JP2013147475A - カチオンチャネル阻害剤及びこれを含有する嗅覚感度低下剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、カチオンチャネル阻害剤及びこれを含有する嗅覚感度低下剤組成物に関する。
近年、生活環境の変化に起因する化学物質、ハウスダスト等の外来刺激物質の増加によるアレルギー等の過敏症の増加、自己の体臭を含めた家庭における種々の生活臭を初めとする生活環境の臭気を嫌悪する傾向の高まり等、過敏な感覚に起因する日常の不快感が問題となっている。
感覚は、皮膚感覚、深部感覚等の体性感覚、内臓痛等の内臓感覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚等の特殊感覚に分類することができる。感覚の情報は、例えば、皮膚の各種受容器、筋紡錘、網膜、嗅粘膜、味蕾、蝸牛の有毛細胞等の末梢の感覚受容器によって受容され、知覚神経において神経インパルスに変換された後、電気信号として中枢まで伝達される。
例えば、痛覚は、皮膚の自由神経終末で受容される侵害刺激(温度刺激、化学刺激、機械刺激)によって惹起される。自由神経終末には、各々の刺激に感受性のイオンチャネルが存在しており、刺激を受けた場合、これらのイオンチャネルが開口することでカチオンチャネルが細胞内に流入し、結果として電位依存性カチオンチャネルが活性化されて、神経の活動電位(インパルス)が発生する(非特許文献1)。また、かゆみを起こす刺激としては、機械刺激、熱刺激、電気刺激等の物理的刺激と、起痒物質等の化学的刺激とが知られている。これらの刺激は、主として真皮内のマスト細胞からヒスタミンを放出させ、放出されたヒスタミンは自由神経終末上の受容体と結合してカルシウムイオンの流入を引き起こし、最終的に神経の活動電位を発生させると考えられている(非特許文献2)。
同様に、他のいずれの感覚の場合にも、情報は、最終的には、神経細胞の電位依存性カチオンチャネルの活性化によって発生する活動電位の形態で中枢に伝達される。さらに、電位依存性カチオンチャネルは、こうした活動電位の発生及び伝導だけでなく、シナプス間隙及び神経筋終末への神経伝達物質の放出にも関与している。したがって、電位依存性カチオンチャネルの活性化を阻害すれば、感覚を抑制することが可能である。実際、電位依存性カチオンチャネル阻害剤を利用して感覚を抑制させる方法は、従来から医療現場等で使用されている。例えば、局所麻酔剤及び抗不整脈薬として使用されるリドカイン(例えば、キシロカイン(登録商標))は、電位依存性ナトリウムチャネル阻害剤である。電位依存性カルシウムチャネル阻害剤であるガバペンチン(例えば、ガバペン(登録商標)、ニューロンチン(登録商標))は、抗痙攣剤あるいは鎮痛補助薬として使用されている。また、電位依存性カルシウムチャネル又はナトリウムチャネルのインヒビター(例えば、ベラパミル)が、外的攻撃に対する皮膚の耐性域値を増加させ、皮膚の過敏症に適用できることが報告されている(特許文献1)。
知覚神経の電位依存性カチオンチャネルを阻害することによって、医療目的での感覚抑制効果が得られるだけでなく、日常感じる過敏な感覚又は不快な感覚を、抑制又は調整することにより、生活の質を改善することができる可能性がある。
嗅覚については、近年、動物のにおいの受容経路について、嗅細胞レベルで応答の機序が明らかにされつつあり、嗅細胞へのイオン(Na+,Ca2+等)流入経路となるCNGチャネル(Cyclic nucleotide-gated cation channel:環状ヌクレオチド感受性カチオンチャネル)を抑制することによって人間の嗅覚感度自体を低下させ、消臭等の感覚制御を行なう考え方が提案されている(特許文献2)。
このようなCNGチャネル阻害剤として、ジルチアゼム(Diltiazem)が知られている(特許文献3〜7)。さらに、リモネン、シネオール、酢酸イソアミル、アニソールについて、CNGチャネルの阻害作用が報告されている(非特許文献3)。
一方、2,4,6−トリクロロアニソール(以下、TCAと略称する。)及び2,4,6−トリブロモアニソール(以下、TBAと略称する。)は、ワイン、水、酒、ビール等の様々な飲料及び食品において、カビ臭発生の原因物質として特定され、人が感じることができる検知閾値は、10ppt(数十pM)程度であり、微量でも検出され、検出された商品は廃棄処分されるため、食品業界では、TCAの発生を抑制することが大きな問題となっている。TCAを含めた悪臭の抑制方法としては、(1)物理的に臭いの原因物質を吸着し、濃度を低下させる方法(特許文献8)、(2)化学的に臭いの原因物質の構造を変化させて、臭いを変える方法(特許文献9〜11)、(3)バクテリア等で臭いの原因物質を分解する方法(特許文献12〜15)が提案されてきた。
しかしながら、これまでTCA及びTBAは異臭原因物質としてのみ知られており、悪臭抑制の働きをする物質としてチャンネル阻害作用の関連性は知られていなかった。
富永真琴, (2006), 実験医学, vol.24, No.15: 54−59
豊田雅彦, (2004), 綜合臨床、Vo.53, No.5: 1629−1636
Chen, T. Y., Takeuchi, H. and Kurahashi, T. J. Gen. Physiol. 128, 365-371 (2006)
本発明は、感覚の抑制又は調整、あるいは日常感じる過敏な感覚又は不快な感覚の低減に利用することができる、カチオンチャネル阻害剤を提供することを目的とする。また、本発明は、眼等に対する刺激が少なく、安全性が高いカチオンチャネル阻害剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は、カチオンチャネル阻害剤を用いて、十分な嗅覚感度低下作用を有する嗅覚感度低下用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来、悪臭の原因物質として特定され、排除されていたTCA及びTBAが強力なカチオンチャネル阻害作用を有することを見い出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1]下記式(1)
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基又は水素原子を表し、R2〜R6はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。R2〜R6は、これらの中から選ばれる任意の2つで環を形成してもよい。但し、R1が水素原子又はメチル基の場合、R2〜R6がすべて水素原子であるものを除く。)
で示される化合物を有効成分とすることを特徴とするカチオンチャネル阻害剤。
[2]式(1)において、R2、R4及びR6がハロゲン原子であり、R3及びR5が水素原子であることを特徴とする前記[1]記載のチャネル阻害剤。
[3]式(1)において、R1が、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のチャネル阻害剤。
[4]式(1)で示される化合物が、2,4,6−トリクロロアニソール、2,4,6−トリブロモアニソール及び4−ノニルフェノールからなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする前記[1]記載のチャネル阻害剤。
[5]カチオンチャネルが、電位依存性カチオンチャネルであることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のチャネル阻害剤。
[6]電位依存性カチオンチャネルが、電位依存性カリウムチャネル、電位依存性ナトリウムチャネル及び電位依存性カルシウムチャネルからなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする前記[5]記載のチャネル阻害剤。
[7]カチオンチャネルが、リガンド依存性カチオンチャネルであることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のチャネル阻害剤。
[8]リガンド依存性カチオンチャネルが、CNGチャネルであることを特徴とする前記[7]記載のチャネル阻害剤。
[9]前記[1]〜[4]のいずれか1項のカチオンチャネル阻害剤を含有することを特徴とする嗅覚感度低下用組成物。
[10]インビボ又はインビトロにおいて、下記式(1)
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基又は水素原子を表し、R2〜R6はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。R2〜R6は、これらの中から選ばれる任意の2つで環を形成してもよい。但し、R1が水素原子又はメチル基の場合、R2〜R6がすべて水素原子であるものを除く。)
で示される化合物によってカチオンチャネルを阻害する方法。
[11]下記式(1)
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基又は水素原子を表し、R2〜R6はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。R2〜R6は、これらの中から選ばれる任意の2つで環を形成してもよい。但し、R1が水素原子又はメチル基の場合、R2〜R6がすべて水素原子であるものを除く。)
で示される化合物を含有する医薬。
[12]カチオンチャネル阻害剤の製造のための、下記式(1)
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基又は水素原子を表し、R2〜R6はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。R2〜R6は、これらの中から選ばれる任意の2つで環を形成してもよい。但し、R1が水素原子又はメチル基の場合、R2〜R6がすべて水素原子であるものを除く。)
で示される化合物の使用。
[1]下記式(1)
で示される化合物を有効成分とすることを特徴とするカチオンチャネル阻害剤。
[2]式(1)において、R2、R4及びR6がハロゲン原子であり、R3及びR5が水素原子であることを特徴とする前記[1]記載のチャネル阻害剤。
[3]式(1)において、R1が、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のチャネル阻害剤。
[4]式(1)で示される化合物が、2,4,6−トリクロロアニソール、2,4,6−トリブロモアニソール及び4−ノニルフェノールからなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする前記[1]記載のチャネル阻害剤。
[5]カチオンチャネルが、電位依存性カチオンチャネルであることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のチャネル阻害剤。
[6]電位依存性カチオンチャネルが、電位依存性カリウムチャネル、電位依存性ナトリウムチャネル及び電位依存性カルシウムチャネルからなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする前記[5]記載のチャネル阻害剤。
[7]カチオンチャネルが、リガンド依存性カチオンチャネルであることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のチャネル阻害剤。
[8]リガンド依存性カチオンチャネルが、CNGチャネルであることを特徴とする前記[7]記載のチャネル阻害剤。
[9]前記[1]〜[4]のいずれか1項のカチオンチャネル阻害剤を含有することを特徴とする嗅覚感度低下用組成物。
[10]インビボ又はインビトロにおいて、下記式(1)
で示される化合物によってカチオンチャネルを阻害する方法。
[11]下記式(1)
で示される化合物を含有する医薬。
[12]カチオンチャネル阻害剤の製造のための、下記式(1)
で示される化合物の使用。
本発明により、感覚の抑制又は調整、あるいは日常感じる過敏な感覚又は不快な感覚の低減に利用することができる、カチオンチャネルの阻害作用を得ることができる。また、本発明のカチオンチャネル阻害剤を用いて、嗅覚等を含む感覚の感度を一時的に低下させることができる。さらに、本発明では、眼等への刺激が少なく、安全である。また、日常的な使用にも適しているため、消臭、禁煙の補助、ダイエットの補助等に用いることもできる。
本発明のカチオンチャネル阻害剤は、下記式(1)
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭化水素基又は水素原子を表し、R2〜R6はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。R2〜R6は、これらの中から選ばれる任意の2つで環を形成してもよい。但し、R1が水素原子又はメチル基の場合、R2〜R6がすべて水素原子であるものを除く。)
で示される化合物を有効成分とすることを特徴とする。
で示される化合物を有効成分とすることを特徴とする。
R1で表される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アラルキル基等が用いられる。
R1で表されるアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜20のアルキル基が好適に挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。前記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が挙げられる。
R1で表されるシクロアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基が好適に挙げられ、具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。前記シクロアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、 臭素原子、ヨウ素原子)等が挙げられる。
R1で表されるシクロアルキルアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基と、炭素数1〜20のアルキル基とからなるシクロアルキルアルキル基が好適に挙げられ、具体的には、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。前記シクロアルキルアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が挙げられる。
R1で表されるアリール基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数6〜18のアリール基が好適に挙げられ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらアリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、t−ブチル基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、t−ブトキシ基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、 臭素原子又はヨウ素原子のハロゲン原子等が挙げられ、これら置換基は該アリール基上に複数置換されていてもよい。これら置換を有するアリール基の具体例としては、例えば、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、3,5−キシリル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基等が挙げられる。
R1で表されるアラルキル基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数7〜16のアラルキル基が好適に挙げられ、具体例としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が挙げられる。
前記R1で表されるアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アラルキル基は、同一又は相異なる置換基を1〜5個有していてもよい。
前記アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基及びアラルキル基における置換基としてのアルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基等が挙げられる。これらアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数6〜18のアリール基等が挙げられる。
R2、R3、R4、R5及びR6で表される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、アラルキル基等が用いられる。本発明で使用できるアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基及びアラルキル基の各基の具体例は、R1と同様である。R2〜R6は、これらの中から選ばれる任意の2つで環を形成してもよい。環としては、3員環〜8員環の環が挙げられる。前記環は、非芳香族炭化水素環、非芳香族複素環、芳香族炭化水素環、芳香族複素環が挙げられる。非芳香族炭化水素環としては、特に限定されないが、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等のシクロアルカン環;シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環等のシクロアルケン環が挙げられる。非芳香族複素環としては、テトラヒドロ−2H−ピラン環、テトラヒドロ−2H−チオピラン環、ピペリジン環、ジオキサン環、オキサチアン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ジチアン環、ピペラジン環、ピロリジン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロフラン環、1,3−オキサゾラン環、ジチオラン環、オキサチオラン環、ジオキソラン環等が挙げられる。芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環が挙げられる。芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピロ−ル環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環等が挙げられる。前記環は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、 臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。
R2、R3、R4、R5及びR6で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R2、R3、R4、R5及びR6において、R2、R4及びR6がハロゲン原子であり、かつ、R3及びR5が水素原子であるものが、より優れたカチオンチャネル阻害作用を有する点から、好ましい。
式(1)で示される化合物のうち、より好ましい化合物としては、ハロゲン化アニソール及び4−アルキルフェノールが挙げられ、特に好ましい化合物としては、2,4,6−トリクロロアニソール(TCA)、2,4,6−トリブロモアニソール(TBA)及び4−ノニルフェノールからなる群から選ばれる1以上が挙げられる。本発明のカチオンチャネル阻害剤は、上記の化合物のうち、1種のみを含有するものでもよく、2種以上を組み合わせて含有していてもよい。上記の本発明の化合物のうち、例えば、ハロゲン化アニソールの場合、揮発性であり、カチオンチャネル阻害剤は、空気による散布が可能となる。
本発明において、式(1)で示される化合物のうち、より優れたカチオンチャネル阻害作用を有する点から、pH7.4における分配係数logDが0.3以上である化合物がさらに好ましく、3.5以上の化合物が特に好ましく、4.0以上の化合物が極めて好ましい。分配係数logDとは、溶媒としてn−オクタノールと水を用いた際の、化学物質におけるオクタノール/水分配係数を意味する。例えば、上記式(1)で示される化合物のうち、TBAは、pH7.4における分配係数logDが4.17であり、TCAは、pH7.4における分配係数logDが3.95であり、4−ノニルフェノールは、pH7.4における分配係数logDが6.19である。前記logD値は、室温を25℃として測定した値である。
これらの化合物は、ヒトが感知できる検出限界である10−11M(10pM)程度を下回る濃度(例えば、10−17M)であっても、カチオンチャネル阻害作用を示すという驚くべき効果を有する。その効果は、公知のカチオンチャネル阻害剤に比べて顕著に優れるものである。
本発明における、カチオンチャネルの阻害とは、カチオンチャネルからの細胞内へのイオンの流入を阻害することをいう。本発明において、カチオンチャネルとしては、例えば、電位依存性カチオンチャネル、リガンド依存性カチオンチャネル等が挙げられる。電位依存性カチオンチャネルとしては、例えば、電位依存性ナトリウムチャネル、電位依存性カルシウムチャネル、電位依存性カリウムチャネルが挙げられる。リガンド依存性カチオンチャネルとしては、CNGチャネル(Cyclic nucleotide-gated cation channel:環状ヌクレオチド感受性カチオンチャネル)が挙げられる。これらはいずれも本発明のカチオンチャネル阻害剤の標的である。本発明では、電位依存性カチオンチャネル、リガンド依存性カチオンチャネルは、作用機序が異なるが、チャネルの分子構造が極めて類似しているため、同様にチャネル阻害作用が得られると考えられる。このようなカチオンチャネルとしては、具体的には、6回膜貫通部、4ドメイン、1ポア及びサブユニット構造を有し、N末端及びC末端が細胞膜内部に位置しており、前記サブユニット構造としては、少なくともαサブユニットとβサブユニットを有する点で、共通するカチオンチャネルが挙げられる。サブユニットについて、前記電位依存性カリウムチャネルは、2つのαサブユニット及び2つのβサブユニットを有し、CNGチャネルは、2つのαサブユニット、1つのβ1サブユニット及び1つのβ2サブユニットを有し、電位依存性ナトリウムチャネルは、1つのαサブユニット及び2つのβサブユニットを有し、電位依存性カルシウムチャネルは、α1、α2、β、γ、δそれぞれ1サブユニットずつを有する。電位依存性カチオンチャネルについて、以下に例示する。
電位依存性ナトリウムチャネルとしては、TTX感受性ナトリウムチャネル、TTX非感受性ナトリウムチャネルが挙げられる。
電位依存性カルシウムチャネルとしては、(i)L型チャネル、(ii)P/Q型チャネル、N型チャネル、R型チャネル、(iii)T型チャネルが挙げられる。
電位依存性カリウムチャネルとしては、遅延整流性チャネル(Delayed rectifier)、A型チャネル、カルシウム依存性チャネルが挙げられる。
本発明の上記式(1)で示される化合物は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、TCAは、2,4,6−トリクロロフェノール(TCP)を微生物によって、メチル化することによって製造することができる。前記微生物としては、特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、ペニシリウム属に属する微生物、特開平9−234062号公報に記載のトリコデルマ属、アスペルギルス属に属する微生物を使用できる。本発明の上記式(1)で示される化合物は、市販品を用いてもよい。
本発明の化合物は、生体由来受容器細胞のカチオンチャネルにより生じる電気的活動を抑制することができることから、カチオンチャネル阻害剤として有用である。このように、本発明化合物は、カチオンチャネル阻害剤として作用して、神経の活動電位の発生、伝達を抑制することができることから、生物の種々の感覚を抑制又は調整するために用いることができる。あるいは、本発明の化合物は、カチオンチャネル阻害剤として、神経活動の亢進に起因する疾患の予防・治療に利用できる。したがって、本発明の化合物は、カチオンチャネル阻害剤として使用することができる。又、本発明の化合物は、カチオンチャネル阻害剤の製造のために使用できる。さらに、本発明の化合物は、感覚を抑制若しくは調整、又は神経活動を抑制するための、医薬品、医薬部外品、その他の組成物等として、あるいはそれらの製造のために使用することができる。
上記抑制又は調整される感覚としては、皮膚又は粘膜で受容される触覚、圧覚、温覚、冷覚、痛覚、及び筋、腱、関節からの感覚を含む、体性感覚;臓器感覚及び内臓痛を含む内臓感覚;視覚、聴覚、味覚、嗅覚及び平衡感覚を含む特殊感覚;ならびに、その他の感覚(例えば、掻痒感、しびれ、神経痛、疼痛、その他不快感等)が挙げられる。また、本発明の化合物により抑制又は調整される感覚としては、任意の外来及び内部由来の刺激に惹起され得る感覚、及び任意の状況下で惹起され得る感覚が挙げられる。これらのあらゆる感覚は、本発明の化合物により抑制、軽減又は改善され得る。
医薬品、医薬部外品、その他の組成物等として使用する場合、本発明のカチオンチャネル阻害剤の具体的用途としては、例えば、医学又は獣医学分野で使用される麻酔剤、鎮静剤、鎮痛剤、鎮咳剤、抗炎症剤、過敏症、アレルギー反応等の過剰な感覚の抑制剤、痒み止め、ペインクリニック用医薬等の医薬品及び医薬部外品;皮膚過敏症抑制作用を有する入浴剤、化粧料、知覚過敏抑制作用を有する歯磨き粉、マウスウォッシュ等のボディケア製品;病院、介護施設、臭いが発生する工場等の作業現場、動物飼育場(養鶏場、牧場等)、清掃現場、産業廃棄物処理場等に対する消臭剤等が挙げられる。
本発明のカチオンチャネル阻害剤は、標的とする感覚、又は標的とする対象、身体部位等に応じて、任意の投与形態で投与することができる。標的とする感覚としては上述のとおりであり、標的とする対象や身体部位としては、例えば、生体、生体由来の組織、器官及び細胞が挙げられる。投与形態としては、経口投与及び非経口投与が挙げられる。投与経路は、本発明のカチオンチャネル阻害剤を使用する条件に応じて適宜選択することが好ましい。経口投与用の剤型としては、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、トローチ剤、カプセル剤等の固形投薬形態、エリキシル、シロップ又は懸濁液等の液体投薬形態が挙げられる。非経口投与用の剤型としては、外用剤、坐剤(肛門座剤、尿道座剤、膣座剤等)、注射剤(静脈注射、動脈注射、筋肉注射、皮下注射、皮内注射、腹腔内注射、脊髄内注射、硬膜外注射)、点眼剤、経皮剤、経粘膜剤、経肺剤、経腸剤、吸入剤、経鼻剤、ボーラス等が挙げられ、剤型としては、錠剤、カプセル、液体、粉末、顆粒、軟膏、スプレー、エアロゾル、ミスト、クリーム、乳液、ジェル、ペースト、ローション、パップ、プラスター、スティック、シート等が挙げられる。必要に応じて、公知のコーティング方法を用いて、除放性製剤、多層錠、糖衣錠、ゼラチン被覆錠等の形態としてもよい。注射剤は、ブドウ糖、アミノ酸(L−チロシン、L−メチオニン、L−シスチン、L−システイン等のN−アシル体を含む)等の通常用いられる補液と混合して用いてもよく、用時に液状とすべき乾燥品としてしてもよい。
本発明は、公知の他の薬効成分(例えば、公知のカチオンチャネル阻害剤に用いられる化合物、感覚抑制又は調整剤、抗炎症剤、殺菌剤等)と組み合わせて使用してもよい。公知のカチオンチャネル阻害剤に用いられる化合物としては、特に限定されないが、例えば、特開2010−53107号公報又は特開2009−269903号公報記載の化合物等が挙げられ、具体的には、L−cis ジルチアゼム(L-cis Diltiazem)、ジヒドロミルセノール(2−メチル−6−メチレン−2−オクタノール);β−フェニルエチルアルコール(2−フェニルエチルアルコール);ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド(例えば、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3,6−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、トリプラール(登録商標):IFF(インターナショナル・フレーバーズ・アンド・フラグランシズ)社(International Flavors & Fragrances Inc.)、リグストラール(登録商標):ジボダン社、シクロベルタール(登録商標):花王株式会社);シトラール(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−ナール);cis−3−ヘキセノール(;(Z)−3−ヘキセン−6−オール);ジヒドロジャスモン酸メチル(3−オキソ−2−ペンチルシクロペンタン酢酸メチル);ベンズアルデヒド;ゲラニオール((3E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール);酢酸ベンジル;2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール(サンダルマイソールコア(登録商標):花王株式会社);アニスアルデヒド(4−メトキシ ベンズアルデヒド);n−ノナナール(1−ノナナール又はn−ノニルアルデヒド);テトラヒドロリナロール(tetrahydrolinalool)、4−イソプロピルシクロヘキシルメタノール(Mayol)(マイヨール:フィルメニッヒ社)、4−イソプロピル−1−メチルシクロヘキシルメタノール、3−メチル−5−フェニルペンタノール(フェニルヘキサノール:花王株式会社、フィルメニッヒ社、フェノキサノール:IFF社)、β−イオノン(β-ionone)、ヘキサノール(Hexanol)、ミルセノール(Myrcenol)、テトラヒドロミルセノール、アロオシメノール(II)(2,6−ジメチル−3,5−オクタジエン−2−オール)、オシメノール、リナロール、テトラヒドロリナロール、アロオシメノール(I)(3,7−ジメチル−4,6−オクタジエン−3−オール)、ジヒドロリナロール、テトラヒドロゲラニオール(3,7−ジメチル−1−オクタノール)、ネロール((3Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール)、シトロネトール(3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール)、サリチル酸ベンジル(benzyl salicylate)、及びl−メントン(l-Menthone)。上記、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒドは、4種類の異性体があり、複数の異性体の混合物として市販されている。具体的には、トリプラール(登録商標)は、70〜90%が2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドで構成され、残りの30〜10%が3,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドで構成されており、リグストラール(登録商標)は、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドと3,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドで構成されており、シクロベルタール(登録商標)は、3,6−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドを主体とした混合体である。
本発明のカチオンチャネル阻害剤は、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で、任意の他の成分と組み合わせて使用されてもよい。好ましい他の成分としては、薬学的に許容される担体が挙げられる。薬学的に許容される担体としては、固形製剤では、通常、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動化剤、又は充填剤等が挙げられ、液状製剤では、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じて、保存剤、増粘剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸収促進剤、pH調整剤、乳化剤、保湿剤、吸着剤、防腐剤、浸透圧調整剤、安定化剤、酸化防止剤等の製剤分野において通常用いられる任意の公知の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることもできる。薬学的に許容される担体は、本発明の効果を妨げない限り、これらに限定されない。これらを、目的とする製剤形態に応じて、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。以下に、製剤担体の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
賦形剤としては、特に限定されないが、例えば、乳糖、白糖、グラニュー糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、トウモロコシデンプン、デキストリン、シクロデキストリン、微結晶セルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
崩壊剤としては、特に限定されないが、例えば、デンプン、寒天、ゼラチン粉末、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
結合剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、白糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、カルメロースナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。流動化剤としては、特に限定されないが、例えば、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。滑沢剤としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。充填剤としては、特に限定されないが、例えば、セルロース、マンニトール、ラクトース等を挙げられる。
溶剤としては、本発明のカチオンチャネル阻害剤を溶解可能なものであれば特に限定されず、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、多価アルコール類(グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、クエン酸トリエチル、パルミチン酸イソプロピル等)、炭化水素類(ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ワセリン等)、シリコーン油類(ジメチルポリシロキサン等)、植物油類(ゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、菜種油、オリーブ油等)が挙げられる。これらのうち、カチオンチャネル阻害剤を揮発させやすくする点から、水、エタノール等が好ましく、皮膚等に塗布するクリーム、軟膏等として用いる場合には、パラフィン、ワセリン等が好ましい。
溶解補助剤としては、特に限定されないが、例えば、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ベンザルコニウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、レシチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
等張化剤としては、特に限定されないが、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、D−マンニトール、グリセリン等が挙げられる。緩衝剤としては、特に限定されないが、例えば、リン酸塩(リン酸水素ナトリウム等)、酢酸塩(酢酸ナトリウム等)、クエン酸塩(炭酸ナトリウム)、クエン酸塩(クエン酸ナトリウム等)、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸;4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid)等が挙げられる。無痛化剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
保存剤としては、特に限定されないが、例えば、パラオキシ安息香酸エチル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸等が挙げられる。
増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、糖類(ソルビトール、マンニトール、ショ糖等)、セルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸又はメトキシメチレン無水マレイン酸共重合体等のポリカルボン酸、合成高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)、ソフトパラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリンアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラノリン、水素添加ラノリン、蜜蝋、アラビアゴム、リピオドール、ヒアルロン酸ナトリウム、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン類、4−アミノ安息香酸類、ケイ皮酸類、サリチル酸類、アントラニル酸類、ビタミンE類、1−(4−メトキシフェニル)−3−(4−t−ブチルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、ウロカニン酸類、及び1−カンファー等が挙げられる。ベンゾフェノン類としては、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ジスルホン酸ジナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。4−アミノ安息香酸類としては、例えば4−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸エチル、4−アミノ安息香酸グリセリル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノ安息香酸オクチル等が挙げられる。ケイ皮酸類としては、例えば4−メトキシケイ皮酸イソプロピル、4−メトキシケイ皮酸エチル、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、4−メトキシケイ皮酸カリウム、4−メトキシケイ皮酸ナトリウム等が挙げられる。サリチル酸類としては、例えばサリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチル等が挙げられる。アントラニル酸類としては、例えばアントラニル酸メチル、ホモメンチルN−アセチルアントラニル酸等が挙げられる。天然ビタミンE類としては、例えば天然ビタミンE、酢酸トコフェロ−ル、dl−α−トコフェロ−ル等が挙げられる。ウロカニン酸類としては、例えばウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等が挙げられる。
抗酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸等が挙げられる。着色剤としては、特に限定されないが、例えば、食用色素(例:食用赤色2号若しくは3号、食用黄色4号若しくは5号等)、β−カロテン等が挙げられる。甘味剤としては、特に限定されないが、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム等が挙げられる。吸収促進剤としては、特に限定されないが、例えば、第4級アンモニウム塩基類又はラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩等が挙げられる。乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチン等が挙げられる。保湿剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、デンプン等が挙げられる。吸着剤としては、特に限定されないが、例えば、デンプン、ラクトース、カオリン、塩化カルシウム、ベントナイト及びコロイド状ケイ酸等が挙げられる。防腐剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の第四級アンモニウム類、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ソルビン酸及びそれらの塩、チメロサール、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム等が挙げられる。浸透圧調整剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、ホウ酸、多価アルコール又は糖が挙げられる。さらに、多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、キシリトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。糖としては、特に限定されないが、ブドウ糖が挙げられる。安定化剤としては、特に限定されないが、例えば、カゼイン、カゼインナトリウム塩等が挙げられる。酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、t−ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、α-トコフェロール及びそれらの誘導体が挙げられる。
本発明のカチオンチャネル阻害剤は、ヒト又はヒト以外の哺乳動物に対しても、経口的又は非経口的(例:局所、直腸、静脈投与等)に投与又は適用することができる。ヒト以外の哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル等が挙げられる。本発明のカチオンチャネル阻害剤中に含有される有効成分の量は、特に限定はされず、適用対象の状態、投与形態等に応じて適宜選択されるが、上記のように、ヒトが感知できる検出限界で効果があるため、極めて低濃度でも使用でき、効果を高めるために高濃度で使用することもできる。濃度は、使用する製品、治療剤等の形態に応じて適宜設定でき、特に限定されない。投与量(使用量)又は用法用量は、患者又はヒトを含めた使用対象の年齢、性別、体重、疾患、状況等によって異なるため、特に限定はされない。例えば、感覚抑制に使用する場合、通常、0.00001〜50質量%であり、好ましくは0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜5質量%である。
本発明の嗅覚感度低下用組成物は、上記と同様に、本発明の効果を妨げない範囲で、薬学的に許容される担体と組み合わせて使用されてもよい。薬学的に許容される担体としては、固形製剤では、通常、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動化剤、又は充填剤等が挙げられ、液状製剤では、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じて、保存剤、増粘剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸収促進剤、pH調整剤、乳化剤、保湿剤、吸着剤、防腐剤、浸透圧調整剤、安定化剤、酸化防止剤等の製剤分野において通常用いられる任意の公知の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることもできる。これらを、目的とする製剤形態に応じて、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。製剤担体の具体例は、上記と同様であるが、これらに限定されない。
本発明のカチオンチャネル阻害剤及び嗅覚感度低下用組成物は、任意の形態で鼻腔部に伝達させることができ、例えば、吸入、塗布、貼付け、点鼻等が挙げられ、好ましくは、液状のミストで鼻腔部に適用せずに、気体として揮発させたものを鼻腔部に伝達させる。
本発明における消臭対象の匂い物質としては、例えば、酢酸、酪酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸(汗臭、体臭)、ノネナール(高齢者の体臭)、スカトール、インドール(糞便臭)等の悪臭物質、マルトール、フラネオール、シュガーラクトン(いずれも菓子等のカラメル様臭)等の甘味料の香りが挙げられ、本発明により、これらの匂いを一時的に感じなくさせることができる。本発明による嗅覚の感度を低下させる技術は、日常的に適用できるため、悪臭の消臭だけでなく、タバコ、油脂分を多く含む菓子類の香味の減退による禁煙、ダイエット等の効果を得ることができる。
本発明の嗅覚感度低下用組成物の具体的用途としては、例えば、住居又は設備用消臭剤、衣類用消臭剤、身体用消臭剤(腋用、足用、体用、頭用)、消臭用鼻クリーム、消臭用マスクに、嗅覚の抑制剤として使用することができる。形態としては使用時にのみ蓋を開いたり、組成物を入れる揮散可能な開口部を備える容器(置き型)、トリガー付きスプレータイプ、エアゾールタイプ、点鼻薬、マスク、軟膏又はクリーム、機械式スチームタイプ等の形態をとることができる。
本発明の1つの使用形態としては、式(1)で表される化合物又は嗅覚感度低下用組成物を含浸又は吸着させた不織布その他の担持体をマスクのポケットに入れて、又はマスク自体に式(1)で表される化合物又は嗅覚感度低下用組成物を含浸又は吸着させて、消臭対象の匂いに接する直前に装着する使用形態、軟膏又はクリームの嗅覚感度低下用組成物を鼻孔(外鼻孔)の下方に塗布する使用形態が挙げられる。このような使用形態により、例えばトイレ、下水、ゴミ置き場等の悪臭の強い場所を清掃する際や、介護の際における、悪臭による不快感を著しく軽減することができる。
また、例えば、液状、ゲル状の嗅覚感度低下用組成物を揮散が可能な開口部を備える容器に入れて、これを消臭対象の近くに設置する形態も好ましい。この場合は、消臭対象の匂いを嗅ぐ際、匂いを嗅ぐ直前に、あらかじめ設置しておいた嗅覚感度低下用組成物を入れた容器の開口部を解放(蓋等を外すことにより)しても良いし、あらかじめ設置しておいた空の容器に溶液又はゲル状の嗅覚感度低下用組成物を入れてもよい。
本発明の嗅覚感度低下用組成物は、効果の持続性の観点から、更にアンスラニル酸メチル(メチル2−アミノベンゾエート)を含有していてもよい。アンスラニル酸メチルの含有量は、本発明のカチオンチャネル阻害剤に対する質量比で90:10〜10:90が好ましく、更に、70:30〜30:70が好ましい。また、本発明の嗅覚感度低下用組成物は、上記の公知のカチオンチャネル阻害剤を含有してもよい。
嗅覚感度低下用組成物における本発明のカチオンチャネル阻害剤の含有量は、使用する条件(湿度等)に応じて適宜設定できるため、特に限定されないが、上記のように、ヒトが感知できる検出限界を下回っても効果があるため、極めて低濃度で使用できる。嗅覚感度低下用組成物における本発明のカチオンチャネル阻害剤の含有量は、例えば、式(1)で表される化合物の量として、0.00001〜50質量%であってもよく、0.001〜10質量%であってもよい。
本発明では、前記嗅覚感度低下用組成物と同様に、電位依存性ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル及びカリウムチャネルにいずれにおいても電流を抑制できるため、各感覚を一時的に抑制又は低下させることができ、例えば、痛覚感度低下用組成物(麻酔剤用組成物)等も本発明の範囲に含まれる。
本発明の他の態様としては、インビボ又はインビトロにおいて、上記式(1)で示される化合物によってカチオンチャネルを阻害する方法が挙げられる。前記方法は、上記式(1)で示される化合物を、ヒト若しくはヒト以外の哺乳動物又は標的細胞に投与する工程を含む。以下の実施例に示されるように、上記式(1)で示される化合物のカチオンチャネル阻害作用に基づいて、嗅覚機能を低下させることができる。上記のように、上記式(1)で示される化合物の使用量は、湿度、適用対象の状態、投与形態等の使用条件に応じて適宜選択されるが、上記のように、ヒトが感知できる検出限界で効果があるため、極めて低濃度でも使用でき、効果を高めるために高濃度で使用することもできる。
本発明の他の態様としては、上記式(1)で示される化合物を含有する医薬が挙げられる。本発明の医薬の用途としては、例えば、麻酔剤、鎮静剤、鎮痛剤、鎮咳剤、抗炎症剤、過敏症、アレルギー反応等の過剰な感覚の抑制剤、痒み止め、ペインクリニック用医薬等が挙げられる。
本発明の他の態様としては、上記のように、カチオンチャネル阻害剤の製造のための、上記式(1)で示される化合物の使用が挙げられる。上記式(1)で示される化合物及びカチオンチャネル阻害剤については、上記の通りである。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
[試験例1]
下記表1に記載の試験化合物を用いて、CNGチャネルの阻害作用を以下の方法で測定した。測定結果を図1に示す。
1)試料の調製
嗅細胞はアカハライモリより公知の方法(倉橋(Kurahashi)ら, J. Physiol., (1989) 419, 177-192)に従って単離し、リンガー液に浸した。単離方法を簡単に示すと、氷水中で冬眠状態にしたイモリにダブルピスを施し、頭蓋を切開し嗅粘膜を取り出す。取り出した嗅粘膜を小片にした後、0.1質量%コラゲナーゼ溶液中で37℃にて5分間インキュベートした。酵素反応後、リンガー溶液にてコラゲナーゼを洗い落してから、ガラスピペットによる物理的操作にて嗅細胞を単離した。
下記表1に記載の試験化合物をリンガー液中に溶解した試験溶液(CNGチャネル阻害剤)を用いてCNGチャネルの電流応答抑制を調べた。試験に使用した試験化合物の溶液濃度は、1pMから100μMに調整してそれぞれ用いた。リンガー液組成は、NaCl 110mM、KCl 3.7mM、CaCl2 3mM、MgCl2 1mM、HEPES 10mM、グルコース 15mM、ピルビン酸ナトリウム 1mM(pH7.4、NaOHで調整)のものを用いた。
下記表1に記載の試験化合物を用いて、CNGチャネルの阻害作用を以下の方法で測定した。測定結果を図1に示す。
1)試料の調製
嗅細胞はアカハライモリより公知の方法(倉橋(Kurahashi)ら, J. Physiol., (1989) 419, 177-192)に従って単離し、リンガー液に浸した。単離方法を簡単に示すと、氷水中で冬眠状態にしたイモリにダブルピスを施し、頭蓋を切開し嗅粘膜を取り出す。取り出した嗅粘膜を小片にした後、0.1質量%コラゲナーゼ溶液中で37℃にて5分間インキュベートした。酵素反応後、リンガー溶液にてコラゲナーゼを洗い落してから、ガラスピペットによる物理的操作にて嗅細胞を単離した。
下記表1に記載の試験化合物をリンガー液中に溶解した試験溶液(CNGチャネル阻害剤)を用いてCNGチャネルの電流応答抑制を調べた。試験に使用した試験化合物の溶液濃度は、1pMから100μMに調整してそれぞれ用いた。リンガー液組成は、NaCl 110mM、KCl 3.7mM、CaCl2 3mM、MgCl2 1mM、HEPES 10mM、グルコース 15mM、ピルビン酸ナトリウム 1mM(pH7.4、NaOHで調整)のものを用いた。
2)CNGチャネル活性の測定
(設定)
単離した嗅細胞を全細胞記録法により膜電流の計測を行った(Kawaiら,J. Gen. Physiol., (1997) 109, 265-272)。電極はホウケイ酸ガラスキャピラリー(直径1.2mm)を用い、電極作成用のプラー(商品名:PP−830、(株)成茂科学器機研究所製)にて作製した(電気抵抗10−15MΩ)。膜電流の記録は、パッチクランプとA/D変換装置(Digidata 1320,Axon Instrument)を介して接続されたコンピューターを用いて行った。試験溶液の細胞への刺激(吹きかけ)には圧力制御装置を用いた。圧力制御装置とは、エアーコンプレッサーより送り込まれた圧縮空気を、コンピューター制御にて任意の圧力まで減圧し、設定した時間、その圧縮空気を、試験溶液を充填したガラスピペット尾部へ送り込む装置である(Itoら、日本生理学雑誌, 1995,vol.57,127-133)。
(手順)
嗅細胞の脱分極を生じさせるため光活性化型環状アデノシンモノリン酸(ケージドcAMP)を用いる方法を行った。記録電極内溶液(119mM CsCl,1mM CaCl2,5mM EGTA,10mM HEPES,pH7.4にCsOHを用いて調整)に最終濃度1mMにてケージドcAMP(ケージド環状アデノシンモノリン酸,P−[1−(2−ニトロフェニル)エチル]アデノシン−3,5−環状モノリン酸)を溶解した。ケージドcAMP溶液を満たした記録電極を用いて全細胞記録状態にすることにより、ケージドcAMPを記録電極内より自由拡散にて細胞内へ導入した。本法により嗅細胞の嗅繊毛内へケージドcAMPを導入できることが報告されている(竹内(Takeuchi)ら, J. Physiol., (2002), 541(3), 825-833)。嗅繊毛内へ導入されたケージド化合物は落射蛍光システムを用いキセノンランプからUV光線を嗅細胞の繊毛領域に照射して、光分解を生じさせた。照射のタイミングと時間はコンピューターで制御した。光分解によって嗅細胞内のcAMPが上昇しCNGチャネルの開口が生じるので、その膜電流の変化を記録した。試験化合物による試験溶液を嗅細胞の嗅繊毛の近傍にガラスピペット(先端口径1μm)で吹きかけ(3000ミリ秒間、圧力50kPa)、UV光線の照射は試験溶液の吹きかけ開始500ミリ秒後より500ミリ秒間の長さで行った。CNGチャネル阻害の試験は、試験化合物1種類あたり3細胞で測定し、平均値を算出した。但し、図1中、()内の数値が4のものは、4細胞で測定を行った。
(設定)
単離した嗅細胞を全細胞記録法により膜電流の計測を行った(Kawaiら,J. Gen. Physiol., (1997) 109, 265-272)。電極はホウケイ酸ガラスキャピラリー(直径1.2mm)を用い、電極作成用のプラー(商品名:PP−830、(株)成茂科学器機研究所製)にて作製した(電気抵抗10−15MΩ)。膜電流の記録は、パッチクランプとA/D変換装置(Digidata 1320,Axon Instrument)を介して接続されたコンピューターを用いて行った。試験溶液の細胞への刺激(吹きかけ)には圧力制御装置を用いた。圧力制御装置とは、エアーコンプレッサーより送り込まれた圧縮空気を、コンピューター制御にて任意の圧力まで減圧し、設定した時間、その圧縮空気を、試験溶液を充填したガラスピペット尾部へ送り込む装置である(Itoら、日本生理学雑誌, 1995,vol.57,127-133)。
(手順)
嗅細胞の脱分極を生じさせるため光活性化型環状アデノシンモノリン酸(ケージドcAMP)を用いる方法を行った。記録電極内溶液(119mM CsCl,1mM CaCl2,5mM EGTA,10mM HEPES,pH7.4にCsOHを用いて調整)に最終濃度1mMにてケージドcAMP(ケージド環状アデノシンモノリン酸,P−[1−(2−ニトロフェニル)エチル]アデノシン−3,5−環状モノリン酸)を溶解した。ケージドcAMP溶液を満たした記録電極を用いて全細胞記録状態にすることにより、ケージドcAMPを記録電極内より自由拡散にて細胞内へ導入した。本法により嗅細胞の嗅繊毛内へケージドcAMPを導入できることが報告されている(竹内(Takeuchi)ら, J. Physiol., (2002), 541(3), 825-833)。嗅繊毛内へ導入されたケージド化合物は落射蛍光システムを用いキセノンランプからUV光線を嗅細胞の繊毛領域に照射して、光分解を生じさせた。照射のタイミングと時間はコンピューターで制御した。光分解によって嗅細胞内のcAMPが上昇しCNGチャネルの開口が生じるので、その膜電流の変化を記録した。試験化合物による試験溶液を嗅細胞の嗅繊毛の近傍にガラスピペット(先端口径1μm)で吹きかけ(3000ミリ秒間、圧力50kPa)、UV光線の照射は試験溶液の吹きかけ開始500ミリ秒後より500ミリ秒間の長さで行った。CNGチャネル阻害の試験は、試験化合物1種類あたり3細胞で測定し、平均値を算出した。但し、図1中、()内の数値が4のものは、4細胞で測定を行った。
(結果)
試験溶液を吹きかけていないときの応答電流の値をブランク(a)とし、試験溶液の添加によって得られた嗅細胞の応答電流の値を(b)として、下記式によって試験化合物のCNGチャネル電流抑制率を求めた。
試験溶液を吹きかけていないときの応答電流の値をブランク(a)とし、試験溶液の添加によって得られた嗅細胞の応答電流の値を(b)として、下記式によって試験化合物のCNGチャネル電流抑制率を求めた。
CNGチャネル電流抑制率(%)=(1−b/a)×100
図1から、TCAは、L−cis ジルチアゼムに比べて、CNGチャネルの阻害作用が100倍程度優れており、ゲラニオールに比べて、2000倍程度優れていることが確認された。また、図1から、TBAは、特に低濃度領域において、L−cis ジルチアゼムに比べて、CNGチャネルの阻害作用が1000倍程度優れており、ゲラニオールに比べて、10000倍程度優れていることが確認された。
[試験例2]
実施例の化合物として4−ノニルフェノール(実施例3)を用いた以外は、試験例1と同様にして、CNGチャネルの阻害作用を測定した。測定結果を図2に示す。
実施例の化合物として4−ノニルフェノール(実施例3)を用いた以外は、試験例1と同様にして、CNGチャネルの阻害作用を測定した。測定結果を図2に示す。
図2に示されるように、4−ノニルフェノールは、公知のCNGチャネル阻害剤であるゲラニオール(比較例1)に比べて、有意に優れたチャネル電流抑制率を示した。このことから、4−ノニルフェノールが優れたCNGチャネルの阻害作用を有することは明らかである。
[試験例3]
TCAを用いて、電位依存性カチオンチャネルに対する阻害作用を以下の方法で測定した。測定結果を図3及び図4に示す。
1)試料の調製
試験化合物をTCAのみにして、試験例1と同様に、試験溶液を調製した。
2)チャネル活性の測定
(設定)
単離した嗅細胞を全細胞記録法により膜電位を固定し、膜電流の計測を行った(Kawaiら, J. Gen. Physiol. (1997), vol.109: 265-272)。電極は、ホウケイ酸ガラスキャピラリー(直径1.2mm)を用い、電極作成用プラー(PP−830、成茂科学器械)にて作製した(電極抵抗10−15MΩ)。電極内には、電極内溶液と銀塩化銀線を挿入し、銀塩化銀線はパッチクランプアンプ(Axopatch 1D, Axon Instrument)と接続し、膜電位の固定、脱分極刺激を行った。膜電流の記録は、パッチクランプアンプとA/D変換装置(Digidata 1320,Axon Instrument)を介して接続されたコンピューターを用いて行った。試験溶液の細胞への刺激(吹きかけ)には、試験例1と同様に、圧力制御装置を用いた。
(手順)
試験溶液による電位依存性カチオンチャネル活性への影響を調べるため、単離した嗅細胞の膜電位を−80mVに固定し、100ミリ秒間、膜電位を+70mVへ脱分極させ、脱分極直後に生じる内向き電流及びそれに引き続く外向き電流の電流値のピーク振幅を測定した。脱分極刺激を繰り返し続けながら、正常リンガー液(試験例1の試験化合物添加前のリンガー液組成)にTCAを溶解させ、100μM TCAの試験溶液を、嗅細胞近傍(20μm以内)に先端が来るようにセットしたガラスピペット(先端口径1μm)を通じて吹きかけることにより(720ミリ秒間、圧力150kPa)嗅細胞に添加し、それに伴う内向き電流の変化及び外向き電流を調べた。結果を図3及び4に示す。
TCAを用いて、電位依存性カチオンチャネルに対する阻害作用を以下の方法で測定した。測定結果を図3及び図4に示す。
1)試料の調製
試験化合物をTCAのみにして、試験例1と同様に、試験溶液を調製した。
2)チャネル活性の測定
(設定)
単離した嗅細胞を全細胞記録法により膜電位を固定し、膜電流の計測を行った(Kawaiら, J. Gen. Physiol. (1997), vol.109: 265-272)。電極は、ホウケイ酸ガラスキャピラリー(直径1.2mm)を用い、電極作成用プラー(PP−830、成茂科学器械)にて作製した(電極抵抗10−15MΩ)。電極内には、電極内溶液と銀塩化銀線を挿入し、銀塩化銀線はパッチクランプアンプ(Axopatch 1D, Axon Instrument)と接続し、膜電位の固定、脱分極刺激を行った。膜電流の記録は、パッチクランプアンプとA/D変換装置(Digidata 1320,Axon Instrument)を介して接続されたコンピューターを用いて行った。試験溶液の細胞への刺激(吹きかけ)には、試験例1と同様に、圧力制御装置を用いた。
(手順)
試験溶液による電位依存性カチオンチャネル活性への影響を調べるため、単離した嗅細胞の膜電位を−80mVに固定し、100ミリ秒間、膜電位を+70mVへ脱分極させ、脱分極直後に生じる内向き電流及びそれに引き続く外向き電流の電流値のピーク振幅を測定した。脱分極刺激を繰り返し続けながら、正常リンガー液(試験例1の試験化合物添加前のリンガー液組成)にTCAを溶解させ、100μM TCAの試験溶液を、嗅細胞近傍(20μm以内)に先端が来るようにセットしたガラスピペット(先端口径1μm)を通じて吹きかけることにより(720ミリ秒間、圧力150kPa)嗅細胞に添加し、それに伴う内向き電流の変化及び外向き電流を調べた。結果を図3及び4に示す。
(結果)
図3及び図4では、TCAを使用すると、コントロールに比べて電流波形の振幅が減少したことが示されており(図3及び図4のコントロール(Control)及びTCA参照)、嗅細胞における脱分極に伴う内向き電流及びそれに引き続く外向き電流の発生が抑制されていた。試験に供した嗅細胞の状況が悪化した可能性も考えられるため、再度TCAなしの状態(TCAが含まれていないリンガー溶液内に嗅細胞が存在している状態)の溶液を用いて、嗅細胞の電流(内向き電流及び外向き電流)を測定すると、コントロールと同じ振幅まで回復していた(図3及び図4のリカバリー(Recovery)参照)。実験に用いたイモリの嗅細胞に発現している電位依存性ナトリウムチャネルが、TTX非感受性ナトリウムチャネルであることは、広く知られており、前記嗅細胞に発現している電位依存性カリウムチャネルは、主に遅延整流性チャネルであり、前記嗅細胞に発現している電位依存性カルシウムチャネルは、LもしくはT型カルシウムチャネルである。以上のことから、TCAによって、電位依存性ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル及びカリウムチャネルにいずれにおいても電流が抑制されたことが証明された。
図3及び図4では、TCAを使用すると、コントロールに比べて電流波形の振幅が減少したことが示されており(図3及び図4のコントロール(Control)及びTCA参照)、嗅細胞における脱分極に伴う内向き電流及びそれに引き続く外向き電流の発生が抑制されていた。試験に供した嗅細胞の状況が悪化した可能性も考えられるため、再度TCAなしの状態(TCAが含まれていないリンガー溶液内に嗅細胞が存在している状態)の溶液を用いて、嗅細胞の電流(内向き電流及び外向き電流)を測定すると、コントロールと同じ振幅まで回復していた(図3及び図4のリカバリー(Recovery)参照)。実験に用いたイモリの嗅細胞に発現している電位依存性ナトリウムチャネルが、TTX非感受性ナトリウムチャネルであることは、広く知られており、前記嗅細胞に発現している電位依存性カリウムチャネルは、主に遅延整流性チャネルであり、前記嗅細胞に発現している電位依存性カルシウムチャネルは、LもしくはT型カルシウムチャネルである。以上のことから、TCAによって、電位依存性ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル及びカリウムチャネルにいずれにおいても電流が抑制されたことが証明された。
[試験例4]
被験者4名による官能評価により、表2に示す試験化合物の嗅覚感度低下の効果を測定した。具体的には、各化合物0.5gと直径3cmの円形ろ紙をそれぞれ100mL容量のガラスびんに入れ、密封状態とし40℃で30分保温して、化合物をガラスびん内に気化させ、被験者はその気体を50回左右の鼻腔から交互にゆっくり吸入した(おおよそ1.5分以内)。その後、ニオイ評価用細長ろ紙(5×11cm)の先端5mmに含浸させた0.01質量%イソ吉草酸水溶液の匂いを、試験化合物の吸入直後(0分)、1分、3分、6分、9分、12分後に嗅いで、下記評価基準に従いニオイの強さを評価した。
評価は、イソ吉草酸の匂いの強さにより1、2、3、4の4段階で評価し、被験者4名の評価のうち最も人数の多い評価を採用した。
被験者4名による官能評価により、表2に示す試験化合物の嗅覚感度低下の効果を測定した。具体的には、各化合物0.5gと直径3cmの円形ろ紙をそれぞれ100mL容量のガラスびんに入れ、密封状態とし40℃で30分保温して、化合物をガラスびん内に気化させ、被験者はその気体を50回左右の鼻腔から交互にゆっくり吸入した(おおよそ1.5分以内)。その後、ニオイ評価用細長ろ紙(5×11cm)の先端5mmに含浸させた0.01質量%イソ吉草酸水溶液の匂いを、試験化合物の吸入直後(0分)、1分、3分、6分、9分、12分後に嗅いで、下記評価基準に従いニオイの強さを評価した。
評価は、イソ吉草酸の匂いの強さにより1、2、3、4の4段階で評価し、被験者4名の評価のうち最も人数の多い評価を採用した。
1:イソ吉草酸の匂いを全く感知できない
2:イソ吉草酸の匂いをわずかに感知できる
3:イソ吉草酸の匂いを感知できる
4:イソ吉草酸の匂いを強く感じる
2:イソ吉草酸の匂いをわずかに感知できる
3:イソ吉草酸の匂いを感知できる
4:イソ吉草酸の匂いを強く感じる
表2に示すように、本発明のCNGチャネル阻害剤を用いた実施例1〜2は、吸入時に眼等に刺激を受けることなく、かつ、1分経過後においてもイソ吉草酸の匂いを強く感じない評価が得られ、嗅覚感度を低下する効果が認められた。表2に示すように、本発明のCNGチャネル阻害剤を用いた実施例1・2は、吸入時に眼等に刺激を受けることもなく、かつ、6分経過後においてもイソ吉草酸の匂いを全く感じない評価が得られ、嗅覚感度を低下する効果が認められた。
これに対して、非特許文献3でCNGチャネル抑制作用が認められているシネオールと酢酸イソアミル(比較例3及び5)は、前者は吸入時における眼に対する刺激が非常に強く、後者はむせてしまい吸入自体できず、いずれも使用が困難であった。また、比較例4のリモネンは、吸入直後にわずかにCNGチャネル阻害効果が認められるだけで、1分経過以後はイソ吉草酸の匂いを強く感じる評価となり、嗅覚感度を低下する効果が殆ど認められなかった。
上記結果から、本発明は、優れたカチオンチャネルの阻害作用を有することが確認できた。
本発明のカチオンチャネル阻害剤は、医学又は獣医学分野で使用される麻酔剤、鎮静剤、鎮痛剤、鎮咳剤、抗炎症剤、過敏症、アレルギー反応等の過剰な感覚の抑制剤、痒み止め、ペインクリニック用医薬等の医薬品及び医薬部外品;皮膚過敏症抑制作用を有する入浴剤、化粧料、知覚過敏抑制作用を有する歯磨き粉、マウスウォッシュ等のボディケア製品;病院、介護施設、臭いが発生する工場等の作業現場、動物飼育場(養鶏場、牧場等)、清掃現場、産業廃棄物処理場等に対する消臭剤等として有用である。
Claims (9)
- 式(1)において、R2、R4及びR6がハロゲン原子であり、R3及びR5が水素原子であることを特徴とする請求項1記載のチャネル阻害剤。
- 式(1)において、R1が、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のチャネル阻害剤。
- 式(1)で示される化合物が、2,4,6−トリクロロアニソール、2,4,6−トリブロモアニソール及び4−ノニルフェノールからなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする請求項1記載のチャネル阻害剤。
- カチオンチャネルが、電位依存性カチオンチャネルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のチャネル阻害剤。
- 電位依存性カチオンチャネルが、電位依存性カリウムチャネル、電位依存性ナトリウムチャネル及び電位依存性カルシウムチャネルからなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする請求項5記載のチャネル阻害剤。
- カチオンチャネルが、リガンド依存性カチオンチャネルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のチャネル阻害剤。
- リガンド依存性カチオンチャネルが、CNGチャネルであることを特徴とする請求項7記載のチャネル阻害剤。
- 請求項1〜4のいずれかのカチオンチャネル阻害剤を含有することを特徴とする嗅覚感度低下用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012010847A JP2013147475A (ja) | 2012-01-23 | 2012-01-23 | カチオンチャネル阻害剤及びこれを含有する嗅覚感度低下剤組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015080564A (ja) * | 2013-10-22 | 2015-04-27 | 花王株式会社 | フラネオールによるにおいの抑制剤 |
JP2018075172A (ja) * | 2016-11-09 | 2018-05-17 | ハウス食品株式会社 | 消臭用組成物又はマスキング用組成物及びそれらの使用方法 |
-
2012
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US9877927B2 (en) | 2013-10-22 | 2018-01-30 | Kao Corporation | Inhibitor of odor caused by Furaneol |
JP2018075172A (ja) * | 2016-11-09 | 2018-05-17 | ハウス食品株式会社 | 消臭用組成物又はマスキング用組成物及びそれらの使用方法 |
CN108057125A (zh) * | 2016-11-09 | 2018-05-22 | 好侍食品株式会社 | 消臭用组合物或掩蔽用组合物以及它们的使用方法 |
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