JP6365645B2 - 殺菌剤のガス化装置 - Google Patents

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本発明は、無菌充填包装機において包装材料の殺菌に使用される、殺菌剤のガスを生成する殺菌剤のガス化装置に関する。
ポーションミルク、ブリック型液体紙容器入り飲料、パウチ入りスープ、カップ入り飲料、PETボトル入り飲料等、無菌充填包装機により様々な容器に、食品や飲料が充填されて流通している。無菌充填包装機とは、無菌雰囲気で殺菌した容器に殺菌した内容物を充填して密封する装置である。無菌充填包装機により生産された製品は、流通や保管を常温で行うことができるため、冷蔵、冷凍製品よりもエネルギー消費が少なく、味覚も良いことから増加傾向にある。
無菌充填包装機において、容器となる包装材料は前述の通り様々であり、包装材料によりその殺菌方法も異なる。紫外線や電子線を照射する方法もあるが、殺菌剤により、包装材料の表面を殺菌する方法が主流である。さらに殺菌剤を使用して包装材料を殺菌する場合、ポーションミルクやブリック型紙容器は殺菌剤に浸漬して殺菌するが、殺菌剤を噴霧する方法もある。フラットで浸漬後の比較的高温の乾燥温度に支障ない包装材料は、浸漬して殺菌される。カップやボトルのような成形容器や高温乾燥で伸びてしまうフィルムのような包装材料は殺菌剤の噴霧により殺菌される。
噴霧する殺菌剤の液滴が大きいとカップやボトルの側面で垂れたりする。噴霧する殺菌剤の液滴は小さいほど包装材料の表面に均一に塗布され、殺菌効果も高い。そこで。殺菌剤の液滴を細粒化する方法が提案されている(特許文献1)。
包装材料の表面に付着する殺菌剤の液滴が小さく、包装材料の表面が殺菌剤の液滴により密に被覆されているほど、殺菌効果は高い。そのため、殺菌剤の液滴を噴霧するのではなく、殺菌剤をガス化させ、ガス化した殺菌剤を包装材料の表面に吹き付けて、殺菌剤を包装材料の表面で凝縮させる方法が提案されている(特許文献2)。ここで、殺菌剤のガス化は、殺菌剤を加熱された発熱体に滴下して行っている。
さらに、加熱された管内に殺菌剤を噴霧することにより、殺菌剤のガス化を多量に効率的に行う方法も提案されている(特許文献3)。また、加熱された管内に蓄熱体を設ける方法も提案されている(特許文献4)。
殺菌剤は過酸化水素水が使用されるが、過酸化水素水中に含まれる微量の重金属により過酸化水素は分解する。これを防止するために、無菌充填包装機において殺菌に使用される過酸化水素水には、安定剤として安全性及び有効性が確認されているピロリン酸ソーダやオルトリン酸が添加されている(特許文献5)。このような安定剤は、過酸化水素水がガス化される際に析出し、ガス化させる加熱体の表面に堆積して過酸化水素水をガス化させる効率を低下させたり、過酸化水素水のガスを被殺菌物に吹き付けるノズルを閉塞させたりすることがある。このような安定剤の析出による弊害を防止するために、過酸化水素水を一旦ガス化し、このガスを冷却してフィルターを通し、液化した過酸化水素水をさらにガス化する方法が提案されている(特許文献6)
特開昭60−220067号公報 特開昭63−11163号公報 特開平3−224469号公報 特開平10−218134号公報 特開2006−240969号公報 特開平10−258811号公報
無菌充填包装機において包装材料を殺菌するため、ガス化された過酸化水素水が多用されている。過酸化水素水をガス化させる方法は、過酸化水素水を発熱体に接触させることによる。しかし、長時間過酸化水素水のガス化を行うと、過酸化水素水に添加されている安定剤が、過酸化水素水のガス化に際して析出し、発熱体に堆積することがある。堆積した安定剤は、発熱体の最表面への熱伝導を妨げ、過酸化水素水のガス化効率を低下させる。これを解消するために、定期的に殺菌剤のガス化装置を分解して清掃しなければならず、生産性を阻害している。
このような安定剤の析出による弊害を未然に防止するために、特許文献6の方法が提案されているが、過酸化水素水を2回ガス化しなければならず、2回目のガス化の際には既に安定剤を含有していないために、過酸化水素の分解が進みガス中の過酸化水素濃度が低下し、結果として殺菌効果が低下する。また、2回ガス化するために、エネルギー消費が多くなる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、長期間安定的に、殺菌成分である過酸化水素を高濃度で含有する殺菌剤のガスを生成することができる殺菌剤のガス化装置を提供することを目的とする。
本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、少なくとも過酸化水素及び安定剤を含む殺菌剤を加熱面に接触させて、殺菌剤をガス化させる装置であって、前記加熱面が、殺菌剤をガス化させる際に析出する安定剤の加熱面への付着を防止するポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムメッキからなることを特徴とする。

また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記加熱面に殺菌剤を噴霧する殺菌剤供給部と前記加熱面が円筒状である殺菌剤気化部を備えると好適である。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記殺菌剤供給部が二流体スプレを備えると好適である。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記殺菌剤気化部の端部に加熱エアを導入する加熱エア供給装置を備えると好適である。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記殺菌剤気化部の端部にフィルタを備えると好適である。
本発明によれば、紙やプラスチック等を素材とするボトルやカップ等の包装材料に、飲料や乳製品等を充填する無菌充填包装機において、包装材料の殺菌に使用される、少なくとも過酸化水素を含む殺菌剤のガスを、長期間安定的に効率良く生成することができる。また、その結果として、無菌充填包装機における包装材料の殺菌力を長期間保持させることができる。
本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施の形態1を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施の形態2を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施の形態3を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施の形態4を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置に組み込む加熱エア供給装置を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の吹き出し口にフィルタを備える殺菌剤のガスと加熱エアとの混合装置を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成する殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける工程を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成する殺菌剤のガスをボトルに吹き付ける工程を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成する殺菌剤のガスを紙容器に吹き付ける工程を示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1に本発明に係る殺菌剤のガス化装置1の実施の形態1を示す。殺菌剤のガス化装置1は殺菌剤供給部2、殺菌剤気化部3及び加熱エア供給装置12を備える。殺菌剤供給部2は殺菌剤4を貯留するタンク5、殺菌剤4を殺菌剤気化部3に滴下する滴下装置7及び当該滴下装置7に殺菌剤4を供給するポンプ6を備える。さらに、殺菌剤気化部3はその内部に滴下された殺菌剤4をガス化させる加熱体8を備える。また、加熱エア供給装置12はエアを送るブロワ10及びブロワ10によるエアを加熱する加熱装置11を備える。
殺菌剤4が滴下され、殺菌剤4がガス化する加熱体8の加熱面9はポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、又はポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムメッキである。加熱体8の材質としては、鉄、ステンレス、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、タングステン等の金属が使用される。加熱体8の表面にポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂をコーティングするか、又はポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムをメッキして、加熱面9とする。
ポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂は非付着性を有する。加熱面9をポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、又はポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムメッキとすることで、加熱面9が有する非付着性により、殺菌剤4が加熱面9に接触して殺菌剤4がガス化する際に析出する安定剤が、加熱面9に付着することを防止できる。そのため、析出する安定剤が加熱面9に堆積することを防ぐことができる。その結果、長期に渡って殺菌剤のガス化装置1を運転しても、殺菌剤4のガスに含まれる過酸化水素の濃度が低下することはない。
ポリテトラフルオロエチレンはテトラフルオロエチレンをモノマーとした重合体であり、融点が略325℃である。また、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂はテトラフルオロエチレンとペルフルオロエーテルの共重合体であり、融点は略310℃である。これらは、接着力を高めるために加熱体8の表面を脱脂処理、ブラスト処理又はセラミック粒子を高圧で吹き付ける等の表面処理を行った後に、加熱体8の表面に静電粉体コーティング等の方法によりコーティングされる。さらに、ポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂がコーティングされた加熱体8を400℃程度の温度で焼き付けることにより加熱面9が形成される。コーティング及び焼き付けを2回以上行っても構わない。ポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂の厚さは100μm〜1000μmが望ましい。100μm未満ではピンホールが発生するおそれがあり、1000μmを超えると加熱体8からの熱伝導が阻害される。
ポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムを加熱体8にメッキするには、メッキ液中にポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂の粒子をメッキ液中に分散させることによる。ポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂の粒子径は、メッキの厚さよりも大きいと表面に露出して脱落するおそれがあるため、通常1μm〜5μm程度である。メッキ液中に分散させる量は、メッキ中の体積分率として15%〜60%、好ましくは25%〜40%程度とする。15%未満では非付着性が低く、60%を超えるとメッキ皮膜と加熱体8との密着性が劣る。
加熱体8の表面にポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムをメッキする場合、メッキの厚さは1μm〜100μmが適当である。またメッキする前に被メッキ材に銅やニッケル等のメッキを施しても構わない。また、メッキしたクロムの表面を研磨して平滑性を高めても構わない。
殺菌剤4は少なくとも過酸化水素を含んでいる。その含有量は0.5質量%〜65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%〜40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、低濃度となるために殺菌後の包装材料への過酸化水素の残留量を低減できる。
また、殺菌剤4は過酸化水素の分解を防止するために安定剤を含んでいる。殺菌剤4に含まれる安定剤は、食品向けの包装材料を殺菌するために厚生労働大臣により食品用の指定添加物として使用されているピロリン酸ナトリウムやオルトリン酸を使用することが好ましい。しかし、ピロリン酸水素ナトリウム等のリン含有無機化合物、アミノトリメチルホスホン酸アルキリデンジホスホン酸塩等のホスホン酸キレート剤等を使用しても構わない。安定剤の含有量は通常40ppm以下である。、
また、殺菌剤4は水を含んでなるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル等の1種又は2種以上を含んでもかまわない。
さらに、殺菌剤4は過酢酸、酢酸、塩素化合物、オゾン等の殺菌効果を有する化合物、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤等の添加剤を含んでも構わない。
タンク5に貯留された殺菌剤4は、ポンプ6により滴下装置7に供給されるが、供給量は任意であり、必要とされる殺菌剤のガスの量に合わせて供給される。1台で供給すべき殺菌剤のガスが不足する場合は、複数台を使用する。滴下装置7による滴下量も必要な殺菌剤のガスの量に合わせるが、加熱面9で生成するガスの量は、加熱体8の温度と熱容量により決定される。
殺菌剤4をガス化する加熱体8の加熱面9の温度は130℃から260℃に設定される。130℃未満ではガス化が困難であり、260℃を超えるとポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂が分解するおそれがある。また、加熱体8の加熱面9は、平面であって、水平でも傾斜を設けても構わないし、凹面や凸面のような曲面であっても構わない。殺菌剤4が加熱体8の加熱面9に接触してガス化することができるのであればどのような形状でも構わない。加熱体8の大きさや厚さも任意である。体積が大きくなれば熱容量が大きくなり、殺菌剤4のガス化には有利であるが、殺菌剤のガス化装置1が過大となる。
加熱体8を加熱する方法は、加熱体8に電流を通じて加熱体8自体を発熱させる、ヒータを埋め込んだり、ヒータと接触させることで加熱する、又は誘電加熱装置により加熱する等、所望の温度に加熱することができれば、どのような方法でも構わない。
殺菌剤気化部3で生成された殺菌剤4のガスは、加熱エア供給装置12から送られる加熱エアにより吹き出し口13から排出され、ボトル等の包装材料の殺菌に使用される。加熱エアの供給量は任意であり、供給量が多量となると殺菌剤4のガスに含まれる過酸化水素の濃度が低くなり、殺菌力が劣る場合がある。また、加熱エアの温度は130℃から260℃に設定される。130℃未満ではガス化した殺菌剤4が、殺菌に使用される以前に液化して、被殺菌物の表面を被覆する面積が小さくなり、殺菌効果が低下するおそれがある。被殺菌物に殺菌剤4のガスが接触して、微細なミストを形成することが望ましく、加熱エアの温度はこれに適した設定とする。また、加熱エアの温度を上げると、被殺菌物によっては変形することもあるため、被殺菌物により加熱エアの温度は変動する。さらに、260℃を超えるとポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂が分解するおそれがある。
(実施の形態2)
図2に本発明に係る殺菌剤のガス化装置1の実施の形態2を示す。殺菌剤のガス化装置1は殺菌剤供給部2及び殺菌剤気化部3を備える。殺菌剤供給部2は噴霧装置14を備え、噴霧装置14により殺菌剤気化部3に殺菌剤4が供給される。また、殺菌剤気化部3はその内面が加熱体8となっている。
噴霧装置14には殺菌剤供給口15から殺菌剤4が供給され、圧縮エア供給口16から圧縮エアが供給される。噴霧装置14は二流体スプレであり、噴霧ノズル17から殺菌剤4はミストとなって殺菌剤気化部3の内面に噴霧される。噴霧された殺菌剤4は加熱体8の加熱面9に接触してガス化する。生成した殺菌剤4のガスは圧縮エアの圧力により吹き出し口13から排出される。
殺菌剤4のガスの吹き出し口13の口径は任意に設定することができ、2mmφ〜200mmφとすることができる。口径を小さくすることで、生成された殺菌剤4のガスの吹き出し圧力を高めることができる。吹き出し圧力を調整することにより殺菌剤のガス若しくは凝結により生成するミスト又はこれらの混合物の被殺菌物表面への吹き付け強さを調整できる。例えば被殺菌物が深いカップの場合は強く吹き付け、浅い容器の場合は弱く吹き付けるようにできる。また、吹き出し口13が長い場合、殺菌剤4のガスが冷却されて凝結する可能性があるため、吹き出し口13の周囲を加熱しても構わない。
殺菌剤4及び加熱体8及び加熱面9の材質等は実施の形態1と同様である。実施の形態1と異なる点は殺菌剤気化部3への殺菌剤の供給がミスト噴霧によること、加熱体8が殺菌剤気化部3の内面を構成すること、及び加熱エア供給装置12を備えていないことである。
殺菌剤気化部3の内面は加熱体8であるが、その外面は加熱体8を加熱するヒータ18が設けられ、さらにその外面には断熱性付与とヒータ18を保護するために外装19が設けられる。図2はヒータ18により加熱体8を加熱することを示しているが、加熱方法は実施の形態1と同様に、どのような加熱方法であっても構わない。
噴霧装置14の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa〜0.6MPaの範囲で調整される。また、殺菌剤4は重力落下であってもポンプ6を備えて圧力を加えても構わないし、殺菌剤4の供給量は自由に設定することができ、例えば1g/min.〜100g/min.の範囲で供給する。
(実施の形態3)
図3は本発明に係る殺菌剤のガス化装置1の実施の形態3を示す。実施の形態2と異なる点は、殺菌剤気化部3の内面に設けた加熱体8とは別に、殺菌剤気化部3の内部に棒状加熱体20を設けたことである。棒状加熱体20を設けることにより、殺菌剤のガス化装置1のガス化能力は高まり、殺菌剤4のガス化量を増やすことができる。
棒状加熱体20の加熱面20aはポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、又はポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムメッキである。この点は実施の形態1と同様である。また、棒状加熱体20の加熱には、棒状加熱体20の内部にヒータを埋め込んでも、加熱媒体を還流させても構わない。また、加熱体8と同様に130℃から260℃に加熱される。さらに、棒状加熱体20の形状は棒状、面状、コイル状等どのような形状であっても構わない。
(実施の形態4)
図4は本発明に係る殺菌剤のガス化装置1の実施の形態4を示す。実施の形態4は実施の形態1乃至3よりも殺菌剤4のガス化をさらに効率良く行うことができる形態である。殺菌剤供給部2に備える噴霧装置14は実施の形態2又は3と同様の二流体スプレである。図示しない殺菌剤4のタンクから殺菌剤4を殺菌剤供給口15に供給し、圧縮エアを圧縮エア供給口16に供給し、エクステンションパイプ22を経て、噴霧ノズル17から殺菌剤4が殺菌剤気化部3内に噴霧される。殺菌剤4は実施の形態1と同様のものが使用される。また、噴霧装置14の運転条件は実施の形態2と同様である。エクステンションパイプ22は、殺菌剤気化部3の熱が、殺菌剤気化部3の上部を閉塞しているプラグ21を経て、噴霧装置14に伝導し、噴霧装置14の本体の温度が上昇しないように設けられている。
殺菌剤気化部3は内面に加熱体8を備え、その外側に加熱体8を加熱するヒータ18を備え、さらにその外側に断熱のため、及びヒータ18を保護するために外装19が設けられる。図4はヒータ18により加熱体8を加熱することを示しているが、加熱方法は実施の形態1と同様に、どのような加熱方法であっても構わない。加熱体8は130℃から260℃の温度に加熱され、噴霧ノズル17から噴霧される殺菌剤4が加熱面9に接触することで、殺菌剤4はガス化される。噴霧装置14の運転条件は実施の形態2と同様である。
加熱体8の加熱面9はポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフ樹素樹脂、又はポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムメッキである。加熱面9の形成方法は実施の形態1と同様である。
加熱体8は噴霧ノズル17から噴霧される殺菌剤4が円形に噴霧されることから、円筒状が望ましい。しかし、多角筒状でも構わない。円筒の径は、殺菌剤4の噴霧に使用される圧縮エアにより殺菌剤気化部3の内圧が高くならないように、十分な大きさが必要である。しかし、噴霧された殺菌剤4のミストが、加熱面9に接触できるような径でなければならない。さらに、円筒の長さもこの条件を満たすように設計される。
加熱体8の加熱面9に接触することでガス化された殺菌剤4は、圧縮エアの圧力により吹き出し口13より排出される。吹き出し口13を被殺菌物に対向させて、排出される殺菌剤4のガスを被殺菌物である包装材料に直接吹き付けることもできるが、図5に示すように、殺菌剤気化部3の端部に加熱エアを導入する加熱エア供給装置12を備え、吹き出し口13から排出される殺菌剤4のガスと、加熱エア供給装置12より供給される加熱エアとを、導管23において混合して吹き付けても構わない。
図5に示すように、殺菌剤気化部3でガス化され、吹き出し口13から排出された殺菌剤4のガスに、ブロワ10によるエアを加熱装置11により加熱された加熱エアを導管23において混合し、殺菌剤ガス吹き出し口24から殺菌剤4のガスを被殺菌物に吹き付けても構わない。殺菌剤気化部3は1台ではなく、複数台を導管23に結合させても構わない。また、殺菌剤ガス吹き出し口24の数は任意に設定される。加熱装置11によりエアは130℃から300℃に加熱される。加熱エアの温度は実施の形態1と同様に被殺菌物により制約を受ける。加熱面9に加熱エアは触れないことから、ポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂の分解を考慮する必要はない。
また、図6のように、殺菌剤気化部3の端部の吹き出し口13にフィルタ29を設け、析出した安定剤を捕捉することが望ましい。安定剤は衛生上問題ないものを使用しているが、殺菌剤ガス吹き出し口24までの導管23の内部に付着して導管23を閉塞させるおそれがあるからである。フィルタ29は、例えば平均細口径0.1μm〜20μmのアルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン等のセラミックフィルタや、無機物、セルロース等からなる不織布のように260℃までの耐熱性を有し、析出した安定剤を捕捉できるものであればどのようなものでも構わない。
殺菌剤ガス吹き出し口24から吹き出される殺菌剤4のガスは、図6に示すように、プリフォーム25に吹き付けられる。プリフォーム25の内外面に殺菌剤4のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が接触又は付着することにより、プリフォーム25の表面に付着した菌等が殺菌される。
また、殺菌剤ガス吹き出し口24から吹き出される殺菌剤4のガスは、図7に示すように、ボトル26に吹き付けられる。ボトル26の内外面に殺菌剤4のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が接触又は付着することにより、ボトル26の表面に付着した菌等が殺菌される。
さらに、殺菌剤ガス吹き出し口24から吹き出される殺菌剤4のガスは、図8に示すように、底部を閉塞されたゲーベルトップ形状の紙容器27に吹き付けられる。紙容器27の内外面に殺菌剤4のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が接触又は付着することにより、紙容器27の表面に付着した菌等が殺菌される。紙容器27のように開口部が広い場合は、殺菌剤ガス吹き出し口24を囲繞する傘状部材28を設け、紙容器内部から溢れ出る殺菌剤4のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を傘状部材28に衝突させて紙容器27の外部に流すことで、紙容器27の外面を効率的に殺菌することができる。傘状部材28はプリフォーム25やボトル26の場合も設けることができる。また、被殺菌物は他にフィルム、シート、トレー、カップ等どのような形状でも構わない。
以下、本発明を実施例により説明する。
(操作方法)
図4の実施の形態4に示す殺菌剤のガス化装置1を用いた。殺菌剤気化部3の内面の加熱体8をSUS316とし、この加熱体8にポリテトラフルオロエチレン100μmをコーティングして加熱面9を形成した。この場合を実施例1とした。また、加熱体8をSUS316として、これに、ポリテトラフルオロエチレンの体積率が25%である厚さ50μmのクロムメッキ施し、実施例2とした。また、加熱面9をSUS316とした場合を比較例1、SUS316Lとした場合を比較例2、真鍮とした場合を比較例3とした。いずれも加熱体8を230℃に加熱した。
噴霧装置14の殺菌剤供給口15に、殺菌剤4として35質量%の過酸化水素及び安定剤を含有する過酸化水素水を、2.5g/min.供給した。また、圧縮エア供給口16には0.15MPaの圧縮エアを供給した。ここで、噴霧装置14は二流体スプレを使用した。殺菌剤のガス化装置1を上記の条件で500時間運転し、その後、以下の測定をおこなった。
(測定方法)
吹き出し口13における過酸化水素濃度をATI社製ポータブルガス検知器により測定した。また、吹き出し口13において、吹き出されたガスを冷却して過酸化水素水として回収した。このとき、全量回収されず、一部揮散したが、回収した加酸化水素水の過酸化水素濃度を測定した。
(殺菌効果測定)
さらに、500ml容量のPETボトルに成形される20gの重量のプリフォーム25の内面の中間部に104個、105個、106個のB.atrophaeus ATCC9372芽胞を付着させた後に、自然乾燥させた。この菌付プリフォーム25の内面に、吹き出し口13から過酸化水素水のガスを吹き付けた。さらに、100℃の無菌加熱エアを当該プリフォーム25に吹き付け、その後、内面を拭き取り、寒天培地に移植し、37℃で1週間培養し、生残存菌数を測定した。結果は、殺菌効果(LRV)=log(付着菌数)/(生残存菌数)で表した。
(実施例及び比較例の結果)
表1に、実施例及び比較例の、生成ガスの過酸化水素濃度、回収過酸化水素水の過酸化水素濃度及び殺菌効果をに示す。また、加熱面9への安定剤の付着を確認した。
Figure 0006365645
上記の実施例によれば、殺菌剤のガス化装置1において、加熱面9の材質をポリテトラフルオロエチレン、又はポリテトラフルオロエチレン含浸クロムメッキとすることで、これまで使用されていたステンレスであるSUS316やSUS316L又は真鍮よりも、長時間運転後に安定剤が加熱面9に付着せず、過酸化水素水をガス化する際のガス中の過酸化水素の濃度を高めることができ、殺菌効果も高いという結果が得られた。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…殺菌剤のガス化装置
2…殺菌剤供給部
3…殺菌剤気化部
8…加熱体
9…加熱面
12…加熱エア供給装置
14…噴霧装置
29…フィルタ

Claims (5)

  1. 少なくとも過酸化水素及び安定剤を含む殺菌剤を加熱面に接触させて、殺菌剤をガス化させる装置であって、
    前記加熱面が、殺菌剤をガス化させる際に析出する安定剤の加熱面への付着を防止するポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含浸クロムメッキからなることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  2. 請求項1に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記加熱面に殺菌剤を噴霧する殺菌剤供給部と前記加熱面が円筒状である殺菌剤気化部を備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  3. 請求項2に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記殺菌剤供給部が二流体スプレを備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記殺菌剤気化部の端部に加熱エアを導入する加熱エア供給装置を備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  5. 請求項2乃至請求項4に記載のいずれかの殺菌剤のガス化装置において、
    前記殺菌剤気化部の端部にフィルタを備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
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