JP3194064B2 - 太陽熱吸収体 - Google Patents
太陽熱吸収体Info
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- F24—HEATING; RANGES; VENTILATING
- F24S—SOLAR HEAT COLLECTORS; SOLAR HEAT SYSTEMS
- F24S70/00—Details of absorbing elements
- F24S70/20—Details of absorbing elements characterised by absorbing coatings; characterised by surface treatment for increasing absorption
- F24S70/25—Coatings made of metallic material
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F24—HEATING; RANGES; VENTILATING
- F24S—SOLAR HEAT COLLECTORS; SOLAR HEAT SYSTEMS
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- F24S70/225—Details of absorbing elements characterised by absorbing coatings; characterised by surface treatment for increasing absorption for spectrally selective absorption
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Laminated Bodies (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光を効率良く吸収
して集熱するための太陽熱吸収体に関する。この様な太
陽熱吸収体は、太陽温水器などの集熱部などとして有用
である。
して集熱するための太陽熱吸収体に関する。この様な太
陽熱吸収体は、太陽温水器などの集熱部などとして有用
である。
【0002】
【従来技術とその問題点】太陽熱吸収体(以下単に吸収
体という)は、0.25〜2.5μmの波長域で照射さ
れる太陽光線を効率良く吸収するとともに、吸収された
太陽光線により加熱された熱水から約100℃の温度で
放射される2.5μm以上の波長域の赤外線をできるだ
け反射する(換言すれば、この様な赤外線を放射しな
い)という波長選択吸収特性を備えていなければならな
い。より具体的には、実用的な吸収体は、吸収率0.9
0以上且つ放射率0.13以下という特性を備えている
ことが望ましい。
体という)は、0.25〜2.5μmの波長域で照射さ
れる太陽光線を効率良く吸収するとともに、吸収された
太陽光線により加熱された熱水から約100℃の温度で
放射される2.5μm以上の波長域の赤外線をできるだ
け反射する(換言すれば、この様な赤外線を放射しな
い)という波長選択吸収特性を備えていなければならな
い。より具体的には、実用的な吸収体は、吸収率0.9
0以上且つ放射率0.13以下という特性を備えている
ことが望ましい。
【0003】通常、吸収体は、下地素材と選択吸収膜と
から構成されている。
から構成されている。
【0004】選択吸収膜は、照射された太陽光線を反射
しない特性(太陽光線を選択的に吸収する酸化物半導体
としての特性、サブミクロンの膜厚による光干渉効果、
キャビティー効果およびミー効果と呼ばれる散乱、多重
内部反射を制御する表面の微細形状特性など)を備える
とともに、下地素材自身は、赤外線放射率が低い、即ち
反射率が高いことが必要である。
しない特性(太陽光線を選択的に吸収する酸化物半導体
としての特性、サブミクロンの膜厚による光干渉効果、
キャビティー効果およびミー効果と呼ばれる散乱、多重
内部反射を制御する表面の微細形状特性など)を備える
とともに、下地素材自身は、赤外線放射率が低い、即ち
反射率が高いことが必要である。
【0005】表1に各種金属材料の常温での放射率の代
表値を示す。
表値を示す。
【0006】
【表1】
【0007】選択吸収膜としては、黒色ニッケルめっき
皮膜、黒化したアルマイト皮膜、黒色酸化物皮膜、黒色
塗装膜、黒色クロムめっき皮膜などが実用化されてお
り、これらの中でも、黒色クロムめっき皮膜が耐熱性、
耐蝕性などに優れているので、特に有利であることが知
られている。
皮膜、黒化したアルマイト皮膜、黒色酸化物皮膜、黒色
塗装膜、黒色クロムめっき皮膜などが実用化されてお
り、これらの中でも、黒色クロムめっき皮膜が耐熱性、
耐蝕性などに優れているので、特に有利であることが知
られている。
【0008】一方、下地素材としては、ステンレス鋼板
および銅板が使用されている。
および銅板が使用されている。
【0009】ステンレス鋼は、耐蝕性には優れているの
で、下地素材として有利である。しかしながら、ステン
レス鋼に黒色クロムめっき層を直接形成することは容易
ではないので、通常ニッケルめっき層を形成した後、黒
色クロムめっき層を形成している。この場合、ニッケル
めっきの放射率が0.07と比較的高いので、ニッケル
めっき層上に黒色クロムめっき層を形成した二重めっき
層の状態で、放射率を0.12以下の低い値に維持する
ことは、困難である。
で、下地素材として有利である。しかしながら、ステン
レス鋼に黒色クロムめっき層を直接形成することは容易
ではないので、通常ニッケルめっき層を形成した後、黒
色クロムめっき層を形成している。この場合、ニッケル
めっきの放射率が0.07と比較的高いので、ニッケル
めっき層上に黒色クロムめっき層を形成した二重めっき
層の状態で、放射率を0.12以下の低い値に維持する
ことは、困難である。
【0010】銅は、実用材料中では最も優れた反射率
(0.01)を有しているので、下地素材として実用化
もされている。しかしながら、吸収体を温水器の集熱部
として使用する場合には、水道水により銅が腐食して、
緑青水を生じたり、耐用期間が短くなるなどの問題点が
ある。このため、水道水と接触する銅表面にすずめっき
をしておく必要があり、加工費が著しく高くなる。ま
た、銅にニッケルめっき層および黒色クロムめっき層の
二重めっき層を形成する場合には、やはり上記のステン
レス鋼に二重めっき層を形成した場合と同様な問題が生
ずる。
(0.01)を有しているので、下地素材として実用化
もされている。しかしながら、吸収体を温水器の集熱部
として使用する場合には、水道水により銅が腐食して、
緑青水を生じたり、耐用期間が短くなるなどの問題点が
ある。このため、水道水と接触する銅表面にすずめっき
をしておく必要があり、加工費が著しく高くなる。ま
た、銅にニッケルめっき層および黒色クロムめっき層の
二重めっき層を形成する場合には、やはり上記のステン
レス鋼に二重めっき層を形成した場合と同様な問題が生
ずる。
【0011】特公昭52−24252号公報は、銅の高
い反射率を使用した太陽熱温水器の熱吸収体を開示して
いる。この熱吸収体は、金属またはプラスチック素材に
ニッケルめっきおよび銅めっきを順次施した後、銅めっ
き表面を化成処理して黒色酸化銅に変化させた構成を備
えている。しかしながら、古くから良く知られている様
に、銅の酸化物については、どの様に材料を選択し、ど
の様に厳密に酸化条件を規定しても、得られる酸化物膜
の組成、酸化速度などが変化して、膜質および膜厚の再
現性に乏しいという実用上の大きな問題がある。また、
銅酸化物の皮膜は、銅素地から簡単に粉末状となって脱
落し、素地自体が傷つき易いという問題もある。
い反射率を使用した太陽熱温水器の熱吸収体を開示して
いる。この熱吸収体は、金属またはプラスチック素材に
ニッケルめっきおよび銅めっきを順次施した後、銅めっ
き表面を化成処理して黒色酸化銅に変化させた構成を備
えている。しかしながら、古くから良く知られている様
に、銅の酸化物については、どの様に材料を選択し、ど
の様に厳密に酸化条件を規定しても、得られる酸化物膜
の組成、酸化速度などが変化して、膜質および膜厚の再
現性に乏しいという実用上の大きな問題がある。また、
銅酸化物の皮膜は、銅素地から簡単に粉末状となって脱
落し、素地自体が傷つき易いという問題もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、吸
収および放射のいずれにおいても優れた特性を発揮し、
且つ耐蝕性にも優れた太陽熱吸収体を提供することを主
な目的とする。
収および放射のいずれにおいても優れた特性を発揮し、
且つ耐蝕性にも優れた太陽熱吸収体を提供することを主
な目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の様な
従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ステ
ンレス鋼に特定厚さで特定のめっき層を順次形成する場
合には、上記の目的を達成し得ることを見出した。
従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ステ
ンレス鋼に特定厚さで特定のめっき層を順次形成する場
合には、上記の目的を達成し得ることを見出した。
【0014】即ち、本発明は、下記の太陽熱吸収体を提
供するものである;1.ステンレス鋼板上に厚さ0.0
5〜5μmの銅メッキ層およびクロムとして15〜30
mg/m2 の黒色クロムめっき層を順次設けた太陽熱吸
収体。
供するものである;1.ステンレス鋼板上に厚さ0.0
5〜5μmの銅メッキ層およびクロムとして15〜30
mg/m2 の黒色クロムめっき層を順次設けた太陽熱吸
収体。
【0015】2.ステンレス鋼板上にニッケルめっき
層、厚さ0.05〜5μmの銅めっき層およびクロムと
して15〜30mg/m2 の黒色クロムめっき層を順次
設けた太陽熱吸収体。
層、厚さ0.05〜5μmの銅めっき層およびクロムと
して15〜30mg/m2 の黒色クロムめっき層を順次
設けた太陽熱吸収体。
【0016】以下においては、上記項1および2の発明
をそれぞれ本願第1発明および本願第2発明といい、両
発明を総括して単に本願発明という。
をそれぞれ本願第1発明および本願第2発明といい、両
発明を総括して単に本願発明という。
【0017】本願発明では、水と接触する下地素材とし
て、ステンレス鋼を使用する。ステンレス鋼の使用によ
り、水に対する十分な耐蝕性が確保されるので、緑青水
の発生が防止され、吸収体の耐用期間も著しく延長され
る。
て、ステンレス鋼を使用する。ステンレス鋼の使用によ
り、水に対する十分な耐蝕性が確保されるので、緑青水
の発生が防止され、吸収体の耐用期間も著しく延長され
る。
【0018】本願第1発明においては、下地素材として
のステンレス鋼の上に厚さ0.05〜5μm程度の銅め
っき層を形成する。この銅めっき層の形成により、2.
5μm以上の長波長域での赤外線の低放射率が確保され
る。また、中間層としての銅めっき層の存在は、下記に
説明する黒色クロムめっき層の形成を容易にする。銅め
っき層の厚さが0.05μm未満である場合には、放射
率の高いステンレス鋼(ε=0.13)の影響が現われ
て、所望の低い放射率(ε≦0.12)が確保できな
い。銅めっき層の厚さは、生産性の点から5μm程度が
上限である。銅めっき層は、2.5μm以上の長波長域
での赤外線を反射し得る程度の平滑性を備えていること
が好ましい。
のステンレス鋼の上に厚さ0.05〜5μm程度の銅め
っき層を形成する。この銅めっき層の形成により、2.
5μm以上の長波長域での赤外線の低放射率が確保され
る。また、中間層としての銅めっき層の存在は、下記に
説明する黒色クロムめっき層の形成を容易にする。銅め
っき層の厚さが0.05μm未満である場合には、放射
率の高いステンレス鋼(ε=0.13)の影響が現われ
て、所望の低い放射率(ε≦0.12)が確保できな
い。銅めっき層の厚さは、生産性の点から5μm程度が
上限である。銅めっき層は、2.5μm以上の長波長域
での赤外線を反射し得る程度の平滑性を備えていること
が好ましい。
【0019】本願第1発明においては、銅めっき層の上
にクロムに換算して厚さ15〜30mg/m2 程度(よ
り好ましくは20〜25mg/m2 程度)の黒色クロム
めっき層を形成する。なお、黒色クロムめっき皮膜は、
薄い非化学量論組成のクロム酸化物からなっており、微
細な燐片状を呈しているので、厚さを直接測定すること
は困難である。従って、本発明においては、銅めっきし
たステンレス鋼板に所定の条件で黒色クロムめっきを形
成した後、濃塩酸で黒色クロムめっきを溶解し、原子吸
光分析法によりクロム量を求め、単位面積当たりのクロ
ム量を黒色クロムめっき層の厚さに代わる指標とした。
この黒色クロムめっき層の形成により、0.25〜2.
5μmの波長域の太陽光線を0.90以上という高い吸
収率で吸収することができる。黒色クロムめっき層が薄
すぎる場合には、吸収率が低下するのに対し、厚すぎる
場合には、吸収率は高くなるものの、銅めっき層の特徴
である低い放射特性が次第に失われて、放射率が高くな
る。
にクロムに換算して厚さ15〜30mg/m2 程度(よ
り好ましくは20〜25mg/m2 程度)の黒色クロム
めっき層を形成する。なお、黒色クロムめっき皮膜は、
薄い非化学量論組成のクロム酸化物からなっており、微
細な燐片状を呈しているので、厚さを直接測定すること
は困難である。従って、本発明においては、銅めっきし
たステンレス鋼板に所定の条件で黒色クロムめっきを形
成した後、濃塩酸で黒色クロムめっきを溶解し、原子吸
光分析法によりクロム量を求め、単位面積当たりのクロ
ム量を黒色クロムめっき層の厚さに代わる指標とした。
この黒色クロムめっき層の形成により、0.25〜2.
5μmの波長域の太陽光線を0.90以上という高い吸
収率で吸収することができる。黒色クロムめっき層が薄
すぎる場合には、吸収率が低下するのに対し、厚すぎる
場合には、吸収率は高くなるものの、銅めっき層の特徴
である低い放射特性が次第に失われて、放射率が高くな
る。
【0020】本願第2発明における下地素材としてのス
テンレス鋼および銅めっき層は、本願第1発明と同様で
ある。
テンレス鋼および銅めっき層は、本願第1発明と同様で
ある。
【0021】本願第2発明においては、ニッケルめっき
層の上に銅めっき層を形成する。このニッケルめっき層
の形成により、銅めっき層と下地素材であるステンレス
鋼との密着性が向上し、ひいては最上層となる黒色クロ
ムめっき層の密着性乃至耐久性も改善される。このニッ
ケルめっき層は、銅めっき層を覆っていれば良く、特に
限定されないが、通常0.1〜1μm程度で十分であ
る。
層の上に銅めっき層を形成する。このニッケルめっき層
の形成により、銅めっき層と下地素材であるステンレス
鋼との密着性が向上し、ひいては最上層となる黒色クロ
ムめっき層の密着性乃至耐久性も改善される。このニッ
ケルめっき層は、銅めっき層を覆っていれば良く、特に
限定されないが、通常0.1〜1μm程度で十分であ
る。
【0022】本願第2発明における黒色クロムめっき層
は、本願第1発明におけると同様であれば良い。
は、本願第1発明におけると同様であれば良い。
【0023】本願発明による吸収体の製造方法(浴組
成、めっき条件など)は、下地素材であるステンレス鋼
に所定のめっき層を形成し得る限り、特に限定されるも
のではない。
成、めっき条件など)は、下地素材であるステンレス鋼
に所定のめっき層を形成し得る限り、特に限定されるも
のではない。
【0024】例えば、本願第1発明の吸収体は、下地素
材としてのステンレス鋼を電解脱脂し、塩酸により活性
化処理した後、硫酸銅浴を使用して銅めっき層を形成
し、次いで黒色クロムめっき浴を使用して黒色クロムめ
っき層を形成すれば良い。
材としてのステンレス鋼を電解脱脂し、塩酸により活性
化処理した後、硫酸銅浴を使用して銅めっき層を形成
し、次いで黒色クロムめっき浴を使用して黒色クロムめ
っき層を形成すれば良い。
【0025】また、本願第2発明の吸収体は、下地素材
としてのステンレス鋼を電解脱脂し、塩酸により活性化
処理した後、ストライクニッケルめっき浴を使用してニ
ッケルめっき層を形成し、硫酸銅浴を使用して銅めっき
層を形成し、次いで黒色クロムめっき浴を使用して黒色
クロムめっき層を形成すれば良い。
としてのステンレス鋼を電解脱脂し、塩酸により活性化
処理した後、ストライクニッケルめっき浴を使用してニ
ッケルめっき層を形成し、硫酸銅浴を使用して銅めっき
層を形成し、次いで黒色クロムめっき浴を使用して黒色
クロムめっき層を形成すれば良い。
【0026】表2に硫酸銅浴の組成およびめっき条件の
代表的な例を示し、表3にストライクニッケルめっき浴
の組成およびめっき条件の代表的な例を示し、表4に黒
色クロムめっき浴の組成およびめっき条件の代表的な例
を示す。本願発明吸収体に所定のめっき層を形成するこ
とができる限り、めっき浴およびめっき条件がこれらに
限定されないことは、いうまでもない。
代表的な例を示し、表3にストライクニッケルめっき浴
の組成およびめっき条件の代表的な例を示し、表4に黒
色クロムめっき浴の組成およびめっき条件の代表的な例
を示す。本願発明吸収体に所定のめっき層を形成するこ
とができる限り、めっき浴およびめっき条件がこれらに
限定されないことは、いうまでもない。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、耐久性に優れるととも
に、高い吸収率および低い放射率を発揮する太陽熱吸収
体が得られる。
に、高い吸収率および低い放射率を発揮する太陽熱吸収
体が得られる。
【0031】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
特徴とするところをより一層明確にする。
【0032】実施例1 ステンレス鋼(SUS304材、6mm×10mm×
0.5mm)を電解脱脂し、20%塩酸に室温で30秒
間浸漬して活性化処理した後、光沢硫酸銅めっき浴を使
用して銅めっき層を形成し、次いで黒色クロムめっき浴
を使用して黒色クロムめっき層を形成した。
0.5mm)を電解脱脂し、20%塩酸に室温で30秒
間浸漬して活性化処理した後、光沢硫酸銅めっき浴を使
用して銅めっき層を形成し、次いで黒色クロムめっき浴
を使用して黒色クロムめっき層を形成した。
【0033】硫酸銅めっき浴の組成およびめっき条件を
表5に示し、黒色クロムめっき浴の組成およびめっき条
件を表6に示す。
表5に示し、黒色クロムめっき浴の組成およびめっき条
件を表6に示す。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】表7に銅めっき層および黒色クロムめっき
層の厚さと吸収率および放射率との関係を示す。なお、
吸収率は(株)島津製作所製の積分反射球付き分光光度
計(UV3100)により波長範囲0。25〜2.5μ
mで測定し、放射率はD&S社製の放射率計により測定
した。
層の厚さと吸収率および放射率との関係を示す。なお、
吸収率は(株)島津製作所製の積分反射球付き分光光度
計(UV3100)により波長範囲0。25〜2.5μ
mで測定し、放射率はD&S社製の放射率計により測定
した。
【0037】
【表7】
【0038】なお、先述の様に、黒色クロムめっき皮膜
は、薄い非化学量論組成のクロム酸化物からなってお
り、微細な燐片状を呈しているので、厚さを直接測定す
ることは困難である。従って、銅めっきしたステンレス
鋼板に所定の条件で黒色クロムめっきを形成した後、濃
塩酸で黒色クロムめっきを溶解し、原子吸光分析法によ
りクロム量を求め、単位面積当たりのクロム量で厚さを
表わした。クロム量と電解時間とはほぼ比例しているの
で、黒色クロムめっき皮膜の厚さと電解時間もほぼ比例
関係にあることが明らかである。
は、薄い非化学量論組成のクロム酸化物からなってお
り、微細な燐片状を呈しているので、厚さを直接測定す
ることは困難である。従って、銅めっきしたステンレス
鋼板に所定の条件で黒色クロムめっきを形成した後、濃
塩酸で黒色クロムめっきを溶解し、原子吸光分析法によ
りクロム量を求め、単位面積当たりのクロム量で厚さを
表わした。クロム量と電解時間とはほぼ比例しているの
で、黒色クロムめっき皮膜の厚さと電解時間もほぼ比例
関係にあることが明らかである。
【0039】実施例2 実施例1と同様にしてステンレス鋼の電解脱脂および活
性化処理を行なった後、ストライクニッケルめっき浴を
使用してニッケルめっき層を形成し、光沢硫酸銅めっき
浴を使用して銅めっき層を形成し、次いで黒色クロムめ
っき浴を使用して黒色クロムめっき層を形成した。
性化処理を行なった後、ストライクニッケルめっき浴を
使用してニッケルめっき層を形成し、光沢硫酸銅めっき
浴を使用して銅めっき層を形成し、次いで黒色クロムめ
っき浴を使用して黒色クロムめっき層を形成した。
【0040】銅めっき浴は、実施例1と同じ組成のもの
を使用して、めっき時間を変化させて銅めっきの厚さを
調整した。なお、銅めっき時間と銅めっき厚さとは、ほ
ぼ比例していた。
を使用して、めっき時間を変化させて銅めっきの厚さを
調整した。なお、銅めっき時間と銅めっき厚さとは、ほ
ぼ比例していた。
【0041】また、黒色クロムめっきは、実施例1と同
じ組成のものを使用して、同じ条件でめっきを行なっ
て、形成させた。
じ組成のものを使用して、同じ条件でめっきを行なっ
て、形成させた。
【0042】表8にストライクニッケルめっき浴の組成
およびめっき条件を示し、表9に銅めっき層の厚さおよ
び黒色クロムめっき層の厚さと吸収率および放射率との
関係を示す。
およびめっき条件を示し、表9に銅めっき層の厚さおよ
び黒色クロムめっき層の厚さと吸収率および放射率との
関係を示す。
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】
【0045】表9に示す結果から、銅めっきの厚さを
0.064μm以上とすることにより、吸収率が高く且
つ放射率の低い吸収体が得られることが明らかである。
0.064μm以上とすることにより、吸収率が高く且
つ放射率の低い吸収体が得られることが明らかである。
【0046】比較例1 ステンレス鋼に直接黒色クロムめっき層を形成した。即
ち、ステンレス鋼を実施例1と同様にして電解脱脂した
後、室温の20%塩酸中で5A/dm2 、10秒間の条
件で陰極電解を行ない、次いで実施例1とほぼ同様にし
て所定時間黒色クロムめっきを行なった。
ち、ステンレス鋼を実施例1と同様にして電解脱脂した
後、室温の20%塩酸中で5A/dm2 、10秒間の条
件で陰極電解を行ない、次いで実施例1とほぼ同様にし
て所定時間黒色クロムめっきを行なった。
【0047】表10に結果を示す。なお、本比較例で
は、実施例1と同様にして黒色クロムめっき層の溶解を
はかる場合には、ステンレス鋼からのクロム溶解が起こ
って、黒色クロムめっき層に由来するクロム含有量を正
確に測定することができなかったので、黒色クロムめっ
き時間と吸収率および放射率との関係を示してある。
は、実施例1と同様にして黒色クロムめっき層の溶解を
はかる場合には、ステンレス鋼からのクロム溶解が起こ
って、黒色クロムめっき層に由来するクロム含有量を正
確に測定することができなかったので、黒色クロムめっ
き時間と吸収率および放射率との関係を示してある。
【0048】
【表10】
【0049】表10に示す結果から、ステンレス鋼上に
銅めっき層を形成しない場合には、放射率がかなり高く
なるので、吸収体として実用的でないことが明らかであ
る。 比較例2 銅めっき層を形成しない以外は実施例2とほぼ同様にし
てステンレス鋼上に順次ニッケルめっき層および黒色ク
ロムめっき層を形成した。
銅めっき層を形成しない場合には、放射率がかなり高く
なるので、吸収体として実用的でないことが明らかであ
る。 比較例2 銅めっき層を形成しない以外は実施例2とほぼ同様にし
てステンレス鋼上に順次ニッケルめっき層および黒色ク
ロムめっき層を形成した。
【0050】表11に黒色クロムめっき層の厚さと吸収
率および放射率との関係を示す。
率および放射率との関係を示す。
【0051】
【表11】
【0052】表11に示す結果から、銅めっき層を形成
しない場合には、放射率がかなり高くなり、やはり吸収
体として実用的でないことが明らかである。
しない場合には、放射率がかなり高くなり、やはり吸収
体として実用的でないことが明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 森河 務 奈良県香芝市上中1183−1−9−304 (56)参考文献 特開 平3−79957(JP,A) 特開 平1−256759(JP,A) 特開 昭61−104098(JP,A) 特開 昭59−31887(JP,A) 特開 昭58−151492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24J 2/48
Claims (2)
- 【請求項1】ステンレス鋼板上に厚さ0.05〜5μm
の銅メッキ層およびクロムとして15〜30mg/m2
の黒色クロムめっき層を順次設けた太陽熱吸収体。 - 【請求項2】ステンレス鋼板上にニッケルめっき層、厚
さ0.05〜5μmの銅めっき層およびクロムとして1
5〜30mg/m2 の黒色クロムめっき層を順次設けた
太陽熱吸収体。
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JP28913393A JP3194064B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 太陽熱吸収体 |
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-
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