラクタ1が表示された。つまり第2実施例においても、保留表示処理のS710で肯定判断されると保留キャラクタが表示されるが、仮先読み保留キャラクタを経ることなく大当り示唆保留キャラクタが表示される。図22(b)ではたまたま大当り示唆保留キャラクタ1が表示されたが、大当り示唆保留キャラクタ2や大当り示唆保留キャラクタ3が表示されることも当然ある。
変動されていた演出図柄91が停止された状態が図22(c)である。ここでは「114」というハズレの態様で確定表示されたので、図22(d)に示すように最も古い保留記憶(左端の保留キャラクタ92)が消化され、次の図柄変動が開始される。保留キャラクタ92が消化されたことにより、2個の保留キャラクタ93,および98(大当り示唆保留キャラクタ1)が保留図柄1つ分だけ左にずれる(S805の処理)。このとき、大当り示唆保留キャラクタ1が大当り示唆保留キャラクタ3に昇格している。このように第2実施例では、保留表示が更新される際に、大当り示唆保留キャラクタが昇格する場合がある。変動されていた演出図柄91が「422」というハズレの態様で停止された状態が図22(e)である。続いて図22(f)に示すように最も古い保留記憶(左端の保留キャラクタ92)が消化され、次の図柄変動が開始される。大当り示唆保留キャラクタ3が表示された状態で、次の図柄変動(ただし大当り示唆保留キャラクタ3自体が消化され図柄変動が開始される場合は除く)が開始されると(例えば図22(e)の状態)、ガイダンス画面に切り替わり、演出図柄91は画面の右上で小さく変動される状態となる(図22(g))。なお、この仕様から分かるように第2実施例では保留キャラクタを選択可能なのは、先読み演出1回あたり1回のみとなる(第1実施例では2回だった)。
第2実施例のガイダンス画面では、表示中の大当り示唆保留キャラクタを、大当り後に高確率状態に移行するか否かの可能性を示す保留キャラクタに変える(「A」を選択)か、大当り後に一番長い開放延長期間に移行するか否かの可能性を示す保留キャラクタに変える(「B」を選択)か、或いは大当りが16Rであるか否かの可能性を示す保留キャラクタに変える(「C」を選択)かを遊技者に促す。第1実施例と同様、ジョグダイヤル68を回転させるとカーソル95を「A」「B」「C」の任意の位置に移動させることができ、演出ボタン67を押して選択する。図22(h)の状態で演出ボタン67を押すと保留キャラクタ98(大当り示唆保留キャラクタ3)が保留キャラクタ99(出球示唆保留キャラクタ)に変化する(図23(i))。ここでは出球示唆保留キャラクタ1になったが、出球示唆保留キャラクタ2や出球示唆保留キャラクタ3になることもある。また、図22(g)の状態で演出ボタン67を押すと確率状態示唆保留キャラクタ1〜3のいずれかに変化し、カーソル95が「B」にある状態で演出ボタン67を押すと延長期間示唆保留キャラクタ1〜3のいずれかに変化する。なお、第1実施例と同様、演出ボタン67やジョグダイヤル68の入力が有効なのは現在変動中の演出図柄が確定表示されるまでであり、有効期間を終了すると保留キャラクタ98は大当り示唆キャラクタ3のままとなる。
変動されていた演出図柄91が「213」というハズレの態様で停止され(図23(j))、保留キャラクタ92も消化され(図23(l))、演出図柄91が「642」というハズレの態様で停止された状態が図23(m)である。保留キャラクタ99(出球示唆保留キャラクタ1)が消化され、演出図柄の変動(図23(n))を経て、左と右の演出図柄91が同じ数字「3」で停止された様子が図23(o)である。画面が切り替わり、演出図柄91は画面の右上で小さく変動される状態となり、画面の大部分では桃太郎リーチが開始される(図23(p))。そして桃太郎が鬼退治に成功すると、大当り遊技の内容が遊技者に報知される(図23(q))。ここでは20回という大当りの中で最も少ない開放延長期間の大当りが発生しているが、保留キャラクタ99が出球示唆保留キャラクタ2や出球示唆保留キャラクタ3であっても、同じ大当りが発生する可能性があり、逆に、出球示唆保留キャラクタ1が消化されて開放延長状態が10000回の大当りが発生する場合もある。
このように構成された遊技機によれば、大当り示唆保留キャラクタ3が表示されないと保留キャラクタを選択できない(ガイダンス画面が表示されない)ので、該選択を望む遊技者は、大当り示唆保留キャラクタ1や大当り示唆保留キャラクタ2が大当り示唆保留キャラクタ3に昇格するのを望むという新たな遊技興趣を有したものとなる。また、最初に表示される保留キャラクタは大当り示唆保留キャラクタ1〜3の何れかであるので、いきなり例えば確率状態示唆キャラクタ1〜3が表示されて、「大当り確定か?」などと遊技者に余計な期待を抱かせることもない。
[他の実施例]
本発明の操作手段に相当する構成として、前記実施例では演出ボタン67およびジョグダイヤル68を用いたが、これら以外の構成を用いて選択してもよい。例えば、これらの内の少なくとも一方をタッチパネルや、ジョイスティックに置き換えてもよい。保留図柄の選択方法として、ジョグダイヤル68を用いて指定先を変更していたが、カーソル95が一定時間間隔で画面上の選択肢(第1実施例ではAまたはB、第2実施例ではA、B、C)を移動する構成としてもよい。そして演出ボタン67を押したときにカーソル95が位置した選択肢の保留キャラクタが選択されるようにしてもよい。或いは、選択の時間が定められており、演出ボタン67を押すごとにカーソル95が前記選択肢間を移動し、選択の時間がゼロになった時にカーソル95が位置した選択肢の保留キャラクタが選択されるようにしてもよい。
保留表示処理(図18)において、先読み演出をするか否かの判定(S710)を、乱数により行なっていたが、これ以外の方法によってもよい。例えば、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信する先読み信号として変動パターン(特図の変動時間)も併せて送信し、該変動パターンがある程度長かった場合に先読み演出を行うようにすることが考えられる。これに反して変動パターンが短いと、せっかく発生した保留演出が短時間で終わってしまい、遊技者が保留図柄を選択できない可能性がある。これに対し、前記のように変動パターンがある程度長かった場合に先読み演出を行なえば、前記選択の時間も十分とれるようになる。ここで「長い/短い」は、保留演出として本遊技機の設計者などが演出内容などに鑑みて設定すればよい。また、このように判断材料として変動パターンを用いるのに加え、乱数も用いて判定してもよい。また、リーチ判定用乱数の値を先読み信号と併せて送信し、リーチ発生の有無や、リーチの種類(スーパーリーチか否か、レアなリーチか否か等)を、先読み演出をするか否かの判断材料にしてもよい。また、大当り図柄決定用乱数の値を先読み信号と併せて送信して、先読み演出をするか否かを判断してもよい。なお、大当り図柄決定用乱数は、外れであっても抽出されるので、外れの場合には先読み演出を行うか否かの判定に用い、当りの場合には、大当り図柄に基づいて先読み演出を行うか否かを判定するのに用いることができる。もちろん、これらをそれぞれ判断材料として用いるのに加え、乱数も用いて判定してもよい。更に、これら(変動パターンや乱数も含む)の一部(又は全て)を適宜組み合わせたものを、先読み演出を行うか否かの判断材料にしてもよい。また、主制御装置80にて、これらの一部(又は全て)を適宜組み合わせて先読み信号を生成し、サブ統合制御装置83に送信する構成としてもよい。この場合は、先読み信号は3種類以上の数になる可能性が高い。
また、大当り示唆保留キャラクタ3は、45.5%の信頼度であったが、100%にしてもかまわない。これには、先読み信号1を受信した場合に大当り示唆保留キャラクタ3を0以外の確率で表示し、先読み信号2を受信した場合に大当り示唆保留キャラクタ3を選択しないように構成すればよい。確率状態示唆キャラクタ3、延長状態示唆キャラクタ3、出球示唆キャラクタ3についても100%の信頼度にしてもよい。
延長期間示唆保留キャラクタ1〜3は、大当りの終了後に最大の開放延長期間(10000回)になる信頼度を示すものであったが、開放延長期間の長さを示す先読み演出にしてもよい。例えば、延長期間示唆保留キャラクタ3が表示されると長い期間(100回以上)になる可能性が高く、延長期間示唆保留キャラクタ2は中くらいの期間(50回)になる可能性が高く、延長期間示唆保留キャラクタ1は短い期間(20回)になる可能性が高いなどとしてもよい。
出球示唆保留キャラクタ1〜3についても、16ラウンド大当りになる信頼度を示すものではなく、獲得可能な賞球数を示唆する先読み演出にしてもよい。例えば、出球示唆保留キャラクタ3が表示されると16ラウンドで大入賞口14が最大28秒開放する大当りになる可能性が高く、出球示唆保留キャラクタ2は16ラウンドで大入賞口14が最大15秒開放する大当りになる可能性が高く、出球示唆保留キャラクタ1は5ラウンドで大入賞口14が最大15秒開放する大当りになる可能性が高いなどとしてもよい。
第2実施例において、大当り示唆保留キャラクタ3(保留キャラクタ98)の変更先として、確率状態示唆キャラクタ、延長期間示唆保留キャラクタ、出球唆保留キャラクタの3種類の内から選択していたが、これらの内のどれか2種類から選択可能に構成してもよい。例えば、本発明の遊技状態示唆演出に相当する確率状態示唆キャラクタおよび延長期間示唆保留キャラクタの2種類の内から選択可能にしてもよい。また、3種類の中から選択するか、或いは2種類の中から選択するかを乱数などを用いた抽選により決定する構成としてもよい。該抽選を行う構成が本発明の選択範囲決定手段に相当する。
また、パチンコ機50は払出制御装置81を備え、払出装置73により遊技球を払い出すものであったが、このような実体のある遊技球を払い出さずに、賞球数に対応する数値データを遊技者に付与する遊技機に本発明を適用しても良い。
第1実施例において、保留キャラクタを選択できる回数は2回であったが、これ以外の回数にしたり、無制限にしたりしてもよい。また、遊技状態などにより選択可能な回数が変化するように構成してもよい。
前記実施例は、S710にて先読み演出を行うと判断された時には保留キャラクタを用いた演出を行うものであったが、保留キャラクタを用いない先読み演出を行なう場合もある構成にしてもよい。 また、遊技者の指示に応じ、保留キャラクタを遊技者が選べるモード(つまり前記実施例に近い態様)と、保留キャラクタを遊技者が選べないモード(従来の遊技機に近い態様)を選択できるように構成しても構わない。 このモード選択は、客待ち画面で選択可能としたり、先読み演出が行われていない状態ならばいつでも選択可能としたりすることが考えられる。 また、同様に、大当り示唆キャラクタのみが発生するモード、確率状態示唆キャラクタのみが発生するモード、出球唆保留キャラクタのみが発生するモードの中から選択できるように構成し直してもよい。
第2実施例では、大当り示唆保留キャラクタ3が表示されない限り、ガイダンス画面が表示されない仕様であったが、大当り示唆保留キャラクタ1や大当り示唆保留キャラクタ2が表示された状態で保留記憶が消化されても、ガイダンス画面が表示される場合があるように構成しなおしてもよい。この場合は、必ずガイダンス画面が表示されるのではなく、大当り示唆保留キャラクタ1が表示されている場合よりも大当り示唆保留キャラクタ2が表示されている場合の方がガイダンス画面が表示される確率が高く、大当り示唆保留キャラクタ3が表示されている場合の方がガイダンス画面が表示される確率が更に高いなどと構成すると、遊技興趣が高まる。