JP6366418B2 - CdTe又はCdZnTeからなるチップ基板、及びそれを用いた放射線検出器及び放射線検出器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CdTe又はCdZnTeからなるチップ基板、及びそれを用いた放射線検出器及び放射線検出器の製造方法に関する。
II−VI族化合物半導体であるテルル化カドミウム(CdTe)やテルル化亜鉛カドミウム(CdZnTe)は、シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)に比べて、バンドギャップが大きく、放射線検出器として使用した場合には、熱雑音等の影響が小さくできるので、冷却装置を必要とせずに検出器を構成できるので小型化が可能であり、また、不純物をドーピングすることによってさらなる高抵抗化が容易であるので、暗電流(リーク電流)の発生を抑制できるため、エネルギー分解能を向上させることが可能な放射線検出器に用いられている。放射線検出器は、CdTeやCdZnTeの単結晶で形成された基板の両面に金属電極を形成した放射線検出素子を、検出回路に接続することにより構成される。放射線検出器は、放射線検出素子が放射線を受けた際に放出する電子量を検出回路で電流に変換して増幅することにより、放射線を検出する。
放射線スペクトルの検出感度とエネルギー分解能を向上させるために、CdTeやCdZnTeの単結晶で形成された基板に様々な処理を施すことが検討されている。例えば、特許文献1には、基板に250℃以上450℃以下の温度下に少なくとも20時間保持される熱処理を施すことにより、キャリア移動度μとキャリアの寿命τとの積μτが2.0×10−3cm/V以上とすることが記載されている。
一方で、放射線スペクトルの検出感度とエネルギー分解能を向上させるには、金属電極から基板に電圧を印加した時に、キャリア注入によるリーク電流の急増を防ぐ必要もある。例えば、特許文献2には、ポリッシングにより基板の表面処理を行い、原子間力顕微鏡で基板表面を観察したときに10μm×10μmの視野範囲内に深さ1nm以上の線状の研磨ダメージの痕跡が観察されず、かつ、蛍光灯下目視で基板表面を観察したときにオレンジピールが観察されない基板を形成することが記載されている。また、特許文献3には、基板表面をエッチングすることにより加工変質層を除去した後、無電解メッキにより電極を形成することが記載されている。
特開平6−3455985号公報 国際公開第2011/040566号 特開平3−201487号公報
しかし、放射線スペクトルの検出感度とエネルギー分解能をさらに向上させるには、リーク電流をさらに低減する必要がある。上述した方法だけではリーク電流が十分には低減できず、新たなアプローチが必要であった。
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解決し、リーク電流を低減し、放射線スペクトルの検出感度とエネルギー分解能を向上させた放射線検出器、その製造方法、及びそれを実現するCdTe又はCdZnTeからなるチップ基板を提供することを課題とする。
本発明の一実施形態によると、CdTe又はCdZnTeからなる矩形のチップ基板であって、前記チップ基板の端部にチッピングを有し、前記チッピングの長さが300μm以下であるチップ基板が提供される。
前記チップ基板において、前記チッピングの長さは、前記チップ基板の第1の側面の稜線の第1の延長線を引き、前記チップ基板のチッピングが生じた部と前記第1の延長線とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa1とし、前記第1の側面と直交関係にある第2の側面の稜線から引いた第2の延長線に対してもチッピングが生じた部と前記第2の延長線とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa2として、a1≠a2の場合には、a1とa2のうち短い方の長さであってもよい。また、a1=a2の場合には、このa1=a2の長さであってもよい。
また、本発明の一実施形態によると、前記何れかのチップ基板と、前記チップ基板の第1の面に配設された第1の金属電極と、前記第1の面と対向する前記チップ基板の第2の面に配設された第2の金属電極と、を備える放射線検出器が提供される。
また、本発明の一実施形態によると、CdTe又はCdZnTeからなる基板を準備し、前記基板の第1の面と、前記第1の面に対向する前記基板の第2の面を研磨し、前記基板の第1の面に第1の金属電極を形成し、前記第1の金属電極と対向するように前記基板の第2の面に第2の金属電極を形成し、前記第1の金属電極と前記第2の金属電極とが配設された前記基板を所定の形状に切断し、前記第1の金属電極と前記第2の金属電極とが配設されたチップ基板の端部に生じるチッピングの長さが300μm以下となるように、前記チップ基板を形成することを含む放射線検出器の製造方法が提供される。
前記放射線検出器の製造方法において、前記チッピングの長さは、前記チップ基板の第1の側面の稜線の第1の延長線を引き、前記チップ基板のチッピングが生じた部と前記第1の延長線とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa1とし、前記第1の側面と直交関係にある第2の側面の稜線から引いた第2の延長線に対してもチッピングが生じた部と前記第2の延長線とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa2として、a1≠a2の場合には、a1とa2のうち短い方の長さであってもよい。また、a1=a2の場合には、このa1=a2の長さであってもよい。
本発明に係るCdTe又はCdZnTeからなるチップ基板は、リーク電流を低減し、放射線スペクトルの検出感度とエネルギー分解能を向上させた放射線検出器を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る放射線検出器に用いる放射線検出素子100を示す模式図であり、(a)は放射線検出素子100の上面図であり、(b)は(a)のAA’における断面図であり、(c)は(b)のチッピング150を拡大した図である。 本発明の一実施形態に係る放射線検出素子100を備えた放射線検出器500の側面図である。 本発明の一実施例に係るダイシングにより生じたチッピングの状態を示す図である。 本発明の一実施例に係る放射線検出素子100の特性を示す図であり、(a)はチッピングの長さとリーク電流の関係を示し、(b)はチッピングの長さと放射線スペクトルの半値幅の関係を示す。 本発明の一実施例に係る放射線検出素子100のチッピングの長さと放射線ピーク強度の関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係るCdTeもしくはCdZnTeからなるチップ基板、及びそれを用いた放射線検出器及び放射線検出器の製造方法について説明する。本発明のCdTeもしくはCdZnTeからなるチップ基板、及びそれを用いた放射線検出器及び放射線検出器の製造方法は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態及び後述する実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る放射線検出器に用いる放射線検出素子100を示す模式図である。図1(a)は放射線検出素子100の上面図であり、図1(b)は図1(a)のAA’における断面図であり、図1(c)は図1(a)のチッピング150を拡大した図である。また、図2は、放射線検出素子100を備えた放射線検出器500の側面図である。
放射線検出素子100は、チップ基板20と、チップ基板20の第1の面(図1(b)ではチップ基板20の下面)に配設された第1の金属電極11と、第1の面と対向するチップ基板20の第2の面(図1(b)ではチップ基板20の上面)に配設された第2の金属電極13と、を備える。第1の金属電極11は、例えば、チップ基板20の第1の面の全面に形成される。また、第2の金属電極13は、例えば、チップ基板20の第2の面にマトリクス状に配設される。また、放射線検出器500は、第3の金属電極60を配設した集積回路基板50を備える。放射線検出素子100の第2の金属電極13は、集積回路基板50に配設された、対応する第3の金属電極60と、バンプ65を介して接続される。
チップ基板20は、CdTeもしくはCdZnTeからなる基板である。チップ基板20は、薄い板状に形成されており、例えば、第1の金属電極11及び第2の金属電極13が形成される主面は、(111)面となっている。結晶方位[111]は、CdZnTeにおける極性軸であるため、チップ基板20の表面のうち第2の面側の表面組成はCdの割合が高く、第1の面側の表面組成はTeの割合が高くなっている。
第1の金属電極11、第2の金属電極13及び第3の金属電極60は、金、白金、イリジウム等の貴金属を用いた薄膜で形成される。本実施形態において、第1の金属電極11及び第2の金属電極13は共通電極である。また、第3の金属電極60は、バンプ65を介して第2の金属電極13からの電流を受ける。
集積回路基板50は、コンデンサや増幅器等を備える。チップ基板20が放射線(硬X線やγ線)を受けて電子を放出すると、電子がバイアス電圧により電離電流となり、放射線検出素子100から、第2の金属電極13、バンプ65及び第2の金属電極13を介して集積回路基板50へと流れる。コンデンサ、増幅器を経てパルス信号に変換され、パルス信号がマルチチャンネルアナライザで解析され、放射線のスペクトルを得る。
後述するように、放射線検出素子100は、金属電極形成工程の後、ダイシング工程を経て製造される。チップ基板20を構成するCdTeやCdZnTeは、ダイシング工程における加工歪の発生により、チップ基板20の端部に加工変質層が多く出現し、切断面での欠け(チッピング)が多くなる。本発明者らは、チッピングが放射線検出素子100の検出感度やエネルギー分解能を低下させる原因であることを見出した。このようなチップ基板20のチッピングによる放射線検出素子100の検出感度やエネルギー分解能の低下についての知見は、これまでの報告されておらず、以降に説明する本発明は、放射線検出器のリーク電流を低減し、放射線スペクトルの検出感度とエネルギー分解能を向上させる新規なアプローチである。
ここで、図1(a)を参照する。上述したように、放射線検出素子100は、第1の金属電極11及び第2の金属電極13を形成した後、チップ基板20をダイシングして製造される。このとき、ダイシング工程における加工歪の発生により、図1(a)に示したように、チッピング150が生じる。本発明者らは、チッピングの長さが300μm以下の範囲であれば、放射線検出素子100のリーク電流を低減し、放射線スペクトルの検出感度とエネルギー分解能を向上させることができることを見出した。後述する実施例に示すように、チッピングの長さが300μmを超えると、リーク電流が急激に増加するため好ましくない。一方、ダイシング工程が必須であるため、チップ基板20からチッピングを完全になくすことはできないが、チッピングの長さを20〜50μm程度にまで低減することは可能である。
なお、本明細書において、「チッピングの長さ」とは、図1(c)と図3を基に説明すると、チップ基板内部のチッピング(欠け)部分と、矩形のチップ基板の側面171の稜線の延長線181を引き、チッピングが発生した部155と延長線181とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa1とし、また矩形のチップ基板の側面171と直交関係にある側面173の稜線から引いた延長線183に対してもチッピングの部155と延長線183とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa2として、a1≠a2の場合には、a1とa2のうち短い方の長さ190として定義する。また、a1=a2の場合には、このa1=a2の長さ190として定義する。
本出願は、チップ基板20に生じるチッピング150の長さを300μm以下に制御することにより、リーク電流を低減し、放射線スペクトルの検出感度とエネルギー分解能を向上させることができることを初めて報告するものである。
(放射線検出器の製造方法)
チップ基板20に生じるチッピング150の長さを所定の範囲に制御するための放射線検出器500の製造方法について説明する。放射線検出器500の製造方法は、例えば、基板製造工程、電極形成工程及びダイシング工程を含むが、これらに限定されるものではない。基板製造工程は、CdTeもしくはCdZnTeからなる基板を準備する工程であって、CdTeもしくはCdZnTeの単結晶インゴットを結晶面(111)に沿って切断することにより薄い円盤状の基板(ウエハ)を切り出す(切断工程)。切り出した基板は、切断面(第1の金属電極11を配設する第1の面及び第2の金属電極13を配設する第2の面)をアルミナ粉末等の研磨剤を用いて物理的に鏡面研磨する(研磨工程)。この研磨工程は、基板毎に複数回繰り返してもよい。
電極形成工程においては、基板の第1の面に第1の金属電極11を形成し、第1の金属電極と対向するように基板の第2の面に第2の金属電極13を形成する(電極形成工程)。電極形成工程では、例えば、基板をメタノールに浸漬し、室温で超音波洗浄することにより、基板に付着した異物を除去する。
例えば、基板を塩化白金酸(IV)六水和物水溶液に塩酸を混合しためっき液に浸漬することで、基板の研磨面に貴金属、例えば、プラチナ(Pt)を析出させて金属電極を形成する(めっき工程)。その後、基板に窒素ガスを噴きつけることにより乾燥させて、第1の金属電極11及び第2の金属電極13を備えた基板を得る。なお、第1の金属電極11及び第2の金属電極13は、一つのメッキ工程で形成してもよく、また、異なる金属溶液を用いて別のメッキ工程で形成してもよい。
第1の金属電極11及び第2の金属電極13を備えた基板はダイシング工程により、チップ基板20へと分割される。ここで、本発明においては、チッピングの長さを上述した範囲に制御する。基板をダイシングするには、一般にスライサー又はダイサーが用いられる。本発明においては、チッピングの発生を抑制するために、ダイシング時の基板に生じる加工歪を小さくする必要がある。このため、本発明においては、高精度に基板を切断可能なダイサーをダイシング工程に用いることが好ましい。このように、加工歪を小さくして、第1の金属電極11及び第2の金属電極13を備えたチップ基板20を基板から切り出して、本実施形態に係る放射線検出素子100を製造することができる。
また、得られた放射線検出素子100は、第3の金属電極60を配設した集積回路基板50とバンプ65を介して接続する。第2の金属電極13は第3の金属電極60と接続され、放射線検出器500を得る。本実施形態において、バンプ65には、公知の材料を用いることができ、例えば、金(Au)やハンダ等が挙げられる。
以上説明したように、本発明においては、高精度に基板を切断可能なダイサーをダイシング工程に用いることにより、基板に生じる加工歪を小さくして、チッピングの長さを上述した範囲に制御することができる。
(CdZnTe単結晶の製造)
実施例として、CdTe単結晶基板を用いた。CdTe単結晶はVGF法(例えば、特開2010−150138号公報)により成長させた。常圧容器の中心にリザーバ部を有する石英アンプルを配置し、石英アンプル内にはpBN(pyrolytic Boron Nitride)製ルツボを配置した。石英アンプルを包囲するようにヒータを設けた。ヒータは、ルツボに対応する部分とリザーバ部に対応する部分とを別々の温度に加熱でき、かつ常圧容器内の温度分布を細かく制御できる3段の多段型構造を有するものを用いた。
石英アンプルのリザーバ部に易揮発性元素であるCd単体を約10g入れるとともに、pBN製ルツボにCdTe原料を約3000g入れて石英アンプル内に配置した後、石英アンプルを真空封止した。このとき、CdTe原料には、100ppmwtの塩素をドープして合成したCdTe多結晶をブロック状に分割したものを用いた。
そして、ヒータで加熱昇温してルツボ内のCdTe原料を融解した後、ヒータでリザーバ部を780℃に加熱して、Cd蒸気圧を0.116MPaに制御を行うとともに、ルツボを1100℃に加熱した。さらに、常圧容器内に所望の温度分布が生じるように各ヒータへの供給電力量を制御装置で制御しながら加熱炉内の温度を0.1℃/hrの降温速度で徐々に下げて、約200時間かけて原料融液の表面から下方に向かってCdTe単結晶を成長させた。
その後、CdTe単結晶を、950℃、20時間、Cd蒸気圧を0.130MPa印加しながら、加熱し(ポストアニール)、直径78mm、長さ60mmのClドープn型CdZnTe単結晶インゴットを得た。
製造したCdTe単結晶インゴットから厚さ1800μm、30mm×30mmのCdTe基板を5枚切り出して1バッチの加工単位として、処理工程を全て5枚1組で行った。粒径2μmのアルミナ砥粒を水に溶かした研磨液とガラス研磨板を用いてラッピング処理を行い、厚さが1400μmとなるように加工した。次に、研磨布付きの回転研磨盤を用いて、以下の条件によりポリシング(鏡面研磨)処理を行った。
(ポリシング条件)
鏡面研磨液:以下の割合で各成分を混合した鏡面研磨液
次亜塩素酸カルシウム水溶液(有効塩素70%):1L
炭酸水素カルシウム:150g
水:4L
塩化カルシウム:60g
研磨機の定盤径:300mmφ
定盤回転数:50rpm
加工圧:70g/cm
研磨時間:70min
研磨流量:2L/hr
研磨量:50μm
研磨布:発泡ポリウレタン系軟質クロス
(金属電極の形成)
1容量%の臭素を混合したメタノール溶液のエッチング液に基板を浸漬し、室温で基板の研磨面をエッチングして基板の表面から加工変質層を除去した。メタノールを用いて基板からエッチング液を除去し、純水を用いて基板からメタノールを除去した。
その後、基板を温度50℃、濃度0.83g/Lの塩化白金酸(IV)六水和物水溶液に塩酸を混合しためっき液に浸漬することで、基板表面にPtを析出させて金属電極を形成した。その後、基板に窒素ガスを噴きつけることにより乾燥させて、Pt//Pt電極基板(基板の両面にPt電極が配置された基板)を得た。
Pt//Pt電極を備えた基板は、ダイシング工程により、チップ基板20へと分割し、放射線検出素子100を形成した。
(ダイシング工程)
本実施例においては、準備した基板にダイシング工程を行った。実施例として、ダイサーを用い、比較例としてスライサーを用いて基板をダイシングした。実施例及び比較例のダイシングの条件を表1に示す。
図3は、本実施例に係るダイシングにより生じたチッピングの状態を示す図である。本実施例に係るダイシングにより生じたチッピングの長さは、300μm以下であった。また、実施例及び比較例についてチッピングの長さを表2に示す。
(リーク電流)
実施例及び比較例の放射線検出素子100について、CdTe基板を挟むように対向した両電極間に電圧を印加し、放射線源からの照射をしない状態でリーク電流を測定した。図4(a)にチッピングの長さとリーク電流の関係を示す。図4(a)から、チッピングの長さが300μm迄はリーク電流が少ないことがわかる。
(放射線スペクトルの半値幅)
実施例及び比較例の放射線検出素子100に対して、57Coを管球に使用した放射線源よりガンマ線を照射し、その時検出された122.1keVのエネルギースペクトラ強度の半値幅(FWHM)を測定した。図4(b)にチッピングの長さと半値幅の関係を示す。図4(b)から、チッピングの長さが300μmを超えると、半値幅が急激に上昇することが明らかとなった。
(放射線ピーク強度)
実施例及び比較例の放射線検出素子100に対して、57Coを管球に使用した放射線源よりガンマ線を照射し、その時検出された122.1keVのエネルギースペクトラのピーク強度(Intensity)を測定した。図5にチッピングの長さと放射線ピーク強度の関係を示す。図5から、チッピングの長さが300μmを超えると、放射線ピーク強度が急激に低下することが明らかとなった。
11:第1の金属電極、13:第2の金属電極、20:チップ基板、60:第3の金属電極、65:バンプ、100:放射線検出素子、150:チッピング、155:部、171:チップ基板の側面、173:チップ基板の側面、181:線、183:線、190:最大距離、500:放射線検出器

Claims (5)

  1. CdTe又はCdZnTeからなるチップ基板であって、
    前記チップ基板の端部にチッピングを有し、
    前記チッピングの長さが300μm以下であることを特徴とするチップ基板。
  2. 前記チッピングの長さは、前記チップ基板の第1の側面の稜線の第1の延長線を引き、前記チップ基板のチッピングが生じた部と前記第1の延長線とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa1とし、前記第1の側面と直交関係にある第2の側面の稜線から引いた第2の延長線に対してもチッピングが生じた部と前記第2の延長線とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa2として、a1≠a2の場合には、a1とa2のうち短い方の長さであり、a1=a2の場合には、このa1=a2の長さであることを特徴とする請求項1に記載のチップ基板。
  3. 請求項1又は2に記載のチップ基板と、
    前記チップ基板の第1の面に配設された第1の金属電極と、
    前記第1の面と対向する前記チップ基板の第2の面に配設された第2の金属電極と、を備えることを特徴とする放射線検出器。
  4. CdTe又はCdZnTeからなる基板を準備し、
    前記基板の第1の面と、前記第1の面に対向する前記基板の第2の面を研磨し、
    前記基板の第1の面に第1の金属電極を形成し、前記第1の金属電極と対向するように前記基板の第2の面に第2の金属電極を形成し、
    前記第1の金属電極と前記第2の金属電極とが配設された前記基板を所定の形状に切断し、
    前記第1の金属電極と前記第2の金属電極とが配設されたチップ基板の端部に生じるチッピングの長さが300μm以下となるように、前記チップ基板を形成することを含むことを特徴とする放射線検出器の製造方法。
  5. 前記チッピングの長さは、前記チップ基板の第1の側面の稜線の第1の延長線を引き、前記チップ基板のチッピングが生じた部と前記第1の延長線とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa1とし、前記第1の側面と直交関係にある第2の側面の稜線から引いた第2の延長線に対してもチッピングが生じた部と前記第2の延長線とが直交の関係をなす各長さのうち最大距離をa2として、a1≠a2の場合には、a1とa2のうち短い方の長さであり、a1=a2の場合には、このa1=a2の長さであることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器の製造方法。
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