JP6370460B1 - 自転車用緩衝装置および自転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】自転車用緩衝装置に関する構成を従来よりもシンプルなものにする。【解決手段】自転車100のボトムブラケット12内に軸支されるクランク軸14の右側端部14Rに右クランクアーム18を取り付け、回転位相が右クランクアーム18とは逆位相になるように、左側端部14Lに左クランクアーム22を取り付ける。渦巻ばね28の内端部をクランク軸14の左側端部14Lとともに、外端部を左クランクアーム22の基端部に止着する。左クランクアーム22側のペダル24に一定以上の荷重が加わると、左クランクアーム22が、右クランクアーム18に対してクランク軸14まわりに相対回転し、この相対回転に伴って弾性変形した渦巻ばね28の復元力の作用により、もとの回転位相差になる位置まで復帰するような構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、緩衝装置に関し、特に、自転車用の緩衝装置および緩衝装置付きの自転車に関する。
近年においては、路面からの衝撃を緩和する緩衝装置が車体に組み込まれた自転車が、広く一般にも普及している。例えば、特許文献1には、自転車の前ホークに緩衝装置を組み込んだものが開示されている。この種の前ホークは、一般に、サスペンションホークと呼ばれており、マウンテンバイク等の車種に採用されている。
また、特許文献2〜4には、リアサスペンション付き自転車が開示されている。これらの自転車では、フレーム体側に緩衝装置が組み込まれている。この種のフレームは、一般に、サスペンションフレームと呼ばれており、様々な車種の自転車で採用されている。
特開平6−179388 特開2000−247282 特開2015−089740 特開2015−089741
上記したように、緩衝装置が車体に組み込まれた自転車は、すでに多種多様な形態のものが公知となっている。しかしながら、これらの自転車では、緩衝装置が作動するとき、フレームの一部が弾性的に動く可動式フレーム構造が採用されており、車体全体が複雑な構成になっている。
上記した課題に鑑み、本発明は、自転車用緩衝装置に関する構成を従来よりもシンプルなものにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る自転車用緩衝装置は、自転車のボトムブラケット内に軸支されるクランク軸と、先端部にペダルが設けられ、当該先端部とは反対側の基端部が前記クランク軸の第1端部に取り付けられた第1クランクアームと、先端部にペダルが設けられ、回転位相が前記第1クランクアームとは逆位相になるように、当該先端部とは反対側の基端部が前記クランク軸の前記第1端部とは反対側の第2端部に取り付けられた第2クランクアームと、前記クランク軸の前記第2端部と前記第2クランクアームの前記基端部とを弾性的に連結する弾性連結部材と、前記第2クランクアーム側の前記ペダルを乗員が踏み込む動作に同期して前記第2クランクアームの前記クランク軸に対する相対回転を阻止するストッパーと、を有し、前記第2クランクアーム側の前記ペダルに踏力が加わるときには、前記相対回転が前記ストッパーによって阻止されて、前記第1クランクアームと前記第2クランクアームとの回転位相差が前記ストッパーによって逆位相にそのまま維持され、前記第1クランクアーム側の前記ペダルに踏力が加わるときに、前記第2クランクアーム側の前記ペダルに一定以上の荷重が加わると、前記第2クランクアームが、前記第1クランクアームに対して前記クランク軸まわりに相対回転し、当該相対回転に伴って弾性変形した前記弾性連結部材の復元力の作用により、もとの回転位相差になる位置まで復帰するように構成されていることを特徴とする。
また、前記弾性連結部材は、帯状をしたばね材が渦巻状に巻回されてなり、内端部が前記クランク軸の前記第2端部に止着され、当該内端部とは反対側の外端部が前記第2クランクアームの前記基端部に係止された渦巻ばねを含むことを特徴とする。
また、乗員が立ち乗り姿勢で前記ペダルに体重をかけると、前記第1クランクアーム、前記第2クランクアームの各々が上下に揺動することを特徴とする。
さらに、本発明に係る自転車は、上記構成を有する自転車用緩衝装置がボトムブラケット部分に装着されていることを特徴とする。
上記構成を有する自転車用緩衝装置および自転車によれば、第2クランクアーム側のペダルに一定以上の荷重が加わると、第2クランクアームが、第1クランクアームに対してクランク軸まわりに相対回転し、当該相対回転に伴って弾性変形した弾性連結部材の復元力の作用により、もとの回転位相差になる位置まで復帰するように構成されているため、自転車を運転する乗員が立ち乗り姿勢をとると、この動きによって、路面からの衝撃を緩和することができる。この緩衝装置は、従来公知の自転車のクランク機構を利用したものであり、片側のクランクアームをクランク軸に弾性連結部材を介して弾性的に連結した至ってシンプルな構成になっている。
第1実施形態に係る自転車の側面図である。 第1実施形態に係る自転車用緩衝装置の左後方から見た分解斜視図である。 上記緩衝装置の右後方から見た分解斜視図である。 上記緩衝装置の左後方から見た斜視図である。 (a)は上記緩衝装置の平面図、(b)はA−A線に沿って切断した切断面の部分拡大図である。 上記緩衝装置が駆動装置の構成部品として機能する動きを示す概略説明図である。 (a)は上記緩衝装置が作動するときの状態を示す平面図、(b)はA−A線に沿って切断した切断面の部分拡大図である。 上記緩衝装置の動きを示す概略説明図である。 第2実施形態に係る自転車用緩衝装置の部分拡大断面図である。
以下、本発明に係る自転車用緩衝装置(以下、単に「緩衝装置」という。)および自転車それぞれの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態に係る自転車100の基本的な構成は、一般的な自転車と同じである。すなわち、自転車100は、いわゆる「ダイヤモンド形」と呼ばれる形状に区分されるフレーム102を有する。フレーム102には、ハンドル104、サドル106、前輪108、後輪110のほか、不図示のフロントブレーキ、リアブレーキといった通常の自転車走行に必要な各種構成部品が取り付けられている。
また、フレーム102には、乗員の踏力を駆動輪である後輪110に伝達する駆動装置112が取り付けられている。駆動装置112は、フロントスプロケット114、多段式リアスプロケット116、これらの両スプロケット114,116の間に掛け渡されたチェーン118を含む。
上記構成を有する自転車100は、フレーム102下部に設けられたボトムブラケット12(図2)部分に、第1実施形態に係る緩衝装置10が装着されている。本実施形態において、緩衝装置10は、上記した駆動装置112の構成部品の一部としての役割も兼ねている。以下、この緩衝装置10について、図2〜図8を適宜参照しながら詳細に説明する。
図2および図3に示すように、緩衝装置10は、いわゆるカートリッジ式のボトムブラケット12を有する。ボトムブラケット12は、構成部品にクランク軸14を含む。このクランク軸14は、円筒形状をしたユニット本体16の両端側にそれぞれ設けられたベアリング(不図示)を介して、ユニット本体16に軸支されている。クランク軸14の第1端部である右側端部14R、第1端部とは反対側の第2端部である左側端部14Lの各々は、テーパの付いた角軸になっており、それぞれの軸端面にはネジ穴14H1,14H2が開設されている。クランク軸14を軸支したユニット本体16は、シェル102A内に固定される。
クランク軸14の右側端部14Rには、第1クランクアームである右クランクアーム18が取り付けられる。右クランクアーム18の先端部18Aには、ペダル20が軸支されている。右クランクアーム18の先端部18Aとは反対側の基端部18Bには、ボスが設けられている。このボスには、クランク軸14の右側端部14Rに形成された角軸部分に対応するテーパ付きの角穴(不図示)と座繰り穴18Cが形成されている。この角穴にクランク軸14の角軸部分が嵌合した状態で、ネジ穴14H1にボルト(不図示)が締め込まれる。これにより、右クランクアーム18は、くさび効果で、クランク軸14に相対回転不能に固定され、クランク軸14と一体になって回転するように構成されている。
なお、図示を省略しているが、右クランクアーム18の上記ボスには、フロントスプロケット114がクランク軸14の回転軸心Cと同軸上に固定される。
また、クランク軸14の左側端部14Lには、第2クランクアームである左クランクアーム22が、回転位相が上記した右クランクアーム18とは逆位相になるように、すなわち、右クランクアーム18との回転位相差が180°になるように取り付けられる。左クランクアーム22の先端部22Aには、右クランクアーム18と同様、ペダル24が軸支されている。
一方、左クランクアーム22の先端部22Aとは反対側の基端部22Bは、上記した右クランクアーム18の構成とは異なる。具体的には、左クランクアーム22の基端部22Bは、渦巻ばね28を収納するハウジング26になっている。そのため、クランク軸14に対する左クランクアーム22の取り付けの態様は、右クランクアーム18とは異なるものとなる。
ハウジング26は、シェル102A側にある側壁部26A、側壁部26Aの周縁部分から水平方向に延出した周壁部26Bによって囲まれた空間を有し、周壁部26Bの側壁部26Aとは反対側の端縁部分は円形に開口している。側壁部26Aには、円形の貫通孔26Cが開設されている。この貫通孔26Cには、クランク軸14の左側端部14Lに形成された角軸部分が緩挿される。また、周壁部26Bの内周面には、係止爪26Dと突片26Eからなる係止部が設けられている。係止爪26Dは、周壁部26Bの内周面から前記空間側に向けて、自転車100の走行時に左クランクアーム22が回転する方向に突出している。突片26Eは、係止爪26Dの先端部との間に隙間をあけて、周壁部26Bの内周面から前記空間側に向けて突設されている。
ハウジング26の空間内に収納される渦巻ばね28は、帯状をしたばね材28Aが渦巻状に巻回されてなるものである。この渦巻ばね28の内端部には、ばね材28Aの巻回中心側に屈曲したフック28Bが形成されている。また、渦巻ばね28の外端部にも、フック28Bとは反対の向き(巻回中心とは反対側)に屈曲したフック28Cが形成されている。渦巻ばね28は、係止爪26Dにフック28Cを係止した状態で、その巻回方向を左クランクアーム22の回転方向に向けた姿勢でハウジング26内部に組み込まれる。
ハウジング26の開口部には、カバー部材30が取り付けられる。カバー部材30は、ハウジング26の開口部を覆う、円板状のカバー部30Aを含む。カバー部30Aの中心には、ボルト32の軸部32Aが挿通される挿通孔30Bが開設されている。また、カバー部30Aの中央には、ボス部30Cが突設されている。ボス部30Cは、その側周面の一部が開口した嵌合溝30Dを有する。この嵌合溝30Dには、前記側周面の開口端部30Eに渦巻ばね28のフック28Bを係止した状態で、クランク軸14の左側端部14Lに形成された角軸部分が嵌合される。なお、図2、図3には現れていないが、カバー部30Aには、ボス部30Cに対してカバー部30Aの径方向に間隔をあけて、棒状のストッパー30F(図5(b))が突設されている。
図4および図5(a)には、クランク軸14の左側端部14Lに、左クランクアーム22の基端部22Bが取り付けられた状態の緩衝装置10が示されている。このとき、ネジ穴14H2にボルト32が締め込まれることで、ハウジング26内部では、図5(b)に示すように、ボス部30Cの開口端部30Eに係止されたフック28Bの一部がクランク軸14の角軸部分と開口端部30Eとに挟持された状態で、渦巻ばね28の内端部がクランク軸14の左側端部14Lに止着されている。一方、渦巻ばね28の外端部は、係止爪26Dと突片26Eの間の隙間をスライドしてフック28Cが係止爪26Dに係止された状態で、基端部22B側の係止部に固定されている。また、突片26Eのフック28Cがある側とは反対側は、カバー部材30のストッパー30Fに当接した状態になっている。
クランク軸14の左側端部14Lに上記した態様で取り付けられた左クランクアーム22は、図5(b)に示す状態から時計方向に回転する向きには、クランク軸14に対して相対回転可能であるが、反時計方向に回転する向きには、クランク軸14に対する相対回転がストッパー30Fによって阻止される。このように、左クランクアーム22は、クランク軸14の左側端部14Lに、弾性連結部材である渦巻ばね28を介して弾性的に連結され、クランク軸14に対して一方向にのみ相対回転可能な構成になっている。
次に、緩衝装置10の動作について説明する。はじめに、緩衝装置10が駆動装置112の構成部品の一部として機能するときの動作について、図5、図6を参照しながら説明する。
既述したように、クランク軸14に対する右クランクアーム18の取り付けの態様は、ごく一般的なものである。したがって、自転車100を運転する乗員の踏力が右側のペダル20に加わると、当然、右クランクアーム18はクランク軸14まわりに回転する。
一方、クランク軸14に対する左クランクアーム22の取り付けの態様は、ごく一般的なものとは異なる。しかしながら、図6(a)に示すように、左側のペダル24に踏力Fが加わるとき、左クランクアーム22は反時計方向に回転しようとするため、クランク軸14に対する相対回転がストッパー30Fによって阻止される。その結果、図6(b)に示すように、左クランクアーム22も、上記した右クランクアーム18と同様、クランク軸14まわりに回転する。
そして、左右のペダル24,20各々に対して踏力が交互に加わることにより、右クランクアーム18と左クランクアーム22は、互いの回転位相差を180°に維持しながら連続的に回転することとなる。この左右のクランクアーム22,18の回転に伴って、乗員の踏力が、右クランクアーム18の基端部18Bに固定されたフロントスプロケット114、チェーン118、リアスプロケット116を含む動力伝達機構を介して後輪110まで伝達され、後輪110が回転駆動される。このように、緩衝装置10は、何ら不具合なく、駆動装置112の構成部品の一部として機能するのである。
続いて、緩衝装置10が作動するときの動きを、図7、図8を参照しながら説明する。自転車100の走行中、図7(a)、図8(a)に示すように、進行方向に向かって右側のペダル20が前側、左側のペダル22が後側にあり、左右のクランクアーム22,18が水平になった状態で、乗員が立ち乗り姿勢をとると、ペダル20,24の各々には、乗員の体重が加わることとなる。この状態で、段差や凹凸のある路面を走行すると、当該路面からの衝撃で、自転車100の車体には上向きの力が作用する。
このとき、左右のペダル24,20には、乗員の体重と共に、路面からの衝撃に伴う上向きの力に対する反力が、一定以上の大きさの荷重としてそれぞれ下向きに加わることとなる。この場合、左クランクアーム22は時計方向に回転しようとするため、ハウジング26内部(図7(b))では、突片26Eがストッパー30Fから離れようとする。突片26Eが動くと、外端部側のフック28Cにトルクが作用し、渦巻ばね28は弾性変形する。その結果、図8(b)に示すように、左クランクアーム22は、クランク軸14に対して相対回転すると同時に、右クランクアーム18に対してもクランク軸14まわりに相対回転した状態になる。また、右クランクアーム18も、水平姿勢(二点鎖線で示されている姿勢)から反時計方向へと回転する。この動きによって、緩衝装置10は、乗員が立ち乗り姿勢をとっているときに、路面からの衝撃を吸収し、乗員に伝わる衝撃を緩和するのである。そして、上記相対回転に伴って弾性変形した渦巻ばね28の復元力の作用により、左クランクアーム22は、右クランクアーム18との回転位相差が180°になるもとの位置まで復帰する。
このように、上記構成を有する本実施形態の緩衝装置10によれば、自転車100の進行方向に向かって右側のペダル20が前側、左側のペダル22が後側にあるときに、自転車100を運転する乗員が立ち乗り姿勢をとると、路面からの衝撃を吸収し、乗員に伝わる衝撃を緩和することができる。この緩衝装置10は、従来公知の自転車のクランク機構を利用したものであり、片側の左クランクアーム22をクランク軸14に渦巻ばね28を介して連結した至ってシンプルな構成になっている。
しかも、緩衝装置10は、従来公知のクランク機構に用いられる構成部品をそのまま利用できるため、例えば、車輪の径が小さく、走行する路面の影響を受けやすい小径車や、フレームの構造が複雑になりがちな折り畳み車などに対しても容易に組み込むことができる。さらに、既存の自転車に対しての装着も当然に可能である。
加えて、従来の可動式フレーム構造を採用したサスペンションホークやサスペンションフレームでは、フレームに組み込まれた緩衝装置が乗員の踏力の一部を吸収する「ペダリングロス」と呼ばれる難点が併存するが、緩衝装置10は、駆動装置112の構成部品の一部としても、何ら不具合なく機能するので、そういった難点を解消できるという利点も得られる。
<第2実施形態>
図9に示すように、第2実施形態に係る緩衝装置50は、ハウジング56内部に組み込まれる渦巻ばね28の向きが異なる以外は、基本的に、上記した第1実施形態に係る緩衝装置10と同じ構成である。よって、図9において、緩衝装置10と実質的に同じ構成には同じ符号を付して、その説明は必要に応じて言及するに止め、以下、相違する部分を中心に説明する。
緩衝装置50では、左クランクアーム52の基端部52Bが、上記した緩衝装置10と同様、ハウジング56になっている。ハウジング56の周壁部56Bの内周面には、係止爪56Dと突片56Eからなる係止部が設けられている。係止爪56Dは、周壁部56Bの内周面から空間側に突出した段部56Fから、自転車100の走行時に左クランクアーム22が回転する方向とは逆向きに突出している。突片56Eは、係止爪56Dの先端部との間に隙間をあけて、周壁部56Bの内周面から空間側に向けて突設されている。
ハウジング56内部の空間には、渦巻ばね28が、その巻回方向を左クランクアーム52の回転方向とは逆方向に向けた姿勢で組み込まれている。このとき、係止爪56Dが突出している段部56Fにストッパー60Fが当接した状態になるように、ボス部30Cに対するストッパー60Fの位置が変更されている。
このような構成であっても、左クランクアーム56は、図9(a)に示すように、ペダルに踏力が加わるときには、クランク軸14に対する相対回転がストッパー60Fによって阻止される。また、図9(b)に示すように、自転車の進行方向に向かって左側のペダル(不図示)が後側にあるときには、左クランクアーム52が、クランク軸14に対して相対回転可能となっている。
以上、本発明に係る自転車用緩衝装置および自転車を実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のように変形した形態で実施しても構わない。
<変形例>
(1)上記実施形態では、左クランクアーム22,52の基端部22B,52Bにハウジング26,56を設け、このハウジング26,56内部に渦巻ばね28が組み込まれる構成であったが、これとは逆に、右クランクアーム18側に渦巻ばねを組み込む構成であっても構わない。また、左右両側のクランクアームに渦巻ばねを組み込むこととしても構わない。要は、少なくとも片側のクランクアームが、渦巻ばねを介してクランク軸に連結されていればよい。
特に、左右両側のクランクアームに渦巻ばねを組み込むと、左右のペダルの前後関係を問わず、緩衝装置として機能するようになる。すなわち、自転車の進行方向に向かって左側のペダルが後側にあるときは、左クランクアームがクランク軸に対して相対回転可能となり、右側のペダルが後側にあるときは、右クランクアームがクランク軸に対して相対回転可能となるのである。
(2)上記実施形態では、クランク軸14の左右両端部14L,14Rが、ネジ穴14H1,14H2付の角軸になっているが、このネジ穴14H1,14H2がボルトになっているタイプのクランク軸を用いても構わない。このほか、スプライン嵌合を採用したクランク軸であってもよい。この場合において、スプライン形状としては、例えば、角形スプライン、インボリュートスプライン、インボリュートセレーションといった公知のものを採用することが可能である。
(3)上記実施形態では、クランク軸14を含むカートリッジ式のボトムブラケット12を用いたが、従来公知のいわゆる「カップアンドコーン式」のボトムブラケットに適用することとしても当然構わない。
(4)上記実施形態および変形例では、クランクアーム自体に渦巻ばねを組み込むことを前提としているが、渦巻ばねは、必ずしもクランクアームに組み込む必要はない。例えば、上記実施形態における、ハウジング26部分、渦巻ばね28、カバー部材30を、クランクアームとは独立した別体のユニットとした形態で実施しても構わない。
この場合、カバー部材30のカバー部30Aをシェル102A側に配置し、カバー部30Aの中心には、嵌合溝30Dと同じ形状の貫通孔が開設される。また、ハウジング26に相当する部材は、側壁部26Aに、円形の貫通孔26Cに変えて、クランク軸14の角軸に相当する部分を設けるようにすればよい。
(5)上記実施形態および変形例では、弾性連結部材として渦巻ばねを用いたが、これに限らず、他の部材を用いることとしても構わない。例えば、弾性連結部材は、線材が巻回されてなるトーションばね(キックばね)であってもよいし、ゴム材を利用したものであってもよい。要は、クランクアームとクランク軸とを、上記したような動きを実現できるように弾性的に連結できる部材であればよいのである。また、左右のクランクアームでばねとゴム材を併用しても構わない。
<その他の応用例>
上記した緩衝装置10は、路面からの衝撃を吸収し、乗員に伝わる衝撃を緩和するための用途のみならず、別の用途にも応用できる。例えば、乗員が立ち乗り姿勢で左右のペダル24,20に意図的に体重をかけると、図7(b)に破線で示すように、左右のクランクアーム22,18の各々は、路面からの衝撃を吸収するときよりも大きく、弾性的に上下に揺動する。この場合、右クランクアーム18に対する左クランクアーム22の相対回転量が多くなる分、渦巻ばね28の反発力も大きくなる。これを利用すると、例えば、自転車100に乗ったままで車輪を浮かせてジャンプする新たな遊具としての用途にも応用することができるほか、ジャンプの距離を競うような新たな自転車競技を生み出す可能性もある。このように、緩衝装置10は、従来から親しまれる自転車という乗り物の新たな楽しみ方を広げるツールとなり得る。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
10,50 緩衝装置
12 ボトムブラケット
14 クランク軸
18 右クランクアーム
20 ペダル
22,52 左クランクアーム
24 ペダル
28 渦巻ばね
100 自転車

Claims (4)

  1. 自転車のボトムブラケット内に軸支されるクランク軸と、
    先端部にペダルが設けられ、当該先端部とは反対側の基端部が前記クランク軸の第1端部に取り付けられた第1クランクアームと、
    先端部にペダルが設けられ、回転位相が前記第1クランクアームとは逆位相になるように、当該先端部とは反対側の基端部が前記クランク軸の前記第1端部とは反対側の第2端部に取り付けられた第2クランクアームと、
    前記クランク軸の前記第2端部と前記第2クランクアームの前記基端部とを弾性的に連結する弾性連結部材と、
    前記第2クランクアーム側の前記ペダルを乗員が踏み込む動作に同期して前記第2クランクアームの前記クランク軸に対する相対回転を阻止するストッパーと、
    を有し、
    前記第2クランクアーム側の前記ペダルに踏力が加わるときには、前記相対回転が前記ストッパーによって阻止されて、前記第1クランクアームと前記第2クランクアームとの回転位相差が前記ストッパーによって逆位相にそのまま維持され、
    前記第1クランクアーム側の前記ペダルに踏力が加わるときに、前記第2クランクアーム側の前記ペダルに一定以上の荷重が加わると、前記第2クランクアームが、前記第1クランクアームに対して前記クランク軸まわりに相対回転し、当該相対回転に伴って弾性変形した前記弾性連結部材の復元力の作用により、もとの回転位相差になる位置まで復帰するように構成されていることを特徴とする自転車用緩衝装置。
  2. 前記弾性連結部材は、帯状をしたばね材が渦巻状に巻回されてなり、内端部が前記クランク軸の前記第2端部に止着され、当該内端部とは反対側の外端部が前記第2クランクアームの前記基端部に係止された渦巻ばねを含むことを特徴とする請求項1に記載の自転車用緩衝装置。
  3. 前記乗員が立ち乗り姿勢で前記ペダルに体重をかけると、前記第1クランクアーム、前記第2クランクアームの各々が上下に揺動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自転車用緩衝装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自転車用緩衝装置がボトムブラケット部分に装着されていることを特徴とする自転車。
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