JP6370021B2 - 脱気複合中空糸膜及び中空糸膜モジュール - Google Patents
脱気複合中空糸膜及び中空糸膜モジュール Download PDFInfo
- Publication number
- JP6370021B2 JP6370021B2 JP2012080260A JP2012080260A JP6370021B2 JP 6370021 B2 JP6370021 B2 JP 6370021B2 JP 2012080260 A JP2012080260 A JP 2012080260A JP 2012080260 A JP2012080260 A JP 2012080260A JP 6370021 B2 JP6370021 B2 JP 6370021B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow fiber
- fiber membrane
- layer
- composite hollow
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
中空糸膜モジュールは、数百〜数万本の中空糸膜の束を整束し、その中空糸膜束を例えば筒状の形状のハウジングケース内に収納して、その端部をポッティング材(樹脂)で接着固定した構成を有する。前記接着固定方法としては、特に樹脂の充填率が高くなることから、遠心力を利用して液状の未硬化樹脂を中空糸膜間に浸透させた後に硬化させる遠心法が多く用いられる。中空糸膜モジュールにおけるポッティング材としては、耐溶剤性の観点からエポキシ樹脂が用いられている。
中空糸膜がポッティング近傍でハウジングケースに接触すると、ハウジングケースの内壁と中空糸膜との間で、毛細管現象によりポッティング材が中空糸膜の長さ方向中央部に向かって這い上がることがある。これにより形成される樹脂這い上がり部では、中空糸膜がハウジングケースに接着されるため、この部分でもポッティング材の硬化時に前記と同様の剥離が引き起こされてリークに繋がることがあった。
気体透過膜では、ポリ−4−メチル−1−ペンテンを主成分とする結晶性熱可塑性樹脂を中空糸状に溶融押出した後、延伸することにより得られる中空糸膜において、中空糸膜が外表面にのみ面積開孔率が3%以下で結晶化度が55%以上の緻密層を有し、且つ膜内部に多孔質層を有するものが例示されている(特許文献1)。
気体透過膜はその特有の構造から、ポッティング部(封止樹脂層)近傍に、対象液の送液による送液方向への圧力と、中空糸膜外部の減圧による減圧方向への引力とが加わり、その繰り返し応力変動によりポッティング部近傍で破損することが見られる。
その非多孔質層がポッティング樹脂の含浸を阻止するためにポッティング界面付近のアンカー効果が十分に発揮できないという問題があった。
特許文献3の複合中空糸膜には、膜の内表面側に非多孔質層を配する例が開示されている。ポッティング樹脂のアンカー効果は期待されるが、溶融延伸法の製膜時において内層側に非晶性のポリマーを配すると、非結晶性ポリマーの方が多孔質層を形成する結晶性ポリマーに比べ熱変形温度が低いために膜の変形などを招き、非多孔質層の膜厚を制御することが難しく、リークなどを発生する問題を有していた。また三層構造に於いてもモジュールの耐久性の検知から気体分離層をどこに配置するかについては十分に検討されていなかった。
本発明は、気体透過性に優れ、運用時の圧力変動などによる影響を受けにくく安定した脱気性能を得ることができる脱気複合中空糸膜及びその製造方法、並びに前記中空糸膜を含む中空糸膜モジュールを提供することを課題とするものである。
気体を透過する非多孔質の均質層と、該均質層を支持する多孔質支持層とを有する複合中空糸膜において、前記複合中空糸膜を同心円筒状の3層以上の構造とし、前記均質層を、最内面から膜厚方向に膜厚に対して1/10〜1/4の領域に配置することにより、気体透過性に優れ、運用時の圧力変動などによる影響を受けにくく安定した脱気性能を得ることができた。
すなわち、本発明は以下を提供する。
[1]気体を透過する非多孔質の均質層と、該均質層を支持する多孔質支持層とを有する3層以上からなる同心円筒状の複合中空糸膜であって、前記均質層が、膜厚方向に内側から膜厚の1/10〜1/4の領域に配置されていることを特徴とする脱気複合中空糸膜。
[2]均質層の厚さが0.5〜10μmであることを特徴とする[1]記載の脱気複合中空糸膜。
[3]中空糸膜外径が100〜2000μmであることを特徴とする[1]または[2]記載の脱気複合中空糸膜。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか一に記載の脱気複合中空糸膜を具備する中空糸膜モジュール。
[5]前記脱気複合中空糸膜束がハウジングケース内に収納されており、前記脱気複合中空糸膜束の少なくとも両先端部がポッティング樹脂により前記ハウジングケースに接着固定された構成を有する[4]記載の中空糸膜モジュール。
本発明の脱気複合中空糸膜(以下、「本複合中空糸膜」ともいう。)は、気体を透過する非多孔質の均質層と、該均質層を支持する多孔質支持層とを有する3層以上の層からなる複合中空糸膜である。
以下、均質層に含まれるポリマーを「ポリマーA」、多孔質支持層に含まれるポリマーを「ポリマーB」という。
本発明の特徴は、3層以上からなる同心円筒状の複合中空糸膜における気体透過能を有する非多孔質均質層(分離層)の位置を、中空糸膜の最内面から膜厚方向に中空糸膜厚d1の1/10〜1/4の範囲内に配置することである。本明細書において「均質層の位置」とは、中空糸の最内面から、非多孔質均質層の前記最内面に最も近い端面までの距離を意味する(図1のd2)。均質層の位置が、中空糸膜の内側から膜厚方向に1/10〜1/4の範囲内にあるとは、(中空糸最内面から非多孔質均質層の最内面に最も近い端面までの距離d2):(中空糸膜厚d1)が1;10〜1:4であることを意味する。
モジュールに加工した際には、膜の外周方向からポッティング樹脂が含浸しアンカー効果を生じる。非多孔質均質層は非多孔質構造なのでポッティング樹脂がそれより内側に含浸していくことはなく、ポッティング樹脂に包埋されている領域が多いほどポッティング部近傍における圧力変動に伴う屈曲などによる膜の破損を防止することができる。また、非多孔質均質層の内側の多孔質支持層の位置を膜厚の1/10以下の領域にすると、多孔質支持層ポリマーを多孔化するための延伸工程において非多孔質均質層ポリマーが溶着している内層の多孔質支持層ポリマーに引きずられて欠陥を生じる為に好ましくない。
1/4以上の領域にするとポッティング樹脂の包埋領域が少なくなり屈曲などの影響を受けて破損するため好ましくない。
本明細書において「気体を透過する」あるいは「気体透過性」とは、液体などを透過することなく気体のみを透過する特性、例えば水は透過しないが、水蒸気は透過する膜を意味する。
本明細書において「非多孔質」とは、実質的に孔径がマイクロメートルオーダーの孔が無く内部が樹脂で詰まった中実の状態を意味する。
このような均質層としては、後述するポリマーAを主成分とする層であることが好ましい。ポリマーAを主成分とする層とは、ポリマーAの含有量が90質量%以上の層である。ポリマーAを主成分とする層におけるポリマーAの含有量は、95質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
ポリマーAとしては、オレフィンモノマーを主体として得た重合体が挙げられる。オレフィンモノマーのみを用いて得た重合体であってもよいし、オレフィンモノマーと他のモノマーの共重合体であってもよいし、それらの変性樹脂であってもよい。
本発明におけるオレフィンブロック共重合体において、エチレン単位含有量は、好ましくは25〜97モル%、より好ましくは40〜96モル%、さらにより好ましくは55〜95モル%である。
本発明におけるオレフィンブロック共重合体において、メルトフローレート(JIS K7210、190℃、2.16kg)は、0.1〜1.0g/10分であることが好ましく、0.3〜1.0g/10分であることが更に好ましい。前記範囲にあれば気体透過性及び剛性に優れた複合中空糸膜が得られるからである。
その具体例としては、オレフィンブロックコポリマー(OBC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、リアクターTPO、軟質ポリメチルペンテン等が挙げられる。
前記均質層の厚さとは、本複合中空糸膜が複数の均質層を有する場合は、そのそれぞれの均質層の厚さである。
多孔質支持層は、前記均質層を支持する多孔質層である。
本明細書において「多孔質」であるとは、0.01〜1μm程度の平均径を有する細孔が、少なくとも20体積%の空孔率をもつことをいう。
ポリマーBは、ポリエチレンあるいは、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど多孔質を形成可能で、均質層を形成するポリマーと相溶性があるようなポリマーであれば特に限定されない。
また、多孔質支持層には、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、着色剤、難燃化剤等の添加物が添加されていてもよい。
多孔質支持層の細孔の大きさは、特に限定されず、充分な気体透過性と機械的強度が満足される大きさであればよい。
前記多孔質支持層の厚さとは、本複合中空糸膜が複数の多孔質支持層を有する場合は、そのそれぞれの多孔質支持層の厚さである。
本発明の複合中空糸膜は、多層複合紡糸工程と延伸多孔質化工程により得ることができる。
中空糸膜を構成する複合膜の1つの形態としては、気体透過性能を有する支持層が多孔質支持層で挟まれた同心円筒状の3層複合膜構造である。
1)紡糸工程:例えば、3層構造の本複合中空糸膜であれば、最外層ノズル部、中間層ノズル部及び最内層ノズル部が、同心円状に配された複合ノズル口金を用いる。最外層ノズル部及び最内層ノズル部には、溶融状態のポリマーBを供給し、中間層ノズル部には、溶融状態のポリマーAを供給する。そして、それら各ノズル部からポリマーA及びポリマーBを押し出し、押出速度と巻取速度を適宜調節しつつ未延伸状態で冷却固化する。これにより、未延伸の均質層前駆体が、非多孔質状態である2つの未延伸の多孔質支持層前駆体に挟まれた3層構造を有する中空糸膜前駆体が得られる。
2)延伸工程:溶融紡糸して得た未延伸の中空糸膜前駆体は、延伸前に前記融点以下で定長熱処理(アニール処理)することが好ましい。
定長熱処理は、ポリマーBがポリエチレンであれば105〜120℃で、ポリプロピレンであれば130〜150℃、ポリメチルペンテンであれば150℃〜180℃で、処理時間は8〜16時間、行うことが好ましい。
所定の温度で熱処理することで、延伸時の安定性が向上し、高倍率での延伸が容易になる。また、処理時間が8時間以上であれば、品質の良好な本中空糸膜が得られやすい。
(i)延伸温度T(℃)と、ポリマーAの融点Tm(℃)との関係が、Tm−20≦T≦Tm+40である。
(ii)延伸温度Tが、ポリマーBのビカット軟化点以下である。
延伸温度Tが、Tm−20(℃)以上であれば、多孔質支持層前駆体の多孔質化が容易になり、優れた気体透過性を有する本複合中空糸膜が得られやすい。延伸温度TがTm+40(℃)以下であれば、分子に乱れが生じてピンホール等の欠陥が生じることを抑制しやすい。
また、延伸温度TがポリマーBのビカット軟化点以下であれば、多孔質支持層前駆体の多孔質化が容易になり、優れた気体透過性を有する本複合中空糸膜が得られやすい。
冷延伸は、比較的低い温度下で膜の構造破壊を起させ、ミクロなクラッキングを発生させる延伸である。冷延伸の温度は、0℃から、Tm−20℃よりも低い温度までの範囲内の比較的低温下で行うことが好ましい。
延伸は、低速延伸が好ましい。低速延伸であれば、延伸時に糸径が細くなりすぎることを抑制しつつ多孔質化することが容易になる。
さらに、前記延伸により得られた中空糸膜の寸法安定性を向上させるため、該多孔質中空糸膜を定長下、又は、40%以下の範囲内で少し弛緩させた状態で熱セットを行うことが好ましい。
熱セットを効果的に行うためには、熱セット温度は延伸温度以上、融点温度以下であることが好ましい。
本発明の中空糸膜モジュールは、前述した本複合中空糸膜を具備するモジュールである。本発明の中空糸膜モジュールは、本複合中空糸膜を用いる以外は、公知の中空糸膜モジュールと同様の形態が用いられる。例えば、本複合中空糸膜を数百本束ねて筒状のハウジングに挿入し、それら本複合中空糸膜を封止材(ポッティング用樹脂)で封止した公知の形態の中空糸膜モジュールが挙げられる。ハウジングの形態は、筒状、箱状、コの字型形状など、様々な形状が知られており、これらの公知のハウジングを本発明の中空糸膜モジュールに使用することができる。
より具体的には、中空糸膜モジュールは、本複合中空糸膜束を、例えば筒状のハウジングケース内に収納して、その少なくとも両先端部をポッティング材(樹脂)で接着固定した構成を有することが好ましい。
これにより、ポッティング部は、ケースの内側である一次側領域と二次側領域とを分離することを可能としている。ポッティング部の材質としては、耐溶剤性や耐水性(膨潤の低減)などの観点から、エポキシ樹脂を使用することが好ましい。また樹脂量も多くなるため反応温度が高くなり、亀裂や容器との剥離が発生しやすくなる。硬化剤としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、有機酸無水物系および変性アミン等が使用できるが、中でも脂肪族ポリアミンが好ましく使用できる。
また、反応の進行を抑えるために反応遅延剤を添加してもかまわない。使用する接着剤の粘度としては、封止部への注入性を損なわない粘度である。ポッティング樹脂が膜内の空隙部に浸透することによりアンカー効果が発現し、接着力が強化される。脱気用中空糸膜モジュールは高充填率であることが望ましいので、一般的には遠心法が用いられる。遠心法では回転数により遠心力も変化するため、静置法に比べて高粘度でも膜束内に浸透していく。具体的な粘度としては100〜2,000mPa・sが好ましい。硬化時間としては、48時間以内の硬化が好ましく、さらに24時間以内に硬化できるものが生産効率上より好ましい。
中空糸膜の充填率、すなわち中空糸膜横断面の外輪郭面積の合計が、ハウジングケース内壁の横断面積に占める割合として定義される中空糸膜の充填率は、40〜70%の範囲にするのが良い。中空糸膜の充填率は、40%よりも低すぎるとハウジングケース内で膜の屈曲を引き起こし、また70%を越えて高すぎると膜の扁平を引き起こすので好ましくない。
ポッティング部においては、充填率が40〜70%の範囲内にあっても中空糸膜の偏りが有ることは好ましくなく、発熱を抑える意味からも均等に膜を配置することが好ましい。
(Tmの測定)
DSC(セイコー電子工業製)を用い、約5mgの試料を200℃で5分間融解後、40℃まで10℃/minの速度で降温して結晶化した後に、更に10℃/minで200℃まで昇温して融解した時の融解ピーク温度及び融解終了温度で評価した。
ポリエチレンのMFRについては、JIS K7210のコードD(測定温度:190℃、荷重:2.16kg)に準拠してMFRD(単位:g/10分)を測定した。
密度(単位:kg/m3)は、JIS K7112に準拠して測定した。
得られたポリエチレン複合中空糸膜の空孔率(単位:体積%)は、水銀ポロシメーター221型(カルロエルバ社製)を用いて測定した。
得られたポリエチレン複合中空糸膜をU字型に束ねて中空糸膜の端部をウレタン樹脂で固め、中空糸膜モジュールを作製した。複合中空糸膜の外側から酸素又は窒素を供給し、中空糸膜の内側(中空部分側)を常圧として、25℃における酸素透過速度(QO2)(単位:m/時間・MPa)及び窒素透過速度(QN2)(単位:m/時間・MPa)を測定した。なお、膜面積は、中空糸膜の内径を基に算出した。そして、測定した酸素透過速度(QO2)及び窒素透過速度(QN2)から、分離係数(QO2/QN2)を求めた。
本試験は、前記各中空糸膜モジュールについて、そのポッティング部の一方の端面側を閉塞し、真空ポートより吸引しながら、原水供給ラインに対象液を供給すると共に断続的に水圧を加えた際のポッティング部の割れ、ポッティング部とハウジングケースとの界面の剥離の発生の有無、及び割れ若しくは剥離によりリークを生じた時の水圧付加回数を測定した。
具体的には、実施例及び比較例で得られた中空糸膜モジュールを25℃の恒温槽内に配置した後、これをポンプアップし、0.1[MPa]で中空糸膜モジュールの内側に通液しながら、ついで中空糸膜の外側(2次側)を−100kPaまで減圧し続け、送液については1サイクル:10sec送液/10sec停止の周期で繰り返した。
三層複合ノズルの最内層及び最外層(いずれも多孔質支持体層)に供給するポリマーとして、高密度ポリエチレン(商品名サンテックHD B161、MFR1.35g/10min、密度0.963g/cm3、融点130℃)を用いた。またこのノズルの均質層(分離層)に供給するポリマー素材としては、メタロセン系触媒により製造された低密度ポリエチレン(商品名「Harmolex NF324A 」、日本ポリエチ社製、MFR:1.0g/10分、密度:0.906g/cm3、融点Tm:120℃、Mw/Mn=3.0)を用いた。
最外層ノズル部、中間層ノズル部及び最内層ノズル部が、同心円状に配された複合ノズル口金を用いた。最外層ノズル部及び最内層ノズル部に溶融状態のポリマーBを供給し、中間層ノズル部に溶融状態のポリマーAを供給し、最外層からポリマーA/ポリマーB/ポリマーAを12/1/2の吐出比率になるように吐出した。これらを用い、吐出口温度200℃、巻取り速度120m/minで溶融紡糸した。
この未延伸中空糸を108℃、10hrにおよぶアニール処理をした。次いで、23±2℃で1.60倍延伸し、引き続き105℃の加熱炉中で5.8倍の延伸を行った上で、100℃の加熱炉中で0.45倍の緩和工程を実施し、最終的に総延伸倍率が4倍になるように成形して総延伸量が4倍になるまで熱延伸を行い、複合中空糸膜を得た。この多層複合中空糸膜は、均質膜(非多孔質薄膜)が二つの多孔質支持層で挟まれた三層構造であった。
三層複合中空糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(20℃)で酸素透過速度(QO2)は0.103m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.036m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は2.8であった。
中空糸膜モジュールは、繰り返し耐圧試験におけるサイクル200000回においてもリークが生じなかった。
実施例1と吐出量比を最外層からポリマーA/ポリマーB/ポリマーAで12/1/3になるように供給して他は、実施例1と同様に実施した。
このようにして得られた複合中空糸膜の膜性能を評価した結果、中空糸膜全体の空孔率は66.5体積%、内径163μm、膜総厚48μm、均質層の膜厚2μm、膜最外層から支持層36μm/均質層2μm/支持層10μmの配置となっていた(均質層の位置:中空糸膜の内側から中空糸膜厚方向に10/48)。
三層複合中空糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(20℃)で酸素透過速度(QO2)は0.110m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.039m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は2.8であった。
中空糸膜モジュールは、繰り返し耐圧試験におけるサイクル200000回においてもリークが生じなかった。
実施例1と吐出量比を最外層からポリマーA/ポリマーB/ポリマーAで6/1/6になるように供給して他は、実施例1と同様に実施した。
このようにして得られた複合中空糸膜の膜性能を評価した結果、中空糸膜全体の空孔率は66体積%、内径160μm、膜総厚48μm、均質層の膜厚2μm、膜最外層から支持層24μm/均質層2μm/支持層22μmの配置となっていた(均質層の位置:中空糸膜の内側から中空糸膜厚方向に22/48)。
三層複合中空糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(20℃)で酸素透過速度(QO2)は0.10m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.035m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は2.8であった。
中空糸膜モジュールは、繰り返し耐圧試験におけるサイクル140000回においてリークを生じた。
実施例1と吐出量比を最外層からポリマーA/ポリマーB/ポリマーAで2/1/12になるように供給して他は、実施例1と同様に実施した。
このようにして得られた複合中空糸膜の膜性能を評価した結果、中空糸膜全体の空孔率は65体積%、内径161μm、膜総厚49μm、均質層の膜厚2μm、膜最外層から支持層6μm/均質層2μm/支持層41μmの配置となっていた(均質層の位置:中空糸膜の内側から中空糸膜厚方向に41/49)。
三層複合中空糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(20℃)で酸素透過速度(QO2)は0.10m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.035m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は2.8であった。
中空糸膜モジュールは、繰り返し耐圧試験におけるサイクル80000回においてリークを生じた。
2層ノズルを用いて、最外層に均質層を配するように実施例1とポリマーの組み合わせを同じにして、吐出量比を最外層からポリマーB/ポリマーAで1/14になるように供給して他は、実施例1と同様に実施した。
このようにして得られた複合中空糸膜の膜性能を評価した結果、中空糸膜全体の空孔率は66体積%、内径159μm、膜総厚50μm、均質層の膜厚2μm、膜最外層から均質層2μm//支持層48μmの配置となっていた(均質層の位置:中空糸膜の内側から中空糸膜厚方向に48/50)。
三層複合中空糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(20℃)で酸素透過速度(QO2)は0.18m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.09m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は2.0であった。
均質層を最外層に持ってきたことにより延伸工程での傷などにより均質層ポリマー本来の分離係数を維持できなかった。
2層ノズルを用いて、最内層に均質層を配するように実施例1とポリマーの組み合わせを同じにして、実施例1と吐出量比を最外層からポリマーA/ポリマーBで12/1になるように供給して他は、実施例1と同様に実施した。
このようにして得られた複合中空糸膜の膜性能を評価した結果、中空糸膜全体の空孔率は66体積%、内径160μm、膜総厚49μm、均質層の膜厚2μm、膜最外層から支持層47μm/均質層2μmの配置となっていた(均質層の位置:中空糸膜の内側から中空糸膜厚方向に2/49)。
三層複合中空糸膜の空気透過速度を測定したところ、室温(20℃)で酸素透過速度(QO2)は0.20m/hr・Mpa、窒素透過速度(QN2)は0.18m/hr・Mpaであり、分離係数(QO2/QN2)は1.2であった。均質層を内層に持ってきたことにより、内層まで不可逆変化が起こり多孔化したため均質層に欠陥を生じた。
2:非多孔質均質層
3:多孔質支持層(外層)
d1:中空糸膜厚さ
d2:中空糸膜最内面から非多孔質均質層までの距離
Claims (7)
- 気体を透過する非多孔質均質層と、該均質層を支持する多孔質支持層とからなる3層構造の同心円筒状の複合中空糸膜であって、
前記均質層が中間層に配置され、前記多孔質支持層が最外層と最内層に配置され、
前記多孔質支持層の最外層の厚さが、10〜200μmであり、前記多孔質支持層の最内層の厚さが、6〜70μmであり、
前記多孔質支持層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリメチルペンテンを含み、
前記均質層が、最内面から膜厚方向に1/10〜1/4の領域に配置されており、
前記均質層の厚さが0.5〜10μmであり、
前記均質層が、オレフィンブロックコポリマー、低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレンを除く)、直鎖状低密度ポリエチレン、又は直鎖状超低密度ポリエチレンを含む、
ことを特徴とする脱気複合中空糸膜。 - 前記多孔質支持層の最内層の厚さが6〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の脱気複合中空糸膜。
- 中空糸膜外径が100〜2000μmであることを特徴とする請求項1または2記載の脱気複合中空糸膜。
- 中空糸膜の内部から外部に脱気するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱気複合中空糸膜。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱気複合中空糸膜を具備する中空糸膜モジュール。
- 前記脱気複合中空糸膜束がハウジングケース内に収納されており、前記脱気複合中空糸膜束の少なくとも両先端部がポッティング樹脂により前記ハウジングケースに接着固定された構成を有する請求項5記載の中空糸膜モジュール。
- ポッティング樹脂がエポキシ樹脂である請求項6記載の中空糸膜モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012080260A JP6370021B2 (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | 脱気複合中空糸膜及び中空糸膜モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012080260A JP6370021B2 (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | 脱気複合中空糸膜及び中空糸膜モジュール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013208544A JP2013208544A (ja) | 2013-10-10 |
JP6370021B2 true JP6370021B2 (ja) | 2018-08-08 |
Family
ID=49526958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012080260A Active JP6370021B2 (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | 脱気複合中空糸膜及び中空糸膜モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6370021B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016051647A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 中空糸膜モジュール及びその製造方法 |
JP6688127B2 (ja) * | 2016-03-30 | 2020-04-28 | 旭化成株式会社 | 中空糸膜モジュール及びその製造方法 |
WO2018003774A1 (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-04 | Dic株式会社 | 中空糸膜モジュールおよびその製造方法、それらに用いるエポキシ樹脂 |
CN118751067A (zh) * | 2019-06-28 | 2024-10-11 | Dic株式会社 | 中空纤维脱气组件、喷墨打印机和液体的脱气方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2858262B2 (ja) * | 1989-11-28 | 1999-02-17 | 三菱レイヨン株式会社 | 溶存ガスの除去方法 |
JPH11253768A (ja) * | 1998-03-13 | 1999-09-21 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 複合化中空糸膜およびその製造方法 |
-
2012
- 2012-03-30 JP JP2012080260A patent/JP6370021B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013208544A (ja) | 2013-10-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6347398B2 (ja) | 複合中空糸膜及び中空糸膜モジュール | |
KR101151189B1 (ko) | 기체 분리막 | |
JP6370021B2 (ja) | 脱気複合中空糸膜及び中空糸膜モジュール | |
CN106659978B (zh) | 复合中空纤维膜组件及其制造方法 | |
KR20160078358A (ko) | 분리막 엘리먼트 | |
US9694313B2 (en) | Composite hollow fiber membrane and hollow fiber membrane module | |
KR20130064813A (ko) | 폴리올레핀 복합 중공사막 및 그 제조 방법, 그리고 중공사막 모듈 | |
JP5500765B2 (ja) | 脱気用複合中空糸膜及びその製造方法 | |
JP5393971B2 (ja) | 脱気用複合中空糸膜 | |
KR20160116466A (ko) | 세미 열유도 상분리법을 이용한 기체분리용 비대칭 중공사막의 제조방법 및 그에 의하여 제조된 기체분리용 비대칭 중공사막 | |
KR20160108392A (ko) | 분리막, 시트 유로재 및 분리막 엘리먼트 | |
WO2005032700A1 (ja) | フッ化ビニリデン系樹脂多孔質中空糸およびその製造方法 | |
JP2015016400A (ja) | 中空糸膜及び脱気用中空糸膜モジュール | |
CN102527241B (zh) | 气体分离膜组件及气体分离方法 | |
CN106794432B (zh) | 中空纤维膜和中空纤维膜组件 | |
US20210178327A1 (en) | Forward Osmosis Membrane and Membrane Module Including Same | |
JP5657852B2 (ja) | 中空糸膜モジュール及びその製造方法 | |
JPH09262406A (ja) | 作動油の脱気方法 | |
JP2015029923A (ja) | 脱気用中空糸膜及び脱気用中空糸膜モジュール | |
Uenishi et al. | Gas-permeable composite hollow-fiber membrane with a three-layered structure | |
WO2022239333A1 (ja) | 給気モジュール | |
KR20200006784A (ko) | 대칭형 플렉서블 폴리페닐렌설파이드 중공사 조성물, 이를 이용한 대칭형 플렉서블 폴리페닐렌설파이드 중공사막 및 이를 이용한 대칭형 플렉서블 폴리페닐렌설파이드 중공사막의 제조방법 | |
JP2014104445A (ja) | 中空糸膜の製造方法 | |
US20230256394A1 (en) | Hollow fiber membrane module for cross-flow filtration and operation method thereof | |
JP7476462B2 (ja) | 脱気用中空糸膜モジュールの製造方法及び脱気用中空糸膜モジュール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150318 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160127 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160328 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160801 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161024 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20161102 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20170106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171006 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180315 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180710 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6370021 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |