JP6369399B2 - センサ出力補正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されているセンサの検出値を補正するセンサ出力補正装置に関する。
従来、車両には、ヨーレートセンサや、舵角センサ、加速度センサ等といった種々のセンサが搭載されている。これらのセンサの検出値は、種々の制御処理に利用されるため、検出値に含まれる誤差は0であることが好ましい。
しかしながら、実際には、経年劣化や温度特性、初期ズレなどにより、センサの出力値の中心値(つまりゼロ点)が、設計上の中心値(つまり0)からずれた状態となり、検出値に、ゼロ点のずれに起因する誤差が含まれるようになる。そのような問題に対し、センサのゼロ点のずれ量を推定し、その推定したずれ量に基づいてセンサの検出値を補正して用いる構成が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、車両のドアが開かれてから閉じられるまでの間の加速度センサの検出値に基づいて、加速度センサのゼロ点のずれ量に対応する補正値を算出し、加速度センサの検出値から補正値を差し引いて用いる構成が開示されている。
特開2010−107244号公報
特許文献1に開示の方法では、車両のドアが開かれてから閉じられるまでの間のセンサの検出値が、補正値を算出するための基準として用いられる。しかしながら、イグニッション電源がオンとなっている間に車両のドアが開かれる状況とは、例えば出発時や駐車時等といった限定的な状況である。
そのため、特許文献1の方法では、補正値を算出するための基準として用いられるセンサ検出値を収集できる機会が少なく、それに伴って、補正値を算出及び更新する頻度も少なくなってしまう。
また、センサのゼロ点は、前述の通り、センサ周辺の温度に応じて変化するため、センサのゼロ点は、走行中においても動的に変化しうる。したがって、特許文献1の構成では補正値を更新する機会が少ないため、ゼロ点補正に用いられる補正値が、実際のずれ量から乖離した値となりやすい。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、ゼロ点補正に用いられる補正値が、実際のゼロ点のずれ量から乖離してしまうことを抑制できるセンサ出力補正装置を提供することにある。
その目的を達成するための第1の発明は、車両に搭載されてあって、車両に作用する所定の物理状態量を検出するセンサの検出値を逐次取得する検出値取得部(F1)と、車両が走行している道路である走行路の曲率を取得する曲率取得部(F3)と、車両が停車中であるか走行中であるかを判定する停車判定部(F2)と、曲率取得部が取得している曲率が、走行路を直線状の道路と近似することができる所定の近似閾値以下となっている場合に検出値取得部によって取得されたセンサの検出値に基づいて、センサの現在のゼロ点に相当する値であるゼロ点相当値を特定するとともに、停車判定部によって車両は停車していると判定されている場合には検出値取得部によって取得された検出値に基づいてゼロ点相当値を逐次特定するゼロ点特定部(F5)と、ゼロ点特定部が特定したゼロ点相当値を用いて、センサの検出値から当該センサに生じているゼロ点のずれに由来する誤差を除去するための補正値を決定する補正値決定部(F6)と、を備え、ゼロ点特定部は、検出値取得部によって取得された検出値に基づいて、ゼロ点相当値を逐次特定し、補正値決定部は、曲率取得部が取得している曲率が近似閾値以下となっている道路を車両が走行している間に取得された検出値を母集団として特定された最新のゼロ点相当値である走行時特定値と、停車中に取得された検出値に基づいてゼロ点特定部が特定した最新のゼロ点相当値である停車時特定値とを重み付け加算することで補正値を算出するものであって、停車時特定値を特定してからの経過時間が長い程、重み付け加算において停車時特定値に付与する重みを小さくし、かつ、走行時特定値に付与する重みを大きくすることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための第2の発明は、車両に搭載されてあって、車両に作用する所定の物理状態量を検出するセンサの検出値を逐次取得する検出値取得部(F1)と、車両の前方又は後方を撮影する車載カメラの撮影画像に対して画像認識処理を施すことで得られる、道路上に設けられた区画線の曲率を、車両が走行している道路である走行路の曲率として取得する曲率取得部(F3)と、車両が停車中であるか走行中であるかを判定する停車判定部(F2)と、曲率取得部が取得している曲率が、走行路を直線状の道路と近似することができる所定の近似閾値以下となっている場合に検出値取得部によって取得されたセンサの検出値に基づいて、センサの現在のゼロ点に相当する値であるゼロ点相当値を特定するとともに、停車判定部によって車両は停車していると判定されている間に検出値取得部によって取得された検出値に基づいてゼロ点相当値を逐次特定するゼロ点特定部(F5)と、ゼロ点特定部が特定したゼロ点相当値に対する信頼度を評価する信頼度評価部(F7)と、ゼロ点特定部が特定したゼロ点相当値を用いて、センサの検出値から当該センサに生じているゼロ点のずれに由来する誤差を除去するための補正値を決定する補正値決定部(F6)と、を備え、補正値決定部は、ゼロ点特定部が新たに特定したゼロ点相当値である新規特定値と、現在採用している補正値とを重み付け加算することで補正値を算出するものであって、新規特定値に対して信頼度評価部が評価した信頼度が高い程、重み付け加算において新規特定値に付与する重みを大きくし、信頼度評価部は、新規特定値が、停車中に取得された検出値に基づいてゼロ点特定部が特定したゼロ点相当値である停車時特定値である場合には、新規特定値が、曲率が近似閾値以下となっている道路を車両が走行している間に取得された検出値を母集団として特定されたゼロ点相当値である走行時特定値である場合よりも、新規特定値に対する信頼度を高くする一方、新規特定値が走行時特定値である場合には、画像認識処理によって認識できている区画線の認識距離が長いほど、新規特定値に対する信頼度を高く評価することを特徴とする。
以上の構成では、ゼロ点特定部は、センサの現在のゼロ点に相当するゼロ点相当値を、車両が直線状の道路を走行している間に取得した当該センサの検出値に基づいて特定する。そして、補正値決定部は、ゼロ点特定部が特定したゼロ点相当値を用いてゼロ点補正するための補正値を決定する。
以上の構成によれば、車両が走行中においても、現在のゼロ点のずれ量に対応する補正値を決定する事ができる。したがって、ゼロ点補正に用いられる補正値が、実際のゼロ点のずれ量から乖離してしまうことを抑制できる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態にかかる車載システム100の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 ECU1の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 RAM12の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 ヨーレートセンサ5の検出値と車両挙動との関係を説明するための概念図である。 第1実施形態のECU1が実施する走行中補正値決定処理に対応するフローチャートである。 第1実施形態の変形例におけるECU1が実施する停車中補正値決定処理に対応するフローチャートである。 第2実施形態におけるECU1が備える機能について説明するためのブロック図である。 第2実施形態のECU1が実施する補正値決定処理に対応するフローチャートである。 第3実施形態で用いられる重みβ(T)について説明するための概念図である。 第3実施形態のECU1が実施する補正値決定処理に対応するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本発明に係るセンサ出力補正装置としての機能を備えるECU(Electronic Control Unit)1を備える車載システム100の概略的な構成を示す図である。
本実施形態に係る車載システム100は、車両に搭載されてあって、図1に示すようにECU1に加えて、カメラ2、舵角センサ3、車速センサ4、ヨーレートセンサ5、加速度センサ6、位置検出器7、及びナビゲーション装置8を備えている。ECU1は、カメラ2、舵角センサ3、車速センサ4、ヨーレートセンサ5、加速度センサ6、位置検出器7、及びナビゲーション装置8のそれぞれと、車両内に構築されている通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。便宜上、この車載システム100が搭載されている車両を以降では自車両と称する。
カメラ2は、車室外の所定の範囲を撮影するように車両に搭載されているカメラであって、例えばCMOSカメラやCCDカメラ等の光学式カメラを用いて実現することができる。本実施形態においては一例としてカメラ2は、自車両前方の所定範囲を撮影する、いわゆる前方監視カメラとする。カメラ2は、例えばルームミラー付近等の、ウインドシールド上端部近傍に設置されていればよい。カメラ2が撮影した画像データは、逐次ECU1に提供される。なお、本実施形態ではカメラ2を前方監視カメラとするが、他の態様として自車両の後方を撮影範囲とするカメラ(いわゆる後方監視カメラ)であってもよい。カメラ2が請求項に記載の車載カメラに相当する。
舵角センサ3は、自車両の舵角を検知し、その検出した舵角に応じた舵角信号をECU1に逐次出力する。車速センサ4は、車両の走行速度を検出するセンサであって、その検出した走行速度に応じた車速信号をECU1に逐次出力する。
ヨーレートセンサ5は、自車両の上下方向軸回りの回転角速度(すなわちヨーレート)を検出するセンサであり、検出したヨーレートを示す信号をECU1に逐次出力する。ここでの上下方向とは、車両の前後方向及び車幅方向の何れとも直交する方向である。
加速度センサ6は、自車両に作用する加速度を検出するセンサであって、検出した加速度を示す信号をECU1に逐次出力する。なお、本実施形態において加速度センサ6は、車幅方向、車両前後方向、及び上下方向といった、互いに直交する3つの軸方向のそれぞれにおける加速度を検出する3軸加速度センサとする。もちろん、他の態様として加速度センサ6は、互いに直交する2つの軸方向の加速度を検出する加速度センサであってもよいし、1方向に作用する加速度を検出する1軸センサであってもよい。
位置検出器7は、GNSS(Global Navigation Satellite System)に用いられる受信機によって測位衛星から受信した信号をもとに、自車両の現在位置を検出する。位置検出器7は、ヨーレートセンサ5や加速度センサ6などの検出値を用いて、自車両の現在位置の検出結果を補完するデッドレコニング(Dead Reckoning)を行ってもよい。位置検出器7の検出結果、すなわち自車両の現在位置を示す位置情報は、逐次ECU1及びナビゲーション装置8に提供される。位置情報は例えば緯度及び経度によって表されればよい。
ナビゲーション装置8は、周知のナビゲーション装置と同様の機能を提供する。例えば、位置検出器7が検出する現在位置と、図示しない記憶装置に格納されている道路地図データ等に基づき、自車両周辺の地図画像をディスプレイに表示したり、ユーザによって設定された目的地までの走行経路を案内したりする。また、ナビゲーション装置8は、自車両の現在位置と道路地図データとから、自車両が現在走行している道路の種別や、車線数、道路形状(曲率や勾配)についての情報を取得できる構成となっている。
なお、ECU1に接続するデバイス(センサを含む)は、上述したものに限らない。ECU1は、シフトポジションを検出するシフトポジションセンサや、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサなどと接続されていても良い。
ECU1は、通常のコンピュータとして構成されており、CPU11や、主記憶装置(いわゆるメモリ)としてのRAM12、補助記憶装置(いわゆるストレージ)としてのフラッシュメモリ13、I/O、及びこれらを接続するバスラインなどを備えている。
フラッシュメモリ13には、通常のコンピュータを本実施形態に係るECU1として機能させるためのプログラムが格納されている。なお、このプログラムは、ECU1が備える非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage media)に格納されていればよく、具体的な記憶媒体は、フラッシュメモリでなくともよい。例えばROMであってもよい。
ECU1は、上記プログラムを実行することで実現される機能ブロックとして図2に示すように、車両情報取得部F1、停車判定部F2、走行路情報取得部F3、条件判定部F4、ゼロ点特定部F5、及び補正値決定部F6を備える。なお、上記機能ブロックのそれぞれは、1つ又は複数のICチップなどを用いてハードウェア的に実現されても良い。また、CPUが上記プログラムを実行するということは、上記プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。
RAM12は、その記憶領域の一部を用いて、図3に示すように後述する検出値記憶部M1、ゼロ点記憶部M2、補正値記憶部M3を提供する。なお、本実施形態において検出値記憶部M1、ゼロ点記憶部M2、及び補正値記憶部M3のそれぞれは、RAM12の記憶領域の一部を用いて実現する態様とするが、他の態様として、フラッシュメモリ13の記憶領域の一部を用いて実現してもよい。
車両情報取得部F1は、舵角センサ3の検出値θ、車速センサ4の検出値V、ヨーレートセンサ5の検出値Y、加速度センサの検出値Aを取得する。この車両情報取得部F1が請求項に記載の検出値取得部に相当する。以降では、これらの自車両の挙動を示す情報をまとめて車両情報と称する。なお、車両情報に含まれる情報の種別は上述したものに限らない。シフトポジションセンサが検出するシフトポジションの位置や、ブレーキペダルの踏込量、アクセルペダルの踏み込み量、方向指示レバーの接続状態などが含まれていても良い。
また、車両情報取得部F1は、後述する条件判定部F4によってサンプリング条件が充足していると判定している場合には、車載システム100が備える種々のセンサのうち、0点補正に用いる補正値を決定(及び更新)する処理の対象とするセンサ(補正対象センサとする)から提供される検出値を、最新のものから一定回数分、検出値記憶部M1に保存する。検出値記憶部M1に保存する検出値の個数は、補正値を算出するために必要とする数(=N)以上であればよい。
ここでのゼロ点補正とは、経年劣化や温度特性、初期ズレなどに起因して、ゼロ点が0からずれてしまっているセンサの検出値を、当該センサのゼロ点が0となっている状態での検出結果となるように補正して用いることである。或るセンサにとってのゼロ点とは、当該センサが検出対象とする物理状態量が当該センサに作用していない状況において、当該センサが出力する値である。通常、ゼロ点は0となるように設計される。
ゼロ点補正に用いられる補正値は、センサの検出値からゼロ点のずれに由来する誤差成分を除去するために用いられる。補正値は、センサのゼロ点が0からずれている量(以降、ずれ量)に対応するように決定される。
以降では一例として、ヨーレートセンサ5を補正対象センサとして、本実施形態の作動を説明する。
停車判定部F2は、車両情報取得部F1が取得した車両情報に基づいて、自車両が停車しているか否かを判定する。一例としてここでは、自車両の走行速度Vが、自車両が停車していると判定するための所定の停車閾値(例えば3km/h)以下となっている場合に、自車両が停車していると判定する。
なお、他の態様として停車判定部F2は、車両情報取得部F1が車両情報としてシフトポジションの位置を取得する場合には、シフトポジションが駐車位置になっていることに基づいて自車両が停車していると判定してもよい。また、サイドブレーキがオンとなっていることに基づいて自車両が停車していると判定してもよい。
また、停車判定部F2は、停車しているか否かの判定結果に基づいて、自車両が停車している状態(停車状態とする)から走行している状態(走行状態とする)へと遷移したこと、及び、走行状態から停車状態へと遷移したことを検出する。
走行路情報取得部F3は、自車両が現在走行している道路(走行路とする)についての情報である走行路情報を取得する。走行路情報に含まれる情報としては、例えば曲率Cや、勾配、幅員等が該当する。なお、走行路情報には、少なくとも曲率Cが含まれていればよく、勾配や幅員などは含まれていなくとも良い。曲率Cは、曲率半径R[m]の逆数によって表される(すなわち、C=1/R)。この走行路情報取得部F3が請求項に記載の曲率取得部に相当する。
走行路情報取得部F3が走行路情報を取得する方法は、適宜設計されれば良い。本実施形態では一例として、走行路情報取得部F3は、カメラ2から提供される画像データを解析することで、自車両前方に存在する道路に設けられている区画線を検出し、その検出した区画線の曲率を、走行路の曲率Cとして取得する。画像データから道路上の区画線を検出するための画像認識技術や、検出した白線から曲率を推定する技術については、例えば特開2013−196341号公報に開示されているように公知であるため、ここではその説明は省略する。
また、走行路情報取得部F3は、本実施形態のようにECU1とナビゲーション装置8とが接続している場合には、ナビゲーション装置8から走行路情報を取得してもよい。さらに、位置検出器7が逐次検出する現在位置を時系列順に並べて生成される走行軌跡から、走行路の曲率Cを推定してもよい。また、これらの方法を相補的に利用することで曲率Cを求めてもよいし、上記以外の方法で曲率Cを取得してもよい。
条件判定部F4は、車両情報取得部F1が取得している車両情報に基づき、所定のサンプリング条件が充足されているか否かを判定する。サンプリング条件は、補正対象センサ(ここではヨーレートセンサ5)の現在のゼロ点に相当する値(ゼロ点相当値とする)Yzを推定するために用いる検出値を収集する状況を規定する条件である。言い換えれば、サンプリング条件は、補正対象センサが、現在のゼロ点に相当する値を出力していると見なすことができる状況に対応する条件である。
本実施形態ではヨーレートセンサ5が補正対象センサであるため、サンプリング条件は、自車両にヨーレートが作用していないと見なすことができる条件とする。具体的には、サンプリング条件として、走行速度Vが所定の車速閾値Vth以上であること、舵角θが所定の舵角閾値θth未満であること、曲率Cが所定の曲率閾値Cth未満となっていること、の3つの条件(サブ条件とする)を定義する。そして、これらの3つのサブ条件の全てが充足されている場合に、サンプリング条件が充足されていると判定する。
なお、ここで用いる車速閾値Vthは、自車両が走行していると見なすことができる走行速度Vの下限を規定する閾値である。車速閾値Vthは、前述の停車閾値と同じ値となっていても良い。また、舵角閾値θthは、自車両が直進しようとしていると見なすことができる舵角θの上限を規定する閾値である。曲率閾値Cthは、走行路が直線状の道路(直線路とする)であると見なす(言い換えれば、近似する)ことができる曲率Cの上限を規定する閾値である。
したがって、上記サンプリング条件が充足される状況とは、自車両が、走行速度が車速閾値Vth以上、かつ、舵角θが舵角閾値θth未満となっている状態で、直線路を走行している状況である。なお、曲率閾値Cthが請求項に記載の近似閾値に相当する。
図4は、ヨーレートセンサ5の検出値と、走行路との関係を示した概念図であり、グラフの横軸は時間軸を、縦軸はヨーレートセンサ5の検出値を表している。時刻Taは、自車両がカーブを走行している状態から直線路を走行している状態へと移行した時点を表している。また、Yzは、現在のヨーレートセンサ5のゼロ点相当値を表している。ゼロ点相当値Yzは、ゼロ点のずれ量に相当する。
自車両がカーブを走行している場合には、図4に示すように自車両にヨーレートが作用するため、ヨーレートセンサ5現在のゼロ点相当値Yzに、自車両に作用するヨーレートに応じた値が加わった値が出力される。一方、直線路走行中においては、自車両にヨーレートが作用しにくいため、ヨーレートセンサ5の検出値は、現在のゼロ点に近い値となることが期待できる。
つまり、上述したサンプリング条件が充足されている状況においてヨーレートセンサ5から出力される検出値は、ヨーレートセンサ5の現在のゼロ点に相当する値と見なすことができる。なお、ヨーレートセンサ5の検出値がゼロ点に近い値となることが期待できる場合とは、直線路走行時だけではない。停車中におけるヨーレートセンサ5の検出値もまた、現在のゼロ点に近い値を出力していると期待できる。
ゼロ点特定部F5は、検出値記憶部M1に保存されている、補正対象センサ(ここではヨーレートセンサ5)の複数時点における検出値に基づいて、補正対象センサの現在のゼロ点相当値Yzを特定する。具体的には、サンプリング条件が充足されている間に収集されたN個の検出値を、ヨーレートセンサ5の現在のゼロ点相当値Yzを特定するための母集団として検出値記憶部M1から抽出し、当該母集団の平均値を、補正対象センサのゼロ点相当値Yzとする。ゼロ点特定部F5が特定したゼロ点相当値Yzは、ゼロ点記憶部M2に保存される。
なお、他の態様としてゼロ点特定部F5は、補正値Qを算出するための母集団(特定用母集団とする)を構成する検出値の平均値でなく、特定用母集団を構成する検出値を小さい順に並べた時の中央値を、ゼロ点相当値Yzと見なしてもよい。また、特定用母集団における最頻値をゼロ点相当値Yzと見なしてもよい。つまり、平均値に限らず、統計学において用いられている種々の代表値をゼロ点相当値Yzとして採用することができる。
補正値決定部F6は、ゼロ点特定部F5が特定したゼロ点相当値Yzに基づいて、補正値Qを決定する。本実施形態においては、ゼロ点特定部F5が特定したゼロ点相当値Yzを補正値Qとして採用し、補正値記憶部M3に保存する。その後、ECU1は、検出値Yから補正値Qを差し引いた値(補正検出値)Yqを、種々の制御処理に用いる。
補正値Qは、上述の通り、ヨーレートセンサ5のゼロ点相当値Yz、つまり、ゼロ点のずれ量に対応する値となっている。そのため、検出値Yから補正値Qを差し引いた補正検出値Yqは、ヨーレートセンサ5が本来検出するべき値、言い換えれば自車両に実際に作用しているヨーレートに相当する値となる。
次に、図5に示すフローチャートを用いて、ECU1が実施する、走行中におけるヨーレートセンサ5の検出値に基づいて、ヨーレートセンサ5に対する補正値Qを決定する処理(走行中補正値決定処理とする)について説明する。この図5に示すフローチャートは、イグニッション電源がオンとなった場合に開始されればよい。また、イグニッション電源がオンとなっている間において、走行中補正値決定処理が正常に終了した場合には、再び本処理が呼び出されて実行される。これにより、イグニッション電源がオンとなっている間は、この走行中補正値決定処理が逐次実行される。
まず、図5のステップS101では車両情報取得部F1が車両情報を取得するとともに、走行路情報取得部F3が走行路の曲率Cを取得してステップS102に移る。ステップS102では条件判定部F4が、走行速度Vが車速閾値Vth以上となっているか否かを判定する。走行速度Vが車速閾値Vth以上となっている場合には、ステップS102が肯定判定されてステップS103に移る。一方、走行速度Vが車速閾値Vth未満となっている場合には、ステップS102が否定判定されてステップS112に移る。
ステップS103では条件判定部F4が、舵角θが舵角閾値θth未満となっているか否かを判定する。舵角θが舵角閾値θth未満となっている場合には、ステップS103が肯定判定されてステップS104に移る。一方、舵角θが舵角閾値θth以上となっている場合には、ステップS103が否定判定されてステップS112に移る。
ステップS104では条件判定部F4が、曲率Cが所定の曲率閾値Cth未満となっているか否かを判定する。曲率Cが曲率閾値Cth未満となっている場合には、ステップS104が肯定判定されてステップS105に移る。一方、曲率Cが曲率閾値Cth以上となっている場合には、ステップS104が否定判定されてステップS112に移る。なお、ステップS102〜S104は、条件判定部F4が、サンプリング条件が充足されているか否かを判定する一連の処理に相当する。すなわち、ステップS104で肯定判定されてステップS105に移る場合とはサンプリング条件が充足している状況であることを意味している。
ステップS105では車両情報取得部F1が、ステップS101で取得したヨーレートセンサ5の検出値を検出値記憶部M1に保存してステップS106に移る。ステップS106ではゼロ点特定部F5が、検出値記憶部M1に保存されている検出値の数がN個以上となっているか否かを判定する。検出値記憶部M1に保存されている検出値の数がN個以上となっている場合には、ステップS106が肯定判定されてステップS107に移る。一方、検出値記憶部M1に保存されている検出値の数がN個未満である場合には、ステップS106が否定判定されてステップS101に戻り、ヨーレートセンサ5の検出値の収集を継続する。
ステップS107ではゼロ点特定部F5が、検出値記憶部M1に保存されている、最新N回分の検出値を、ヨーレートセンサ5の現在のゼロ点相当値Yzを特定するための母集団(つまり特定用母集団)として読み出し、その特定用母集団の変動幅σを算出する。ここでの変動幅σは、ヨーレートセンサ5の現在のゼロ点相当値Yzを特定するための検出値を収集している間において、ヨーレートセンサ5の検出値が安定していたか否かを判定するための指標値である。
ここでは一例として変動幅σは、特定用母集団を構成する検出値の最小値と最大値の差の絶対値とするが、これに限らない。他の態様として、特定用母集団の分散や、標準偏差を変動幅σとして採用しても良い。変動幅σが請求項に記載のばらつき度合いに相当する。このステップS107での処理が完了するとステップS108に移る。
ステップS108ではゼロ点特定部F5が、変動幅σが所定のばらつき閾値σth以下となっているか否かを判定する。変動幅σがばらつき閾値σth以下となっている場合には、ステップS108が肯定判定されてステップS109に移る。一方、変動幅σがばらつき閾値σthよりも大きい場合には、ステップS108が否定判定されてステップS112に移る。
ここで用いるばらつき閾値σthは、ヨーレートセンサ5の現在のゼロ点相当値Yzを特定するための検出値を収集している間において、ヨーレートセンサ5の検出値のばらつきが所定の許容範囲内に収まっていたか否かを判定するための閾値である。ヨーレートセンサ5の現在のゼロ点相当値Yzを特定するための検出値を収集している間において、ヨーレートセンサ5の挙動が安定した場合には、変動幅σはばらつき閾値σth以下となる。このような判定処理を走行中補正値決定処理に含ませることで、現在のゼロ点相当値Yzをより精度良く特定することができる。
ステップS109ではゼロ点特定部F5が、特定用母集団の平均値を算出する。そして、その算出された平均値を、ヨーレートセンサ5の現在のゼロ点相当値Yzとして採用し、ステップS110に移る。
ステップS110では補正値決定部F6が、現在採用されている補正値Qを決定する上で用いられた、補正値記憶部M3に保存されているゼロ点相当値Yzと、今回新たに特定したゼロ点相当値Yzの差の絶対値であるゼロ点変位量ΔYzを算出する。
そして補正値決定部F6は、算出したゼロ点変位量ΔYzが、所定の変位量閾値DYth以上となっているか否かを判定する。ゼロ点変位量ΔYzが変位量閾値DYth以上となっている場合には、ステップS110が肯定判定されてステップS111に移る。その際、今回新たに特定したゼロ点相当値Yzを、補正値Qを決定する上で用いられるゼロ点相当値としてゼロ点記憶部M2に保存する。一方、ゼロ点変位量ΔYzが変位量閾値DYth未満となっている場合には、ステップS110が否定判定されてステップS112に移る。所定の変位量閾値DYthが請求項に記載の誤差範囲の上限に相当する。なお、請求項に記載の誤差範囲の下限は0となる。
ステップS111では、ステップS109で特定されたゼロ点相当値Yzをヨーレートセンサ5に対する補正値Qに設定して本フローを終了する。また、ステップS112では、検出値記憶部M1に蓄積されている、ゼロ点相当値Yzを特定するための検出値を破棄してステップS101に戻る。
<第1実施形態のまとめ>
以上の構成によれば、ECU1は、サンプリング条件が充足されている間にヨーレートセンサ5からN回分の検出値を取得できた場合には(ステップS106 YES)、そのN回分の検出値に基づいて、補正値Qを、現在のゼロ点相当値Yzに対応する値に更新することができる。つまり、以上の構成によれば、走行中においても補正値Qを更新することができる。なお、サンプリング条件が充足されている状態とは、自車両が直線路を、走行速度が車速閾値Vth以上であって、かつ、舵角θが舵角閾値θth未満となっている状態で走行している状態を指す。
ところで、補正値を算出する別の構成(第1比較構成とする)としては、停車中に収集した検出値に基づいて補正値を算出及び更新する態様も考えられる。しかしながら、ゼロ点のずれ量は、ヨーレートセンサ5の周囲の温度に応じて変化する。そのため、停車中の検出値に基づいて補正値を更新したとしても、走行状態が継続している時間(走行継続時間)が長引くにつれて、停車中に算出された補正値が、実際のずれ量から乖離した値となってしまう場合がある。
このような課題に対し、以上の構成によれば、走行中においても補正値Qを更新することができるため、ゼロ点補正に用いられる補正値Qが、実際のゼロ点のずれ量から乖離してしまうことを抑制できる。
また、ヨーレートセンサに対する補正値を走行中に更新するための別の解決策としては、ヨーレートセンサを複数備えさせ、それら複数のヨーレートセンサのうち、補正対象とするセンサの補正値を、別のヨーレートセンサ(比較用センサとする)の検出値を用いて決定する構成(第2比較構成)も考えられる。
しかし、そのような方法においては、ヨーレートセンサ5を複数備える必要があり、コストアップにつながってしまう。また、比較用センサの検出値自体に、ゼロ点のドリフト等に起因する誤差が含まれている場合には、補正対象センサに対して算出される補正値にも誤差が含まれることになってしまう。
そのような課題に対し、本実施形態の構成によれば、ヨーレートセンサ5を複数備える必要はない。さらに、本実施形態の構成によれば、ヨーレートセンサ5に対する具体的な補正値Qは、そのヨーレートセンサ5自身の検出値のみによって定まる。したがって、本実施形態の構成によれば、比較用センサの検出値の誤差が、補正対象センサに対する補正値に影響を及ぼすといった問題が生じる恐れがない。
また、第2比較構成に類似する比較構成(第3比較構成とする)としては、ヨーレートセンサ5の補正値を、ジャイロセンサ等や3軸加速度センサといった、自車両に作用するヨーレートを推定可能な物理状態量を検出する別のセンサの検出値から決定する構成も考えられる。そのような態様によれば、ヨーレートセンサを複数備えさせる必要ない。しかし、この第3構成も第2比較構成と同様に、比較用センサに相当するジャイロセンサ等や3軸加速度センサの検出値自体に誤差が含まれている場合には、ヨーレートセンサ5に対して決定される補正値にも誤差が含まれてしまうといった問題が生じる。
したがって、本実施形態の構成は、第3比較構成に対しても、比較用センサの検出値に含まれている誤差が補正値に影響を及ぼすといった問題が生じる恐れがないという観点において優れていると言える。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例や実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
[第1実施形態の変形例]
前述の第1実施形態で述べたECU1は、さらに、停車中のヨーレートセンサ5の検出値に基づいて、ヨーレートセンサ5に対する補正値を決定する処理(停車中補正値決定処理とする)を実施してもよい。停車中の検出値もまた、現在のゼロ点に相当する値となっていることが期待できるためである。以下、この停車中補正値決定処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
この図6に示すフローチャートは、例えばイグニッション電源がオンとなって、ECU1が起動した場合、及び、停車判定部F2によって自車両が走行状態から停車状態へと遷移したことを検出された場合に開始されればよい。なお、この停車中補正値決定処理と、前述の走行中補正値決定処理とは、並列的に(互いに独立して)実施されれば良い。
まず、ステップS201では、車両情報取得部F1が車両情報を取得するとともに、走行路情報取得部F3が走行路の曲率Cを取得してステップS202に移る。ステップS202では条件判定部F4が、現在の走行速度Vと車速閾値Vthを比較し、走行速度Vが車速閾値Vth以上となっている場合には、ステップS202が肯定判定されてステップS203に移る。一方、走行速度Vが車速閾値Vth未満となっている場合には、ステップS202が否定判定されてステップS209に移る。
ステップS203では車両情報取得部F1が、ステップS201で取得したヨーレートセンサ5の検出値Yを検出値記憶部M1に保存してステップS204に移る。なお、この停車中補正値決定処理で保存される検出値と、走行中補正値決定処理で保存される検出値とは、検出値記憶部M1において互いに区別して保存されればよい。
ステップS204ではゼロ点特定部F5が、検出値記憶部M1に保存されている、停車中に収集した検出値の数がN個以上となっているか否かを判定する。検出値記憶部M1に保存されている検出値がN個以上となっている場合には、ステップS204が肯定判定されてステップS205に移る。一方、検出値記憶部M1に保存されている検出値の数がN個未満である場合には、ステップS204が否定判定されてステップS201に戻り、ヨーレートセンサ5の検出値の収集を継続する。
ステップS205ではゼロ点特定部F5が、検出値記憶部M1に保存されている、停車中に収集した検出値のうち、最新N回分の検出値を特定用母集団として読み出し、その特定用母集団の変動幅σを算出する。このステップS205での処理が完了するとステップS206に移る。
ステップS206ではゼロ点特定部F5が、変動幅σとばらつき閾値σthとを比較して、変動幅σがばらつき閾値σth以下となっている場合には、ステップS206が肯定判定されてステップS207に移る。一方、変動幅σがばらつき閾値σthよりも大きい場合には、ステップS206が否定判定されてステップS209に移る。
ステップS207ではゼロ点特定部F5が、特定用母集団の平均値を算出する。そして、その算出された平均値を、ヨーレートセンサ5の現在のゼロ点相当値Yzとして採用し、ステップS208に移る。
ステップS208では補正値決定部F6が、ステップS207で特定されたゼロ点相当値Yzをヨーレートセンサ5に対する補正値Qに設定する。そして、今回新たに特定したゼロ点相当値Yzを、補正値Qを決定する上で用いられるゼロ点相当値Yzとしてゼロ点記憶部M2に保存し、本フローを終了する。ステップS209では、検出値記憶部M1に蓄積されている、停車中において収集した検出値を破棄してステップS201に戻る。
以上の構成によれば、走行中だけでなく、停車中においてもヨーレートセンサ5の補正値Qを更新することができる。また、停車状態においては、走行状態よりも、ヨーレートセンサ5の検出値が安定してあって、かつ、自車両にヨーレートが作用している可能性が低い。すなわち、停車状態において収集した検出値から定まるゼロ点相当値Yzは、走行状態において収集した検出値から定まるゼロ点相当値Yzよりも信頼性が高い。したがって、本変形例の構成によれば、ゼロ点補正に用いられる補正値Qが、実際のゼロ点のずれ量から乖離してしまうことをより一層抑制できる。
また、本変形例の停車中補正値決定処理では、走行中補正値決定処理におけるステップS110での判定処理を省略する。このような態様によれば、補正値記憶部M3に保存されている、現在採用されている補正値を決定するために用いられたゼロ点相当値Yzと、今回新たに特定したゼロ点相当値Yzの差が小さい場合であっても、補正値Qを今回新たに特定されたゼロ点相当値Yzに対応する値に更新させることになる。
前述の通り、停車状態において収集した検出値から定まるゼロ点相当値Yzは、走行状態において収集した検出値から定まるゼロ点相当値Yzよりも信頼性が高い。したがって、走行中補正値決定処理におけるステップS110での判定処理を省略することで、ECU1は、より適切な補正値Qに更新することができ、ECU1はより適切な補正値Qを利用して種々の演算処理を実行できるようになる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図を用いて説明する。なお、以降において前述の第1実施形態(及びその変形例)の構成の部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した第1実施形態(及びその変形例)を適用することができる。
第1実施形態及びその変形例と、第2実施形態との主たる相違点は、本実施形態においては、ゼロ点特定部F5が新たに特定したゼロ点相当値Yzと、現在採用している補正値とを、所定の重みα(0≦α≦1)を用いて重み付け加算することで、新たな補正値Qを決定する点にある。具体的には、現在採用している補正値をQaとすると、新たな補正値Qは、下記式で求める態様とする。
(式1) Q=Qa×(1−α)+Yz×α
第2実施形態におけるECU1は、上述した処理を実現するための機能ブロックとして、第1実施形態のECU1が備える種々の機能ブロックに加えて、図7に示すように、信頼度評価部F7と重み決定部F8を備える。なお、図7においては、第1実施形態で説明した種々の機能ブロックの図示を省略している。
この信頼度評価部F7は、ゼロ点特定部F5が新たに特定したゼロ点相当値Yzに対する信頼度を評価する。また、重み決定部F8は、ゼロ点特定部F5が新たに特定したゼロ点相当値Yzと、現在採用している補正値Qとを重み付け加算する際に用いる重みαを決定する。重みαは、上記式1に示すように、新たに特定されたゼロ点相当値Yzの係数であって、重みαが大きいほど(1に近い程)、新たに特定されたゼロ点相当値Yzが、新たに決定される補正値Qに寄与する割合が大きくなる。この信頼度評価部F7及び重み決定部F8の詳細については、別途後述する。
なお、本実施形態において信頼度評価部F7及び重み決定部F8のそれぞれは、ソフトウェア的に(すなわちCPUが提供する機能として)実現される態様とするが、他の態様として、1つ乃至複数のICなどを用いてハードウェア的に実現されても良い。
次に、この第2実施形態のECU1が実施する、ヨーレートセンサ5に対する補正値Qを決定する処理(補正値決定処理とする)について、図8を用いて説明する。なお、この補正値決定処理は、イグニッション電源がオンとなった場合に開始されればよい。また、イグニッション電源がオンとなっている間において、走行中補正値決定処理が正常に終了した場合には、再び本処理が呼び出されて実行される。つまり、イグニッション電源がオンとなっている間、本処理は逐次実行される。
まず、ステップS301では停車判定部F2が、現在自車両が停車しているか否かを判定する。自車両が停車状態となっている場合には、ステップS301が肯定判定されてステップS310に移る。一方、自車両が走行状態となっている場合にはステップS301が否定判定されてステップS320に移る。
ステップS310ではECU1の各部、主として、車両情報取得部F1、停車判定部F2、条件判定部F4、及びゼロ点特定部F5が協働して、停車中サンプリング処理を実行する。この停車中サンプリング処理は、停車状態におけるヨーレートセンサ5のN回分の検出値を収集する処理である。その具体的な処理内容は、図6に示すステップS201からステップS206までの一連の処理(ステップS209を含む)に相当する。
このステップS310の停車中サンプリング処理の間において、例えば自車両が走行状態へ移行した場合(ステップS202 NO)には、図8のステップS311が否定判定されてステップS301に戻る。一方、ステップS310の停車中サンプリング処理の結果、変動幅σがばらつき閾値σth未満に収まっているN回分の検出値を収集することに成功した場合にはステップS311が肯定判定されてステップS330に移る。
ステップS320ではECU1の各部、主として、車両情報取得部F1、停車判定部F2、条件判定部F4、及びゼロ点特定部F5が協働して、走行中サンプリング処理を実行する。この走行中サンプリング処理は、走行状態におけるヨーレートセンサ5のN回分の検出値を収集する処理である。その具体的な処理内容は、図5に示すステップS101からステップS108までの一連の処理(ステップS112を含む)に相当する。
このステップS320の走行中サンプリング処理の間において、例えば自車両が停車状態へ移行した場合には、図8のステップS321が否定判定されてステップS301に戻る。一方、ステップS320の走行中サンプリング処理の結果、変動幅σがばらつき閾値σth未満に収まっているN回分の検出値を収集することに成功した場合にはステップS321が肯定判定されてステップS330に移る。
ステップS330ではゼロ点特定部F5が、停車中サンプリング処理、又は走行中サンプリング処理によって収集された検出値を特定用母集団として、現在のゼロ点相当値Yzを特定し、ステップS331に移る。以降では、このステップS330で新たに特定したゼロ点相当値Yzを便宜上、新規特定値Yzとも称する。
ステップS331では信頼度評価部F7が、ステップS330で特定した新規特定値Yzに対する信頼度を評価する。具体的に、信頼度評価部F7は、新規特定値Yzが、停車中における検出値を母集団として特定されたゼロ点相当値である場合には、新規特定値Yzが走行中における検出値を母集団として特定されたゼロ点相当値である場合よりも、新規特定値Yzに対する信頼度を高く評価する。
また、新規特定値Yzが、停車中に収集された検出値を母集団として特定された場合の中でも、確実に停車していることが期待できる状況において収集された特定用母集団を用いて特定されている場合には、走行速度Vのみに基づいて停車中と判定されている場合に収集された特定用母集団を用いて特定された場合よりも、新規特定値Yzに対する信頼度を高くしても良い。確実に停車していることが期待できる状況とは、例えばイグニッション電源がオンとなった直後や、シフトポジションが駐車位置となっている場合などである。
また、新規特定値Yzが、走行中に収集された検出値を母集団として特定された場合の中でも、更に、信頼度を段階的に評価してもよい。具体的には、画像認識処理によって自車両前方に存在する区画線を認識できている距離(認識距離とする)が長いほど、新規特定値Yzに対する信頼度を高く評価し、認識距離が短いほど、信頼度を低く評価する。
これは次の理由による。認識距離が長い程、その認識結果に基づいて算出される曲率Cに対する信頼性(曲率信頼度とする)は高くなる。曲率信頼度が高いということは、自車両が直線路を走行しているという判定結果(ステップS104 YES)に対する信頼性が高いことに相当する。
そして、直線路を走行しているという判定結果に対する信頼性が高いということは、走行中に収集したヨーレートセンサ5の検出値が真に現在のゼロ点に相当する値となっている可能性が高いことを意味する。当然、走行中に収集したヨーレートセンサ5の検出値がゼロ点に相当する値となっている可能性が高いほど、その検出値に基づいて特定された新規特定値Yzに対する信頼度は高くなる。すなわち、曲率Cが曲率閾値以下であるという判定を保持していた時の区画線の認識距離が長いほど、新規特定値Yzは信頼できる値であることを意味する。
以上を踏まえ、信頼度評価部F7は、特定用母集団を構成する検出値を収集したときの状況に応じて、例えば次のように新規特定値Yzに対する信頼度を評価すれば良い。なお、下記は新規特定値Yzに対して設定される信頼度の上下関係を説明するための一例であり、具体的な数値は適宜設計されればよい。さらに、信頼度は数値ではなく、高、中、低といったレベルで表現されても良い。なお、以下の例では数値が大きいほど信頼度が高いことを表すものとする。
まず、新規特定値Yzが、自車両が確実に停車していることが期待できる状況において収集された検出値を用いて特定されている場合には信頼度を100とする。また、走行速度Vのみに基づいて停車中と判定されている場合に収集された検出値を用いて特定されている場合には、信頼度を80とする。
さらに、新規特定値Yzが、自車両が走行中であって、かつ、認識距離が一定距離以上となっている状況において収集された検出値を用いて特定されている場合には、信頼度を60%とする。新規特定値Yzが、自車両が走行中であって、かつ、認識距離が一定距離未満となっている状況において収集された検出値を用いて特定されている場合には、信頼度を相対的に低い40とする。
もちろん、新規特定値Yzに対する信頼度の評価方法は上述した例に限らない。前回補正値を更新してから、今回新規特定値Yzを特定するまでの時間間隔が長いほど、新規特定値Yzに対する信頼度を高く評価してもよい。また、以上では、認識距離による信頼度を2段階で評価する態様を例示しているが、3段階や4段階などで評価してもよい。いずれにしても、認識距離が長いほど、その新規特定値Yzに対する信頼度が高くなるように設計されればよい。以上のようにして新規特定値Yzに対する信頼度を評価すると、ステップS309に移る。
ステップS309では重み決定部F8が、ステップS308で決定された新規特定値Yzに対する信頼度に応じて重みαの値を決定する。すなわち、新規特定値Yzに対する信頼度が高いほど、重みαを上限値である1に近い値に設定する。重みαを決定すると、ステップS310に移る。
ステップS310では補正値決定部F6が、ステップS309で決定した重みαと、新規特定値Yzと、現在採用している補正値Qaと、式1に代入することで新たな補正値Qを算出して、本フローを終了する。
この第2実施形態の構成によれば、新しく特定したゼロ点相当値Yzの信頼度に応じて、補正値Qを更新することができる。具体的には、新規特定値Yzが停車中に収集された検出値に基づいて特定された値である場合には、新規特定値Yzに対する重みαが大きくなるため、新たな補正値Qは、その新規特定値Yzがより強く反映された値となる。
また、新規特定値Yzが走行中に収集された検出値に基づいて特定された値である場合であっても、検出値を収集している時の区画線の認識距離が長いほど、新規特定値Yzに対する重みαが大きくなる。そのため、検出値を収集している時の区画線の認識距離が長いほど、新たな補正値Qに寄与する新規特定値Yzの割合は大きくなる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について図を用いて説明する。第3実施形態と先に説明した第1実施形態の変形例との主たる相違点は、停車中に収集した検出値に基づいて特定された最新のゼロ点相当値Yz(便宜上、停車時特定値Yzstpとする)と、走行中に収集した検出値に基づいて特定された最新のゼロ点相当値Yz(走行時特定値Yzrun)とを、所定の重みβ(T)(0≦β≦1)を用いて重み付け加算することで、新たな補正値Qを決定する点にある。具体的には、補正値Qは下記式2で求める態様とする。
(式2) Q=Yzstp×β(T)+Yzrun×{1−β(T)}
重みβ(T)は、停車時特定値Yzstpを取得してからの経過時間Tに応じて定まる。具体的には、重みβ(T)は、停車時特定値Yzstpを取得してからの経過時間Tが短いほど大きく(すなわち、1に近く)、停車時特定値Yzstpを取得してからの経過時間Tが長いほど小さくなるように設計されている。
ここでは一例として重みβ(T)は、図9において実線で示すように、経過時間Tに比例して、初期値の1から減少していくように設計されているものとする。なお、他の態様として、重みβ(T)は、図9において破線で示すように階段状に減少していくものであってもよいし、一点鎖線で示すように曲線的に減少していくものであっても良い。また、ここでは重みβ(T)の初期値を1としているが、他の態様として初期値を0.9等としてもよい。さらに、重みβ(T)の収束値を0としているが、0.1などとしてもよい。
重みβ(T)は、停車時特定値Yzstpを取得してからの経過時間Tを変数とする関数として定義されていても良いし、経過時間Tと重みβ(T)との対応関係を示すテーブルなどで表されていても良い。重みβ(T)の具体的な値は、例えば補正値決定部F6によって更新されればよい。
次に、この第3実施形態のECU1が実施する補正値決定処理について、図10を用いて説明する。なお、この補正値決定処理は、第2実施形態における補正値決定処理と同様に、イグニッション電源がオンとなった場合に開始されればよい。また、イグニッション電源がオンとなっている間において走行中補正値決定処理が正常に終了した場合には、再び本処理が呼び出されて実行されればよい。
まず、ステップS401では停車判定部F2が、現在自車両が停車しているか否かを判定する。自車両が停車状態となっている場合には、ステップS401が肯定判定されてS410に移る。一方、自車両が走行状態となっている場合にはS401が否定判定されてステップS420に移る。
ステップS410では、ステップS310と同様の停車中サンプリング処理が実行される。つまり、図6に示すステップS201からステップS206までの一連の処理(ステップS209を含む)に相当する処理が実施される。停車中サンプリング処理の間において、例えば自車両が停車状態から走行状態へ移行した場合(ステップS202 NO)には、図10のステップS411が否定判定されてステップS401に戻る。一方、ステップS410の停車中サンプリング処理の結果、変動幅σがばらつき閾値σth未満に収まっているN回分の検出値を収集することに成功した場合にはステップS411が肯定判定されてステップS412に移る。
ステップS412では、ゼロ点特定部F5が、停車中サンプリング処理によって収集された検出値を特定用母集団として現在のゼロ点相当値Yzを特定し、ステップS413に移る。このステップS412で特定されたゼロ点相当値Yzが、停車時特定値Yzstpに相当する。取得した停車時特定値Yzstpは、例えば取得時刻と対応付けられてゼロ点記憶部M2に保存される。
ステップS413では、停車時特定値Yzstpを取得してからの経過時間Tを0にリセットするとともに、重みβ(T)もまた、T=0に応じた値へと初期化し、ステップS430に移る。
ステップS420では、ステップS320と同様の走行中サンプリング処理が実行される。つまり、図5に示すステップS101からステップS108までの一連の処理(ステップS112を含む)に相当する処理が実行される。この走行中サンプリング処理の間において、例えば自車両が停車状態へ移行した場合には、図10のステップS421が否定判定されてステップS401に戻る。一方、ステップS420の走行中サンプリング処理の結果、変動幅σがばらつき閾値σth未満に収まっているN回分の検出値を収集することに成功した場合にはステップS421が肯定判定されてステップS422に移る。
ステップS422では、ゼロ点特定部F5が、走行中サンプリング処理によって収集された検出値を特定用母集団として現在のゼロ点相当値Yzを特定し、ステップS423に移る。このステップS422で特定されたゼロ点相当値Yzが、走行時特定値Yzrunに相当する。取得した走行時特定値Yzrunは、ゼロ点記憶部M2において停車時特定値Yzstpとは区別されて保存される。
ステップS423では、停車時特定値Yzstpを取得してからの経過時間Tを取得し、重みβ(T)を現在の経過時間Tに応じた値へと更新して、ステップS430に移る。なお、経過時間Tは、停車時特定値Yzstpを取得してからの時間を計測するタイマーなどによって計測されていても良いし、現在時刻から停車時特定値Yzstpの取得時刻を差し引くことで経過時間Tを算出する態様としてもよい。
ステップS430では補正値決定部F6が、ゼロ点記憶部M2に保存されている停車時特定値Yzstp、走行時特定値Yzrun、ステップS413又はS423で設定された重みβ(T)を式2に代入することで、新たな補正値Qを算出して本フローを終了する。
ここで用いられる重みβ(T)は、走行状態が維持されるほど小さくなっていくように設定されている。したがって、停車中において停車時特定値Yzstpを取得できた直後においては、補正値Qにおいて停車時特定値Yzstpがより強く反映される。また、走行継続時間が長くなるにつれて、補正値Qのうち停車時特定値Yzstpに由来する割合は小さくなり、走行中において随時更新される走行時特定値Yzrunに由来する割合が大きくなる。
このような構成によれば、走行を開始した直後においては、より信頼性が高い停車時特定値Yzstpがより強く反映された補正値Qを利用できる。また、温度変化等に起因するゼロ点の変化が予見される、走行継続時間が一定値以上となる時間帯においては、走行中において更新される走行時特定値Yzrunをより強く反映した補正値Qを利用できるようになる。
[その他の変形例]
なお、以上の構成では、ヨーレートセンサ5を補正対象センサとした態様を例示したが、これに限らない。例えば舵角センサ3や、加速度センサ6、図示しないジャイロセンサなどを補正対象センサとしてもよい。なお、補正対象とするセンサが検出する状態量に応じて、走行中におけるサンプリング条件は適宜設計されれば良い。
また、以上ではサンプリング条件として、3つのサブ条件を定義する態様を例示したが、これに限らない。舵角θに対するサブ条件や、走行速度Vに対するサブ条件はなくともよい。例えば、曲率Cに対するサブ条件と走行速度Vに対するサブ条件の2つを更新条件として用いる態様としてもよい。もちろん、上述した以外のパラメータに対する条件をサンプリング条件に含ませても良い。
さらに、以上では、自車両が走行している道路の曲率Cに関する情報を提供するソースデバイスとして、車載システム100はカメラ2、位置検出器7、及びナビゲーション装置8を備える態様を例示したが、これに限らない。つまり、車載システム100は、これらの3つ全てを備えている必要はない。また、上述した以外のソースデバイスから、走行路の曲率Cに関する情報を取得する態様としてもよい。
100 車載システム、1 ECU、2 カメラ、3 舵角センサ、4 車速センサ、5 ヨーレートセンサ、6 加速度センサ、7 位置検出器、11 CPU、12 RAM、13 フラッシュメモリ、F1 車両情報取得部(検出値取得部)、F2 停車判定部、F3 走行路情報取得部(曲率取得部)、F4 条件判定部、F5 ゼロ点特定部、F6 補正値決定部、F7 信頼度評価部、F8 重み決定部、M1 検出値記憶部、M2 ゼロ点記憶部、M3 補正値記憶部

Claims (5)

  1. 車両に搭載されてあって、前記車両に作用する所定の物理状態量を検出するセンサの検出値を逐次取得する検出値取得部(F1)と、
    前記車両が走行している道路である走行路の曲率を取得する曲率取得部(F3)と、
    前記車両が停車中であるか走行中であるかを判定する停車判定部(F2)と、
    前記曲率取得部が取得している曲率が、前記走行路を直線状の道路と近似することができる所定の近似閾値以下となっている場合に前記検出値取得部によって取得された前記センサの検出値に基づいて、前記センサの現在のゼロ点に相当する値であるゼロ点相当値を特定するとともに、前記停車判定部によって前記車両は停車していると判定されている間に前記検出値取得部によって取得された検出値に基づいて前記ゼロ点相当値を逐次特定するゼロ点特定部(F5)と、
    前記ゼロ点特定部が特定した前記ゼロ点相当値を用いて、前記センサの検出値から当該センサに生じているゼロ点のずれに由来する誤差を除去するための補正値を決定する補正値決定部(F6)と、を備え、
    前記ゼロ点特定部は、
    前記検出値取得部によって取得された検出値に基づいて、前記ゼロ点相当値を逐次特定し、
    前記補正値決定部は、
    前記曲率取得部が取得している曲率が前記近似閾値以下となっている道路を前記車両が走行している間に取得された検出値を母集団として特定された最新の前記ゼロ点相当値である走行時特定値と、停車中に取得された検出値に基づいて前記ゼロ点特定部が特定した最新の前記ゼロ点相当値である停車時特定値とを重み付け加算することで前記補正値を算出するものであって、
    前記停車時特定値を特定してからの経過時間が長い程、前記重み付け加算において前記停車時特定値に付与する重みを小さくし、かつ、前記走行時特定値に付与する重みを大きくすることを特徴とするセンサ出力補正装置。
  2. 車両に搭載されてあって、前記車両に作用する所定の物理状態量を検出するセンサの検出値を逐次取得する検出値取得部(F1)と、
    前記車両の前方又は後方を撮影する車載カメラの撮影画像に対して画像認識処理を施すことで得られる、道路上に設けられた区画線の曲率を、前記車両が走行している道路である走行路の曲率として取得する曲率取得部(F3)と、
    前記車両が停車中であるか走行中であるかを判定する停車判定部(F2)と、
    前記曲率取得部が取得している曲率が、前記走行路を直線状の道路と近似することができる所定の近似閾値以下となっている場合に前記検出値取得部によって取得された前記センサの検出値に基づいて、前記センサの現在のゼロ点に相当する値であるゼロ点相当値を特定するとともに、前記停車判定部によって前記車両は停車していると判定されている間に前記検出値取得部によって取得された検出値に基づいて前記ゼロ点相当値を逐次特定するゼロ点特定部(F5)と、
    前記ゼロ点特定部が特定した前記ゼロ点相当値に対する信頼度を評価する信頼度評価部(F7)と、
    前記ゼロ点特定部が特定した前記ゼロ点相当値を用いて、前記センサの検出値から当該センサに生じているゼロ点のずれに由来する誤差を除去するための補正値を決定する補正値決定部(F6)と、を備え、
    前記補正値決定部は、前記ゼロ点特定部が新たに特定した前記ゼロ点相当値である新規特定値と、現在採用している前記補正値とを重み付け加算することで前記補正値を算出するものであって、前記新規特定値に対して前記信頼度評価部が評価した信頼度が高い程、前記重み付け加算において前記新規特定値に付与する重みを大きくし、
    前記信頼度評価部は、
    前記新規特定値が、停車中に取得された検出値に基づいて前記ゼロ点特定部が特定した前記ゼロ点相当値である停車時特定値である場合には、前記新規特定値が、曲率が前記近似閾値以下となっている道路を前記車両が走行している間に取得された検出値を母集団として特定された前記ゼロ点相当値である走行時特定値である場合よりも、前記新規特定値に対する信頼度を高くする一方、
    前記新規特定値が前記走行時特定値である場合には、前記画像認識処理によって認識できている前記区画線の認識距離が長いほど、前記新規特定値に対する信頼度を高く評価することを特徴とするセンサ出力補正装置。
  3. 請求項2において、
    前記信頼度評価部は、
    前記ゼロ点相当値を前回特定してから前記新規特定値を特定するまでの経過時間が長いほど、前記新規特定値に対する信頼度を高く評価することを特徴とするセンサ出力補正装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項において、
    前記検出値取得部が取得した検出値を記憶する検出値記憶部(M1)を備え、
    前記補正値決定部は、
    前記曲率取得部が取得している曲率が前記近似閾値以下となっている間に前記検出値取得部によって取得され、前記検出値記憶部に保存されている検出値のうち、最新の検出値から過去所定回数分の検出値を母集団として前記補正値を算出するものであって、
    前記補正値を算出するための前記母集団に含まれる検出値のばらつき度合いを算出し、
    前記ばらつき度合いが所定の許容範囲に収まっている場合に、当該母集団に基づいて前記補正値を決定することを特徴とするセンサ出力補正装置。
  5. 請求項において、
    前記補正値決定部は、前記ゼロ点特定部が新たに特定した前記ゼロ点相当値と、現在採用している前記補正値を決定するために用いられた前記ゼロ点相当値との差が所定の誤差範囲に収まっている場合には、前記補正値を更新しないことを特徴とするセンサ出力補正装置。
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