JP2022022906A - キャップの殺菌方法及びキャップ殺菌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程が簡素で短時間でキャップを殺菌できるキャップの殺菌方法及びコンパクトなキャップ殺菌装置を提供する。【解決手段】ホイール12の周縁部にキャップ1が収納される凹部を設け、ホイールを遮蔽するチャンバー16内の縦方向に少なくとも2列に設けられるホイールにキャップを収納し、上方から下方にホイール間の受け渡しにより搬送されるキャップに対して、下方から過酸化水素水のガスと加熱された気体を流して殺菌する。【選択図】図5

Description

本発明は、無菌充填機において、内容物が充填されたボトルを密封するキャップの殺菌方法及びキャップ殺菌装置に関する。
プリフォームを殺菌し、殺菌されたプリフォームを加熱し、加熱されたプリフォームをボトルに成形し、成形されたボトルに無菌雰囲気で殺菌された内容物を充填し、内容物が充填されたボトルを殺菌されたキャップにより密封する無菌容器の充填方法及び装置が提案されている(特許文献1)。また、プリフォームをボトルに成形し、成形されたボトルを殺菌し、殺菌されたボトルに無菌雰囲気で殺菌された内容物を充填し、内容物が充填されたボトルを殺菌されたキャップにより密封する無菌容器の充填方法及び装置も提案されている(特許文献2)。このような無菌充填機に供給されるキャップの殺菌方法やキャップ殺菌装置も様々、提案されている。
従来のキャップ殺菌装置は、搬送されるキャップにチャンバー内で殺菌液を噴射する装置が一般的である。例えば、キャップの開口部を横向きにして殺菌剤のミストを吹き付ける装置(特許文献3)、キャップの開口部を下向きにして殺菌液を噴射させる装置(特許文献4)がある。また、キャップの開口部を上向きにして、薬液をキャップの外周面及び天面に向かって噴射するとともに、内面に向かって薬液を噴射して薬液を口部内に溜めてキャップの内外面の殺菌を行う装置も提案されている(特許文献5)。
また、薬剤を使用せずに、キャップの開口部を下向き又は横向きとして熱水を噴射する装置(特許文献6)、キャップの開口部を横向きにして蒸気を噴射して殺菌する装置(特許文献7)が提案されている。
特開平4-44902号公報 特開2006-111295号公報 特開平6-293319号公報 特開平10-152115号公報 特開平11-139416号公報 特開平10-167386号公報 特開平11-193009号公報
無菌充填機において、殺菌されたボトルは無菌雰囲気で殺菌された内容物が充填され、内容物が充填されたボトルは殺菌されたキャップにより密封される。ここでキャップの殺菌は、キャップへの殺菌剤やスチームの吹き付け又はキャップを殺菌剤に浸漬することにより行われてきた。殺菌剤やスチームの吹き付けは、比較的小さなキャップに対して個別に行うため、殺菌剤やスチームのロスが多く効率的でない。このような場合、整列されたキャップに殺菌剤やスチームを吹き付けるが、吹き付けられる殺菌剤やスチームのすべてが殺菌に寄与するわけではなく、キャップの殺菌に寄与しない殺菌剤やスチームは排気され無駄になる。スチームによる殺菌では、熱負荷が大きく、キャップが変形するおそれがある。また、キャップを殺菌剤に浸漬する場合、浸漬した後にホットエアを吹き付けて、キャップの内側に形成されている複雑なネジ部に付着した殺菌剤を除去するが、この工程のエネルギー消費が過大となる。従来のいずれの方法も、殺菌、洗浄、乾燥等の工程があり、キャップの処理時間が長く、処理設備も過大となっていた。
特許文献3、4及び5に記載のキャップ殺菌装置は、いずれも殺菌剤を使用しており、殺菌剤を除去し、殺菌効果を上げるための熱風吹き付け、洗浄及び乾燥という工程が必要であり、処理時間及び処理設備が過大となっている。
特許文献4に記載のキャップ殺菌装置は、一列に整列されて搬送されるキャップに殺菌剤のミスト、熱風を順次吹き付けることによりキャップを殺菌する。キャップを一列に整列させて搬送するため、装置が長大となり、殺菌されるキャップの数も少なく生産性が劣る。
特許文献3に記載のキャップ殺菌装置は、横方向に設けられる2列のホイールにより搬送されるキャップに殺菌液の吹き付け、無菌水による洗浄、熱風の吹き付けによる乾燥という工程が行われる。横方向にキャップが搬送されるためにキャップ殺菌装置の面積が大きくなり、殺菌液により殺菌するために洗浄工程及び乾燥工程も必要となり設備が過大となる。
特許文献5に記載のキャップ殺菌装置は、螺旋状搬送装置により搬送されるキャップに無菌水洗浄、薬液殺菌及び仕上げ洗浄という工程を行い、螺旋状搬送装置間の搬送はホイールにより行う。処理量は多いが、装置が複雑で過大である。
特許文献6に記載のキャップ殺菌装置は、縦方向に一列設けられるホイールによりキャップを搬送しており、装置の設置面積は小さいが、キャップの全面に熱水を吹き付けて殺菌しており、殺菌に時間を要し、多量の熱水を必要とする。
特許文献7に記載のキャップ殺菌装置は、殺菌剤を使用せず、スチームにより殺菌する。スチームによる殺菌は比較的短時間で殺菌できるが、キャップがスチームの熱により変形するおそれがある。無菌充填ではキャップが変形すると、キャップと容器の口部との嵌合部に微細な間隙を生じることとなり、間隙から菌等が流入して内容物が汚染されるおそれがある。よって、キャップの変形は避けなければならない。また、キャップは一列に整列されて搬送されており、装置が長大となる。
そこで、工程が簡素で短時間でキャップを殺菌できるキャップの殺菌方法及びコンパクトなキャップ殺菌装置が求められている。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、簡便な装置で短時間にキャップを殺菌するという要請に応え、縦方向に少なくとも2列に設けられるホイールにより、上方から下方に搬送されるキャップに対して下方から過酸化水素水のガスを流して殺菌するキャップの殺菌方法及びキャップ殺菌装置を提供することを目的とする。
本発明に係るキャップの殺菌方法は、ホイールの周縁部にキャップが収納される凹部を設け、前記ホイールを遮蔽するチャンバー内の縦方向に、上方の前記ホイールの中心が下方の前記ホイールの上端部よりも上方にあって、上方の前記ホイールと下方の前記ホイールの間隔を近接して少なくとも縦方向に2列設け、最上部に設けられる前記ホイールの前記凹部に前記キャップを収納し、前記チャンバーの上方から下方に前記ホイール間の受け渡しにより前記キャップを前記ホイールの面に対して前記キャップの閉塞面を平行に搬送し、前記チャンバーの下方から過酸化水素水のガスを流し、前記キャップを殺菌することを特徴とする。
また、本発明に係るキャップの殺菌方法において、前記チャンバーの下方から前記過酸化水素水のガスと加熱された気体を流し、前記キャップを殺菌すると好適である。
また、本発明に係るキャップの殺菌方法において、前記加熱された気体が、加熱された空気、加熱された水蒸気のいずれか又は両方であると好適である。
本発明に係るキャップ殺菌装置は、周縁部にキャップを収納する凹部を有する縦方向に上方のホイールの中心が下方のホイールの上端部よりも上方にあって、上方の前記ホイールと下方の前記ホイールの間隔を前記キャップの受け渡しが可能となるように近接して、少なくとも縦方向の2列の前記ホイール、前記ホイールを遮蔽するチャンバー、前記チャンバー内の最上部の前記ホイールに前記キャップを供給するキャップ供給装置、前記チャンバー内の最下部の前記ホイールから前記キャップを前記チャンバー外に排出するキャップ排出装置及び前記チャンバーの下方から過酸化水素水のガスを供給する過酸化水素水ガス供給装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るキャップ殺菌装置において、前記チャンバーの下部より加熱気体を供給する加熱気体供給装置を備えると好適である。
また、本発明に係るキャップ殺菌装置において、前記加熱気体供給装置が、加熱された空気、加熱された水蒸気のいずれか又は合わせて供給するように構成されていると好適である。
本発明のキャップの殺菌方法及びキャップ殺菌装置によれば、ホイールの周縁部にキャップが収納される凹部を設け、ホイールを遮蔽するチャンバー内の縦方向に、上方のホイールの中心が下方のホイール上端部よりも上方にあって、上方のホイールと下方のホイールの間隔を近接して縦方向に2列設け、最上部に設けられる前記ホイールの前記凹部に前記キャップを収納し、チャンバーの上方から下方にホイール間の受け渡しによりキャップをホイール面に対してキャップの閉塞面を平行に搬送し、前記チャンバーの下方から過酸化水素水のガスを流し、キャップを殺菌することができる。
上方から下方に搬送されるキャップに下方から過酸化水素水のガスを供給することで、チャンバー内を搬送されるキャップの全てに過酸化水素水のガスが接触するため、過酸化水素水のガスにキャップが接触する時間を長くすることができ、殺菌効果が高い。また、長時間過酸化水素水のガスをキャップに接触させることができるため、過酸化水の使用量を低減することができる。
キャップ殺菌装置は、縦方向にホイールを配列するため、設置面積が小さい。また、チャンバーの下方から過酸化水素水のガスを供給することによりキャップを殺菌するため、装置が簡便である。
過酸化水素水のガスとともにチャンバーの下方から加熱気体を供給するという簡易な操作で殺菌効果を高めることができる。
本発明の実施の形態に係るキャップを示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るキャップ殺菌装置にキャップを供給するキャップ供給装置の概略を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るキャップ殺菌装置にキャップを供給するキャップ供給装置の概略を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るキャップの受けタンクから上方への搬送状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るキャップ殺菌装置を示す。 本発明の実施の形態に係るキャップ殺菌装置におけるキャップを保持する状態を示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1に示すキャップ1は、図2に示すキャップ供給装置6により、図5に示すキャップ殺菌装置8に供給され、殺菌される。殺菌されたキャップ1はキャップ排出レール9によりキャップ殺菌装置8から無菌充填機の無菌雰囲気に排出される。排出されたキャップ1は、無菌充填機の密封部に備えられるキャッパーにより殺菌された内容物が充填された容器を密封する。
本実施形態におけるキャップ1は、無菌充填機において殺菌されたボトルに無菌雰囲気で殺菌された内容物が充填されたボトルを巻き締め機により密封するもので、例えば図1に示すような形状である。キャップ1はポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなり、射出成型や圧縮成形により成形される。キャップ1の内側には成形と同時に雌ネジ、及び図1では平面であるが、ボトル口部の天面と嵌合するための凹凸部が形成される。
キャップ1は成形後、成形工場でコンテナに入れられ、密閉されて、例えば飲料工場に輸送される。飲料工場に輸送されたキャップ1は、飲料工場に設置されている無菌充填機に供給される。供給されたキャップ1は殺菌され、殺菌されたキャップ1は無菌充填機の密封部に搬送され、キャッパーを装備した密封ホイールに受け渡され、キャッパーにより、内容物が充填されたボトルの口部に巻き締められる。ボトルの口部にはキャップ1の内側に形成された雌ネジと嵌合する雄ネジが形成されている。本願発明は無菌充填機を構成する密封部にキャップ1を供給する過程でキャップ1を殺菌する方法及びキャップ殺菌装置に係る発明である。
成形工場で成形されたキャップ1はポリエチレン製の袋に投入され、ポリエチレン製の袋は金属、ダンボール又はプラスチック製のコンテナに入れられ、密封される。キャップ1は成形工場から飲料工場に輸送される際にゴミ、埃等により汚染されないように留意される。飲料工場に輸送されたコンテナは開封されて、受けタンク2の上方で傾斜されることで、コンテナ内のキャップ1は受けタンク2内に投入される。受けタンク2は上方に開放されることで、コンテナからキャップ1が投入される。
キャップ1が投入された後、受けタンク2は密閉される。受けタンク2に投入されたキャップ1は無秩序に貯留される。受けタンク2は下方に向かって貯留有効面積が小さくなるように形成されたホッパー形状となっている。受けタンク2の上部は図2では方形となっているが、円形でも構わない。受けタンク2は、ステンレスのような耐久性があり腐食しない材質で構成される。
キャップ1は受けタンク2の下部からコンベヤ3により搬送される。キャップ1が搬送される際に受けタンク2内の清浄性を維持するために、エアを除菌フィルタに通して無菌化した無菌エアを受けタンク2内に供給しても構わない。
コンベヤ3によりキャップ1が搬送されることにより、受けタンク2内のキャップ1が減少し、一定の水準となったところで、受けタンク2が開放され、コンテナからキャップ1が受けタンク2に投入される。受けタンク2にはキャップ水準センサが設けられ、センサにキャップ1が接触しなくなることで、キャップ1の減少を検知しアラームを発するようにする。
受けタンク2の下部に貯留されたキャップ1は図3に示すように、コンベヤ3により搬送される。コンベヤ3には桟4がコンベヤ3の搬送方向に対して垂直に一定間隔で設けられ、この桟4に掛かったキャップ1がコンベヤ3により搬送される。また、図4に示すように、受けタンク2の搬送方向の壁面には桟4に摺接しない程度の長さの暖簾板10が設けられ、桟4より上部に存在するキャップ1を排除する。暖簾板10の排除効果により、複数のキャップ1が重ならないように、キャップ1がコンベヤ3により搬送される。暖簾板10は、キャップ1を傷つけないような柔軟性を有し、劣化しない素材からなることが適当である。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、パーフロロエラストマー、フロロシリコーンゴム等が適当である。
受けタンク2の下部開口部の幅は、コンベヤ3及び桟4の幅よりも狭く設定される。コンベヤ3や桟4からキャップ1が抜け落ちるのを防止するためである。桟4の高さはキャップ1の高さの0.8~1.5倍が好ましい。キャップ1が桟4により堰き止められてコンベヤ3に載置できる高さであり、0.8倍未満では暖簾板10により除去されるおそれがあり、1.5倍を超えるとキャップ1が2個重なって桟4に掛かるおそれがある。コンベヤ3は柔軟性が必要であり、素材として暖簾板10と同様のものが好ましい。また。桟4はキャップ1を傷付けないようにプラスチックが好ましい。
図4に示すように、コンベヤ3は上方にキャップ1を搬送する。キャップ1の閉塞面1bがコンベヤ3と接するのが正規の姿勢である。キャップ1の開口面1aがコンベヤ3と接する姿勢は、裏キャップと称して非正規の姿勢である。コンベヤ3は、図4に示すように、直立する状態からわずかに、コンベヤ3面が上を向くように傾けられた状態で配置される。コンベヤ3の下端は受けタンク2の下部に配置される。桟4の間隔はキャップ1の直径よりも僅かに広く、コンベヤ3が駆動されると、受けタンク2に貯留されるキャップ1は桟4により掻き上げられる。このとき正規の姿勢のキャップ1と非正規の姿勢のキャップ1が存在する。しかし、非正規の姿勢のキャップ1は重心が桟4よりも外側となり、桟4からコンベヤ3の下端に落下する。落下したキャップ1は正規の姿勢となるまで、桟4により掻き上げられる。
キャップ1は、正規の姿勢で桟4に沿って不定間隔で並んでいる。コンベヤ3により上昇したキャップ1はノズル7から吹き付けられる無菌エアにより、水平方向に移動し、整列装置5により、整列されてキャップ殺菌装置8に導入される。ノズル7は桟4により搬送されるキャップ1を整列装置5へと高圧無菌エアで送り出すための装置であり、整列装置5に対応する一対の桟4の間に高圧無菌エアを吹き付けるように桟4に平行に配置される。高圧無菌エアはブロワによるエアを除菌フィルタに通したエアでも、コンプレッサーによる高圧エアを除菌フィルタに通したものでも構わない。
キャップ殺菌装置8にキャップ1を供給するキャップ供給レール11は下向きに傾斜しており、キャップ1の自重により、キャップ1の側面を回転させながらキャップ1を搬送する。キャップ1がキャップ殺菌装置8に導入されるとき、キャップ1がキャップ供給レール11により保持される体勢は、キャップ1の開口面1aが側方向となっている。キャップ1は複数のレールにより保持される。キャップ1の開口面1aを2本、閉塞面1bを2本、側面を上及び下各2本のレールでキャップ1を保持している。側面を保持するレールは各1本でも構わない。レールの断面は円形であるが、多角形又は楕円形でも構わない。
キャップ1はキャップ殺菌装置8に、受けタンク2、桟4を有するコンベヤ3、整列装置5及びキャップ供給レール11を備えるキャップ供給装置6により供給される。
図5に示すように、キャップ殺菌装置8に供給されるキャップ1はキャップ供給レール11から自重により、ホイールA12の周縁部に設けられる凹部に収納される。ホイールA12の凹部に収納されたキャップ1は、ホイールA12の回転により搬送される。キャップ1はキャップ供給レール11によりホイールA12の面に対して閉塞面1bを平行に横向き方向にしてキャップ殺菌装置8に供給され、供給されるキャップ1はキャップ殺菌装置8において、ホイールA12の面に対して閉塞面1bを平行に横向き方向の状態で搬送される。
ホイールA12ではキャップ1は図6に示すように保持される。キャップ1の側面の一方はホイールA12の凹部に収納され、反対方向の側面を支持するキャップ支持レール17、及びキャップ1の側方向となっている開口面1aを2本及び閉塞面1bを2本のキャップ支持レール17によりキャップ1はホイールA12の回転にしたがって搬送される。
キャップ1は、ホイールA12からホイールB13に受け渡される。さらにホイールB13からホイールC14を経てホイールD15に受け渡されながら搬送される。ホイールA12、ホイールB13、ホイールC14及びホイールD15はチャンバー16により遮蔽される。図5にはホイールを4個示しているが、2個以上であれば構わない。1個ではチャンバー16内での滞留時間を十分に確保できないため、殺菌が不十分となる。
各ホイールに設けられる凹部はキャップ1を収納することができればどのような大きさ、形状であっても構わない。凹部の深さは、キャップ1の径の1/2以上~1未満であることが好ましい。キャップの径の1/2未満では搬送中のキャップ1を支持できないおそれがあり、キャップ1の径の1以上であれば、ホイール間でのキャップ1の受け渡しを行うことができないおそれがある。凹部の底部の形状はキャップ1の径に合わせた半円形が好ましい。
ホイールA12、ホイールB13、ホイールC14及びホイールD15は縦方向に設けられ、キャップ1は、チャンバー16内の最上方に設けられるホイールA12から下方に設けられるホイールD15に順次搬送される。上方に設けられるホイールA12の中心は下方に設けられるホイールB13の上端部よりも上方に位置するように設けられる。ホイールA12の中心がホイールB13の上端部よりも下方とすると、チャンバー16が横方向に大きくなり、キャップ殺菌装置8をコンパクトにすることができない。また、ホイールA12とホイールB13とはキャップ1を受け渡しが可能である程度に近接して設けられる。ホイールA12の中心とホイールB13の上端との間隔は、0を超えてホイール径の1/4までが好ましい。間隔を大きくするとチャンバー16内でのキャップ1の滞留時間を長くすることができない。
ホイールA12とホイールB13とは鉛直方向に異なる位置に設けられる。したがって、チャンバー16内にホイールは縦方向に少なくとも2列設けられる。ホイールは縦方向に3列以上設けても構わない。図5では、ホイールA12の鉛直下方にホイールC14を、ホイールB13の鉛直下方にホイールD15を設けているが、さらに下方にホイールを設けても構わない。ホイール径を同一としているが、各ホイールの径を相違させても構わない。
チャンバー16の下方から過酸化水素水のガスを流すことで、チャンバー16内を搬送されるキャップ1を殺菌する。チャンバー16に過酸化水素水のガスを流すためにキャップ殺菌装置8には過酸化水素水ガス供給装置18が設けられる。過酸化水素水ガス供給装置18により供給される過酸化水素水のガスは図5に示すようにチャンバー16の下方に供給される。
過酸化水素水ガス供給装置18とは、過酸化水素水をガス化してチャンバー16に過酸化水素のガスを供給する装置である。過酸化水素水ガス供給装置18には過酸化水素水のガスを生成する過酸化水素水ガス生成器が設けられる。過酸化水素水ガス生成器は、過酸化水素水を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである過酸化水素水供給部と、この過酸化水素水供給部から供給された過酸化水素水を分解温度以下に加熱して気化させる気化部とを備える。過酸化水素水供給部は、過酸化水素水供給路及び圧縮空気供給路からそれぞれ過酸化水素水と圧縮空気を導入して、過酸化水素水を気化部内に噴霧するようになっている。気化部は、内外壁間にヒータを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた過酸化水素水を加熱し気化させる。気化した過酸化水素水のガスは過酸化水素水ガス吹き付けノズルから気化部外に噴出する。噴出する過酸化水素水のガスをチャンバー16の下方に供給する。
過酸化水素水供給部の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa~0.6MPaの範囲で調整される。このとき、圧縮空気の供給量は50L/min.~300L/min.が適当である。また、過酸化水素水は重力落下であっても圧力を加えられても構わないし、過酸化水素水の供給量は自由に設定することができ、例えば過酸化水素水は過酸化水素水供給路に、1g/min.~100g/min.の範囲で供給される。また、気化部の内表面は120℃から450℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤が気化する。
過酸化水素水を加熱された気化部に噴霧してガス化する過酸化水素水ガス生成器を例示したが、過酸化水素水のガスを生成する装置であれば、過酸化水ガス生成器はどのようなものでも構わない。過酸化水素水ガス供給装置18は、過酸化水素水ガス生成器及び生成する過酸化水素水のガスをチャンバー16に供給するための供給管を備える。さらに過酸化水素水のガスを供給するための加圧装置、バルブ、過酸化水素濃度計等を設けても構わない。
過酸化水素水中の過酸化水素の含有量は0.5質量%~65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。さらに好適なのは0.5質量%~40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、過酸化水素が低濃度となるために殺菌後の殺菌剤の残留量を低減できる。また、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル類等の1種又は2種以上を含んでも構わない。さらに、過酢酸、酢酸等の有機酸、硝酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性化合物、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、オゾン等殺菌効果を有する化合物、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
チャンバー16に加熱気体を供給することで過酸化水素水のガスによるキャップ1の殺菌効果が向上する。図5に示すように、キャップ殺菌装置8には、チャンバー16の下方から加熱気体を供給する加熱気体供給装置19が設けられる。
加熱気体供給装置19により供給される加熱気体とは、加熱された空気、加熱された水蒸気のいずれか又は組み合わせである。加熱される気体は空気及び水蒸気以外の窒素、アルゴン、炭酸ガス等であっても構わない。加熱気体はチャンバー16の下方から供給される。
加熱された空気とはコンプレッサーによる圧縮空気又はブロワにより送出される空気を、ヒータ又はバーナーのような加熱機器により加熱することにより得られる。得られる加熱された空気の温度は40℃~170℃が適当である。40℃未満では殺菌効果の向上が期待されず、170℃を超える温度ではキャップ1が変形するおそれがある。加熱される前の空気は除菌フィルタを通した無菌化空気であることが好ましい。過酸化水素水のガスにより空気中の菌等は殺菌されると想定されるが、殺菌されない菌が残存するおそれがあるためである。空気を供給する装置、除菌フィルタ及び空気を加熱する加熱機器が加熱気体供給装置19として備えられる。
加熱された水蒸気とは、電気又は燃料により水を加熱する加熱水蒸気発生装置により生成される。使用される水は逆浸透膜を通して精製することもある。水を水蒸気とする缶体には清缶剤や復水処理剤等が使用されるが、食品添加グレードを使用する。また、缶体や搬送配管はステンレス製であることが好ましい。加熱された水蒸気中の異物、イオン、薬剤等を除去するためにフィルタ、活性炭や限外濾過膜を通すこともある。さらに、加熱水蒸気供給装置は、加熱水蒸気を熱源として逆浸透膜を通した水と熱交換して加熱水蒸気を発生されるリボイラーであることが好ましい。加熱された水蒸気の温度は105℃~170℃が適当である。105℃未満で水蒸気が液化するおそれがあり、170℃以上ではキャップ1が変形するおそれがある。水を供給する装置及び水を加熱された水蒸気とする加熱水蒸気発生装置が加熱気体供給装置19として備えられる。
加熱気体は過酸化水素水のガスと別個にチャンバー16に供給するが、過酸化水素水のガスをチャンバー16に供給する導管に、加熱気体供給装置19からの導管を接続し、導管内で過酸化水素のガスと加熱気体を混合してチャンバー16の下方に供給しても構わない。加熱気体は過酸化水素水のガスを昇温して殺菌効果を向上させることができる。
チャンバー16内に供給される過酸化水素水のガスは下方から上方に流れ、チャンバー16の上方から下方に搬送されるキャップ1に接触し、キャップ1の表面に存在する菌等を殺菌する。過酸化水素水のガスとキャップ1が対向して流れることで殺菌効果が向上する。同一方向に流す場合、搬送されるキャップ1の流れにより発生する気流が同一方向となり、過酸化水素水のガスがキャップ1に接触する機会が減少すると考えられる。
過酸化水素水のガスをチャンバー16の下方から上方に流すために、チャンバー16の上面に排気装置20を設けることが好ましい。排気装置20によりチャンバー16に供給される過酸化水素水のガス及び加熱気体の供給量と同程度の気体量を排気する、過酸化水素水のガス及び加熱気体の供給量以上の気体量を排気して、チャンバー16内を大気圧以下としても構わない。キャップ1を供給する開口部から外気が流入しても、過酸化水素水のガスにより殺菌されることによる。排気装置20はブロアであって、チャンバー16とブロアの間に過酸水素を水と酸素に分解するフィルタを設けることが好ましい。
キャップ殺菌装置8は、運転前にチャンバー16内が殺菌されることが好ましい。このとき過酸化水素水ガス供給装置18によりチャンバー16内に過酸化水素水のガスを供給することでチャンバー16内を殺菌することができる。チャンバー16内を殺菌するために装置を設ける必要はない。
殺菌されたキャップ1は、キャップ排出装置によりチャンバー16内から排出される。キャップ排出装置とは例えば、図5に示すキャップ排出レール9である。ホイールD15から自重によりキャップ排出レール9に受け渡される。キャップ排出レール9はキャップ供給レール11と同様の構造であって、下向きに傾斜しており、キャップ1の自重により、キャップ1の側面を回転させながらキャップ1を搬送する。搬送されるキャップ1はキャップ排出レール9によりチャンバー16に隣接する無菌充填機の無菌化された密封部に搬送される。キャップ排出装置は無菌エアをキャップ1に吹き付けて排出するような装置でも構わない。
搬送されるキャップ1は無菌充填機の密封部で容器の密封に使用される。チャンバー16内で殺菌されるキャップ1への過酸化水素の残留は極めて少ないため、殺菌されたキャップ1をリンスする必要はない。
しかし、殺菌されたキャップ1に無菌エアを吹き付けても構わない。キャップ1に残留している可能性のある過酸化水素および異物を除去するためである。無菌エアはブロワによるエアをフィルタに通し除菌したものでも、圧空エアを除菌したものでも構わず、無菌エア供給装置により生成され、無菌エア吹き付けノズルに供給される。無菌エア吹き付けノズルはキャップ1の開口面1a側、閉塞面1b側に設けられる。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…キャップ
6…キャップ供給装置
8…キャップ殺菌装置
9…キャップ排出レール
11…キャップ供給レール
12…ホイールA
16…チャンバー
17…キャップ支持レール
18…過酸化水素水ガス供給装置
19…加熱気体供給装置

Claims (6)

  1. ホイールの周縁部にキャップが収納される凹部を設け、
    前記ホイールを遮蔽するチャンバー内の縦方向に、上方の前記ホイールの中心が下方の前記ホイールの上端部よりも上方にあって、上方の前記ホイールと下方の前記ホイールの間隔を近接して少なくとも縦方向に2列設け、
    最上部に設けられる前記ホイールの前記凹部に前記キャップを収納し、
    前記チャンバーの上方から下方に前記ホイール間の受け渡しにより前記キャップを前記ホイールの面に対して前記キャップの閉塞面を平行に搬送し、
    前記チャンバーの下方から過酸化水素水のガスを流し、前記キャップを殺菌することを特徴とするキャップの殺菌方法。
  2. 請求項1に記載のキャップの殺菌方法において、
    前記チャンバーの下方から前記過酸化水素水のガスと加熱された気体を流し、前記キャップを殺菌することを特徴とするキャップの殺菌方法。
  3. 請求項2に記載のキャップの殺菌方法において、
    前記加熱された気体が、加熱された空気、加熱された水蒸気のいずれか又は両方であることを特徴とするキャップの殺菌方法。
  4. 周縁部にキャップを収納する凹部を有する縦方向に上方のホイールの中心が下方のホイールの上端部よりも上方にあって、上方の前記ホイールと下方の前記ホイールの間隔を前記キャップの受け渡しが可能となるように近接して、少なくとも縦方向の2列の前記ホイール、
    前記ホイールを遮蔽するチャンバー、
    前記チャンバー内の最上部の前記ホイールに前記キャップを供給するキャップ供給装置、
    前記チャンバー内の最下部の前記ホイールから前記キャップを前記チャンバー外に排出するキャップ排出装置及び
    前記チャンバーの下方から過酸化水素水のガスを供給する過酸化水素水ガス供給装置を備えることを特徴とするキャップ殺菌装置。
  5. 請求項4に記載のキャップ殺菌装置において、
    前記チャンバーの下部より加熱気体を供給する加熱気体供給装置を備えることを特徴とするキャップ殺菌装置。
  6. 請求項5に記載のキャップ殺菌装置において、
    前記加熱気体供給装置が、加熱された空気、加熱された水蒸気のいずれか又は合わせて供給するように構成されていることを特徴とするキャップ殺菌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115624639A (zh) * 2022-10-09 2023-01-20 天津科技大学 一种pet瓶坯灭菌系统及灭菌方法

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