JP2006009088A - 低熱膨脹複合材料の製造方法および板状複合体、電子機器用部品 - Google Patents

低熱膨脹複合材料の製造方法および板状複合体、電子機器用部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 低熱膨張係数を有する複合材料の製造方法及び板状複合体、電子機器用部品を提供する。
【解決手段】 負の熱膨張係数を有し、化学式(A1-ZZ)(W1-XX)28(AはZr又はHf又はそれらの混合物、DはZrO2又はHfO2に固溶し得る元素から選ばれた少なくとも一つの元素、Zは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値(0≦Z≦0.2)、RはWO3に固溶し得る元素から選ばれた少なくとも一つの元素、Xは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値(0≦Z≦0.25)で表される酸化物と金属を含む組成物の製造方法において、前記酸化物粉末中に1種類または2種類以上からなる溶融金属を溶浸するか、あるいは前記酸化物粉末と1種類または2種類以上の金属を混合した溶湯を鋳造してなる低熱膨張複合材料の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、負の熱膨張係数を有する酸化物を含有する組成物を用いて、任意の熱膨張係数を有する熱膨張制御材料を製造する方法及びその板状複合体、並びにこれを用いた電子機器用部品に関する。
従来、負の熱膨張係数を有し、化学式(A1-ZZ)(W1-XX)28(AはZr又はHf又はそれらの混合物、DはZrO2又はHfO2に固溶し得る元素から選ばれた元素、Zは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値、RはWO3に固溶し得る元素から選ばれた元素、Xは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値)で表される酸化物は、1105〜1257℃において安定な物質であり、777℃の非平衡分解温度以下の温度域において等方的に負の熱膨張を示すことが知られている。この酸化物は、他の物質と組み合わせて複合体とすることにより、複合体の熱膨張係数を制御することが可能である。
前記酸化物を含む組成物の複合体を製造する方法として、非特許文献1(Scripta Materialia誌第36巻第9号第1075〜1080ページ)に、この酸化物の一種であるZrW28(以下、タングステン酸ジルコニウムという。)と純銅とを混合し、熱間静水圧プレス(以下、HIPという)によって焼結して複合材料とする方法が提案されている。また、非特許文献2(J.Mater.Res.誌第14巻第3号第780〜789ページ)には、タングステン酸ジルコニウムと純銅とを混合し、ホットプレスにて固化する方法、タングステン酸ジルコニウムと純銅とをメカニカルアロイング法にて結合させホットプレスにて固化する方法、及びタングステン酸ジルコニウムの表面に純銅を鍍金しHIPにより固化する方法が提案されている。
また、非特許文献3(セラミック協会の2000年秋季大会論文集第233頁)に、タングステン酸ジルコニウム粉末とその他の酸化物との混合物について1時間混合を行ったのち混合粉末を成形し、1200℃で2時間焼成して急冷を行う方法、およびCIP成形(100MPa、10分間)後、1200℃で2時間焼成して急冷を行う方法が提案されている。
また、特許文献1(特開2003−129149号公報)には、タングステン酸ジルコニウムと純銅、あるいはアルミニウムを混合し、超硬合金製金型に充填し、真空雰囲気でパルス通電焼結して複合体とする方法が提案されている。
特開2003−129149号公報 Scripta Materialia誌第36巻第9号第1075〜1080ページ J.Mater.Res.誌第14巻第3号第780〜789ページ セラミック協会の2000年秋季大会論文集第233頁
しかしながら、HIPにより固化する方法においては、600℃で103MPaの加圧下で3時間保持する必要があるため、タングステン酸ジルコニウム中の酸素原子と銅原子の相互拡散により銅の酸化物が生成し、タングステン酸ジルコニウムが分解してしまうため、所望の熱膨張係数を有する複合材料を得ることができないという問題があった。
また、タングステン酸ジルコニウムと純銅とを混合してホットプレスにて固化する方法及びタングステン酸ジルコニウムと純銅とをメカニカルアロイング法によって結合させてホットプレスにて固化する方法は、分解を生じることなく高密度な固化体を得ることができるが、保持だけで13時間の時間を費やすため、生産性が低く、かつ、前記メカニカルアロイング法にて結合させた材料は、所望の熱膨張係数を示さないという問題があった。
また、タングステン酸ジルコニウムの表面に純銅を鍍金してHIPにより固化する方法においては、前記HIP法の問題点は解消されているが、所望の熱膨張係数を有するタングステン酸ジルコニウムと銅との複合材料を得るには、表面コーティングの制御が必要であるが、この制御が困難である。また、この方法は工程的にも必ずしも効率的であるとはいえなかった。
また、タングステン酸ジルコニウムと純銅、あるいはアルミニウムを混合し、これを超硬合金製金型に充填し、真空雰囲気でパルス通電焼結して複合材料とする方法は、焼結時間が短く、効率よい製造が可能であるが、作製できる形状、大きさは、焼結に用いる装置の大きさや能力に依存し、結果、大きな形状の複合材料を作製することができなかった。また、上述したHIP、ホットプレスを用いた製造方法についても、例えば500mm角以上の大きな成形体を作製することは困難であるという同様の問題を抱えていた。
一方、液晶ディスプレイ用露光装置等の環境安定性を必要とする電子機器のプレートには、高剛性・低熱膨張材料が必要とされ、従来はAlをマトリックスとしSiCをフィラーとした複合材料が使用されている。しかし、Al、SiCのいずれも正の膨張係数を有しているため6ppm/℃以下の熱膨張係数にすることはできなかった。また、SiCをフィラーとする複合材料は加工性に劣り、たとえ、加工できたとしても加工費用がかさんでしまうという問題を抱えていた。
以上のことより本発明は、上述した化学式(A1-ZZ)(W1-XX)28で表される酸化物を用いて、これに金属を含ませることによって所望の熱膨張係数を有するようにした低熱膨張複合材料を、効率良く容易でかつ大きな形状を作製することを可能にする製造方法と、これによる板状複合体、電子機器用部品を提供することを目的とする。
本発明は、前記酸化物に金属を含ませた組成物の複合体を製造する方法において、基本的な製造方法を溶浸法とし、溶浸時の条件として、酸化物粉体の粒径、溶浸時の溶融金属の温度、溶浸時の圧力を適宜設定することにより前記目的が達成されることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明は、負の熱膨張係数を有し、化学式(A1-ZZ)(W1-XX)28(AはZr又はHf又はそれらの混合物、DはZrO2又はHfO2に固溶し得る元素から選ばれた少なくとも一つの元素、Zは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値(0≦Z≦0.2)、RはWO3に固溶し得る元素から選ばれた少なくとも一つの元素、Xは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値(0≦Z≦0.25)で表される酸化物と金属を含む組成物の製造方法において、前記酸化物粉末中に1種類または2種類以上からなる溶融金属を溶浸してなる低熱膨張複合材料の製造方法である。
また、本発明は、上記した酸化物と金属を含む組成物の製造方法において、前記酸化物粉末と1種類または2種類以上の金属を混合した溶湯を鋳造してなる低熱膨張複合材料の製造方法でもある。
ここで、ZrO2又はHfO2に固溶し得る元素とは、Ca等のアルカリ土類金属、Y等の希土類金属等の元素が挙げられるが、これらはできるだけ固溶していない方が好ましい。そこでZの値は具体的には0.2以下であり、好ましくは0〜0.1である。また、WO3に固溶し得る元素とは、IIIA族又はVA族又はVIA族等の元素が挙げられるが、これらはできるだけ固溶していない方が好ましい。そこでXの値は、具体的には0.25以下であり、より好ましくは0〜0.2である。Zが0.2より大きく、または、Xが0.25より大きいと、負の熱膨張特性が顕著でなくなることがあるため好ましくない。特にZ=0かつX=0である場合には、顕著な負の熱膨張特性を有する。従って、ZrW28の酸化物粉末を用いることが好ましいが、他に挙げられる望ましい酸化物としては、β−ユークリプト固溶体、β−ユークリプト、β−石英固溶体、β−石英などがある。
本発明の低熱膨張複合材料の製造方法において、上記で表される酸化物からなる粉末の粒径を0.01〜2.0mmとするのが良い。より好ましくは0.1〜1.0mmとする。粉体の粒径が0.01mm未満では溶浸が困難になり、2.0mmを超えると、複合化後、粉体がマトリックスから脱落しやすくなるためである。低加圧溶浸を容易にするためには、できるだけ粒径が粗い方が良く、かと言って細かい方を削除すると粉体の使用可能歩留まりが低下しコスト高になり好ましくない。以上のことからも0.1〜1.0mmの範囲が好ましい。
また、本発明の低熱膨張複合材料の製造方法において、複合体を構成する金属は、Al、Al合金、銅、銅合金、Mg、Mg合金、Zn、Zn合金からなることが好ましい。Al、Al合金、銅、銅合金、Mg、Mg合金、Zn、Zn合金は、他の金属と比較して融点が低いため溶浸しやすい。その中でも、Al、Al合金が融点が低く、大気中でも安定で溶浸しやすい点で好ましい。
本発明の低熱膨張複合材料の製造方法において、溶浸時の溶融金属の温度を金属の融点より10℃以上高くすることが好ましい。10℃以下では、溶融金属の粘度が高いので溶浸し難く未溶浸部分が形成しやすい。
本発明の低熱膨張複合材料の製造方法において、溶浸時の圧力は10MPa〜1×10Paが好ましい。1×10Pa未満では、未溶浸部分が形成し易く、10MPaを超えては設備の面で好ましくない。
本発明の低熱膨張複合材料の製造方法において、溶浸後、複合体を構成する金属の融点より10℃以上低い温度で、保持時間1分以上で、冷却速度60℃/min以下で熱処理を行うことが好ましい。より好ましくは、保持時間60分以上で、冷却速度10℃/min以下が良い。冷却速度60℃/min以上では、複合体に歪が残る。
また、本発明の低熱膨張複合材料の製造方法において、前記酸化物粉末と1種類または2種類以上の金属を混合した溶湯を鋳造手段により実施する場合には、前記複合酸化物の体積分率が45体積%以下の複合体を作製することが好ましい。45体積%以下の複合体作製に溶浸法を採用すると、複合体中の前記酸化物の存在状態が不均質になり好ましくない。また、45体積%以上より多く前記酸化物粉末を含むと、酸化物粉末の混合が困難になり、混合できたとしても溶湯は、湯流れが悪く、良好な鋳造品を得ることができない。以上より、負の熱膨張係数を有する酸化物からなる粉末と金属の複合体に占める酸化物粉末の体積分率が45体積(vol)%以下の場合は、溶融金属中に前記、負の酸化物粉末を混合した後、鋳造手段を用いることが好ましい。
本発明により、負の熱膨張係数を有する酸化物と金属材料との複合化により、所望の熱膨張係数を有する500mm角、厚さ100mm以上、特に1000mm角以上の大型の材料を、効率良く容易に製造することが可能になった。また、6ppm/℃以下の熱膨張係数を持った低熱膨張複合材料も得られるので、この板状成形体を液晶ディスプレイ用露光装置等の大型プレートに用いることが可能となり、広い露光範囲を維持しつつ、3μm以下の高解像度を得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
前記酸化物として、タングステン酸ジルコニウム粉体(平均粒径範囲0.1〜2.0mm)を、複合後の酸化物粉末の体積分率が金属の体積分率との比で50体積(vol)%及び70体積(vol)%となるように金型に充填した。その後、溶湯温度700℃のAl合金(Al-12wt%Si)を、タングステン酸ジルコニウムが充填してある金型内へ溶浸圧力10MPaにて投入した。尚、タングステン酸ジルコニウムが充填されている金型は溶湯投入前に0.5Pa以下に減圧しておいた。Al合金が固化し、冷却した後に凝固した塊を金型から取り出し、ZrW−Al合金複合材料を得た。その後、前記複合材料を昇降温速度5℃/min、熱処理温度500℃、保持時間3hrにて熱処理をおこなった。
得られた成形体について、アルキメデス法による密度測定を実施した結果、相対密度の95%以上であり、良好な複合化状態であった。次に、X線回折(XRD)による構成相および反応物の同定を実施した結果、タングステン酸ジルコニウムのα相及びアルミニウムのピークが観察され、分解生成物及び反応物のピークは認められなかった。また、光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(SEM)による組織の観察結果より、タングステン酸ジルコニウムとアルミニウムの接合界面にはボイドおよび反応層は観察されず、良好な複合状態であった。
(実施例2)
実施例1と同様に、タングステン酸ジルコニウム粉体(平均粒径範囲0.2〜1.0mm)を、複合後(複合体)の酸化物粉末の体積分率が30体積(vol)%となるようにAl合金(Al-12wt%Si)溶湯中へ投入後混合した後、当該タングステン酸ジルコニウム粉末混合Al合金溶湯を金型へ投入し鋳造を行った。冷却した後に凝固した塊を金型から取り出し、ZrW−Al合金複合材料を得た。その後、前記複合材料を昇降温速度5℃/min、熱処理温度500℃、保持時間3hrにて熱処理をおこなった。
得られた成形体について、アルキメデス法による密度測定を実施した結果、相対密度の97%以上であり、良好な複合状態であった。その後、X線回折(XRD)による構成相および反応物の同定を実施した結果、全ての複合体において、タングステン酸ジルコニウムのα相及びアルミニウムのピークが観察され、分解生成物及び反応物のピークは認められなかった。
次に、実施例1及び2で得られた各複合体を3×3×6mmの寸法に加工し、熱機械分析装置にて熱膨張曲線を評価した。測定結果を図1に示す。前記酸化物とアルミニウムの混合比率により所望の熱膨張係数が得られ、前記酸化物の増加に伴い、熱膨張量の減少が認められた。また、図2に50体積(vol)%ZrW−Al合金複合体のSEM像を示す。図中、白い部分がタングステン酸ジルコニウムで、黒い部分がアルミニウムである。全体に渡りボイドや反応層のない緻密な複合体が得られているのが分かる。
(実施例3)
前記酸化物として、タングステン酸ジルコニウム粉体(粉体粒径0.2〜1.0mm)を、複合後の体積分率が70体積(vol)%となるように金型に充填した。その後、溶湯温度1300℃の無酸素銅を、タングステン酸ジルコニウムが充填してある金型内へ溶浸圧力10MPaにて投入した。その際タングステン酸ジルコニウムが充填されている金型は溶湯投入前に0.5Pa以下に減圧しておいた。無酸素銅が固化し、冷却した後に凝固した塊を金型から取り出し、ZrW−Cu複合体を得た。その後、前記複合材料を昇降温速度5℃/min、熱処理温度900℃、保持時間3hrにて熱処理をおこなった。
得られた複合体について、アルキメデス法による密度測定を実施した結果、相対密度の95%以上であり、良好な複合状態であった。次に、X線回折(XRD)による構成相および反応物の同定を実施した結果、タングステン酸ジルコニウムのα相とアルミニウムのピークが観察され、分解生成物及び反応物のピークは認められなかった。また、光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(SEM)による組織の観察結果より、タングステン酸ジルコニウムとアルミニウムの接合界面にはボイドおよび反応層は観察されず、良好な複合状態であった。
(実施例4)
前記酸化物として、タングステン酸ジルコニウム粉体(粉体粒径0.1〜2.0mm)を、複合後の体積分率が75体積(vol)%となるように金型に充填した。その後、溶湯温度700℃のAl合金(Al-12wt%Si)を、タングステン酸ジルコニウムが充填してある1600×2000×120mmの金型内へ溶浸圧力10MPaにて投入した。その際タングステン酸ジルコニウムが充填されている金型は溶湯投入前に1Pa以下に減圧しておいた。Al合金が固化し、冷却した後に凝固した塊を金型から取り出し、75体積(vol)%ZrW−Al合金大型複合体を得た。その後、前記複合材料を昇降温速度2℃/min、熱処理温度500℃、保持時間3hにて熱処理をおこなった。
得られた複合体について、アルキメデス法による密度測定を実施した結果、相対密度の95%以上であり、良好な複合状態であった。次に、X線回折(XRD)による構成相および反応物の同定を実施した結果、タングステン酸ジルコニウムのα相とアルミニウムのピークが観察され、分解生成物及び反応物のピークは認められなかった。また、光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(SEM)による組織の観察結果より、タングステン酸ジルコニウムとアルミニウムの接合界面にはボイドおよび反応層は観察されず、良好な複合状態であった。
その後、前記複合体を機械加工により75体積(vol)%ZrW−Al合金複合体からなる1500×1800×100mmのプレートを作製し、液相ディスプレイ用露光装置に搭載した。その結果、プレートの熱膨張係数が−5ppm/K〜5ppm/Kとゼロに近いため、広い露光範囲を確保しながらも、3μm以下の高解像度を得ることができた。
(比較例1)
前記酸化物として、タングステン酸ジルコニウム粉体(平均粒径範囲0.1〜2.0mm)を、複合後の酸化物粉末の体積分率が金属の体積分率との比で70体積(vol)%となるように金型に充填した。その後、溶湯温度700℃のAl合金(Al-12wt%Si)を、タングステン酸ジルコニウムが充填してある金型内へ溶浸圧力10MPaにて投入した。その際タングステン酸ジルコニウムが充填されている金型は溶湯投入前に0.5Pa以下に減圧しておいた。Al合金が固化し、冷却した後に凝固した塊を金型から取り出し、ZrW−Al合金複合材料を得た。
次に、得られた複合体を3×3×6mmの寸法に加工し、熱機械分析装置にて熱膨張曲線を評価した。測定結果を実施例1の結果と比較して図3に示す。熱処理を行わないと材料中の残留応力のために本来の熱膨張係数より大きくなってしまうことがわかる。尚、図3より求められた熱膨張係数は、熱処理前:9.3ppm/K、熱処理後:4.3ppm/Kであった。
(比較例2)
鋳造法により、40体積(vol)%SiC−Al合金複合体からなる1500×1800×100mmのプレートを作製し、液相ディスプレイ用露光装置に搭載した。その結果、プレートの熱膨張係数が13ppm/Kと大きく、解像度10μm以上の低い解像度しか得ることができなかった。
本発明の複合材料による板状複合体は、例えば500mm×500mm×100mm以上の大型で高剛性・低熱膨張機能を必要とする電子機器用部品に適しており、例えば板状液相ディスプレイ用露光装置のプレートに利用できる。
各混合比率における、タングステン酸ジルコニウムとアルミニウムの複合成形体の熱膨張特性を示した図。 50体積(vol)%ZrW−Al合金複合体のSEM写真像を示す。 70体積(vol)%ZrW−Al合金複合体(タングステン酸ジルコニウムとアルミニウムの複合成形体)の熱処理前後の膨張曲線を示す特性線図。

Claims (10)

  1. 負の熱膨張係数を有し、化学式(A1-ZZ)(W1-XX)28(AはZr又はHf又はそれらの混合物、DはZrO2又はHfO2に固溶し得る元素から選ばれた少なくとも一つの元素、Zは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値(0≦Z≦0.2)、RはWO3に固溶し得る元素から選ばれた少なくとも一つの元素、Xは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値(0≦Z≦0.25)で表される酸化物と金属を含む組成物の製造方法において、前記酸化物粉末中に1種類または2種類以上からなる溶融金属を溶浸してなることを特徴とする低熱膨張複合材料の製造方法。
  2. 負の熱膨張係数を有し、化学式(A1-ZZ)(W1-XX)28(AはZr又はHf又はそれらの混合物、DはZrO2又はHfO2に固溶し得る元素から選ばれた少なくとも一つの元素、Zは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値(0≦Z≦0.2)、RはWO3に固溶し得る元素から選ばれた少なくとも一つの元素、Xは各元素で限定される最大固溶原子割合以下の値(0≦Z≦0.25)で表される酸化物と金属を含む組成物の製造方法において、前記酸化物粉末と1種類または2種類以上の金属を混合した溶湯を鋳造してなることを特徴とする低熱膨張複合材料の製造方法。
  3. 前記酸化物粉末と金属とからなる複合体に占める、前記酸化物粉末の体積分率が45体積%以下のとき、鋳造手段を用いることを特徴とする請求項2に記載の低熱膨張複合材料の製造方法。
  4. 前記酸化物からなる粉末の粒径を0.01〜2.0mmとなすこと特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の低熱膨張複合材料の製造方法。
  5. 複合材料を構成する金属が、Al、Al合金、銅、銅合金、Mg、Mg合金、Zn、Zn合金から選ばれてなることを特徴と請求項1〜4の何れかに記載の低熱膨張複合材料の製造方法。
  6. 溶浸時の溶融金属の温度を金属の融点より10℃以上高くすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の低熱膨張複合材料の製造方法。
  7. 溶浸時の圧力は10MPa〜1×10Paであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の低熱膨張複合材料の製造方法。
  8. 溶浸後、前記複合材料を構成する金属の融点より10℃以上低い温度で、保持時間1分以上、冷却速度60℃/min以下で熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の低熱膨張複合材料の製造方法。
  9. 請求項1〜8の何れかの製造方法により得られた500mm×500mm×100mm以上である高剛性・低熱膨張機能を有することを特徴とする板状複合体。
  10. 請求項9記載の板状複合体を、高剛性・低熱膨張機能を必要とする液晶ディスプレイ用露光装置のプレートに用いたことを特徴とする電子機器用部品。
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