JP6370534B2 - 車両用前照灯の配光制御装置 - Google Patents

車両用前照灯の配光制御装置 Download PDF

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Description

本発明は自動車等の車両の前照灯(ヘッドランプ)の配光技術に関し、特にADB(Adaptive Driving Beam)配光制御が可能な車両用前照灯の配光制御装置に関するものである。
自動車のヘッドランプによって自車両の前方領域を照明する一方で、当該前方領域に存在する先行車や対向車等の自車両の前方領域に存在する車両(以下、前方車両と称する)に対する眩惑を防止するための配光制御の一つとしてADB配光制御が提案されている。このADB配光制御では、自車両に設けた車両検出装置によって前方車両を検出し、検出した前方車両が存在する領域の光量を低減あるいは消灯し、それ以外の領域を明るく照明する制御が行われる。近年ではこのADB配光制御はLED等の発光素子を光源とするヘッドランプにも適用されており、光源としての複数個のLEDがそれぞれ照射する複数の領域(以下、照射領域と称する)を合体させて自車両の前方領域を照明する配光パターンを構成し、前方車両を検出したときには検出した前方車両に対応する照明領域を減光あるいは消灯する構成がとられている。なお、以後の説明では、照射領域の減光や消灯を合わせて減光と称する。
このようなADB配光制御が適用された車両、特に自動車では、左右のヘッドランプは自動車の前部左右に配設されるのに対し、車両検出装置は自動車の車体の幅方向の中央位置に配置されることが多いため、車両検出装置から前方車両を見た角度(以下、この角度を検出角度と称する)と、左右ヘッドランプの照射光を前方車両に照射するランプ光軸の角度(以下、この角度を照射角度と称する)との間に視差角度と称する角度ずれが存在している。この視差角度によって前方車両を高精度に検出しても、左右のヘッドランプの減光領域を前方車両に対して正確に位置合わせできず、前方車両を眩惑してしまうことになる。この角度ずれによる前方車両の眩惑を防止するために、特許文献1では前方車両までの距離(車間間隔)と車両幅寸法とに基づいて視差角度を演算し、検出角度を視差角度で補正することによって左右のヘッドランプの照射角度を制御する技術が提案されている。
特開2012−162105号公報
特許文献1の技術は左右のヘッドランプの照射角度を補正制御するための視差角度を得るためには前方車両の車両幅寸法と車間距離を計測する必要がある。車両幅寸法については、大部分の自動車の車両幅寸法は2m前後であるので問題は少ないが、車間距離は自車両の直近の数mの距離から100m程度の遠方距離が対象となる。そのため、車間距離の違いによって視差角度にばらつきが生じ、視差角度が適正に設定されないときには前方車両に対する眩惑防止の効果が得られないことがある。特に、前方車両が自車両よりも遠方に存在していて前方車両に対する車間距離が大きい状況のときには視差角度は車間距離が短い状況のときよりも小角度となるので、補正制御に微細な制御が要求され眩惑が生じ易くなる。また、車間距離を計測するためには特殊な機器あるいは制御が必要とされるため、この種の機器を搭載していない自動車では車間距離に基づく適正な視差角度を得ることができず、前方車両に対する眩惑を確実に防止することは難しくなる。
本発明の目的は、ヘッドランプにおける配光を適切に制御することにより前方車両に対する眩惑を確実に防止することを可能にした配光制御装置を提供するものである。
本発明の配光制御装置は、車両の車幅方向の少なくとも一部に配設されたヘッドランプと、ヘッドランプとは車幅方向の異なる位置に配設されて前方車両を検出する車両検出手段と、検出された前方車両の車両位置に基づいてヘッドランプの配光を制御する配光制御手段を備えており、配光制御手段は、検出された前方車両の車両位置に基づいて当該前方車両を眩惑しないための遮光領域を形成する配光制御が可能であり、この配光制御に際し、前記前照灯が前記前方車両の左右端位置を見た角度と前記車両検出手段で検出された前記前方車両の左右端位置の検出角度との差であるデフォルト視差角度を設定しておき、前記遮光領域の車幅方向外側の照明領域は検出した車両位置に基づいて配光制御し、車幅方向内側の照明領域は前記デフォルト視差角度で補正した車両位置に基づいて配光制御するとともに、車速の変化に応じて当該デフォルト視差角度を変化させることを特徴とする。
換言すれば、本発明の配光制御装置では、ヘッドランプの車幅方向外側の照明領域は車両検出手段から前方車両を検出したときの車両位置に基づく配光制御であり、車幅方向内側の照明領域はヘッドランプから前方車両を検出したと仮定したときの車両位置に基づく配光制御である。
具体的には、車両の左右にそれぞれヘッドランプを配設している配光制御装置では、配光制御手段は、右ヘッドランプについては遮光領域の右側の照明領域は検出した車両位置に基づいて制御し、遮光領域の左側の照明領域はデフォルト視差角度で補正した車両位置に基づいて制御し、左ヘッドランプについては遮光領域の左側の照明領域は検出した車両位置に基づいて制御し、遮光領域の右側の照明領域はデフォルト視差角度で補正した車両位置に基づいて制御する。例えば、右ヘッドランプでは左側の照明領域は検出した車両位置に基づく場合よりも左側に向けて遮光領域を拡大し、左ヘッドランプでは右側の照明領域は検出した車両位置に基づく場合よりも右側に向けて遮光領域を拡大することになる。
本発明によれば、遮光領域の車幅方向外側の照明領域は検出した車両位置に基づいて配光制御し、車幅方向内側の照明領域はデォルト視差角度で補正した車両位置に基づいて配光制御するので、車幅方向外側の照明領域を前方車両に対して眩惑することがない領域に設定し、車幅方向内側の照明領域を前方車両を眩惑する領域から内側方向に移動した領域に設定することができ、前方車両に対する眩惑を確実に防止することができる。特に、デフォルト視差角度を車速の変化に応じて変化させ、特に車速が高速になるのに従ってデフォルト視差角度を小さく設定することにより、車速変化に伴って好適な遮光領域に設定することができる。
特に、左右にヘッドランプを備える車両では、右ヘッドランプによって接近する前方車両に対する眩惑が防止でき、左ヘッドランプによって遠方に存在する前方車両に対する眩惑が防止でき、広い領域に存在する前方車両に対する眩惑が防止できる。
本発明の配光制御装置を備えるヘッドランプの概略縦断面図。 ロービーム、ハイビーム、ADBの各配光パターン図。 ADBランプユニットの概念構成とADB配光パターン図。 前方車両に対する撮像装置と左右のヘッドランプとの視差角度を説明するための模式図。 右ヘッドランプにおけるADB配光制御の配光パターン図。 右ヘッドランプにおける視差補正前の平面配光パターン図。 右ヘッドランプにおける視差補正後の平面配光パターン図。 右ヘッドランプにおける本発明配光制御の平面配光パターン図。 左ヘッドランプにおける視差補正前の平面配光パターン図。 左ヘッドランプにおける視差補正後の平面配光パターン図。 左ヘッドランプにおける本発明配光制御の平面配光パターン図。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明のADB配光制御を適用した自動車のヘッドランプの概念構成図である。自動車の車体の前部左右に配設した左ヘッドランプL−HLと右ヘッドランプR−HLはほぼ同じ構成であり、ランプハウジング1内にロービームランプユニットLoL、ハイビームランプユニットHiL、ADBランプユニットALが配設されている。前記ロービームランプユニットLoLとハイビームランプユニットHiLの詳細については省略するが、各ランプユニットはそれぞれLED(発光ダイオード)を光源とするランプユニットとして構成されており、点灯(発光)したときに、自車の前方領域に対して図2(a)に示すロービーム配光パターンPLo、図2(b)に示すハイビーム配光パターンPHiで光照射を行うものである。
前記ADBランプユニットALは、図3にADBランプユニットALの概略平面構成を示すように、ユニットハウジング21内に照射レンズ22とLEDアレイパッケージ23が内装されている。前記LEDアレイパッケージ23は、ベース基板230に複数個、ここでは8個の1チップ型のLED(発光ダイオード)231〜238が水平方向に一列に配列した状態で搭載されている。これらのLED231〜238は、図示を省略した発光回路によってそれぞれ個別に発光・消光、ならびに発光光度が変化可能に構成されている。
前記LED231〜238の光は照射レンズ22によってADB配光パターンで前方領域に照射される。図3の上部の図はADB配光パターンの配光パターン図であり、各LED231〜238からの光でそれぞれ所定の照明領域A1〜A8の照明を行ない、これら照明領域A1〜A8の互いに隣接する領域を一部重畳させることによって水平方向(左右方向)に細長いADB配光パターンPADBを形成している。このADB配光パターンPADBは、図2(c)に示すように、図2(a)に示したロービーム配光パターンPLoのカットオフラインよりも上方の領域に8個のLED231〜238のそれぞれによる照明領域A1〜A8が水平方向に配列された配光パターンになる。
図1に示したように、前記左ヘッドランプL−HLにはマスターランプECU2が配設され、右ヘッドランプR−HLにはスレーブランプECU3が配設されている。前記マスターランプECU2は、自動車のCAN(Controller Area Network)ライン100を通して入力されてくる各種制御信号に基づいて左ヘッドランプL−HLのロービームランプユニットLoL、ハイビームランプユニットHiL、ADBランプユニットALの点灯を制御するための点灯制御信号を生成し、かつこの点灯制御信号に基づいて各ランプユニットLoL,HiL,ALを制御する。また、前記スレーブランプECU3は、前記マスターランプECU2からLIN(Local
Interconnect Network)ライン201を通して入力されてくる点灯制御信号に基づいて右ヘッドランプR−HLのロービームランプユニットLoL、ハイビームランプユニットHiLの点灯を制御する。一方、右ヘッドランプR−HLのADBランプユニットALは前記左ヘッドランプL−HLのマスターランプECU3にLINライン200で接続されており、このマスターランプECU2によって左ヘッドランプL−HLのADBランプユニットALと同時に点灯が制御される。
前記マスターランプECU2が接続されているCANライン100には車両ECU4が接続されている。この車両ECU4は、図示を省略している自動車の運転席のランプスイッチからの点灯信号に基づいて前記ヘッドランプL−HL,R−HLの各ランプユニットの点灯を制御するための点灯制御信号をCANライン100に出力する。また、自動車の一部、ここでは自動車の車体前部の車幅方向中央に配設されて自動車の前方領域を撮像する撮像装置5が前記CANライン100に接続されており、当該撮像装置5で撮像した画像信号がCANライン100に出力されると、車両ECU4はその画像信号に基づいて自動車の前方領域に存在する前方車両の位置やその移動状態等の車両情報を検出し、この車両情報をCANライン100に出力する。また、前記CANライン100には、自車両の車速を検出する車速センサー6と、走行する道路が高速道路であるか市街地道路であるか等の道路情報を出力可能なナビゲーション装置7が接続されており、検出した車速や道路情報はそれぞれ前記マスターランプECU2に入力可能とされている。
この構成のヘッドランプでは、運転者によるスイッチの切替え等によってハイビーム配光制御あるいはロービーム配光制御に設定されたときには、マスターランプECU2によって左ヘッドランプL−HLのハイビームランプユニットHiLとロービームランプユニットLoLが点灯制御される。同時に、右ヘッドランプR−HLではマスターランプECU2からの信号を受けたスレーブランプECU3によってハイビームランプユニットHiLとロービームランプユニットLoLが点灯制御される。これにより、図2(a),(b)に示したロービーム配光パターンPLo、ハイビーム配光パターンPHiでの照明が行われる。
一方、運転者によってADB配光制御に設定されたときには、車両ECU4は撮像装置5で撮像した画像信号に基づいて自動車の前方領域に存在する前方車両を検出し、その車両情報をCANライン100に出力する。左ヘッドランプL−HLに設けられているマスターランプECU2はCANライン100を通して前方車両の車両情報を取得し、この車両情報に基づいて所要の演算を行い、ADB点灯制御信号を生成する。そして、生成したADB点灯制御信号に基づいて左右の各ヘッドランプL−HL,R−HLの各ADBランプユニットALの点灯を制御する。このとき、前方車両が検出されないときには、ADBランプユニットALの8個のLED231〜238が全て点灯される。これにより、図2(c)に示したように、ロービーム配光パターンPLoのカットオフラインの上側の左右全領域にわたって8個の照明領域A1〜A8が配列されたADB配光パターンPADBとなる。このADB点灯制御はマスターランプECU2によって左右のヘッドランプの各ADBランプユニットALが同時に点灯制御される。
一方、図4に模式図を示すように、前方車両CAR1が検出されたときには、自車両CARは、図1に示したマスターランプECU2においてCANライン100から入力されてくる前方車両の車両情報に基づいて、当該検出した前方車両CAR1の車両位置を検出し、さらにこの車両位置から当該前方車両の右端位置RPと左端位置LPを検出する。この右端位置RPと左端位置LPの検出は、撮像装置5から前方車両を見たときに、当該右端位置RPと左端位置LPが自車両の車幅方向に対してなす右検出角度θrと左検出角度θlとして得られる。そして、マスターランプECU2は、図5(A)に示すように、検出した前方車両CAR1の左端位置LPと右端位置RPを、ADB配光パターンPADBを構成している8つの照明領域A1〜A8と比較し、前方車両CAR1が属する照明領域を検出し、この検出した照明領域に対応するLEDを消灯する。
しかし、図4に示したように、左右のヘッドランプR−HL,L−HLは自動車CARの車体の前部左右に配設されており、前記撮像装置5は自動車CARの幅方向のほぼ中央に配設されているので、右ヘッドランプR−HLが前方車両CAR1の右端位置RPを見た角度θrhと左ヘッドランプL−HLが前方車両CAR1の左端位置LPを見た角度θlhは検出された右検出角度θrと左検出角度θlと一致せず、それぞれほぼ同じ視差角度θxが存在する。
この視差角度θxは、自車両CARの車体幅寸法Wと、自車両CARと前方車両CAR1の車間距離Lsに依存している。図4に示すように、右検出角度θrについてみると、視差角度θxはθx=θrh−θrである。θrhは、前方車両CAR1との幅方向の寸法D’と車間距離Lsから、tanθrh=Ls/D’で求められる。ここでD’=D−W/2である。
これから、θrh=tan-1[1/〔(1/tanθr)−W/2Ls〕]が求められる。左検出角度θlについても同様であり、視差角度θxは右検出角度θrの場合とほぼ同じである。
このように、検出された右検出角度θrと左検出角度θlに基づく前方車両CAR1の右端位置RPと左端位置LPとで前記したように照明領域A1〜A8との比較を行うと、視差角度θxだけのずれが生じている。そのため、例えば、右ヘッドランプR−HLにおいては、図5(A)に示したように、本来は照明領域A4,A5のLEDを消灯すべきであるのに、前方車両CAR1の本来の位置よりも視差角度θxだけ右側の照明領域A5,A6のLEDを消灯して遮光領域とする配光制御が行われてしまう。これにより、右ヘッドランプR−HLによる左側の照明領域A4が前方車両CAR1に重なり、前方車両CAR1を眩惑してしまう。このときの平面配光パターンを図6Aに示す。
したがって、マスターランプECU2では、前式から視差角度θxを演算して求め、この視差角度θxに基づいて配光を補正している。図4の例では、前方車両CAR1の右端位置RPの検出角度については、θr+θx=θrhと補正し、同様に左端位置LPの検出角度については、θl−θx=θlhと補正する。これにより、右ヘッドランプR−HLでのADB配光制御では、図5(B)に示すように、照明領域A4,A5が消灯されて遮光領域となるように補正され、前方車両CAR1に対する眩惑が防止される。このときの平面配光パターンは図6Bに示すとおりであり、遮光領域が左方向に移動されて前方車両CAR1を眩惑していないことが分かる。なお、同図の1点鎖線は補正前の遮光領域を示している。すなわち、視差角度θxを利用することで前方車両CAR1に対して遮光領域を正確に位置合わせすることが可能となり、前方車両CAR1を眩惑することがないADB配光制御が可能となる。
前記したように自車両において前記した視差角度θxを求めるには前方車両CAR1との車間距離Lsを求める必要がある。この車間距離Lsは撮像装置5で撮像した画像に基づいて求めているが、その際には複雑な演算が要求され、車間距離を得るまでに時間がかかり、高頻度で生じる前方車両との車間距離変化に対応できないことが多い。また、前方車両までの距離が長いときには誤差が生じ易い。そこで、車間距離にデフォルト車間距離を採用することが考えられている。このデフォルト車間距離は通常の自動車の走行時における平均的な車間距離として、ここでは50mに設定している。そして、この50mに基づいてデフォルトの視差角度θxを求め、このデフォルト視差角度θxによりADB配光制御の補正を行っている。このデフォルト視差角度θxは通常では0.7°程度であり、特に前記したように車間距離が50mのときには実際の視差角度と等しくなるので、以下においてはそれぞれをθxで示している。
しかし、このデフォルト視差角度θxに基づいてADB配光制御を行ったときには、前方車両CAR1との車間距離が変化したときに問題が生じることがある。例えば、図6Bに2点鎖線で示す前方車両CAR2の場合、すなわち前方車両CAR1が短い時間でデフォルト車間距離よりも小さい位置まで自車両に接近した場合には、当該前方車両CAR2が右側の照明領域に入り込む状況となり、前方車両CAR2を眩惑する状況となる。そこで、本発明においては、右ヘッドランプR−HLについては、ADB配光制御を行うに際し、前方車両の右端位置RPを決める右角度については視差角度θxで補正することなく右検出角度θrをそのまま適用し、左端位置LPを決める左角度についてのみ視差角度θxによる補正を行う。
すなわち、右ヘッドランプR−HLにおいては、自車両の車幅方向の外側の照明領域については右検出角度θrをそのまま適用し、車幅方向の内側の照明領域については左検出角度θlをデフォルト視差角度θxで補正した左補正角度θlhを適用する。これにより、図5(C)に示すように、ADB配光パターンは、右側については検出角度に基づいて設定される遮光領域A5,A6が形成され、左側についてはデフォルト視差角度θxで修正された最小限の遮光領域A4が形成される。この結果、前方車両CAR1の右側の遮光領域が広げられ、前方車両CAR1との車間距離が小さくなった場合でも眩惑を防止することができる。図6Cはこのときの平面配光パターンを示している。
このように、デフォルト視差角度θxによって補正されたADB配光パターンPADBは、全照明領域のうち、前方車両CAR1が存在する照明領域が消灯されて遮光領域とされるが、前方車両CAR1の右側では、前方車両CAR1の右検出角度θrに基づいて照明領域を消灯するので、撮像装置5と右ヘッドランプR−HLとの間に生じている視差角度θxによって拡大された遮光領域が形成される。一方、前方車両CAR1の左側では左検出角度θlをデフォルト視差角度θxで補正するので、左検出角度θlよりも左側に拡大されて前方車両CAR1の左端の検出位置に近接する照明領域が消灯されて遮光領域とされる。これにより、前方車両の車間距離が短時間の間に変化した場合でも、当該前方車両に対する眩惑を防止することができる。また、その一方で遮光領域を可及的に小さくし、前方領域の視認性を向上する。
左ヘッドランプにおいても同様であり、ADB配光制御では、検出した左角度θlについて視差角度θxでの補正を行うと、ADB配光パターンPADBは図7Aの状態から図7Bのように、全体として視差角度θxだけ右方向に偏向され前方車両CAR1が正しく遮光領域に入る状態となり、前方車両CAR1を眩惑することのないADB配光制御が可能となる。しかし、この場合には、図7Bに2点鎖線で示すように前方車両CAR1の所定時間前の走行位置に存在し、あるいは当該前方車両CAR1の後方に存在する前方車両CAR3が左側の照明領域に入り込む状態となり、当該前方車両CAR3を眩惑する状況が生じる。
そこで、左ヘッドランプL−HLにおいては、ADB配光制御を行うに際し、左側の照明領域、すなわち自車両の車幅方向の外側の照明領域においては、左検出角度θlをそのまま適用し、右側の照明領域、すなわち自車両の車幅方向の内側の照明領域については右検出角度θrをデフォルト視差角度θxで補正した右補正角度θrhを適用する。これにより、図7Cに示すように、ADB配光パターンPADBは、前方車両CAR1の左側はデフォルト視差角度θxだけ遮光領域が左側に広くなり、その一方で右側の遮光領域は右側に広げられ、後続の前方車両CAR3の眩惑を防止することができる。
以上のような左右のヘッドランプにおける配光制御の結果として、自動車CARの全体の配光パターンは前記した左右のヘッドランプの各配光を重ねた配光パターンとなるが、遮光領域については左右のヘッドランプの遮光領域がほぼ一致されるので、左右のいずれのヘッドランプの照射光によっても前方車両に対する眩惑を防止することができる。また、遮光領域は可及的に狭く制御されるので自車両の前方領域の視認性を高めることができる。
ここで、マスターランプECU2において前方車両の右端位置と左端位置を検出する際には、撮像装置5で撮像した画像から得られる左右端位置に、それぞれ撮像装置5の車の取付位置誤差、車両ECU4やマスターランプECU2において車両位置を検出する際の演算誤差、ヘッドランプ、特にADBランプユニットALのランプ光軸の設定誤差に伴う照明領域の設定誤差等の各種誤差を考慮した値をマージンとして加えることにより、実際の左右端位置よりも幾分左右に広げた位置を左右端位置の検出位置として検出するようにしてもよい。これにより、これら各種誤差の影響を無くしたADB配光制御が実現できる。
また、実施形態ではデフォルト視差角度θxをデフォルト車間距離に基づいて固定的に設定しているが、車速センサー6からの車速情報や、ナビゲーション装置7からの道路情報に基づいてデフォルト視差角度θxを変化させるようにしてもよい。すなわち、車速が所定速度以上のとき、あるいは高速道路を走行していると判断された場合にはデフォルト視差角度θxを小さい角度に設定する。高速走行時や高速道路の走行時は、前方車両との車間距離が大きく検出角度の右角度と左角度は小角度であり、同時に前方車両が接近する頻度や前方車両が大きく左右に移動することが少ないので、視差角度θxによる車幅方向内側の遮光領域を小さくし、自車両の前方領域の視認性を優先させる。また、車速が所定速度より低速のとき、あるいは市街地を走行していると判断された場合にはデフォルト視差角度θxを大きい角度に設定する。低速走行時や市街地の走行時は、前方車両との車間距離が小さく、検出角度の右角度と左角度は大角度であり、また同時に前方車両が接近する頻度や前方車両が大きく左右に移動することが多いので、前方車両の左右の遮光領域をなるべく大きくし、前方車両に対する眩惑防止を優先させる。
この場合、デフォルト車間距離として複数の異なる車間距離を設定し、各車間距離に対応する複数のデフォルト視差角度を演算して記憶しておき、検出した車速や道路情報に基づいてこれら複数のデフォルト視差角度のいずれかを選択するようにしてもよい。このようにすることで、よりきめ細かいADB配光制御が実現できる。
この実施形態では、前方車両が属する照明領域を消灯して遮光領域を形成しているが、当該照明領域の光度を低減して遮光領域としてもよい。この低減する光度は、照明されても当該前方車両に対する眩惑を生じることがない光度であることは言うまでもない。また、実施形態では8個のLEDで8個の照明領域を形成してADB配光パターンを構成した例を示したが、このADB配光パターンに限られるものではなく、LEDの個数や照明領域の個数、さらには各照明領域のパターン形状は任意に設定することができる。
また、本発明は複数の光源により複数の照明領域を形成し、これら照明領域を選択的に減光してADB配光制御を行う前照灯に限られるものではなく、左右のヘッドランプのそれぞれにおいて照明領域の一部を選択的に遮光領域として配光制御することが可能な前照灯に適用することも可能である。例えば、左右のヘッドランプのそれぞれにおいてシェードを異なる形状のものに切り替えることによって各ヘッドランプにおける車幅方向外側と内側の各遮光領域を変化制御する構成のヘッドランプについても適用できる。
本発明は前方車両を検出し、検出した前方車両の車両位置に基づいてADB配光制御を行う前照灯に採用することが可能である。
1 ランプハウジング
2 マスターランプECU(配光制御手段)
3 スレーブランプECU
4 車両ECU
5 撮像装置
6 車速センサー
7 ナビゲーション装置
21 ユニットハウジング
22 照射レンズ
23 LEDアレイパッケージ
100 CANライン
200,201 LINライン
231〜238 LED
R−HL 右ヘッドランプ(右前照灯)
L−HL 左ヘッドランプ(左前照灯)
LoL ロービームランプユニット
HiL ハイビームランプユニット
AL ADBランプユニット
A1〜A8 照明領域
LP (前方車両の)左端位置
RP (前方車両の)右端位置
θx 視差角度(デフォルト視差角度)
θr,θrh 右検出角度,右補正角度(右ヘッドランプから見た角度)
θl,θlh 左検出角度,左補正角度(左ヘッドランプから見た角度)


Claims (5)

  1. 車両の車幅方向の少なくとも一部に配設された前照灯と、前記前照灯とは車幅方向の異なる位置に配設されて前方車両を検出する車両検出手段と、検出された前方車両の車両位置に基づいて前記前照灯の配光を制御する配光制御手段を備え、前記配光制御手段は、検出された前方車両の車両位置に基づいて当該前方車両を眩惑しないための遮光領域を形成する配光制御が可能であり、この配光制御に際し、前記前照灯が前記前方車両の左右端位置を見た角度と前記車両検出手段で検出された前記前方車両の左右端位置の検出角度との差であるデフォルト視差角度を設定しておき、前記遮光領域の車幅方向外側の照明領域は検出した車両位置に基づいて配光制御し、車幅方向内側の照明領域は前記デフォルト視差角度で補正した車両位置に基づいて配光制御するとともに、車速の変化に応じて当該デフォルト視差角度を変化させることを特徴とする車両用前照灯の配光制御装置。
  2. 前記車幅方向外側の照明領域は車両検出手段から前方車両を検出したときの車両位置に基づく配光制御であり、前記車幅方向内側の照明領域は前照灯から前方車両を検出したと仮定したときの車両位置に基づく配光制御であることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯の配光制御装置。
  3. 前記前照灯は車両の左右にそれぞれ配設されており、前記配光制御手段は、右の前照灯については遮光領域の右側の照明領域を検出した車両位置に基づいて制御し、遮光領域の左側の照明領域は前記デフォルト視差角度で補正した車両位置に基づいて制御し、左の前照灯については遮光領域の左側の照明領域を検出した車両位置に基づいて制御し、遮光領域の右側の照明領域は前記デフォルト視差角度で補正した車両位置に基づいて制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯の配光制御装置。
  4. 前記右の前照灯では左側の照明領域は検出した車両位置に基づいて配光制御よりも左側に向けて遮光領域を拡大した配光制御であり、前記左の前照灯では右側の照明領域は検出した車両位置に基づく場合よりも右側に向けて遮光領域を拡大した配光制御であることを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯の配光制御装置。
  5. 前記前照灯は複数の光源でそれぞれ照明する複数の照明領域を合わせて所要の配光パターンを形成する構成であり、前記配光制御手段はこれら複数の照明領域を選択的に点灯、消灯して前記遮光領域と前記車幅方向外側および車幅方向内側の各照明領域を制御する構成であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用前照灯の配光制御装置。
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