JP6365249B2 - チューブ製造方法、インダイおよびチューブ製造装置 - Google Patents

チューブ製造方法、インダイおよびチューブ製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂製の医療用チューブを押出成形するチューブ製造方法、インダイおよびチューブ製造装置に関する。
被験者の体内から体液などの液体を吸引したり、被験者の体内に薬剤や栄養分などを供給したりする各種の医療用チューブが提供されている。医療用チューブの一例として、血液や漿膜腔液、消化液、膿液などの体液を吸引して体外に排出する医療用のドレーンチューブが提供されており、その製造方法や製造装置も各種が提案されている。
特許文献1には、ノズル装置の吐出口からチューブ用の樹脂材料を押し出すことにより、ドレーンチューブのうち体内に留置される一端部分と、体外に設置され排液バッグや排液ボトルなどに接続されて僅かに負圧に吸引される主部分との断面形状を相違させる製造方法が記載されている。特許文献1の発明においては、インダイが固定部材と複数の可動部材とで構成されており、樹脂材料の押し出しを継続しながらこれら複数の可動部材を並行して移動させることで、断面形状が長さ方向に次第に変化する移行部分を形成する。
固定部材は十字状の切れ込みおよび円形の凹穴が形成された太径の円柱状をなし、複数の可動部材のうち第2可動部材は固定部材に密着して嵌合するように十字状の羽根部が突出形成された細径の円柱状をなしている。第1可動部材は、固定部材の先端部の周囲に装着可能な円環状をなし、先端側に向かって突出する4本の爪部を備えている。この爪部をアウトダイの吐出口の内側に配置することで、押出成形されるドレーンチューブの内部には4個のルーメンが通孔形成される。
特許文献1における製造方法では、はじめに、インダイの固定部材を、その先端面がアウトダイの表面と一致するようにノズル本体内に固定し、第1可動部材をアウトダイの表面からテーパー部が突出するように配置する。このとき第2可動部材は、その最先端面がアウトダイの表面よりも後方に位置する状態に配置しておく。この状態においては、ドレーンチューブの周壁にスリット開口を有するチューブの先端部領域(一端部分)が押出成形される。
ついで、第1可動部材を後退する方向に移動させるとともに、これと並行して第2可動部材を前進する方向に移動させる。特許文献1の製造方法によれば、先端部領域(一端部分)においては、スリットが半径方向の外方から次第に消失して周壁が次第に肉厚に形成されることとなる。そしてさらに、主部分に至る移行部分では、連結壁が中心から次第に消失して中心孔が次第に大径になり、各ルーメンは互いに一つに連通する。これにより、主部分の開口面積が拡大するため、流体抵抗が低減されて体液を良好に吸引および排出することができるとされている。
特開2002−283433号公報
ドレーンチューブを被験者に留置するにあたっては、先端部領域を体腔内に挿置し、基端側を体外に引き出した状態で中間部を体壁表面に縫合糸等で縫い付けて固定することが一般的である。ドレーンチューブは長期間に亘って、たとえば創部が治癒するまで留置されて、体腔内から持続的に体液を吸引および排出する。吸引すべき体液が徐々に減ってきて細径のドレーンチューブで足りるようになった場合など種々の理由により、留置されているドレーンチューブを交換する場合がある。かかる場合、一般に以下のような手技が行われる。すなわち、まず体壁表面の近傍でドレーンチューブを切断してガイドワイヤをルーメンに挿入するとともに縫合糸等を切断し、このガイドワイヤに沿ってドレーンチューブを引き抜く。そして、新たなドレーンチューブをガイドワイヤに沿って体腔内に挿入して留置する。その後、当該新たなドレーンチューブを縫合糸等で体壁表面に縫い付けて固定し、そしてガイドワイヤを抜去する。
留置されているドレーンチューブにガイドワイヤを挿入するにあたっては、複数のルーメンのいずれかを選択して当該ルーメンにガイドワイヤを挿入することが求められる場合がある。たとえば、ドレーンチューブが備える複数のルーメンが、もっぱら先端側に開口しているエンドルーメンと、周壁にスリット開口が形成されたスリットルーメンとを含む場合には、エンドルーメンを選択してガイドワイヤを挿入することが求められる。これにより、ガイドワイヤの先端がスリット開口から側方に突出して被験者の体腔内壁と干渉することなく、先端開口から突出させることができる。
しかしながら、特許文献1の製造方法で作成されるドレーンチューブは、4つのルーメンのいずれにも先端領域にスリット開口が連通して形成されている。このため、ドレーンチューブの交換に先だって、スリット開口を有するルーメン(以下、スリットルーメンと呼称する)にガイドワイヤを挿入した際に、ガイドワイヤがいずれかのスリット開口から突出するおそれがある。ガイドワイヤがスリット開口から突出すると、ガイドワイヤが十分な深さで留置されず、またドレーンチューブの周囲の体腔内壁にガイドワイヤが不測に干渉することが問題となる。
しかしながら、特許文献1のドレーンチューブは、先端側の長さ領域に形成された4個のルーメンが中間の移行部分で1つに統合されているため、いずれかのルーメンを選択してガイドワイヤを挿入することができないという問題がある。すなわち、留置されたドレーンチューブを交換するにあたり、ドレーンチューブを切断する位置が移行部分よりも基端側であると、1つに統合されたルーメンにガイドワイヤを挿入することになる。このため、ドレーンチューブの先端側からガイドワイヤが突出してくるルーメンを所望に選択することができない。逆に、ドレーンチューブを切断する位置が移行部分よりも先端側になるように、移行部分を十分に基端側まで形成した場合には、流体抵抗を低減して体液を良好に吸引および排出することができなくなる。ドレーンチューブを切断する位置は被験者の体格や留置される深さ位置などにより種々に変化するため、かかる変化に対応すべく特許文献1のドレーンチューブにおいて移行部分を十分に基端側まで形成した場合には、4枚の隔壁が形成される長さ領域が大きくなるためである。
上記の問題は、ドレーンチューブに限らず、カテーテルなど被験者の体腔内に挿入して流体を流通させる医療チューブに共通する。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、流体を良好に流通させることが可能でありながら、交換作業時に所定のルーメンを選択してガイドワイヤを挿入することが可能な医療用チューブを容易に成形することが可能なチューブ製造方法、インダイおよびチューブ製造装置を提供するものである。
本発明によれば、長手方向に延在する周壁および複数の隔壁と、前記隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンと、が少なくとも一部の長さ領域に形成された樹脂製の医療用チューブを、複数の空隙部を介して互いに離間して配置された前記所定数の爪部を有するインダイを用いて押出成形するチューブ製造方法であって、溶融樹脂が押し出される吐出口の内側に配置された前記インダイの前記複数の前記空隙部を開放して前記溶融樹脂を前記インダイと接触させ、前記周壁、前記複数の前記隔壁および前記3以上の前記ルーメンを形成する第一の工程と、前記インダイにおける、前記複数のうち一部の前記空隙部を閉塞し他の前記空隙部を開放して前記溶融樹脂を前記インダイと接触させて、前記複数よりも少ない数の前記隔壁および前記3以上のうちの一部の前記ルーメンを形成し他の前記ルーメンを互いに連通させる第二の工程と、を前記溶融樹脂の押し出しを継続しながら相前後して行うことを特徴とするチューブ製造方法が提供される。
また、本発明によれば、隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンが少なくとも一部の長さ領域に通孔形成された樹脂製の医療用チューブを押出成形するチューブ製造装置の吐出口の内側に配置して用いられるインダイであって、空隙部を介して互いに離間して配置されて前記ルーメンを形成する前記所定数の爪部を有する第一部材と、前記第一部材に対して進退可能に設けられて前記空隙部に介挿される複数の突片部を有する第二部材と、を備え、前記第二部材は、進退方向の第一位置および前記第一位置よりも基端側の第二位置に、一以上の前記突片部が形成されており、かつ前記第一位置と前記第二位置とで形成されている前記突片部の数が異なることを特徴とするインダイが提供される。
また、本発明によれば、上記のインダイを備え、隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンが少なくとも一部の長さ領域に通孔形成された樹脂製の医療用チューブを押出成形するチューブ製造装置であって、溶融樹脂を吐出する吐出口を有するアウトダイと、前記インダイの前記第一部材と前記第二部材とを相対的に進退駆動して、少なくとも、前記第二部材の前記第一位置および前記第二位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部よりいずれも後退させた状態と、前記第二部材の前記第二位置の前記突片部を前記空隙部から後退させ、かつ前記第一位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部に介挿した状態と、に遷移させる第一駆動機構と、前記インダイと前記アウトダイとを相対的に進退駆動する第二駆動機構と、を備えるチューブ製造装置が提供される。
本発明のチューブ製造方法によれば、第一の工程では複数の隔壁および3以上のルーメンを形成し、溶融樹脂の押し出しを継続しながら相前後して行う第二の工程では一部の隔壁およびルーメンを形成して他のルーメンを互いに連通させる。また、本発明のインダイおよびチューブ製造装置によれば、第二部材の第一位置と第二位置とで突片部の数が異なるため、かかる第二部材と第一部材とを相対的に進退駆動して樹脂を押出成形することで、隔壁およびルーメンの数を増減させることができる。このため、本発明によれば、流体を良好に流通させることが可能でありながら、交換作業時に所定のルーメンを選択してガイドワイヤを挿入することが可能な医療用チューブを容易に成形することができる。
本発明の実施形態にかかるドレーンチューブの使用状態を説明する模式図である。 ドレーンチューブを長手方向に対して垂直に切断した横断面図であり、(a)から(e)は図1のA−A線断面からE−E線断面にそれぞれ対応する横断面図を示す。 チューブ製造装置を説明する側面断面図である。 インダイの第一部材の斜視図である。 (a)はインダイの第一部材の先端部の側面図であり、(b)は正面図である。 第一実施形態のインダイの第二部材の斜視図である。 (a)は第一実施形態のインダイの第二部材の側面図であり、(b)は下面図であり、(c)は正面図である。 (a)は基端領域形成工程において第二部材を前進させて第一部材から突出させた状態を示す斜視図であり、(b)は第二遷移領域形成工程において第二部材を第一部材の内部に後退させた状態を示す斜視図である。 (a)はスリット形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの先端部領域の断面形状である。 (a)は中間領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの中間領域の断面形状である。 (a)は第一製造方法の遷移領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの遷移領域の断面形状である。 (a)は基端領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの基端領域の断面形状である。 (a)は第二実施形態のインダイの第二部材の側面図であり、(b)は下面図であり、(c)は正面図である。 第二実施形態のインダイを用いた第二製造方法の製造工程を示す図であり、(a)は遷移領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの遷移領域の断面形状である。 第二製造方法の製造工程を示す図であり、(a)は基端領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの基端領域の断面形状である。 第三実施形態のインダイの第二部材の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。各図面において、対応する構成要素には共通の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。なお、本明細書では、各ルーメンの位置関係やインダイとアウトダイとの位置関係等を説明するにあたり、左右または上下の方向を規定する場合がある。しかし、これは構成要素の相対関係を説明するために便宜的に規定するものであり、本発明にかかる製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、本発明のチューブ製造方法を複数の工程に分けて説明する場合があるが、それらの記載の順番は複数の工程を実行する順番やタイミングを限定するものではない。
<医療用チューブ>
はじめに、本発明の実施形態にかかるチューブ製造方法(以下、本方法という場合がある)により作成される医療用チューブの概要について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる医療用チューブ60の使用状態を説明する模式図である。図2(a)から図2(e)は、医療用チューブ60を長手方向に対して垂直に切断した横断面図であり、図1のA−A線断面からE−E線断面にそれぞれ対応する横断面図を示している。
本実施形態の医療用チューブ60は、被験者Sの体腔BCに留置して用いられるドレーンチューブである。より具体的には、医療用チューブ60の少なくとも先端部領域L1が被験者Sの体腔BCに挿入され、基端PEは被験者Sの体外に引き出され、僅かに負圧に吸引される。これにより、医療用チューブ60を通じて、体腔BCの内部に存在する体液Fを吸引して体外に排出することができる。体液Fとしては、血液や漿膜腔液、消化液、膿液などを例示することができる。このほか医療用チューブ60としては、被験者Sの体外から薬液や栄養、造影剤などの種々の液体を注入するカテーテルを例示することができる。
図1に示すように、本実施形態の医療用チューブ60は先端DE側から順に、先端部領域L1、中間領域L2、遷移領域L3および基端領域L4に区分することができる。更に遷移領域L3は、先端部の第一遷移領域L31および基端部の第二遷移領域L32を有している。図2(a)は先端部領域L1の横断面図、図2(b)は中間領域L2の横断面図、図2(c)は遷移領域L3の先端部の第一遷移領域L31の横断面図、図2(d)は遷移領域L3の基端部の第二遷移領域L32の横断面図、図2(e)は基端領域L4の横断面図である。
医療用チューブ60の材質としては、軟質塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂など、医療用として使用されている合成樹脂材料を用いることができる。医療用チューブ60の全長は50〜2000mm程度とすることができる。周壁10の肉厚は0.1〜3.0mm程度で、周方向および長さ方向に均一とすることができる。
医療用チューブ60の中間領域L2は、被験者Sの体壁BWに設けられた穿刺孔PHに挿入され、そして体壁BWに固定して用いられる。医療用チューブ60を固定する方法は特に限定されないが、縫合糸62を用いて医療用チューブ60の周壁10を体壁BWに縫合するとよい。
図2(a)から図2(e)に示すように、医療用チューブ60の周壁10には放射線不透過性の造影ライン14が長さ方向に沿って直線的に配設されている。造影ライン14は、図2(a)から図2(d)に示すように、周壁10のうちエンドルーメン21に対応する位置に配設されている。造影ライン14を設けることで、エックス線などの放射線撮影下で医療用チューブ60の向きおよび先端DEの位置を確認することができる。
造影ライン14には、周壁10を構成する上記の合成樹脂材料に放射線不透過材料を混入した混合材料を用いることができる。放射線不透過材料としては、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、酸化ビスマス、タングステン、タングステンカーバイド、酸化ジルコニウム、タンタル、金、白金または銀を例示することができる。
第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cは、医療用チューブ60の横断面において放射状に形成されている。先端部領域L1および中間領域L2では、ルーメン(エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25)の全部が周壁10、第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cにより画成されている。以下、エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25を総称してルーメン20と表現する。
図2(a)に示す先端部領域L1および図2(b)に示す中間領域L2には、3以上(本実施形態では5個)のルーメン20が形成されている。ルーメン20は、一以上のエンドルーメン21と複数(本実施形態では4個)のスリットルーメン22〜25とを含む。ただし、ルーメン20の数量はこれに限られず、たとえばエンドルーメンを2個以上形成してもよく、スリットルーメンを2個、3個または5個以上形成してもよい。エンドルーメン21は、周壁10および第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)によって画成され、医療用チューブ60の先端DE側に開口している。エンドルーメン21が医療用チューブ60の先端DE側に開口しているとは、エンドルーメン21がスリット開口を有さず、もっぱら医療用チューブ60の先端DEに開口が形成されていることをいう。
スリットルーメン22〜25は、周壁10および第二の隔壁(第二隔壁32a〜32c)によって画成され、中間領域L2よりも先端DE側の先端部領域L1における周壁10に貫通形成されたスリット開口12a〜12dを備えている。スリットルーメン22〜25は互いに周方向に隣接している。スリットルーメン22〜25は、スリット開口12a〜12dが周壁10に貫通形成されているほか、図2(a)に示すように、医療用チューブ60の先端DE(図1参照)においても更に開口している。
遷移領域L3は、ルーメン20および隔壁の数が中間領域L2から変化する長さ領域である。遷移領域L3における先端側の第一遷移領域L31と基端側の第二遷移領域L32とでルーメン20および隔壁の数が更に変化している。
遷移領域L3の第一遷移領域L31では、複数(本実施形態では5個)のうち一部の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32b)および一以上のルーメン20(エンドルーメン21および統合ルーメン26・27)が形成され、他の一以上の隔壁(第二隔壁32aおよび32c)が非形成で、複数のルーメン20(スリットルーメン22と23、およびスリットルーメン24と25)の2個ずつが互いに連通して統合ルーメン26・27が形成されている。遷移領域L3の第二遷移領域L32では、複数(5個)のうち一部の隔壁(第一隔壁30a〜30b)および一以上のルーメン20(エンドルーメン21および統合ルーメン28が形成され、他の一以上の隔壁(第二隔壁32a〜32c)が非形成で、複数のルーメン20(スリットルーメン22〜25)の4個が互いに連通して統合ルーメン28が形成されている。以下、スリットルーメン同士が連通した統合ルーメン26〜28も、スリットルーメンと呼称する場合がある。
遷移領域L3における先端部(第一遷移領域L31)においては、図2(c)に示すように、第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)に対して径方向に対向する第二の隔壁(第二隔壁)である対向隔壁32bが形成され、かつ第一隔壁30a〜30bに対して周方向に隣接する他の第二隔壁である隣接隔壁32a、32cが非形成である。そして、遷移領域L3における基端部(第二遷移領域L32)では、図2(d)に示すように、対向隔壁32bおよび隣接隔壁32a、32cがともに非形成で3以上(本実施形態では4個)のスリットルーメン22〜25が互いに連通している。
これにより、医療用チューブ60の耐圧性は、中間領域L2において高く、第一遷移領域L31、第二遷移領域L32の順に徐々に低くなっている。このため、体外に引き出された医療用チューブ60が遷移領域L3においてキンクすることが防止されている。特に、中間領域L2と連続する第一遷移領域L31に対向隔壁32bを形成することで、医療用チューブ60は第一隔壁30a〜30bおよび対向隔壁32bによって径方向に高い剛性を保持することができる。このため、縫合糸62による締め付け力が中間領域L2から第一遷移領域L31に及んだ場合も、医療用チューブ60の潰れが防止される。
中間領域L2と遷移領域L3とに亘って、医療用チューブ60の開口面積は、先端DE側から基端PE側に向かって連続的または段階的に拡大している。これにより、吸引される体液F(図1参照)が医療用チューブ60の内部で過度に減速されることなく良好に吸引および排出される。段階的とは1段階以上であることを意味し、複数段階でもよい。
医療用チューブ60は、遷移領域L3よりも更に基端PE側に、第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)が非形成でエンドルーメン21および複数のスリットルーメン22〜25が互いに連通している基端領域L4を有している(図2(e)参照)。基端領域L4では、エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25の総てが統合されて単一ルーメン29が形成されている。
中間領域L2よりも遷移領域L3の方が長く形成されている。言い換えると、中間領域L2は遷移領域L3よりも短く形成されている。開口面積が小さい中間領域L2が短くなるため医療用チューブ60における圧力損失が軽減され、体液F(図1参照)の良好な吸引が可能になる。なお、ここでいう遷移領域L3の長さとは第一遷移領域L31と第二遷移領域L32とを合計した長さである。中間領域L2は、たとえば10mm以上かつ50mm以下とすることができる。
以上説明した本実施形態の医療用チューブ60は、長手方向に延在する周壁10および複数の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)と、これらの隔壁(符号略)で互いに隔てられた3以上の所定数(本実施形態では5個)のルーメン20(エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25)と、を備えている。医療用チューブ60は、中間領域L2と、この中間領域L2よりも基端側の長さ領域である遷移領域L3と、を有している。図2(b)に示す中間領域L2は、複数の隔壁(符号略)が形成されて3以上のルーメン20が画成された長さ領域である。遷移領域L3(第一遷移領域L31および第二遷移領域L32)は、複数のうち一部の隔壁(第一隔壁30a〜30b)および一以上のルーメン20(エンドルーメン21)が形成され、かつ複数のうち他の一以上の隔壁(第二隔壁32aおよび32c)が非形成で複数のルーメン20(スリットルーメン22〜25)が互いに連通している長さ領域である。
本実施形態の医療用チューブ60によれば、中間領域L2は第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cが形成されているため耐圧性が高い。そして、一部のルーメン20(エンドルーメン21)が医療用チューブ60の先端DE側に開口しており、このエンドルーメン21は先端部領域L1から中間領域L2を経て、少なくとも遷移領域L3に至るまで形成されている。このため、体外留置された遷移領域L3で医療用チューブ60を切断することで、エンドルーメン21の開口を容易に露出させることができる。このため、遷移領域L3で切断して現れるエンドルーメン21の開口にガイドワイヤ(図示せず)を挿入することで、医療用チューブ60の先端DEの開口までガイドワイヤを確実に案内することが可能である。
<チューブ製造方法およびチューブ製造装置>
図3はチューブ製造装置300を説明する側面断面図である。同図の左方を前方または先端側、同図の右方を後方または基端側と呼称する場合がある。便宜上、第一部材110および第二部材120の先端部、第一駆動機構310ならびに第二駆動機構320に関しては断面図ではなく側面図で表示している。図4はインダイ100の第一部材110の斜視図である。図5(a)はインダイ100の第一部材110の先端部の側面図であり、図4の矢印Aの方向に第一部材110を目視した状態を示す。図5(b)は第一部材110の正面図であり、図4の矢印Bの方向に第一部材110を目視した状態を示す。図6は第一実施形態のインダイ100の第二部材120の斜視図である。図7(a)は第一実施形態のインダイ100の第二部材120の側面図であり、図7(b)は下面図であり、図7(c)は正面図である。図8(a)は基端領域形成工程において第一実施形態の第二部材120を前進させて第一部材110から突出させた状態を示す斜視図である。図8(b)は第二遷移領域形成工程において第二部材120を第一部材110の内部に後退させた状態を示す斜視図である。
以下、医療用チューブ60の製造方法およびチューブ製造装置300について詳細に説明する。第一実施形態のインダイ100を用いて医療用チューブ60を作成する方法を「第一製造方法」と呼称する場合がある。第一製造方法は、上記の医療用チューブ60の少なくとも中間領域L2と遷移領域L3を、好ましくは先端部領域L1から基端領域L4までを、連続的に押出成形するものである。
医療用チューブ60の先端部領域L1を形成する工程をスリット形成工程、中間領域L2を形成する工程を中間領域形成工程、第一遷移領域L31を形成する工程を第一遷移領域形成工程、第二遷移領域L32を形成する工程を第二遷移領域形成工程、基端領域L4を形成する工程を基端領域形成工程と呼称し、第一遷移領域形成工程および第二遷移領域形成工程をあわせて遷移領域形成工程と呼称する。
第一製造方法は、樹脂製の医療用チューブ60を、インダイ100を用いて押出成形するチューブ製造方法である。医療用チューブ60には、上述したように、長手方向に延在する周壁10および複数の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)と、これらの隔壁(符号略)で互いに隔てられた3以上の所定数(本実施形態では5個)のルーメン20と、が少なくとも一部の長さ領域に形成されている。具体的には、先端部領域L1および中間領域L2に、5個のルーメン20(エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25)が形成されている。インダイ100(第一部材110)は、複数の空隙部114a〜114eを介して互いに離間して配置された上記所定数の爪部112a〜112eを有している(図4(b)参照)。
図3に示すように、チューブ製造装置300は、下記に詳述するインダイ100を備え、樹脂製の医療用チューブ60(図2各図参照)を押出成形する装置である。チューブ製造装置300は、溶融樹脂R1を吐出する吐出口202を有するアウトダイ200と、インダイ100の第一部材110と第二部材120とを相対的に進退駆動する第一駆動機構310と、インダイ100とアウトダイ200とを相対的に進退駆動する第二駆動機構320と、を備えている。
インダイ100は、図4に示す外筒状の第一部材110の内部に、図6に示すピン状の第二部材120を挿入して用いられる。図4に示すように、第二部材120は第一部材110よりも長尺に構成されている。第一駆動機構310は第二部材120をアウトダイ200に対して進退駆動し、第二駆動機構320は第一部材110をアウトダイ200に対して進退駆動する。すなわち、第二駆動機構320を固定した状態で第一駆動機構310を駆動することで、第二部材120は第一部材110に対して進退駆動される。そして、第一駆動機構310および第二駆動機構320をともに駆動することで、第一部材110と第二部材120とを相対的に固定した状態で、インダイ100をアウトダイ200に対して相対的に進退駆動することができる。第一駆動機構310および第二駆動機構320には、それぞれ油圧装置など直線的に動作するリニア駆動機器が用いられる。
インダイ100は吐出口202に対して進退可能に設けられている。すなわち、インダイ100の第一部材110または第二部材120の少なくとも一方が、吐出口202に対して相対的に前後方向に移動可能である。
第一部材110と第二部材120とを相対的に進退駆動することで、図2(b)から図2(e)に示したように、医療用チューブ60に形成される第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cの数を段階的に変化させることができる。また、第一部材110および第二部材120をアウトダイ200に対して進退駆動することで、図2(a)に示したように医療用チューブ60の周壁10にスリット開口12a〜12dを形成することができる。
図3に示すように、アウトダイ200はチューブ製造装置300の前方に配設されている。アウトダイ200の中心には円形の吐出口202が貫通形成されている。インダイ100の先端部は吐出口202の内側に配置される。なお、吐出口202の内側とは、アウトダイ200の正面視における吐出口202の内側を意味し、インダイ100の先端部が吐出口202よりも前方に突出している状態や吐出口202から後方に後退している状態も含む。
チューブ製造装置300は、アウトダイ200の後方に設置されてインダイ100の先端部を挿通するガイド220を更に備えている。ガイド220は、吐出口202に向かって突出する円錐台形状をなしている。ガイド220には、第一部材110の先端部を挿通する円形のガイド開口222(図8(a)および図8(b)参照)が形成されている。ガイド220の前面221とチューブ製造装置300との間に樹脂供給路230が形成されている。樹脂供給路230には、医療用チューブ60の周壁10および隔壁(第一隔壁30a〜30b、第二隔壁32a〜32c)を作成するための樹脂材料が、押出機214から溶融状態で供給される。かかる溶融樹脂R1は、ガイド220の前面221に沿って吐出口202に向かって流動し、ガイド220から突出するインダイ100の先端部に接触してインダイ100と相補的な形状となって吐出口202から吐出される。
チューブ製造装置300は、樹脂供給路230と異なる第二樹脂供給路232を備えている。第二樹脂供給路232には、放射線不透過性の造影剤が配合された第二の樹脂材料R2が、第二の押出機216から溶融状態で供給される。かかる第二の樹脂材料R2により造影ライン14(図2各図参照)が形成される。第二樹脂供給路232は、アウトダイ200の背面側に形成された樹脂流路212に接続されている。
つぎに、インダイ100について詳細に説明する。
図4に示すように、インダイ100の第一部材110は筒状の胴部118の先端部に爪部112a〜112eが突出して一体形成されている。胴部118の基端側にはフランジ部119が形成されている。フランジ部119は第二駆動機構320(図3参照)に連結されて進退駆動される。
インダイ100は、樹脂製の医療用チューブ60を押出成形するチューブ製造装置300の吐出口202の内側に配置して用いられる。医療用チューブ60には、上述したように、隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)で互いに隔てられた3以上の所定数(本実施形態では5個)のルーメン20が少なくとも一部の長さ領域に通孔形成されている。
インダイ100は、第一部材110と第二部材120とを備えている。図5(b)に示すように、第一部材110は、空隙部114a〜114eを介して互いに離間して配置されてルーメン20を形成する上記所定数(本実施形態では5個)の爪部112a〜112eを有している。爪部112aは医療用チューブ60におけるエンドルーメン21を形成する部位であり、爪部112b〜112eは医療用チューブ60におけるスリットルーメン22〜25をそれぞれ形成する部位である。
インダイ100は、吐出口202(図3参照)に対して進退可能に設けられている。第一部材110は、上記所定数(5個)のうちの一部の爪部112b〜112eの外面に突出形成された外側突起部116a〜116dを有している。外側突起部116a〜116dは、医療用チューブ60の周壁10にスリット開口12a〜12dを形成する部位である。なお、爪部112aの外面には、外側突起部は非形成である。
外側突起部116a〜116dは爪部112b〜112eに対し、図4(b)に示す正面視で一部の周長にそれぞれ形成されている。これにより、爪部112b〜112eに溶融樹脂R1を接触させて吐出口202より吐出することで、医療用チューブ60のスリットルーメン22〜25には、周壁10の一部が切り欠かれたスリット開口12a〜12dがそれぞれ形成される(図2(a)参照)。
図6に示すインダイ100の第二部材120は円柱状の摺動部124を有している。摺動部124は第一部材110の胴部118に摺動自在に挿入される。突片部122a〜122eは、摺動部124の先端側に突出して一体形成されている。摺動部124の後端にはフランジ部125が形成されている。フランジ部125は第一駆動機構310(図3参照)に連結されて進退駆動される。
インダイ100の第二部材120は、第一部材110に対して進退可能に設けられ、空隙部114a〜114eに介挿される複数(5個)の突片部122a〜122eを有している。第二部材120には、進退方向の第一位置P1、およびこの第一位置P1よりも基端側の第二位置P2に、一以上の突片部122a〜122eが形成されている。そして、第一位置P1と第二位置P2とで、形成されている突片部(符号略)の数が異なっている。
具体的には、図7(a)から図7(c)に示すように、第二部材120の第二位置P2には上記所定数(5個)の突片部122a〜122eが形成されており、第一位置P1には上記所定数よりも少ない数(3個)の突片部122c〜122eが形成されている。
突片部122a〜122bは、図2(a)および図2(b)に示す医療用チューブ60における第一隔壁30a〜30bをそれぞれ形成するための部位である。突片部122c〜122eは、医療用チューブ60における第二隔壁32a〜32cをそれぞれ形成するための部位である。
突片部122a〜122eは、第二部材120の軸心から放射方向に突出しかつ軸心方向に沿って延在する板状に形成されている。第二部材120は、第一位置P1と第二位置P2とに亘って軸心方向に延在する一の長い突片部122c〜122eと、第一位置P1と第二位置P2との間で終端する他の短い突片部122a〜122bと、を有している。
上記他の突片部122a〜122bは、第二部材120の周方向に互いに隣接している複数の突片部(以下、「隣接突片部」と呼称する場合がある)を含む。本実施形態のインダイ100においては、第一位置P1と第二位置P2との間で終端するのは隣接突片部122a〜122bのみである。ただし、後述する第三実施形態のように、これらの隣接突片部122a〜122bに加えて、更に他の突片部122dも、第一位置P1と第二位置P2との間で終端していてよい。
図8(a)および図8(b)に示すように、外側突起部が非形成の爪部112aを挟むようにして、第二部材120の隣接突片部122a〜122bを第一部材110の空隙部114a〜114bに介挿する。
なお、上記の説明では第二部材120の先端側の第一位置P1に形成された突片部122c〜122eの数(3個)を、基端側の第二位置P2に形成された隣接突片部122a〜122bの数(5個)よりも少なくすることを例示したが、第一製造方法を実現するにあたっては、これに限定されない。第二部材120の変形例として、第二部材120の先端側の第一位置P1に所定数(5個)の突片部122a〜122eを形成し、基端側の第二位置P2にこれよりも少ない数(3個)の突片部122c〜122eを形成してもよい。すなわち、突片部122a〜122bを、第二位置P2よりも先端側にのみ形成してもよい。
以下、図9から図12を参照して第一製造方法を更に詳細に説明する。以下の説明において、中間領域形成工程を第一の工程、遷移領域形成工程を第二の工程、基端領域形成工程を第三の工程、そしてスリット形成工程を第四の工程、と呼称する場合がある。以下の説明では、スリット形成工程(第四の工程)、中間領域形成工程(第一の工程)、遷移領域形成工程(第二の工程)および基端領域形成工程(第三の工程)の順に行うことを例示するが、これらの工程を逆順に行ってもよい。
第一製造方法では、遷移領域L3として図2(d)に示す第二遷移領域L32を形成することを例示する。すなわち、第一製造方法では、第一遷移領域L31(図2(c)参照)を形成せず、図2(b)に示す中間領域L2に続けて図2(d)に示す第二遷移領域L32を形成する。第一遷移領域L31を形成する方法は、第二実施形態にて後述する(図13から図15参照)。
すなわち、第一製造方法の中間領域形成工程(第一の工程)では、第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)、第二の隔壁(第二隔壁32a〜32c)、エンドルーメン21および複数(本実施形態では4個)のスリットルーメン22〜25を形成する(図2(b)参照)。そして遷移領域形成工程(第二の工程)では、第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)およびエンドルーメン21を形成するとともに、第二の隔壁(第二隔壁32a〜32c)の一部または全部(本実施形態では全部)を非形成として、上記複数(4個)よりも少ない数(1個)のスリットルーメンを形成する。
図3に示す第一駆動機構310は、上記のようにインダイ100の第一部材110と第二部材120とを相対的に進退駆動して、チューブ製造装置300を少なくとも以下の第一状態と第二状態とに遷移させる。
第一状態は、第二部材120の先端側の第一位置P1の突片部122c〜122eおよび基端側の第二位置P2の突片部122a〜122eを、第一部材110の空隙部114a〜114eよりいずれも後退させた状態である。
第二状態は、第二部材120の第二位置P2の突片部122a〜122eを空隙部114a〜114eから後退させ、かつ第一位置P1の突片部122c〜122eを第一部材110の空隙部114c〜114eに介挿した状態である。
第一状態では、突片部122a〜122eが後退して空隙部114a〜114eが開放されることで、溶融樹脂R1が空隙部114a〜114eに入り込み、これらと相補的な形状の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)が成形される。これにより、体壁BW(図1参照)に固定される耐圧性の高い中間領域L2(体表固定領域)が成形される。
また、第二状態では、先端側の突片部122c〜122eのみを空隙部114c〜114eに介挿し、空隙部114a〜114bが開放されることで、溶融樹脂R1が空隙部114a〜114bに入り込み、これらと相補的な形状の第一隔壁30a〜30bが成形される。これにより、エンドルーメン21が形成されるとともに開口面積が中間領域L2よりも拡大した遷移領域L3が成形される。
アウトダイ200は、隣接突片部(突片部122a〜122b)で挟まれる爪部112aに対応する位置に、造影剤が配合された樹脂材料R2を供給するための樹脂流路212を備えている。樹脂流路212には第二樹脂供給路232が接続されており、放射線不透過性の造影剤が配合された第二の樹脂材料R2が第二の押出機216から溶融状態で供給される。これにより、造影ライン14がエンドルーメン21に対応する位置に形成される(図2(a)から図2(d)参照)。
図9(a)〜図9(c)はスリット形成工程を説明する図であり、図9(a)はインダイ100の横断面図である。インダイ100の横断面とはアウトダイ200の吐出口202において第一部材110および第二部材120を切断した横断面をいい、図10(a)〜図12(a)および後述する図14(a)〜図15(a)に関しても同様とする。図9(b)はチューブ製造装置300の部分断面図である。便宜上、第一部材110および第二部材120の先端部に関しては断面図ではなく側面図で表示しており、図10(b)〜図12(b)および後述する図14(b)〜図15(b)に関しても同様とする。図9(c)は成形される医療用チューブ60の先端部領域L1の断面形状である。
上述したように、インダイ100の第一部材110は、所定数(本実施形態では5個)のうちの一部の爪部112b〜112eの外面に突出形成された外側突起部116a〜116dを有している。
スリット形成工程(第四の工程)では、第一部材110を吐出口202に向けて前進させて医療用チューブ60の周壁10にスリット開口12a〜12dを形成する。第四の工程、第一の工程および第二の工程を、この順でまたは逆順で行うとよい。
これにより、吐出口202におけるインダイ100の横断面には、図9(a)に示すように爪部112a〜112eおよび外側突起部116a〜116dが現れる。そして、スリット形成工程で作成される先端部領域L1には、スリットルーメン22〜25の周壁10にスリット開口12a〜12dが形成される。
このとき、アウトダイ200の樹脂流路212に第二の押出機216(図3参照)から第二の樹脂材料R2を供給する。これにより、医療用チューブ60の周壁10とともに造影ライン14が形成される。以下、基端領域形成工程まで造影ライン14を連続的に形成する。
図10(a)〜図10(c)は中間領域形成工程を説明する図であり、図10(a)はインダイ100の横断面図、図10(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図10(c)は成形される医療用チューブ60の中間領域L2の断面形状である。
中間領域形成工程(第一の工程)は、外側突起部116a〜116dがガイド220の先端部よりも後方に位置するように、スリット形成工程よりも第一部材110を後退させて行う。そして、溶融樹脂R1が押し出される吐出口202の内側に配置されたインダイ100の複数の空隙部114a〜114eを開放して溶融樹脂R1をインダイ100と接触させる。本実施形態では空隙部114a〜114eの全部を開放する。これにより、周壁10、複数の隔壁(本実施形態では第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cの5個)および上記3以上のルーメン20が形成する。形成された中間領域L2が作成される。そして、中間領域L2のスリットルーメン22〜25にはスリット開口12a〜12d(図9(c)参照)は形成されておらず、周回状の周壁10が形成される。
すなわち、中間領域形成工程(第一の工程)では、第二部材120の第一位置P1の突片部122c〜122eおよび第二位置P2の突片部122a〜122eを、第一部材110の空隙部114a〜114eよりいずれも後退させて複数の空隙部114a〜114eを開放する。
図11(a)〜図11(c)は遷移領域形成工程(第二遷移領域形成工程)を説明する図であり、図11(a)はインダイ100の横断面図、図11(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図11(c)は成形される医療用チューブ60の遷移領域L3(第二遷移領域L32)の断面形状である。
遷移領域形成工程(第二の工程)では、第一部材110を吐出口202に対して固定した状態で、図10に示した中間領域形成工程よりも第二部材120を僅かに前進させる。そして、第二部材120の第二位置P2の突片部122a〜122eを空隙部114a〜114eから後退させ、第一位置P1の突片部122c〜122eを第一部材110の空隙部114c〜114eに介挿して、複数のうちこれらの一部の空隙部114c〜114eを閉塞し、他の空隙部114a〜114bを開放する。
遷移領域形成工程(第二の工程)では、インダイ100における複数(5個)のうち一部の空隙部114c〜114eを閉塞し、他の空隙部114a〜114bを開放して溶融樹脂R1をインダイ100と接触させる。これにより、上記複数(5個)よりも少ない数(2個)の第一隔壁30a〜30bおよび上記3以上のうちの一部のルーメン20(エンドルーメン21)を形成する。そして、他のルーメン20(スリットルーメン22〜25)を互いに連通させる。具体的には、スリットルーメン22〜25は互いに連通して統合ルーメン28となる。
中間領域形成工程(第一の工程)と遷移領域形成工程(第二の工程)とは、溶融樹脂R1の押し出しを継続しながら相前後して行う。これにより、医療用チューブ60において中間領域L2と遷移領域L3(第一製造方法では第二遷移領域L32)とを連続的に形成することができる。
図12(a)〜図12(c)は基端領域形成工程を説明する図であり、図12(a)はインダイ100の横断面図、図12(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図12(c)は成形される医療用チューブ60の基端領域L4の断面形状である。
基端領域形成工程(第三の工程)では、第一部材110を吐出口202に対して固定した状態で、図11に示した遷移領域形成工程よりも第二部材120を更に前進させる。全工程中、第二部材120は第一部材110に対して相対的に最も前進した位置をとる。第二部材120の第二位置P2の突片部122a〜122e(図6参照)を第一部材110の空隙部114a〜114e(図10(a)参照)に介挿し、複数(本実施形態では5個全部)の空隙部114a〜114eを閉塞して溶融樹脂R1をインダイ100と接触させる。これにより、第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cが非形成となる。具体的には、基端領域L4には、エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25が総て連通して単一ルーメン29が形成される。
すなわち、第一製造方法は第三の工程(基端領域形成工程)を更に含み、第四の工程・第一の工程・第二の工程・第三の工程の順に行うか、または第三の工程・第二の工程・第一の工程・第四の工程の順に行う。
以上説明した第一製造方法によれば、先端部領域L1から基端領域L4が連続的に形成された医療用チューブ60が作成される。
上記のインダイ100およびチューブ製造装置300においては、第二部材120における進退方向の第一位置P1と第二位置P2とで、形成されている突片部122a〜122eの数が異なっている。このため、第二部材120と第一部材110との相対的な進退位置を調整することで、押出成形される医療用チューブ60の少なくとも一部の長さ領域(中間領域L2および遷移領域L3)において、周壁10と第一隔壁30a〜30bで囲まれたエンドルーメン21を連続的に形成しながら、その長さ領域の途中で他のルーメン(スリットルーメン22〜25)の第二隔壁32a〜32cを消失させてルーメン数を減少させることができる。これにより、遷移領域L3において医療用チューブ60の開口面積を大きくすることができる。
以下、図13から図15を参照して、第二実施形態のインダイ100、およびかかるインダイ100を用いて医療用チューブ60を作成する第二製造方法について説明する。第二製造方法もまた、医療用チューブ60の少なくとも中間領域L2と遷移領域L3を、好ましくは先端部領域L1から基端領域L4までを、連続的に押出成形するものである。
第二製造方法では、遷移領域L3として図2(c)に示す第一遷移領域L31を形成することを例示する。すなわち、第二製造方法では、第二遷移領域L32(図2(d)参照)を形成せず、図2(b)に示す中間領域L2に続けて図2(c)に示す第一遷移領域L31を形成する。第一遷移領域L31および第二遷移領域L32をともに形成する方法は、第三実施形態にて後述する(図16参照)。
第二製造方法におけるスリット形成工程(第四の工程)および中間領域形成工程(第一の工程)は、第一製造方法と共通する。第一製造方法と重複する説明は適宜省略する。
図13(a)は、第二実施形態のインダイ100の第二部材120の側面図であり、図13(b)は下面図であり、図13(c)は正面図である。
図14は第二実施形態のインダイ100を用いた第二製造方法の製造工程を示す図である。図14(a)は遷移領域形成工程(第一遷移領域形成工程)におけるインダイ100の横断面図、図14(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図14(c)は成形される医療用チューブ60の遷移領域L3(第一遷移領域L31)の断面形状である。図15は、第二製造方法の製造工程を示す図である。図15(a)は基端領域形成工程におけるインダイ100の横断面図、図15(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図15(c)は成形される医療用チューブ60の基端領域L4の断面形状である。
遷移領域形成工程(第二の工程)では、第一部材110を吐出口202に対して固定した状態で、図10に示した中間領域形成工程よりも第二部材120を僅かに前進させる。第二部材120の第一位置P1に形成された最先端の突片部122c・122e(図13参照)を吐出口202よりも突出させ、他の突片部122a〜122b・122dを吐出口202よりも後退させた位置とする。
遷移領域形成工程(第二の工程)では、インダイ100における複数(5個)のうち一部の空隙部114c・114e(図10(a)参照)を閉塞し、他の空隙部114a〜114b・114d(図10(a)参照)を開放して溶融樹脂R1をインダイ100と接触させる。これにより、上記複数(5個)よりも少ない数(3個)の隔壁(符号略)および上記3以上(5個)のうちの一部のルーメン20(エンドルーメン21)を形成し、他のルーメン20(スリットルーメン22〜25)を互いに連通させる。具体的には、スリットルーメン22および23は互いに連通して統合ルーメン26となり、スリットルーメン24および25は互いに連通して統合ルーメン27となる。
中間領域形成工程(第一の工程)と遷移領域形成工程(第二の工程)とは、溶融樹脂R1の押し出しを継続しながら相前後して行う。これにより、第二製造方法によっても、医療用チューブ60において中間領域L2と遷移領域L3(第一遷移領域L31)とを連続的に形成することができる。
以下、第三実施形態のインダイ100について説明する。図16は、第三実施形態のインダイ100の第二部材120の斜視図である。
第三実施形態の第二部材120は、進退方向における第一位置P1と第二位置P2との間の第三位置P3に、第二位置P2における突片部122a〜122eの数よりも少なく第一位置P1における突片部122c・122eの数よりも多い数の突片部122a・122b・122dが形成されている点で第一および第二実施形態の第二部材120と相違する(図7および図13参照)。
第三位置P3には、第二位置P2における突片部122a〜122eの数(5個)よりも少なく、第一位置P1における突片部122c・122eの数(2個)よりも多い数(3個)の突片部122c〜122eが形成されている。
第三位置P3に形成された突片部は、隣接突片部122a〜122bと、当該隣接突片部122a〜122bに対して第二部材120の径方向に対向する突片部122dと、を含んでいる。
第三実施形態のインダイ100を用いて医療用チューブ60を作成する第三製造方法について説明する。第三製造方法では、遷移領域L3として図2(c)に示す第一遷移領域L31および図2(d)に示す第二遷移領域L32を形成する。すなわち第三製造方法では、スリット形成工程、中間領域形成工程、第一遷移領域形成工程、第二遷移領域形成工程および基端領域形成工程を、この順番または逆順で連続的に行う。
第三製造方法では、第一部材110の空隙部114a〜114eに対して第二部材120の進退位置を連続的に変化させることで、隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)の数を5個から3個、2個そして1個へと、この順番または逆順に連続的に変化させることができる。
第三製造方法のスリット形成工程(第四の工程)は第一製造方法と共通する。第一製造方法または第二製造方法と重複する説明は適宜省略する。
第三製造方法の中間領域形成工程では、図10に示した第一製造方法と同様に、第二部材120の第一位置P1から第三位置P3に形成された突片部122a〜122eをガイド220の先端部よりも後退させ、溶融樹脂R1を第一部材110の空隙部114a〜114eと接触させて5個の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)を形成する。これにより、5個のルーメン20(エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25)が形成される。
第三製造方法の第一遷移領域形成工程では、図14に示した第二製造方法と同様に、第二部材120の第一位置P1に形成された突片部122c・122eを空隙部114c・114eに介挿し、他の空隙部114a〜114b・114dを開放して溶融樹脂R1と接触させる。これにより、3個の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32b)および3個のルーメン20(エンドルーメン21および統合ルーメン26・27)が形成される。
第三製造方法の第二遷移領域形成工程では、第二部材120の第三位置P3に形成された突片部122c〜122eを空隙部114c〜114eに介挿し、他の空隙部114a〜114bを開放して溶融樹脂R1と接触させる。これにより、2個の隔壁(第一隔壁30a〜30b)および2個のルーメン20(エンドルーメン21および統合ルーメン28)が形成される。
第三製造方法の基端形成工程では、図12に示した第一製造方法と同様に、第二部材120の第二位置P2に形成された突片部122a〜122eの全部を空隙部114a〜114eに介挿して溶融樹脂R1と接触させる。これにより、隔壁は形成されず、単一ルーメン29が形成される。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
なお、本発明のインダイ100およびチューブ製造装置300の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)長手方向に延在する周壁および複数の隔壁と、前記隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンと、が少なくとも一部の長さ領域に形成された樹脂製の医療用チューブを、複数の空隙部を介して互いに離間して配置された前記所定数の爪部を有するインダイを用いて押出成形するチューブ製造方法であって、溶融樹脂が押し出される吐出口の内側に配置された前記インダイの前記複数の前記空隙部を開放して前記溶融樹脂を前記インダイと接触させ、前記周壁、前記複数の前記隔壁および前記3以上の前記ルーメンを形成する第一の工程と、前記インダイにおける、前記複数のうち一部の前記空隙部を閉塞し他の前記空隙部を開放して前記溶融樹脂を前記インダイと接触させて、前記複数よりも少ない数の前記隔壁および前記3以上のうちの一部の前記ルーメンを形成し他の前記ルーメンを互いに連通させる第二の工程と、を前記溶融樹脂の押し出しを継続しながら相前後して行うことを特徴とするチューブ製造方法。
(2)前記ルーメンは、前記周壁および第一の前記隔壁によって画成されて先端側に開口している一以上のエンドルーメンと、先端部領域における前記周壁に貫通形成されたスリット開口をそれぞれ備え第二の前記隔壁で隔てられて互いに周方向に隣接している複数のスリットルーメンと、を含み、前記第一の工程で、第一の前記隔壁、第二の前記隔壁、前記エンドルーメンおよび前記複数の前記スリットルーメンを形成し、前記第二の工程で、第一の前記隔壁および前記エンドルーメンを形成するとともに、第二の前記隔壁の一部または全部を非形成として前記複数よりも少ない数の前記スリットルーメンを形成する上記(1)に記載のチューブ製造方法。
(3)前記インダイが、前記所定数の前記爪部を有する第一部材と、前記第一部材に対して進退可能に設けられて前記空隙部に介挿される複数の突片部を有する第二部材と、を備え、前記第二部材は、進退方向の第一位置および前記第一位置よりも基端側の第二位置に、一以上の前記突片部が形成されており、かつ前記第一位置には前記第二位置よりも少ない数の前記突片部が形成されており、前記第一の工程で、前記第二部材の前記第一位置および前記第二位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部よりいずれも後退させて前記複数の前記空隙部を開放し、前記第二の工程で、前記第二部材の前記第二位置の前記突片部を前記空隙部から後退させ、かつ前記第一位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部に介挿して、前記複数のうち一部の前記空隙部を閉塞し他の前記空隙部を開放することを特徴とする上記(2)に記載のチューブ製造方法。
(4)前記第二部材の前記第二位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部に介挿し前記複数の前記空隙部を閉塞して前記溶融樹脂を前記インダイと接触させて、第一の前記隔壁および第二の前記隔壁を非形成とする第三の工程を更に含み、前記第一の工程、前記第二の工程および前記第三の工程を、この順でまたは逆順で行うことを特徴とする上記(3)に記載のチューブ製造方法。
(5)前記第一部材は、前記所定数のうちの一部の前記爪部の外面に突出形成された外側突起部を有し、前記チューブ製造方法は、前記第一部材を前記吐出口に向けて前進させて前記医療用チューブの前記周壁に前記スリット開口を形成する第四の工程を更に含み、前記第四の工程、前記第一の工程および前記第二の工程を、この順でまたは逆順で行うことを特徴とする上記(3)または(4)に記載のチューブ製造方法。
(6)隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンが少なくとも一部の長さ領域に通孔形成された樹脂製の医療用チューブを押出成形するチューブ製造装置の吐出口の内側に配置して用いられるインダイであって、空隙部を介して互いに離間して配置されて前記ルーメンを形成する前記所定数の爪部を有する第一部材と、前記第一部材に対して進退可能に設けられて前記空隙部に介挿される複数の突片部を有する第二部材と、を備え、前記第二部材は、進退方向の第一位置および前記第一位置よりも基端側の第二位置に、一以上の前記突片部が形成されており、かつ前記第一位置と前記第二位置とで形成されている前記突片部の数が異なることを特徴とするインダイ。
(7)前記第二部材の前記第二位置に前記所定数の前記突片部が形成されており、前記第一位置に前記所定数よりも少ない数の前記突片部が形成されている上記(6)に記載のインダイ。
(8)前記突片部が、前記第二部材の軸心から放射方向に突出しかつ軸心方向に沿って延在する板状に形成されており、前記第二部材は、前記第一位置と前記第二位置とに亘って前記軸心方向に延在する一の前記突片部と、前記第一位置と前記第二位置との間で終端する他の前記突片部と、を有する上記(7)に記載のインダイ。
(9)前記他の前記突片部が、前記第二部材の周方向に互いに隣接する複数の隣接突片部を含む上記(8)に記載のインダイ。
(10)前記第二部材は、進退方向における前記第一位置と前記第二位置との間の第三位置に、前記第二位置における前記突片部の数よりも少なく前記第一位置における前記突片部の数よりも多い数の前記突片部が形成されている上記(7)から(9)のいずれか一項に記載のインダイ。
(11)前記吐出口に対して進退可能に設けられている上記(6)から(10)のいずれか一項に記載のインダイであって、前記第一部材が、前記所定数のうちの一部の前記爪部の外面に突出形成されて前記医療用チューブの周壁にスリット開口を形成する外側突起部を有することを特徴とするインダイ。
(12)前記外側突起部が非形成の前記爪部を挟むようにして、前記第二部材の前記隣接突片部が前記第一部材の前記空隙部に介挿されている、上記(9)に従属する上記(11)に記載のインダイ。
(13)上記(6)から(12)のいずれか一項に記載のインダイを備え、隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンが少なくとも一部の長さ領域に通孔形成された樹脂製の医療用チューブを押出成形するチューブ製造装置であって、溶融樹脂を吐出する吐出口を有するアウトダイと、前記インダイの前記第一部材と前記第二部材とを相対的に進退駆動して、少なくとも、前記第二部材の前記第一位置および前記第二位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部よりいずれも後退させた状態と、前記第二部材の前記第二位置の前記突片部を前記空隙部から後退させ、かつ前記第一位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部に介挿した状態と、に遷移させる第一駆動機構と、前記インダイと前記アウトダイとを相対的に進退駆動する第二駆動機構と、を備えるチューブ製造装置。
(14)前記アウトダイが、前記隣接突片部で挟まれる前記爪部に対応する位置に造影剤が配合された樹脂材料を供給するための樹脂流路を備える、上記(9)に記載のインダイを備える上記(13)に記載のチューブ製造装置。
10 周壁
12a〜12d スリット開口
14 造影ライン
20 ルーメン
21 エンドルーメン
22〜25 スリットルーメン
26〜28 統合ルーメン
29 単一ルーメン
30a〜30b 第一隔壁
32a〜32c 第二隔壁(隣接隔壁)
32b 第二隔壁(対向隔壁)
60 医療用チューブ
62 縫合糸
100 インダイ
110 第一部材
112a〜112e 爪部
114a〜114e 空隙部
116a〜116d 外側突起部
118 胴部
119 フランジ部
120 第二部材
122a〜122b 突片部(隣接突片部)
122c〜122e 突片部
124 摺動部
125 フランジ部
200 アウトダイ
202 吐出口
212 樹脂流路
214 押出機
216 第二の押出機
220 ガイド
221 前面
222 ガイド開口
230 樹脂供給路
232 第二樹脂供給路
300 チューブ製造装置
310 第一駆動機構
320 第二駆動機構
S 被験者
F 体液
BC 体腔
BW 体壁
PH 穿刺孔
DE 先端
PE 基端
L1 先端部領域
L2 中間領域
L3 遷移領域
L31 第一遷移領域
L32 第二遷移領域
L4 基端領域
P1 第一位置
P2 第二位置
P3 第三位置
R1 溶融樹脂
R2 第二の樹脂材料

Claims (14)

  1. 長手方向に延在する周壁および複数の隔壁と、前記隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンと、が少なくとも一部の長さ領域に形成された樹脂製の医療用チューブを、複数の空隙部を介して互いに離間して配置された前記所定数の爪部を有するインダイを用いて押出成形するチューブ製造方法であって、
    溶融樹脂が押し出される吐出口の内側に配置された前記インダイの前記複数の前記空隙部を開放して前記溶融樹脂を前記インダイと接触させ、前記周壁、前記複数の前記隔壁および前記3以上の前記ルーメンを形成する第一の工程と、
    前記インダイにおける、前記複数のうち一部の前記空隙部を閉塞し他の前記空隙部を開放して前記溶融樹脂を前記インダイと接触させて、前記複数よりも少ない数の前記隔壁および前記3以上のうちの一部の前記ルーメンを形成し他の前記ルーメンを互いに連通させる第二の工程と、を前記溶融樹脂の押し出しを継続しながら相前後して行うことを特徴とするチューブ製造方法。
  2. 前記ルーメンは、前記周壁および第一の前記隔壁によって画成されて先端側に開口している一以上のエンドルーメンと、先端部領域における前記周壁に貫通形成されたスリット開口をそれぞれ備え第二の前記隔壁で隔てられて互いに周方向に隣接している複数のスリットルーメンと、を含み、
    前記第一の工程で、第一の前記隔壁、第二の前記隔壁、前記エンドルーメンおよび前記複数の前記スリットルーメンを形成し、
    前記第二の工程で、第一の前記隔壁および前記エンドルーメンを形成するとともに、第二の前記隔壁の一部または全部を非形成として前記複数よりも少ない数の前記スリットルーメンを形成する請求項1に記載のチューブ製造方法。
  3. 前記インダイが、前記所定数の前記爪部を有する第一部材と、前記第一部材に対して進退可能に設けられて前記空隙部に介挿される複数の突片部を有する第二部材と、を備え、
    前記第二部材は、進退方向の第一位置および前記第一位置よりも基端側の第二位置に、一以上の前記突片部が形成されており、かつ前記第一位置には前記第二位置よりも少ない数の前記突片部が形成されており、
    前記第一の工程で、前記第二部材の前記第一位置および前記第二位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部よりいずれも後退させて前記複数の前記空隙部を開放し、
    前記第二の工程で、前記第二部材の前記第二位置の前記突片部を前記空隙部から後退させ、かつ前記第一位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部に介挿して、前記複数のうち一部の前記空隙部を閉塞し他の前記空隙部を開放することを特徴とする請求項2に記載のチューブ製造方法。
  4. 前記第二部材の前記第二位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部に介挿し前記複数の前記空隙部を閉塞して前記溶融樹脂を前記インダイと接触させて、第一の前記隔壁および第二の前記隔壁を非形成とする第三の工程を更に含み、
    前記第一の工程、前記第二の工程および前記第三の工程を、この順でまたは逆順で行うことを特徴とする請求項3に記載のチューブ製造方法。
  5. 前記第一部材は、前記所定数のうちの一部の前記爪部の外面に突出形成された外側突起部を有し、
    前記チューブ製造方法は、前記第一部材を前記吐出口に向けて前進させて前記医療用チューブの前記周壁に前記スリット開口を形成する第四の工程を更に含み、
    前記第四の工程、前記第一の工程および前記第二の工程を、この順でまたは逆順で行うことを特徴とする請求項3または4に記載のチューブ製造方法。
  6. 隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンが少なくとも一部の長さ領域に通孔形成された樹脂製の医療用チューブを押出成形するチューブ製造装置の吐出口の内側に配置して用いられるインダイであって、
    空隙部を介して互いに離間して配置されて前記ルーメンを形成する前記所定数の爪部を有する第一部材と、前記第一部材に対して進退可能に設けられて前記空隙部に介挿される複数の突片部を有する第二部材と、を備え、
    前記第二部材は、進退方向の第一位置および前記第一位置よりも基端側の第二位置に、一以上の前記突片部が形成されており、かつ前記第一位置と前記第二位置とで形成されている前記突片部の数が異なることを特徴とするインダイ。
  7. 前記第二部材の前記第二位置に前記所定数の前記突片部が形成されており、前記第一位置に前記所定数よりも少ない数の前記突片部が形成されている請求項6に記載のインダイ。
  8. 前記突片部が、前記第二部材の軸心から放射方向に突出しかつ軸心方向に沿って延在する板状に形成されており、
    前記第二部材は、前記第一位置と前記第二位置とに亘って前記軸心方向に延在する一の前記突片部と、前記第一位置と前記第二位置との間で終端する他の前記突片部と、を有する請求項7に記載のインダイ。
  9. 前記他の前記突片部が、前記第二部材の周方向に互いに隣接する複数の隣接突片部を含む請求項8に記載のインダイ。
  10. 前記第二部材は、進退方向における前記第一位置と前記第二位置との間の第三位置に、前記第二位置における前記突片部の数よりも少なく前記第一位置における前記突片部の数よりも多い数の前記突片部が形成されている請求項7から9のいずれか一項に記載のインダイ。
  11. 前記吐出口に対して進退可能に設けられている請求項6から10のいずれか一項に記載のインダイであって、
    前記第一部材が、前記所定数のうちの一部の前記爪部の外面に突出形成されて前記医療用チューブの周壁にスリット開口を形成する外側突起部を有することを特徴とするインダイ。
  12. 前記外側突起部が非形成の前記爪部を挟むようにして、前記第二部材の前記隣接突片部が前記第一部材の前記空隙部に介挿されている、請求項9に従属する請求項11に記載のインダイ。
  13. 請求項6から12のいずれか一項に記載のインダイを備え、隔壁で互いに隔てられた3以上の所定数のルーメンが少なくとも一部の長さ領域に通孔形成された樹脂製の医療用チューブを押出成形するチューブ製造装置であって、
    溶融樹脂を吐出する吐出口を有するアウトダイと、
    前記インダイの前記第一部材と前記第二部材とを相対的に進退駆動して、少なくとも、
    前記第二部材の前記第一位置および前記第二位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部よりいずれも後退させた状態と、
    前記第二部材の前記第二位置の前記突片部を前記空隙部から後退させ、かつ前記第一位置の前記突片部を前記第一部材の前記空隙部に介挿した状態と、に遷移させる第一駆動機構と、
    前記インダイと前記アウトダイとを相対的に進退駆動する第二駆動機構と、を備えるチューブ製造装置。
  14. 前記アウトダイが、前記隣接突片部で挟まれる前記爪部に対応する位置に造影剤が配合された樹脂材料を供給するための樹脂流路を備える、請求項9に記載のインダイを備える請求項13に記載のチューブ製造装置。
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