JP7017065B2 - 殺菌剤のガス化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無菌充填包装機において包装材料の殺菌に使用される、殺菌剤のガスを生成する殺菌剤のガス化装置に関する。
ポーションミルク、ブリック型液体紙容器入り飲料、パウチ入りスープ、カップ入り飲料、PETボトル入り飲料等、無菌充填包装機により様々な容器に、食品や飲料が充填された無菌製品が流通している。無菌充填包装機とは、無菌雰囲気で、殺菌した容器に殺菌した内容物を充填して密封する装置である。無菌充填包装機により生産された製品は、流通や保管において冷蔵する必要がないためエネルギー消費が少なく、味覚も良いために増加する傾向にある。
無菌充填包装機において、容器となる包装材料は前述の通り様々であり、包装材料により殺菌方法も異なる。紫外線や電子線を照射する方法もあるが、殺菌剤を使用して包装材料の表面を殺菌する方法が主流である。例えば、殺菌剤を使用して包装材料を殺菌する場合、ポーションミルクやブリック型紙容器は殺菌剤に浸漬して殺菌するが、殺菌剤を噴霧して包装材料を殺菌する方法もある。フラットで、浸漬後の比較的高温の乾燥温度に支障ない包装材料は、浸漬して殺菌される。しかし、カップやボトル等の成形容器や高温乾燥で伸びてしまうフィルムのような包装材料は、殺菌剤の噴霧により殺菌される。
噴霧する殺菌剤の液滴が大きいとカップやボトルの側面で垂れたりする。噴霧する殺菌剤の液滴は小さいほど包装材料の表面に均一に塗布され、殺菌効果も高い。そこで。殺菌剤の液滴を細粒化する方法が提案されている(特許文献1)。
包装材料の表面に付着する殺菌剤の液滴が小さく、包装材料の表面が殺菌剤の液滴により密に被覆されているほど、殺菌効果は高い。そのため、殺菌剤の液滴を噴霧するのではなく、殺菌剤をガス化させて得られた殺菌剤のガスを包装材料の表面に吹き付けて、ガス化した殺菌剤を包装材料の表面で凝縮させる方法が提案されている(特許文献2)。殺菌剤のガス化は、殺菌剤を加熱された発熱体に滴下することにより行われている。
また、加熱された管内に殺菌剤を噴霧することにより、殺菌剤のガス化を多量に効率的に行う方法も提案されている(特許文献3)。さらに、加熱された管内に蓄熱体を設け、ガス化効率を上げる方法も提案されている(特許文献4)。
特開昭60-220067号公報 特開昭63-11163号公報 特開平3-224469号公報 特開平10-218134号公報
無菌充填包装機において、包装材料を殺菌するために、ガス化された殺菌剤が多用されている。特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載されているように、殺菌剤をガス化させる方法は、発熱体に殺菌剤を接触させることによる。この発熱体は金属等であり、特にステンレスが使用されている。
包装材料の殺菌効果は、包装材料の表面に吹き付けられる殺菌剤のガスの量が多く、さらに、殺菌剤のガスに含まれる殺菌成分の濃度が高いほど大きいと言える。殺菌剤をガス化させる際に、接触させる発熱体が高温であればガス化量を増やすことができる。しかし、極端に高温とすると殺菌成分が分解してしまい、ガス化した殺菌剤中の殺菌成分が減少してしまう。発熱体を高温にしてガス化効率を上げても、殺菌剤のガスに含まれる殺菌成分が分解せずに、ガス中に高濃度に含まれることが望まれる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、包装材料を殺菌するための殺菌剤のガスを効率良く、殺菌成分の分解が少なく、殺菌成分を高濃度に含有する殺菌剤のガスを生成する殺菌剤のガス化装置を提供することを目的とする。
本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、少なくとも過酸化水素を含む殺菌剤を加熱面に接触させて、殺菌剤をガス化させる装置であって、前記加熱面がクロムからなり、前記クロムの表面の算術平均粗さ(Ra)が1.0μm以下、十点平均粗さ(Rz)が2.0μm以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記加熱面に殺菌剤を噴霧する殺菌剤供給部と前記加熱面が円筒状である殺菌剤気化部を備えると好適である。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記殺菌剤供給部が二流体スプレを備えると好適である。
また、本発明に係る殺菌剤のガス化装置は、前記殺菌剤気化部の端部に加熱エアを導入する加熱エア供給装置を備えると好適である。
本発明によれば、紙やプラスチック等を素材とするボトルやカップ等の包装材料への飲料や乳製品等を充填する無菌充填包装機において包装材料の殺菌に使用される、過酸化水素の濃度が高い殺菌剤のガスを効率的に生成することができる。さらに、その結果として、本発明の殺菌剤のガス化装置を搭載することで、無菌充填包装機の殺菌能力を向上させることができる。
本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施形態1を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施形態2を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施形態3を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置の実施形態4を示す側面図である。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置に組み込む加熱エア供給装置を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成する殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける工程を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成するガスをボトルに吹き付ける工程を示す。 本発明に係る殺菌剤のガス化装置により生成するガスを紙容器に吹き付ける工程を示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1に本発明に係る殺菌剤のガス化装置1の実施の形態1を示す。殺菌剤のガス化装置1は殺菌剤供給部2、殺菌剤気化部3及び加熱エア供給装置12を備える。殺菌剤供給部2は殺菌剤4を貯留するタンク5、殺菌剤4を殺菌剤気化部3に滴下する滴下装置7及び当該滴下装置7に殺菌剤4を供給するポンプ6を備える。さらに、殺菌剤気化部3はその内部に滴下された殺菌剤4をガス化させる加熱体8を備える。また、加熱エア供給装置12はエアを送るブロワ10及びブロワ10によるエアを加熱する加熱装置11を備える。
殺菌剤4が滴下され、接触してガス化する加熱体8の加熱面9はクロムである。加熱体8そのものの材質をクロムとしても構わないが、鉄、ステンレス、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、タングステン等を加熱体8として、加熱体8の表面にクロムをメッキしても構わない。クロムの最表面は酸素と反応して不動態である酸化クロムとなっており、極めて安定で、殺菌剤4に含まれる過酸化水素が高温となって接触しても長期間腐食することはない。
加熱体8の表面にクロムをメッキする場合、メッキの厚さは0.1μm~100μmが適当である。またメッキする前に被メッキ材に銅やニッケルのメッキを施しても構わない。また、メッキしたクロムの表面を研磨して平滑性を高めても構わない。
加熱体8の表面である加熱面9をクロムとすることで、殺菌剤4に含まれる過酸化水素がガス化する際に、過酸化水素の分解が抑制されると推定され、本発明に係る殺菌剤のガス化装置1により生成する、殺菌剤4のガスに含まれる過酸化水素の量が、従来のように加熱面9がステンレス等の場合に比べ多くなる。
加熱面9の表面は、算術平均粗さ(Ra)が1.0μm以下、十点平均粗さ(Rz)が2.0μm以下であることが好ましい。Raが1.0μmを超えるか又はRzが2.0μmを超えると、殺菌剤のガス中の過酸化水素濃度が低下する。これは、殺菌剤が加熱面9に接触してガス化する際に表面積が大きいと、殺菌剤が過度に加熱されることにより過酸化水素が分解し易いためと推定される。
殺菌剤4は少なくとも過酸化水素を含んでいる。その含有量は0.5質量%~65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%~40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、過酸化水素が低濃度となることにより、殺菌後の包装材料に残留する過酸化水素の量を低減できる。
また、殺菌剤4は水を含んでなるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル等の1種又は2種以上を含んでも構わない。
さらに、殺菌剤4は過酢酸、酢酸等の有機酸、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物、オゾン等殺菌効果を有する化合物、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
タンク5に貯留された殺菌剤4はポンプ6により滴下装置7に供給されるが、供給量は任意であり、必要とされる殺菌剤のガスの量に合わせて供給される。1台で供給すべき殺菌剤のガスの量が不足する場合は、複数台を使用する。滴下装置7による滴下量も必要な殺菌剤のガスの量に合わせるが、加熱面9で生成するガスの量は、加熱体8の温度と熱容量により決定される。
殺菌剤4をガス化する加熱体8の加熱面9の温度は130℃から450℃に設定される。130℃未満では過酸化水素のガス化が困難であり、450℃を超えると過酸化水素の分解が生じる。また、加熱体8の加熱面9は、平面であって、水平でも傾斜を設けても構わないし、平面ではなく凹面や凸面のような曲面であっても構わない。殺菌剤4が加熱体8の加熱面9に接触してガス化することができるならば、どのような形状でも構わない。加熱体8の大きさや厚さも任意である。体積が大きくなれば熱容量が大きくなり、殺菌剤4のガス化には有利であるが、殺菌剤のガス化装置1が過大となる。
加熱体8を加熱する方法は、加熱体8に電流を通じて加熱体8そのものを発熱させる、ヒータを埋め込んだり接触させることで加熱する、又は誘電加熱装置により加熱する等、加熱面9を所望の温度に加熱することができれば、どのような方法でも構わない。
殺菌剤気化部3で生成された殺菌剤4のガスは加熱エア供給装置12により送られる加熱エアにより排出され、ボトル等の包装材料の殺菌に使用される。加熱エアの供給量は任意であり、供給量が多量となると殺菌剤4のガスに含まれる過酸化水素の濃度が低くなり、殺菌力が劣る場合がある。また、加熱エアの温度は130℃から300℃に設定される。130℃未満ではガス化した殺菌剤4が、殺菌に使用される以前に液化して被殺菌物の表面を被覆する面積が小さくなり、殺菌効果が低下するおそれがある。被殺菌物に殺菌剤4のガスが接触して、微細なミストを形成することが望ましく、加熱エアの温度はこれに適した設定とする。また、加熱エアの温度を上げると、被殺菌物によっては変形することもあるため、被殺菌物により加熱エアの温度は適当に変える。加熱エアにより殺菌剤4のガスは吹き出し口13から排出される。排出された殺菌剤のガスがボトル等の包装材料に吹き付けられることにより、包装材料が殺菌される。
(実施の形態2)
図2に本発明に係る殺菌剤のガス化装置1の実施の形態2を示す。殺菌剤のガス化装置1は殺菌剤供給部2及び殺菌剤気化部3を備える。殺菌剤供給部2は噴霧装置14を備え、噴霧装置14により殺菌剤気化部3に殺菌剤4が供給される。また、殺菌剤気化部3はその内面が加熱体8となっている。
噴霧装置14には殺菌剤供給口15から殺菌剤4が供給され、圧縮エア供給口16から圧縮エアが供給される。噴霧装置14は二流体スプレであり、噴霧ノズル17から殺菌剤4はミストとなって殺菌剤気化部3の内面に噴霧される。噴霧された殺菌剤4は加熱体8の加熱面9に接触してガス化する。生成した殺菌剤4のガスは圧縮エアの圧力により、吹き出し口13から排出される。
殺菌剤4のガスの吹き出し口13の口径は任意に設定することができ、例えば2mmφ~200mmφとすることができる。口径を小さくすることで、生成された殺菌剤4のガスの吹き出し圧力を高めることができる。吹き出し圧力を調整することにより、殺菌剤のガス若しくは凝結により生成するミスト又はこれらの混合物の被殺菌物表面への吹き付け強さを調整できる。例えば、被殺菌物が深いカップの場合は強く吹き付け、浅い容器の場合は弱く吹き付けるようにできる。また、吹き出し口13が長い場合、殺菌剤4のガスが冷却されて凝結する可能性があるため、吹き出し口13の周囲を加熱しても構わない。
殺菌剤4及び加熱体8及び加熱面9の成分や材質等は実施の形態1と同様である。実施の形態1と異なる点は、殺菌剤気化部3への殺菌剤4の供給がミスト噴霧によること、加熱体8が殺菌剤気化部3の内面を構成すること、及び加熱エア供給装置12を備えていないことである。
殺菌剤気化部3の内面は加熱体8であるが、その外面は加熱体8を加熱するヒータ18が設けられ、さらにその外面には断熱性付与とヒータ18を保護するために外装19が設けられる。図2はヒータ18により加熱体8を加熱することを示しているが、加熱方法は実施の形態1と同様に、どのような加熱方法であっても構わない。
噴霧装置14の運転条件として、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa~0.6MPaの範囲で調整される。また、殺菌剤4は重力落下であっても、ポンプ6を備えて圧力を加えても構わないし、殺菌剤4の供給量は自由に設定することができ、例えば1g/min.~100g/min.の範囲で噴霧装置14の殺菌剤供給口15に供給する。
(実施の形態3)
図3は本発明に係る殺菌剤のガス化装置1の実施の形態3を示す。実施の形態2と異なる点は、殺菌剤気化部3の内面に設けた加熱体8とは別に、殺菌剤気化部3の内部に棒状加熱体20を設けたことである。棒状加熱体20を設けることにより、殺菌剤のガス化装置1のガス化能力は高まり、殺菌剤4のガス化量を増やすことができる。
棒状加熱体20の加熱面20aはクロムであり、棒状加熱体20の材質がクロムであっても、他の材質にクロムをメッキしても構わない。この点は実施の形態1の加熱体8と同様である。また、棒状加熱体20の加熱には、棒状加熱体20の内部にヒータを埋め込んでも、加熱媒体を還流させても構わない。また、加熱体8と同様に130℃から450℃に加熱される。さらに、棒状加熱体20の形状は棒状、面状、コイル状等、どのような形状であっても構わない。
(実施の形態4)
図4は本発明に係る殺菌剤のガス化装置1の実施の形態4を示す。実施の形態4は実施の形態1乃至3のいずれよりも、殺菌剤のガス化を効率良く行うことができる形態である。殺菌剤供給部2に備える噴霧装置14は実施の形態2又は3と同様の二流体スプレである。図示しない殺菌剤4のタンクから殺菌剤4を殺菌剤供給口15に供給し、圧縮エアを圧縮エア供給口16に供給し、エクステンションパイプ22を経て、噴霧ノズル17から殺菌剤4が殺菌剤気化部3の内面に噴霧される。殺菌剤4は実施の形態1と同様のものが使用される。また。噴霧装置14の運転条件は実施の形態2と同様である。エクステンションパイプ22は、殺菌剤気化部3の熱が殺菌剤気化部3の上部を閉塞しているプラグ21を経て伝わることで、噴霧装置14の温度が上昇しないようにするために設けられている。
殺菌剤気化部3は内面に加熱体8を備え、その外側に加熱体8を加熱するヒータ18を備え、さらにその外側に断熱のため、及びヒータ18を保護するために外装19が設けられる。図4はヒータ18により加熱体8を加熱することを示しているが、加熱方法は実施の形態1と同様に、どのような加熱方法であっても構わない。加熱体8は130℃から450℃の温度に加熱され、噴霧ノズル17から噴霧される殺菌剤4が加熱面9に接触することで、殺菌剤4はガス化される。噴霧装置14の運転条件は実施の形態2と同様である。
加熱体8の加熱面9はクロムである。加熱体8そのものの材質をクロムとしても構わないが、加熱体8の材質として、鉄、ステンレス、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、タングステン等を使用し、加熱体8の表面にクロムをメッキしても構わない。メッキの方法は実施の形態1と同様である。加熱体8をメッキすることで、加熱面9はクロムとなる。
加熱体8は、噴霧ノズル17から噴霧される殺菌剤4が円形に噴霧されることから、円筒状が望ましい。しかし、多角筒状でも構わない。円筒の径は、殺菌剤4の噴霧に使用される圧縮エアにより殺菌剤気化部3の内圧が高くならないように、十分な大きさが必要である。しかし噴霧された殺菌剤4のミストが、加熱面9に接触できるような径でなければならない。さらに、円筒の長さもこの条件を満たすように設計される。
加熱体8の加熱面9に接触することでガス化された殺菌剤4は、圧縮エアの圧力により吹き出し口13より排出される。吹き出し口13を被殺菌物に対向させて、排出される殺菌剤4のガスを被殺菌物である包装材料に直接吹き付けることもできる。また、図5に示すように、殺菌剤気化部3の端部に加熱エアを導入する加熱エア供給装置12を備え、吹き出し口13から排出される殺菌剤4のガスと、加熱エア供給装置12より供給される加熱エアとを導管23において混合し、包装材料に吹き付けても構わない。
殺菌剤のガス化装置1は1台だけでなく複数台を導管23に結合させても構わない。加熱装置11によりエアは130℃から300℃に加熱される。加熱エアの温度は実施の形態1と同様に被殺菌物により制約を受ける。
図5に示す殺菌剤ガス吹き出し口24から吹き出される殺菌剤4のガスは、図6に示すように、プリフォーム25に吹き付けられる。プリフォーム25の内外面に殺菌剤4のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が接触又は付着することにより、プリフォーム25の表面に付着した菌等が殺菌される。
また、殺菌剤ガス吹き出し口24から吹き出される殺菌剤4のガスは、図7に示すように、ボトル26に吹き付けられる。ボトル26の内外面に殺菌剤4のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が接触又は付着することにより、ボトル26の表面に付着した菌等が殺菌される。
さらに、殺菌剤ガス吹き出し口24から吹き出される殺菌剤4のガスは、図8に示すように、底部を閉塞されたゲーベルトップ形状の紙容器27に吹き付けられる。紙容器27の内外面に殺菌剤4のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が接触又は付着することにより、紙容器27の表面に付着した菌等が殺菌される。紙容器27のように開口部が広い場合は、殺菌剤ガス吹き出し口24を囲繞する傘状部材28を設け、紙容器内部から溢れ出る殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を傘状部材28に衝突させて紙容器27の端部及び外部に流すことで、紙容器27の端面及び外面を効率的に殺菌することができる。傘状部材28はプリフォーム25やボトル26の場合も設けることができる。また、被殺菌物は他にフィルム、シート、トレー、カップ等どのような形状の包装材料でも構わない。
以下、本発明を実施例により説明する。
(操作方法)
実施の形態4に示す殺菌剤のガス化装置1を用いた。二流体スプレである噴霧装置14の殺菌剤供給口15に、殺菌剤4として35質量%の過酸化水素を含有する過酸化水素水を、2.5g/min.供給した。また、圧縮エア供給口16には0.15MPaの圧縮エアを供給した。加熱体8の加熱面9をSUS316にクロムメッキした面として、加熱体8の温度を250℃とした。ここで、クロムメッキの厚さは3μm~5μmであった。また、Raは0.413μm、Rzは1.631μmであった。この場合を実施例とし、加熱面9をSUS316とした場合を比較例1、SUS316Lとした場合を比較例2、真鍮とした場合を比較例3とした。ここで、SUS316の表面は、Raが0.522μm、Rzが2.013μm、SUS316Lの表面は、Raが0.446μm、Rzが1.544μm、真鍮の表面は、Raが1.015μm、Rzが7.593μmであった。
(測定方法)
吹き出し口13における過酸化水素濃度をATI社製ポータブルガス検知器により測定した。また、吹き出し口13において、吹き出されたガスを冷却して過酸化水素水として回収した。このとき、全量回収されず、一部揮散したが、回収した過酸化水素水の過酸化水素濃度を測定した。
(殺菌効果測定)
500ml容量のPETボトルに成形される20gの重量のプリフォーム25の内面の中間部に104個、105個、106個のB.atrophaeus ATCC9372芽胞を付着させた後に、自然乾燥させた。この菌付プリフォーム25の内面に、吹き出し口13から過酸化水素水のガスを吹き付けた。その後、100℃の無菌加熱エアを当該プリフォーム25の内面に吹き付けた。その後、プリフォーム25の菌を付着させた内面部分を拭き取り、寒天培地に移植し、37℃で1週間培養し、生残存菌数を測定した。結果は、殺菌効果(LRV)=log(付着菌数)/(生残存菌数)で表した。
(実施例及び比較例の結果)
表1に、実施例及び比較例の、生成ガスの過酸化水素濃度、回収過酸化水素水の過酸化水素濃度及び殺菌効果を示す。
Figure 0007017065000001
上記の実施例によれば、殺菌剤のガス化装置1において、加熱面9の材質をクロムとすることで、これまで使用されていたステンレスであるSUS316やSUS316L又は真鍮よりも、過酸化水素水をガス化する際のガス中の過酸化水素の濃度を高めることができ、殺菌効果も高いという結果が得られた。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…殺菌剤のガス化装置
2…殺菌剤供給部
3…殺菌剤気化部
8…加熱体
9…加熱面
12…加熱エア供給装置
14…噴霧装置

Claims (4)

  1. 少なくとも過酸化水素を含む殺菌剤を加熱面に接触させて、殺菌剤をガス化させる装置であって、
    前記加熱面がクロムからなり、前記クロムの表面の算術平均粗さ(Ra)が1.0μm以下、十点平均粗さ(Rz)が2.0μm以下であることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  2. 請求項1に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記加熱面に殺菌剤を噴霧する殺菌剤供給部と前記加熱面が円筒状である殺菌剤気化部を備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  3. 請求項に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記殺菌剤供給部が二流体スプレを備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
  4. 請求項又は請求項に記載の殺菌剤のガス化装置において、
    前記殺菌剤気化部の端部に加熱エアを導入する加熱エア供給装置を備えることを特徴とする殺菌剤のガス化装置。
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