JP6368007B1 - ブレーキ故障予兆診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アマーチュアの動きの異常について、故障に至る前に知らせることができるブレーキ故障予兆診断装置を提供する。【解決手段】ブレーキ故障予兆診断装置は、ブレーキディスクと、アマーチュアと、アマーチュアをブレーキディスク側に摺動させてブレーキディスクに押し当てるスプリングと、アマーチュアをスプリングの偏倚力に抗してブレーキディスクから引き離す電磁コイルと、制動をかける場合には電磁コイルを消勢し、制動を解除する場合には電磁コイルを付勢する制御部と、電磁コイルに流れる電流の変化を、電磁コイルの時定数に基づく電流増加成分と、回転軸上の摩擦因子とアマーチュアとの摺動抵抗に起因する逆起電圧に基づく電流変動成分とに分ける検出部と、逆起電圧に基づく電流変動成分を検知する電流センサと、を具備し、電流センサの検知からアマーチュアの摺動異常を観測するブレーキ故障予兆診断装置。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、ブレーキ故障予兆診断装置に関する。
エレベータは、モータの動力で吊り篭を上下動させる巻上機を備えるとともに、この巻上機を必要に応じて制動する電磁ブレーキ装置を備える。電磁ブレーキ装置は、制動対象である巻上機の回転軸に固定されたブレーキディスク、その回転軸上を摺動自在なアマーチュア、このアマーチュアをブレーキディスクに押し当てるスプリング、上記アマーチュアをスプリングの偏倚力に抗してブレーキディスクから引き離す電磁コイルを含み、制動をかける場合に電磁コイルを消勢し、制動を解除する場合に電磁コイルを付勢する。
電磁コイルが消勢されると、電磁コイルからアマーチュアへの磁気的な吸引作用がなくなり、スプリングの偏倚力を受けているアマーチュアがブレーキディスクに当たって摺接する。これにより、巻上機の回転が制止される。
電磁コイルが付勢されると、電磁コイルからアマーチュアへの磁気的な吸引作用が働き、アマーチュアがスプリングの偏倚力に抗してブレーキディスクから離れる。これにより、制止が解除されて巻上機の回転が許容される。
上記電磁ブレーキ装置では、アマーチュアとブレーキディスクとの接触に伴い、アマーチュアが摩耗し、その摩耗により生じる金属の微粉がアマーチュアの周辺に飛散する。飛散した金属粉はアマーチュアと回転軸との摺動部分に入り込んで抵抗となり、アマーチュアの動きが徐々に悪くなる。このまま電磁ブレーキ装置の使用が続くと、制動力が低下する、アマーチュアが動かなくなる等の故障に至る可能性がある、という問題がある。
特開2008−168981号公報
本発明が解決しようとする課題は、アマーチュアの動きの異常について、故障に至る前に知らせることができるブレーキ故障予兆診断装置を提供することである。
上記課題を解決するため、実施形態のブレーキ故障予兆診断装置は、制動対象の回転軸に固定されたブレーキディスクと、前記回転軸上を摺動自在なアマーチュアと、前記アマーチュアを前記ブレーキディスク側に摺動させて当該ブレーキディスクに押し当てるスプリングと、前記アマーチュアを前記スプリングの偏倚力に抗して前記ブレーキディスクから引き離す電磁コイルと、制動をかける場合には前記電磁コイルを消勢し、制動を解除する場合には前記電磁コイルを付勢する制御部と、前記電磁コイルに流れる電流の変化を、電磁コイルの時定数に基づく電流増加成分と、前記アマーチュアの摺動の変化による逆起電圧に基づく電流変動成分とに分け、前記電流増加成分が流れるインピーダンス成分と前記電流変動成分が流れるキャパシタンス成分とを有する検出部と、前記逆起電圧に基づく電流変動成分を検知する電流センサと、を具備し、前記電流センサの検知から前記アマーチュアの摺動異常を観測する。
第1の実施形態におけるアマーチュアおよび周辺の断面図および電気系統のブロック図。 第1の実施形態におけるアマーチュアの摺動状態を示す図。 アマーチュアの摺動において部分的に摺動抵抗の増加がある場合の励磁電流の波形図。 アマーチュアの摺動において全域に摺動抵抗の増加がある場合の励磁電流の波形図。 第1および第2の実施形態であるブレーキ故障予兆診断装置の等価回路の図。 第3および第4の実施形態であるブレーキ故障予兆診断装置の等価回路の図。
以下、ブレーキ故障予兆診断装置の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)
図1および図2は、第1の実施形態のブレーキ故障予兆診断装置を示し、図1では、アマーチュアを含む機械系主要部の断面図に、予兆診断を行う電気回路の全体を示している。図1および図2に示すように、制御対象である例えばエレベータの巻上機の回転軸(駆動軸ともいう)1に、その軸方向に沿ってブレーキディスク2およびアマーチュア3が順次に配置されている。巻上機は、モータを動力源とし、乗客や荷物が載る吊り篭を回転軸1の回転により上下動させる。
ブレーキディスク2は、中心部が回転軸1に固定され、回転軸1が回転するとそれに伴い回転する。アマーチュア3は、ブレーキディスク2より径の大きい円板状の磁性体で形成され、回転軸1が通る挿通孔3aを中心部に有し、後述する固定用ボルト5が通る挿通孔3bを周縁部の複数個所に有する。
挿通孔3aの径は回転軸1の径よりもわずかに大きく、各挿通孔3bの径も固定用ボルト5の径よりもわずかに大きい。よって、アマーチュア3は、回転軸1の回転の影響を受けることなく回転軸1上をその軸方向に沿って摺動することができ、その摺動によりブレーキディスク2への摺接および離間が自在である。
回転軸1上において、ブレーキディスク2を挟んでアマーチュア3と対向する位置に、ディスク受け板(サイドプレートともいう)4が配置される。ディスク受け板4は、アマーチュア3とほぼ同じ径の円板状に形成され、回転軸1が通る挿通孔4aを中心部に有し、固定用ボルト5が通る挿通孔4bを周縁部の複数個所に有する。挿通孔4aの径は回転軸1の径よりもわずかに大きく、各挿通孔4bの径は固定用ボルト5の径とほぼ同じである。挿通孔4aの径が回転軸1の径よりもわずかに大きいので、回転軸1とディスク受け板4との接触は生じない。
ディスク受け板4の各挿通孔4aおよびアマーチュア3の各挿通孔3aに固定用ボルト5がそれぞれ挿通され、これら固定用ボルト5の先端部がコア(コイルケースともいう)10およびそのコア10の取付け基板6にねじ込み固定される。このねじ込み固定により、ディスク受け板4およびアマーチュア3がコア10および取付け基板6に固定される。ブレーキディスク2とコア10との間にはアマーチュア3の摺動を許容するための所定の間隙が確保される。
コア10は、アマーチュア3とほぼ同じ径の円板状の磁性体で形成され、回転軸1の先端部を回転自在に受け入れる凹部10aを中心部に有する。また、コア10は、アマーチュア3と対向する側の面において、凹部10aを囲む位置に円環状のコイル収容穴10bを有し、そのコイル収容穴10bを囲む位置に複数のスプリング収容穴10cを有する。
コイル収容穴10bには、円環状に巻回された電磁コイル11が埋設されている。各スプリング収容穴10cにはそれぞれスプリング12が収容され、これらスプリング12の先端部がスプリング収容穴10cから突出してアマーチュア3の一方面に固定されている。各スプリング12は、アマーチュア3をブレーキディスク2側に摺動させて同ブレーキディスク2に押し当てる方向の偏倚力を発する。
電磁コイル11は、アマーチュア3を各スプリング12の偏倚力に抗してブレーキディスク2から引き離すための磁界を発するもので、通電用の電線21を介して駆動部20に電気的に接続されている。駆動部20は、電磁コイル11を付勢するための励磁電流(直流電流)を出力する。励磁電流が出力されると、電磁コイル11から磁界が発せられてコア10が電磁石となり、その磁気的な吸引作用がアマーチュア3に働く。これにより、アマーチュア3が各スプリング12の偏倚力に抗してブレーキディスク2から離れる。
励磁電流検知用の検出部22が電線21に接続され、電流センサ23が電線22に接続されている。検出部22および電流センサ23の検知結果が制御部30に供給される。そして、制御部30に、上記駆動部20が接続されている。
制御部30は駆動部20を制御するもので、主要な機能として次の手段を有する。
(1)回転軸1に制動をかける場合には、駆動部20から励磁電流の出力を停止して電磁コイル11を消勢する。回転軸1への制動を解除する場合に駆動部20から励磁電流を出力し、電磁コイル11を付勢する制御手段。
(2)上記制御手段による電磁コイル11の付勢に際し、電磁コイル11に流れる励磁電流を、検出部22および電流センサ23を介して、電磁コイル11の時定数よりも短い範囲にてサンプリングする計測手段。
(3)検出部22および電流センサ23にて検出された逆起電圧に基づく電流変動成分から当該ブレーキ装置に異常の有無を判定する判定手段。
検出部22は電磁コイル11に流れる励磁電流の変化を検出し、電磁コイル11の時定数に基づく電流増加成分と逆起電圧に基づく電流変動成分とに分ける回路である。
電流センサ23は検出部22にて検出された逆起電圧に基づく電流変動成分について検知する回路である。
上記ブレーキディスク2、アマーチュア3、ディスク受け板4、固定用ボルト5、取付け基板6、コア10、電磁コイル11、各スプリング12、駆動部20、電線21、制御部30などにより巻上機の回転軸1を制動する電磁ブレーキ装置が構成されている。この電磁ブレーキ装置に対し、検出部22、電流センサ23、を設けてブレーキ故障予兆診断装置が構成されている。このブレーキ故障予兆診断装置は巻上機と共にエレベータに搭載されている。
つぎに、ブレーキ故障予兆診断装置の動作について説明する。
制御部30は、回転軸1に制動をかける場合、電磁コイル11への通電を遮断して電磁コイル11を消勢する。
電磁コイル11が消勢されると、コア10からアマーチュア3への磁気的な吸引作用がなくなる。これに伴い、複数のスプリング12の偏倚力により、図1に示すようにアマーチュア3がブレーキディスク2の一方面の外縁部に当たって摺接する。これにより、回転軸1の回転が制止される。
この制動に際し、アマーチュア3とディスク受け板4との間にブレーキディスク2が挟み込まれた状態となる。この両面からの挟み込みにより、制動力が増加する。
制動を解除する場合、制御部30は、電磁コイル11に励磁電流を供給して電磁コイル11を付勢する。
電磁コイル11が付勢されると、コア10からアマーチュア3へ磁気的な吸引作用が働く。これに伴い、図2に示すように、アマーチュア3が各スプリング12の偏倚力に抗してブレーキディスク2から引き離され、アマーチュア3の一方面がコア10に面接触する。これにより、上記制止が解除されて回転軸1の回転が許容される。
アマーチュア3がブレーキディスク2に摺接すると、アマーチュア3が徐々に摩耗し、その摩耗により生じる金属の微粉がアマーチュア3の周辺に飛散する。飛散した金属粉は、アマーチュア3と回転軸1との摺動部分である挿通孔3aおよび回転軸1の周面との間に入り込んで摩擦因子として摺動抵抗となり、アマーチュア3の動きを徐々に悪くしてしまう。このまま電磁ブレーキ装置の使用が続くと、制動力が低下する、アマーチュア3が動かなくなる故障に至る可能性がある。
電磁ブレーキ装置の使用初期や定期点検により電磁ブレーキ装置が清掃された直後は、金属粉が少ないので、アマーチュア3と回転軸1との摺動抵抗は小さい。摺動抵抗が小さい場合、電磁コイル11の付勢に際し、アマーチュア3は図1から図2の状態へと引っかかりなくスムーズに動くいわゆる1段引きの状態でコア10にスムーズに吸引されてコア10に面接触する。
図3はアマーチュア3の摺動において回転軸1に部分的に摺動抵抗の増加(機械的抵抗)がある場合の励磁電流の波形図である。
電磁コイル11に流れる正常時の励磁電流は、図3の実線に示すように、付勢の開始に合わせて零から立ち上がり、電流量が増加すると、アマーチュア3が動き始め、逆起電圧が生じる。アマーチュア3の速度の増加に伴って、電磁コイル11の電流勾配が減少する。アマーチュア3の速度が十分に増加すると電磁コイル11の電流量は減少し、アマーチュア3の一方面がコア10に面接触したところで逆起電圧が0となる。この後、再び電流量は上昇し、そこから上昇量が徐々に減少して平坦となる。
しかし、飛散した金属粉が溜まった場合など回転軸1に部分的に摺動抵抗の増加があり、アマーチュア3の摺動に異常が発生するおそれがある。このような場合、励磁電流は図3の破線のようになる。
部分的な摺動抵抗の増加を有する異常時の励磁電流は、付勢の開始に合わせて零から立ち上がり、電流量が増加する。アマーチュア3が動き始めると逆起電圧が生じる。アマーチュア3の速度の増加に伴って、電磁コイル11の電流勾配が減少し、やがて(図3の(a)の時点)、電磁コイル11の電流量は減少する。
摺動抵抗を有する箇所にアマーチュア3が達すると(図3の(b)の時点)、アマーチュア3が減速し逆起電圧が低下して電流量が上昇する。
電流量が増加することで再びアマーチュア3が動き出すと逆起電圧が再発生して、電流勾配が減少し、やがて(図3の(c)の時点)、電流量が減少する。
アマーチュア3の一方面がコア10に面接触したところで(図3の(d)の時点)、逆起電圧が0となるため再び電流量は上昇し、そこから上昇量が徐々に減少して平坦となる。アマーチュア3の一方面がコア10に面接触した時点(図3の(d))は正常時よりも遅れることとなる。
図3では、摺動抵抗の増加が1か所の場合を示したが、複数の摺動抵抗がある場合、生じる励磁電流の変動が複数回生じることもある。
図4はアマーチュア3の摺動において回転軸1の全域に摺動抵抗の増加(機械的抵抗)がある場合の励磁電流の波形図である。正常時の波形は図3と同様である。
飛散した金属粉が回転軸1の全域にわたり溜まった場合など、全域にわたり摺動抵抗の増加が発生し、アマーチュア3の摺動に異常ある場合、励磁電流は図4の破線のようになる。
全域にわたり摺動抵抗の増加を有する異常時の励磁電流は、付勢の開始に合わせて零から立ち上がる。全域に摺動抵抗の増加がみられるため、正常時よりも大きい電流が流れないとアマーチュア3は動き出さないこととなる。そのため、電流が減少を始めたとき(図4の(a’)の時点)の電流量は正常時よりも大きくなる。
さらにアマーチュア3の速度が増加すると、電磁コイル11に生じている逆起電圧が増加し、電流量は減少する。
アマーチュア3の一方面がコア10に面接触したところで(図4の(d’)の時点)、逆起電圧が0となるため再び電流量は上昇し、そこから上昇量が徐々に減少して平坦となる。アマーチュア3は増加分の摺動抵抗を受け続けるため、アマーチュア3の一方面がコア10に面接触した時点(図4の(d’))は正常時よりも遅れることとなる。
本実施形態では検出部22および電流センサ23にて図3の(b)(d)や図4の(d’)などのような逆起電圧の変化、変化の回数を検知する。
図5は本実施形態のブレーキ故障予兆診断装置についての等価回路の図である。本等価回路はコア10、駆動部20、検出部22、電流センサ23、制御部30(スイッチ)についての等価回路となる。コア10に流れる電流をiとし、検出部22にて電磁コイル11の時定数に基づく電流増加成分i11と逆起電圧に基づく電流変動成分i21とに分かれる。
駆動部20はコア10および検出部22に電流を供給する装置である。
図5では、コア10の電気的な等価回路(破線部)を明確にした。コア10は等価回路的には、インダクタンス成分(L)101とインピーダンス成分(R)102と逆起電力成分(a)103とを有する。インダクタンス成分(L)101は電磁コイル11のインダクタンス成分である。逆起電力成分103の電位降下はアマーチュア3の速度によって決まる。当該速度が速いほど電位降下は大きくなり、速度が0の場合は電位降下が0Vとなる。
検出部22(点線部)の回路はインピーダンス成分(R)220とキャパシタンス成分(C)221とを有する。当該回路は実際の回路構成としてもよく、また検出部22の等価回路でもよい。図1より、インピーダンス成分220およびキャパシタンス成分221はコア10の電磁コイル11に対して夫々直列に接続されている。また、インピーダンス成分220とキャパシタンス成分221とは互いに並列に接続されている。
電流センサ23は、検出部22に接続されており、キャパシタンス成分221を流れる電流値(i21)を検知する装置である。
制御部30は、コア10および検出部22の電流の状態に基づいて、制御手段を行うスイッチ機能を有している。また、制御部30は検出部22および電流センサ23に接続されており、これらの値に基づいて、サンプリングする計測手段、電磁ブレーキ装置に異常の有無を判定する判定手段を行う。
本実施形態において、逆起電圧に基づく電流変動はコア10の電磁コイル11を流れる総電流に対して微小でありかつ変動の速度も速いため、逆起電圧に基づく電流変動成分i21は検出部22のキャパシタンス成分221側に流れる。一方、電磁コイル11の時定数に基づく電流増加は比較的変動速度が遅いため、時定数に基づく電流増加成分i11はインピーダンス成分220側に流れる。
即ち、キャパシタンス成分221に流れる、逆起電圧に基づく電流変動成分i21は電磁ブレーキ装置の異常と密接に関連する変動成分である。アマーチュア3の摺動異常による抵抗力の変化は微少な時間の範囲で起きるため、逆起電圧に基づく電流変動成分i21は微少な時間にて変化する。電流変動成分i21の変化をキャパシタンス成分221に流通し、電流センサ23にて変動成分を計測することで、励磁電流の降下の回数(図3の(b))を計測したり、電流値(図4の(d’)など)を計測したりすることで、異常に対して感度の高い検知が可能である。このため、逆起電圧に基づく電流変動成分i21の計測に用いる電流センサ23の性能によらずに正確に異常検知をすることができる。
制御部30は判定手段にて電流センサ23による電流検知より電磁ブレーキ装置の異常の判定を行う。また、制御部30は判定手段にて異常の判定を行った場合、外部に通知する通知手段を有していてもよい。
これにより、本実施形態のブレーキ故障予兆診断装置はアマーチュアの動きの異常について、故障に至る前に知らせることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態のブレーキ故障予兆診断装置は、第1の実施形態と同様で、図1に示すものとなる。本実施形態では図5のコア10のインダクタンス成分101とインピーダンス成分102と、検出部22のキャパシタンス成分221との回路構成により、逆起電力成分103の周波数成分について、直列の共振回路とみなすことができる。共振状態になると、キャパシタンス成分221のインダクタンスが低下し、逆起電圧に基づく電流変動成分i21は検出部22のキャパシタンス成分221側に流れるため、インピーダンス成分220については無視することができる。
逆起電力成分103の逆起電圧に基づく電流変動成分i21の周波数成分は、一例として異常値の電流を事前に計測し、スペクトル解析することにより求めることができる。また、コア10、アマーチュア3の運動方程式、電気回路方程式に基づいたモデルによるシミュレーションをすることで求めることができる。
コア10(電磁コイル11)のインダクタンス成分(L)101と検出部22のキャパシタンス成分(C)221との直列回路の共振回路としたときの共振周波数fは以下の式(1)のようになる。
本実施形態では、当該共振回路の共振周波数fを逆起電圧に基づく電流変動成分i21の周波数成分と略一致するようにキャパシタンス成分221が選択されている。このときキャパシタンス成分221を流れる逆起電圧に基づく電流変動成分i21は増幅されるため、第1の実施形態に対して、さらに感度の良い検知が可能となる。
キャパシタンス成分221は可変のキャパシタンス成分として、例えばエレベータの保守員が容量の調整をすることが可能としてもよい。
これにより、本実施形態のブレーキ故障予兆診断装置はアマーチュアの動きの異常について、故障に至る前に知らせることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態のブレーキ故障予兆診断装置は、第1の実施形態と同様の構成を有し、図1と同様の構成である。ただ、検出部22の構成が第1の実施形態と相違している。
図6は、本実施形態のブレーキ故障予兆診断装置についての等価回路の図である。本等価回路は、図5の等価回路の検出部22にインダクタンス成分(L)222を更に有している。インダクタンス成分222は電磁コイル11のインダクタンス成分(L)101に対して直列に接続されており、インピーダンス成分(R)220に対して並列に接続されている。また、キャパシタンス成分(C)221とは互いに直列に接続されている。
コア10に流れる電流をiとし、検出部22にて電磁コイル11の時定数に基づく電流増加成分をi12とし、逆起電圧に基づく電流変動成分をi22とする。
電流センサ23は検出部22に接続されており、キャパシタンス成分221を流れる電流値(i22)を検知する装置である。
コア10、駆動部20および制御部30は第1の実施形態と同様である。
従来の電磁ブレーキ装置のインダクタンス成分は電磁コイル11に依存し、自由に選択できる要素ではなかった。本実施形態は検出部22にインダクタンス成分222を追加してブレーキ故障予兆診断装置全体のインダクタンス成分を調整することを可能としている。
本実施形態において、逆起電圧に基づく電流変動は、電磁コイル11を流れる総電流に対して微小でありかつ変動の速度も速いため、逆起電圧に基づく電流変動成分i22は検出部22のインダクタンス成分222およびキャパシタンス成分221側に流れる。一方、電磁コイル11の時定数に基づく電流増加は比較的変動速度が遅いため、時定数に基づく電流増加成分i12はインピーダンス成分220側に流れる。即ち、インダクタンス成分222およびキャパシタンス成分221側に流れる、逆起電圧に基づく電流変動成分i22は電磁ブレーキ装置の異常検知に必要な変動成分であり、この電流値を計測することで、異常に対して感度の高い検知が可能である。このため、逆起電圧に基づく電流変動成分i22の計測に用いる電流センサ23の性能によらずに正確に異常検知をすることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態のブレーキ故障予兆診断装置は、第3の実施形態と同様の構成を有しする。本実施形態では図6のコア10のインダクタンス成分101と検出部22のキャパシタンス成分221とインダクタンス成分222との回路構成が逆起電力成分103を電源とした直列の共振回路を構成している。
本実施形態では図6のコア10のインダクタンス成分101とインピーダンス成分102と、検出部22のキャパシタンス成分221とインダクタンス成分222との回路構成により、逆起電力成分103の周波数成分について、直列の共振回路とみなすことができる。共振状態になると、キャパシタンス成分221とインダクタンス成分222のインダクタンスが低下し、逆起電圧に基づく電流変動成分i22は検出部22のインダクタンス成分222およびキャパシタンス成分221側に流れるため、インピーダンス成分220について無視することができる。
逆起電力成分103の逆起電圧に基づく電流変動成分i22の周波数成分は第2の実施形態の逆起電圧に基づく電流変動成分i21と同様に求めることができる。
コア10(電磁コイル11)のインダクタンス成分(L)101とインピーダンス成分(R1)102と、検出部22のインダクタンス成分(L)222とキャパシタンス成分(C)221との直列回路の共振回路としたときの共振周波数fは以下の式(2)のようになる。
本実施形態では、当該共振回路の共振周波数fを逆起電圧に基づく電流変動成分i22の周波数成分と略一致するようにインダクタンス成分222およびキャパシタンス成分221が選択されている。このときキャパシタンス成分221を流れる逆起電圧に基づく電流変動成分i22は増幅されるため、第1の実施形態に対して、さらに感度の良い検知が可能となる。
本実施形態では第1および第2の実施形態にインダクタンス成分を追加したことで、ブレーキ故障予兆診断装置の回路全体のインダクタンスを自由に変更することを可能にし、共振状態を起こしやすくしている。これにより、電磁コイルのインダクタンス成分と検出部内のインダクタンス成分およびキャパシタンス成分とからなる共振回路の設計自由度を高くすることが可能となる。
キャパシタンス成分221は可変のキャパシタンス成分とし、インダクタンス成分222は可変のインダクタンス成分として、例えばエレベータの保守員が各成分の調整をすることが可能としてもよい。
これにより、本実施形態のブレーキ故障予兆診断装置はアマーチュアの動きの異常について、故障に至る前に知らせることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、そのほかの様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…回転軸
2…ブレーキディスク
3…アマーチュア
4…ディスク受け板
5…固定用ボルト
6…取付け基板
10…コア
10a…挿通孔
10b…コイル収容穴
10c…スプリング収容穴
11…電磁コイル
12…スプリング
20…駆動部
21…電線
22…検出部
23…電流センサ
30…制御部
101…インダクタンス成分
102…インピーダンス成分
103…逆起電力成分
220…インピーダンス成分
221…キャパシタンス成分
222…インダクタンス成分

Claims (7)

  1. 制動対象の回転軸に固定されたブレーキディスクと、
    前記回転軸上を摺動自在なアマーチュアと、
    前記アマーチュアを前記ブレーキディスク側に摺動させて当該ブレーキディスクに押し当てるスプリングと、
    前記アマーチュアを前記スプリングの偏倚力に抗して前記ブレーキディスクから引き離す電磁コイルと、
    制動をかける場合には前記電磁コイルを消勢し、制動を解除する場合には前記電磁コイルを付勢する制御部と、
    前記電磁コイルに流れる電流の変化を、電磁コイルの時定数に基づく電流増加成分と、前記アマーチュアの摺動の変化による逆起電圧に基づく電流変動成分とに分け、前記電流増加成分が流れるインピーダンス成分と前記電流変動成分が流れるキャパシタンス成分とを有する検出部と、
    前記逆起電圧に基づく電流変動成分を検知する電流センサと、
    を具備し、前記電流センサの検知から前記アマーチュアの摺動異常を観測するブレーキ故障予兆診断装置。
  2. 前記検出部は、
    前記電磁コイルに対して直列に接続される前記インピーダンス成分と、
    前記電磁コイルに対して直列に接続され、前記インピーダンス成分に対して並列に接続される前記キャパシタンス成分と、
    を有する請求項1に記載のブレーキ故障予兆診断装置。
  3. 前記電磁コイルのインダクタンス成分と前記キャパシタンス成分とは、前記逆起電圧に基づく電流変動成分の周波数に略一致する周波数にて共振回路を構成する、請求項2に記載のブレーキ故障予兆診断装置。
  4. 前記キャパシタンス成分は容量を可変に設定することが可能である、請求項2または請求項3に記載のブレーキ故障予兆診断装置。
  5. 前記検出部は、
    前記電磁コイルに対して直列に接続される前記インピーダンス成分と、
    前記電磁コイルに対して直列に接続され、前記インピーダンス成分に対して並列に接続され、互いに直列接続されて前記逆起電圧に基づく電流変動成分が流れるインダクタンス成分と前記キャパシタンス成分と、
    を有する請求項1に記載のブレーキ故障予兆診断装置。
  6. 前記電磁コイルのインダクタンス成分と前記検出部内の前記インダクタンス成分および前記キャパシタンス成分とは、前記逆起電圧に基づく電流変動成分の周波数に略一致する周波数にて共振回路を構成する、請求項5に記載のブレーキ故障予兆診断装置。
  7. 前記検出部内の前記インダクタンス成分または前記キャパシタンス成分の少なくともいずれかは成分を可変に設定することが可能である、請求項5または請求項6に記載のブレーキ故障予兆診断装置。
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