JP6568187B2 - 塩化マグネシウム溶液を処理する方法 - Google Patents

塩化マグネシウム溶液を処理する方法 Download PDF

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Description

本発明は、塩化マグネシウム溶液、特に発酵法による有機化合物の製造に由来する塩化マグネシウム溶液を処理する方法に関する。
国際公開第OO/17378号パンフレットは、乳酸の製造法を記載しており、ここで、発酵法において乳酸マグネシウム溶液が調製される。上記乳酸マグネシウム溶液は、HClで酸性化されて、塩化マグネシウム溶液中に乳酸を含む溶液を生じる。上記乳酸は、上記溶液から回収される。得られた塩化マグネシウム溶液は、それを少なくとも500℃の温度での熱加水分解工程に付して塩化マグネシウムを水と反応させることにより処理されて、酸化マグネシウム粉末および塩酸を生じ得る。上記熱加水分解反応に必要な熱は、燃料のインシチュー燃焼により供給される。微量の有機物質が焼却される。
国際公開第2013/025106号パンフレットは、カルボン酸のマグネシウム塩をHClで酸性化して酸および塩化マグネシウム溶液を形成する工程および上記酸を上記溶液から沈殿によって単離する工程を含む方法によってカルボン酸を製造する方法を記載している。上記塩化マグネシウム溶液は、熱分解によって処理され得ることが示されている。
醗酵法に由来する溶液を処理し、かつ、効率的かつ非常に安定な統合された方法を得るために適した、塩化マグネシウム溶液を処理する方法のための要求が従来あることが分かっている。
本発明は、MgCl溶液を処理する方法に関する。上記方法は、下記工程:
5〜25重量%のMgClおよび任意的に有機汚染物質を含む水性溶液を蒸発工程に供給すること、ここで水および存在する場合には有機成分が蒸発される、
25〜35重量%のMgCl濃度を有する水性溶液を蒸発工程から抜き出し、そしてそれを予備濃縮器に供給すること、上記予備濃縮器では、上記水性溶液が、少なくとも300℃の温度を有するHCl含有気体流と接触される、
上記予備濃縮器から得られた35〜45重量%のMgCl濃度を有する水性溶液を熱加水分解反応器に供給すること、ここで上記反応器は少なくとも300℃の温度にある、
上記熱加水分解反応器からMgOを固体形態で抜き出し、かつ上記熱加水分解反応器からHCl含有気体流を抜き出すこと、ここで上記HCl含有気体流は少なくとも300℃の温度を有する、
上記少なくとも300℃の温度を有するHCl含有気体流を上記予備濃縮器に供給すること、
上記予備濃縮器から高々150℃の温度を有するHCl含有気体流を抜き出すこと
を含む。
本発明に従う方法は、安定かつ効率的な方法が得られるようなやり方で醗酵法に統合され得ることが分かった。
図1は、本発明に従う方法の基本的工程を示す図である。 図2は、図1に示される方法の変形を示す図である。 図3は、本発明に従う統合された方法を示す図である。
以下に本発明をより詳細に説明する。
本発明は、5〜25重量%のMgClおよび任意的に有機汚染物質を含む水性溶液を蒸発工程に供給する工程で開始する。上記工程では、水および存在するならば有機成分が蒸発する。
5〜25重量%のMgClおよび任意的に有機汚染物質を含む出発溶液は一般に、有機化合物の発酵法による製造に由来する。塩化マグネシウム溶液が由来するところの方法の性質に応じて、その濃度は、上記で示された広い範囲の間で変わり得る。1実施態様では、塩化マグネシウム溶液が、10〜25重量%のMgClまたは10〜20重量%のMgClを含む。
上記出発溶液は、有機汚染物質を含んでいてもいなくてもよい。実際、上記出発物質の源が与えられると、出発物質は実際、そのような有機汚染物質を含む蓋然性が高く、そして、有機汚染物質、特に比較的揮発性の有機汚染物質を含む出発物質が処理され得、かつこの方法が統合されるところの発酵法が安定的にかつ効率的に運転され得ることが本発明に従う方法の特定の特徴である。有機汚染物質の性質は、広い範囲で変わり得る。出発溶液は、発酵によって製造された有機化合物の残渣を含み得る。出発溶液はまた、塩化マグネシウム溶液からの有機化合物の単離において使用された抽出剤または溶媒の残渣を含み得る。
1実施態様では、塩化マグネシウム溶液の、VTOC(全揮発性有機化合物)として表わされる揮発性有機化合物の濃度が少なくとも1000ppm(0.1重量%)である。揮発性有機化合物は、本明細書の文脈において、第一蒸発工程の条件下で水よりもより揮発性である化合物として定義される。用語「より揮発性である」は、第一蒸発工程において蒸発する揮発性成分の割合が、第一蒸発工程において蒸発する水の割合よりも大きいことを意味する。
上記方法の性質に応じて、VTOCは、例えば少なくとも0.2重量%、または少なくとも0.5重量%、さらには少なくとも1.0重量%であり得る。最大値は、本発明に従う方法に関して重要でないが、一般に、5重量%未満、より慣用的には2.5重量%未満であろう。
1実施態様では、蒸発工程に供給される出発塩化マグネシウムの、TOC(全有機化合物)として表わされる全有機化合物濃度が少なくとも1000ppm(0.1重量%)である。上記方法の性質に応じて、上記有機化合物濃度は、例えば少なくとも0.2重量%、または少なくとも0.5重量%、さらには少なくとも1.0重量%である。最大値は、本発明に従う方法に関して重要でないが、一般に5重量%未満、より慣用的には2.5重量%未満であろう。
塩化マグネシウム溶液は、また、NVTOCとしても示される不揮発性有機化合物を含み得る。NVTOCの量は、TOCからVTOCを差し引くことによって計算され得る。NVTOCとして表わされる不揮発性化合物の量が比較的制限されているのが好ましくあり得る。なぜならば、 塩化マグネシウム溶液中でのそれらの存在は、方法全体における収率損失をもたらし得るからである。一般に、NVTOCは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満である。
蒸発工程では、溶液が、それから水を蒸発させることにより濃縮される。存在するならば、揮発性有機成分が除去される。1実施態様では、上記方法が、蒸発工程から得られた生成物が、第一蒸発工程に供給された水性溶液のVTOCの高々50%である、特に高々30%である、より特に高々15%であるVTOCを有するように行われる。出発溶液のVTOCに依存して、予備濃縮器へ供給される、蒸発工程から得られた生成物が好ましくは、高々1000ppm(0.1重量%)、特に高々500ppm、より特に高々200ppmのVTOCを有する。
除去される水の量は、蒸発工程中に適用されるプロセス条件に依存し、[MgCl start]として示され得る、出発溶液の塩化マグネシウム濃度および、[MgCl prec]として示され得る、予備濃縮器へ供給される生成物の所望の塩化マグネシウム濃度によって支配されるだろう。
予備濃縮器の前の蒸発工程中に行われる濃度増加は、[MgCl prec]−[MgCl start]であり、一般に30〜5重量%である。[MgCl prec]−[MgCl start]が5〜20重量%、特に5〜15重量%であるのが好ましくあり得る。
本発明に従う方法の蒸発工程は、単一段蒸発工程または多段蒸発工程であり得る。
上述したように、塩化マグネシウムがかなり量の有機化合物を含む場合には、多段蒸発の使用が好ましくあり得る。この場合には、多段蒸発の使用が、揮発性有機成分および比較的制限された量の水の除去に捧げられる第一段階の操作を許し、水の大半の量が更なる蒸発段階で除去される。これは、単一段蒸発の流出物と比較して、第一段階で、比較的高い濃度の揮発性有機化合物を有する水性液体の製造を生み出し、このより高い濃度は、有機化合物、特に揮発性有機化合物を含む水性液体のより効率的な処理を生み出す。
1実施態様では、本発明に従う方法における蒸発工程が多段蒸発であり、ここで、第一蒸発段階から得られた濃縮された生成物が、第一蒸発段階に供給された水性溶液のVTOCの高々50%、特に高々30%、より特に高々15%であるVTOCを有する。第一蒸発段階からの濃縮された生成物が、高々1000ppm(0.1重量%)、特に高々500ppm、より特に高々200ppmのVTOCを有するのが好ましい。この実施態様では、蒸発工程中に行われる濃度増加([MgCl prec]−[MgCl start])のうち、高々50%が第一蒸発段階中に行われ、残りがさらなる蒸発段階で得られるように蒸発が行われるのが好ましくあり得る。一般に、蒸発工程中の濃度増加のうち少なくとも10%が第一蒸発段階中に行われる。
蒸発工程が多段蒸発工程である場合には、2〜10の蒸発段階、特に2〜6の蒸発段階を含むのが好ましくあり得る。
蒸発工程は、種々のやり方で行われ得る。1実施態様では、蒸発工程が多段蒸発であり、ここで、水蒸気が第一蒸発段階から抜き出され、そして、加熱液体として更なる蒸発段階に供給される。この実施態様では、各蒸発段階が第一を除いて、先行する蒸発段階からの水蒸気を加熱液体として供給されるのが好ましい。1実施態様では、多段蒸発が、多重効用蒸発器で行われる。多重効用蒸発器は、1組の蒸発容器を含み、各容器が、先行する容器の圧力未満の圧力で運転される。水の沸点は圧力の低下と共に低下するので、1の容器で沸騰除去される蒸気は、次の容器を加熱するために使用され得、最初の容器(最も高い圧力下にある)のみが外部の熱源を必要とする。多重効用蒸発器は従来公知であり、ここでの更なる説明を必要としない。
本発明の1実施態様では、本発明に従う方法での蒸発工程において、またはその1以上の段階において、蒸気圧縮蒸発が使用される。蒸気圧縮蒸発では、蒸発中に製造された蒸気が、例えば送風機、圧縮機またはジェットエジェクターを使用して圧縮されて圧力を増加させる。圧力の増加は凝縮温度の上昇を結果するので、蒸気は、そこから蒸気が最初に発生するところの溶液が濃縮されるための加熱媒体として再循環され得る。この方法は、蒸気圧縮蒸留(VCD)として示される場合がある。圧縮が機械的手段によって行われる場合には、上記方法が、機械的蒸気再圧縮(MVR)として示される場合もある。蒸気圧縮蒸発は従来公知であり、ここでの更なる説明を必要としない。
本発明の1実施態様では、出発溶液が、上述した有機成分を含む場合には、蒸発工程が2の蒸発段階を含み、第一段階では、上述したようにTOCの低下が得られると共に、全濃度増加([MgCl prec]−[MgCl start])に基づいて計算される、高々50%、特に高々30%、より特に高々10%の塩化マグネシウム濃度増加が得られ、全濃度増加の50%超、特に少なくとも70%、より特に少なくとも90%を行う第二蒸発段階は、蒸気圧縮蒸発である。
本発明に従う方法における次の工程は、蒸発工程からの25〜35重量%のMgCl濃度を有する水性溶液を予備濃縮器に供給することであり、ここで、上記水性溶液が、少なくとも300℃の温度のHCl含有気体流と接触される。上記水性溶液と上記熱気体との接触によって、多数の効果が得られる。最初の効果は、熱HCl含有気体の温度が、300℃超の値から高々150℃の値に低下することである。第二の効果は、水が蒸発し、塩化マグネシウム濃度の35〜45重量%の値へのさらなる増加を結果することである。場合によって生じ得る更なる効果は、塩化マグネシウム溶液の温度が高々150℃の値に上昇することである。
予備濃縮器から得られる35〜45重量%のMgCl濃度を有する水性塩化マグネシウム溶液は、熱加水分解反応器へ供給される。熱加水分解反応器では、塩化マグネシウムが水と反応して酸化マグネシウムおよびHClを形成する。
本明細書で熱分解としても示される熱加水分解を行うのに適する装置は、従来公知である。例えば、噴霧ロースターまたは流動床ロースターが使用され得る。そのような装置は、例えば、SMS Siemag、Andritz. Tenova、CMIおよびChemlineで得られ得る。
噴霧ロースターの使用が好ましい。噴霧ロースターは、(流動床ロースターと比較しても)低いエネルギーコストを有する。なぜならば、それは、(後述するように)比較的低温を必要とするからである。噴霧ロースターはさらに、反応性MgO粒子を製造することが分かった。上記粒子は、発酵における中和剤としての使用に非常に適する。熱分解は、少なくとも300℃の温度で行われる。300℃は、MgClが分解する最低温度である。好ましくは、熱分解が、少なくとも350℃の温度で行われる。エネルギーコスト故に、温度は好ましくは1000℃未満、より好ましくは800℃未満、さらにより好ましくは600℃未満である。さらに、熱分解工程のための高すぎる温度の使用は望ましくない。なぜならば、それは、形成されたMgOの反応性を低下させ、その結果、発酵における中和剤としての使用にあまり適さないからである。例えば、熱分解が行われる温度が350〜600℃または400〜500℃であり得る。言及された温度は、気体が装置から除去されるときの気体の温度である。
本発明において適用される熱分解は、好ましくは、0.1〜10バールの圧力で行われる。しかし、高められた圧力の使用は、凝縮できないHCl故の腐食の高められた危険故に、望ましくない可能性がある。好ましくは、熱分解が、特にロースターを使用する場合には、大気圧で行われて、不要なエネルギーコストおよび高価な高圧力装置の必要性を回避する。0.9〜1バールの範囲の圧力が、HClの放出を防止するために好ましくあり得る。
上記熱分解工程からMgOが固体形態で抜き出される。
少なくとも300℃の温度のHCl含有気体流が熱分解工程から抜き出され、そして予備濃縮器工程に再循環される。予備濃縮器に供給されるHCl含有気体流の温度は、熱加水分解工程中の温度に関して上記で特定された範囲内である。気体流中のHCl濃度は一般に、5〜15重量%、特に7〜12重量%の範囲である。HCl含有気体流は一般に、20〜50重量%、特に30〜45重量%の水を含む。更なる組成に応じて、HCl含有気体流は一般に、少なくとも25重量%の不活性気体、特にN、C0およびそれらの混合物(例えば空気)から成る群から選択される不活性気体を含む。これは例えば、不活性気体の存在下、例えば空気の存在下で行われる熱加水分解から結果し得る。
不活性気体濃度は、より高くあり得、例えば少なくとも50重量%であり得る。1実施態様では、気体供給物が40〜80重量%の窒素気体を含み得る。上記気体供給物は、95重量%までの不活性気体を含み得る。1実施態様では、MgCl熱加水分解で得られる、40〜50重量%のN、0〜5重量%の0および5〜15重量%のC0を含む気体供給物が使用される。
本発明に従う方法が、下記図面を参照して説明されるが、本発明は、下記図面にまたは下記図面によって制限されない。
図1は、本発明に従う方法の基本的工程を説明する。塩化マグネシウム溶液がライン(1)を通って蒸発工程(2)に供給される。水および任意的に有機化合物を含む気体状流出物がライン(3)を通って抜き出される。濃縮された塩化マグネシウム溶液が、ライン(4)を通って抜き出され、予備濃縮器(5)に供給される。予備濃縮器(5)では、塩化マグネシウム溶液が、ライン(6)を通って供給される熱HCl含有気体流と接触される。HCl含有気体流は、熱加水分解装置(7)から抜き出される。濃縮された塩化マグネシウム溶液が予備濃縮器(5)からライン(8)を通って抜き出され、そして熱加水分解装置(7)に供給される。低下された温度のHCl含有気体流が予備濃縮器(5)からライン(9)を通って抜き出される。固体酸化マグネシウムが、熱加水分解装置からライン(10)を通って抜き出される。熱加水分解装置は、熱気体、例えば燃焼気体をライン(11)を通って供給される。
図2は、図1の変形であり、ありうる多段分離工程を説明する。図2では、塩化マグネシウム溶液が、ライン(1)を通って第一蒸発段階(21)に供給される。水を含む流れ(31)および、図示された場合には有機成分が、第一分離工程(21)から抜き出され、そして分離工程(32)に供給され、ここで分離されて水画分(ライン(33)を通って抜き出される)および有機画分(ライン(34)を通って抜き出される)を形成する。分離工程(32)は、従来公知のやり方で行うことができ、例えば凝縮、相分離、例えばデカンテーションによる、または蒸留によって行われ得る。適する分離方法は、有機汚染物質の性質および量に依存するだろう。適する分離法を選択することは、当業者の範囲内である。濃縮された塩化マグネシウム溶液が、第一分離段階(21)から抜き出され、そして第二分離段階(23)に供給される。水が蒸発され、ライン(35)を通って抜き出される。なお、有機化合物は水より揮発性が高いので、有機化合物の全部でないならば主要な部分が、第一蒸発器における系から除去される。したがって、流れ(35)の分離器への供給は一般に必要ない。
図2では、2の分離段階が示されている。当業者に明らかなように、水の除去を目的とした単一の第二分離段階(23)があり得るが、1より多くの、例えば2〜6のこのような更なる水除去段階を有することも可能である。蒸発工程または段階がどのように行われ得るかについてのより多くの情報については、上記で述べたことが参照される。
先に示されているように、本発明に従う方法は特に、有機成分、特にカルボン酸を、発酵工程を使用して製造するための方法に組み込むのに適する。
1実施態様では、本発明は従って、下記工程:
炭素源を発酵工程に付してカルボン酸を形成すること、ここで上記発酵工程は、炭素源を微生物によって発酵ブロス中で発酵させてカルボン酸を形成する工程および上記カルボン酸の少なくとも一部を、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムから選択されるマグネシウム塩基を添加することにより中和し、それによってカルボン酸マグネシウムを得る工程を含む、
上記カルボン酸マグネシウムを酸性化工程に付すこと、ここでカルボン酸マグネシウムが水性環境中でHClと接触されて、カルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性混合物を形成する、
上記カルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性混合物を分離工程に付して、カルボン酸を含む流出液と塩化マグネシウムおよび任意的に有機成分(「有機汚染物質」と言う場合がある)を含む水性溶液とを形成すること、
5〜25重量%の塩化マグネシウムおよび任意的に有機成分を含む水性溶液を蒸発工程に供給すること、ここで、水および存在する場合には有機成分が蒸発される、
25〜35重量%のMgCl濃度を有する水性溶液を蒸発工程から抜き出し、そしてそれを、少なくとも300℃の温度のHCl含有気体流と接触されるところの予備濃縮器に供給すること、
上記予備濃縮器から得られた35〜45重量%のMgCl濃度を有する水性溶液を熱加水分解反応器に供給すること、ここで上記反応器は少なくとも300℃の温度である、
上記熱加水分解反応器からMgOを固体形態で抜き出し、かつ上記熱加水分解反応器からHCl含有気体流を抜き出すこと、ここで上記HCl含有気体流は少なくとも300℃の温度を有する、
上記少なくとも300℃の温度のHCl含有気体流を上記予備濃縮器に供給すること、
上記予備濃縮器から高々150℃の温度のHCl含有気体流を抜き出すこと
を含む方法に関する。
本発明に従う方法に関して上述された特定の実施態様および好ましい態様はまた、上記統合された方法に適用される。
統合された方法の好ましい実施態様では、上記蒸発工程中に蒸発した有機成分が少なくとも部分的に上記分離工程に再循環される。
統合された方法では、有機成分が一般に、カルボン酸またはカルボキシレートおよび/または上記分離工程で使用された有機化合物、例えば抽出剤および/または溶媒を含む。これらの化合物の分離工程への再循環は、プロセスの収率の増加(ここで、分離工程中に添加される追加の抽出剤の量の関連する低下がある)および熱分解工程に供給される有機物の量の低下の組み合わされた利点を有する。
統合された方法の好ましい実施態様では、熱加水分解反応器から抜き出された酸化マグネシウムが、少なくとも部分的に醗酵工程に再循環される。これは、MgOの形態でなされ得、または、例えば酸化マグネシウムを水と接触させて水酸化マグネシウムスラリーを得ることによって、水酸化マグネシウムに転化した後になされ得る。
統合された方法の好ましい実施態様では、上記予備濃縮機から得られるHCl含有気体流が少なくとも部分的に酸性化工程に再循環される。1実施態様では、HCl含有気体流が、それを水に吸収させることによりHCl溶液に転化され、上記溶液が、酸性化工程に再循環される。別の実施態様では、HCl含有気体流が、気体形態で酸性化工程に供給される。
本発明に従う統合された方法が、上述したMgO再循環、有機成分の再循環およびHClの再循環の組み合わせを含むのが特に好ましい。
塩化マグネシウム溶液の処理への追加である、統合された方法における種々の工程を以下に述べる。
最初の工程では、炭素源が発酵工程に付されてカルボン酸を形成し、上記発酵工程は、炭素源を微生物によって発酵ブロス中で発酵してカルボン酸を形成する工程および上記カルボン酸の少なくとも一部を、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムから選択されるマグネシウム塩基を添加することによって中和し、それによってカルボン酸マグネシウムを得る工程を含む。
カルボン酸の製造のための発酵法は従来公知であり、ここでの更なる説明を必要としない。適する発酵法を、製造されるべき所望の酸、炭素源および利用できる微生物に応じて、技術常識を用いて選択することは、当業者の範囲内である。
発酵法の生成物は、発酵ブロスであり、これは、カルボン酸マグネシウム、バイオマスおよび任意的にさらなる成分、例えば糖、蛋白質および塩などの不純物、を含む水性液体である。
所望ならば、発酵ブロスが、更なる処理の前に、バイオマス除去工程、例えば濾過工程、に付され得る。これは一般に、生成物の品質を改善するために好ましい。製造されるカルボン酸に依存して、別の中間工程は、バイオマス除去の前、後または同時に、発酵ブロスから固体反応生成物、例えばカルボン酸マグネシウム、を分離すること、および任意的にカルボン酸マグネシウムを洗浄工程に付すことであり得る。
製造されるカルボン酸に依存して、別の中間工程は、酸性化の前に発酵ブロスを濃縮工程に付して、組成物中のカルボン酸マグネシウムの濃度を高めることであり得る。この工程は、バイオマス除去の前、後または同時に行われ得る。
当業者に明らかなように、他の中間工程、例えば精製工程が所望に応じて行われ得る。
本発明に従う統合された方法における次の工程は、カルボン酸マグネシウムを酸性化工程に付すことであり、ここでカルボン酸マグネシウムがHClと水性環境中で接触されて、カルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性混合物を形成する。
この工程が行われ得る種々の方法がある。酸性化工程は典型的には、カルボン酸塩を酸性HCl溶液と接触させることにより行われる。しかし、いくつかの実施態様では、カルボン酸塩を気体状HClと接触させることも可能である。
カルボン酸塩は、固体および/または溶解された形態であり得る。1実施態様では、カルボン酸塩が固体形態で供給される。この場合には、酸性化工程が、カルボン酸塩を酸性溶液と接触させることにより行われる。固体形態のカルボン酸塩から上記水性混合物を調製することの利点は、こうして非常に高いカルボン酸濃度、例えば少なくとも15重量%、特に少なくとも25%で、例えば50重量%まで、または例えば40重量%までが得られ得ることである。
上記カルボン酸塩はまた、溶解された形態であり得、典型的には、水性溶液の一部としてであり得る。この場合には、酸性化工程が、カルボン酸塩を酸性溶液または酸性気体と接触させることにより行われ得る。
酸性化工程はまた、カルボン酸とカルボン酸塩との混合物に関して行われ得る。そのような混合物は、例えば、低pH発酵において得られ得る。上記混合物は、例えば水性懸濁物であり得る。
カルボン酸塩の酸性化が、酸性HCl溶液と接触させることにより行われるとき、それができるだけ高い酸濃度を有するのが好ましい。そのような高い酸濃度は、望ましいところの、高カルボン酸濃度を有する水性混合物を結果するだろう。したがって、酸性溶液は、酸性溶液の総重量に基づいて、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも20重量%の酸を含む。
酸性化は典型的には、過剰の酸を使用して行われる。過剰量は好ましくは少なく、その結果、得られる水性混合物はあまり酸性でなく、それは、そのような混合物をさらに処理することに鑑みて望ましくない可能性がある。例えば、使用される過剰の酸が、得られる水性混合物がpH2以下、好ましくは0〜1のpHを有するようなものであり得る。
気体状HClが使用される場合には、それが、カルボキシレート溶液または懸濁物と接触され得る。特に、HCl気体が、溶液または懸濁物に吹き込まれ得る。
好ましくは、酸性化が、75℃以下の温度で行われる。より高い温度では、装置を、高い温度で酸性環境の厳しい条件に適合させることが不経済になる。
酸性化工程は、カルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性液体の形成を結果する。この水性液体は、所望により濃縮工程などの中間処理工程が行われた後に、分離工程に付される。
適する分離工程は、従来公知である。使用され得る工程の性質は、酸の性質および特性に依存する。
カルボン酸が上記水性液体中に全体的にまたは部分的に固体として存在する場合には、分離が、慣用の固体−液体分離法、例えば濾過、遠心分離などを使用して行われ得る。
カルボン酸が水性液体中に全体的にまたは部分的に分離有機相として存在する場合には、分離が、慣用の液体−液体分離法、例えばデカンテーション、沈殿、遠心分離、プレートセパレータの使用、コアレッサーの使用、およびハイドロサイクロンの使用によって行われ得る。分離効率を改善するために抽出剤が添加され得る。また、種々の方法および装置が使用され得る。
カルボン酸が水性液体中に溶解されて存在する場合には、分離が、例えば適する抽出剤を用いる抽出を使用して行われ得る。
本発明の方法は、上記分離工程が抽出剤の使用を含む場合に特に魅力的である。この実施態様では、分離工程から得られた塩化マグネシウム溶液が、説明されたように、比較的多量の、例えば少なくとも1000ppm(0.1重量%)のVTOCの有機成分を含み得ることが分かった。これらの多量の有機成分を熱分解工程に供給することは、望ましくないHClの品質、熱分解中の望ましくない生成物の形成およびその系からの抽出剤の損失を招くだろう。本発明に従う方法では、これらの問題が防止され得る。上述した多段分離工程の使用は、この実施態様において特に好ましい。
本発明に従う方法において抽出剤が存在する場合には、上記抽出剤は水と実質的に混和性でない。抽出剤の使用は、分離工程中に2相系の形成を結果する。上記2相系は、抽出剤およびカルボン酸を含む液体有機相と溶解した塩化マグネシウムを含む水性相とを含む。
適する抽出剤の例は、脂肪族および芳香族の炭化水素、例えばアルカンおよび芳香族化合物、ケトンおよびエーテルである。種々の化合物の混合物も使用され得る。
適する脂肪族アルカンの例は、C5〜C10の直鎖、分岐鎖または環式のアルカン、例えばオクタン、ヘキサン、シクロヘキサン、2−エチル−ヘキサンおよびヘプタンである。
適する芳香族化合物の例は、C6〜C10芳香族化合物、例えばトルエン、キシレンおよびエチルベンゼンである。
適するケトンの例は、本発明におけるC5+ケトン、特にC5〜C8ケトンである。C5+は、少なくとも5の炭素原子を有するケトンを表わす。C9+ケトンの使用はあまり好ましくない。メチル−イソブチル−ケトン(MIBK)の使用が特に魅力的であることが分かった。
適するエーテルの例は、C3〜C6エーテル、例えばメチルt−ブチルエーテル(MTBE)およびジエチルエーテル(DEE)である。上記抽出剤は一般に、本明細書の文脈においてVTOCとみなし得る。
製造されるカルボン酸の性質は、本発明に従う統合された方法にとって重要でない。
1実施態様では、カルボン酸が、少なくとも2であるが6より多くない炭素原子を含むモノ−、ジ−またはトリ−カルボン酸(C2〜6カルボン酸)である。1実施態様では、カルボン酸が、乳酸、コハク酸、プロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、2−、3−および4−ヒドロキシ酪酸、クエン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アクリル酸、レブリン酸、マレイン酸、2,5−フランジカルボン酸、マンデル酸、リンゴ酸、および酒石酸から成る群から選択される。好ましくは、カルボン酸が、 乳酸、コハク酸、プロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、2−、3−および4−ヒドロキシ酪酸ならびにクエン酸から成る群から選択される。
1実施態様では、カルボン酸が、2〜6の炭素原子を有するモノカルボン酸から選択される。1実施態様では、上記2〜6の炭素原子を有するモノカルボン酸がヒドロキシル基を有しない。この群では、適する酸の例が、プロピオン酸、アクリル酸、酪酸および吉草酸である。
別の実施態様では、モノカルボン酸が少なくとも1のヒドロキシル基を有する。この群では、1実施態様において、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオン酸ならびに2−、3−および4−ヒドロキシ酪酸の群から酸を選択することが好ましくあり得る。別の実施態様では、この群において、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオン酸ならびに2−、3−および4−ヒドロキシ酪酸の群から酸を選択することが好ましくあり得る。さらなる実施態様では、酸が乳酸であることが好ましくあり得る。
別の実施態様では、カルボン酸が、ポリカルボン酸、特に、少なくとも2であるが6を超えない炭素原子を含むジ−またはトリカルボン酸(C2〜6カルボン酸)である。1実施態様では、ポリカルボン酸が、コハク酸、クエン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、マレイン酸、2,5−フランジカルボン酸、マンデル酸、リンゴ酸および酒石酸から成る群から選択される。好ましくは、ポリカルボン酸が、コハク酸、クエン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、および2,5−フランジカルボン酸から成る群から選択される。ポリカルボン酸は特に、コハク酸、フマル酸、イタコン酸および2,5−フランジカルボン酸から選択され得る。
図3は、本発明に従う統合された方法の実施態様を示す。図3では、発酵工程が、発酵反応器(101)において行われ、上記発酵器は、図示されていないラインを通って炭素源および任意的に更なる成分、例えば栄養素を供給される。発酵工程では、炭素源が微生物によって発酵ブロス中で発酵されてカルボン酸を形成し、そしてマグネシウム塩基を添加することによってカルボン酸の少なくとも一部を中和してカルボン酸マグネシウムを得る。マグネシウム塩基は、ライン(10)を通って添加される。マグネシウム塩基は、熱分解工程で生じたMgOから誘導される。MgOは、そのようなものとして、または水性液体中にスラリー化された後に、または図示されていない工程において水酸化マグネシウムに転化された後に、供給され得る。
カルボン酸マグネシウム塩を含む発酵ブロスが、ライン(102)を通って酸性化工程(103)に供給される。中間工程、例えばバイオマス除去または濃縮が行われ得るが、図示されていない。酸性化工程(103)では、カルボン酸マグネシウムがHClと水性環境中で接触されて、カルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性混合物を形成する。HClは、ライン(9)を通って供給され、予備濃縮器(5)から得られる。それは、予備濃縮器(5)から直接得られるHCl含有気体流の形態で供給され得る。また、HCl含有気体流を水性液体(例えば水)に吸収させることにより得られる水性溶液の形態で供給され得る。これは、吸収工程(図示していない)において行われるだろう。
カルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性混合物は、ライン(104)を通って分離工程(105)に供給される。分離工程は、上述したように行われ得る。分離工程(32)で得られた有機化合物が、ライン(34)を通って分離工程(105)に供給される。
分離工程(105)が抽出剤を使用する場合には、これが、図示されていないラインを通って供給される。分離工程(105)は、カルボン酸を含む流出物と塩化マグネシウム溶液とを結果する。生成物カルボン酸は、ライン(106)を通って抜き出される。塩化マグネシウム溶液は、ライン(1)を通って抜き出され、そして図2に関して上述したように、さらに処理される。

Claims (22)

  1. カルボン酸を製造する方法において、下記工程:
    炭素源を発酵工程に付してカルボン酸を形成すること、ここで上記発酵工程は、炭素源を微生物によって発酵ブロス中で発酵させてカルボン酸を形成する工程および上記カルボン酸の少なくとも一部を、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムから選択されるマグネシウム塩基を添加することにより中和し、それによってカルボン酸マグネシウムを得る工程を含む、
    上記カルボン酸マグネシウムを酸性化工程に付すこと、ここでカルボン酸マグネシウムが水性環境中でHClと接触されて、カルボン酸および塩化マグネシウムを含む水性混合物を形成する、
    カルボン酸および塩化マグネシウムを含む上記水性混合物を分離工程に付して、カルボン酸を含む流出液と塩化マグネシウムおよび任意的に有機成分を含む水性溶液とを形成すること、
    上記の分離工程から得られた5〜25重量%の塩化マグネシウムおよび任意的に有機成分を含む水性溶液を蒸発工程に供給すること、ここで水および存在する場合には有機成分が蒸発される、
    25〜35重量%のMgCl濃度を有する水性溶液を蒸発工程から抜き出し、そしてそれを予備濃縮器に供給すること、上記予備濃縮器では、上記水性溶液が、少なくとも300℃の温度を有するHCl含有気体流と接触される、
    上記予備濃縮器から得られた35〜45重量%のMgCl濃度を有する水性溶液を熱加水分解反応器に供給すること、ここで上記反応器は少なくとも300℃の温度にある、
    上記熱加水分解反応器からMgOを固体形態で抜き出し、かつ上記熱加水分解反応器からHCl含有気体流を抜き出すこと、ここで上記HCl含有気体流は少なくとも300℃の温度を有する、
    上記少なくとも300℃の温度を有するHCl含有気体流を上記予備濃縮器に供給すること、
    上記予備濃縮器から高々150℃の温度を有するHCl含有気体流を抜き出すこと
    を含む、上記方法。
  2. 上記蒸発工程中に蒸発した有機成分が上記分離工程に再循環される、請求項1に記載の方法。
  3. 上記熱加水分解工程から抜き出された酸化マグネシウムが少なくとも部分的に上記醗酵工程に、MgOの形態でまたは水酸化マグネシウムへの転化の後に、再循環される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記予備濃縮から得られたHCl含有気体流が少なくとも部分的に上記酸性化工程に、気体形態でまたはそれを水に吸収させることによるHCl溶液への転化の後に、再循環される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. バイオマス除去工程が、上記発酵工程と上記酸性化工程との間に行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記発酵ブロスから固体のカルボン酸マグネシウムを分離し、そして任意的に該固体のカルボン酸マグネシウムを洗浄する工程が、上記発酵工程と上記酸性化工程との間に行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 濃縮工程が、上記発酵工程と上記酸性化工程との間に行われて、酸性化の前の組成物中のカルボン酸マグネシウムの濃度を高める、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. カルボン酸および塩化マグネシウムを含む上記水性混合物中にカルボン酸が少なくとも部分的に固体形態で存在し、上記分離工程が固体−液体分離である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. カルボン酸および塩化マグネシウムを含む上記水性混合物中にカルボン酸が少なくとも部分的に分離有機相として存在し、上記分離工程が液体−液体分離工程である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. カルボン酸および塩化マグネシウムを含む上記水性混合物中にカルボン酸が少なくとも部分的に溶解された形態で存在し、上記分離工程が抽出工程である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 抽出剤が、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素の群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 上記カルボン酸が、少なくとも2であるが6より多くない数の炭素原子を有するモノ−、ジ−またはトリ−カルボン酸(C2〜6カルボン酸)である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 上記塩化マグネシウムを含む水性溶液が少なくとも1000ppmの有機成分の合計含量(TOC)を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 上記蒸発工程から得られた生成物が、上記蒸発工程へ供給された水性溶液のTOCの高々50%であるTOCを有する、請求項〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 上記予備濃縮器に供給されるところの、上記蒸発工程から得られた生成物が、高々1000ppmのTOCを有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. [MgCl prec]−[MgCl start]として定義される、上記予備濃縮器の前の上記蒸発工程中に行われる濃度増加が30〜5重量%である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 上記蒸発工程が単一段蒸発工程である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 上記蒸発工程が、多段蒸発工程である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 多段蒸発工程の第一段において揮発性有機成分が除去され、その結果、該第一蒸発段階からの濃縮された生成物が、第一蒸発段階に供給された水性溶液のVTOCの高々50%であるVTOCを有する、請求項18に記載の方法。
  20. 水蒸気が上記多段蒸発工程の第一蒸発段階から抜き出され、そして、加熱液体としてさらなる蒸発段階に供給される、請求項18または19に記載の方法。
  21. 上記多段蒸発が多重効用蒸発器において行われる、請求項20に記載の方法。
  22. 上記蒸発工程でまたはその1以上の段階で蒸気圧縮蒸発が使用される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
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