JP6371817B2 - 消臭用組成物又はマスキング用組成物及びそれらの使用方法 - Google Patents

消臭用組成物又はマスキング用組成物及びそれらの使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、消臭成分の不快臭が低減された消臭用組成物及び前記消臭用組成物を用いた対象の臭いを低減する方法に関する。また、本発明は、消臭成分の不快臭のマスキング用組成物及び前記マスキング用組成物を用いた消臭成分の不快臭のマスキング方法にも関する。
近年は、消臭剤が広く普及していることから理解できるように、清潔志向が高まって、生活臭や体臭などを気にする人が多い。また、新築の建物や新車の車室内では、シックハウス症候群等の原因ともなりうる揮発性物質による独特の臭いが発生するが、このような臭いを不快に感じる人も多く、臭いに関する多くの研究が行われている。
嗅球の各糸球体には、おそらく1種の嗅覚受容体が存在しており、その糸球体は、共通した分子特徴を有する複数の臭い物質により活性化され得る(非特許文献1)。類似した分子受容可能領域を有する糸球体は、お互いに近傍に存在してクラスター及びサブクラスターを形成する(非特許文献1)。また、特許文献1には、2,4,6−トリクロロアニソール(TCA)及び2,4,6−トリブロモアニソール(TBA)などの化合物が、嗅細胞上のカチオンチャネルを阻害することにより嗅覚の感度を低下させ、これにより消臭効果を奏する旨が記載されている。
特開2013−147475号公報
Takahashi YK,et al.,Journal of Neurophysiology(2004),Vol.92,pp.2413−2427
しかしながら、TCA及びTBAなどの消臭成分は、それ自体がカビ臭を有するため、消臭用組成物へは十分に応用されていなかった。本発明は、前記消臭成分の不快臭を改善し、有用な消臭用組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、TCA及びTBAなどの消臭成分と類似した化学構造を有する特定の化合物が、消臭成分の不快臭をマスキング又は低減することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示す消臭用組成物又はマスキング用組成物及びそれらの使用方法を提供するものである。
〔1〕以下の式(1)
Figure 0006371817
(1)
(式中、R1〜R5はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R1〜R5の少なくとも1つはハロゲン原子である)で示される少なくとも1種の化合物と、
以下の式(2)
Figure 0006371817
(2)
(式中、R6〜R10はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又は炭化水素基を表す)
で示される少なくとも1種の化合物と、を含む消臭用組成物。
〔2〕前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物が、2,4,6−トリクロロアニソール及び/又は2,4,6−トリブロモアニソールである、前記〔1〕に記載の消臭用組成物。
〔3〕前記式(2)において、R6及びR9が、水素原子であり、R7、R8、及びR10が、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又は炭化水素基である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の消臭用組成物。
〔4〕前記式(2)で示される少なくとも1種の化合物が、アニソール、ベラトロール、エストラゴール、グアヤコール、4−エチルグアヤコール、ヒドロキノンジメチルエーテル、アネトール、レゾルシンジメチルエーテル、クレオゾール、及びパラクレジルメチルエーテルからなる群から選択される1種以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の消臭用組成物。
〔5〕前記式(2)で示される少なくとも1種の化合物の含有量が、前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物の含有量の1倍以上である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の消臭用組成物。
〔6〕前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物の質量濃度が、1ppq以上である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の消臭用組成物。
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の消臭用組成物を収納してなる消臭剤。
〔8〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の消臭用組成物を含む樹脂又は建材。
〔9〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の消臭用組成物を含む飲食品添加剤又は飲食品。
〔10〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の消臭用組成物を含む臭い防除用製品。
〔11〕対象の臭いを低減する方法であって、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の消臭用組成物を、前記対象又は前記対象を含む空間若しくは組成物中に含ませる工程を含むことを特徴とする、方法。
〔12〕以下の式(1)
Figure 0006371817
(1)
(式中、R1〜R5はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R1〜R5の少なくとも1つはハロゲン原子である)で示される少なくとも1種の化合物の不快臭のマスキング用組成物であって、
以下の式(2)
Figure 0006371817
(2)
(式中、R6〜R10はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又は炭化水素基を表す)
で示される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする、マスキング用組成物。
〔13〕消臭剤、樹脂、建材、飲食品添加剤、飲食品、又は臭い防除用製品の製造における、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の消臭用組成物又は前記〔12〕に記載のマスキング用組成物の使用。
〔14〕前記〔12〕で定義されている式(1)で示される少なくとも1種の化合物の不快臭のマスキング又は低減のための、前記〔12〕に記載のマスキング用組成物の使用。
本発明に従えば、前記式(2)の化合物を使用することにより、前記式(1)の化合物の不快臭をマスキング又は低減することができる。したがって、前記式(1)の化合物の消臭作用を応用した消臭剤などの開発が可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の消臭用組成物は、以下の式(1)
Figure 0006371817
(1)
(式中、R1〜R5はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R1〜R5の少なくとも1つはハロゲン原子である)
で示される少なくとも1種の化合物を含む。前記式(1)の化合物は、嗅細胞のカチオンチャネルを阻害し、消臭成分として作用し得る(要すれば、特開2003−147475号公報を参照)。
1〜R5で表されるハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であってもよい。
1〜R5で表される炭化水素基は、特に限定されないが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であってもよい。前記炭化水素基は、同一又は異なる置換基を1〜5個有していてもよい。
1〜R5で表される前記アルキル基は、例えば、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基であってもよい。具体的には、前記アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びエイコシル基などの直鎖状又は分岐状のアルキル基であってもよい。前記アルキル基が置換基を有する場合には、その置換基として、例えば、アルコキシ基、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)などを1種又は複数種採用してもよい。
1〜R5で表される前記シクロアルキル基は、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基であってもよく、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、又はアダマンチル基などであってもよい。前記シクロアルキル基が置換基を有する場合には、その置換基として、例えば、アルコキシ基、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)などを1種又は複数種採用してもよい。
1〜R5で表される前記シクロアルキルアルキル基は、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基と、炭素数1〜20のアルキル基とからなるシクロアルキルアルキル基であってもよく、具体的には、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、又はシクロヘキシルメチル基などであってもよい。前記シクロアルキルアルキル基が置換基を有する場合には、その置換基として、例えば、アルコキシ基、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)などを1種又は複数種採用してもよい。
1〜R5で表される前記アリール基は、例えば、炭素数6〜18のアリール基であってもよく、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、又はビフェニル基などであってもよい。前記アリール基が置換基を有する場合には、その置換基として、例えば、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基(メチル基及びt−ブチル基など)、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基及びt−ブトキシ基など)、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)などを1種又は複数種採用してもよい。置換基を有するアリール基は、例えば、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、3,5−キシリル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、又はm−フルオロフェニル基などであってもよい。
1〜R5で表される前記アラルキル基は、例えば、炭素数7〜16のアラルキル基であってもよく、具体的には、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、又はジフェニルメチル基などであってもよい。前記アラルキル基が置換基を有する場合には、その置換基として、例えば、アルコキシ基、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)などを1種又は複数種採用してもよい。
1〜R5で表される前記アルキル基、前記シクロアルキル基、前記シクロアルキルアルキル基、及び前記アラルキル基に置換するアルコキシ基は、例えば、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基であってもよく、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基などであってもよい。これらのアルコキシ基は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)及び炭素数6〜18のアリール基などの置換基をさらに有していてもよい。
1〜R5は、これらの中から選ばれる任意の2つで環を形成してもよい。前記環は、例えば、3員環〜8員環の、非芳香族炭化水素環、非芳香族複素環、芳香族炭化水素環、又は芳香族複素環であってもよい。前記非芳香族炭化水素環は、例えば、シクロアルカン環(シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、及びシクロオクタン環など)又はシクロアルケン環(シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、及びシクロオクテン環など)などであってもよい。前記非芳香族複素環は、例えば、テトラヒドロ−2H−ピラン環、テトラヒドロ−2H−チオピラン環、ピペリジン環、ジオキサン環、オキサチアン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ジチアン環、ピペラジン環、ピロリジン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロフラン環、1,3−オキサゾラン環、ジチオラン環、オキサチオラン環、又はジオキソラン環などであってもよい。前記芳香族炭化水素環は、例えば、ベンゼン環であってもよい。前記芳香族複素環は、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロ−ル環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、又はイソオキサゾール環などであってもよい。前記環が置換基を有する場合には、その置換基として、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)又は炭素数1〜20のアルキル基などを1種又は複数種採用してもよい。
1〜R5について、好ましくは、R1、R3、及びR5がハロゲン原子であり、かつ、R2及びR4が水素原子である。R1〜R5がこの組み合わせであると、前記式(1)の化合物のカチオンチャネル阻害作用がより優れたものとなる。
前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物は、好ましくは、ハロゲン化アニソールであり、さらに好ましくは、2,4,6−トリクロロアニソール(TCA)及び/又は2,4,6−トリブロモアニソール(TBA)である。
本発明の消臭用組成物における、前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物の質量濃度は、消臭効果を発揮するのに有効な濃度であれば、特に限定されるものではないが、例えば、1ppq以上、好ましくは1ppt以上、より好ましくは0.1ppb以上であってもよい。前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物の質量濃度の上限値には特に制限はなく、例えば、10ppm以下又は0.1ppm以下でも有効に作用し得る。なお、本明細書に記載の「ppq」(パーツ・パー・クアッドリリオン;1000兆分の1)、「ppt」(パーツ・パー・トリリオン;1兆分の1)、「ppb」(パーツ・パー・ビリオン;10億分の1)、及び「ppm」(パーツ・パー・ミリオン;100万分の1)とは、それぞれ質量ppq、質量ppt、質量ppb、及び質量ppmのことをいう。
本発明の消臭用組成物は、前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物に加えて、以下の式(2)
Figure 0006371817
(2)
(式中、R6〜R10はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又は炭化水素基を表す)
で示される少なくとも1種の化合物を含む。前記式(2)の化合物は、前記式(1)の化合物の不快臭のマスキング成分として作用し得る。
6〜R10で表されるアルコキシ基は、飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基であり、例えば、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基であってもよく、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基などであってもよい。
6〜R10で表される炭化水素基は、特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であってもよい。
6〜R10で表される前記アルキル基は、例えば、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基であってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、又はt−ブチル基などであってもよい。
6〜R10で表される前記アルケニル基は、例えば、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6の直鎖状又は分岐状のアルケニル基であってもよく、具体的には、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、又は1−エチル−エテニル基などであってもよい。
前記アルキニル基は、例えば、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6の直鎖状又は分岐状のアルキニル基であってもよく、具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、又は1-メチル−2−プロピニル基などであってもよい。
6〜R10で表される前記シクロアルキル基は、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基であってもよく、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、又はアダマンチル基などであってもよい。
6〜R10で表される前記シクロアルキルアルキル基は、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基と、炭素数1〜20のアルキル基とからなるシクロアルキルアルキル基であってもよく、具体的には、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、又はシクロヘキシルメチル基などであってもよい。
6〜R10で表される前記アリール基は、例えば、炭素数6〜18のアリール基であってもよく、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、又はビフェニル基などであってもよい。
6〜R10で表される前記アラルキル基は、例えば、炭素数7〜16のアラルキル基であってもよく、具体的には、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、又はジフェニルメチル基などであってもよい。
6〜R10は、これらの中から選ばれる任意の2つで環を形成してもよい。前記環は、例えば、3員環〜8員環の、非芳香族炭化水素環、非芳香族複素環、芳香族炭化水素環、又は芳香族複素環であってもよい。前記非芳香族炭化水素環は、例えば、シクロアルカン環(シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、及びシクロオクタン環など)又はシクロアルケン環(シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、及びシクロオクテン環など)などであってもよい。前記非芳香族複素環は、例えば、テトラヒドロ−2H−ピラン環、テトラヒドロ−2H−チオピラン環、ピペリジン環、ジオキサン環、オキサチアン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ジチアン環、ピペラジン環、ピロリジン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロフラン環、1,3−オキサゾラン環、ジチオラン環、オキサチオラン環、又はジオキソラン環などであってもよい。前記芳香族炭化水素環は、例えば、ベンゼン環であってもよい。前記芳香族複素環は、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロ−ル環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、又はイソオキサゾール環などであってもよい。
6〜R10について、好ましくは、R6及びR9が、水素原子であり、R7、R8、及びR10が、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又は炭化水素基である。R6〜R10がこの組み合わせであると、前記式(2)の化合物による前記式(1)の化合物の不快臭のマスキング作用がより優れたものとなる。
前記式(2)で示される少なくとも1種の化合物は、好ましくは、アニソール、ベラトロール、エストラゴール、グアヤコール、4−エチルグアヤコール、ヒドロキノンジメチルエーテル、アネトール、レゾルシンジメチルエーテル、クレオゾール、及びパラクレジルメチルエーテルからなる群から選択される1種以上である。前記式(2)で示される化合物の化学構造を以下に例示する。
Figure 0006371817
前記式(2)の化合物による前記式(1)の化合物の不快臭のマスキング作用又は低減作用は、特定の理論に拘束される必要はないが、例えば、これらの化合物の分子特徴の共通性により、嗅覚受容体からのシグナルが乱されることで発揮されると考えられる。すなわち、前記式(1)の化合物は、その化学構造中の部分構造ごとに複数の嗅覚受容体に結合し、その結合した嗅覚受容体の種類及び各嗅覚受容体への結合強度によって特徴的なシグナルパターンを生成すると考えられるが、前記式(2)の化合物は、前記式(1)の化合物と化学構造及び電荷の偏りなどの分子特徴が共通しているため、一部の嗅覚受容体では両化合物が競合的に結合し、前記式(1)に特徴的なシグナルパターンが乱されるため、脳がそのシグナルパターンを前記式(1)の化合物の臭いとして感知できなくなると考えられる。
本発明の消臭用組成物における、前記式(2)で示される少なくとも1種の化合物の質量濃度は、前記式(1)の化合物の不快に対するマスキング効果を発揮するのに有効な濃度であれば、特に限定されるものではないが、例えば、前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物の質量の1倍以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは100倍以上であってもよい。具体的には、前記式(2)で示される少なくとも1種の化合物の質量濃度は、1ppq以上、好ましくは1ppt以上、より好ましくは0.1ppb以上であってもよい。前記式(2)で示される少なくとも1種の化合物の質量濃度の上限値には特に制限はなく、例えば、1000ppm以下又は10ppm以下でも有効に作用し得る。
前記式(2)の化合物は、精油又はスパイス中に含まれていることが知られているので、前記式(2)の化合物を含む精油又はスパイスを、前記式(2)の化合物の供給源として、本発明の消臭用組成物に使用してもよい。前記精油又はスパイスは、前記式(2)の化合物を含んでいる限り、特に限定されるものではないが、例えば、フェンネルの精油(エストラゴールを含む)、バジルの精油(エストラゴールを含む)、タラゴンの精油(エストラゴールを含む)、スターアニスの精油(アネトールを含む)、フェンネルシード(エストラゴール及びアネトールを含む)、バジルの葉(エストラゴールを含む)、タラゴンの葉(エストラゴールを含む)、スターアニスの果実(アネトールを含む)、バニラの果実(グアヤコールを含む)、クローブのつぼみ(グアヤコールを含む)、又はアニスシード(アネトールを含む)などであってもよい。前記精油又はスパイスは、前記式(2)の化合物以外にも多様な芳香成分を含んでいるので、前記式(1)の化合物の不快臭に対して顕著に高いマスキング効果を有しているだけでなく、本発明の消臭用組成物の消臭効果も飛躍的に高めることができる。
本発明の消臭用組成物中に含まれる消臭成分である前記式(1)の化合物は、嗅細胞のカチオンチャネルを阻害することで消臭効果(神経伝達の遮断効果)を発揮するので、臭いの種類によらず、種々の臭いを低減することができる。本発明の消臭用組成物が適用され得る悪臭物質は、特に限定されるものではないが、例えば、アセトアルデヒド(刺激的な青ぐさい臭い)、アンモニア(し尿のような臭い)、イソバレルアルデヒド(むせるような甘酸っぱい焦げた臭い)、イソブタノール(刺激的な発酵した臭い)、イソブチルアルデヒド(刺激的な甘酸っぱい焦げた臭い)、イソ吉草酸(むれた靴下のような臭い)、キシレン(ガソリンのような臭い)、スチレン(都市ガスのような臭い)、トリメチルアミン(腐った魚のような臭い)、トルエン(ガソリンのような臭い)、ノルマルバレルアルデヒド(むせるような甘酸っぱい焦げた臭い)、ノルマルブチルアルデヒド(刺激的な甘酸っぱい焦げた臭い)、ノルマル吉草酸(むれた靴下のような臭い)、ノルマル酪酸(汗くさい臭い)、プロピオンアルデヒド(刺激的な甘酸っぱい焦げた臭い)、プロピオン酸(刺激的な酸っぱい臭い)、メチルイソブチルケトン(刺激的なシンナーのような臭い)、メチルメルカプタン(腐った玉ねぎのような臭い)、酢酸エチル(刺激的なシンナーのような臭い)、二硫化メチル(腐ったキャベツのような臭い)、硫化メチル(腐ったキャベツのような臭い)、硫化水素(腐った卵のような臭い)、酢酸、酪酸、ヘキサン酸(汗臭、体臭)、ノネナール(高齢者の体臭)、スカトール(糞便臭)、又はインドール(糞便臭)などであってもよい。このように、本発明の消臭用組成物は、種々の悪臭物質に対して適用できるので、衣類、部屋、又は自動車などについた臭い、具体的には、タバコの臭い、料理の臭い、体臭、わきが、加齢臭、老人臭、トイレ臭、生ごみ臭、ペット臭、生乾きの洗濯物臭、新築臭、又は新車臭などに適用することができる。
本発明の消臭用組成物による消臭効果又は臭いの低減効果は、本技術分野で通常採用され得る方法によって評価することができる。例えば、6段階臭気強度表示法では、においの強さを、次のように0〜5の6段階で評価する。
0・・・無臭
1・・・やっと感知できるにおい
2・・・何のにおいか判る弱いにおい
3・・・楽に感知できるにおい
4・・・強いにおい
5・・・強烈なにおい
また、9段階快不快度表示法では、においの質を、次のように−4〜4の9段階で評価する。
−4・・・極端に不快
−3・・・非常に不快
−2・・・不快
−1・・・やや不快
0・・・快でも不快でもない
1・・・やや快
2・・・快
3・・・非常に快
4・・・極端に快
ある態様では、本発明は、前記消臭用組成物を収納してなる消臭剤に関する。本発明の消臭剤の形態は、消臭効果を発揮できる限り、特に制限されるものではないが、例えば、スプレー型、エアゾール型、据え置き型、又は入れ歯消臭剤などであってもよい。本発明の消臭剤は、衣類、部屋、又は自動車などについた臭い、具体的には、タバコの臭い、料理の臭い、体臭、わきが、加齢臭、老人臭、トイレ臭、生ごみ臭、ペット臭、生乾きの洗濯物臭、新築臭、又は新車臭などに適用することができる。
ある態様では、本発明は、前記消臭用組成物を含む樹脂又は建材に関する。本発明の樹脂又は建材は、例えば、家具、自動車のバーツ(ボンネットなど)、又はマンションの製造などに使用することで、部屋内又は自動車内における、タバコの臭い、料理の臭い、体臭、わきが、加齢臭、老人臭、トイレ臭、生ごみ臭、ペット臭、生乾きの洗濯物臭、新築臭、又は新車臭などを低減することができる。
ある態様では、本発明は、前記消臭用組成物を含む飲食品添加剤又は飲食品に関する。本発明の飲食品添加剤は、例えば、臭いの強い食品成分又は食材(レバーエキス、ドコサヘキサエン酸、しらたき、乾物、塩辛、又は魚醤など)に適用するか、そのような食品成分又は食材を喫食する際の薬味に利用することで、前記食品成分又は食材の臭いを低減することができる。また、本発明の飲食品では、その飲食品中で使用されている食品成分又は食材に由来する強い臭いが低減されており、好適に喫食することができる。
ある態様では、本発明は、前記消臭用組成物を含む臭い防除用製品に関する。本発明の臭い防除用製品の形態は、臭い防除効果を発揮できる限り、特に制限されるものではないが、例えば、マスク、点鼻薬、軟膏、又はクリームなどであってもよい。本発明の臭い防除用製品を鼻周辺に装用又は適用すること、又は、臭いの気になる部位に適用することによって、種々の臭いを低減することができる。
ある態様では、本発明は、対象の臭いを低減する方法に関しており、当該方法は、前記消臭用組成物を、前記対象又は前記対象を含む空間若しくは組成物中に含ませる工程を含む。前記対象としては、種々の臭いを有するものを採用することができ、例えば、衣類、部屋、自動車、樹脂、建材、食品成分、又は食材などを対象として、本発明の方法を実施してもよい。
ある態様では、本発明は、前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物の不快臭のマスキング用組成物に関しており、当該組成物は、前記式(2)で示される少なくとも1種の化合物を含む。本発明のマスキング用組成物は、前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物を消臭のために使用する前、使用するのと同時、又は使用した後に、その式(1)で示される少なくとも1種の化合物の不快臭をマスキング又は低減するために使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
TCA(関東化学株式会社製)を水に溶解し、1ppmのTCAを含む水溶液を調製した。この水溶液に各種マスキング成分を添加して、TCAのカビ臭をマスキングすることができるかどうか試験した。評価は、熟練した評価者が溶液の臭いを嗅ぐ官能試験によって行った。前記マスキング成分としては、アネトール(関東化学株式会社製)、エストラゴール(関東化学株式会社製)、クレオゾール(米山薬品工業株式会社製)、ベラトール、グアヤコール(米山薬品工業株式会社製)、レジルシンジメチルエーテル、ヒドロキノンジメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)、エチルグアヤコール(純正化学株式会社製)、及びパラクレジルメチルエーテルを使用した。結果を表1に示す。
Figure 0006371817
TCAのみを含む溶液からは、カビ臭が強く感じられたが、本発明のマスキング成分を配合することにより、TCAのカビ臭は低減された。なお、グアヤコール、レジルシンジメチルエーテル、ヒドロキノンジメチルエーテル、エチルグアヤコール、又は、パラクレジルメチルエーテルをマスキング成分として使用した場合は、TCAのカビ臭は低減されていたものの、これらのマスキング成分自体の特徴的な臭いが強く感じられた。
〔実施例2〕
TCA及びエストラゴールを含む消臭用組成物の臭いについて、さらに詳細に試験した。80質量部の水に20質量部の96%エタノールを混合し、これにTCA及びエストラゴールを添加して、消臭用組成物を調製した。調製した消臭用組成物を、市販ポリ袋に0.1cc入れて5分間静置した後、熟練した評価者が、その袋を開けて臭いを嗅いだ。TCAのカビ臭及びエストラゴール自身の臭いについては、6段階臭気強度表示法で評価し、消臭用組成物全体の快・不快度については、9段階快不快表示法で評価した。結果を以下の表2に示す。
Figure 0006371817
エストラゴールを含まず、TCAのみ含む組成物では、TCAに由来するカビ臭が感知され、極端に不快なにおいであると評価された。一方、TCAを含む組成物にエストラゴールを配合すると、TCAに由来するカビ臭がマスキングされ、エストラゴールの濃度を高めると、そのマスキング効果も高くなった。
〔実施例3〕
TCA及びアネトールを含む消臭用組成物の臭いについて、さらに詳細に試験した。エストラゴールに代えてアネトールを使用した以外は、実施例2の方法に従って消臭用組成物を調製して、その臭いを評価した。結果を以下の表3に示す。
Figure 0006371817
アネトールを含まず、TCAのみ含む組成物では、TCAに由来するカビ臭が感知され、極端に不快なにおいであると評価された。一方、TCAを含む組成物にアネトールを配合すると、TCAに由来するカビ臭がマスキングされ、アネトールの濃度を高めると、そのマスキング効果も高くなった。
〔実施例4〕
TCAを100ppb含み、かつ各種マスキング成分を1000bp含む消臭用組成物を、実施例2の方法に従って調製して、その臭いを評価した。対照として、リモネン(レモンの主要芳香成分)及び1,8−シネオール(ローズマリーの主要芳香成分)を使用した。結果を以下の表4に示す。
Figure 0006371817
TCAと組み合わせて、前記式(2)の化合物を配合すると、TCAに由来するカビ臭がマスキングされた。一方、前記式(2)で示される化学構造を有しない芳香成分では、TCAに由来するカビ臭をマスキングすることはできなかった。
〔実施例5〕
TBA及びエストラゴールを含む消臭用組成物の臭いについて試験した。TCAに代えてTBA(林純薬工業株式会社製)を使用した以外は、実施例2の方法に従って消臭用組成物を調製して、その臭いを評価した。結果を以下の表5に示す。
Figure 0006371817
エストラゴールを含まず、TBAのみ含む組成物では、TBAに由来するカビ臭が感知され、極端に不快なにおいであると評価された。一方、TBAを含む組成物にエストラゴールを配合すると、TBAに由来するカビ臭がマスキングされた。このように、前記式(2)の化合物は、TCAに由来する臭いをマスキングするだけでなく、前記式(1)の化合物に由来する臭いに対してマスキング効果を奏することがわかった。
〔実施例6〕
本発明の消臭用組成物の消臭効果を試験した。
各種悪臭物質を水に添加して悪臭組成物を調製した。また、80質量部の水に20質量部の96%エタノールを混合し、これにTCA及びエストラゴールを添加して、消臭用組成物を調製した。調製した悪臭組成物を、市販ポリ袋に1cc入れて5分間静置した後、調製した消臭用組成物を、前記悪臭組成物を含むポリ袋に1cc入れて5分間静置した。その後、熟練した評価者が、その袋を開けて臭いを嗅いだ。臭いの快・不快度については、9段階快不快表示法で評価した。結果を以下の表6に示す。
Figure 0006371817
本発明の消臭用組成物は、様々な悪臭物質の臭いを低減し、かつTCAに由来するカビ臭も有さないため、優れた消臭効果を発揮した。一方、TCAのみ含む組成物では、悪臭物質の臭いは低減されたが、カビ臭が強く、不快な臭いになった。また、TCAのカビ臭に対するマスキング成分であるエストラゴールには、悪臭物質の臭いを低減する効果はなかった。
〔実施例7〕
(1)スプレー型消臭剤の例
以下の表7に示す比率でトリクロロアニソール(TCA)、エストラゴール、エタノール及び水を混合し、TCAを1ppb、エストラゴールを10ppm、及びエタノールを19.2質量%含む消臭用組成物を調製した。この消臭用組成物をスプレー容器に収納し、スプレー型消臭剤を製造した。このスプレー型消臭剤は優れた消臭作用を示したが、TCAに由来するカビ臭はほとんど感じなかった。
Figure 0006371817
(2)スプレー型強力消臭剤の例
以下の表8に示す比率でトリクロロアニソール(TCA)、エストラゴール、エタノール及び水を混合し、TCAを10ppb、エストラゴールを0.1質量%、及びエタノールを19.2質量%含む消臭用組成物を調製した。この消臭用組成物をスプレー容器に収納し、スプレー型強力消臭剤を製造した。このスプレー型強力消臭剤は、上記(1)のスプレー型消臭剤よりも強力な消臭作用を示したが、TCAに由来するカビ臭はほとんど感じなかった。
Figure 0006371817
以上より、前記式(2)の化合物が、前記式(1)の化合物の不快臭をマスキング又は低減すること、及び、前記式(1)の化合物及び前記式(2)の化合物を含む消臭用組成物が、種々の悪臭物質に対して消臭効果を奏することがわかった。したがって、前記式(1)の化合物の消臭作用を応用した消臭剤などの開発が可能となった。

Claims (9)

  1. 以下の式(1)
    Figure 0006371817
    (1)
    (式中、R1〜R5はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R1〜R5の少なくとも1つはハロゲン原子である)で示される少なくとも1種の化合物と、
    以下の式(2)
    Figure 0006371817
    (2)
    (式中、R6〜R10はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又は炭化水素基を表す)
    で示される少なくとも1種の化合物と、
    を含む消臭用組成物であって、前記式(2)で示される少なくとも1種の化合物が、アニソール、ベラトロール、エストラゴール、グアヤコール、4−エチルグアヤコール、ヒドロキノンジメチルエーテル、アネトール、レゾルシンジメチルエーテル、クレオゾール、及びパラクレジルメチルエーテルからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、消臭用組成物
  2. 前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物が、2,4,6−トリクロロアニソール及び/又は2,4,6−トリブロモアニソールである、請求項1に記載の消臭用組成物。
  3. 前記式(1)で示される少なくとも1種の化合物の質量濃度が、1ppq以上である、請求項1又は2に記載の消臭用組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の消臭用組成物を収納してなる消臭剤。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の消臭用組成物を含む樹脂又は建材。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の消臭用組成物を含む飲食品添加剤又は飲食品。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の消臭用組成物を含む臭い防除用製品。
  8. 対象の臭いを低減する方法であって、請求項1〜のいずれか一項に記載の消臭用組成物を、前記対象又は前記対象を含む空間若しくは組成物中に含ませる工程を含むことを特徴とする、方法。
  9. 消臭剤、樹脂、建材、飲食品添加剤、飲食品、又は臭い防除用製品の製造における、請求項1〜のいずれか一項に記載の消臭用組成物使用。
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