JP2022030751A - 殺菌剤のガス化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無菌充填機において、包装材料の殺菌に使用される殺菌剤のガスを多量に生成でき、ガス化された殺菌剤を吹き付けるノズルの先端まで加熱することでノズル先端から吹き付ける殺菌剤のガスの液化を防止できる殺菌剤のガス化装置を提供する。【解決手段】殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置と、供給される殺菌剤と接触することで殺菌剤をガス化する気化管、気化管の先端にガス化される殺菌剤を吹き付けるノズル、及び気化管及びノズルを加熱気体により加熱する加熱装置を備える殺菌剤のガス化装置とする。【選択図】図1

Description

本発明は、無菌充填機において包装材料の殺菌に使用される、殺菌剤のガスを生成する殺菌剤のガス化装置に関する。
ポーションミルク、ブリック型液体紙容器入り飲料、パウチ入りスープ、カップ入り飲料、PETボトル入り飲料等、無菌充填機により様々な容器に、食品や飲料が充填されて流通している。無菌充填機とは、殺菌した容器に殺菌した内容物を無菌雰囲気で充填して密封する装置である。無菌充填機により生産された製品は、流通や保管を常温で行うことができるため、冷蔵、冷凍製品よりもエネルギー消費が少なく、味覚も良いことから増加傾向にある。
無菌充填機において、容器となる包装材料は前述の通り様々であり、包装材料によりその殺菌方法も異なる。紫外線や電子線を照射する方法もあるが、殺菌剤により、包装材料の表面を殺菌する方法が主流である。さらに殺菌剤を使用して包装材料を殺菌する場合、ポーションミルクやブリック型紙容器は殺菌剤に包装材料を浸漬して殺菌するが、殺菌剤を噴霧する方法もある。フラットで、比較的高温の乾燥温度に支障がない包装材料は、殺菌剤に浸漬して殺菌される。カップやボトルのような成形容器や高温乾燥で伸びてしまうフィルムのような包装材料は殺菌剤の噴霧により殺菌される。
噴霧する殺菌剤の液滴が大きいとカップやボトルの側面で垂れたりする。噴霧する殺菌剤の液滴は小さいほど包装材料の表面に均一に塗布され、殺菌効果も高い。そこで、殺菌剤の液滴を細粒化する方法が提案されている(特許文献1)。
包装材料の表面に付着する殺菌剤の液滴が小さく、包装材料の表面が殺菌剤の液滴により密に被覆されているほど、殺菌効果は高い。そのため、殺菌剤の液滴を噴霧するのではなく、殺菌剤をガス化させ、ガス化した殺菌剤を包装材料の表面に吹き付けて、殺菌剤を包装材料の表面で凝縮させる方法が提案されている(特許文献2)。ここで、殺菌剤のガス化は、殺菌剤を加熱された発熱体に滴下して行っている。
さらに、加熱された管内に殺菌剤を噴霧することにより、殺菌剤のガス化を多量に効率的に行う方法も提案されている(特許文献3)。また、加熱された管内に蓄熱体を設ける方法も提案されている(特許文献4)。
特開昭60-220067号公報 特開昭63-11163号公報 特開平3-224469号公報 特開平10-218134号公報
無菌充填機において包装材料を殺菌するため、ガス化された過酸化水素水が多用されている。過酸化水素水をガス化させる方法は、過酸化水素水を発熱体に接触させることによる。特許文献3に記載される過酸化水素水のガス化装置は、殺菌剤供給部に二流体スプレと類似のものが使用され、スプレから噴霧される殺菌剤を加熱された気化管の表面に接触させることでガス化している。気化管はその外面に設けられるヒータにより加熱されている。気化管はアルミニウム、ステンレスのような金属が使用され、ヒータによる加熱が迅速に伝わるよう考慮されている。
しかし、無菌充填機の高速化に伴い、殺菌剤の使用量が増加し、殺菌剤の噴霧量を増やすと気化管内面の熱量消費が増え、ヒータにより加えられる熱量が不足し、気化管表面の温度が低下することとなる。そこで、気化管の本数を増やしている。気化管を増やすことは初期投資の過大化を招いている。
気化管の先端は、ガス化した殺菌剤を包装材料に吹き付けるため、ノズル形状としている。気化管の先端をノズル形状とするために、気化管の先端の径を気化管本体の径よりも小さくしなければならない。しかし、径が小さいノズル部分をヒータにより加熱することは困難である。現在使用されている気化管のノズル部分はヒータで被覆されておらず、ノズル部分でガス化された殺菌剤が冷却され液化してしまい、ノズルから吹き付けられる殺菌剤は、ガスが液化した殺菌剤のミストが大部分を占めることとなっている。また、ノズル部分で殺菌剤のガスが冷却され、さらにノズルの先端から吹き出されて急冷されることで液化し、液化した殺菌剤がノズルの先端部に付着し、液滴となって落下することがあり、先端部までヒータで被覆することが困難であることによる不都合が生じている。。
気化管の先端であるノズル部分を加熱できないため、包装材料に吹き付けられる殺菌剤の液滴が大きくなり、包装材料の表面を覆う殺菌剤の面積が小さくなり、殺菌剤による殺菌効果を低減させている。本来はガス化された殺菌剤が包装材料に吹き付けられ、包装材料の表面で冷却され、小さな液滴が包装材料表面を覆い、包装材料表面の大部分を殺菌剤により覆うことにより殺菌効果を向上させることが期待される。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、多量の殺菌剤をガス化し、ガス化された殺菌剤を吹き付けるノズルの先端まで加熱し、ノズル先端から吹き付ける殺菌剤のガスの液化を防止できる殺菌剤のガス化装置を提供することを目的とする。
本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置と、供給される前記殺菌剤と接触することで前記殺菌剤をガス化する気化管、前記気化管の先端に設けられるガス化される殺菌剤を吹き付けるノズル、及び前記気化管及び前記ノズルを加熱気体により加熱する加熱装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記気化管及び前記ノズルの外面に対して一定間隔を保持して、前記気化管及び前記ノズルの外面を覆う前記気化管及び前記ノズルと略相似形状の管体を備えると好適である。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記加熱気体が加熱された空気、加熱された水蒸気、加熱された過熱水蒸気のいずれか又は2以上の組み合わせであるように構成されると好適である。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記殺菌剤と前記加熱気体が同時に吹き付けられるように構成されると好適である。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記殺菌剤供給装置が二流体スプレを備えると好適である。
本発明によれば、紙やプラスチック等を素材とするボトルやカップ等の包装材料に飲料や乳製品等を充填する無菌充填機において、包装材料の殺菌に使用される殺菌剤のガスを多量に生成でき、ガス化された殺菌剤を吹き付けるノズルの先端まで加熱することで、ノズル先端から吹き付ける殺菌剤のガスの液化を防止できる殺菌剤のガス化装置を提供することを目的とする。
本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施の形態1を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施の形態2を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施の形態3を示す側面図である。 従来技術に係る殺菌剤のガス化装置を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成する殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける工程を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成するガスをボトルに吹き付ける工程を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成するガスを紙容器に吹き付ける工程を示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施の形態1を示す。殺菌剤供給装置1に備える噴霧装置2は二流体スプレである。図示しない殺菌剤のタンクから殺菌剤を殺菌剤供給口3に供給し、圧縮エアを圧縮エア供給口4に供給し、エクステンションパイプ5を経て、噴霧ノズル6から殺菌剤が気化部7内に噴霧される。エクステンションパイプ5は、気化部7の熱が、気化部7の上部を閉塞している気化部7の上面を経て、噴霧装置2に伝導し、噴霧装置2の本体の温度が上昇しないように設けられている。図において殺菌剤の流れは破線矢印で示す。
気化部7は内面に気化管8及びノズル9を備え、その外側に気化管8及びノズル9と一定の間隔を保持して、気化管8及びノズル9の外面を覆う気化管8及びノズル9と略相似形状の管体11を備え、気化管8及びノズル9と管体11の間に加熱装置10で加熱された加熱気体が流される。
気化管8及びノズル9と管体11の間に加熱装置10で加熱された加熱気体が流されることにより、気化管8及びノズル9は加熱される。図において加熱気体の流れは実線矢印により示す。殺菌剤供給装置1により殺菌剤が供給され、供給される殺菌剤は噴霧装置2により加熱された気化管8の内部に噴霧される。加熱された気化管8の内部に噴霧される殺菌剤は気化管8の内面に接触することで加熱され瞬時にガス化する。
管体11の外面には、断熱のため断熱材が被覆される。
管体11の外面にヒータを設け、管体11の外面を加熱しても構わない。管体11の外面を加熱することで、管体11に流される加熱気体の降温を防止し、殺菌剤のガス化を効率的に行うことができる。管体11を加熱する温度は管体11に流される加熱気体の温度よりも高くすることが好ましい。管体11を加熱する部分は気化管8を覆う管体11の部分だけでも構わない。
殺菌剤供給装置1に備えられる噴霧装置2には殺菌剤供給口3から殺菌剤が供給され、圧縮エア供給口4から圧縮エアが供給される。噴霧装置2は二流体スプレであり、噴霧ノズル6から殺菌剤はミストとなって気化管8の内面に噴霧される。噴霧された殺菌剤は加熱された気化管8の内面に接触してガス化する。生成した殺菌剤のガスは圧縮エアの圧力によりノズル9から排出される。
殺菌剤は少なくとも過酸化水素を含んでいる。その含有量は0.5質量%~65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を越えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%~40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、低濃度となるために殺菌後の包装材料への過酸化水素の残留量を低減できる。
また、殺菌剤は過酸化水素の分解を防止するために安定剤を含んでいる。殺菌剤の安定剤は、食品向けの包装材料を殺菌するために厚生労働大臣により食品用の指定添加物として使用されているピロリン酸ナトリウムやオルトリン酸を使用することが好ましい。しかし、ピロリン酸水素ナトリウム等のリン含有無機化合物、アミノトリメチルホスホン酸、アルキリデンジホスホン酸塩等のホスホン酸キレート剤等を使用しても構わない。安定剤の含有量は通常40ppm以下である。
また、殺菌剤は水を含んでなるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル等の1種又は2種以上を含んでもかまわない。
さらに、殺菌剤は過酢酸、酢酸、塩素化合物、オゾン等殺菌効果を有する化合物、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤等の添加剤を含んでも構わない。
気化管8は噴霧ノズル6から噴霧される殺菌剤が円形に噴霧されることから、円筒状が好ましい。しかし、多角筒状でも構わない。円筒の径は、殺菌剤の噴霧に使用される圧縮エアにより気化部7の内圧が高くならないように、十分な大きさが必要である。しかし、噴霧された殺菌剤のミストが、気化管8の内面に接触できるような径でなければならない。さらに、円筒の長さもこの条件を満たすように設計される。
噴霧装置2の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa~0.6MPaの範囲で調整される。また、殺菌剤は重力落下であってもポンプを備えて圧力を加えても構わないし、殺菌剤の供給量は自由に設定することができ、例えば1g/min.~100g/min.の範囲で供給する。
気化管8の内面に接触することでガス化された殺菌剤は、圧縮エアの圧力によりノズル9より排出される。ノズル9を包装材料である被殺菌物に対向させて、排出される殺菌剤のガスを被殺菌物に直接吹き付けることもできるが、ノズル9の端部に加熱エアを導入する加熱エア供給装置を備え、ノズル9から排出される殺菌剤のガスと、加熱エア供給装置より供給される加熱エアとを、導管において混合して吹き付けても構わない。
殺菌剤のガスの吹き出し口となるノズル9の口径は任意に設定することができ、2mmφ~200mmφとすることができる。口径を小さくすることで、生成される殺菌剤のガスの吹き付け圧力を高めることができる。吹き付け圧力を調整することにより殺菌剤のガス若しくは凝結により生成するミスト又はこれらの混合物の被殺菌物表面への吹き付け圧力を調整できる。例えば被殺菌物が深いカップの場合は吹き付け圧力を高くし、浅い容器の場合は吹き付け圧力を低くするようにできる。
気化管8及びノズル9は、鉄、ステンレス、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、タングステン等の金属が使用される。気化管8及びノズル9の内表面に、気化管8に使用される金属とは異なるクロミウム、ニッケル等の金属をメッキしても構わない。また、気化管8及びノズル9の内面にポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂をコーティングするか、又はポリテトラフルオロエチレン若しくはペルフルオロアルコキシフッ素樹脂含侵クロムをメッキしても構わない。
気化管8及びノズル9と管体11の間に加熱装置10で加熱された加熱気体が流されることにより、気化管8及びノズル9は加熱される。気化管8及びノズル9の外面と管体11の内面は一定間隔を保持している。一定間隔とは加熱気体を流すことができる距離であり、5mm~200mmが適当である。5mm未満では加熱気体による気化管8に加えられる熱量が不十分である。また、200mmを超えると加熱気体の流量が過大となりエネルギーが無駄となる。この間隔は気化管8の大きさにより変動する。気化管8が円筒の場合、気化管8の内径の1/20~1/5が適当である。1/20未満では気化管8に加えられる熱量が不十分である。1/5を超えると加熱気体の流量が過大となりエネルギーが無駄となる。
気化管8及びノズル9と管体11は一定間隔を保持しているが、気化管8とノズル9の外面の全領域について同じ間隔でなくても構わない。例えば、気化管8の外面を覆う管体11と気化管8の間隔よりもノズル9を覆う管体11とノズル9の間隔を小さくしても構わない。さらに、ノズル9の先端方向に間隔を徐々に小さくしても構わない。このようにすることで、加熱気体の流速を調整することができる。管体11の先端の間隔を小さくすることにより、気化管8の外面の加熱気体の圧力を高め、気化管8の加熱効率を高めることができる。さらに、殺菌剤のガスの排出流速と加熱気体の流出速度を調整することもできる。
従来技術による殺菌剤のガス化装置を図4に示す。殺菌剤供給装置1、噴霧装置2、エクステンションパイプ5、噴霧ノズル6及び気化管8という構成は、図1に示す本発明に係る実施の形態1と同様である。気化管8を加熱するのは、気化管8の外面を覆うヒータ12である。通常、複数枚のバンドヒータを気化管8の円筒状外面に巻くように設ける。バンドヒータは複数枚使用しなければ、気化管8の全外面をヒータにより被覆することができない。複数枚のバンドヒータを使用することによる、個別のバンドヒータの不均一な加熱により、殺菌剤のガス化効率が低い部位が発生することがあるという問題がある。
また、ノズル9の外面をヒータにより被覆することができないため、気化管8の内部でガス化した殺菌剤がノズル9で冷却され、液化してしまうことがある。液化した殺菌剤は殺菌に寄与することがなく、殺菌力の低下を招くという問題がある。
図1に示すように、本発明に係る実施の形態1では、気化管8の外面を加熱気体により加熱するため、均一に加熱することができる、また、ノズル9の外面も加熱気体により加熱するため、ノズル9の先端まで殺菌剤をガス化させた状態に維持して排出することができる。
加熱装置10により得られる加熱気体とは、加熱された空気、加熱された水蒸気、加熱された過熱水蒸気のいずれか又は2以上の組み合わせである。加熱気体は、これら以外に窒素、アルゴン、炭酸ガス等を加熱したものであっても構わない。加熱気体は管体11の上部から気化管8及びノズル9と管体11の間に流される。流される加熱気体は管体11と気化管8及びノズル9の間に均一に流れるようにしなければならない。
管体11の上部から加熱気体を供給するとき、エクステンションパイプ5の周辺に円形の供給口を設けて、この供給口からエクステンションパイプ5に全周に渡って同時に加熱気体を供給することが好ましい。供給される加熱気体は、エクステンションパイプ5の周辺から管体11の上部、管体11の側面部からノズル9の外面に流れ、ノズル9と管体11の間から排出される。ノズル9からはガス化された殺菌剤が排出され、その周辺を囲むように加熱気体が、ガス化された殺菌剤と同時に流出される。
加熱気体がガス化された殺菌剤の周辺を囲むように、ガス化された殺菌剤と加熱気体が同時に被殺菌物に吹き付けられる。ガス化された殺菌剤と加熱気体が同時に被殺菌物に吹き付けられることで、ノズル9から排出された後のガス化された殺菌剤の降温による殺菌剤のガスの液化を防止することができる。その結果、吹き付けられた殺菌剤のガスは被殺菌物の表面に到達するときに液化するため、被殺菌物表面での殺菌剤の液滴が小さく、殺菌効果が向上する。加熱気体は殺菌剤をガス化し、排出される殺菌剤のガスの降温を防止し殺菌効果を向上させるという二つの役割を有する。
加熱された空気は、コンプレッサーによる圧縮空気又はブロワにより送出される空気を、ヒータ又はバーナーのような加熱機器により加熱することにより得られる。得られる加熱された空気の温度は140℃~500℃が適当である。140℃未満では殺菌剤をガス化する能力が不足し、500℃を超える温度では装置の耐熱性を上げなければならない。加熱される前の空気は除菌フィルタを通した無菌化空気であることが好ましい。加熱されることで加熱された空気中の菌等は殺菌されるが、殺菌されない菌が残存するおそれがあるためである。空気を供給する装置、除菌フィルタ及び空気を加熱する加熱機器が加熱装置10として備えられる。
加熱された水蒸気とは、電気又は燃料により水を加熱する加熱水蒸気供給装置により生成される。使用される水は逆浸透膜を通して精製することもある。水を水蒸気とする缶体には清缶剤や復水処理剤等が使用されるが、食品添加グレードを使用する。また、缶体や搬送配管はステンレス製であることが好ましい。加熱された水蒸気中の異物、イオン、薬剤等を除去するためにフィルタ、活性炭や限外濾過膜を通すこともある。さらに、加熱水蒸気供給装置は、加熱水蒸気を熱源として逆浸透膜を通した水と熱交換して加熱水蒸気を発生させるリボイラーであることが好ましい。加熱された水蒸気の温度は140℃~170℃が適当である。140℃未満では殺菌剤をガス化する能力が不足し、170℃を超える場合、飽和水蒸気とはならない。加熱された空気に比べ、同一温度では水が含まれることにより、熱量は大きい。水を供給する装置及び加熱水蒸気供給装置が加熱装置10として備えられる。
加熱された過熱水蒸気とは、水を加熱し水蒸気とし、水蒸気をさらに加熱したものである。過熱水蒸気は過熱蒸気発生装置に供給される水から生成される、200℃~500℃の大気圧よりも高い、0.1MPa~0.3MPaの圧力の蒸気である。過熱蒸気発生装置は通水パイプをヒータや誘導コイルにより加熱し、過熱水蒸気を発生させる。過熱水蒸気は200℃未満に調整するのは困難であり、500℃を超える温度では装置の耐熱性を上げなければならない。加熱された空気と比べ、水を含むため熱量は大きい。また、加熱された水蒸気と比べ、同一量の水を含む場合、温度が高いため熱量は大きい。水を供給する装置及び過熱蒸気発生装置が加熱装置10として備えられる。
(実施の形態2)
本願発明に係る実施の形態2の殺菌剤のガス化装置を図2に示す。殺菌剤供給装置1、噴霧装置2、エクステンションパイプ5、噴霧ノズル6及び気化管8は実施の形態1と同様である。実施の形態1ではノズル9の先端及びノズル9を覆う管体11の先端が鉛直方向を向いているが、実施の形態2ではノズル9の先端が鉛直方向に対して一定の鋭角を有している。
実施の形態1では、殺菌剤のガス及び加熱気体は鉛直方向に排出される。しかし、実施の形態2では、殺菌剤のガスは鉛直方向に排出されるが、加熱気体は鉛直方向に対して一定の鋭角方向に流出される。加熱気体が鉛直方向に対して一定の鋭角方向に流出されることで、ノズル9から排出される殺菌剤のガスと加熱気体は排出直後に混合されて被殺菌物に吹き付けられる。
排出直後に殺菌剤のガスと加熱気体が混合されることにより、ガス化された殺菌剤の温度が上昇し、殺菌剤のガスが被殺菌物の表面に到達し液化するまでガス状態を維持することができる。その結果、被殺菌物表面で液化する殺菌剤の液滴が小さく、殺菌効果が向上する。
(実施の形態3)
本願発明に係る実施の形態3の殺菌剤のガス化装置を図3に示す。殺菌剤供給装置1、噴霧装置2、エクステンションパイプ5、噴霧ノズル6、気化管8及びノズル9は実施の形態1と同様である。実施の形態1及び実施の形態2では、ノズル9を覆う管体11の先端が開放されているが、実施の形態3では閉塞されている。この場合、加熱された気体は殺菌剤のガスの排出方向に流出されるのではなく、別な方向に流出される。流出される加熱気体は加熱装置10に戻し、再利用しても構わない。
実施の形態3では、加熱された気体は殺菌剤をガス化するためにだけ利用される。気化管8及びノズル9を加熱する加熱気体は、気化管8及びノズル9と管体11の間に流され、気化管8及びノズル9を加熱した後、殺菌剤のガスを排出するノズル9の排出方向とは交わらない方向に流出される。
実施の形態1の殺菌剤のガス化装置を使用し、プリフォーム13、ボトル14及び紙容器15に殺菌剤のガスを吹き付ける例を示す。ノズル9から排出される殺菌剤のガスは、図5に示すように、プリフォーム13に吹き付けられる。プリフォーム13の内外面に殺菌剤のガスが接触又は付着することにより、プリフォーム13の表面に付着した菌等が殺菌される。
また、ノズル9から排出される殺菌剤のガスは、図6に示すように、ボトル14に吹き付けられる。ボトル14の内外面に殺菌剤のガスが接触又は付着することにより、ボトル14の表面に付着した菌等が殺菌される。
さらに、ノズル9から排出される殺菌剤のガスは、図7に示すように、底部を閉塞されたゲーベルトップ形状の紙容器15に吹き付けられる。紙容器15の内外面に殺菌剤のガスが接触又は付着することにより、紙容器15の表面に付着した菌等が殺菌される。紙容器15のように開口部が広い場合は、ノズル9を囲繞する傘状部材16を設け、紙容器15の内部から溢れ出る殺菌剤のガスを傘状部材16に衝突させて紙容器15の外部に流すことで、紙容器15の外面を効率的に殺菌することができる。傘状部材16はプリフォーム13やボトル14の場合も設けることができる。
ノズル9とノズル9を覆う管体11の先端が被殺菌物の開口部よりも小さい場合、殺菌剤のガスと加熱気体は被殺菌物の内部で混合され、殺菌剤のガスが昇温することにより殺菌効果が向上する。また、傘状部材16が設けられる場合、殺菌剤のガスと加熱気体が混合されて被殺菌物の外面にも流れるため、被殺菌物の外面の殺菌効果も向上する。
被殺菌物の例としてプリフォーム13、ボトル14及び紙容器15を挙げたが、その他にフィルム、シート、トレー、カップ等どのような形状でも構わない。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…殺菌剤供給装置
2…噴霧装置
6…噴霧ノズル
8…気化管
9…ノズル
10…加熱装置
11…管体

Claims (5)

  1. 殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置と、
    供給される前記殺菌剤と接触することで前記殺菌剤をガス化する気化管、
    前記気化管の先端に設けられるガス化される殺菌剤を吹き付けるノズル、及び
    前記気化管及び前記ノズルを加熱気体により加熱する加熱装置を備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  2. 請求項1に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記気化管及び前記ノズルの外面に対して一定間隔を保持して、前記気化管及び前記ノズルの外面を覆う前記気化管及び前記ノズルと略相似形状の管体を備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記加熱気体が加熱された空気、加熱された水蒸気、加熱された過熱水蒸気のいずれか又は2以上の組み合わせであるように構成されることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記殺菌剤と前記加熱気体が同時に吹き付けられるように構成されることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記殺菌剤供給装置が二流体スプレを備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
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