JP6372327B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
一般に、用紙にテンションを付与する方法として、搬送下流側に設けられたユニットほど線速が速くなるように設定する方法が知られている。具体的には、定着ローラー>二次転写ベルト(中間転写ベルト)>搬送ローラーの順に線速が速くなるように設定する。
従って、定着ローラーに搬送される転写紙の線速は、二次転写ベルトの線速が所定値からずれない程度に精度よく制御されなければならない。
また、上記特許文献1記載の技術とは異なる一般的な線速計測方法として、二次転写ベルト駆動ローラー及び定着駆動ローラーにエンコーダーを設置して各々の線速を計測し、定着駆動ローラーの回転数を制御するという方法が知られている。
上記公差による問題は、各ローラーの直径を測定することで改善可能であるが、定着駆動ローラーは定期交換部品であるため、交換する毎に設定を変更する必要がある。また、ローラーの直径は測定位置により値が異なるため、平均値を採用したとしても、計測された線速は実際の線速に一致しない。
また、定着駆動ローラーは、ヒーターにより一定の範囲で温度がコントロールされているが、コントロール範囲内であった場合でも熱膨張により直径が変化するため、熱膨張変化分の線速変化により正確な線速計測ができない。
更に、定着ローラーに搬送される転写紙の線速は、転写紙の厚みにより変化するため、紙厚変化分の線速変化により正確な線速計測ができない。
以上のように、上記した従来技術では、正確な線速計測ができず、色ずれの発生を抑制することができないという問題がある。
トナー像が一次転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに押圧されて従回転することで、前記トナー像を転写紙に二次転写する転写ローラーと、前記転写ローラーにより二次転写されたトナー像を前記転写紙に定着させる定着ローラーと、を備える画像形成装置において、
前記転写ローラーの回転数を計測する回転数計測部と、
前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記中間転写ベルトの線速又は前記中間転写ベルト及び前記転写ローラー間にニップされた転写紙の線速を計測する線速計測部と、
前記線速計測部により計測された線速に基づいて、前記定着ローラーの回転数を制御する定着制御部と、
を備え、
前記線速計測部は、
転写紙が前記中間転写ベルト及び前記転写ローラー間にニップされていない状態で前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記中間転写ベルトの線速を計測するとともに、
転写紙が前記定着ローラーにニップされ、且つ当該転写紙が前記中間転写ベルト及び前記転写ローラー間にニップされた状態で前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速を計測し、
前記定着制御部は、前記線速計測部により計測された前記中間転写ベルトの線速及び前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速に基づいて、前記定着ローラーの回転数を制御することを特徴とする。
前記定着制御部は、前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速が、前記中間転写ベルトの線速と等速以上前記中間転写ベルトの線速に色ずれの許容限界である線速差を足した線速以下となるように前記定着ローラーの回転数を制御することを特徴とする。
前記線速計測部は、前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速を連続的に計測し、
前記定着制御部は、前記線速計測部により前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速が計測される毎に、前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速が、前記中間転写ベルトの線速と等速以上前記中間転写ベルトの線速に色ずれの許容限界である線速差を足した線速以下となるように前記定着ローラーの回転数を制御することを特徴とする。
ロール紙を給紙する給紙装置を備え、
前記線速計測部は、
前記ロール紙を装填する前に前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記中間転写ベルトの線速を計測するとともに、
前記ロール紙を装填した後に、当該ロール紙が前記定着ローラーにニップされ、且つ当該ロール紙が前記中間転写ベルト及び前記転写ローラー間にニップされた状態で前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記定着ローラーに搬送されるロール紙の線速を計測し、
前記定着制御部は、前記線速計測部により計測された前記中間転写ベルトの線速及び前記定着ローラーに搬送されるロール紙の線速に基づいて、前記定着ローラーの回転数を制御することを特徴とする。
給紙装置1Aは、例えば、ロール紙や連続用紙等の長尺用紙(本実施形態ではロール紙R)を収容し、画像形成装置本体1Bからの指示に従って、長尺用紙を給紙する。給紙装置1Aから画像形成装置本体1Bへと給紙された長尺用紙は、所定の搬送路により画像形成部40に搬送される。
画像形成装置本体1Bは、給紙装置1Aから給紙された長尺用紙に画像を形成する。
巻取装置1Cは、画像形成装置本体1Bにより画像が形成され、送出された長尺用紙を巻き取る。
スキャナー部30は、光源や反射鏡等の光学系を備えて構成され、所定の搬送路を搬送された原稿D又はプラテンガラスに載置された原稿Dに光源を照射し、反射光を受光する。また、スキャナー部30は、受光した反射光を電気信号に変換して制御部100に出力する。
各作像部YMCKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を感光体ドラム41に形成し、感光体ドラム41に形成されたYMCK各色のトナー像を中間転写ベルトTに一次転写する。
なお、各作像部YMCKの構成及び動作は何れも同様であるため、以下、イエロー作像部Yを例に挙げて、画像形成部40が行う一連の画像形成動作について説明する。
帯電装置42は、感光体ドラム41を一様に帯電する。
露光装置43は、制御部100からの画像データDyに基づいて感光体ドラム41の非画像領域を露光して露光した部分の電荷を除去し、感光体ドラム41の画像領域に静電潜像を形成する。
現像装置44は、感光体ドラム41に形成された静電潜像上に現像剤であるトナーを供給し、感光体ドラム41にイエローのトナー像を形成する。
なお、他の作像部MCKも同様に、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を中間転写ベルトTに一次転写する。これにより、中間転写ベルトT上にYMCK各色のカラーのトナー像が形成される。
この中間転写ベルトTは、一次転写ローラー45により、対向するそれぞれの感光体ドラム41に圧着される。一次転写ローラー45のそれぞれには印加された電圧に応じた転写電流が流れる。これにより各感光体ドラム41の表面に現像された各トナー像は、それぞれ各一次転写ローラー45により順次中間転写ベルトTに一次転写される。
また、二次転写ローラー46には、図3に示すように、二次転写ローラー46と同軸で回転するエンコーダー462と、エンコーダー462の回転情報を読み取るエンコーダー読取センサー463と、が設けられ、エンコーダー462及びエンコーダー読取センサー463の協働により二次転写ローラー46の回転数が計測される。即ち、エンコーダー462及びエンコーダー読取センサー463は、本発明の回転数計測部として機能する。
加熱ベルトF4は、加熱ローラーF2及び加熱ローラーF3によって張架されている。加熱ローラーF3は、内部に高出力ヒーターを備えており、用紙の搬送方向に対して順方向に回転し、加熱ベルトF4を介して加熱ローラーF2を加熱する。加熱ローラーF2は、用紙の搬送方向に対して順方向に回転し、搬送されてきた用紙の定着面を、加熱ベルトF4を介して加熱及び加圧する。加熱ローラーF1は、加熱ローラーF3と同様、内部に高出力ヒーターを備えており、用紙の搬送方向に対して順方向に回転し、搬送されてきた用紙の非定着面を加熱及び加圧する。即ち、加熱ローラーF1及び加熱ローラーF2は、本発明の定着ローラーとして機能する。
以上が画像形成部40による一連の画像形成動作である。
クリーニング装置47及びクリーニング装置48は、何れも感光体ドラム41又は中間転写ベルトTに残留する残留物を除去する点で同一であり、同様の構成及び動作を行う。
表示部71は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、各機能の動作状況等の表示を行う。また、ユーザーによるタッチ操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
操作部72は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。ユーザーは、操作表示部70を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに装置の停止操作などを行うことができる。
まず、画像形成装置1(画像形成装置本体1B)にロール紙Rを装填(給紙)する前に行われる処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
次に、制御部100は、エンコーダー読取センサー463により読み取られたエンコーダー462の回転情報に基づいて、二次転写ローラー46の回転数を計測する(ステップS12)。
次に、制御部100は、ステップS12で計測された二次転写ローラー46の回転数及び中間転写ベルトTの駆動時間に基づいて、中間転写ベルトTの線速V0を計測し、記憶部60に記憶させる(ステップS13)。なお、記憶部60に記憶させる代わりに、制御部100のRAMに記憶させるようにしてもよい。
次に、制御部100は、エンコーダー読取センサー463により読み取られたエンコーダー462の回転情報に基づいて、二次転写ローラー46の回転数を計測する(ステップS22)。
次に、制御部100は、ステップS22で計測された二次転写ローラー46の回転数及び給紙装置1Aの駆動時間に基づいて、定着ローラー(加熱ローラーF1及び加熱ローラーF2)に搬送されるロール紙Rの線速Vを計測する(ステップS23)。
装置を停止すると判定した場合(ステップS24:YES)は、処理を終了する。
一方、装置を停止しないと判定した場合(ステップS24:NO)は、次のステップS25へと移行する。
所定の条件(0≦V−V0≦C)を満たすと判定した場合(ステップS25:YES)は、定着ローラーに搬送されるロール紙Rの線速Vを変更する必要がないと判定し、ステップS22へと移行する。
一方、条件(0≦V−V0≦C)を満たしていないと判定した場合(ステップS25:NO)は、次のステップS26へと移行する。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、転写紙に対して適切なテンションを付与することができるので、安定した用紙搬送を行うことができる。
また、線速の絶対値ではなく線速差に基づいて定着ローラーの回転数が制御されるので、転写ローラーの直径の公差の影響を受けることがなく、正確な線速計測を行うことができる。また、定着ローラーに搬送される転写紙の線速を直接測定しているので、加熱ローラーF1、F2の熱膨張に対する線速変化や紙厚の変化に対する線速変化も含めて計測することができ、正確な線速計測を行うことができる。さらに、定着ローラーを通過する前の転写紙の線速を計測しているので、定着作業に伴う用紙の熱収縮の影響を受けることがなく、正確な線速計測を行うことができる。以上のように、正確な線速計測を行うことができるので、色ずれの発生を抑制することができる。
また、線速計測用に特別な画像を形成する必要がないので、転写紙に無駄が発生することがなく、コストを削減しつつ、生産性を向上させることができる。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、最大限短い間隔で転写紙の線速を色ずれが許容される範囲の線速に制御することができるので、線速の突発的な変化にも柔軟に対応することができ、より確実に色ずれを抑制することができる。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、カット紙と比較してジャム発生後のリカバリ作業に手間が掛かるロール紙Rにおいても安定した用紙搬送を行うことができるので、ロール紙Rを用いた画像形成時におけるダウンタイムを低減することができる。
1A 給紙装置
1B 画像形成装置本体
20 自動原稿搬送部
30 スキャナー部
40 画像形成部
41 感光体ドラム
42 帯電装置
43 露光装置
44 現像装置
45 一次転写ローラー
46 二次転写ローラー(転写ローラー)
462 エンコーダー(回転数計測部)
463 エンコーダー読取センサー(回転数計測部)
47、48 クリーニング装置
T 中間転写ベルト
F 定着装置
F1,F2 加熱ローラー(定着ローラー)
50 給紙部
60 記憶部
70 操作表示部
100 制御部(線速計測部、定着制御部)
1C 巻取装置
R ロール紙
Claims (4)
- トナー像が一次転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに押圧されて従回転することで、前記トナー像を転写紙に二次転写する転写ローラーと、前記転写ローラーにより二次転写されたトナー像を前記転写紙に定着させる定着ローラーと、を備える画像形成装置において、
前記転写ローラーの回転数を計測する回転数計測部と、
前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記中間転写ベルトの線速又は前記中間転写ベルト及び前記転写ローラー間にニップされた転写紙の線速を計測する線速計測部と、
前記線速計測部により計測された線速に基づいて、前記定着ローラーの回転数を制御する定着制御部と、
を備え、
前記線速計測部は、
転写紙が前記中間転写ベルト及び前記転写ローラー間にニップされていない状態で前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記中間転写ベルトの線速を計測するとともに、
転写紙が前記定着ローラーにニップされ、且つ当該転写紙が前記中間転写ベルト及び前記転写ローラー間にニップされた状態で前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速を計測し、
前記定着制御部は、前記線速計測部により計測された前記中間転写ベルトの線速及び前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速に基づいて、前記定着ローラーの回転数を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着制御部は、前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速が、前記中間転写ベルトの線速と等速以上前記中間転写ベルトの線速に色ずれの許容限界である線速差を足した線速以下となるように前記定着ローラーの回転数を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記線速計測部は、前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速を連続的に計測し、
前記定着制御部は、前記線速計測部により前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速が計測される毎に、前記定着ローラーに搬送される転写紙の線速が、前記中間転写ベルトの線速と等速以上前記中間転写ベルトの線速に色ずれの許容限界である線速差を足した線速以下となるように前記定着ローラーの回転数を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - ロール紙を給紙する給紙装置を備え、
前記線速計測部は、
前記ロール紙を装填する前に前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記中間転写ベルトの線速を計測するとともに、
前記ロール紙を装填した後に、当該ロール紙が前記定着ローラーにニップされ、且つ当該ロール紙が前記中間転写ベルト及び前記転写ローラー間にニップされた状態で前記回転数計測部により計測された転写ローラーの回転数に基づいて、前記定着ローラーに搬送されるロール紙の線速を計測し、
前記定着制御部は、前記線速計測部により計測された前記中間転写ベルトの線速及び前記定着ローラーに搬送されるロール紙の線速に基づいて、前記定着ローラーの回転数を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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