JP6370595B2 - マグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法、そのマグネシウム粉末冶金焼結体およびマグネシウム粉末冶金材料 - Google Patents

マグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法、そのマグネシウム粉末冶金焼結体およびマグネシウム粉末冶金材料 Download PDF

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Description

本発明は、マグネシウム粉末冶金に関するものであり、より具体的には、マグネシウム粉末冶金材料からのマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法、そのマグネシウム粉末冶金焼結体および当該マグネシウム粉末冶金材料に関するものである。
マグネシウムは、軽量の金属元素であり、そのマグネシウム合金は、その軽量性に加えて、高強度、高延性、高制振性および高放熱性等を示すことから、工業製品の構成材として用いられている。
マグネシウム合金は成形性に乏しいため、製品等への加工に際しては、マグネシウムと他の金属元素とを溶解して合金化した上で、その溶融状態の合金あるいは固相化した合金に所定の形状を付与する方法が用いられている。その合金製造や形状付与の手段としては、鋳造法あるいはダイカスト法(金型鋳造法)が主流である。
ところが、鋳造法等では、製品の小型化や薄肉化等の要求を満たすように設計された複雑形状の金型に、溶解したマグネシウム合金を充填させる際に、湯流れ不良や凝固割れ、金型への焼付きなどの問題(以下、溶融−凝固問題という)が生じることがある。このような溶融−凝固問題に関連すると考えられるマグネシウム合金の溶湯流動性を改善して、その鋳造性を高めるために、種々の元素を添加しても、その元素添加による高強度化効果は低い。また、高強度化のための強加工や複雑形状の付与のための後加工も必要となる。
つまり、鋳造性と機械的性質を両立させながら、マグネシウム合金を用いて鋳造品を製造することは容易でないため、鋳造法等での合金設計を困難にしているのが現状である。
一方、粉末冶金法は、固体である粉体を混合することで、溶解させることなく固相のまま、ある程度自由に合金組成を決定することができる混合工程と、半流体とも言うべき粉体を冷間で金型成形することで、複雑な三次元形状を与える圧粉成形工程と、例えばベルトコンベアによって連続的に加熱処理をする焼結工程を含む方法である。この粉末冶金法では、原料の粉体を溶解させないことから、上述の鋳造法等における溶湯流動性を考慮する必要がなく、溶融−凝固問題も生じることがなく、しかも、流動性に優れた粉体をそのまま成形できることから、複雑な形状の製品を寸法精度よく、且つ、経済的に製造可能であることが最大の特長である。
例えば、ギアなどの歯車形状の焼結機械部品は、その形状を得るための切削等の後加工を大幅に削減できる点で、粉末冶金法による象徴的な製品であるといえる。
また、鋳造法等では、上述した溶融−凝固問題に加えて、凝固過程で、例えばマグネシウム等の母相中に粗大な脆化相が生じるという問題もある。これに対して、粉末冶金では、原料粉末が固相のまま、圧粉成形されることや粉末内部が微細な組織であることから、当該原料粉末から得られる焼結体での粗大な脆化相の発生が抑制され、且つ、組織微細化による高強度化が可能であるなどの特長もある。
しかしながら、粉末冶金法は、これまで、マグネシウム粉末冶金焼結体の製造には適さない手法であるとされてきた。
つまり、マグネシウムは、非常に活性な金属であるから、その粉末表面には強固な酸化皮膜が形成される。一方、粉末冶金法は、上述したように、原料粉末をその固相のまま、溶解させずに焼結する手法であるから、この粉末冶金法をマグネシウム粉末からの焼結体の製造に適用しようとする場合、マグネシウム粉末表面全体を覆う酸化皮膜の介在によって、マグネシウム粉末同士が直接的に接触する機会が減るため、その状態で、マグネシウム粉末を焼結しても、その酸化皮膜がマグネシウム粉末の焼結を阻害するという問題があったからである(例えば、非特許文献1の第178頁左欄の第5行〜第9行)。
このような粉末冶金法によって、マグネシウム粉末からマグネシウム粉末冶金焼結体を製造する場合には、酸化皮膜による焼結の阻害、すなわち焼結性の問題を解決する必要がある。
このため、本発明者は、マグネシウムの焼結性を改善するため、酸化皮膜の破壊を促す方法として温間成形の適用を試みたところ、その温間成形では、マグネシウムの降伏強さの温度依存性を利用して、マグネシウム粉末の塑性変形を促し、粉末同士を接触させることで酸化皮膜の一部を破壊し、これによって金属結合が生じ、焼結の促進を確認することができた(非特許文献2)。
山岡大祐氏ら8名の共著、「ボロンを添加したマグネシウム系焼結合金の作製とその機械的性質」、「材料技術」第16巻第5号、1997年7月発行、第177頁〜第184頁、材料技術研究協会 岩岡拓氏、中村満氏の共著、「純マグネシウム粉末の圧縮性と焼結性に及ぼす温間成形の影響」、「粉体および粉末冶金」第58巻第6号、2011年6月発行、第327頁〜第333頁、粉体粉末冶金協会
しかし、上述の非特許文献2による結果を考察すると、マグネシウム粉末同士の接触不十分な箇所に粗大気孔が生じてしまい、緻密な組織をもつ焼結体を得ることができず、相対密度が低くなり、十分な強度が得られなかった。つまり、マグネシウム粉末同士の十分な接触と粗大気孔生成の抑制を図る必要があるという知見を得るに至った。
そこで、本発明者は、マグネシウム粉末にパルス電流を直接通電することで生じさせた放電現象によって、粗大気孔生成の原因となるマグネシウム粉末表面の吸着ガスを除去し、マグネシウム粉末同士の接点に生じさせたジュール発熱によって、部分溶解および塑性流動を起こすとともに酸化皮膜を破壊してマグネシウム粉末同士の接触を促したところ、マグネシウム粉末同士の結合面積の約70%までは、マグネシウム粉末冶金焼結体の強度増加に寄与させることができる点を確認することができた。
すなわち、上述のような現象から、マグネシウム粉末同士の接触面積をさらに増加させることが重要であり、上述の通電焼結法に限らず、工業的に利用されている従来の雰囲気加熱によって、マグネシウム焼結体の強度への結合面積の寄与率を例えば70%以上に高めてマグネシウム粉末同士間の結合力を強化することができる新たな粉末冶金法を開発することができれば、マグネシウム粉末から、高強度、高延性、軽量性、高制振性および高放熱性等の特性が要求される製品(例えばパソコン等の筐体等)を直接的に製造できると期待される。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末同士間の結合力を強化し、マグネシウム粉末冶金材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化したマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、当該マグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法による結果物であるマグネシウム粉末冶金焼結体を提供することを第二の目的とする。
さらに、本発明は、当該マグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法に直接使用することに適したマグネシウム粉末冶金材料を提供することを第三の目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法は、粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムとの共晶反応が可能である、または、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末を混合させてなるマグネシウム粉末冶金材料を圧縮しながら、前記マグネシウムの融点未満の範囲の温度で焼結して、前記マグネシウム間に、前記添加元素の液相、または該液相および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液が混在する液相、もしくは前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液のみの液相のいずれかを介在させた後、冷却して、前記液相を固相化することを特徴とするものである。ここで、本発明における添加元素は、該マグネシウムとの共晶反応が可能であり、かつ、前記マグネシウムよりも低い融点を示すものでもよい。
本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法は、前記添加元素が、少なくとも、スズ、亜鉛及びアルミニウムのいずれかであることを特徴とするものである。
また、本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法は、前記添加元素が、少なくとも、ビスマス又はアンチモンであることを特徴とするものである。
本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体は、粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムとの共晶反応が可能である、または、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素を含み、前記マグネシウム間に、少なくとも、前記添加元素および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶のいずれかが介在してなることを特徴とするものである。本発明のマグネシウム粉末冶金焼結体における添加元素は、該マグネシウムとの共晶反応が可能であり、かつ、前記マグネシウムよりも低い融点を示すものでもよい。
本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体は、前記添加元素が、少なくとも、スズ、亜鉛及びアルミニウムのいずれかであることを特徴とするものである。
また、本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体は、前記添加元素が、少なくとも、ビスマス又はアンチモンであることを特徴とするものである。
本発明に係るマグネシウム粉末冶金材料は、粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムとの共晶反応が可能である、または、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末を混合させてなることを特徴とするものである。もちろん、本発明のマグネシウム粉末冶金材料における添加元素は、該マグネシウムとの共晶反応が可能であり、かつ、前記マグネシウムよりも低い融点を示すといった、2条件を兼ね備えたものでもよい。
本発明に係るマグネシウム粉末冶金材料は、前記添加元素が、少なくとも、スズ、亜鉛及びアルミニウムのいずれかであることを特徴とするものである。
また、本発明に係るマグネシウム粉末冶金材料は、前記添加元素が、少なくとも、ビスマス又はアンチモンであることを特徴とするものである。
本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法によれば、粉末状のマグネシウムと、このマグネシウムとの共晶反応が可能である、または、マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末を混合させてなるマグネシウム粉末冶金材料を圧縮しながら、マグネシウムの融点未満の範囲の温度で焼結することによって、当該添加元素の液相、または該液相および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液が混在する液相、もしくは前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液のみの液相のいずれかを生成し、この液相をマグネシウム粉末表面に濡れ拡がらせ、マグネシウム粉末粒子間に当該液相を侵入させることができるので、当該液相を介して、マグネシウム粉末同士の接触面積を増加させ、且つ、マグネシウム粉末粒子間の距離を縮めた状態で、冷却することによって、当該液相を固相化させ、この固相をいわば結合剤として機能させて、マグネシウム粉末同士間の結合力を強化し、マグネシウム粉末冶金材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化したマグネシウム粉末冶金焼結体を得ることができる。
また、本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体は、マグネシウム粉末間に、少なくとも、前記添加元素および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶のいずれかが介在してなるものであるので、当該添加元素や共晶を結合剤として機能させて、マグネシウム粉末同士間の結合力を強化し、マグネシウム粉末冶金材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化したものである。したがって、このマグネシウム粉末冶金焼結体は、高強度・高延性等に優れた成形品とすることができる。
さらに、本発明に係るマグネシウム粉末冶金材料は、粉末状のマグネシウムと、このマグネシウムとの共晶反応が可能である、または、マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末を混合させてなるものであるので、当該マグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法に直接使用することに適している。したがって、このマグネシウム粉末冶金材料からは、マグネシウム粉末同士間の結合力を強化し、マグネシウム粉末冶金材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化した上述のマグネシウム粉末冶金焼結体を得ることができる。
本発明の実施の形態1によるマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法の各工程を示す工程図である。 図1に示した実施の形態1の焼結工程におけるマグネシウム粉末冶金材料中の組織の一連の状態変化を示す模式図であって、(a)は脱ガス過程における状態を、(b)は酸化皮膜破壊過程および液相生成過程における状態を、(c)は組織緻密化過程における状態を示す模式図である。 図1に示した焼結工程での初期圧力を10MPaとした場合(実施例1、スズ添加率:1体積%)における黒鉛型の内部温度の上昇に伴って行う圧縮率の変化を、初期圧力から50MPaとした場合(比較例1、スズ添加率:1体積%)と比較して示すグラフである。 図1に示した焼結工程での初期圧力を10MPaとした場合(実施例1、スズ添加率:1体積%)における圧縮率と焼結装置チャンバー内の圧力変化との関係を初期圧力から50MPaとした場合(比較例1、スズ添加率:1体積%)と比較して示すグラフである。 図1に示した実施の形態1によって得られたMg−Sn系マグネシウム粉末冶金焼結体(実施例1、スズ添加率:1体積%)の抗折力を従来のマグネシウム合金鋳造材(比較例2:AZ91、鋳放し)と比較して示すグラフである。 図1に示した実施の形態1によって得られたMg−Sn系マグネシウム粉末冶金焼結体である実施例1(スズ添加率:1体積%)、実施例2(スズ添加率:0.1体積%)および実施例3(スズ添加率:0.2体積%)についての抗折力の比強度を従来のマグネシウム合金鋳造材(比較例2:AZ91、鋳放し)およびマグネシウム合金圧延材(比較例3:LZ91)と比較して示すグラフである。 実施例及び比較例によって得られた材料の比抗折力と曲げ歪を示すグラフである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法の各工程を示す工程図であり、図2は、図1に示した実施の形態1の焼結工程におけるマグネシウム粉末冶金材料中の組織の一連の状態変化を示す模式図であって、(a)は脱ガス過程における状態を、(b)は酸化皮膜破壊過程および液相生成過程における状態を、(c)は組織緻密化過程における状態を示す模式図である。
この実施の形態1によるマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法は、図1に示すように、粉末状のマグネシウムと添加元素の粉末を混合してマグネシウム粉末冶金材料を調製する混合工程S1と、当該マグネシウム粉末冶金材料を成形型内に充填する粉末充填工程S2と、当該マグネシウム粉末冶金材料を圧縮しながら、添加元素の融点以上マグネシウムの融点未満の範囲の温度で焼結して、マグネシウム粉末粒子間に、添加元素の液相、または該液相および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液が混在する液相、もしくは前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液のみの液相のいずれかを介在させる焼結工程S3と、その後、冷却して、液相を固相化する冷却工程S4と、この冷却後に、当該焼結体を成形型から取り出す取り出し工程S5とから概略構成されている。なお、この実施の形態1は、マグネシウム粉末冶金材料を、その圧縮率を段階的に高めながら圧縮する例を示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。
これにより得られるマグネシウム粉末冶金焼結体は、マグネシウム粉末粒子間に、少なくとも、液相を固相化した添加元素および共晶融液から固相化(晶出)したマグネシウムと添加元素との共晶のいずれかが介在してなるものである。
以下、その製造方法を工程順に説明する。
まず、混合工程S1を行う。この混合工程S1は、マグネシウム粉末と、このマグネシウムとの共晶反応が可能である、または、マグネシウムの融点(650℃)よりも低い融点を示す添加元素の粉末とを、大気圧および室温の条件下で撹拌して混合することによって、マグネシウム粉末冶金材料を調製する工程であり、後の粉末充填工程S2の直前に行う準備工程である。ここで、マグネシウムとの共晶反応が可能である添加元素とは、その共晶反応により、マグネシウムの融点よりも低い温度で共晶融液が生成されうる添加元素を指す。また、添加元素は、マグネシウムとの共晶反応が可能であり、かつ、マグネシウムの融点(650℃)よりも低融点であるといった、2つの条件を兼ね備えた添加元素でもよい。
添加元素としては、上述の共晶反応可能性および融点の条件のうち、少なくとも一方の条件を満たす、例えばアンチモン、テルル、亜鉛、鉛、カドミウム、タリウム、スズ、セレン、ビスマスおよびアルミニウムなどの金属元素の群から、単独あるいは適宜組み合わせて選択することができる。このような添加元素の中でも、最終的に得られるマグネシウム粉末冶金焼結体の用途、あるいは、添加によって、マグネシウムの本来的な特性(例えば、軽量性等)を損なわない点などを勘案すると、少なくとも、スズ、亜鉛及びアルミニウムのいずれかを好適に選択することができる。また、少なくとも、アンチモン又はビスマスのいずれかを好適に選択することができる。
なお、複数種の添加元素を混合する場合における元素間の配合比についても、最終的に得られるマグネシウム粉末冶金焼結体の用途等を考慮して、適宜決められる。
また、マグネシウム(比重1.74)よりも重い添加元素であっても、少量の添加によって、高強度化などの所望の効果を見込めるマグネシウム粉末冶金焼結体を得られるものであれば、使用可能である。
マグネシウム粉末冶金材料全量に対する添加元素粉末の添加率は、マグネシウムの本来的な特性(例えば、軽量性等)を損なわずに、マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末の組織をそのまま、緻密化して高強度化等を図る観点から、可能な限り、少量であることが望ましい。また、その添加率の範囲は、焼結工程S3において、添加元素の融点で生成される添加元素の液相および上述の共晶反応による共晶温度で生成される共晶融液のみの液相がそれぞれ単独の状態で、あるいは、混在する状態で、マグネシウム粉末表面全体に適度に塗れ拡がり、且つ、全マグネシウム粉末粒子間の隙間へ侵入するに十分な量となる添加率以上であり、マグネシウム粉末粒子間の隙間へ侵入し切れず、余剰となった液相がマグネシウム粉末表面に過剰に漏出しない程度の量となる添加率未満の範囲で適宜決められ、例えば0.1体積%〜20体積%の範囲とされるが、これに限定されるものではない。
さらに、その添加率の範囲の中でも、最終的に得られるマグネシウム粉末冶金焼結体の用途に対して要求される種々の特性(例えば、強度、延性、重量、制振性および放熱性等)の条件を考慮すると、1体積%〜3体積%の範囲であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
添加元素粉末の粒度は、マグネシウム粉末の粒度よりも小さく設定されることが望ましい。添加元素粉末の粒度が小さいと、その表面積が大きくなり、融点での液相や共晶温度での共晶融液の生成に有利であり、また、固相状態で、粒度の大きいマグネシウム粉末粒子間の隙間に侵入し易くなる点でも有利である。
なお、添加元素粉末の粒度をマグネシウム粉末よりも小さく設定した場合には、混合が不十分であれば、マグネシウム粉末冶金材料の下側に局在する可能性があるため、この混合工程S1では、マグネシウム粉末全体に添加元素粉末を十分に分散させることが望ましい。
混合方法としては、マグネシウム粉末全体に添加元素粉末を十分に分散させるまで混ぜ合わせることができる方法であれば、周知のいかなる方法を用いてもよい。なお、既に調製済みのマグネシウム粉末冶金材料を用いる場合であっても、マグネシウム粉末と添加元素粉末との混ざり具合に偏りがあるときには、この混合工程S1で十分に混合することが望ましい。
この実施の形態1に用いられるマグネシウム粉末冶金材料は、上述したように、粉末状のマグネシウムと、このマグネシウムとの共晶反応が可能である添加元素の粉末、または、マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末、もしくはこれら2つの条件を兼ね備えた添加元素の粉末を混合させてなるものであり、この実施の形態1によるマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法に直接使用することに適したものである。
次に、粉末充填工程S2を行う。この粉末充填工程S2は、上記混合工程S1で調製されたマグネシウム粉末冶金材料を、大気圧および室温の条件下で、成形型内に充填する工程であり、後に詳述する焼結工程S3の前に行う準備工程である。
成形型としては、粉末冶金法で通常使用される周知の焼結装置に使用可能な黒鉛製の成形型(以下、黒鉛型という)を好適に使用することができるが、これに限定されるものではない。例えば、黒鉛型(図示せず)は焼結装置チャンバー内に配設可能であり、粉末材料を充填できる貫通孔を有する黒鉛モールドと、このモールドの貫通孔内に挿通可能である一対の黒鉛パンチとから概略構成され、両パンチ間の距離を縮めて粉末材料に対して成形圧力を加えて、その粉末材料を圧縮できるとともに、両パンチ間に例えばパルス電流を印加できるようになっている。このような黒鉛型は、熱伝導性や導電性等に優れていることから、焼結工程S3において例示される通電焼結(例えばパルス通電による焼結)用の成形型として好適である。以下、成形型の一例として、黒鉛型を用いた焼結方法を説明する。
次に、焼結工程S3を行う。この焼結工程S3は、上記粉末充填工程S2でマグネシウム粉末冶金材料が充填された黒鉛型を焼結装置チャンバー内に設置し、そのチャンバー内部を減圧し続け、真空(例えば2Pa程度)にした後、両パンチ間の間隔を縮めて黒鉛型内のマグネシウム粉末冶金材料を加圧し、そのマグネシウム粉末冶金材料を、その圧縮率を段階的に高めながら、マグネシウムの融点未満の範囲の温度で焼結を行う工程である。なお、この焼結温度は、例えば、添加元素の融点以上とされるが、これに限定されるものではない。また、真空状態は、後述の取り出し工程S5まで維持される。
焼結方法としては、黒鉛型内に充填されたマグネシウム粉末冶金材料を加熱して焼結できる方法であれば、周知のいかなる方法をも用いることができ、例えば黒鉛型の場合には、例えばパルス通電加熱等による通電焼結方式を好適に使用できるが、これに限定されるものではない。
ここで、この実施の形態1におけるマグネシウム粉末冶金材料の圧縮率とは、成形圧力が加わる前のマグネシウム粉末冶金材料の全体積(当初体積)を基準にした場合、成形圧力が加わって圧縮された後の体積変化量であり、段階的に高くなる圧縮率は、常に、当初体積を基準にして算出される。
圧縮率は、当初体積のマグネシウム粉末冶金材料に対する成形圧力(初期圧力)を小さくした場合には、制御可能である。つまり、小さな初期圧力を加えることによって、時間の経過に伴って、マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末粒子間の隙間が徐々に小さくなり、その圧縮率も徐々に高くなる。隙間がある程度小さくなり、圧縮率も相当程度高くなった場合には、ここで、成形圧力を高くすることによって、圧縮率をさらに高くすることができる。逆に、初期圧力を大きくした場合には、短時間に、圧縮率が高くなるため、その圧縮率を実質的に制御することはできない。
ここで、焼結方法としてパルス通電加熱方式を用い、且つ、圧縮率を段階的に高める場合について詳述する。
まず、マグネシウム粉末冶金材料が充填された黒鉛型を焼結装置チャンバー内に配置した時点でマグネシウム粉末冶金材料に対して加えられる初期圧力は、例えば10MPaである。この場合のマグネシウム粉末冶金材料に対する圧縮率を零とする(例えば後述の図3参照)。
次に、チャンバー内部を減圧し真空に至った時点でも、初期圧力は維持され、圧縮率は零のままである(例えば後述の図4参照)。
次に、成形圧力を制御することでマグネシウム粉末冶金材料の圧縮率を段階的に高めながら、両パンチ間にパルス電流を通電することで黒鉛型の内部温度を上げていく。なお、パルス通電の印加条件は、昇温速度等の設定条件によって適宜決められることが望ましい。
また、このパルス通電加熱方式では、黒鉛型の内部温度の昇温速度が比較的速い。このため、所定温度(例えば室温〜300℃)に達するまでの時間(焼結開始から、例えば1分以内)内に、圧縮率が所定値となるように、成形圧力(例えば初期圧力)を設定することが望ましい。この過程での圧縮率の所定値は、図1に示すように、例えば0〜30%の範囲内で適宜決められるが、これに限定されるものではない。この過程は、後述の脱ガス過程S31に対応している。
次に、所定温度(例えば300〜500℃)に達するまでの時間(焼結開始から、例えば1〜6分の範囲)内に、圧縮率が所定値となるように、成形圧力(例えば初期圧力)を設定することが望ましい。この過程での圧縮率の所定値は、図1に示すように、例えば30〜40%の範囲内で適宜決められるが、これに限定されるものではない。この過程は、後述の酸化皮膜破壊過程S32および液相生成過程S33に対応している。
次に、所定温度(例えば500〜550℃)に達するまでの時間(焼結開始から、例えば6〜7分の範囲)内に、圧縮率が所定値となるように、成形圧力を制御することが望ましい。この過程での成形圧力は、例えば初期圧力の10MPaから50MPaへと切り替えるなどによって制御される。この過程での圧縮率の所定値は、図1に示すように、例えば40〜45%の範囲内で適宜決められるが、これに限定されるものではない。この過程は、後述の組織緻密化過程S34に対応している。
このような焼結工程S3には、上述したように、脱ガス過程S31と、酸化皮膜破壊過程S32と、液相生成過程S33と、組織緻密化過程S34がある。
ここで、焼結工程S3における各過程におけるマグネシウム粉末冶金材料中の組織の状態変化について詳述する。
脱ガス過程S31では、図2(a)に示すように、例えばパルス通電加熱等による局部加熱や放電現象等によって、マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末表面に形成された酸化皮膜上に吸着した水分、酸素(O)または水素(H)等の物質がガス化して当該表面やマグネシウム粉末同士間の隙間等から遊離し、マグネシウム粉末冶金材料の外部へ排出されることで、除去される(後述の図4参照)。これにより、マグネシウム粉末表面の酸化皮膜を露出するので、後述の酸化皮膜破壊過程S32における酸化皮膜の破壊を効率的に行なうことができる。なお、除去されたガスは、減圧手段によって焼結装置の外部に排出される。
次に、酸化皮膜破壊過程S32では、図2(b)に示すように、例えばパルス通電加熱等による局部加熱や放電現象等によって、マグネシウム粉末の降伏強さの温度依存性を利用してマグネシウム粉末粒子の変形が促進され、変形収縮が生じる。また、圧縮によって、マグネシウム粉末粒子同士の接触機会が増大して、マグネシウム粉末表面に形成された酸化皮膜(MgO)が少なくとも部分的に破壊される。これにより、マグネシウム粉末表面が露出するので、後述の液相生成過程S33で生成される添加元素の液相および組織緻密化過程S34までに生成される共晶融液のみの液相がそれぞれ単独の状態で、あるいは、混在する状態で、マグネシウム粉末表面に濡れ広がった際に、その液相を、マグネシウム粉末表面と直接的に接触させることができる。
また、液相生成過程S33では、同じく図2(b)に示すように、例えばパルス通電加熱等による局部加熱や放電現象等によって、マグネシウム粉末冶金材料中の添加元素の融点を超えると、当該添加元素が液相化し、この液相がマグネシウム粉末表面に濡れ広がり、例えば界面エネルギーの低下や毛管現象によって、マグネシウム粉末同士間の隙間に侵入する。
つまり、上記の酸化皮膜破壊過程S32では、マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末表面の酸化皮膜(MgO)が破壊され、また、液相生成過程S33では、添加元素の融点以上の焼結温度で、添加元素の液相が生成され、その液相がマグネシウム粉末表面に濡れ広がり、マグネシウム粉末粒子間の隙間に侵入している。
次に、組織緻密化過程S34では、図2(c)に示すように、マグネシウム粉末同士間の距離を縮めてマグネシウム粉末同士の接触面積を増加させ、粉末同士間の結合力を強化し、マグネシウム粉末冶金材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化させる。
なお、黒鉛型の内部温度がマグネシウムと添加元素との共晶温度に達している場合には、マグネシウムと添加元素の共晶融液が生成され、その共晶融液のみの液相あるいはこの液相と上記添加元素の液相が混在する液相も、上記添加元素の液相と同様に、マグネシウム粉末表面に濡れ広がり、マグネシウム粉末粒子間の隙間に侵入する。
例えば、添加元素がスズである場合、マグネシウムの融点(650℃)よりも低いMg−Sn共晶温度(561℃)で、Mg−Sn共晶融液が生成され、後述の冷却工程S4で凝固点に達したときに、MgSnが晶出される。
焼結工程S3において、組織緻密化過程S34までに、黒鉛型の内部温度が共晶温度に達していないときは、マグネシウム粉末粒子間の隙間に上記添加元素の液相のみが侵入し、共晶温度に達したときは、共晶融液のみの液相、あるいは、上記添加元素の液相と共晶融液が混在する液相が当該隙間に侵入することになる。
次に、冷却工程S4を行う。この冷却工程S4は、上述の焼結工程S3の組織緻密化過程S34における圧縮率(焼結時の最終圧縮率)を維持したまま、焼結を停止し、黒鉛型の内部温度が室温に達するまで放冷することによって、黒鉛型内のマグネシウム粉末冶金焼結体を冷却する工程である。
また、上述の組織緻密化過程S34までに、マグネシウム粉末粒子間に介在することになる液相は、この冷却工程S4で冷却されて固相化した際に、マグネシウム粉末同士を強固に結合する結合剤として機能する。
次に、取り出し工程S5を行う。この取り出し工程S5は、上述した冷却工程S4の後に、焼結装置チャンバー内から黒鉛型を取り出し、さらに黒鉛型内からマグネシウム粉末冶金焼結体を抜き出す工程である。この抜き出されたマグネシウム粉末冶金焼結体は、マグネシウム粉末粒子間に、少なくとも、液相を固相化した添加元素および共晶融液から晶出したマグネシウムと添加元素との共晶のいずれかが介在してなるものである。もちろん、マグネシウム粉末冶金焼結体は、マグネシウム間に介在させたマグネシウムと添加元素との共晶融液のみの液相を固相化して製造されてもよく、この場合の添加元素は、Alが一例として挙げられる。
ここで、マグネシウムと添加元素との共晶としては、例えば、Mg−Sn、Mg−Zn、Mg−Al、Sn−Al、Mg−Sn−Alの共晶を挙げることができるが、これに限定されるものではない。例えば、Mg−Bi、Mg−Sbの共晶なども挙げることができる。
なお、実施の形態1では、圧縮率を段階的に高くする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、その段数は任意であり、また、圧縮率を連続的に高くするように、成形圧力を制御してもよい。
また、焼結工程S3における焼結方法としてパルス通電加熱による焼結方式を用いて説明したが、これは単に例示であって、水分、酸素または水素等をガス化してマグネシウム粉末同士間の隙間等から遊離できるのであれば、電気炉などの加熱装置など、他の周知の焼結方法を用いてもよい。さらに、成形型として黒鉛型を用いて説明したが、これは単に例示であって、他の周知の材質からなる成形型を用いてもよい。これらの点については、後述の実施の形態2においても同様である。
以上のように、実施の形態1によれば、焼結工程S3においてマグネシウム粉末冶金材料を、その圧縮率を段階的に高めながら、例えば添加元素の融点以上で、マグネシウムの融点未満の範囲の温度で焼結して上記液相(添加元素の液相、マグネシウムと添加元素との共晶融液のみの液相、あるいは、これらの混在する液相の少なくともいずれかの液相)をマグネシウム粉末粒子間に侵入させ、この状態で圧縮率をさらに上げることによって、マグネシウム粉末同士間の距離を縮めてマグネシウム粉末同士の接触面積を増加させ、次いで、冷却工程S4での冷却によって、上記液相を固相化し、これを結合剤として、マグネシウム粉末同士間の結合力を強化し、マグネシウム粉末冶金材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化したマグネシウム粉末冶金焼結体を得ることができる。
実施の形態1で得られたマグネシウム粉末冶金焼結体は、マグネシウム粉末粒子間に、少なくとも、当該添加元素および当該マグネシウムと当該添加元素との共晶のいずれかが介在してなるものであるので、当該添加元素や共晶を結合剤として機能させて、マグネシウム粉末同士間の結合力を強化し、マグネシウム粉末冶金材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化したものであるから、高強度・高延性等に優れた成形品とすることができる。
実施の形態1に用いられたマグネシウム粉末冶金材料は、粉末状のマグネシウムと、このマグネシウムとの共晶反応が可能である添加元素の粉末、または、マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末、もしくはこれら2つの条件を兼ね備えた添加元素の粉末を混合させてなるものであるので、この実施の形態1によるマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法に直接使用することで、マグネシウム粉末同士間の結合力を強化し、マグネシウム粉末冶金材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化した上述のマグネシウム粉末冶金焼結体を得ることができる。
また、実施の形態1によれば、マグネシウムとの共晶反応が可能である添加元素の粉末、または、マグネシウムの融点よりも低い融点を示す添加元素の粉末、もしくはこれら2つの条件を兼ね備えた添加元素のみを、その融点で液相化し、その液相をマグネシウム粉末粒子間の隙間に介在させ、これを固相化して結合剤として機能させるようにしたので、従来の鋳造法等によるマグネシウム合金の焼結温度よりも格段に低い温度(低温)での焼結が可能であり、また、その焼結温度が低温ゆえに、焼結時間やその後の冷却時間を短縮できるので、高速での焼結も可能である。
また、上記添加元素の液相の他にも、マグネシウムと添加元素との共晶反応における共晶温度で生成される共晶融液のみの液相あるいはこの液相と上記添加元素の液相とが混在する液相を固相化し、これを上述の結合剤として機能させ、低温且つ高速での焼結に利用することができる。例えば、Mg−Sn−Zn共晶温度(340℃)は、上述したMg−Sn共晶温度(561℃)よりも格段に低いため、より低温での焼結が可能であり、また、その焼結温度が低温ゆえに、焼結時間やその後の冷却時間を短縮できるので、高速での焼結も可能である。
さらに、例えば、上記添加元素をスズおよびアルミニウムとした場合におけるMg−Sn−Al共晶温度は428℃であり、上記Mg−Sn共晶温度(561℃)よりも格段に低いため、より低温での焼結が可能であり、また、その焼結温度が低温ゆえに、焼結時間やその後の冷却時間を短縮できるので、高速での焼結も可能である。
さらに、例えば、上記添加元素をビスマス又はアンチモンとした場合には、熱的安定性及び熱に対する耐性が上がる。
実験例1.
焼結工程における初期圧力の大きさと、マグネシウム粉末冶金材料の圧縮率の制御可能性との関係を調べる実験を行った。図3は、初期圧力を10MPaとした場合(実施例1、スズ添加率:1体積%)における黒鉛型の内部温度の上昇に伴って行う圧縮率の変化を、初期圧力から50MPaとした場合(比較例1、スズ添加率:1体積%)と比較して示すグラフである。
まず、図1に示した実施の形態1の各工程に従って、Mg−Sn系マグネシウム粉末冶金材料からマグネシウム粉末冶金焼結体を得た(実施例1)。但し、黒鉛型の内部温度の範囲は、図3に示す範囲とした。
具体的には、純Mg粉末(粒度:100メッシュ以下)と純Sn粉末(粒度:350メッシュ以下)を準備し、99体積%の純Mg粉末に対して純Sn粉末を1体積%添加し、乳鉢混合してマグネシウム粉末冶金材料を調製した(混合工程S1)。次に、この粉末冶金材料を上述した黒鉛型内に充填し(粉末充填工程S2)、図3の実施例1と同様に、両パンチ間の距離を縮めて粉末冶金材料を加圧し、その初期圧力を10MPaとし、その粉末冶金材料の圧縮率を高めながら、その粉末冶金材料を両パンチ間にパルス電流を印加して焼結を行った(焼結工程S3)。この焼結では、圧縮率が40%に達するまでは、初期圧力を維持し、圧縮率が40%に達した時点で、成形圧力を50MPaに切り替えた。焼結後の冷却工程S4を経て、黒鉛型内からMg−Sn系マグネシウム粉末冶金焼結体を抜き出した。
次に、初期圧力から50MPaとする以外は、上記実施例1と同様にしてMg−Sn系マグネシウム粉末冶金焼結体を得た(比較例1)。
図3から明らかなように、比較例1では、黒鉛型の内部温度が焼結開始時の室温(300K、26.85℃)で圧縮率が30%を超え、350K(76.85℃)を超えた段階で圧縮率が40%を超え、400K(126.85℃)を超えた段階で圧縮率が45%を超え、500K(226.85℃)〜900K(626.85℃)で圧縮率の上昇が止まっていることが分かる。つまり、初期圧力から大きくした比較例1では、黒鉛型の内部温度がまだ低温であるにもかかわらず、その大きな初期圧力によって、圧縮率が瞬時に上昇してしまうため、圧縮率の制御が実質的に行われていないことが確認できた。
一方、実施例1では、黒鉛型の内部温度が室温(300K、26.85℃)から800K(626.85℃)まで上昇する間、初期圧力の10MPaを保持しているため、マグネシウム粉末冶金材料の圧縮率が40%に達するまで、一定の割合で高くなるように制御でき、その後において、成形圧力を50MPaとすることで圧縮率が40%以上となるように制御できることが分かる。
つまり、初期圧力を小さくした実施例1では、比較例1とは異なり、黒鉛型の内部温度の上昇に伴って圧縮率が高くなるように制御できることが確認できた。
実験例2.
次に、上記実験例1の結果を受けて、初期圧力を10MPaとして、圧縮率を制御した場合(実施例1、スズ添加率:1体積%)と、初期圧力から50MPaとし、圧縮率の制御が実質的に行われていない場合(比較例1、スズ添加率:1体積%)について、焼結装置チャンバー内の圧力変化の違いを比較することで、圧縮率制御の有為性を評価する実験を行った。図4は、実施例1における圧縮率と焼結装置チャンバー内の圧力変化との関係を比較例1と比較して示すグラフである。
図4から明らかなように、実施例1では、圧縮率が30%まで高まる間、その圧縮率の上昇に対応するように、焼結装置チャンバー内の圧力も上昇し、圧縮率が30%を超えた付近で、その圧力がピーク(16MPa)となっていることが分かる。この焼結装置チャンバー内の圧力上昇(つまり、真空度の悪化)は、圧縮率を0%から30%まで高めた際に生じる図1の脱ガス過程S31において、放出されたガスによるものであると理解することができる。
一方、比較例1では、圧縮率が30%まで、焼結装置チャンバー内の圧力がほとんど変化せず、真空度が保たれているが、圧縮率が30%を超えた付近から、その圧力が上昇に転じて真空度が悪化し始め、圧縮率が50%に達したときに、その圧力がピーク(5MPa)となっていることが分かる。この比較例1における脱ガス過程は、実施例1とは異なり、焼結工程において、圧縮率が30%を超えた付近から始まり、また、実施例1より低いピークを示すことから、マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末表面に吸着した水分等の物質を十分にガス化できず、除去されなかった水分等の物質がマグネシウム粉末表面に吸着した状態で残留しているものと理解される。
つまり、両者間の焼結装置チャンバー内の圧力変化の違いは、顕著であり、その違いが生じる要因は、初期圧力の差による圧縮率制御の有無にあると考えられ、圧縮率制御の有為性を確認できた。
実験例3.
実験例1で得られたMg−Sn系マグネシウム粉末冶金焼結体(実施例1、スズ添加率:1体積%、Mg−4.1Sn)と、従来のMg−Al−Zn系マグネシウム合金鋳造材(比較例2:AZ91、鋳放し)について、抗折力を比較することによって、両者の焼結性を評価する実験を行った。
すなわち、実施例1および比較例2を加工して作製した試験片について、万能試験機(AG−10TD,株式会社島津製作所)を用いて抗折試験を行った。
試験片寸法は10×35×6mmとし、支点間距離は30mmとした。クロスヘッド速度は1mm/分とし、試験片が破壊されるまで試験を行った。
抗折力の結果を図5に示す。図5は、実施例1の抗折力を比較例2と比較して示すグラフである。
図5から明らかなように、比較例2の抗折力は約250MPaであったのに対し、実施例1の抗折力は約330MPaに達したことから、実施例1は、比較例2と比べて約1.3倍以上の抗折力を示し、焼結性に優れていることを確認できた。
実験例4.
上記実験例3で抗折力が約330MPaを示すことを確認した実施例1の試験片の破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察し、その観察像から画像処理をしてマグネシウム粉末同士の結合面積率を求めたところ、約60%であり、強度増加への寄与率が約70%を超えることを示すことを確認できた。なお、結合面積率は、試験片の任意の3箇所の視野における面積率の平均として求めた。
実験例5.
上記実施例1(スズ添加率:1体積%)のほか、スズ添加率以外は、実施例1と同様に作製した実施例2(スズ添加率:0.1体積%)および実施例3(スズ添加率:0.2体積%)についての抗折力の比強度を、従来のマグネシウム合金鋳造材(比較例2:AZ91、鋳放し)およびマグネシウム合金圧延材(比較例3:LZ91)と比較した。その結果を図6に示す。
なお、図6において「得られた強度」として示された「●」は、実施例1〜3の比強度の結果である。また、「予測強度」として示された4つの「○」は、実施例1〜3の比強度がスズ添加率の増加に伴って上昇している結果から推定される予測値である。この場合において、比強度は、「○」に沿う破線で示すように、スズ添加率が約2.5体積%でピークとなり、それ以降、徐々に減少していくものと予測される。
図6から明らかなように、比較例2および比較例3の比強度が0.15および約0.16であるのに対し、実施例1の比強度は、約0.19であるから、比較例2および比較例3よりも約19%〜27%増という優れた結果を得たことになり、軽量であるにもかかわらず、高い強度等の特性を示すことが分かる。
また、実施例2および実施例3の比強度は、約0.14および約0.15であり、比較例2とほぼ同程度であった。この結果を吟味すると、比較例2が「鋳放し」であり、一定の成形品を得るために、後加工や強加工を施す必要がある点と、実施例2および実施例3が低温および高速での焼結によって作製した成形加工品であり、後加工や強加工を必要としない点、さらには、実施例2および実施例3が比較例2のAZ91よりもマグネシウム含有量が高く、そのマグネシウムの本来的な特性(例えば、軽量性等)を活かせる点などから、実施例2および実施例3は、比較例2よりも産業上の利用可能性に優れた高いマグネシウム粉末冶金焼結体であると評価できる。
実験例6.
上記実施例1(スズ添加率:1体積%)において添加物とその添加量を変えた以外は、実施例1と同様に作製した試料について、抗折力の比強度(比抗折力)と曲げ歪を、従来のマグネシウム合金鋳造材(比較例2:AZ91、鋳放し)、マグネシウム合金圧延材(比較例3:LZ91)及び純マグネシウム(比較例4:Mg as−cast)と比較した。添加物はビスマス(Bi)又はアンチモン(Sb)であり、それぞれに対して添加量を1体積%と2体積%とした計4種類の試料である。その結果を、添加物をアルミニウム(添加率は0.65体積%と1体積%)、亜鉛(添加率は0.12体積%と2体積%)及びスズ(添加率は1体積%)とした場合も合わせて、図7に示す。ここで、曲げ歪とは曲げ破壊の指標で、万能試験機(AG−10TD,株式会社島津製作所)を用いて測定した。試験片寸法は上述の抗折力の測定に合わせて10×35×6mmとし、支点間距離は30mmとした。クロスヘッド速度は1mm/分とし、試験片が破壊されるまで試験を行った。
直方体の曲げ歪BS(Bending Strain)は%で表示して、

BS=(6tδ/L)×100

で求められる。ここで、tは試料の厚み、Lは支点間距離、そしてδは変位である。
曲げ歪は値が大きいほど曲げに対する破壊耐性が高くて好ましい。また、比抗折力も値が大きいほど破壊耐性が高くて好ましいため、図7のグラフでは右上にあるほど破壊耐性上好ましいことを表す。
図7から理解されるように、上記元素を添加して実施例1と同様の製法で作成した試料はいずれも純マグネシウム(比較例4)よりも比抗折力が高く、破壊に強い。純マグネシウムの比抗折力は0.087MPa・kg―1・mであるが、ビスマス1体積%、ビスマス2体積%、アンチモン1体積%、そしてアンチモン2体積%を添加物として加えて実施例1の方法で作成した試料の比抗折力はそれぞれ0.146、0.132、0.141、0.145MPa・kg―1・mであり、いずれも純マグネシウムの1.5倍以上となった。これらの値は、比較例2の鋳放しであるAZ91の比抗折力0.146MPa・kg―1・mと同程度である。
曲げ歪に関しては、本実施の方法によって添加物を添加して作成した試料は、1体積%のアルミニウムを添加した試料を除いてどの試料も比較例2のAZ91の曲げ歪2.70%を超えた良好なものであった。ちなみに、ビスマス1体積%、ビスマス2体積%、アンチモン1体積%、そしてアンチモン2体積%を添加物として加えて実施例1の方法で作成した試料の曲げ歪はそれぞれ3.72、3.16、3.71、そして4.05%であり、1体積%のアルミニウムを添加した試料の曲げ歪は2.03%であった。
特に、スズを1体積%添加して作成した試料は、比抗折力が0.187MPa・kg―1・mであり、この値は比較例3のマグネシウム合金圧延材であるLZ91の0.163MPa・kg―1・mよりも高く、また、曲げ歪も5.90%であり、比較例2のAZ91の曲げ歪の2倍以上という非常に高いものであった。
本実施例の方法による成形加工品では、後加工や強加工を必要とせず、マグネシウムの本来的な特性(例えば、軽量性等)を活かしながら、比抗折力と曲げ歪において高い破壊耐性を有するという特長を持つ。
また、添加元素としてビスマスやアンチモンを用いた場合には、熱的安定性や熱耐性が上がるという特長を合わせ持つ。純マグネシウムの融点は650℃であるが、例えば、MgBiの場合には融点が821℃、MgSbの場合には融点が1245℃となるように、ビスマスやアンチモンの添加により熱による状態変化が起きにくくなる。
本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法の実施態様は、以下のとおりである。
(1)粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムとの共晶反応が可能である添加元素の粉末、または、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末、もしくはこれらの2つの条件を兼ね備えた添加元素の粉末を混合させてなるマグネシウム粉末冶金材料を圧縮しながら、前記マグネシウムの融点未満の範囲の温度で焼結して、前記マグネシウム間に、前記添加元素の液相、または該液相および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液が混在する液相、もしくは前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液のみの液相のいずれかを介在させた後、冷却して、前記液相を固相化することを特徴とするマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
(2)前記圧縮は、マグネシウム粉末冶金材料の圧縮率を高めながら、行うことを特徴とする実施態様項(1)に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
(3)前記冷却は、焼結時の最終圧縮率を維持しながら、行うことを特徴とする実施態様項(2)に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
(4)前記圧縮率は、0%〜45%の範囲で決められることを特徴とする実施態様項(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
(5)前記焼結は、圧縮率を0%から30%まで高めながら、前記マグネシウム粉末冶金材料中の粉末表面に吸着した物質に由来するガスを除去する脱ガス過程を含むことを特徴とする実施態様項(2)乃至(4)のいずれか1項に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
(6)前記焼結は、圧縮率を30%から40%まで高めながら、前記マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末表面に形成された酸化皮膜を破壊する酸化皮膜破壊過程を含むことを特徴とする実施態様項(5)に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
(7)前記焼結は、圧縮率を30%から40%まで高めながら、前記液相または該液相および前記共晶融液をマグネシウム粉末表面に濡れ拡がらせる液相生成過程を含むことを特徴とする実施態様項(5)または(6)に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
(8)前記焼結は、圧縮率を30%から40%まで高めながら、前記マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末粒子間に前記添加元素の液相、または該液相および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液が混在する液相、もしくは前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液のみの液相の少なくともいずれかを介在させた状態で、前記マグネシウム粉末粒子間の距離を縮める組織緻密化過程を含むことを特徴とする実施態様項(7)に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
(9)前記焼結は、前記マグネシウムと前記添加元素との共晶温度で行うことを特徴とする実施態様項(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
本発明に係るマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法は、マグネシウムの特性に由来する高強度、高延性、軽量性、高制振性および高放熱性等の特性を活かした技術分野、例えば、振動吸収材の軽量化や輸送機器関連の複雑形状の機械部品等の成形体の製造に適している。
本発明の適用可能な分野としては、例えば、振動吸収能の向上により、電子装置内のハードディスク(HDD)のドライブピック等への利用、精密成形性により高精度部品であるギア等の駆動系部品等への採用、高比強度を活かしてたとえば自動車等の輸送機器のボディや各種部品への採用、高放熱性を活かして例えばLEDランプ等のボディ部品等への利用などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
S1 混合工程
S2 粉末充填工程
S3 焼結工程
S31 脱ガス過程
S32 酸化皮膜破壊過程
S33 液相生成過程
S34 組織緻密化過程
S4 冷却工程
S5 取り出し工程

Claims (5)

  1. 粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムの融点未満の範囲の温度で前記マグネシウムとの共晶反応が可能である、または、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末を混合させてなるマグネシウム粉末冶金材料を、初期圧力で圧縮しながら、減圧下において加熱する工程と、前記初期圧力より高い成形圧力で圧縮しながら、前記マグネシウムの融点未満の範囲の温度で焼結する工程と、を有し、前記マグネシウム間に、前記添加元素の液相、または該液相および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液が混在する液相、もしくは前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液のみの液相のいずれかを介在させた後、冷却して、前記液相を固相化することを特徴とするマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
  2. 前記添加元素として、スズ、鉛、タリウム、ビスマスのいずれかが使用されることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
  3. 前記添加元素として、アンチモンが使用されることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。
  4. 粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムとの共晶反応が可能であ、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素のみを含み、当該添加元素が、スズ、鉛、タリウム、ビスマスのいずれかの単体あるいは組み合わせであって、
    前記マグネシウム間に、少なくとも、前記添加元素および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶のいずれかが介在してなることを特徴とするマグネシウム粉末冶金焼結体。
  5. 粉末状のマグネシウムと、
    該マグネシウムとの共晶反応が可能であ、前記マグネシウムよりも低い融点を示すスズ、鉛、タリウム、ビスマスのいずれかの単体あるいは組み合わせの粉末のみと、
    を混合させてなることを特徴とするマグネシウム粉末冶金材料。
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