JP6370553B2 - 皮膚用洗浄剤組成物 - Google Patents

皮膚用洗浄剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6370553B2
JP6370553B2 JP2014002764A JP2014002764A JP6370553B2 JP 6370553 B2 JP6370553 B2 JP 6370553B2 JP 2014002764 A JP2014002764 A JP 2014002764A JP 2014002764 A JP2014002764 A JP 2014002764A JP 6370553 B2 JP6370553 B2 JP 6370553B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
aloe
weight
collagen
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014002764A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015131771A (ja
Inventor
由理 弘津
由理 弘津
真美 桑島
真美 桑島
敬子 福田
敬子 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2014002764A priority Critical patent/JP6370553B2/ja
Publication of JP2015131771A publication Critical patent/JP2015131771A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6370553B2 publication Critical patent/JP6370553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れている皮膚洗浄剤組成物に関する。
皮膚洗浄剤組成物は、身体に直接使用するため、本来の機能である洗浄力に加えて、皮膚に対する刺激性や安全性に配慮すると共に、使用時の感触・使い易さが重要なポイントになる。皮膚洗浄剤組成物の使用時の感触・使い易さには、泡立ち(起泡性)、泡持ち(泡の持続性)等の泡特性や伸ばし易さが大きく関与している。例えば、泡立ちが不十分な皮膚洗浄剤組成物では、優れた洗浄効果が得られず、また成分濃度が高い状態で直接皮膚に触れることにより皮膚刺激を生じさせることがある。また、泡持ちが悪く、泡が直ぐに消失してしまう場合には、洗浄中に泡の弾力性が維持できなくなり、擦り洗い時に刺激を感じさせたり、使用時の感触を悪化させたりすることがある。更に、皮膚洗浄剤組成物は、通常、手やタオルに伸ばしてから水やお湯を加えて泡立てるため、伸ばし難い場合には、簡便に泡立て難く、使い易さの点で満足できなくなる。
そこで従来、皮膚洗浄剤組成物の泡特性を向上させるために、高級脂肪酸の種類や配合量の調整、泡立ちを助ける増泡剤(増粘剤、ベタイン系の界面活性剤、ポリエチレングリコール等)の配合等が行われている。例えば、特許文献1には、脂肪酸石鹸と、窒素含有量が2〜4質量%のカチオン化多糖類を配合することにより、良好な泡立ちや泡質を備えさせ得ることが報告されている。
しかしながら、高級脂肪酸の種類や配合量の調整により泡特性を向上させると、脱脂力が強くなり過ぎてツッパリ感を与えたり、また皮膚刺激性を生じさせたりすることがある。また、増泡剤の配合により泡特性を向上させる場合でも、皮膚刺激性に影響を与えることがある。そのため、新たな処方設計によって皮膚洗浄剤組成物の泡特性を向上させる技術の開発が求められている。
一方、皮膚洗浄剤組成物の高機能化に対する要望の高まりを受けて、近年、植物エキスや保湿剤等の機能性成分を皮膚洗浄剤組成物に配合することが試みられている。このような機能性成分の配合は、皮膚へのしっとり感の付与等が期待される一方で、却って泡特性を低下させる要因になることがある。更に、機能性成分の種類によっては、皮膚洗浄剤組成物の性状安定性を損なうこともある。そのため、皮膚洗浄剤組成物に機能性成分を配合する場合には、泡特性等に及ぼす影響にも十分配慮することが求められる。
皮膚洗浄剤組成物に機能性成分を配合することにより、高機能化のみならず、皮膚洗浄剤組成物の泡特性や伸ばし易さを向上させることができれば、その有用性は格段に高まるが、従来、植物エキスや保湿剤等の機能性成分を利用することによって、皮膚洗浄剤組成物の泡特性や伸ばし易さを向上させ得る製剤技術については報告されていない。
特開2008−179586号公報
本発明は、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れている皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄剤組成物において、アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及び/又はこれらの抽出物と、コラーゲン、その加水分解物、及び/又はこれらの誘導体とを組み合わせて配合することにより、泡立ち及び泡持ちを向上させつつ、皮膚やタオル上で伸ばし易い特性を備えることができ、使用時の感触及び使い易さが良好になることを見出した。また、従来、クリーム状の皮膚洗浄剤組成物では、空気との接触によって析出物が生じたり水分が蒸発したりすることで経時的に硬くなる傾向があり、性状安定性の点で欠点があったが、前記皮膚洗浄剤組成物では、クリーム状で提供しても、このような欠点が克服されており、優れた性状安定性を備え得ることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の皮膚洗浄剤組成物を提供する。
項1. (A)脂肪酸石鹸、(B)アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種、並びに(C)コラーゲン、その加水分解物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、皮膚洗浄剤組成物。
項2. 前記(A)成分がカリウム石鹸及び/又はナトリウム石鹸である、項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
項3. 前記(A)成分において、脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸がミリスチン酸及び/又はステアリン酸である、項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
項4. 前記(B)成分が、アロエの葉肉の搾汁及び/又はアロエの葉の抽出物である、項1〜3のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項5. 前記(C)成分が、コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、及びアシル化アテロコラーゲンよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項6. 前記(A)成分が0.1〜99重量%含まれる、項1〜5のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項7. 前記(B)成分として、アロエの葉の搾汁及び/又はアロエの葉肉の搾汁が0.001〜50重量%含まれる、項1〜6のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項8. 前記(B)成分として、アロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物が乾燥固形分の重量換算で0.0001〜1重量%含まれる、項1〜7のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項9. クリーム状である、項1〜8のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
項10. 洗顔料である、項1〜9のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
本発明の皮膚洗浄剤組成物によれば、泡立ち及び泡持ちが良好であるため、脂肪酸石鹸の洗浄作用を効果的に発揮できると共に、感触がよく優れた使用感が得られる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、手やタオル上で伸ばし易いため、容易に泡立てることができ、優れた使い易さも備えている。更に、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、安全性が高く皮膚刺激の要因にもならない成分の組み合わせによって、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さを向上させているので、低刺激性であり、敏感肌の人のスキンケアにも使用できる。また、顔の肌は刺激に対して敏感であるため、皮膚刺激の要因になるような成分の使用は控え、伸ばし易さに優れることにより掌などで泡立て易く、泡立ちや泡持ちに優れることにより擦り洗い時に刺激が低減されていることが求められるため、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗顔料として特に優れるものである。
更に、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、クリーム状であっても、優れた性状安定性を備えることができ、空気と接触しても硬くなるのを抑制することが可能になっているので、空気との接触機会が多い容器(チューブ容器等)に収容して継続的に使用しても、調製直後と同程度の柔らかさを維持することができる。
更に、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種と、コラーゲン、その加水分解物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種が含まれており、これらの成分自体はスキンケア作用も発揮するので、皮膚の洗浄効果に止まらず、保湿、肌の引き締め、美肌等の効果を奏することもできる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、脂肪酸石鹸(以下、(A)成分と表記することもある)と、アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、(B)成分と表記することもある)と、コラーゲン、その加水分解物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、(C)成分と表記することもある)と、を含有することを特徴とする。以下、本発明の皮膚洗浄剤組成物について詳述する。
(A)脂肪酸石鹸
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(A)成分として脂肪酸石鹸を含有する。本発明において、脂肪酸石鹸は、皮膚の洗浄に使用されている高級脂肪酸の塩を用いることができる。脂肪酸石鹸を構成する高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸等の炭素数12〜22の脂肪酸が挙げられる。これらの高級脂肪酸の中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させるという観点から、好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数12〜18の脂肪酸、より好ましくはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられ、更に好ましくはミリスチン酸、ステアリン酸が挙げられる。また、脂肪酸石鹸を構成する塩の種類としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩、アルギニン塩等の有機塩等が挙げられる。これらの塩の中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させるという観点から、好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはカリウム塩(カリウム石鹸)、ナトリウム塩(ナトリウム石鹸)、特に好ましくはカリウム塩(カリウム石鹸)が挙げられる。
脂肪酸石鹸の具体例として、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させ、更にはクリーム状にした際の性状安定性をより一層高めるという観点から、好ましくは、ラウリン酸アルカリ金属塩、ミリスチン酸アルカリ金属塩、パルミチン酸アルカリ金属塩、ステアリン酸アルカリ金属塩;より好ましくはミリスチン酸アルカリ金属塩、パルミチン酸アルカリ金属塩、ステアリン酸アルカリ金属塩;更に好ましくはミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム;特に好ましくはミリスチン酸カリウム、ステアリン酸カリウムが挙げられる。
これらの脂肪酸石鹸は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよいが、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させ、更にはクリーム状にした際の性状安定性をより一層高めるという観点から、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
(A)成分の中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させ、更にはクリーム状にした際の性状安定性をより一層高めるという観点から、ミリスチン酸の塩とステアリン酸の塩を組み合わせて使用することが好ましい。ミリスチン酸の塩とステアリン酸の塩を組み合わせて使用する場合、これらの比率については、特に制限されないが、例えば、ミリスチン酸の塩100重量部当たり、ステアリン酸の塩が1〜1000重量部、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは10〜200重量部、更に好ましくは50〜150重量部が挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物における(A)成分の含有量については、皮膚洗浄剤組成物の形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜99重量%、好ましくは0.5〜99重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の皮膚洗浄剤組成物がクリーム状の場合であれば、(A)成分の含有量として、1〜90重量%、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは25〜50重量%が挙げられる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物が液状の場合であれば、(A)成分の含有量として、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは0.5〜30量%が挙げられる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物が固形状の場合であれば、(A)成分の含有量として、40〜99重量%、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは60〜95重量%、更に好ましくは70〜95重量%が挙げられる。
(B)アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及び/又はこれらの抽出物
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(B)成分として、アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。(B)成分の原料となるアロエの種類については、ユリ科アロエ属(Liliaceae Aloe)に属する植物であることを限度として特に制限されないが、例えば、アロエベラ(Aloe barbadensis Mill.)、キダチアロエ(Aloe arborescens Mill.)、アロエアンドンゲンシス(Aloe andongensis Mill.)、ソコトラアロエ(Aloeperryi Baker)、ナタールアロエ(Aloe bainesii Th.Dyer)、アロエディコトマ(Aloe dichotohoma L.)、アロエマルロティイ(Aloe marlothii Berger)、アロエルペストリス(Aloe rupestris Baker)、アロエスピノシシマ(Aloe spinosissima Hort.)、アロエプリカティリス(Aloe plicatilis Mill.)、アロエアスペリフォリア(Aloe asperifolia A.Berger)、アロエカピタータキポリニコーラ(Aloe captata Bak.var.cipolinicola H.Perr.)、アロエスプレンデンス(Aloe splendens Lavranos)、アロエフミリス(Aloe humilis Mill.)、アロエミトリファルミス(Aloe mitriformis Mill.)、アロエウェリエガータ(Aloe variegataL.)、ケープアロエ(Aloe ferox Mill.)、アロエアフリカーナ(Aloe africanaMill.)、アロエスピカータ(Aloe spicata Baker)、及びこれらのアロエの変種又は交配種等が挙げられる。これらの中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させるという観点から、好ましくはアロエベラ、キダチアロエ、これらのアロエの変種又は交配種が挙げられ、より好ましくはアロエベラ、キダチアロエが挙げられる。(B)成分の原料として、これらのアロエを1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の内、アロエの葉については、アロエ生葉を細切した状態、磨り潰した状態、乾燥して粉砕した状態等で使用できる。
(B)成分の内、アロエの葉肉は、アロエ生葉から表皮を剥離し、ゲル部分を取り出すことによって得ることができる。本発明において、アロエの葉肉は、アロエの葉肉を細切した状態、磨り潰した状態、乾燥して粉砕した状態等で使用できる。
また、(B)成分の内、アロエの葉の搾汁及び/又は葉肉の搾汁は、アロエの葉及び/又は葉肉を搾汁機等で絞り、液体画分を回収することにより得ることができる。本発明において、アロエの葉の搾汁及び/又は葉肉の搾汁は、乾燥処理に供して乾燥物として使用してもよい。
また、(B)成分の内、アロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物は、アロエの葉及び/又はアロエの葉肉を抽出原料として溶媒抽出処理又は超臨界抽出処理に供することにより得ることができる。当該抽出原料は、必要に応じて、乾燥、細切、粉砕、圧搾、煮沸、発酵等の前処理に供しておいてもよい。更に、当該抽出原料は、アロエの葉及び/又はアロエの葉肉を含むことを限度として、葉以外の部位(根、茎等)が含まれていてもよい。溶媒抽出によってアロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物を得る場合、その抽出溶媒については、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;これらの混合溶媒等を使用することができる。これらの抽出溶媒の中でも、好ましくは水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒が挙げられる。溶媒抽出によってアロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物を得る場合、抽出処理の条件については、特に制限されず、温浸、冷浸等のいずれの条件で行ってもよい。なお、アロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物は、市販されているので、簡便には市販品を使用することもできる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、(B)成分として、アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物の中から1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させ、更にはクリーム状にした際の性状安定性をより一層高めるという観点から、好ましくはアロエの葉肉の搾汁、アロエの葉の抽出物が挙げられ、より好ましくはアロエベラの葉肉の搾汁、キダチアロエの葉の抽出物が挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物における(B)成分の含有量については、(B)成分の種類や皮膚洗浄剤組成物の形態等に応じて適宜設定すればよい。
例えば、(B)成分がアロエの葉及び/又はアロエの葉肉の場合であれば、本発明の皮膚洗浄剤組成物がクリーム状、液状、固形状等のいずれの形態であっても、(B)成分の含有量として、0.0001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.01〜1重量%が挙げられる。
例えば、(B)成分がアロエの葉の搾汁及び/又はアロエの葉肉の搾汁の場合であれば、(B)成分の含有量として、0.001〜50重量%、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.01〜5重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の皮膚洗浄剤組成物がクリーム状であり、且つ(B)成分がアロエの葉の搾汁及び/又はアロエの葉肉の搾汁である場合、(B)成分の含有量として、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは1〜5重量%が挙げられる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物が液状の場合であり、且つ(B)成分がアロエの葉の搾汁及び/又はアロエの葉肉の搾汁である場合、(B)成分の含有量として、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%が挙げられる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物が固形状の場合であり、且つ(B)成分がアロエの葉の搾汁及び/又はアロエの葉肉の搾汁である場合、(B)成分の含有量として、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%が挙げられる。
また、(B)成分がアロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物の場合であれば、本発明の皮膚洗浄剤組成物がクリーム状、液状、固形状等のいずれの形態であっても、(B)成分の含有量として、乾燥固形分の重量換算で0.0001〜1重量%、好ましくは0.0001〜0.5重量%、より好ましくは0.001〜0.3重量%、更に好ましくは0.001〜0.1重量%、特に好ましくは0.001〜0.05重量%が挙げられる。
また、本発明の皮膚洗浄剤組成物において、(A)成分と(B)成分の比率については、特に制限されないが、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させ、更にはクリーム状にした際の性状安定性をより一層高めるという観点から、(B)成分がアロエの葉及び/又はアロエの葉肉である場合であれば、(A)成分100重量部当たり、(B)成分が0.00001〜50重量部、好ましくは0.001〜1重量部、更に好ましくは0.01〜0.1重量部;(B)成分がアロエの葉の搾汁及び/又は葉肉の搾汁である場合であれば、(A)成分100重量部当たり、(B)成分が0.001〜5000重量部、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.2〜15重量部、更に好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは5〜15重量部;(B)成分がアロエの葉の抽出物及び/又は葉肉の抽出物である場合であれば、(A)成分100重量部当たり、(B)成分が乾燥固形分の重量換算で0.00001〜50重量部、好ましくは0.001〜1重量部、更に好ましくは0.01〜0.1重量部が挙げられる。
(C)コラーゲン、その加水分解物、及び/又はこれらの誘導体
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(C)成分として、コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、コラーゲンの誘導体、及びコラーゲンの加水分解物の誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
(C)成分の内、コラーゲンとしては、その由来については特に制限されず、例えば、牛、豚、馬、鳥、魚、クラゲ、貝等から得られるコラーゲン、及び人工的に合成されたコラーゲン等が挙げられる。これらコラーゲンの中でも、魚、クラゲ、貝等から得られる海洋性コラーゲンは、安全性、経済性等の観点から好ましい。また、(C)成分として使用されるコラーゲンとして、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させ、更にはクリーム状にした際の性状安定性をより一層高めるという観点から、好ましくは、水溶性コラーゲンが挙げられる。水溶性コラーゲンは、コラーゲンを含む原料から水性溶媒(水、エタノール水溶液、塩化ナトリウム水溶液等)を用いて抽出処理することにより得ることができる。
また、(C)成分の内、コラーゲンの加水分解物としては、前述するコラーゲンを、アルカリ、酸、又は酵素によって加水分解することにより得ることができる。コラーゲンの加水分解物の分子量については、特に制限されないが、例えば、GPC法により測定される分子量が100〜10000程度、好ましくは100〜7000程度、より好ましくは200〜5000程度、更に好ましくは250〜1000程度の画分を多く含むものが挙げられる。
また、(C)成分の内、コラーゲンの誘導体としては、前述するコラーゲンをアテロ化、アシル化等によって改変したものが挙げられ、具体的には、アテロコラーゲン、アシル化コラーゲン、アシル化アテロコラーゲン等が例示される。
アテロコラーゲンは、コラーゲンの両端のテロペプチドを酵素処理等により除去することにより得ることができる。
また、アシル化コラーゲンとは、コラーゲンのεアミノ基をカルボン酸でアシル化した誘導体である。アシル化コラーゲンのアシル化に使用されるカルボン酸としては、例えば、酢酸等のモノカルボン酸;コハク酸、フタル酸、マレイン酸等のジカルボン酸が挙げられる。これらのカルボン酸の中でも、好ましくはジカルボン酸、更に好ましくはコハク酸が挙げられる。アシル化コラーゲンは、コラーゲン及びアテロコラーゲンを含む水溶液をアルカリ性に調整し、前記カルボン酸の無水物を添加することにより得ることができる。
また、アシル化アテロコラーゲンは、アテロコラーゲンのεアミノ基をカルボン酸でアシル化した誘導体である。アシル化コラーゲンにおいてアシル化に使用されるカルボン酸の種類や好ましいもの等は、前記アシル化コラーゲンの場合と同様である。また、アシル化アテロコラーゲンの製造方法についても、コラーゲンの代わりにアテロコラーゲンを使用すること以外は、前記アシル化コラーゲンの場合と同様である。
これらのコラーゲンの誘導体の中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させ、更にはクリーム状にした際の性状安定性をより一層高めるという観点から、好ましくはアシル化アテロコラーゲン、更に好ましくはサクシニルアテロコラーゲンが挙げられる。
また、(C)成分の内、コラーゲンの加水分解物の誘導体としては、前述するコラーゲンの加水分解物をアシル化等によって改変したものが挙げられ、具体的には、コラーゲンの加水分解物のアシル化物が挙げられる。コラーゲンの加水分解物のアシル化物においてアシル化に使用されるカルボン酸の種類や好ましいもの等は、前記アシル化コラーゲンの場合と同様である。また、コラーゲンの加水分解物のアシル化物の製造方法についても、コラーゲンの代わりにコラーゲンの加水分解物を使用すること以外は、前記アシル化コラーゲンの場合と同様である。
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、(C)成分として、コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、コラーゲンの誘導体、及びコラーゲンの加水分解物の誘導体の中から1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分の中でも、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させ、更にはクリーム状にした際の性状安定性をより一層高めるという観点から、好ましくはコラーゲン、コラーゲンの加水分解物、コラーゲンの誘導体;更に好ましくは、コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、アシル化アテロコラーゲン;特に好ましくは、水溶性コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、サクシニルアテロコラーゲンが挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物における(C)成分の含有量については、皮膚洗浄剤組成物の形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.000001〜3重量%、好ましくは0.000001〜1重量%、より好ましくは0.00001〜0.1重量%、更に好ましくは0.00003〜0.015重量%、特に好ましくは0.00015〜0.015重量%が挙げられる。
また、本発明の皮膚洗浄剤組成物において、(A)成分と(C)成分の比率については、特に制限されないが、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さをより一層向上させるという観点から、(A)成分100重量部当たり、(C)成分が0.000001〜1000重量部、好ましくは0.00001〜500重量部、より好ましくは0.00001〜1重量部、更に好ましくは0.00001〜0.1重量部、特に好ましくは0.0001〜0.05重量部が挙げられる。
(D)多価アルコール
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上記(A)〜(C)成分に加えて、保湿効果の付与、泡立ち、泡持ち、及び伸ばし易さの更なる向上、クリーム状にした際の性状安定性の更なる向上、肌への潤いの付与等の目的で、多価アルコール(以下、(D)成分と表記することもある)を含んでいてもよい。
(D)成分として使用される多価アルコールについては、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの多価アルコールの中でも、好ましくはグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリンが挙げられ、より好ましくはグリセリン及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物における(D)成分の含有量については、皮膚洗浄剤組成物の形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の皮膚洗浄剤組成物がクリーム状の場合であれば、(D)成分の含有量として、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、更に好ましくは10〜20重量%が挙げられる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物が液状の場合であれば、(D)成分の含有量として、1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%が挙げられる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物が固形状の場合であれば、(D)成分の含有量として、1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%が挙げられる。
他の成分
本発明の皮膚洗浄剤組成物には、前記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、皮膚洗浄剤組成物の形態に応じて、当該技術分野で通常使用される添加成分を含有していてもよい。このような添加成分としては、例えば、美白剤、細胞賦活剤、消炎剤、抗菌剤、保湿剤、清涼化剤、無機粉体、香料、着色剤、消臭剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、基剤、溶剤、酸化防止剤、パール剤、キレート剤等が挙げられる。
形態
本発明の皮膚洗浄剤組成物の形態については特に制限されず、クリーム状、液状、固形状等のいずれであってもよい。本発明の皮膚洗浄剤組成物の形態として、好ましくはクリーム状、液状、更に好ましくはクリーム状が挙げられる。特に、本発明の皮膚洗浄剤組成物がクリーム状である場合には、空気との接触による硬化という、従来のクリーム状の皮膚洗浄剤組成物の欠点が克服できており、優れた性状安定性を備えるという利点が得られ、その有用性が極めて高くなる。
容器
本発明の皮膚洗浄剤組成物を収容する容器については、特に制限されず、形態や用途等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、チューブ容器、ポンプ容器、袋状容器、フォーマー容器等が挙げられる。特に、本発明の皮膚洗浄剤組成物をクリーム状で提供する場合、収容する容器として、好ましくはチューブ容器が挙げられる。
用途
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、適量の水と混合して泡立てて、身体部位の洗浄に使用される。本発明の皮膚洗浄剤組成物の洗浄対象となる身体部位については、特に制限されず、あらゆる身体部位の洗浄剤として使用できるが、洗顔料、ボディーソープ、ハンドソープ、シャンプー等として好適に使用される。とりわけ、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、伸ばし易さに優れることにより掌などで泡立て易く、泡立ちや泡持ちに優れることにより擦り洗い時の刺激が低減されるため、刺激に対して敏感な顔への使用に適しており、洗顔料として特に好適に使用される。
製造方法
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、前述する(A)〜(C)成分、及び必要に応じて配合される(D)成分、他の成分、薬学的又は香粧学的に許容される基剤等を混合して、所定の形状に調製することによって製造される。本発明の皮膚洗浄剤組成物はクリーム状又は液状として調製する場合であれば、前述する成分以外の残部として水(基剤)を配合すればよい。
以下に、実施例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例において、アロエベラの葉肉の搾汁及びキダチアロエの葉の抽出物を総括して「アロエ成分」と表記することがあり、また、サクシニルコラーゲン、水溶性コラーゲン、コラーゲンの加水分解物を総括して「コラーゲン類」と表記することがある。
1.クリーム状皮膚洗浄剤組成物
表1に示す組成のクリーム状皮膚洗浄剤組成物を調製した。具体的には、先ず、表1中の(I)成分(ミリスチン酸及びステアリン酸)を80℃に加温して混合し、高級脂肪酸溶解液を得た。また、別途、表1中の(II)成分(水酸化カリウム、グリセリン、及び精製水)を80℃に加温して混合し、アルカリ溶液を得た。高級脂肪酸溶解液を80℃に加温しつつ撹拌しながら、アルカリ溶液を添加して均一にすることにより(中和)、カリウム石鹸のベース処方を調製した。このベース処方に、表1中の(III)成分(コラーゲンの加水分解物、サクシニルアテロコラーゲン、水溶性コラーゲン、アロエベラの葉肉の搾汁、キダチアロエの葉の抽出物)を所定量添加し、混合することによって、各クリーム状皮膚洗浄剤組成物を調製した。
Figure 0006370553
Figure 0006370553
Figure 0006370553
Figure 0006370553
Figure 0006370553
2.伸ばし易さの評価
表6に示す各皮膚洗浄剤組成物0.1gを測り取り、実験台上に敷いたラップ(旭化成社製、商品名「サランラップ」)の上に面積が1cm2程度となるように置いた。次いで、ラップの上で皮膚洗浄剤組成物を人差し指で伸ばし、皮膚洗浄剤組成物の移動距離を計測した。
得られた結果を表6に示す。この結果から、脂肪酸石鹸と、アロエ成分を含み、コラーゲン類を含まない皮膚洗浄剤組成物(比較例4)では、脂肪酸石鹸を含み、アロエ成分とコラーゲン類を含まない皮膚洗浄剤組成物(比較例1)に比べて、移動距離が低下しており、アロエ成分単独では、皮膚洗浄剤組成物の伸ばし難くする性質があることが明らかとなった。これに対して、脂肪酸石鹸と共に、アロエ成分とコラーゲン類を含む皮膚洗浄剤組成物(実施例1〜16)では、アロエ成分とコラーゲン類の相乗的な作用によって移動距離が長くなっており、伸ばし易い特性を有していた。更に、アロエの葉肉の搾汁を3〜5重量%含む皮膚洗浄剤組成物、及びコラーゲン類を0.00015〜0.015重量%含む皮膚洗浄剤組成物は、伸ばし易さに特に優れることが明らかとなった。また、コラーゲン類を複数種含む皮膚洗浄剤組成物(実施例12)は、コラーゲン類を1種含む皮膚洗浄剤組成物(実施例6、10、11)に比べて、伸ばし易さに優れていた。
Figure 0006370553
3.泡立ちの評価
100ml容のビーカーに、表7に示す各皮膚洗浄剤組成物が1重量%となるように精製水に添加して希釈液を調製した。次いで、この希釈液5mlを、50ml容のコニカルチューブ(ベクトンディッキンソン社製)に入れて、コニカルチューブから希釈液が漏れないように蓋をして、30cmの高低差が生じるように20回振盪した。振盪終了後、生じた泡の高さを計測した。
得られた結果を表7に示す。この結果から、脂肪酸石鹸とコラーゲン類を含み、アロエ成分を含まない皮膚洗浄剤組成物(比較例2)では、脂肪酸石鹸を含み、アロエ成分とコラーゲン類を含まない皮膚洗浄剤組成物(比較例1)に比べて、泡立ちが低下しており、コラーゲン類単独では、脂肪酸石鹸の泡立ちを減少させることが明らかとなった。これに対して、脂肪酸石鹸と共に、アロエ成分とコラーゲン類を含む皮膚洗浄剤組成物(実施例2、3、6、7、及び10〜14)では、アロエ成分とコラーゲン類の相乗的な作用によって泡立ちが向上していた。また、コラーゲン類を複数種含む皮膚洗浄剤組成物(実施例12)は、コラーゲンを1種含む皮膚洗浄剤組成物(実施例6、10、11)に比べて、泡立ちに優れていた。
Figure 0006370553
4.泡持ちの評価
100ml容のビーカーに、表8に示す各皮膚洗浄剤組成物が1重量%となるように精製水に添加して希釈液を調製した。次いで、この希釈液5mlを、50ml容のコニカルチューブ(ベクトンディッキンソン社製)に入れて、コニカルチューブから希釈液が漏れないように蓋をして、30cmの高低差が生じるように20回振盪した。振盪終了から1分後と5分後に泡の高さを計測し、下記式に従って泡持ち(%)を評価した。
Figure 0006370553
得られた結果を表8に示す。表8から明らかなように、脂肪酸石鹸とアロエ成分を含み、コラーゲン類を含まない皮膚洗浄剤組成物(比較例4)では、脂肪酸石鹸を含み、アロエ成分とコラーゲン類を含まない皮膚洗浄剤組成物(比較例1)に比べて、泡持ちが低下しており、アロエ成分単独では、皮膚洗浄剤組成物の泡持ちに悪影響を及ぼす性質があることが明らかとなった。これに対して、脂肪酸石鹸と共に、アロエ成分とコラーゲン類を含む皮膚洗浄剤組成物(実施例1〜3、6、7、9及び10〜14)では、アロエ成分とコラーゲン類の相乗的な作用によって泡持ちが向上していた。即ち、この結果から、脂肪酸石鹸と共に、アロエ成分とコラーゲン類を組み合わせることによって、泡持ちが向上し、一旦形成した泡の持続性が高まることが明らかとなった。
Figure 0006370553
5.性状安定性の評価
表9に示す各皮膚洗浄剤組成物0.5gを測り取り、直径2cmの円状となるように実験台上に敷いたラップ(旭化成社製、商品名「サランラップ」)の上に静置して、20℃、相対湿度50%の条件で1時間保存した。その後、各皮膚洗浄剤組成物を手で触れ、その硬さを下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
◎:保存前と硬さが殆ど変っていないか、僅かに硬くなる程度で柔らく、性状に殆ど変化は認められない。
〇:保存前に比べてやや硬くなっており、性状に多少変化を感じるが、全体としては柔らかさを維持している。
△:保存前に比べて硬くなっており、性状に変化が認められる。
×:保存前に比べて明らかに硬くなっており、使用に問題が生じる程度の明らかな性状の変化が認められる。
得られた結果を表9に示す。表9から分かるように、脂肪酸石鹸と共に、アロエ成分とコラーゲン類を組み合わせることによって、空気に触れても硬くならず、優れた性状安定性を備えさせることができていた。
Figure 0006370553
処方例:洗顔料
表10に示す組成のクリーム状の洗顔料を調製した。具体的には、先ず、表10中の(I)に示す各成分を80℃に加温して混合し、高級脂肪酸溶解液を得た。また、別途、表10中の(II)に示す各成分を80℃に加温して混合し、アルカリ溶液を得た。高級脂肪酸溶解液を80℃に加温しつつ撹拌しながら、アルカリ溶液を添加して均一にすることにより(中和)、カリウム石鹸のベース処方を調製した。このベース処方に、表10の(III)に示す各成分を表11に示す所定量添加し、混合することによって、各クリーム状の洗顔料を調製した。得られた洗顔料は、いずれも、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
Figure 0006370553
Figure 0006370553
処方例:洗顔料
表12に示す組成のクリーム状の洗顔料を調製した。具体的には、先ず、表12中の(I)に示す各成分を80℃に加温して混合し、高級脂肪酸溶解液を得た。また、別途、表12中の(II)に示す各成分を80℃に加温して混合し、アルカリ溶液を得た。高級脂肪酸溶解液を80℃に加温しつつ撹拌しながら、アルカリ溶液を添加して均一にすることにより(中和)、カリウム石鹸のベース処方を調製した。このベース処方に、表12中の(III)に示す各成分の混合物を添加し、混合することによって、各クリーム状の洗顔料を調製した。得られた洗顔料は、いずれも、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
Figure 0006370553
処方例:シャンプー
表13に示す組成のシャンプーを調製した。具体的には、先ず、表13中の(I)に示す各成分を70℃に加温して混合し、溶解液(I)を得た。また、別途、表13中の(II)に示す各成分を70℃に加温して混合し、溶解液(II)を得た。溶解液(I)を70℃に加温しつつ撹拌しながら、溶解液(II)を添加して均一にし、40℃に冷却することにより、脂肪酸石鹸のベース処方を調製した。このベース処方を40℃に保持した状態で表13中の(III)に示す各成分の混合物を添加して混合し、室温まで冷却することにより、シャンプーを調製した。得られたシャンプーは、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
Figure 0006370553
処方例:ボディーソープ
表14に示す組成のボディーソープを調製した。具体的には、先ず、表14中の(I)に示す成分を(II)に示す成分に分散させた。次いで、(III)に示す各成分を添加し、80℃で加熱溶解し、脂肪酸石鹸のベース処方を調製した。このベース処方を80℃に保持した状態で表14中の(IV)に示す成分の混合物を添加して混合し、撹拌しながら40℃に冷却し、更に表14中の(IV)に示す各成分を添加して混合して室温まで冷却することにより、ボディーソープを調製した。得られたボディーソープは、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
Figure 0006370553
処方例:フォーマータイプの液体洗顔料
表15に示す組成のフォーマータイプの液体洗顔料を調製した。具体的には、先ず、表15中の(I)に示す各成分を60℃で加熱しながら溶解させた。次いで、40℃まで冷却した後に、(II)に示す各成分を添加して溶解させ、室温まで冷却することにより、フォーマータイプの液体洗顔料を調製した。得られた液体洗顔料は、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、しかも伸ばし易く、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
Figure 0006370553
処方例:固形石鹸
表16に示す組成の固形石鹸を調製した。具体的には、先ず、表16中の(I)に示す脂肪酸アルカリ石鹸を調製し、これに(II)に示す成分、及び(III)に示す各成分を添加して混合し、その後固化させることによって固形石鹸を調製した。得られた固形石鹸は、良好な泡立ち及び泡持ちを備え、使用時の感触及び使い易さが優れていた。
Figure 0006370553

Claims (9)

  1. (A)脂肪酸石鹸、(B)アロエの葉、アロエの葉肉、これらの搾汁、及びこれらの抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種、並びに(C)コラーゲン、その加水分解物、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記(A)成分において、脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸がミリスチン酸及びステアリン酸を含む(但し、脂肪酸組成がステアリン酸0〜25質量%、又は、ラウリン酸とミリスチン酸の合計量とパルミチン酸とステアリン酸の合計量との配合比(質量比)が(ラウリン酸+ミリスチン酸):(パルミチン酸+ステアリン酸)=3:1〜10:1である場合を除く。)ことを特徴とする、皮膚洗浄剤組成物。
  2. 前記(A)成分がカリウム石鹸及び/又はナトリウム石鹸である、請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
  3. 前記(B)成分が、アロエの葉肉の搾汁及び/又はアロエの葉の抽出物である、請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
  4. 前記(C)成分が、コラーゲン、コラーゲンの加水分解物、及びアシル化アテロコラーゲンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
  5. 前記(A)成分が0.1〜99重量%含まれる、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
  6. 前記(B)成分として、アロエの葉の搾汁及び/又はアロエの葉肉の搾汁が0.001〜50重量%含まれる、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
  7. 前記(B)成分として、アロエの葉の抽出物及び/又はアロエの葉肉の抽出物が乾燥固形分の重量換算で0.0001〜1重量%含まれる、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
  8. クリーム状である、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
  9. 洗顔料である、請求項1〜のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。
JP2014002764A 2014-01-09 2014-01-09 皮膚用洗浄剤組成物 Active JP6370553B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002764A JP6370553B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 皮膚用洗浄剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002764A JP6370553B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 皮膚用洗浄剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015131771A JP2015131771A (ja) 2015-07-23
JP6370553B2 true JP6370553B2 (ja) 2018-08-08

Family

ID=53899321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014002764A Active JP6370553B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 皮膚用洗浄剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6370553B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019011261A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 小林製薬株式会社 外用組成物
KR102163156B1 (ko) * 2018-01-23 2020-10-08 코스맥스 주식회사 공융점을 이용한 클렌징 화장료 조성물의 제조방법 및 상기 조성물
JP2021075481A (ja) * 2019-11-08 2021-05-20 小林製薬株式会社 液状皮膚洗浄剤組成物

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003081868A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 Ichimaru Pharcos Co Ltd ストレス抑制剤
JP2003095913A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Ichimaru Pharcos Co Ltd 化粧料組成物又は飲食品
JP5654197B2 (ja) * 2008-06-04 2015-01-14 クラシエホームプロダクツ株式会社 シャンプー組成物
JP2012149198A (ja) * 2011-01-21 2012-08-09 Kracie Home Products Ltd 皮膚洗浄剤組成物
JP2013163658A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Kracie Home Products Ltd 皮膚洗浄剤組成物
JP2013163659A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Kracie Home Products Ltd 皮膚洗浄剤組成物
JP6029973B2 (ja) * 2012-12-25 2016-11-24 クラシエホームプロダクツ株式会社 皮膚洗浄剤組成物
JP6062279B2 (ja) * 2013-02-15 2017-01-18 クラシエホームプロダクツ株式会社 液体洗浄剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015131771A (ja) 2015-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6364403B2 (ja) 組成物
JP6183849B2 (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP5564130B1 (ja) 発泡型皮膚外用剤
JP5522828B2 (ja) 皮膚洗浄剤
JP6134837B1 (ja) 液体洗浄剤組成物
JP2013163659A (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP6370553B2 (ja) 皮膚用洗浄剤組成物
Gyedu-Akoto et al. Natural skin-care products: The case of soap made from cocoa pod husk potash
CN105476950A (zh) 无添加天然保湿泡沫洁面乳
JP2013163658A (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP2003096494A (ja) 弱酸性洗浄剤組成物
JP2014156538A (ja) 液体洗浄剤組成物
JP2014156537A (ja) 液体洗浄剤組成物
JP6029973B2 (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP2012149198A (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP5993980B1 (ja) ゲル状組成物
JP2004217590A (ja) 化粧品組成物
JP2023008894A (ja) アミノ酸系界面活性剤を含むクレンジングフォーム化粧料組成物
JP2014181241A (ja) 発泡型皮膚外用剤
JP3904812B2 (ja) 皮膚洗浄料
JP2002255790A (ja) 皮膚洗浄料
JP7326728B2 (ja) 固形石鹸組成物
KR101109647B1 (ko) 거품과 보습력이 우수한 화장비누 조성물
JP2020033278A (ja) 刺激緩和剤
JP2008007437A (ja) 化粧料用原料および該原料を含有する化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6370553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250