JP6370458B1 - 鉛フリーはんだ合金、及び、電子回路基板 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明の鉛フリーはんだ合金及びにこの鉛フリーはんだ合金を用いて形成されるはんだ接合部を有する電子回路基板に関する実施形態について具体的に説明する。明細書全文に表わされている実施形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金は、Agを3質量%以上3.8質量%以下と、Cuを0.5質量%以上0.7質量%以下と、Sbを1.5質量%以上2.5質量%以下と、Biを3質量%より多く4質量%以下と、Coを0.05質量%以上0.08質量%以下と、を含有し、残部がSnからなるものである。または、鉛フリーはんだ合金は、Agを3質量%以上3.8質量%以下と、Cuを0.5質量%以上0.7質量%以下と、Sbを1.5質量%以上2.5質量%以下と、Biを3質量%より多く4質量%以下と、Coを0.05質量%以上0.08質量%以下と、Geを0.001質量%以上0.05質量%以下と、を含有し、残部がSnからなるものである。
本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金は、3質量%以上3.8質量%以下のAgを含有する。Agを添加することにより、鉛フリーはんだ合金のSn粒界中に金属間化合物であるAg3Snを析出させ、機械的強度を付与することができる。
本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金は、0.5質量%以上0.7質量%以下のCuを含有する。この範囲でCuを添加することにより、電子回路のCuランドに対するCu食われ防止効果を発揮させることができる。また、この範囲でCuを添加することにより、Sn粒界中に金属間化合物であるCu6Sn5を析出させることで鉛フリーはんだ合金の耐熱衝撃性を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金は、1.5質量%以上2.5質量%以下のSbを含有する。この範囲でSbを添加することにより、Sn−Ag−Cu系はんだ合金の延伸性を阻害することなく、はんだ合金の接合強度を向上させ、亀裂の発生を抑制し及び亀裂の進展を抑制することができる。
本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金は、3質量%より多く4質量%以下のBiを含有する。この範囲でBiを添加することにより、Sn−Ag−Cu系はんだ合金の延伸性を阻害することなく、はんだ接合部における亀裂の発生を抑制し及び亀裂の進展を抑制させることができる。また、本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金の構成であれば、3質量%より多く4質量%以下の範囲でBiを添加することにより、鉛フリーはんだ合金の延伸性に影響を及ぼすことなく鉛フリーはんだ合金の強度を向上させると共に、Sb添加により上昇した溶融温度を低下させることができる。また、BiもSbと同様にSnマトリックス中へ固溶するため、鉛フリーはんだ合金を更に強化することができる。
本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金は、0.05質量%以上0.08質量%以下のCoを含有する。本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだを用いてNi/Pd/Auめっきがなされていない電極(下面電極構造も含む)を有する電子部品をはんだ接合する場合、Coを添加することで、Coがはんだ接合時に電子部品の電極とはんだ接合部の界面付近に移動して微細な(Cu,Co)6Sn5を形成する。そのため、電子部品の電極とはんだ接合部の界面付近おけるCu3Sn層の成長が抑制される。これにより、電子部品の電極とはんだ接合部の界面付近の亀裂の発生を抑制し及び亀裂の進展を抑制させることができる。
更に、本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金には、0.001質量%以上0.05質量%以下のGeを含有させることができる。Geを添加することにより、鉛フリーはんだ合金の酸化を抑制することができる。但し、Geの含有量が0.05質量%を超えるとはんだ付け性を阻害するため好ましくない。
(Snの含有量)
図1は、本発明の実施形態1に係る鉛フリーはんだ合金を用いて形成されるはんだ接合部を有する電子回路基板の概略断面図である。電子回路基板100は、基板1と、鉛フリーはんだ合金2と、電子部品3とを有する。なお、電子回路基板100の構成は、基本的な構成であり、基板1と、鉛フリーはんだ合金2と、電子部品3とに限定されるものではなく、例えば、絶縁層、めっき層が形成されていてもよく、複数の電子部品が搭載されていてもよい。
各はんだ合金で作製した試験基板を低温−40℃、高温+125℃、保持時間30分の条件に設定した熱衝撃試験装置に入槽し、初期値ならびに1500サイクル後に試験装置から取り出し、1206チップ抵抗器及びSOT−223のせん断強さ、44ピンQFPのリードプル強さを引張試験機(株式会社島津製作所製オートグラフ(登録商標)AG−IS)を用いて測定した。
◎:減少率15%未満
○:減少率15%以上−25%未満
△:減少率25%以上−35%未満
×:減少率35%以上
実施例および比較例に係る各鉛フリーはんだ合金について、示差走査熱量測定装置を用いて液相線温度を測定した。なお、測定条件は、昇温速度を常温から150℃までは10℃/min、150℃から250℃までは2℃/minとし、そのサンプル量を10mgとした。
表1の実施例1、2及び比較例3、4は、鉛フリーはんだ合金において、Agの含有量を変化させ、他の成分の含有量をほぼ下限値(Cuを0.5質量%、Sbを1.5質量%、Biを3.1質量%、Coを0.05質量%)に固定したものである。Agの含有量が下限値である3.0質量%(実施例1)又はAgの含有量が上限値である3.8質量%(実施例2)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Agの含有量が下限値外である2.9質量%(比較例3)又はAgの含有量が上限値外である3.9質量%(比較例4)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表1の実施例5、6及び比較例7、8は、鉛フリーはんだ合金において、Cuの含有量を変化させ、他の成分の含有量をほぼ下限値(Agを3.0質量%、Sbを1.5質量%、Biを3.1質量%、Coを0.05質量%)に固定したものである。Cuの含有量が下限値である0.5質量%(実施例5)及びCuの含有量が上限値である0.7質量%(実施例6)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Cuの含有量が下限値外である0.4質量%(比較例7)及びCuが含有量の上限値外である0.8質量%(比較例8)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表1の実施例9、10及び比較例11、12は、鉛フリーはんだ合金において、Sbの含有量を変化させ、他の成分の含有量をほぼ下限値(Agを3.0質量%、Cuを0.5質量%、Biを3.1質量%、Coを0.05質量%)に固定したものである。Sbの含有量が下限値である1.5質量%(実施例9)又はSbの含有量が上限値である2.5質量%(実施例10)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Sbの含有量が下限値外である1.4質量%(比較例11)又はSbの含有量が上限値外である2.6質量%(比較例12)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表1の実施例13、14及び比較例15、16は、鉛フリーはんだ合金において、Biの含有量を変化させ、他の成分の含有量をほぼ下限値(Agを3.0質量%、Cuを0.5質量%、Sbを1.5質量%、Coを0.05質量%)に固定したものである。Biの含有量がほぼ下限値である3.1質量%(実施例13)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。Biの含有量が上限値である4.0質量%(実施例14)の場合、チップ抵抗せん断強さ及びSOTせん断強さは、減少率15%以上−25%未満であり、QFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Biの含有量が下限値外である3.0質量%(比較例15)又はBiの含有量が上限値外である4.1質量%(比較例16)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表1の実施例17、18及び比較例19、20は、鉛フリーはんだ合金において、Coの含有量を変化させ、他の成分の含有量をほぼ下限値(Agを3.0質量%、Cuを0.5質量%、Sbを1.5質量%、Biを3.1質量%)に固定したものである。Coの含有量が下限値である0.05質量%(実施例17)又はCoの含有量が上限値である0.08質量%(実施例18)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Coの含有量が下限値外である0.04質量%(比較例19)又はCoの含有量が上限値外である0.09質量%(比較例20)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表1の実施例21、22、23及び比較例24、25は、鉛フリーはんだ合金において、Geの含有量を変化させ、他の成分の含有量をほぼ下限値(Agを3.0質量%、Cuを0.5質量%、Sbを1.5質量%、Biを3.1質量%、Coを0.05質量%)に固定したものである。Geの含有量が下限値である0.001質量%(実施例21)、Geの含有量が範囲内の値である0.01質量%(実施例22)、Geの含有量が上限値である0.05質量%(実施例23)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、全て減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、特に熱衝撃耐性に優れている。一方、Geの含有量が下限値外である0.0008質量%(比較例24)又はGeの含有量が上限値外である0.06質量%(比較例25)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。Geの成分を含む場合は、実施例21、22、23の割合の成分を含む鉛フリーはんだ合金、比較例24、25の割合の成分を含む鉛フリーはんだ合金のいずれにおいても熱衝撃耐性に優れているが、実施例の場合(Geを0.001質量%以上0.05質量%以下)の方が、チップ抵抗せん断強さの評価がよく、より熱衝撃耐性に優れている。
表2の実施例26、27及び比較例28、29は、鉛フリーはんだ合金において、Agの含有量を変化させ、他の成分の含有量を上限値(Cuを0.7質量%、Sbを2.5質量%、Biを4.0質量%、Coを0.08質量%)に固定したものである。Agの含有量が下限値である3.0質量%(実施例26)又はAgの含有量が上限値である3.8質量%(実施例27)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Agの含有量が下限値外である2.9質量%(比較例28)又はAgの含有量が上限値外である3.9質量%(比較例29)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表2の実施例30、31及び比較例32、33は、鉛フリーはんだ合金において、Cuの含有量を変化させ、他の成分の含有量を上限値(Agを3.8質量%、Sbを2.5質量%、Biを4.0質量%、Coを0.08質量%)に固定したものである。Cuの含有量が下限値である0.5質量%(実施例30)及びCuの含有量が上限値である0.7質量%(実施例31)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Cuの含有量が下限値外である0.4質量%(比較例32)及びCuが含有量の上限値外である0.8質量%(比較例33)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表2の実施例34、35及び比較例36、37は、鉛フリーはんだ合金において、Sbの含有量を変化させ、他の成分の含有量を上限値(Agを3.8質量%、Cuを0.7質量%、Biを4.0質量%、Coを0.08質量%)に固定したものである。Sbの含有量が下限値である1.5質量%(実施例34)又はSbの含有量が上限値である2.5質量%(実施例35)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Sbの含有量が下限値外である1.4質量%(比較例36)又はSbの含有量が上限値外である2.6質量%(比較例37)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表2の実施例38、39及び比較例40、41は、鉛フリーはんだ合金において、Biの含有量を変化させ、他の成分の含有量を上限値(Agを3.8質量%、Cuを0.7質量%、Sbを2.5質量%、Coを0.08質量%)に固定したものである。Biの含有量がほぼ下限値である3.1質量%(実施例38)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。Biの含有量が上限値である4.0質量%(実施例39)の場合、チップ抵抗せん断強さ及びSOTせん断強さは、減少率15%以上−25%未満であり、QFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Biの含有量が下限値外である3.0質量%(比較例40)又はBiの含有量が上限値外である4.1質量%(比較例41)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表2の実施例42、43及び比較例44、45は、鉛フリーはんだ合金において、Coの含有量を変化させ、他の成分の含有量を上限値(Agを3.8質量%、Cuを0.7質量%、Sbを2.5質量%、Biを4.0質量%)に固定したものである。Coの含有量が下限値である0.05質量%(実施例42)又はCoの含有量が上限値である0.08質量%(実施例43)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Coの含有量が下限値外である0.04質量%(比較例44)又はCoの含有量が上限値外である0.09質量%(比較例45)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表2の実施例46、47、48及び比較例49、50は、鉛フリーはんだ合金において、Geの含有量を変化させ、他の成分の含有量を上限値(Agを3.8質量%、Cuを0.7質量%、Sbを2.5質量%、Biを4.0質量%、Coを0.08質量%)に固定したものである。Geの含有量が下限値である0.001質量%(実施例46)、Geの含有量が範囲内の値である0.01質量%(実施例47)、Geの含有量が上限値である0.05質量%(実施例48)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、全て減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、特に熱衝撃耐性に優れている。一方、Geの含有量が下限値外である0.0008質量%(比較例49)又はGeの含有量が上限値外である0.06質量%(比較例50)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。Geの成分を含む場合は、実施例46、47、48の割合の成分を含む鉛フリーはんだ合金、比較例49、50の割合の成分を含む鉛フリーはんだ合金のいずれにおいても熱衝撃耐性に優れているが、実施例の場合(Geを0.001質量%以上0.05質量%以下)の方が、チップ抵抗せん断強さの評価がよく、より熱衝撃耐性に優れている。
表3の実施例51、52及び比較例53、54は、鉛フリーはんだ合金において、Agの含有量を変化させ、他の成分の含有量を中間値(Cuを0.6質量%、Sbを2.0質量%、Biを3.5質量%、Coを0.65質量%)に固定したものである。Agの含有量が下限値である3.0質量%(実施例51)又はAgの含有量が上限値である3.8質量%(実施例52)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ、QFPリードプル強さは、いずれも減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、特に熱衝撃耐性に優れている。一方、Agの含有量が下限値外である2.9質量%(比較例53)又はAgの含有量が上限値外である3.9質量%(比較例54)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表3の実施例55、56及び比較例57、58は、鉛フリーはんだ合金において、Cuの含有量を変化させ、他の成分の含有量を中間値(Agを3.65質量%、Sbを2.0質量%、Biを3.5質量%、Coを0.065質量%)に固定したものである。Cuの含有量が下限値である0.5質量%(実施例55)及びCuの含有量が上限値である0.7質量%(実施例56)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ、QFPリードプル強さは、いずれも減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、特に熱衝撃耐性に優れている。一方、Cuの含有量が下限値外である0.4質量%(比較例57)及びCuが含有量の上限値外である0.8質量%(比較例58)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表3の実施例59、60及び比較例61、62は、鉛フリーはんだ合金において、Sbの含有量を変化させ、他の成分の含有量を中間値(Agを3.65質量%、Cuを0.6質量%、Biを3.5質量%、Coを0.065質量%)に固定したものである。Sbの含有量が下限値である1.5質量%(実施例59)又はSbの含有量が上限値である2.5質量%(実施例60)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ、QFPリードプル強さは、いずれも減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、特に熱衝撃耐性に優れている。一方、Sbの含有量が下限値外である1.4質量%(比較例61)又はSbの含有量が上限値外である2.6質量%(比較例62)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表3の実施例63、64及び比較例65、66は、鉛フリーはんだ合金において、Biの含有量を変化させ、他の成分の含有量を中間値(Agを3.65質量%、Cuを0.6質量%、Sbを2.0質量%、Coを0.065質量%)に固定したものである。Biの含有量がほぼ下限値である3.1質量%(実施例63)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ、QFPリードプル強さは、いずれも減少率15%未満である。Biの含有量が上限値である4.0質量%(実施例64)の場合、チップ抵抗せん断強さは、減少率15%以上−25%未満であり、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、熱衝撃耐性に優れている。一方、Biの含有量が下限値外である3.0質量%(比較例65)又はBiの含有量が上限値外である4.1質量%(比較例66)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表3の実施例67、68及び比較例69、70は、鉛フリーはんだ合金において、Coの含有量を変化させ、他の成分の含有量を中間値(Agを3.65質量%、Cuを0.6質量%、Sbを2.0質量%、Biを3.5質量%)に固定したものである。Coの含有量が下限値である0.05質量%(実施例67)又はCoの含有量が上限値である0.08質量%(実施例68)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ、QFPリードプル強さは、いずれも減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、特に熱衝撃耐性に優れている。一方、Coの含有量が下限値外である0.04質量%(比較例69)又はCoの含有量が上限値外である0.09質量%(比較例70)の場合、チップ抵抗せん断強さは減少率35%以上であり、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、実施例と比較して熱衝撃耐性に優れていない。
表3の実施例71、72、73及び比較例74、75は、鉛フリーはんだ合金において、Geの含有量を変化させ、他の成分の含有量を中間値(Agを3.65質量%、Cuを0.6質量%、Sbを2.0質量%、Biを3.5質量%、Coを0.065質量%)に固定したものである。Geの含有量が下限値である0.001質量%(実施例71)、Geの含有量が範囲内の値である0.01質量%(実施例72)、Geの含有量が上限値である0.05質量%(実施例73)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ及びQFPリードプル強さは、全て減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、特に熱衝撃耐性に優れている。一方、Geの含有量が下限値外である0.0008質量%(比較例74)又はGeの含有量が上限値外である0.06質量%(比較例75)の場合、チップ抵抗せん断強さ、SOTせん断強さ、QFPリードプル強さは、全て減少率15%未満である。したがって、当該成分を含む鉛フリーはんだ合金は、特に熱衝撃耐性に優れている。Geの成分を含む場合は、実施例71、72、73の割合の成分を含む鉛フリーはんだ合金、比較例74、75の割合の成分を含む鉛フリーはんだ合金のいずれにおいても熱衝撃耐性に優れている。
Claims (3)
- Agを3質量%以上3.8質量%以下と、Cuを0.5質量%以上0.7質量%以下と、Sbを1.5質量%以上2.5質量%以下と、Biを3.1質量%または4.0質量%と、Coを0.05質量%以上0.08質量%以下と、を含有し、残部がSnからなる鉛フリーはんだ合金。
- Agを3質量%以上3.8質量%以下と、Cuを0.5質量%以上0.7質量%以下と、Sbを1.5質量%以上2.5質量%以下と、Biを3.1質量%または4.0質量%と、Coを0.05質量%以上0.08質量%以下と、Geを0.001質量%以上0.05質量%以下と、を含有し、残部がSnからなる鉛フリーはんだ合金。
- 請求項1又は請求項2に記載の鉛フリーはんだ合金を用いて形成されるはんだ接合部を有する電子回路基板。
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