JP6367891B2 - カルボキシレートの酸性化 - Google Patents

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Description

本発明は、マグネシウムカルボキシレートを含む液体供給物を酸で酸性化することにより
カルボン酸を製造する方法に向けられる。
カルボン酸、例えば乳酸およびコハク酸、は炭素源、例えば炭水化物またはグリセロール
、の微生物による発酵を介して製造され得る。そのような発酵法では、炭水化物源が典型
的に、微生物によって発酵されてカルボン酸を形成する。炭水化物源が発酵されるところ
の液体は、発酵ブロスまたは発酵培地と呼ばれる。発酵中のカルボン酸の形成は、発酵培
地のpHの低下を結果するであろう。そのようなpHの低下は、微生物の代謝プロセスを
損ない得るので、上記pHを中和するために、または微生物の最適なpH値を維持するた
めに、中和剤、すなわち塩基、を発酵培地に添加することが通常のプラクティスである。
その結果、典型的には、発酵培地において製造されるカルボン酸がカルボキシレート塩の
形態で存在する。酸性の環境にある程度耐性を有する微生物があり、その結果、低いpH
(例えば3のpH)で発酵が行われ得るが、このような方法においてさえ、カルボン酸の
少なくとも一部はカルボキシレート塩として得られる。
発酵後に発酵ブロスからカルボン酸を回収するために、下流処理が必要である。そのよう
な処理では、発酵ブロスにおけるカルボキシレート塩がカルボン酸に転化される必要があ
る。これは、カルボキシレート塩を酸と反応させて、カルボン酸および塩を結果すること
により得られ得る。カルボキシレート塩の酸性化は、種々の酸、例えば硫酸および塩酸(
塩化水素水溶液と言う場合もある)、を用いて行われ得る。
国際公開第00/17378号パンフレットは、乳酸の製造法を記載している。この方法
では、乳酸マグネシウム溶液が、発酵法により製造される。上記溶液が、塩化水素溶液で
酸性化されて、乳酸および塩化マグネシウムを含む溶液を形成する。この溶液が濃縮工程
に付され、乳酸が上記溶液から抽出によって除去され、得られる塩化マグネシウム溶液が
熱分解工程に付されて、固体の酸化マグネシウムおよび、HClおよび水を含む気体流を
生じる。HClおよび水を含む気体流は次いで、水に吸収されて約20重量%の水性HC
l溶液を形成し、この溶液が、酸性化工程に再循環される。酸化マグネシウムは、発酵工
程に供給され得る。
国際公開第00/17378号の方法は、塩化マグネシウム化合物のリサイクルを許すの
で理論的に魅力的であるが、商業的運転に関する多くの欠点を有する。非常に重要な欠点
は、水性溶液におけるHClの濃度がいつも比較的低いであろうということである。気体
塩化水素を水に吸収させると、得られるHCl溶液は共沸混合物(水/HCl共沸混合物
)であるだろう。その結果、そのような水性HCl溶液中に得られるHCl濃度は、HC
lおよび水の共沸混合物のHCl濃度(室温で約20重量%である)より高くなり得ない
。当業者が知っているように、HClおよび水の共沸混合物は温度依存性である。HCl
および水の共沸混合物は、81℃で21.8重量%のHCl、109℃で20.2重量%
のHCl、および116℃で19.7重量%のHClを含む。それとともに、追加の処置
、例えば共沸蒸留または抽出蒸留、が行われなければ、HCl溶液の濃度は約20重量%
に限定される。上記追加の処置は、高価な装置および相当量のエネルギーを必要とし、し
たがって望ましくない。
20重量%のHCl濃度の上限は、マグネシウムカルボキシレート溶液の酸性化反応にお
いて、有効なHClの1gにつき、4gの水がその系に添加されることを意味する。その
ような多量の水の存在は、多くの理由のために不利である。第一に、それは、低い酸濃度
をもたらし、それは、酸の回収を妨害し、それとともに酸の収率が低下する。さらに、残
存する塩化マグネシウム溶液も比較的低い濃度を有し、それは、この溶液が、熱分解工程
に供給されるとき、熱分解工程自体においてまたは先行する濃縮工程において、多量の水
が蒸発されなければならないことを意味する。さらに、国際公開第00/17378号の
抽出工程におけるより多い量の水は、より多い量の有機抽出剤を水相にもたらし、それは
、続く熱分解工程の点でおよび抽出剤損失の点で望ましくない。
国際公開第00/17378号パンフレット
したがって、国際公開第00/17378号の方法の欠点を有することなく、上記方法の
塩化マグネシウムの有利なリサイクルを示す方法の要求がある。本発明は、そのような方
法を提供する。
本発明は、カルボキシレート塩を含む液体供給物の酸性化によってカルボン酸を製造する方法に向けられる。上記方法は、下記工程:
マグネシウムカルボキシレートを含む液体供給物を用意すること、
気体塩化水素を含む気体供給物を用意すること、および
上記液体供給物を上記気体供給物と接触させることにより上記カルボキシレートをカルボン酸に酸性化し、それによってカルボン酸および塩化マグネシウムを含む排出液を形成すること
を含む。ここで、気体塩化水素を含む気体供給物は熱分解工程に由来し、該熱分解工程では、塩化マグネシウムを含む水性液体が少なくとも300℃の温度に付され、それによって塩化マグネシウムを酸化マグネシウムおよび塩化水素に分解し、こうして酸化マグネシウムを含む固体と気体塩化水素を含む気体とを得る。
特に、本発明は、カルボキシレート塩を含む水性液体供給物の酸性化によってカルボン酸を製造する方法において、下記工程:
マグネシウムカルボキシレートを含む水性液体供給物を用意すること、ここで上記水性液体供給物は60〜120℃の温度を有する、
気体塩化水素および気体の水を含む気体供給物を用意すること、ここで上記気体供給物が1:10〜1:4の塩化水素対水の重量比を有する、
上記水性液体供給物を上記気体供給物と接触させることにより上記カルボキシレートをカルボン酸に酸性化し、それによってカルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性排出液を形成すること、
ここで、気体塩化水素および気体の水を含む上記気体供給物は熱分解工程に由来し、該熱分解工程では、塩化マグネシウムを含む水性液体が少なくとも300℃の温度に付され、それによって塩化マグネシウムを酸化マグネシウムおよび塩化水素に分解し、こうして酸化マグネシウムを含む固体と気体塩化水素および気体の水を含む気体とを得る、および
上記水性排出液に存在するカルボン酸と塩化物塩を互いに分離し、それによってカルボン酸生成物流および水性の塩化マグネシウム溶液または懸濁物を得る分離工程、ここで該水性の塩化マグネシウム溶液または懸濁物が、塩化マグネシウムを含む水性液体として上記熱分解工程に供給される
を含む、上記方法である。
この方法では、熱分解工程と、気体HClを含む気体流を、マグネシウムカルボキシレー
トを含む液体供給物に供給することとの組み合わせが、装置の使用およびリコース(re
courses)に関して効率的であり、またマグネシウムカルボキシレートを含む液体
の希釈を制限しながら酸の添加を許すところの方法を作る。本発明の更なる利点およびそ
の特定の実施態様は、下記の記載から明らかになるであろう。
驚いたことに、熱分解工程に由来する気体HClを使用して酸性化を行うことにより、等
価量の水によってなされるよりも、増加された量のHClが、マグネシウムカルボキシレ
ートを含む液体供給物によって吸着されることが分かった。理論に縛られることを望まな
いが、上記液体供給物によって吸着され得るHClの量が、HClとカルボキシレート塩
との反応によって増加されると考えられる。すなわち、本発明の方法は、高価な装置や相
当量のエネルギーの消費無しに水/HCl共沸混合物を有効に分離する。上記液体供給物
を上記気体供給物と接触させることにより、気体塩化水素が液体供給物によって吸着され
るだろう。一方、多量の水の添加が回避され得、これは、酸性化された溶液の希釈の低下
を結果する。特に、酸性化中に添加される水の量が、水性HCl供給物を使用する場合と
比較して低下される。より少なく希釈された排出液が得られるので、適切に高いカルボン
酸濃度を得るために、より少ない量の水が蒸発されればよく、その結果、蒸発コストが削
減される。さらに、より少ない水が存在するとき、続く精製工程が、はるかにより効率的
にそしてはるかにより小さい装置において行われ得る。さらに、生じる塩化マグネシウム
溶液もより高い濃度を有し、これは、その処理をより効率的にする。
本発明に従う方法が実際に作用することは、それ自体驚きである。なぜならば、塩化マグ
ネシウムの熱分解に由来する気体流はそれ自体、一般に、例えば熱分解工程に供給された
溶液由来の、気体の水を含むからである。したがって、気体のHClおよび水を含む気体
流が、マグネシウムカルボキシレートを含む液体供給物に供給されるとき、気体流に存在
する酸および水の両方が、液体供給物に吸着され、それは、実質的な希釈をもたらす。し
かし、上述したHClの選択的吸着故に、その系において吸着される水の量は、予測され
るよりも少ない。したがって、気体流が水に吸着され、それが次いで酸性化工程に供給さ
れるところの国際公開第00/17378号パンフレットに記載された方法と比較して、
本発明に従う方法は、酸性化反応に供給される水の量において予期せぬ低下を示す。さら
に、当業者に明らかなように、本発明に従う方法は、より少ない装置を使用し、それは関
連コストを低下させる。
図1は、本発明の1の実施態様を示す流れ図である 図2は、本発明の別の実施態様を示す流れ図である。 図3は、比較の方法を示す流れ図である。
本発明に従う方法は、マグネシウムカルボキシレートを含む液体供給物の提供で始まる。
本明細書で使用される用語「カルボキシレート」は、カルボン酸の共役塩を意味し、一般
に式RCOOで表わされ得る。用語「カルボキシレートに対応するカルボン酸」は、カ
ルボキシレートを酸性化することにより得られ得るカルボン酸を意味する。したがって、
酸性化されたカルボキシレートとも言う。カルボキシレートに対応するカルボン酸は一般
に、式RCOOHによって表わされ得る。
液体供給物は、水性溶液または水性懸濁物(例えばスラリー)であり得る。水性供給物中
の固形物の存在は、当業者に知られているように、使用される装置および供給される液体
のポンプ圧送性(pumpability)に依存して、ある程度あり得る(すなわち、
固形物は、液体供給物が吸収装置へポンプ送りされるのを妨げてはならない)。そのよう
な懸濁物に存在し得る固形物の例は、固体状のカルボン酸および/または固体状のマグネ
シウムカルボキシレートである。加工性の理由から、液体供給物は水性溶液であるのが好
ましい。
液体供給物中のマグネシウムカルボキシレートの濃度は決定的でなく、典型的には50〜
750g/Lである。液体供給物が発酵プロセスに由来する場合には、50g/L未満の
濃度は好ましくない。750g/L超の値は、液体供給物がこの場合に、十分ポンプ圧送
性を有するには粘性が高すぎるおよび/または固形物が多過ぎることになり得るので、望
ましくない可能性がある。
液体供給物はまた、マグネシウムカルボキシレートの他に、ある量のカルボン酸を含み得
る。これは例えば、それが、低いpHで行われた発酵工程に由来するからである。
液体供給物は、マグネシウムカルボキシレートを含む。上記カルボキシレートは好ましく
は、少なくとも2〜8の炭素原子を有するモノ−、ジ−またはトリ−カルボキシレート(
C2〜C8カルボキシレート)であるが、本発明はまた、8超の炭素原子を有するより長
いカルボキシレートにも適する。C2〜C8カルボキシレートは、ラクテート、スクシネ
ート、プロピオネート、3−ヒドロキシプロピオネート、ヒドロキシブチレート、シトレ
ート、フマレート、イタコネート、アジペート、アクリレート、レブリネート、マレエー
ト、テレフタレートおよび2,5−フランジカルボキシレートから成る群から選択され得
る。好ましくは、カルボン酸が、ラクテート、スクシネート、2,5−フランジカルボキ
シレート、プロピオネートおよび3−ヒドロキシプロピオネートから成る群から選択され
る。特に、良好な結果が、ラクテートおよびスクシネートを使用することにより得られた
。また、本発明に従う方法によって非常に良好に酸性され得るより高級なマグネシウムカ
ルボキシレートは、例えば、脂肪酸(脂肪族アシレート)のマグネシウム塩および/また
はモノ−および/またはジ−ラクチレート(脂肪酸のラクチレートエステル)のマグネシ
ウム塩であり得る。上記マグネシウム脂肪酸塩およびラクチレート塩は、脂肪酸またはカ
プロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸およびオレイン酸の脂肪酸またはラクチレートエステルのマグネシウム塩および/
またはそれらの混合物から選択され得る。
酸性化後に形成された塩化マグネシウムおよびカルボン酸の溶解性に依存して、塩化マグ
ネシウムは、吸収デバイスまたは装置中で、カルボン酸が析出する前に、析出し得る。塩
化マグネシウムは次いで、好ましくは、熱加水分解反応器に供給される前に再び溶解され
得る。加工性の理由から、液体供給物が水性溶液であるのが好ましい。
カルボキシレートが、その対応するカルボン酸が塩化マグネシウムの溶解度よりも低い溶
解度、特に20℃で60g/水100g未満(より特に、30g/水100g未満、さら
には15g/水100g未満)の溶解度を有するように選択されるならば、カルボン酸は
、塩化マグネシウムが析出する前に析出し得る。塩化マグネシウム溶液は次いで、析出し
たカルボン酸から分離され得、そして、所望ならば、熱加水分解反応器へ直接供給され得
る。上記で使用された用語「溶解度」は、20℃である量の水に溶解され得る化合物の最
大重量を意味する。
気体塩化水素を含む気体供給物は熱分解工程から誘導される。熱分解工程では、塩化マグ
ネシウムを含む水性液体が少なくとも300℃の温度に付され、それによって塩化マグネ
シウムを酸化マグネシウムと塩化水素に分解し、こうして酸化マグネシウムを含む固体と
気体塩化水素を含む気体を得る。
酸性化反応に供給される気体供給物は一般に、気体の総重量に基づいて、少なくとも1重
量%、好ましくは少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%の塩化水素を
含む。1重量%未満の濃度は、一般に望ましくない。なぜならば、そのような濃度は、効
率的な酸性化を維持するために、気体供給物を液体供給物に供給するための非常に大きい
気体パイプの使用を必要とするからである。気体供給物中の塩化水素の高い濃度は一般に
望ましいが、気体供給物は実際には、20重量%以下の塩化水素を含むであろう。気体供
給物中のHClの適する濃度は、7〜12重量%である。塩化マグネシウムの熱加水分解
で得られた気体のHCl濃度は、典型的には、この範囲内であるが、何らかの理由でより
高いまたはより低いHCl濃度で運転することが望ましいならば、濃縮または希釈工程が
あり得る。
気体のさらなる組成に応じて、気体供給物は一般に、少なくとも25重量%の不活性気体
、特にN、COおよびそれらの混合物(例えば空気)から成る群から選択される不活
性気体を含む。これは、例えば、不活性気体の存在下、例えば空気の存在下で行われる熱
加水分解から結果し得る。本明細書で使用される用語「不活性気体」は、酸性化中に液体
供給物による反応、凝縮または吸収を生じず、そして液体供給物と接触した後に気体とし
て液体供給物から離れるところの気体を意味する。不活性気体の濃度はより高くあり得、
例えば少なくとも50重量%であり得る。1実施態様では、気体供給物が、40〜80重
量%の窒素気体を含み得る。気体供給物は、95重量%までの不活性気体を含み得る。1
実施態様では、MgCl熱加水分解で得られた気体供給物が使用され、それは、40〜
50重量%のN、0〜5重量%のOおよび5〜15重量%のCOを含む。
1の実施態様では、酸性化反応に供給されたHCl含有気体流が、気体の水を含む。HC
l含有気体流が塩化マグネシウムの溶液の熱分解に由来するとき、分解生成物流は一般に
、気体のHClに加えて気体の水を含むだろう。気体流から水を除去することが可能であ
るが、中間の水除去なしで気体流を熱分解工程から酸性化工程に供給することが本発明の
特定の特徴である。
1の実施態様では、酸性化反応に供給された気体流が、気体の水および気体のHClを含
み、ここで、気体供給物中の塩化水素と水との重量比が1:10〜1:0.1、例えば1
:6〜1:3である。特に、HCl/HO比が1:10〜1:4、特に1:6〜1:4
、より特に1:5〜1:4であり得る。
酸性化反応器に供給された気体流は、例えば、少なくとも5重量%の水、特に少なくとも
10重量%の水、より特に少なくとも20重量%の水を含み得る。水の最大量として、9
0重量%の値が挙げられ得る。1の実施態様では、水の量が25〜50重量%の範囲であ
る。特定の場合の気体流中の水の量は、特に、塩化マグネシウム溶液中の水の量および熱
分解中に存在する不活性気体の量に依存するだろう。
塩化マグネシウム溶液を熱分解することによって気体供給物を調製する場合には、塩化マ
グネシウム溶液が好ましくは15〜40重量%、より好ましくは25〜30重量%の塩化
マグネシウムを含む。低すぎるMgCl濃度は、熱加水分解中の水の蒸発に伴う高いエ
ネルギーコスト故に望ましくない。1実施態様では、20〜40重量%の塩化マグネシウ
ム溶液の熱分解によって得られる気体供給物が、少なくとも1:10で高々1:4の塩化
水素対水の重量比(HCl/HO比)を有する。25〜30重量%の塩化マグネシウム
濃度が使用される場合には、一般に、1:6〜1:4、特に1:5〜1:4のHCl/H
O比を有するであろう。この場合には、気体供給物が典型的に、5〜15重量%のHC
lおよび30〜45重量%の水を含む。
一般に、水性供給物は、20〜150℃の範囲の温度を有するであろう。
しかし、本発明の好ましい実施態様では、液体供給物の温度が高められることが分かった
。高められた温度の使用は、気体流からの水の吸着と比較して、気体流からのHClの吸
着のための増加された選択性をもたらすことが分かった。特に、液体供給物の高められた
温度では、気体HClが気体流から大きい程度になおも吸着され、一方、気体流にまた存
在する水の吸着または凝縮は、処理が大気圧下で行われるときですら、減少される。これ
は、本発明に従う方法において、液体供給物の温度が高められるとき、液体供給物の希釈
がさらにもっと阻止されることを意味する。したがって、本発明の1実施態様では、気体
の酸性化反応の流れと接触される液体供給物が、少なくとも60℃、特に少なくとも75
℃の温度を有する。最も好ましくは、液体供給物が80〜120℃の温度を有する。
気体供給物の温度は特に重要ではない。好ましくは20℃以上であり、より好ましくは7
5℃より高い。気体供給物の温度が比較的低い、例えば20℃未満、あるいは場合によっ
ては75℃以下であるとき、気体供給物に存在する水は、液体供給物の温度にも依存して
、液体供給物中で凝縮し得る。さらに、気体供給物は好ましくは、150℃以下の温度を
有する。より高い温度は、吸収を行うための、例えば酸/腐食耐性および温度耐性の高い
構成物質で作られた、高価な装置を必要とするであろう。気体供給物は例えば、80〜1
20℃の温度を有し得る。
以下でより詳細に検討されるように、熱分解工程は、少なくとも300℃の温度で行われ
る。1の実施態様では、熱分解工程から結果する気体流が、熱交換工程に供給され、ここ
で気体流の温度が80〜150℃、特に80〜120℃の範囲の値に低下される。この温
度を有する気体流が、酸性化工程に直接供給され得る。
酸性化が行われる温度は、主にカルボキシレート供給物の温度によって決定される。気体
供給物の温度は、カルボキシレート供給物の温度と比較して、酸性化温度への影響が比較
的小さい。
1実施態様では、カルボキシレート供給物の温度が、気体供給物の温度より1〜50℃高
く、より好ましくは3〜25℃、例えば5〜15℃高い。そのような温度の違いが、気体
供給物が吸収カラムに入るところの領域における気体の水の凝縮の防止を高める。
液体供給物が気体供給物と接触されるところの酸性化工程が行われる温度は、好ましくは
少なくとも60℃、より特に少なくとも75℃である。最も好ましくは酸化工程が行われ
る温度が80〜120℃の範囲である。
上述したように、本発明に従う方法のための、特に液体マグネシウムカルボキシレート溶
液のための、適切な温度を選択することにより、気体流からの水の吸着と比較して、気体
流からのHClの吸着の選択性を高めることができる。
気体流中の水の量、および温度の選択に依存して、気体流からのHClの吸着が維持され
ながら、気体供給物中に存在する気体の水の少なくとも50重量%、より好ましくは少な
くとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%が液体供給物中で凝縮し
ないように温度を選択することが好ましくあり得る。凝縮しない気体の水の部分は、気体
の水として液体供給物から離れるであろう。気体流から吸着されるHClの量は一般に、
気体流に存在するHClの少なくとも90%、より特に少なくとも95%、さらに特に少
なくとも99%である。
供給されるHClの量はまた、中和されるべきカルボキシレートの量によって決定される
。1実施態様では、酸性化が、過剰のHClの使用によって行われる。過剰量は好ましく
は小さく、得られる生成物が高度に酸性ではないような量である。高度に酸性であると、
そのような溶液をさらに処理する点で望ましくない可能性がある。
気体流からのHClの吸着プロセスの選択性はまた、気体流からの水の選択性と比較して
、酸性化が行われるところの吸収装置における圧力によって影響を受け得る。吸収装置の
圧力を低下させることにより、および/または上述したように液体供給物の温度を高める
ことにより、吸着される水の量が減少され得、一方、吸着される酸の量は減少され得ない
。(ほぼ)大気圧が一般に適するが、わずかな減圧も魅力的であり得る。吸着は例えば、
0.5〜2バール、特に0.8〜1バール、例えば0.9〜1バール、の値で行われ得る
。酸性化反応を80〜120℃の温度で(ほぼ)大気圧で行うことが、気体流からの水の
吸着と比較して、気体流からのHClの吸着の高い選択性を可能にするために非常に適す
ることが分かった。
1実施態様では、気体流からのHClの吸着の選択性が、気体流からの水の吸着と比較し
て、高められるだけでなく、系から追加の水が蒸発されて濃度の更なる増加をも結果する
ように、本発明に従う方法の温度および圧力が選択される。
理論に縛られることを望まないが、液体供給物中に気体塩化水素を吸収することの追加の
利点は、水によるHClの吸収故に液体供給物および/または気体供給物中にエネルギー
が放出されるだろうと言うことである。HClのH+およびCl−への解離は、発熱反応
である。上述したように、解離の結果として放出されたエネルギーは液体供給物を加熱し
、それによって、液体中に吸着される水の量を低下させるだろう。
下記のパラメータは、気体供給物からの水の吸着と比較したHCl吸着の選択性およびそ
れによる酸性化工程中に吸着される水の量の決定において役目を果たす。より高い温度、
より低い圧力、およびより高いHCl濃度は、吸着される水の量の低下をもたらし、およ
び/または適する場合には、蒸発される水の量の増加をもたらす。より低い温度、より高
い圧力およびより低いHCl濃度は、吸着される水の量の増加をもたらし、および/また
は適する場合には、蒸発される水の量の減少をもたらす。
この情報に基づいて、当業者は、酸性化中の水のバランスをどのように管理するかを理解
し、そして系に入るまたは系から出る水の量を必要に応じて調整することができる。一般
に、非常に濃縮された排出液を得ることが望ましいが、いくつかの実施態様では、塩化マ
グネシウムの望ましくない析出故に、制限があり得る。
酸性化は、水性液体中でのHClの吸収に適する任意の装置において行われ得る。酸性化
工程の酸性条件故に、装置は好ましくは、酸耐性材料、例えばプラスチックまたは適する
二相鋼グレード、で作られる。装置の形状は重要でない。気体供給物は、例えば、装置に
その底部または底部付近で供給され、液体供給物は、カラムにその頂部または頂部付近で
供給される。適する吸収装置の例は、カラム(例えば、充填カラム、バブルカラム)、ス
クラバー(例えば、ベンチュリスクラバー)、トレイ吸収器(tray absorbe
rs)および攪拌タンクである。当業者は、どの適する吸収装置を選択すべきかを分かる
だろう。
酸性化工程からの生成物は、溶解した塩化マグネシウムおよびカルボン酸を含む水性液体
(本明細書において排出液としても示される)である。水性液体は、溶液、スラリー、懸
濁物またはエマルジョンであり得る。カルボン酸は、析出故に少なくとも部分的に固体状
であり得るが、液状でもあり得る。
1実施態様では、水性液体が一般に、5〜50重量%、特に10〜40重量%、より特に
20〜35重量%の範囲の塩化マグネシウム濃度を有する。
1実施態様では、水性液体が、カルボン酸を5〜60重量%、好ましくは10〜50重量
%、より好ましくは20〜40重量%の範囲の量で含む。カルボン酸は、水性媒体中に溶
解された形態で、または溶解されていない形態で、例えば析出または結晶化によって形成
される粒子の形態で、存在し得る。カルボン酸が存在するところの形態は、酸の性質に依
存するであろう。
水性排出液生成物は、下記でより詳細に説明する種々のやり方で処理され得る。
本発明に従う方法では、気体塩化水素を含む気体供給物が、塩化マグネシウムを含む水性
液体が少なくとも300℃の温度に付され、それによって塩化マグネシウムを酸化マグネ
シウムおよび塩化水素に分解し、こうして酸化マグネシウムを含む固体および気体塩化水
素を含む気体を得るところの熱分解工程に由来する。
塩化物の熱分解は通常、塩化鉄(III)(FeCl)が酸化鉄(II)(Fe
)および塩素ガス(Cl)に熱分解されるところの鋼工業から知られている。この分野
では、MgClのHClおよびMgOへの熱分解も、例えば英国特許第793,700
号明細書から、知られている。熱分解を行うために適する装置は当該分野において公知で
ある。例えば、スプレーロースター(spray roaster)または流動床ロース
ター(fluid bed roaster)が使用され得る。そのような装置は、例え
ば、SMS Siemagで得られ得る。
熱分解は、少なくとも300℃の温度で行われる。300℃は、MgClが分解する最
低温度である。好ましくは、熱分解が、少なくとも350℃の温度、例えば350〜45
0℃で行われる。エネルギーコスト故に、温度は好ましくは1000℃より下、より好ま
しくは800℃より下である。例えば、熱分解が行われる温度は350〜600℃であり
得る。好ましくは、熱分解工程に付される塩化マグネシウム溶液が、15〜40重量%、
より好ましくは25〜35重量%のMgCl濃度を有する。上記溶液中に存在する塩化
マグネシウムの量が多過ぎると、熱分解装置に入った後に塩化マグネシウムの析出を結果
し得る。
熱分解工程は、従来公知の方法によって行われ、さらなる説明を必要としない。熱分解工
程は、HClおよび酸化マグネシウムを含む気体流を生じる。1実施態様では、熱分解工
程から生じる気体流(上記で特定された範囲の温度を有する)が、熱交換工程に供給され
る。ここで、気体流の温度は、80〜150℃、特に80〜120℃の範囲の値に低下さ
れる。この温度を有する気体流が、酸性化工程に直接供給され得る。
酸化マグネシウム(MgO)は典型的に、粉末の形状で得られる。1実施態様では、酸化
マグネシウムが水で、例えばMgOを水で冷却することにより、水和され、それによって
、水酸化マグネシウム(Mg(OH))懸濁物を形成する。水酸化マグネシウムは好ま
しくは、発酵プロセスでの使用のために再循環される。例えば、Mg(OH)は発酵プ
ロセスにおいて中和剤として使用され得る。あるいは、Mg(OH)は最初に炭酸マグ
ネシウム(MgCO)に転化され、次いで、発酵プロセスにおいて中和剤として使用さ
れる。
熱分解工程で得られたHClは、上記で詳述したように、酸性化工程においてそれを使用
することによりサイクルされる。
上記方法の工程は、吸収装置からの排出液がさらに処理され、そして塩化マグネシウムが
再使用または再循環のために適するものにされるために処理されるところのより大きいプ
ロセスの一部であり得る。
したがって、本発明の方法は、分離工程をさらに含み得る。分離工程では、排出液中に存
在するカルボン酸と塩化マグネシウが、例えばカルボン酸を排出液から単離して塩化マグ
ネシウム溶液が残るようにすることにより、互いに分離される。分離工程は典型的に、カ
ルボン酸生成物流および、塩化マグネシウムを含む水性液体を結果する。上記塩化マグネ
シウムを含む水性液体は懸濁物であり得るが、好ましくは溶液である。溶液は、熱加水分
解反応器での熱分解のためにより良好に適するからである。カルボン酸を塩化マグネシウ
ムから分離するために適する任意の方法が使用され得る。例えば、カルボン酸および塩化
マグネシウムが、析出により分離され得る。この技術は下記により詳細に記載される。別
の実施態様では、カルボン酸および塩化マグネシウムが、カルボン酸を塩化マグネシウム
溶液から抽出することにより分離され得る。この方法も、下記により詳細に記載される。
さらなる実施態様では、カルボン酸および塩化マグネシウムが、析出および/または抽出
以外の技術によって分離される。
分離工程が後に続くところの本発明に従う方法の利点は、高められた収率のカルボン酸を
結果し得ることである。本発明の酸性化工程を使用することにより、排出液が、高められ
たカルボン酸濃度を有するだろう。そのような高められた濃度は一般に、カルボン酸のよ
り効率的な分離および/または単離を結果し、したがって収率の増加をもたらすだろう。
酸性化工程と熱加水分解工程との組み合わせは、本発明の方法における水のバランスに関
して特に望ましい。連続法として行われるとき、上述した工程のいずれにおいても水を添
加する必要がなく、したがって、カルボキシレート溶液ができるだけ濃縮されて保持され
る。上述したように、これは、上記方法の間の水の蒸発がないまたはより少ないことによ
りエネルギーを節約するだけでなく、カルボン酸の収率を高め得る。
例えば、酸性化工程で(例えばHCl溶液を使用することにより)液体供給物に追加の水
が添加された場合には、この追加の水が、熱分解工程中または先行する濃縮工程中に蒸発
されなければならず、それは余分のエネルギーを必要とするであろう。
さらに、排出液の希釈を避けることにより、分離工程がより効率的になり、塩化マグネシ
ウム溶液中にカルボン酸が存在しないまたは非常に少ない量でのみが存在するであろう。
これは重要である。なぜならば、塩化マグネシウム溶液中に残っているカルボン酸はいず
れも灰化され、したがってカルボン酸の合計収率の低下を結果するだろうからである。さ
らに、抽出を含む分離方法が使用される場合には、多量の水の存在が、水相に溶解する抽
出剤の高められた量を結果し、それとともに熱分解工程に供給されて灰化され、抽出剤の
損失をもたらすだろう。
本発明の方法は好ましくは、連続法である。にもかかわらず、バッチ法として行われ得る
上記方法は、カルボキシレート塩を含む液体供給物が形成されるところの発酵工程を含み
得る。そのような工程は典型的に、微生物によって炭素源を発酵してカルボン酸を含む発
酵培地を形成するサブ工程、および中和剤、好ましくはマグネシウム塩基、を添加するこ
とにより望ましいpHを確立するために発酵培地を(部分的に)中和してカルボキシレー
ト塩を形成するサブ工程を含む。次いで、バイオマスが発酵培地から、例えばバイオマス
の(限外)濾過、遠心分離またはデカンテーションによって、または発酵培地からのマグ
ネシウムカルボキシレートの析出によって、分離され得る。上述したように、熱分解工程
で得られた酸化マグネシウムは、中和剤またはその前駆体として発酵工程に再循環され得
る。
本発明の1実施態様では、特に発酵が低カルボキシレート濃度を有する溶液を生じる場合
には、発酵工程と酸性化工程との間で濃縮工程を行うことが好ましくあり得る。濃縮工程
は一般に、マグネシウムカルボキシレートを含む液体供給物の温度の増加と関連し、した
がって、上述したように、高められた温度で、例えば少なくとも60℃の温度で酸性化工
程を行う場合には特に魅力的である。
本発明に従う方法は、他のプロセス工程との統合に特に適する。本発明に従う方法の工程
を含むプロセスの例は、図に示されている。
図1は、本発明の1の実施態様を示す。発酵プロセスが、カルボン酸を生じる発酵反応器
(1)で行われる。発酵中にマグネシウム塩基が添加され(図示せず)、その結果、マグ
ネシウムカルボキシレートが形成される。マグネシウムカルボキシレートを含む生成物流
(2)が発酵反応器から抜き出され、そして酸性化反応器に供給される。所望ならば、中
間の精製工程、例えばバイオマス除去、が従来公知のやり方で行われ得る。マグネシウム
カルボキシレートを含む液体供給物が酸性化反応器(3)に供給され、そこで熱分解工程
(9)由来の気体流(4)と接触される。酸性化反応器(3)では、マグネシウムカルボ
キシレートが、気体HClとの反応によって、カルボン酸および塩化マグネシウムに転化
される。不活性気体を、および一般的に気体HOをも含む流れがライン(12)から抜
き出される。カルボン酸および塩化マグネシウムを含む流れ(5)が分離工程(6)に付
される。この図では、これが別個の反応器において行われるとして示されているが、これ
はまた、分離方法に依存して、酸性化反応器で行われ得る。分離工程(6)は、カルボン
酸を含む流れ(7)および塩化マグネシウムを含む水性液体である流れ(8)を生じる。
流れ(8)が熱分解装置(9)に供給され、そこで塩化マグネシウムが、ライン(10)
を通る不活性気体の添加を伴ってHClおよびMgOに転化される。HCl含有気体流(
4)は酸性化反応器(3)に供給される。MgOはライン(11)から抜き出され、所望
ならば、水と反応して、水酸化マグネシウムを含む溶液を形成し、それは発酵反応器(1
)へ再循環される。
図2は、図1の方法の変形を示す。ここで濃縮工程(13)が発酵工程(1)と酸性化工
程(3)との間に挿入されている。マグネシウムカルボキシレートを含む生成物流(21
)が発酵反応器(1)から抜き出され、そして濃縮器(13)に供給される。過剰の水が
ライン(14)を通って除去され、濃縮された生成物流(22)が酸性化工程(3)に供
給される。先に述べたように、本発明に従う方法の魅力的な実施態様は、濃縮工程が行わ
れて、少なくとも60℃、特に少なくとも75℃、より特に80〜120℃の範囲の温度
を有する濃縮された液体を結果するところの態様である。これは、気体供給物からの水の
吸着と比較して液体供給物におけるHClの吸着の高い選択性をもたらすだろうからであ
る。
図3は、比較の方法を示す。ここでは、図1の本発明に従う方法と比較して、熱分解工程
(9)からライン(4)を通って抜き出される気体供給物が、酸性化工程(3)に供給さ
れず、その代わりに、別個の吸着反応器(41)に供給される。そこでは、気体供給物が
、ライン(42)を通る水と接触され、その結果、水性HCl溶液を生じ、それは、酸性
化反応器(3)に供給される。不活性気体が、ライン(43)を通って抜き出される。こ
の図は、この比較の方法の他の欠点の他に、この方法がまた、本発明に従う方法では必要
とされない追加の装置の使用を必要とすることを示す。
上述したように、1実施態様では、本発明に従う方法が、カルボン酸および塩化マグネシ
ウムを含む排出液を分離工程に付して、塩化マグネシウムおよびカルボン酸を含む水性液
体、特に水性溶液、を生じる工程を含む。
1実施態様では、分離工程が、カルボン酸を水性混合物から有機液体中に抽出し、それに
よって有機カルボン酸溶液と塩化マグネシウムを含む水性排出液を得ることを含む抽出工
程である。好ましい実施態様では、カルボン酸が次いで、有機カルボン酸溶液から水性液
体中に抽出され、それによって水性カルボン酸溶液および第二の有機液体を得る。すなわ
ち、好ましい実施態様では、分離工程が、水性排出液から有機液体への酸の順抽出および
、それに続く有機液体から水中への酸の逆抽出を含み、こうして、カルボン酸の水性溶液
を形成する。しかし、逆抽出工程を行わないで、他の手段、例えば蒸発または蒸留、によ
って有機液体から酸を単離することも可能である。
1実施態様では、抽出工程で使用される有機液体が、ケトンおよびエーテルから成る群か
ら選択される有機溶媒を含む。好ましくは、有機液体が、少なくとも90重量%、好まし
くは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の有機溶媒を含む。1
実施態様では、有機液体が有機溶媒である。任意的に、少量の水が、第一の有機液体に存
在し得る。上記液体が(部分的に)抽出後の再循環工程からの再循環された有機溶媒を含
むときは特にそうである。
ケトンおよびエーテルが抽出プロセスにおいて魅力的であることが分かった。それらは、
高い分配比を示し、高い酸収率を結果するからである。本発明において、ケトン、特にC
5+ケトン、より特にC5〜C8ケトンを使用することが好ましい。C5+は、少なくと
も5の炭素原子を有するケトンを表わす。混合物も使用され得る。C9+ケトンの使用は
あまり好ましくない。これらの化合物は、最終生成物においてより多くの汚染物を結果す
ると考えられるからである。メチルイソブチルケトン(MIBK)の使用が特に魅力的で
あることが分かった。ケトンはまた、実質的な程度に反応したり分解したりしないという
点において、プロセス条件下で安定であり、したがって汚染物をあまり生ぜず、また安定
なプロセス運転を許すので、好ましい。エーテルも使用され得、特にC3〜C6エーテル
が使用され得る。しかし、エーテルの使用は、特に、より多くの溶媒損失および、最終生
成物におけるより多くの汚染物を結果するので、あまり好ましくないことが分かった。エ
ーテル群の中では、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)およびジエチルエーテル(D
EE)の使用が好ましくあり得るが、ケトンの使用よりは好ましくない。
本発明の1実施態様では、カルボン酸および塩化マグネシウムが、マグネシウムカルボキ
シレートのHClによる酸性化の後に、析出によって互いに分離され得る。この場合には
、本発明の方法が下記工程:
任意的に濃縮工程、ここで、カルボン酸およびMgClを含む排出液が濃縮される;
カルボン酸およびMgClを含む溶液からカルボン酸を析出し、それによってカルボ
ン酸析出物およびMgCl溶液を得ること;
をさらに含み得る。ここで、カルボキシレートに対応するカルボン酸が、60g/水10
0gの20℃の水中での溶解度を有し、また、カルボキシレートが好ましくはスクシネー
トである。
これらの工程を含む本発明の方法は、以降、本発明の析出方法と言う。液体供給物は以降
、カルボキシレート溶液または懸濁物と言う。排出液は以降、カルボン酸およびMgCl
を含む溶液(または単に溶液)と言う。酸性化および酸性付与の用語は、本明細書全体
において交換可能に使用される。
本発明の析出法は、下記に詳細に記載される。それは、上述された部分もいくつか含む。
本発明者らは、カルボン酸のマグネシウム塩へのHClの添加およびその後の溶液からの
カルボン酸の析出が、マグネシウムカルボキシレート溶液からのカルボン酸の非常に効率
的な単離をもたらすことを見出した。
特に、コハク酸は、HClで酸性化されたカルボキシレート溶液から非常に高い効率で析
出され得ることが見出された。何れの理論にも縛られることを望まないが、本発明者らは
、上記析出の高い効率が、上記溶液中のMgClの特に高い塩析効果故であると考える
。この効果は、マグネシウム塩溶液がHClで酸性化されたときのMgClの形成故に
カルボン酸の溶解度が低下することに起因し得る。特に、上記塩析効果は、HCl、マグ
ネシウムおよびカルボン酸の特定の組合せによって引き起こされると考えられる。塩析効
果は一般に、予想することが困難であるので、本発明の析出方法において観察された特に
高い塩析効果は、本発明者らにとって驚きであった。
すなわち、本発明の析出方法を使用すると、マグネシウムカルボキシレート溶液からカル
ボン酸析出物が高い収率で得られ得る。上記溶液は例えば、発酵プロセスで得られた発酵
混合物である。さらに、得られたカルボン酸析出物は、比較的高い純度を有する。これは
、本発明の析出方法における析出工程が、カルボン酸以外の化合物の多量の析出を生じな
いからである。さらに、塩化マグネシウム溶液が得られ、これは、熱分解工程によって処
理される。
さらに、HClおよびマグネシウムカルボキシレートのための特定の選択は、塩廃棄物お
よび酸性付与で必要な補助物質の減少を付与する。本発明にしたがって熱分解工程と組み
合わされて、得られるHClが酸性付与工程において再使用されるときは特にそうである
本明細書において使用される用語「析出」は、完全に溶解された状態から出発する固形物
の形成を意味する。カルボン酸は、結晶形またはアモルファス形で析出され得る。本発明
の析出法に従ってカルボ酸を析出することによって、カルボン酸はまた、精製され得る。
マグネシウムカルボキシレート溶液が、溶解された不純物を含む場合には、カルボン酸の
析出が典型的にカルボン酸をそのような不純物から分離する。
本明細書において使用される用語「析出され得る溶液」は、析出に付され得る溶液を意味
する。典型的に、この用語は、任意的にこの溶液が濃縮工程におよび/または余分のMg
Clが添加される工程に付された後の、酸性付与後に得られたカルボン酸およびMgC
を含む溶液を意味する。しかし、第二のまたはさらなる析出工程の場合には、用語「
析出され得る溶液」は、任意的にこの溶液が濃縮工程におよび/または余分のMgCl
が添加される工程に付された後の、最後の析出工程後に得られたMgCl溶液を意味す
る。そのようなMgCl溶液は、なおもカルボン酸を含み得、それは第二のまたはさら
なる析出工程に付されることにより得られ得る。
析出方法では、任意のマグネシウムカルボキシレートが使用され得、それは酸性化された
形態であり(すなわち対応するカルボン酸)、水中での溶解度が、MgClに近いかM
gClより低い。その結果、本発明の析出法において析出され得るカルボン酸は、20
℃で60g/水100g以下の水中での溶解度を有する。MgClよりもかなり高い水
溶解度を有するカルボン酸は、本発明の析出法によって析出されるのには適しない。なぜ
ならば、この場合には、カルボン酸を析出するときに多量のMgClが析出し、適する
分離が得られないからである。
好ましくは、カルボキシレートに対応するカルボン酸が、20℃の水中で測定されるとき
、MgClよりも低い溶解度を有する、すなわち、20℃で54.5g/水100g未
満の水中での溶解度を有する。より好ましくは、カルボン酸が、MgClよりもかなり
低い溶解度を有し、その結果、析出工程において溶液からカルボン酸とともにMgCl
が析出しない。したがって、カルボン酸は好ましくは、30g/水100g未満、より好
ましくは15g/水100g未満、さらにより好ましくは10g/水100g未満の、2
0℃の水における溶解度を有する。
1実施態様では、本発明の析出法によって析出され得るカルボン酸が、コハク酸、イタコ
ン酸、クエン酸およびフマル酸から成る群から選択され得る。析出され得るカルボン酸は
また、アジピン酸であり得る。カルボン酸は好ましくは、コハク酸である。なぜならば、
この特定の酸の場合に、特に適する塩析効果が観察されたからである。コハク酸は、20
℃で6.75g/水100gの溶解度を有する。
したがって、マグネシウムカルボキシレートは、コハク酸マグネシウム、イタコン酸マグ
ネシウム、フマル酸マグネシウム、クエン酸マグネシウムおよびアジピン酸マグネシウム
から成る群から選択され得る。
本発明の析出法において供給されるマグネシウムカルボキシレートは、発酵プロセスにお
いて得られ得る。
マグネシウムカルボキシレートは、固体(例えば結晶)形状で供給され得る。あるいは、
マグネシウムカルボキシレートは、溶解された形状であり得、例えば溶液または懸濁物の
一部であり得る。溶解されたマグネシウムカルボキシレートを含むそのような溶液または
懸濁物は、水性であり得、また、特に発酵プロセスにおいて得られ得る。懸濁物の例は、
例えば、溶解されたマグネシウムカルボキシレートおよび不溶のバイオマス、例えば発酵
ブロス、を含む懸濁物であり得る。
実際的な理由から、マグネシウムカルボキシレート濃度の上限は、例えばマグネシウムカ
ルボキシレートがスクシネートである場合には、20重量%であり得る。スクシネートの
場合には、20重量%より高い濃度は、溶液が85℃の温度を有することを必要とし、そ
れは、HClの存在故に、装置にとって好ましくない。
酸性付与および析出の後にできるだけ多くのカルボン酸を生じるために、酸性付与に入る
カルボキシレートの濃度は好ましくはできるだけ高い。マグネシウムカルボキシレートが
溶液として供給される場合には、マグネシウムカルボキシレート濃度の上限がマグネシウ
ムカルボキシレートの溶解度によって決定される。カルボキシレートが懸濁物として供給
される場合には、懸濁物の攪拌可能性が典型的に上限を決定する。カルボキシレートが固
体塊(solid cake)として供給される場合には、固液分離および得られる付着
水が典型的に上限を決定する。上述した投入濃度の組合せは、有利には、MgClが溶
液に残り、そしてできるだけ多くのカルボン酸が析出工程中に析出する状態を結果しなけ
ればならない。
十分に高いマグネシウムカルボキシレート濃度を有しないマグネシウムカルボキシレート
溶液または懸濁物が発酵プロセスから得られる場合には、上記溶液が、例えば蒸発によっ
て、濃縮され得る。本発明の析出法は、酸性付与工程を含み、その工程でマグネシウムカ
ルボキシレートが気体HClによって酸性化され、それによって、カルボン酸およびMg
Clを含む溶液を得る。この工程は、上記に詳細に記載されている。
酸性付与は典型的に、過剰のHClを使用して行われる。過剰量は好ましくは小さく、析
出後に得られるMgCl溶液が高度に酸性ではないような量である。高度に酸性である
と、そのような溶液の更なる処理の点で望ましくない可能性がある。例えば、使用される
過剰のHClは、析出後に得られるMgCl溶液が1以上のpH、例えば約1.5のp
Hを有するような量であり得る。
本発明の析出法は、濃縮工程を含み得る。この工程では、HClによる酸性付与後に得ら
れた溶液が濃縮される。溶液中のより高い濃度のカルボン酸は、カルボン酸析出の効率を
高めるであろう。濃縮工程は、蒸発によって行われ得る。
本発明の析出法は、酸性付与工程で得られた溶液から、または存在するならば、濃縮工程
で得られた溶液から、カルボン酸を析出することをさらに含む。この工程は、(第一の)
析出工程と言う場合がある。析出は、従来公知の任意の析出法、例えば反応性析出によっ
て、または析出され得る溶液の冷却、濃縮、蒸発によって、または析出され得る溶液に貧
溶媒を添加することによって、行われ得る。
析出は、マグネシウムカルボキシレートをHClによって酸性化することによって確立さ
れ、反応性析出と言う場合がある。反応性析出では、析出が酸性付与中に行われる。その
結果、マグネシウムカルボキシレートを酸性化することと、こうして得られたカルボン酸
を析出させることとが1工程として行われる。したがって、好ましい実施態様では、(上
述したように)発酵プロセスで得られたマグネシウムカルボキシレートを供給する工程;
および上述したようにマグネシウムカルボキシレートをHClで酸性化し、それによって
カルボン酸析出物およびMgCl溶液を得る工程のみを含む。したがって、析出工程は
、MgCl溶液に存在するカルボン酸析出物を有する懸濁物を結果し得る。
反応性析出は、カルボン酸の即時の析出が生じ得るように酸性付与工程の条件を選択する
ことにより行われ得る。当業者は、そのような条件をどのように確立するかを知っている
。特に、マグネシウムカルボキシレート濃度が、HClによる酸性付与が、カルボン酸の
飽和濃度より高いカルボン酸濃度を結果するであろうように選択され得る。
析出工程はまた、析出され得る溶液、例えば酸性付与工程で形成された溶液、または存在
するならば、濃縮工程で得られた溶液、を冷却することにより行われ得る。この種の析出
は、冷却析出と言う場合がある。冷却工程は、析出され得る溶液が最初に、実質的に全て
のMgClおよびカルボン酸が溶解される温度に加熱されることを要求し得る。析出さ
れ得る溶液は、溶液におけるカルボン酸の核形成温度より上の温度から、溶液におけるカ
ルボン酸の核形成温度より下の温度に冷却され得る。核形成温度は、固体、特に析出物が
形成される最も高い温度である。この温度は、特に、MgClおよびカルボン酸の濃度
、および他の成分の存在に依存する。したがって、核形成温度のための単一の温度の値を
与えることができない。しかし、一般に、析出される溶液は、少なくとも35℃の温度か
ら30℃未満の温度へ、好ましくは少なくとも40℃の温度から25℃未満の温度へ、冷
却される。冷却析出の場合には、冷却前のカルボン酸濃度が好ましくは、できるだけ溶解
度に近いのが経済的に適する。カルボン酸濃度は、例えば、0〜100g/Lであり得、
またはカルボン酸の溶解度より低くあり得る(または0〜50g/Lであり得、またはカ
ルボン酸の溶解度より低くあり得る)。
さらに、析出は、カルボン酸およびMgClを含む溶液を濃縮する、好ましくは蒸発す
る、ことによって確立され得る。カルボン酸およびMgClを含む溶液の溶媒の一部の
蒸発は、カルボン酸のより高い濃度およびより強い塩析効果を結果し、それは析出を高め
る。
さらに、析出は、析出され得る溶液に貧溶媒を添加することにより確立され得る。貧溶媒
は、析出され得る溶液と混和性であり、または上記溶液に可溶である。貧溶媒の例は、ア
ルコール、特にC1〜C3アルコール、例えばメタノール、エーテル、特にC2エーテル
、例えばジメチルエーテル、およびケトン、特にC2〜C4ケトン、例えばアセトン、で
ある。
好ましくは、析出後に得られたMgCl溶液が、第二のおよび/または更なる析出工程
に付され、それによって追加のカルボン酸析出物および第二のおよび/または更なるMg
Cl溶液を形成し得る。第二のまたは更なる析出工程は、先の析出工程で得られたMg
Cl溶液に残存するカルボン酸の少なくとも一部を回収するために行われ得る。この場
合には、本発明の析出工程を、第一の析出工程と言う場合がある。析出法の第一の析出に
おいて得られたMgCl溶液は、なおも少量のカルボン酸を含み得る。このカルボン酸
の少なくとも一部を回収するために、第二の析出工程が行われ得る。そのような第二の析
出工程は、第一の析出工程と同様の条件下で行われ得、濃縮工程および/または析出工程
の前に行われるMgClの添加を含み得る。
好ましい実施態様では、本発明の析出法が、反応性析出工程である第一の析出反応を含み
、その後、この工程で得られたMgCl溶液が冷却および/または蒸発工程に付される
。冷却および/または蒸発工程は、更なる析出工程であり、ここで追加のカルボン酸が析
出される。
任意の析出工程の前に、塩化マグネシウムが、析出され得る溶液に添加され得る。この溶
液は、マグネシウムカルボキシレートを含む溶液であり得(反応性析出の場合)、または
(酸性付与工程で得られた)カルボン酸および塩化マグネシウムを含む溶液であり得る。
そのような添加された塩化マグネシウムは、塩析効果を高め、それによってカルボン酸の
析出を高め得る。
1実施態様では、本発明の析出法において供給されるマグネシウムカルボキシレートが、
発酵プロセスにおいて得られる。そのような発酵プロセスでは、炭水化物源が典型的に、
微生物によって発酵されて、カルボン酸を形成する。次いで、発酵中にマグネシウム塩基
が中和剤として添加されてカルボン酸のマグネシウム塩を与える。適するマグネシウム塩
基の例は、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸マグネシウム(MgCO)お
よび重炭酸マグネシウム(Mg(HCO)である。Mg(OH)を塩基として使
用することの利点は、この化合物が本発明の析出法によって供給され得ることである。M
gCOの使用も望ましくあり得、また、本発明の析出法において得られたMg(OH)
を転化することにより容易に得られ得る。さらに、MgCOまたはMg(OH)
使用が望ましい。なぜならば、水酸化物および炭酸塩は、本発明の析出法の塩析効果にマ
イナスの効果を及ぼすとは考えられないからである(中和後に残された任意の炭酸塩は、
気体COとして溶液から離れ得る)。
発酵プロセスは、精製工程を含み得る。精製工程では、マグネシウムカルボキシレートが
発酵ブロスから結晶化され、次いで水に溶解されて、水性溶液を形成し得る。上記水性溶
液は典型的に、発酵ブロスよりも高いカルボキシレート濃度を有する。そのような精製工
程は、特にカルボキシレートがスクシネートであるとき、マグネシウムカルボキシレート
のより高い濃度故に、より高い収率が第一の析出工程で得られ得るという利点を有し得る
結晶化は、濃縮工程、例えば水蒸発工程、冷却工程、シーディング(seeding)工
程、分離工程、洗浄工程および再結晶工程、の少なくとも1を含み得る。濃縮は、別個の
工程として、または結晶化と一緒に(例えば蒸発−結晶化)、行われ得る。
1実施態様では、本発明は、下記工程:
炭素源を発酵工程に付してカルボン酸を形成すること、ここで、該発酵工程は、炭素源
を発酵ブロス中で微生物によって発酵してカルボン酸を形成する工程および酸化マグネシ
ウムおよび水酸化マグネシウムから選択されるマグネシウム塩基を添加することにより上
記カルボン酸の少なくとも一部を中和し、それによってマグネシウムカルボキシレートを
得る工程を含む、
上記マグネシウムカルボキシレートを酸性化工程に付すこと、ここで、該酸性化工程で
は、上記マグネシウムカルボキシレートが、気体HClを含む気体流と接触されてカルボ
ン酸および塩化マグネシウムを含む排出液を形成する、
上記カルボン酸および塩化マグネシウムを含む排出液を分離工程に付して、カルボン酸
および、塩化マグネシウムを含む液体を生じること、
上記塩化マグネシウムを含む水性液体を少なくとも300℃の温度に付し、それによっ
て塩化マグネシウムを酸化マグネシウムおよび塩化水素に分解し、こうして酸化マグネシ
ウムを含む固体および気体塩化水素を含む気体を得ること、そして上記気体は上記酸性化
工程に供給される、
上記酸化マグネシウムを、そのままでまたは水酸化マグネシウムに転化された後に、中
和剤として上記発酵工程に供給すること、
を含む統合された方法に関する。
1実施態様では、濃縮工程が、発酵工程後かつ酸性化工程前に行われ、少なくとも60℃
の温度を有する液体供給物を結果する。
本発明のこの実施態様に従う方法の種々の工程は、上記により詳細に記載されているよう
に行われ得る。
当業者に明らかなように、上記の種々のパラグラフにおいて記載された本発明の種々の局
面は結合され得る。
本発明および本発明のいくつかの実施態様が、下記実施例および/または実施態様によっ
て説明されるが、これらにまたはこれらによって制限されない。
実施例1:気体HCl流の調製
水中のHClの18重量%溶液の765g/時を95℃の温度で930g/時の予熱され
た気体窒素流中に蒸発させることにより、気体HClを含有する流れ(気体供給物)が調
製された。この気体HCl流は、水中の25〜30重量%塩化マグネシウム溶液の熱加水
分解によって得られる気体HCl流と似ていることが意味される。こうして調製された気
体HCl流は、8重量%のHCl、37重量%の水および55重量%の窒素を含んでいた
熱加水分解法で得られる気体HCl流は典型的に、追加の化合物、特に他の気体、例えば
酸素および二酸化炭素および不純物、例えば揮発性カルボン酸、を含むが、この実施例で
調製された気体HCl流は、そのような気体HCl流と十分に似ていると考えられ、この
気体を使用する実施例2〜6に示される原理の証明は、熱加水分解法で得られる気体HC
l流に等しく当てはまる。
実施例2:水による吸収および別個の酸性化−比較
この実験では、実施例1の気体HCl流が水に吸収されて、HCl含有溶液を得た。この
溶液は、コハク酸マグネシウム溶液を酸性化するために使用された。気体HCl流の水中
での吸収は、長さ1.1mおよび内径45mmを有する絶縁されたガラスカラム中で行わ
れた。カラム(95cm)の活性吸収部分に、直径4mm、高さ4mmのガラスラシヒリ
ングが備えられた。カラムの内部温度が測定され、そして95℃の温度を維持するように
制御された。脱塩水がカラムの頂部に導入され、気体HCl流が底部に導入された。気体
HCl流を連続相として用いてカラムが運転され、脱塩水がラシヒリング上を流動した。
カラムの底部における界面レベルが目視観察され、そして、カラムの底部を出る酸性化さ
れた水性流における手動で操作されるバルブによって制御された。使用済の気体HCl流
をカラムの頂部から出させた。
使用された気体HCl流(1695g/時、95℃)は、実施例1に従って調製された。
それが、上述した吸収装置において脱塩水(825g/時)と95℃の温度で向流接触さ
れた。サンプルが水性底部相から採取された。このサンプルにおけるHClの濃度が18
重量%と決定された。
得られたHCl含有溶液が次いで、20重量%のコハク酸マグネシウム溶液を酸性化する
ために使用された。このコハク酸マグネシウム供給溶液(水性混合物)は、水酸化マグネ
シウム(58g)を664gの水中の118gのコハク酸の溶液に添加することにより調
製され、完全に溶解するまで撹拌された。この溶液は、発酵プロセスで得られるコハク酸
マグネシウム溶液と似ていることが意味される。発酵プロセスで得られるコハク酸マグネ
シウム溶液は一般に、コハク酸マグネシウム以外の化合物、例えば比較的多量の不純物、
を含むが、この実施例のために調製されたコハク酸マグネシウム溶液は、発酵プロセスで
得られたそのようなコハク酸塩溶液に十分似ていると考えられ、本発明が作用する原理の
証明を示した。
次いで、調製されたコハク酸マグネシウム溶液の100gが、60gのHCl含有溶液(
18重量%)を95℃の温度で添加することにより酸性化された。酸性化された混合物の
組成が決定され、11重量%のコハク酸、8重量%の塩化マグネシウムおよび<0.5重
量%のHClを含んでいることが分かった。
この実施例は、水による別個の吸収および続く酸性化により、水に溶解された11重量%
のコハク酸および8重量%の塩化マグネシウムを含む酸性化された生成物混合物が得られ
たことを示す。コハク酸生成物の完全な除去は、水中の9重量%の塩化マグネシウムの溶
液を生じるだろう。すなわち、この溶液が熱加水分解プロセスに供給されるならば、塩化
マグネシウム1kgのために10kgの水を蒸発させることが必要であろう。
実施例3:液体マグネシウムカルボキシレート供給物を用いる統合された吸収/酸性化
この実施例では、実施例1に従って調製された気体HCl流がコハク酸マグネシウム溶液
に直接吸収され、それによって、コハク酸塩をコハク酸に酸性化し、そしてさらに塩化マ
グネシウムを得た。
実施例1に従って調製された気体HCl流(1695g/時、95℃)が、実施例2に記
載された吸収装置で、実施例2の記載に従って調製された20重量%のコハク酸マグネシ
ウム溶液と95℃の温度で向流接触された。すなわち、実施例2に記載された吸収工程が
、脱塩水の代わりにコハク酸マグネシウム供給溶液を使用して有効に繰り返された。サン
プルが水性底部相から採取され、そして分析された。酸性化された混合物の組成は、15
重量%のコハク酸、12重量%の塩化マグネシウムおよび<0.5重量%のHClである
と決定された。
この実施例は、統合された吸収および酸性化によって、水に溶解された15重量%のコハ
ク酸および12重量%の塩化マグネシウムを含む酸性化された生成物混合物が得られるこ
とを示す。コハク酸生成物の完全な除去は、水中の14重量%の塩化マグネシウムの溶液
を生じるであろう。すなわち、この溶液が熱加水分解プロセスに供給されるならば、塩化
マグネシウム1kgのために6kgの水が蒸発されることが必要であろう。それは、実施
例2で必要とされた水の量の60%に過ぎない。
実施例4:高められた温度の液体マグネシウムカルボキシレート供給物を用いる統合され
た吸収/酸性化
実施例3が繰り返されたが、95℃の温度を有するコハク酸マグネシウム溶液の代わりに
、120℃の温度を有するコハク酸マグネシウムが使用された。サンプルが水性底部相か
ら採取され、そして分析された。酸性化された混合物の組成は、16重量%のコハク酸、
13重量%の塩化マグネシウムおよび<0.5重量%のHClであると決定された。
この実施例は、マグネシウムカルボキシレート液体供給物の供給温度を高めることにより
、酸性化された生成物混合物の濃度が、実施例3と比較して、水に溶解された16重量%
のコハク酸および13重量%の塩化マグネシウムに増加されることを示す。コハク酸生成
物の完全な除去は、水中の16重量%の塩化マグネシウムの溶液を生じるであろう。すな
わち、この溶液が熱加水分解プロセスに供給されるならば、塩化マグネシウム1kgのた
めに5kgの水が蒸発されることが必要であろう。それは、実施例3と比較してより少な
い水である。
実施例5:マグネシウムカルボキシレートスラリー供給物を用いる統合された吸収/酸性

実施例3が繰り返されたが、20重量%のマグネシウムカルボキシレート溶液(1320
g/時)の代わりに、29重量%の乳酸マグネシウムスラリー(1310g/時)が使用
された。29重量%の乳酸マグネシウムは、単位重量当たりのカルボキシレート基の点で
、20重量%のコハク酸マグネシウムと等価である。乳酸マグネシウム供給スラリーは、
水酸化マグネシウム(116g)を1948gの水中の360gの乳酸の溶液に添加する
ことにより調製された。この溶液は、発酵プロセスにおいて得られる乳酸マグネシウムス
ラリーに似ていることが意味される。発酵プロセスで得られる溶液は典型的に、追加の化
合物、特に不純物、例えば糖、蛋白質および/またはバイオマス、を含むが、この実施例
で調製された供給溶液は、そのような溶液と十分似ていると考えられ、この実施例で示さ
れた原理の証明は、発酵プロセスにおいて得られる供給溶液に等しく当てはまる。
サンプルが水性底部相から採取され、そして分析された。酸性化された混合物の組成は、
23重量%の乳酸、12重量%の塩化マグネシウムおよび<0.5重量%のHClである
と決定された。
この実施例は、統合された吸収および酸性化がまた、カルボキシレートスラリー供給物を
用いて行われ得ること、および水に溶解された23重量%の乳酸および12重量%の塩化
マグネシウムを含む酸性化された生成物混合物が得られることを示す。乳酸生成物の完全
な除去は、水中の16重量%の塩化マグネシウムの溶液を生じるであろう。すなわち、こ
の溶液が熱加水分解プロセスに供給されるならば、塩化マグネシウム1kgのために5k
gの水が蒸発されることが必要であろう。
1 発酵反応器
2、21 マグネシウムカルボキシレートを含む生成物流
3 酸性化反応器
4 気体流
5 カルボン酸および塩化マグネシウムを含む流れ
6 分離工程
7 カルボン酸を含む流れ
8 塩化マグネシウムを含む水性液体
9 熱分解工程
13 濃縮器
22 濃縮された生成物流
41 吸着反応器

Claims (12)

  1. カルボキシレート塩を含む水性液体供給物の酸性化によってカルボン酸を製造する方法において、下記工程:
    マグネシウムカルボキシレートを含む水性液体供給物を用意すること、ここで上記水性液体供給物は60〜120℃の温度を有する
    気体塩化水素および気体の水を含む気体供給物を用意すること、ここで上記気体供給物が1:10〜1:4の塩化水素対水の重量比を有する、
    上記水性液体供給物を上記気体供給物と接触させることにより上記カルボキシレートをカルボン酸に酸性化し、それによってカルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性排出液を形成すること、
    ここで、気体塩化水素および気体の水を含む上記気体供給物は熱分解工程に由来し、該熱分解工程では、塩化マグネシウムを含む水性液体が少なくとも300℃の温度に付され、それによって塩化マグネシウムを酸化マグネシウムおよび塩化水素に分解し、こうして酸化マグネシウムを含む固体と気体塩化水素および気体の水を含む気体とを得る、および
    上記水性排出液に存在するカルボン酸と塩化物塩を互いに分離し、それによってカルボン酸生成物流および水性の塩化マグネシウム溶液または懸濁物を得る分離工程、ここで該水性の塩化マグネシウム溶液または懸濁物が、塩化マグネシウムを含む水性液体として上記熱分解工程に供給される
    を含む、上記方法。
  2. 上記気体供給物における塩化水素対水の重量比が1:5〜1:4である、請求項に記載の方法。
  3. 上記分離工程が、抽出工程または析出工程を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記水性液体供給物が、大気圧下で80〜120℃の温度を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 上記水性液体供給物の温度が、上記気体供給物の温度より1〜50℃高い請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記気体供給物が、少なくとも25重量%の不活性気体をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 上記気体供給物が、少なくとも2重量%の塩化水素を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 上記カルボキシレートが、ラクテート、スクシネート、プロピオネート、3−ヒドロキシプロピオネート、ヒドロキシブチレート、シトレート、フマレート、イタコネート、アジペート、アクリレート、レブリネート、マレエート、2,5−フランジカルボキシレート、脂肪族アシレートおよびラクチレートおよび/またはそれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは、ラクテート、スクシネート、プロピオネート、2,5−フランジカルボキシレートおよび3−ヒドロキシプロピオネートから成る群から選択され、特に、ラクテートおよびスクシネートから成る群から選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 発酵工程によって上記水性液体供給物を調製する工程をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  10. 濃縮工程が、上記発酵工程の後でかつ上記酸性化工程の前に行われ、その結果、少なくとも60℃の温度を有する水性液体供給物を得る、請求項に記載の方法。
  11. 下記工程:
    炭素源を発酵工程に付してカルボン酸を形成すること、ここで、該発酵工程は、炭素源を発酵ブロス中で微生物によって発酵してカルボン酸を形成する工程および酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムから選択されるマグネシウム塩基を添加することにより上記カルボン酸の少なくとも一部を中和し、それによってマグネシウムカルボキシレートを得る工程を含む、
    上記マグネシウムカルボキシレートを酸性化工程に付すこと、ここで、上記マグネシウムカルボキシレートが、気体HClを含む気体流と接触されてカルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性排出液を形成する、
    ルボン酸および塩化マグネシウムを含む上記水性排出液を分離工程に付して、カルボン酸および、塩化マグネシウムを含む水性液体を生じること、
    上記塩化マグネシウムを含む水性液体を少なくとも300℃の温度に付し、それによって塩化マグネシウムを酸化マグネシウムおよび塩化水素に分解し、こうして酸化マグネシウムを含む固体および気体塩化水素を含む気体を得ること、そして上記気体は上記酸性化工程に供給される、
    上記酸化マグネシウムを、そのままでまたは水酸化マグネシウムに転化された後に、中和剤として上記発酵工程に供給すること、
    を含む統合された方法である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 濃縮工程が、上記発酵工程の後でかつ上記酸性化工程の前に行われ、その結果、少なくとも60℃の温度を有する水性液体供給物を得る、請求項11に記載の方法。
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