JP6368658B2 - 高分子圧電材料および高分子圧電材料の製造方法 - Google Patents

高分子圧電材料および高分子圧電材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高分子圧電材料および高分子圧電材料の製造方法に関する。
近年、高分子圧電材料として、ポリ乳酸等の光学活性を有する脂肪族系ポリエステルを用いることが着目されている。ポリ乳酸に代表される光学活性型高分子圧電体は、機械的な延伸操作だけで圧電性が発現し、ポリフッ化ビニリデンのような強誘電体型高分子圧電材料のようにポーリング処理が必要無いことが知られている。
光学活性高分子の中でも、ポリ乳酸のような高分子結晶の圧電性は、螺旋軸方向に存在するC=O結合の永久双極子に起因する。特にポリ乳酸は、主鎖に対する側鎖の体積分率が小さく、体積あたりの永久双極子の割合が大きく、ヘリカルキラリティをもつ高分子の中でも理想的な高分子といえる。
また、ポリ乳酸から形成される圧電材料は、ポーリング処理が不要で、圧電率は数年にわたり減少しないことが知られている。
以上のように、ポリ乳酸には種々の圧電特性があるため、種々のポリ乳酸を用いた高分子圧電材料が報告されている。
例えば、ポリ乳酸の成形物を延伸処理することで、常温で、10pC/N程度の圧電率を示す高分子圧電材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリ乳酸結晶を高配向にするために、鍛造法と呼ばれる特殊な配向方法により18pC/N程度の高い圧電性を出すことも報告されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−152638号公報 特開2005−213376号公報
しかし、上記特許文献1および特許文献2に示される圧電材料に用いられるポリ乳酸などの脂肪族系ポリエステルは水分を含む環境下では加水分解されるおそれがある。そのため、大気中などの加水分解が生じやすい環境下にて圧電素子を用いた場合、圧電素子が劣化しやすく、信頼性が低いという問題がある。
さらに、ポリ乳酸などの脂肪族系ポリエステルは耐熱性が低く、高温環境下での圧電素子としての使用が制限されるという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、信頼性が高く、耐湿熱性および耐熱性が改良された高分子圧電材料及び高分子圧電材料の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は、例えば以下の通りである。
<1> イミド環構造を有する光学活性高分子を含み、圧電定数d14が0.1pC/N以上である、高分子圧電材料。
<2> 前記イミド環構造を有する光学活性高分子が、ポリスクシンイミドである、<1>に記載の高分子圧電材料。
<3> 前記イミド環構造を有する光学活性高分子の589nmにおける比旋光度の絶対値が0.1deg・cm・g−1以上である、<1>または<2>に記載の高分子圧電材料。
<4> 前記イミド環構造を有する光学活性高分子の重量平均分子量が18,000以上である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料。
<5> 前記イミド環構造を有する光学活性高分子の含有量が50質量%以上である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料。
<6> <1>〜<5>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料の製造方法であって、前記イミド環構造を有する光学活性高分子を含む組成物を製膜して膜を得る製膜工程と、前記膜を延伸する延伸工程と、を有する、高分子圧電材料の製造方法。
<7> 前記組成物が、溶媒を含み、前記製膜工程が、前記組成物をキャスト法で製膜して膜を得る工程と、前記膜から前記溶媒を蒸発除去する工程と、を含む、<6>に記載の高分子圧電材料の製造方法。
<8> 前記延伸工程が、ロール延伸により配向処理を行う工程である、<6>または<7>に記載の高分子圧電材料の製造方法。
本発明によれば、信頼性が高く、耐湿熱性および耐熱性が改良された高分子圧電材料及び高分子圧電材料の製造方法を提供することができる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているものだけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているものをも包含する概念である。
[高分子圧電材料]
本発明の一実施形態に係る高分子圧電材料は、イミド環構造を有する光学活性高分子を含み、圧電定数d14が0.1pC/N以上である。
イミド環構造を有する光学活性高分子を含む材料(例えば、フィルム)を延伸することにより、圧電性が発現されるため、イミド環構造を有する光学活性高分子を含む材料は、高分子圧電材料として用いることができる。
さらに、イミド環構造を有する光学活性高分子は、脂肪族系ポリエステルと比較して加水分解が生じにくい。そのため、イミド環構造を有する光学活性高分子を含む本実施形態の高分子圧電材料は、ポリ乳酸のような脂肪族系ポリエステルを含む高分子圧電材料と比較して、大気中などの水分を含む環境下にて劣化しにくく、信頼性が高い。
すなわち、イミド環構造を有する光学活性高分子は、脂肪族系ポリエステルと比較して耐熱性および耐湿熱性に優れている。したがって、イミド環構造を有する光学活性高分子を含む本実施形態の高分子圧電材料は、高温や、高湿熱環境下での圧電素子としての使用に適している。
(イミド環構造を有する光学活性高分子)
イミド環構造を有する光学活性高分子は、イミド環構造を有し、かつ、光学活性を有する高分子である。ここで、光学活性を有する高分子とは、構造中に対称中心が存在しない高分子をいい。このような高分子としては、例えば、不斉炭素を有する高分子、軸性不斉を有する高分子、面性不斉を有する高分子などが挙げられる。構造中に対称中心が存在しないことは、旋光度または比旋光度を測定し、その絶対値が0より大きいことから確認することができる。
イミド環構造は、環構造中にイミド結合を有する環状化合物である。イミド環構造としては、例えば、下記(I)−1〜(I)−5に示すような構造が挙げられる。
イミド環構造を有する光学活性高分子は、その骨格にアミド結合、エステル結合、またはエーテル結合を有するものであっても良い。かかるイミド環構造は、アミノ基およびイソシアネート基含有化合物から選択される一種以上の化合物と、テトラカルボン酸、そのエステルおよび酸無水物等の誘導体から選択される一種以上の化合物と、の縮合環化反応により形成させることができる。その際、かかる化合物同士をほぼ量論的に存在させても良いし、アミノジカルボン酸のようにかかる反応基を分子内に量論的に共存させて自己縮合環化反応させても良い。
また、自己縮合環化反応可能な化合物としては、マレイン酸とアンモニアとの反応物、マレアミド酸、アスパラギン酸等が挙げられ、他にも、マレイン酸およびアンモニアを組み合わせて用いてもよい。マレイン酸としては、その無水物、部分および完全エステル等の誘導体を含み、また、アンモニアとしては気体または溶液の両方が使用できる。アンモニアが溶液の場合には水に溶解させて、水酸化アンモニウム水溶液としたもの、メタノール、エタノール等のアルコールや他の有機溶媒に溶解させたもの等が挙げられる。アスパラギン酸としては、D体、L体、またはそれらの混合物が挙げられる。
イミド環構造を有する光学活性高分子の原料としては、本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能な他のモノマーも併用することができる。共重合可能な他のモノマーの具体例としては、アスパラギン酸塩、グルタミン酸およびその塩;アラニン、ロイシン、リシン等のアミノ酸、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシカルボン酸;2−ヒドロキシエタノール、マレイン酸、6−アミノカプロン酸等のアミノ基及びカルボン酸基の少なくともいずれか一方と反応する官能基を2個以上有する化合物;等が挙げられる。共重合可能な他のモノマーの使用量としては、モノマー全体の50モル%を越えないことが好ましい。
対称中心が存在しない高分子を得るには、自己縮合環化反応可能なアミノジカルボン酸及び共重合可能な他のモノマーの全て、もしくは一部に、または重合後の高分子に、不斉炭素か、軸性不斉か、面性不斉のいずれかが存在すればよい。
このようなイミド環構造を有する光学活性高分子の製造には、溶媒を使用してもよい。溶媒を使用する場合には、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、トルエン、アミルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン、o−クロロトルエン、m−クロロトルエン、p−クロロトルエン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロブタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジクロロエチルエーテル、ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶媒;酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸イソアミル、酪酸−n−ブチル等のエステル系溶媒が挙げられる。また、溶媒としては非プロトン性極性溶媒を用いてもよく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホロアミド等のイオウ系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は混合して使用してもよい。
このようなイミド環構造を有する光学活性高分子の製造には、溶媒を使用しなくてもよい。溶媒を使用しない場合には、溶融重合法、固相重合法などによりイミド環構造を有する光学活性高分子を製造することができる。
イミド環構造を有する光学活性高分子としては、例えば、以下の一般式(II)で表される、スクシンイミド骨格を有する高分子が挙げられる。
一般式(II)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、置換されていてもよく、直鎖または分岐であってもよく、環状であってもよい。R、RおよびRは、それぞれ独立に、飽和であっても不飽和であってもよい。
一般式(II)中、nは0〜10を表し、*は不斉炭素を表す(以下の反応式(III)、一般式(IV)〜(VI)についても同様)。
中でも、一般式(II)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基またはフェニル基であることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。
また、一般式(II)中、nは0〜6であることが好ましく、0〜4であることがより好ましく、0〜2であることがさらに好ましく、0または1であることが特に好ましく、0であることがもっとも好ましい。
一般式(II)において、R、R、およびRが水素原子であり、かつn=0を満たすポリスクシンイミドが好ましい。ポリスクシンイミドは、アスパラギン酸重合体であり、例えば、以下の反応式(III)に示すように、L−アスパラギン酸またはD−アスパラギン酸の脱水縮合により合成される。
このような脱水縮合反応には一般的に用いられる脱水縮合触媒を用いてもよい。脱水縮合触媒としては、例えば、硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、縮合リン酸等の無機酸触媒;p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸等の有機酸触媒;クレアチニン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンなどの有機塩基;塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酸化スズ(II)、塩化亜鉛(II)等の金属触媒(水和物であってもよい);などが挙げられる。
また、ポリスクシンイミドの合成方法としては、アスパラギン酸−N−カルボキシ無水物(NCA)をモノマーとした開環重合と、スクシンイミド環への閉環反応とを組み合わせてもよい。
また、イミド環構造を有する光学活性高分子としては、以下に示す一般式(IV)、(V)、(VI)のような化合物も挙げられる。
一般式(IV)、(V)、(VI)中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、置換されていてもよく、直鎖または分岐であってもよく、環状であってもよい。R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、飽和であっても不飽和であってもよい。
一般式(IV)〜(VI)におけるR〜Rの好ましい範囲は、一般式(II)におけるR〜Rの好ましい範囲と同様である。
本実施形態の高分子圧電材料は、イミド環構造を有する光学活性高分子を、1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
また、高分子圧電材料中におけるイミド環構造を有する光学活性高分子の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、高分子圧電材料の全量に対し、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
−重量平均分子量−
イミド環構造を有する光学活性高分子の重量平均分子量(Mw)は、18,000以上であることが好ましい。これにより、高分子圧電材料の機械的強度が向上すると共に、延伸操作により高分子鎖が配向して圧電性を発現させることができる。上記Mwは、20,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましく、50,000以上であることが更に好ましい。
また、イミド環構造を有する光学活性高分子のMwは、1,000,000以下であることが好ましい。これにより、成形(例えば押出成形)によって高分子圧電材料を得る際の成形性が向上する。上記Mwは、800,000以下であることが好ましく、300,000以下であることがより好ましい。
また、イミド環構造を有する光学活性高分子の分子量分布(Mw/Mn)は、高分子圧電材料の強度の観点から、1.1〜20であることが好ましく、1.5〜15であることがより好ましく、2〜15であることがさらに好ましく、3〜15であることが特に好ましい。Mw/Mnの上限は、10であってもよく、7であってもよい。
なお、イミド環構造を有する光学活性高分子の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、測定された値を指す。ここで、Mnは、イミド環構造を有する光学活性高分子の数平均分子量である。
−GPC測定装置−
昭和電工社製、Shodex GPC−101
−カラム−
昭和電工社製、Shodex OHpak SB−804 HQ
−サンプルの調製−
イミド環構造を有する光学活性高分子(例えば、ポリスクシンイミド)を40℃で溶媒であるジメチルホルムアミドに溶解させ、濃度1mg/mLのサンプル溶液を準備する。
−測定条件−
サンプル溶液0.1mLを溶媒(ジメチルホルムアミド(LiBr 0.1質量%含有))、温度40℃、0.7mL/分の流速でカラムに導入し、カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定する。イミド環構造を有する光学活性高分子の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、昭和電工社製のStandard Shodex SM−105を用いて作成した検量線に基づき算出する。
−比旋光度の絶対値−
イミド環構造を有する光学活性高分子の589nmにおける比旋光度の絶対値は、0.1deg・cm・g−1以上であることが好ましい。これにより、イミド環構造を有する高分子が光学活性を有することがわかる。
−測定条件−
イミド環構造を有する光学活性高分子(例えば、ポリスクシンイミド)を1.5質量%となるようにジメチルホルムアミドに溶解し、全自動旋光計AUTOPOL V(Rudolph Research Analytical社製)を用いて、測定波長589nm、20℃における旋光度αを測定する。旋光度αから下記式を用いて比旋光度[α]を計算する。
[式1]
[α]=α/(c×l)
c:測定サンプル濃度(g/dL)
l:セル長(100mm)
<その他の光学活性高分子>
本実施形態の高分子圧電材料は、本発明の効果を損なわない限度において、イミド環構造を有する光学活性高分子以外の光学活性高分子(以下「その他の光学活性高分子」と称する)を含んでいてもよい。
その他の光学活性高分子としては、例えば、ポリペプチド、セルロース誘導体、ポリ乳酸系樹脂、ポリプロピレンオキシド、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等を挙げることができる。
前記ポリペプチドとしては、例えば、ポリ(グルタル酸γ―ベンジル)、ポリ(グルタル酸γ−メチル)等が挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、酢酸セルロース、シアノエチルセルロース等が挙げられる。
前記ポリ乳酸系樹脂としては、例えば、ポリ乳酸が挙げられ、中でもL−乳酸のホモポリマー(PLLA)またはD−乳酸のホモポリマー(PDLA)が好ましい。
<安定化剤>
本実施形態の高分子圧電材料は、安定化剤として、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の化合物を含むことが好ましい。
これにより、イミド環構造を有する光学活性高分子の加水分解反応を抑制し、得られるフィルムの耐湿熱性をより向上させることができる。
安定化剤については、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落003
9〜0055の記載を適宜参照できる。
<酸化防止剤>
また、本実施形態の高分子圧電材料は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
また、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系化合物又はヒンダードアミン系化合物を用いることが好ましい。これにより、耐湿熱性および透明性にも優れる高分子圧電材料を提供することができる。
<その他の成分>
本実施形態の高分子圧電部材は、本発明の効果を損なわない限度において、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン樹脂またはポリスチレン樹脂に代表される公知の樹脂や、シリカ、ヒドロキシアパタイト、モンモリロナイト等の無機フィラー、フタロシアニン等の公知の結晶核剤等、その他の成分を含有していてもよい。
無機フィラー、結晶核剤等のその他の成分については、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0057〜0060の記載を適宜参照できる。
高分子圧電部材がイミド環構造を有する光学活性高分子以外の成分を含む場合、イミド環構造を有する光学活性高分子以外の成分の含有量は、高分子圧電部材全質量中に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
なお、高分子圧電材料は、透明性の観点からは、イミド環構造を有する光学活性高分子以外の成分を含まないことが好ましい。
[高分子圧電材料の製造方法]
以下、本発明の一実施形態に係る高分子圧電材料の製造方法について説明する。本実施形態の高分子圧電材料の製造方法は、前記イミド環構造を有する光学活性高分子を含む組成物を製膜して膜を得る製膜工程と、前記膜を延伸する延伸工程と、を有する。
(製膜工程)
本実施形態に係る高分子圧電材料の製造方法は、イミド環構造を有する光学活性高分子を含む組成物を製膜して膜を得る製膜工程を含む。製膜工程では、溶融製膜法や溶液キャスト法など、種々の製膜方法を用いることができる。
まず、本実施形態の高分子圧電材料を製造する際には、イミド環構造を有する光学活性高分子を所定量採取し、溶媒に溶解することが好ましい。溶媒としては、イミド環構造を有する光学活性高分子が溶解し、更に成膜が可能なものであれば特に限定されないが、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリルまたはこれらの混合液などが挙げられる。
溶液の濃度は、製膜が可能であれば特に限定されないが、0.1質量%〜30質量%であることが好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましい。
0.1質量%以上であることにより、膜の破損を抑制することができ、積層などの繰り返し成膜をせずとも成膜化が容易である。
また、30質量%以下であることにより、溶液の粘度が高くなりすぎず、キャスト法による均一な製膜が容易である。
ここで、溶液としては、光学活性高分子の一部または全部が溶媒に溶解した溶液であることが好ましく、光学活性高分子が実質的に全部溶解した溶液であることがさらに好ましい。
溶液を流延して、成膜する方法としては特に限定されないが、ローラーコート法、ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法、キャスト法等の手段が挙げられ、特に成膜表面を平坦かつ均一に、流延および成膜できるキャスト法が好ましい。
キャスト法では、前述の溶液を基板上に流し込み溶媒を蒸発させることが望ましい。基板としては、特に限定されないが、フィルムの剥離が容易であるテフロン(登録商標)が好ましい。
溶剤を除去する方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられる。中でも生産効率、取り扱い性の点から加熱により溶剤を蒸発させることが好ましい。また、溶媒蒸発時の温度は、特に限定されないが、0℃〜200℃であることが好ましく、10℃〜150℃であることがより好ましい。
溶媒が蒸発した後、必要に応じて、更に真空乾燥などの処理を行ってもよい。真空乾燥時の温度は、特に限定されないが、0℃〜200℃であることが好ましい。なお、300℃以下にすることで、光学活性高分子が酸化などの変性を起こすことを抑制できる。
(延伸工程)
本実施形態の高分子圧電材料の製造方法は、製膜工程により得られた膜を延伸する延伸工程を含む。延伸方法としては、特に限定されず、1軸延伸、2軸延伸、後述する固相延伸、ロール延伸などの種々の延伸方法を用いることができる。
イミド環構造を有する光学活性高分子を延伸することにより、圧電性が発現し、また主面の面積が大きな高分子圧電材料を得ることができる。
さらに、本発明者らは、鋭意検討の結果、イミド環構造を有する光学活性高分子の分子鎖を高密度に、一方向に配向させることで、さらに高い圧電性を有する高分子圧電材料を製造可能であることを見出した。そのため、上述の延伸処理を施すことで、イミド環構造を有する光学活性高分子の分子鎖を高密度に、一方向に配向させることが好ましい。
前記延伸工程における延伸倍率は、高い圧電性を発現する倍率に最適化される。延伸倍率は、高分子圧電材料、延伸方法などによって異なるが、イミド環構造を有する光学活性高分子を用いて高分子圧電材料を製造する場合には、概ね、1.5倍から30倍の範囲で延伸することが好ましく、1.8倍から15倍の範囲で延伸することがより好ましい。
延伸工程では、固相延伸またはロール延伸で配向処理を行うことが好ましい。これらの方法によれば、フィルムの量産化が容易である。
固相延伸では、製膜した膜の主面に圧縮応力を印加しながら、該主面に平行な少なくとも1方向に、延伸配向させることが好ましい。また、固相延伸では、高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、高分子圧電材料の融点Tmより低い温度下、かつ5MPa〜10,000MPaの圧縮応力下にて延伸を行うことが好ましい。これにより、高分子圧電材料の圧電性をより向上させ、また透明性及び弾力性を向上し得る。
ここで、高分子圧電材料のガラス転移温度Tg〔℃〕および高分子圧電材料の融点Tm〔℃〕は、前記示差走査型熱量計(DSC)を用い、高分子圧電材料に対して、昇温速度10℃/分の条件で、温度を上昇させたときの、融解吸熱曲線から、曲線の屈曲点として得られるガラス転移温度(Tg)と、吸熱反応のピーク値として確認される温度(Tm)である。
また、圧縮応力は、50MPa〜5000MPaが好ましく、100MPa〜3000MPaであることがより好ましい。
ロール延伸では、2つのロールにより製膜した膜の2つの主面に圧縮応力を印加しながら、該主面に平行な少なくとも1方向に、延伸配向させることが好ましい。ロール延伸の方法は、2つのロール間に周速差をつけて延伸を行なうロール間延伸、以下にて説明するロール圧延などが含まれる。
ロール圧延では、非結晶性樹脂のみならず、結晶性樹脂であっても容易に延伸できるため好ましい。一般に、結晶性樹脂を一軸延伸すると、局部的にフィルム(膜)の厚みと幅が減少するネックインが発生し易いのに対し、ロール圧延によれば結晶性樹脂を用いてもネックインを防止でき、フィルムの延伸工程を安定化できる。
そして、ロール圧延では、延伸前後でフィルム幅の減少が少なく、かつ幅方向の厚みを均一にできる。そのため、フィルムの幅方向において光散乱特性を均一にでき、製品の品質を維持しやすく、フィルムの使用率(歩留まり)も向上させることができる。さらに、延伸倍率を幅広く設定できる。
ロール圧延の延伸倍率は、幅広い範囲から選択でき、例えば、延伸倍率を1.1倍〜10倍程度の範囲とすることが好ましく、1.3倍〜5倍程度の範囲とすることがより好ましく、1.5倍〜3倍程度の範囲とすることがさらに好ましい。
ロール圧延の加熱温度は、高分子圧電材料の融点未満であり、かつ成形が可能な限り、特に限定されず、ガラス転移温度以上の温度であってもよい。また、ロール圧延の加熱温度は、連続相樹脂が結晶性樹脂の場合、融点以下の融点近傍の温度であってもよく、連続相樹脂が非結晶性樹脂の場合、ガラス転移温度以下のガラス転移温度近傍の温度であってもよい。
ロール圧延の加熱温度(延伸温度)は、例えば、20℃〜200℃程度であることが好ましく、40℃〜150℃程度であることがより好ましく、60℃〜120℃程度であることがさらに好ましく、80℃〜120℃程度であることが特に好ましい。
ロール圧延の圧力は、例えば、9.8×103N/m〜9.8×106N/m程度であることが好ましく、9.8×104N/m〜9.8×106N/m程度であることがより好ましい。
なお、フィルムの延伸は、フィルムをロールまたはビュレットに挟んで圧力を負荷することにより行なわれる。フィルムの延伸を、ビュレットを用いて行なうときは、ビュレットに挟んだフィルムに圧力を負荷する前に、すなわち延伸前に、フィルムを、予め60℃〜170℃で、1分〜60分加熱する延伸前予熱処理をすることが好ましい。
延伸前予熱処理の温度は、100℃〜160℃であることが好ましく、予熱時間は、5分〜30分であることが好ましい。
圧電定数を向上させる観点から、延伸処理を施した後の高分子圧電材料を、一定の熱処理(以下「アニール処理」とも称する)することが好ましい。
アニール処理の温度は、概ね80℃〜160℃であることが好ましく、100℃〜155℃あることがさらに好ましい。
アニール処理の温度印加方法は、特に限定されないが、熱風ヒータや赤外線ヒータを用いて直接加熱したり、加熱したシリコンオイルなど、加熱した液体に高分子圧電材料を浸漬したりすること等が挙げられる。
このとき、線膨張や寸法変化により高分子圧電材料が変形すると、実用上平坦なフィルムを得ることが困難になるため、高分子圧電材料に一定の引張応力(例えば、0.01MPa〜100Mpa)を印加し、高分子圧電材料がたるまないようにしながら温度を印加することが好ましい。
アニール処理の温度印加時間は、1秒〜300秒であることが好ましく、1秒から60秒の範囲で加熱することがさらに好ましい。300秒を超えてアニールをすると、高分子圧電材料のガラス転移温度より高い温度で、非晶部分の分子鎖から球晶が成長することにより配向度が低下する場合があり、その結果、圧電性が低下する場合がある。
上記のようにしてアニール処理された高分子圧電材料は、アニール処理した後に急冷することが好ましい。アニール処理において、「急冷する」とは、アニール処理した高分子圧電材料を、アニール処理直後に、例えば氷水中等に浸漬して、少なくともガラス転移温度Tg以下に冷やすことをいい、アニール処理と氷水中等への浸漬との間に他の処理が含まれないことをいう。
急冷の方法は、水、氷水、エタノール、ドライアイスを入れたエタノールやメタノール、液体窒素などの冷媒に、アニール処理した高分子圧電材料を浸漬する方法や、蒸気圧の低い液体スプレーを吹き付け、蒸発潜熱により冷却したりする方法が挙げられる。連続的に高分子圧電材料を冷却するには、高分子圧電材料のガラス転移温度Tg以下の温度に管理された金属ロールと、高分子圧電材料とを接触させるなどして、急冷することが可能である。
また、冷却の回数は、1回のみであっても、2回以上であってもよく、さらには、アニールと冷却とを交互に繰り返し行なうことも可能である。
<高分子圧電材料の物性>
以下、本実施形態の高分子圧電材料の物性について説明する。
−圧電定数d14
高分子圧電材料の圧電性は、例えば、高分子圧電材料の圧電定数d14を測定することによって評価できる。
本実施形態の高分子圧電材料は、圧電定数d14が0.1pC/N以上である。なお、圧電定数d14が大きいほど、圧電性が高いことを示す。
本発明における圧電定数d14は、長さ10mm×幅3mmの高分子圧電材料の試験片について、動的粘弾性測定装置を用いて得られる応力と発生する電荷量から計算される値である。
具体的には、動的粘弾性測定装置を用い、周波数10Hzで、室温にて試験片に印加される最大せん断ひずみが0.01%〜0.1%の範囲に収まるように、0.01N/m〜0.1N/mのせん断応力を印加したときの該試験片の複素圧電率d14の実数部を測定し、実数部を圧電定数d14とする。
動的粘弾性測定装置としては、例えば、東洋精機製作所社製の「レオログラフソリッドS−1」を用いればよい。
圧電定数d14は高ければ高いほど、高分子圧電部材に印加される電圧に対する高分子圧電部材の変位、逆に高分子圧電部材に印加される力に対し発生する電圧が大きくなり、高分子圧電部材としては有用である。
具体的には、本実施形態における高分子圧電部材において、圧電定数d14は、0.1pC/N以上であり、0.3pC/N以上が好ましく、0.5pC/N以上がより好ましい。また圧電定数d14の上限は特に限定されないが、後述する透明性などのバランスの観点からは、50pC/N以下が好ましく、20pC/N以下がより好ましく、10pC/N以下がさらに好ましい。
圧電定数d14には、他にも変位法で測定されるもの(単位:pm/V)と、応力−電荷法により測定されるもの(単位:pC/N)とがある。本実施形態の一態様では、応力−電荷法による圧電定数d14は0.1pC/N以上、変位法による圧電定数d14は0.1pm/V以上であってもよい。
なお、本明細書中において、「MD方向」とはフィルムの流れる方向(Machine Direction)であり、「TD方向」とは、前記MD方向と直交し、フィルムの主面と平行な方向(Transverse Direction)である。
−弾性率−
本発明における弾性率は、上述した動的粘弾性測定装置を用いた圧電定数d14測定の際に、せん断ひずみ及び応力から得られる値である。
具体的には、動的粘弾性測定装置を用い、周波数10Hzで、室温にて試験片に印加される最大せん断ひずみが0.01%〜0.1%の範囲に収まるように、0.01N/m〜0.1N/mのせん断応力を印加したときの該試験片の弾性率である。
本実施形態の高分子圧電材料の弾性率は、好ましくは0.1GPa〜100GPaであり、より好ましくは0.2GPa〜50GPaであり、さらに好ましくは0.3GPa〜30GPaであり、特に好ましくは0.5GPa〜10GPaである。
高分子圧電材料の弾性率が0.1GPa以上であると、十分な形状保持性を確保することができ、弾性率が100GPa以下であると、フィルムが脆くなることを抑制できる。
高分子圧電材料の弾性率は、フィルムの組成、延伸倍率および加熱条件などによって調整することができる。例えば、延伸倍率を高めれば、高分子圧電材料の弾性率を高くすることができる。
他にも、本実施形態の高分子圧電材料の弾性率としては、JIS K7161に準拠した方法で測定した引張弾性率が挙げられる。具体的には、フィルムをカットして、巾(高分子圧電材料の延伸方向と直交する方向)10mm、長さ(高分子圧電材料の延伸方向)120mmの短冊状の試験片を準備し;引張試験機を用いて、温度23℃において、チャック間距離100mm、引張速度100mm/分の条件下で、試験片の引張弾性率を測定すればよい。試験片の引張弾性率としては、好ましくは0.1GPa〜100GPaであり、より好ましくは0.1GPa〜50GPaである。
本実施形態において、「延伸方向」とは、高分子圧電材料の分子鎖の伸びきり方向;又は引張弾性率が0.1GPa〜100GPaとなる方向である。また、「延伸方向と直交する方向」とは、高分子圧電材料の分子鎖の伸びきり方向と直交する方向である。
本実施形態の高分子圧電材料の形状には特に制限はないが、フィルム形状が好ましい。
また、高分子圧電材料の厚さ(例えば、フィルム形状である場合の高分子圧電材料の厚さ)には特に制限はないが、10μm〜400μmが好ましく、20μm〜300μmがより好ましく、20μm〜250μmがさらに好ましく、20μm〜200μmが特に好ましい。
[積層体]
本実施形態の高分子圧電材料を用いて積層体を形成してもよい。積層体は、例えば、高分子圧電材料を含む高分子圧電層と、高分子圧電層の少なくとも一方の主面上に配置され、イミド環構造を有する光学活性高分子以外の熱可塑性樹脂からなる表面層と、を含む。
前述の積層体は、熱可塑性樹脂からなる表面層を含んでいる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられ、なかでもポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が好ましい。
また、積層体は、高分子圧電層と表面層との間に粘接着層を有することが好ましい。粘接着層としては、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)テープを採用することができる。
[高分子圧電材料および積層体の用途等]
高分子圧電材料および積層体は、スピーカー、ヘッドホン、タッチパネル、リモートコントローラー、マイクロホン、水中マイクロホン、超音波トランスデューサ、超音波応用計測器、圧電振動子、機械的フィルター、圧電トランス、遅延装置、センサー、加速度センサー、衝撃センサー、振動センサー、感圧センサー、触覚センサー、電界センサー、音圧センサー、ディスプレイ、ファン、ポンプ、可変焦点ミラー、遮音材料、防音材料、キーボード、音響機器、情報処理機、計測機器、医用機器などの種々の分野で利用することができる。
このとき、高分子圧電材料は、少なくとも2つの面を有し、当該面には電極が備えられた圧電素子として用いられることが好ましい。電極は、高分子圧電材料の少なくとも2つの面に備えられていればよい。また、電極と高分子圧電材料との間に粘接着層や基材層が備えられていてもよい。前記電極としては、特に制限されないが、例えば、Al、Cu、Ag、Agペースト、カーボンブラック等の不透明材料、ITO(結晶化ITO及び非晶ITO)、ZnO、IGZO、IZO、導電性高分子(ポリチオフェン、PEDOT)、Agナノワイヤー、カーボンナノチューブ、グラフェン等の透明材料が用いられる。
また高分子圧電材料と電極を繰り返し重ねて積層圧電素子として用いることもできる。例としては電極と高分子圧電材料のユニットを繰り返し重ね、最後に電極で覆われていない高分子圧電材料の主面を電極で覆ったものが挙げられる。具体的にはユニットの繰り返しが2回のものは、電極、高分子圧電材料、電極、高分子圧電材料、電極をこの順で重ねた積層圧電素子である。積層圧電素子に用いられる高分子圧電材料はそのうち1層の高分子圧電材料が本実施形態に係る高分子圧電材料であればよく、その他の層は本実施形態に係る高分子圧電材料でなくてもよい。
本実施形態の高分子圧電材料を用いた前記圧電素子は、スピーカーやタッチパネル等、上述の種々の圧電デバイスに応用することができる。特に、透明性のある電極を備えた圧電素子は、スピーカー、タッチパネル、アクチュエータ等への応用に好適である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔製造例1〕
<圧電材料の作製>
L−アスパラギン酸(東京化成工業社製)150g、メシチレン340mL、スルホラン140mL、蒸留水200mL、および85%リン酸水溶液13g(触媒)をディーンスタークトラップが備え付けられた丸底フラスコに装入した。ディーンスタークトラップは、予めメシチレン及びスルホランの混合溶媒で充満した。上記丸底フラスコ内を窒素置換後、メカニカルスターラーで攪拌し、常圧、窒素雰囲気下180℃で36時間脱水縮合を行った。更に、この反応残渣を耐熱バットに入れ、窒素気流下200℃に設定したオーブンで加熱して残留溶媒を揮発させ、その後48時間固相重合を行った。
得られた残渣をジメチルホルムアミド1200mLに溶解し、ろ過により不溶物を除去した。得られたろ液にアセトン1200mLを加えて生成した微黄色固体をろ別し、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄後、乾燥してポリスクシンイミド(光学活性高分子A)を得た。
〔製造例2〕
L−アスパラギン酸(東京化成工業社製)50g、蒸留水100mLおよび85%リン酸水溶液21.7g(触媒)をディーンスタークトラップが備え付けられた丸底フラスコに装入した。上記丸底フラスコ内を窒素置換後、メカニカルスターラーで攪拌し、常圧、窒素雰囲気下で、120℃に加熱したオイルバスによりフラスコ内の水を留出させた。オイルバスの温度を上げてフラスコ内の温度を180℃にし、2.5時間反応を行った。更にフラスコ内を70mmHgに減圧して1時間反応を継続した。
得られた残渣をジメチルホルムアミド400mLに溶解し、ろ過により不溶物を除去した。得られたろ液にアセトン800mLを加えて生成した微黄色固体をろ別し、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄後、乾燥してポリスクシンイミド(光学活性高分子B)を得た。
〔製造例3〕
L−アスパラギン酸(東京化成工業社製)50g、メシチレン112mL、スルホラン50mL、蒸留水100mLおよび85%リン酸水溶液4.4g(触媒)をディーンスタークトラップが備え付けられた丸底フラスコに装入した。ディーンスタークトラップは、予めメシチレン及びスルホランの混合溶媒で充満した。上記丸底フラスコ内を窒素置換後、メカニカルスターラーで攪拌し、常圧、窒素雰囲気下180℃で4.5時間脱水縮合を行った。
溶媒を除去して得られた残渣をジメチルホルムアミド400mLに溶解し、ろ過により不溶物を除去した。得られたろ液にアセトン600mLを加えて生成した微黄色固体をろ別し、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄後、乾燥してポリスクシンイミド(光学活性高分子C)を得た。
〔製造例4〕
触媒を85%リン酸水溶液4.4gを塩化スズ(II)・二水和物8.6gに変更したこと以外は製造例3と同様にしてポリスクシンイミド(光学活性高分子D)を得た。
〔製造例5〕
触媒を85%リン酸水溶液4.4gを塩化スズ(II)・二水和物8.6gに変更し、かつ、脱水縮合について、「常圧、窒素雰囲気下180℃で4.5時間脱水縮合を行った」操作を「常圧、窒素雰囲気下180℃で4時間脱水縮合を行った後、更に85%リン酸水溶液8.8gを加え、常圧、窒素雰囲気下180℃で4時間脱水縮合を行った」操作に変更したこと以外は製造例3と同様にしてポリスクシンイミド(光学活性高分子E)を得た。
以下に示す方法により、前述の方法で合成されたポリスクシンイミド(光学活性高分子A〜E)の重量平均分子量および比旋光度を測定した。測定結果は、以下の表1に示すとおりである。
(数平均分子量及び重量平均分子量の測定)
ポリスクシンイミドの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、測定された値を指す。
−GPC測定装置−
昭和電工社製、Shodex GPC−101
−カラム−
昭和電工社製、Shodex OHpak SB−804 HQ
−サンプルの調製−
ポリスクシンイミドを40℃で溶媒であるジメチルホルムアミドに溶解させ、濃度1mg/mLのサンプル溶液を準備した。
−測定条件−
サンプル溶液0.1mLを溶媒(ジメチルホルムアミド(LiBr 0.1質量%含有))、温度40℃、0.7mL/分の流速でカラムに導入し、カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定した。ポリスクシンイミドの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、昭和電工社製のStandard Shodex SM−105を用いて作成した検量線に基づき算出した。
(比旋光度の測定)
ポリスクシンイミドの589nmにおける比旋光度は、下記の方法により測定した。
−測定条件−
ポリスクシンイミドを1.5質量%となるようにジメチルホルムアミドに溶解し、全自動旋光計AUTOPOL V(Rudolph Research Analytical社製)を用いて、測定波長589nm、20℃における旋光度αを測定した。旋光度αから下記式を用いて比旋光度[α]を計算した。
[式1]
[α]=α/(c×l)
c:測定サンプル濃度(g/dL)
l:セル長(100mm)
ポリスクシンイミド(光学活性高分子A〜E)の重量平均分子量および比旋光度の測定結果は、以下の表1に示すとおりである。
〔実施例1〕
製造例1で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子A)1gをジメチルホルムアミド10mLに溶解した後、テフロン(登録商標)シャーレにキャストして窒素気流下、常温で24時間放置してキャストフィルムを得た。得られたキャストフィルムを、100℃に設定した加熱延伸ローラー(井元製作所製)を用いて延伸倍率2倍にロール圧延して、配向処理を行った。これにより、高分子圧電材料を作製した。
得られた高分子圧電材料の厚さは46μmであった。
〔比較例1〕
加熱延伸ローラー(井元製作所製)の設定温度を100℃から120℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして高分子圧電材料を作製した。
〔実施例2〕
製造例1で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子A)1gを製造例2で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子B)1gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして高分子圧電材料を作製した。
〔実施例3〕
製造例1で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子A)1gを製造例3で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子C)1gに変更し、かつ、加熱延伸ローラー(井元製作所製)の設定温度を100℃から80℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして高分子圧電材料を作製した。
〔実施例4〕
製造例1で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子A)1gを製造例3で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子C)1gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして高分子圧電材料を作製した。
〔実施例5〕
製造例1で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子A)1gを製造例3で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子C)1gに変更し、かつ、加熱延伸ローラー(井元製作所製)の設定温度を100℃から120℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして高分子圧電材料を作製した。
〔実施例6〕
製造例1で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子A)1gを製造例4で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子D)1gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして高分子圧電材料を作製した。
〔実施例7〕
製造例1で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子A)1gを製造例5で得られたポリスクシンイミド(光学活性高分子E)1gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして高分子圧電材料を作製した。
(圧電定数d14の測定)
前述した圧電定数d14の測定方法に従い、上記実施例1〜7および比較例1の高分子圧電材料の圧電定数d14を測定した。動的粘弾性測定装置としては、東洋精機製作所社製の「レオログラフソリッドS−1」を用いた。
圧電定数d14の測定結果を以下の表2に示す。
(弾性率の測定)
前述した弾性率の測定方法に従い、上記実施例1〜7および比較例1の高分子圧電材料の弾性率を測定した。動的粘弾性測定装置としては、東洋精機製作所社製の「レオログラフソリッドS−1」を用いた。
弾性率の測定結果を以下の表2に示す。
上記表2に示すように、光学活性高分子A〜Eとしてポリスクシンイミドを用いた場合であっても、圧電定数d14が0.1pC/N以上である高分子圧電材料が得られた。
〔参考例1〕
NatureWorks LLC社製のポリ乳酸(PLA)(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D、重量平均分子量Mw:20万)のペレットを205℃で熱プレスを1分間行った後に20℃に設定したプレス機でプレスして急冷フィルムを得た。前記急冷フィルムの対向する2辺をクリップで固定し、固定した2辺と直交する方向に、70℃に加熱しながら4倍まで延伸し延伸フィルムを得た。得られたフィルムを、130℃で600秒アニールした後、急冷し、参考例1の高分子圧電材料を得た。また、以下のGPC測定方法により、ポリ乳酸のMwを測定した。
−GPC測定方法−
・測定装置
Waters社製GPC−100
・カラム
昭和電工社製、Shodex LF−804
・サンプルの調製
参考例1の高分子圧電材料を、それぞれ40℃で溶媒(クロロホルム)へ溶解させ、濃度1mg/mLのサンプル溶液を準備した。
・測定条件
サンプル溶液0.1mLを溶媒(クロロホルム)、温度40℃、1mL/分の流速でカラムに導入し、カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定した。ポリ乳酸の分子量は、ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)を算出した。
<耐湿熱性>
製造直後(製造から24時間以内)の高分子圧電材料(実施例1、参考例1)の重量平均分子量を測定した(初期Mw)。次に、製造直後(製造から24時間以内)の積層体から、長手方向50mm×幅方向50mmの矩形の試験片を用意し、この試験片を85℃85%RHに保った恒温恒湿器内に吊り下げ、所定時間(24時間又は192時間)保持した。この試験片について高分子圧電材料の重量平均分子量を測定し(耐湿熱試験後Mw)、下記式で表されるMw維持率について以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
式: Mw維持率=耐湿熱試験後Mw/初期Mw
〔評価基準〕
A:Mw維持率≧0.8
B:0.8>Mw維持率≧0.5
C:Mw維持率<0.5
表3に示すように、実施例1で得られた高分子圧電材料は、85℃85%RHの条件下にて192時間経過後であってもMw維持率の数値が高く、耐湿熱性に優れていることが分かる。
一方、参考例1で得られた高分子圧電材料は、85℃85%RHの条件下にて24時間経過した時点でMw維持率の数値が低く、耐湿熱性が不十分であることが分かる。

Claims (8)

  1. イミド環構造を有する光学活性高分子を含み、圧電定数d14が0.1pC/N以上である、高分子圧電材料。
  2. 前記イミド環構造を有する光学活性高分子が、ポリスクシンイミドである、請求項1に記載の高分子圧電材料。
  3. 前記イミド環構造を有する光学活性高分子の589nmにおける比旋光度の絶対値が0.1deg・cm・g−1以上である、請求項1または請求項2に記載の高分子圧電材料。
  4. 前記イミド環構造を有する光学活性高分子の重量平均分子量が18,000以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  5. 前記イミド環構造を有する光学活性高分子の含有量が50質量%以上である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の高分子圧電材料の製造方法であって、
    前記イミド環構造を有する光学活性高分子を含む組成物を製膜して膜を得る製膜工程と、
    前記膜を延伸する延伸工程と、
    を有する、高分子圧電材料の製造方法。
  7. 前記組成物が、溶媒を含み、
    前記製膜工程が、前記組成物をキャスト法で製膜して膜を得る工程と、前記膜から前記溶媒を蒸発除去する工程と、を含む、請求項6に記載の高分子圧電材料の製造方法。
  8. 前記延伸工程が、ロール延伸により配向処理を行う工程である、請求項6または請求項7に記載の高分子圧電材料の製造方法。
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