JP6370553B2 - 皮膚用洗浄剤組成物 - Google Patents
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項1. (A)脂肪酸石鹸、(B)アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種、並びに(C)コラーゲン、その加水分解物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、皮膚洗浄剤組成物。
項2. 前記(A)成分がカリウム石鹸及び/又はナトリウム石鹸である、項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
項3. 前記(A)成分において、脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸がミリスチン酸及び/又はステアリン酸である、項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
項4. 前記(B)成分が、アロエの葉肉の搾汁及び/又はアロエの葉の抽出物である、項1〜3のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項5. 前記(C)成分が、コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、及びアシル化アテロコラーゲンよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項6. 前記(A)成分が0.1〜99重量%含まれる、項1〜5のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項7. 前記(B)成分として、アロエの葉の搾汁及び/又はアロエの葉肉の搾汁が0.001〜50重量%含まれる、項1〜6のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項8. 前記(B)成分として、アロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物が乾燥固形分の重量換算で0.0001〜1重量%含まれる、項1〜7のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項9. クリーム状である、項1〜8のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項10. 洗顔料である、項1〜9のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(A)成分として脂肪酸石鹸を含有する。本発明において、脂肪酸石鹸は、皮膚の洗浄に使用されている高級脂肪酸の塩を用いることができる。脂肪酸石鹸を構成する高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸等の炭素数12〜22の脂肪酸が挙げられる。これらの高級脂肪酸の中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させるという観点から、好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数12〜18の脂肪酸、より好ましくはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられ、更に好ましくはミリスチン酸、ステアリン酸が挙げられる。また、脂肪酸石鹸を構成する塩の種類としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩、アルギニン塩等の有機塩等が挙げられる。これらの塩の中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させるという観点から、好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはカリウム塩(カリウム石鹸)、ナトリウム塩(ナトリウム石鹸)、特に好ましくはカリウム塩(カリウム石鹸)が挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(B)成分として、アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。(B)成分の原料となるアロエの種類については、ユリ科アロエ属(Liliaceae Aloe)に属する植物であることを限度として特に制限されないが、例えば、アロエベラ(Aloe barbadensis Mill.)、キダチアロエ(Aloe arborescens Mill.)、アロエアンドンゲンシス(Aloe andongensis Mill.)、ソコトラアロエ(Aloeperryi Baker)、ナタールアロエ(Aloe bainesii Th.Dyer)、アロエディコトマ(Aloe dichotohoma L.)、アロエマルロティイ(Aloe marlothii Berger)、アロエルペストリス(Aloe rupestris Baker)、アロエスピノシシマ(Aloe spinosissima Hort.)、アロエプリカティリス(Aloe plicatilis Mill.)、アロエアスペリフォリア(Aloe asperifolia A.Berger)、アロエカピタータキポリニコーラ(Aloe captata Bak.var.cipolinicola H.Perr.)、アロエスプレンデンス(Aloe splendens Lavranos)、アロエフミリス(Aloe humilis Mill.)、アロエミトリファルミス(Aloe mitriformis Mill.)、アロエウェリエガータ(Aloe variegataL.)、ケープアロエ(Aloe ferox Mill.)、アロエアフリカーナ(Aloe africanaMill.)、アロエスピカータ(Aloe spicata Baker)、及びこれらのアロエの変種又は交配種等が挙げられる。これらの中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させるという観点から、好ましくはアロエベラ、キダチアロエ、これらのアロエの変種又は交配種が挙げられ、より好ましくはアロエベラ、キダチアロエが挙げられる。(B)成分の原料として、これらのアロエを1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(C)成分として、コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、コラーゲンの誘導体、及びコラーゲンの加水分解物の誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上記(A)〜(C)成分に加えて、保湿効果の付与、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さの更なる向上、クリーム状にした際の性状安定性の更なる向上、肌への潤いの付与等の目的で、多価アルコール(以下、(D)成分と表記することもある)を含んでいてもよい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物には、前記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、皮膚洗浄剤組成物の形態に応じて、当該技術分野で通常使用される添加成分を含有していてもよい。このような添加成分としては、例えば、美白剤、細胞賦活剤、消炎剤、抗菌剤、保湿剤、清涼化剤、無機粉体、香料、着色剤、消臭剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、基剤、溶剤、酸化防止剤、パール剤、キレート剤等が挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物の形態については特に制限されず、クリーム状、液状、固形状等のいずれであってもよい。本発明の皮膚洗浄剤組成物の形態として、好ましくはクリーム状、液状、更に好ましくはクリーム状が挙げられる。特に、本発明の皮膚洗浄剤組成物がクリーム状である場合には、空気との接触による硬化という、従来のクリーム状の皮膚洗浄剤組成物の欠点が克服できており、優れた性状安定性を備えるという利点が得られ、その有用性が極めて高くなる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物を収容する容器については、特に制限されず、形態や用途等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、チューブ容器、ポンプ容器、袋状容器、フォーマー容器等が挙げられる。特に、本発明の皮膚洗浄剤組成物をクリーム状で提供する場合、収容する容器として、好ましくはチューブ容器が挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、適量の水と混合して泡立てて、身体部位の洗浄に使用される。本発明の皮膚洗浄剤組成物の洗浄対象となる身体部位については、特に制限されず、あらゆる身体部位の洗浄剤として使用できるが、洗顔料、ボディーソープ、ハンドソープ、シャンプー等として好適に使用される。とりわけ、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、伸ばし易さに優れることにより掌などで泡立て易く、泡立ちや泡持ちに優れることにより擦り洗い時の刺激が低減されるため、刺激に対して敏感な顔への使用に適しており、洗顔料として特に好適に使用される。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、前述する(A)〜(C)成分、及び必要に応じて配合される(D)成分、他の成分、薬学的又は香粧学的に許容される基剤等を混合して、所定の形状に調製することによって製造される。本発明の皮膚洗浄剤組成物はクリーム状又は液状として調製する場合であれば、前述する成分以外の残部として水(基剤)を配合すればよい。
表1に示す組成のクリーム状皮膚洗浄剤組成物を調製した。具体的には、先ず、表1中の(I)成分(ミリスチン酸及びステアリン酸)を80℃に加温して混合し、高級脂肪酸溶解液を得た。また、別途、表1中の(II)成分(水酸化カリウム、グリセリン、及び精製水)を80℃に加温して混合し、アルカリ溶液を得た。高級脂肪酸溶解液を80℃に加温しつつ撹拌しながら、アルカリ溶液を添加して均一にすることにより(中和)、カリウム石鹸のベース処方を調製した。このベース処方に、表1中の(III)成分(コラーゲンの加水分解物、サクシニルアテロコラーゲン、水溶性コラーゲン、アロエベラの葉肉の搾汁、キダチアロエの葉の抽出物)を所定量添加し、混合することによって、各クリーム状皮膚洗浄剤組成物を調製した。
表6に示す各皮膚洗浄剤組成物0.1gを測り取り、実験台上に敷いたラップ(旭化成社製、商品名「サランラップ」)の上に面積が1cm2程度となるように置いた。次いで、ラップの上で皮膚洗浄剤組成物を人差し指で伸ばし、皮膚洗浄剤組成物の移動距離を計測した。
100ml容のビーカーに、表7に示す各皮膚洗浄剤組成物が1重量%となるように精製水に添加して希釈液を調製した。次いで、この希釈液5mlを、50ml容のコニカルチューブ(ベクトンディッキンソン社製)に入れて、コニカルチューブから希釈液が漏れないように蓋をして、30cmの高低差が生じるように20回振盪した。振盪終了後、生じた泡の高さを計測した。
100ml容のビーカーに、表8に示す各皮膚洗浄剤組成物が1重量%となるように精製水に添加して希釈液を調製した。次いで、この希釈液5mlを、50ml容のコニカルチューブ(ベクトンディッキンソン社製)に入れて、コニカルチューブから希釈液が漏れないように蓋をして、30cmの高低差が生じるように20回振盪した。振盪終了から1分後と5分後に泡の高さを計測し、下記式に従って泡持ち(%)を評価した。
表9に示す各皮膚洗浄剤組成物0.5gを測り取り、直径2cmの円状となるように実験台上に敷いたラップ(旭化成社製、商品名「サランラップ」)の上に静置して、20℃、相対湿度50%の条件で1時間保存した。その後、各皮膚洗浄剤組成物を手で触れ、その硬さを下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
◎:保存前と硬さが殆ど変っていないか、僅かに硬くなる程度で柔らく、性状に殆ど変化は認められない。
〇:保存前に比べてやや硬くなっており、性状に多少変化を感じるが、全体としては柔らかさを維持している。
△:保存前に比べて硬くなっており、性状に変化が認められる。
×:保存前に比べて明らかに硬くなっており、使用に問題が生じる程度の明らかな性状の変化が認められる。
表10に示す組成のクリーム状の洗顔料を調製した。具体的には、先ず、表10中の(I)に示す各成分を80℃に加温して混合し、高級脂肪酸溶解液を得た。また、別途、表10中の(II)に示す各成分を80℃に加温して混合し、アルカリ溶液を得た。高級脂肪酸溶解液を80℃に加温しつつ撹拌しながら、アルカリ溶液を添加して均一にすることにより(中和)、カリウム石鹸のベース処方を調製した。このベース処方に、表10の(III)に示す各成分を表11に示す所定量添加し、混合することによって、各クリーム状の洗顔料を調製した。得られた洗顔料は、いずれも、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
表12に示す組成のクリーム状の洗顔料を調製した。具体的には、先ず、表12中の(I)に示す各成分を80℃に加温して混合し、高級脂肪酸溶解液を得た。また、別途、表12中の(II)に示す各成分を80℃に加温して混合し、アルカリ溶液を得た。高級脂肪酸溶解液を80℃に加温しつつ撹拌しながら、アルカリ溶液を添加して均一にすることにより(中和)、カリウム石鹸のベース処方を調製した。このベース処方に、表12中の(III)に示す各成分の混合物を添加し、混合することによって、各クリーム状の洗顔料を調製した。得られた洗顔料は、いずれも、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
表13に示す組成のシャンプーを調製した。具体的には、先ず、表13中の(I)に示す各成分を70℃に加温して混合し、溶解液(I)を得た。また、別途、表13中の(II)に示す各成分を70℃に加温して混合し、溶解液(II)を得た。溶解液(I)を70℃に加温しつつ撹拌しながら、溶解液(II)を添加して均一にし、40℃に冷却することにより、脂肪酸石鹸のベース処方を調製した。このベース処方を40℃に保持した状態で表13中の(III)に示す各成分の混合物を添加して混合し、室温まで冷却することにより、シャンプーを調製した。得られたシャンプーは、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
表14に示す組成のボディーソープを調製した。具体的には、先ず、表14中の(I)に示す成分を(II)に示す成分に分散させた。次いで、(III)に示す各成分を添加し、80℃で加熱溶解し、脂肪酸石鹸のベース処方を調製した。このベース処方を80℃に保持した状態で表14中の(IV)に示す成分の混合物を添加して混合し、撹拌しながら40℃に冷却し、更に表14中の(IV)に示す各成分を添加して混合して室温まで冷却することにより、ボディーソープを調製した。得られたボディーソープは、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
表15に示す組成のフォーマータイプの液体洗顔料を調製した。具体的には、先ず、表15中の(I)に示す各成分を60℃で加熱しながら溶解させた。次いで、40℃まで冷却した後に、(II)に示す各成分を添加して溶解させ、室温まで冷却することにより、フォーマータイプの液体洗顔料を調製した。得られた液体洗顔料は、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
表16に示す組成の固形石鹸を調製した。具体的には、先ず、表16中の(I)に示す脂肪酸アルカリ石鹸を調製し、これに(II)に示す成分、及び(III)に示す各成分を添加して混合し、その後固化させることによって固形石鹸を調製した。得られた固形石鹸は、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
Claims (9)
- (A)脂肪酸石鹸、(B)アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種、並びに(C)コラーゲン、その加水分解物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
前記(A)成分において、脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸がミリスチン酸及びステアリン酸を含む(但し、脂肪酸組成がステアリン酸0〜25質量%、又は、ラウリン酸とミリスチン酸の合計量とパルミチン酸とステアリン酸の合計量との配合比(質量比)が(ラウリン酸+ミリスチン酸):(パルミチン酸+ステアリン酸)=3:1〜10:1である場合を除く。)ことを特徴とする、皮膚洗浄剤組成物。 - 前記(A)成分がカリウム石鹸及び/又はナトリウム石鹸である、請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
- 前記(B)成分が、アロエの葉肉の搾汁及び/又はアロエの葉の抽出物である、請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
- 前記(C)成分が、コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、及びアシル化アテロコラーゲンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
- 前記(A)成分が0.1〜99重量%含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
- 前記(B)成分として、アロエの葉の搾汁及び/又はアロエの葉肉の搾汁が0.001〜50重量%含まれる、請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
- 前記(B)成分として、アロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物が乾燥固形分の重量換算で0.0001〜1重量%含まれる、請求項1〜6のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
- クリーム状である、請求項1〜7のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
- 洗顔料である、請求項1〜8のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
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