JP6365106B2 - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
電子機器の小型化及び高性能化の要求に伴い、半導体チップの小型化及び高性能化が要求されている。また、半導体チップを搭載する回路基板の小型化が要求されている。半導体チップ及び回路基板が備える配線を形成する方法として、セミアディティブ工法やデュアルダマシン工法が知られている。
特開2001−284453号公報 国際公開第2004/107434号
半導体チップの小型化及び高性能化の要求に伴い、半導体チップが微細化され、配線間距離が狭くなっている。また、半導体チップを搭載する回路基板の小型化の要求に伴い、回路基板が微細化され、配線間距離が狭くなっている。例えば、L/S(ライン/スペース)=2/2μm以下の微細配線では、高速伝送を可能とするため、高電流が印加される。しかし、高電流が印加されることにより、隣接する配線間で絶縁破壊が発生する可能性がある。そのため、隣接する配線同士のショート不良が発生することが懸念されている。隣接する配線間を広げたり、電流密度を下げるために配線の断面積を増加させたりすることにより、絶縁破壊の発生を抑止することが行われている。隣接する配線間を広げたり、電流密度を下げるために配線の断面積を増加させたりする場合、配線の挟ピッチ化に対応できないという問題がある。
本件は、導体の周囲の絶縁破壊の発生を抑止する技術を提供することを目的とする。
本件の一観点による半導体装置は、基板と、前記基板上に形成された有機絶縁層と、前記有機絶縁層の内部に設けられた導体と、前記有機絶縁層と前記導体との間に配置され、前記導体の少なくとも側面を覆う無機絶縁膜と、を備える。
本件によれば、導体の周囲の絶縁破壊の発生を抑止できる。
図1は、実施例1に係る半導体装置の断面図である。 図2は、実施例1に係る半導体装置の断面図である。 図3は、実施例1に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図4は、実施例1に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図5は、実施例1に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図6は、実施例1に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図7は、実施例1に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図8は、実施例1に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図9は、実施例1に係る試験体の断面図である。 図10は、第1〜第3試験体の配線の抵抗変化率を測定した結果を示す図である。 図11は、実施例2に係る半導体装置の断面図である。 図12は、実施例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図13は、実施例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図14は、実施例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図15は、実施例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図16は、実施例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図17は、実施例3に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図18は、実施例3に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図19は、実施例4に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図20は、実施例4に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図21は、実施例4に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図22は、実施例5に係る半導体装置の断面図である。 図23は、実施例5に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図24は、実施例5に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図25は、実施例5に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図26は、実施例5の変形例1に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図27は、実施例5の変形例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図28は、実施例5の変形例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図29は、実施例5の変形例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図30は、実施例5の変形例2に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図31は、実施例5の変形例3に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図32は、実施例5の変形例3に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図33は、実施例5の変形例3に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図34は、実施例6に係る半導体装置の断面図である。 図35は、実施例6に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図36は、実施例6に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図37は、実施例6に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図38は、実施例6に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図39は、実施例6に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図40は、実施例7に係る半導体装置の断面図である。 図41は、実施例7に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図42は、実施例7に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図43は、実施例7に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。 図44は、実施例7に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。以下の実施例の構成は例示であり、実施形態に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法は、実施例の構成に限定されない。実施形態に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法において、実施例に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
〈実施例1〉
実施例1に係る半導体装置1について説明する。図1は、実施例1に係る半導体装置1の断面図である。半導体装置1は、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の半
導体チップ(半導体素子)が搭載される回路基板(インターポーザ)である。半導体装置1は、基板2、密着層3、有機絶縁層4、配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8及び複数の無機絶縁膜9を備えている。基板2上に密着層3が形成され、密着層3上に有機絶縁層4が形成されている。例えば、半導体チップの外部端子がランド8上に設けられ、半導体チップの外部端子とランド8とが半田ボールを介して接合される。有機絶縁層4の内部に配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8及び複数の無機絶縁膜9が設けられている。密着層3上に配線5A、5Bが形成されている。なお、密着層3の形成を省略することにより、基板2上に有機絶縁層4及び配線5A、5Bを形成してもよい。配線6、ビア7及びランド8は、導体の一例である。
有機絶縁層4と各配線6との間に無機絶縁膜9が配置されている。無機絶縁膜9は、各配線6の側面及び下面を覆っている。配線5B上にビア7が形成されており、ビア7上にランド8が形成されている。有機絶縁層4とビア7及びランド8との間に無機絶縁膜9が配置されている。無機絶縁膜9は、ビア7の側面と、ランド8の側面及び下面とを覆っている。
基板2は、例えば、ガラス基板又はシリコン基板である。密着層3は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されている。有機絶縁層4は、例えば、感光性フェノール樹脂で形成されている。有機絶縁層4は、例えば、ポリイミド樹脂、BCB(Benzocyclobutene)、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、PBO(Polybenzooxazole)等で形成されてもよい。配線5A、5B、複数の配線6、ビア7及びランド8は、例えば、Cu(銅)で形成されている。基板2と配線5A、5Bとの間に密着層3を配置することにより、基板2と配線5A、5Bとの密着性が向上する。無機絶縁膜9は、例えば、SiO2、Al23、Ta25、Co34、WO3等の無機酸化膜、SiN、AlN等の無機窒化膜、SiC、TiC
、W2C等の無機炭化膜である。
図2は、実施例1に係る半導体装置1の断面図である。図2に示す半導体装置1は、基板2、密着層3、有機絶縁層4、配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8及び複数の無機絶縁膜9を備え、更に、複数のバリア膜10を備えている。バリア膜10は、例えば、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、TiN、TaN等で形成されている。基板2上に密着層3が形成され、密着層3上に有機絶縁層4が形成されている。有機絶縁層4の内部に配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8、複数の無機絶縁膜9及び複数のバリア膜10が設けられている。密着層3上に配線5A、5Bが形成されている。なお、密着層3の形成を省略することにより、基板2上に有機絶縁層4及び配線5A、5Bを形成してもよい。
有機絶縁層4と各配線6との間に無機絶縁膜9及びバリア膜10がそれぞれ配置され、各配線6と各無機絶縁膜9との間にバリア膜10がそれぞれ配置されている。各無機絶縁膜9及び各バリア膜10は、各配線6の側面及び下面を覆っている。有機絶縁層4とビア7及びランド8との間に無機絶縁膜9及びバリア膜10が配置され、ビア7及びランド8と無機絶縁膜9との間にバリア膜10が配置されている。無機絶縁膜9及びバリア膜10は、ビア7の側面と、ランド8の側面及び下面とを覆っている。バリア膜10は、配線6、ビア7及びランド8の構成原子であるCuが有機絶縁層4及び無機絶縁膜9に拡散することを抑止する。
無機絶縁膜9が、各配線6の周囲を覆うことにより、各配線6の周囲に配置された有機絶縁層4を含む絶縁体の誘電率が低下する。その結果、高電流が印加される場合において、各配線6の周囲の絶縁破壊が抑止され、各配線6間のショート不良が抑止される。無機絶縁膜9が、ビア7及びランド8の周囲を覆うことにより、ビア7及びランド8の周囲に配置された有機絶縁層4を含む絶縁体の誘電率が低下する。その結果、高電流が印加される場合において、ビア7及びランド8の周囲の絶縁破壊が抑止され、各配線6とビア7及びランド8との間のショート不良が抑止される。これにより、半導体装置1の配線構造の信頼性の向上を図ることができ、高電流が印加される場合における半導体装置1の信頼性が向上する。
無機絶縁膜9は、耐熱性に優れている。各配線6、ビア7及びランド8に高電流が流れることによる各配線6、ビア7及びランド8の温度上昇に耐えることができる。したがって、各配線6、ビア7及びランド8に高電流が流れる場合においても、各配線6、ビア7及びランド8の周囲の絶縁破壊が抑止される。また、各配線6、ビア7及びランド8の熱が無機絶縁膜9に伝わることにより、各配線6、ビア7及びランド8の外周部分の酸化を抑止することができる。
〈実施例1に係る半導体装置1の製造方法〉
実施例1に係る半導体装置1の製造方法について説明する。図3〜図7を参照して、図1に示す半導体装置1の製造方法を説明する。図3〜図7は、実施例1に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。まず、図3に示すように、基板2を用意した後、基板2上に密着層3を形成する。密着層3は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されている。密着層3の厚さは、例えば、1μm以上5μm以下である。次いで、図3に示すように、密着層3上に配線5A、5Bを離間して形成する。配線5A、5Bの幅は、例えば、90μm程度である。なお、密着層3の形成を省略することにより、基板2上に配線5A、5Bを形成してもよい。
配線5A、5Bの形成は、例えば、以下の方法により行ってもよい。基板2上に厚さ2μmのレジスト膜を形成する。レジスト膜を露光、現像することにより、配線5A、5B
が形成される領域が開口されたレジストパターンを形成する。銅めっき及びCMP(Chemical Mechanical Polishing)を行った後、レジストパターンの剥離を行うことにより、
配線5A、5Bが形成される。
次に、図4に示すように、基板2上に有機絶縁層4Aを形成する。有機絶縁層4Aの形成は、例えば、以下の方法により行ってもよい。まず、基板2上に感光性フェノール樹脂を貼付する。感光性フェノール樹脂として、露光された部分が硬化するドライフィルムを用いる。感光性フェノール樹脂の厚さは、例えば、10μm以上20μm以下である。次いで、直径40μmのビアがパターニングされた露光マスクを用いて感光性フェノール樹脂を露光し、現像液を使用して感光性フェノール樹脂を現像処理することにより、有機絶縁層4Aを形成する。現像液は、例えば、TMAH(Tetramethylammonium hydroxide)
である。有機絶縁層4Aは、配線5Bの一部が露出する溝11を有する。
次いで、図5に示すように、有機絶縁層4A上に有機絶縁層4Bを形成することにより、基板2上に有機絶縁層4を形成する。有機絶縁層4Bの形成は、例えば、以下の方法により行ってもよい。まず、有機絶縁層4A上に感光性フェノール樹脂を貼付する。感光性フェノール樹脂の厚さは、例えば、4μm以上10μm以下である。次いで、L/S=2/2μmの配線及び直径90μmのランドがパターニングされた露光マスクを用いて、感光性フェノール樹脂を露光し、現像液を使用して感光性フェノール樹脂を現像処理することにより、有機絶縁層4Bを形成する。現像液は、例えば、TMAHである。
有機絶縁層4は、複数の溝12を有する。有機絶縁層4Bは、有機絶縁層4Aの溝11に繋がる溝13を有する。有機絶縁層4Aの溝11の直径が約40μmであり、有機絶縁層4Bの溝13の直径が約90μmである。したがって、有機絶縁層4は、配線5Bに達する階段状の溝14を有する。
次に、図6に示すように、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により有機
絶縁層4上に無機絶縁膜9を形成するとともに、配線5B上に無機絶縁膜9を形成する。無機絶縁膜9は、有機絶縁層4の溝12の側面及び底面と、有機絶縁層4の溝14の側面及び底面とに形成される。無機絶縁膜9の厚さは、例えば、100nm以上300nm以下である。
次いで、図7に示すように、無機絶縁膜9上に感光性レジストを塗布した後、露光マスクを用いて感光性レジストを露光し、現像液を使用して感光性レジストを現像処理することにより、無機絶縁膜9上にレジストパターン15を形成する。現像液は、例えば、TMAHである。レジストパターン15は、有機絶縁層4の溝14の底面に形成された無機絶縁膜9が露出する開口を有する。
次に、図7に示すように、レジストパターン15をマスクとして異方性エッチングを行うことにより、有機絶縁層4の溝14の底面に形成された無機絶縁膜9を除去する。すなわち、配線5B上に形成された無機絶縁膜9を除去する。これにより、配線5Bの一部が、有機絶縁層4の溝14内に露出する。次いで、剥離液を用いてレジストパターン15を除去する。剥離液は、例えば、NMP(N-Methyl-2-pyrrolidone)である。
次に、スパッタ装置を用いて、配線5B及び無機絶縁膜9上にCuシード層を形成する。Cuシード層の厚さは、例えば、100nm以上250nm以下である。次いで、例えば、電解めっき法により、Cuシード層上にCu層を形成する。電界めっき法は、例えば、4A/cm2程度の電流密度で行われる。これにより、有機絶縁層4の各溝12内及び
溝14内にCuシード層及びCu層が埋め込まれる。
次に、例えば、CMPにより、有機絶縁層4の表面が露出するまで、Cu層、Cuシード層及び無機絶縁膜9を研磨することにより、図1に示す半導体装置1が製造される。有機絶縁層4の各溝12内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の各溝12内に配線6が形成される。配線6の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層4の溝14内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の溝14内にビア7及びランド8が形成される。配線5B上の無機絶縁膜9が除去されているため、配線5Bとビア7とが電気的に接続されている。
図8を参照して、図2に示す半導体装置1の製造方法を説明する。図8は、実施例1に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。図8に示す工程は、図3〜図7に示す工程を行った後に行われる。すなわち、レジストパターン15を除去する工程を行った後、図8に示すように、スパッタ装置を用いて、配線5B及び無機絶縁膜9上にバリア膜10を形成する。バリア膜10は、有機絶縁層4の溝12内における無機絶縁膜9の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝12の側面及び底面にバリア膜10が形成される。また、バリア膜10は、有機絶縁層4の溝14内における無機絶縁膜9の露出面と、有機絶縁層4の溝14内における配線5Bの露出面とに形成される。したがって、有機絶縁層4の溝14の側面及び底面にバリア膜10が形成される。バリア膜10の厚さは、例えば、50nm以上200nm以下である。
次に、スパッタ装置を用いて、バリア膜10上にCuシード層を形成する。Cuシード層の厚さは、例えば、100nm以上250nm以下である。次いで、例えば、電解めっき法により、Cuシード層上にCu層を形成する。電界めっき法は、例えば、4A/cm2程度の電流密度で行われる。これにより、有機絶縁層4の各溝12内及び溝14内にC
uシード層及びCu層が埋め込まれる。
次に、例えば、CMPにより、有機絶縁層4の表面が露出するまで、Cu層、Cuシード層、無機絶縁膜9及びバリア膜10を研磨することにより、図2に示す半導体装置1が製造される。有機絶縁層4の各溝12内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の各溝12内に配線6が形成される。配線6の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層4の溝14内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の溝14内にビア7及びランド8が形成される。配線5B上の無機絶縁膜9が除去されているため、バリア膜10を介して配線5Bとビア7とが電気的に接続されている。
図9及び図10を参照して、実施例1の効果を確認するために行った調査結果について説明する。図9は、実施例1に係る試験体の断面図である。図9に示すように、基板2上に密着膜3を形成し、密着膜3上に有機絶縁層4、配線6、ビア21及び引き出し電極22を形成することにより、実施例1に係る試験体を製造した。実施例1に係る試験体として、配線6の側面及び下面が無機絶縁膜9によって覆われた状態の第1試験体と、配線6の側面及び下面が無機絶縁膜9及びバリア膜10によって覆われた状態の第2試験体とを用いた。無機絶縁膜9の材料としてSiO2を用い、バリア膜10の材料としてTiを用
いた。また、比較例に係る試験体として、バリア膜10上に配線6を形成した状態の第3試験体を用いた。第1〜第3試験体の配線6は、いずれもL/S=2/2μmである。
第1〜第3試験体をステージ23上に配置し、電源24からプローブ25を介して、電流密度が106A/cm2の条件で、配線6に電流を印加し、配線6の抵抗変化率(ΔR/R)を測定した。図10は、第1〜第3試験体の配線6の抵抗変化率を測定した結果を示す図である。図10の横軸は、試験時間(hours)であり、図10の縦軸は、配線6の抵
抗変化率(%)である。
図10に示すように、実施例1に係る第1試験体は、測定時間が100時間に達しても、配線6の抵抗変化率が10%以下に抑えられている。図10に示すように、実施例1に係る第2試験体は、測定時間が100時間に達しても、配線6の抵抗変化率が5%以下に抑えられている。図10に示すように、比較例に係る第3試験体は、短時間で配線6の抵抗変化率が急激に増加し、配線6にオープン不良が発生している。無機絶縁膜9として、Al23、Ta25、Co34、WO3等の無機酸化膜、SiN、AlN等の無機窒化膜
、SiC、TiC、W2C等の無機炭化膜のそれぞれを用いた場合についても、図10に
示す結果と同様の結果が確認された。バリア膜10の材料として、Ta、TiN及びTaNのそれぞれを用いた場合についても、図10に示す結果と同様の結果が確認された。
〈実施例2〉
実施例2に係る半導体装置1について説明する。実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。図11は、実施例2に係る半導体装置1の断面図である。半導体装置1は、基板2、密着層3、有機絶縁層31、配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8、複数の無機絶縁膜9及び複数のバリア膜10を備えている。基板2上に密着層3が形成され、密着層3上に有機絶縁層31が形成されている。有機絶縁層31の内部に配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8、複数の無機絶縁膜9及び複数のバリア膜10が設けられている。密着層3上に配線5A、5Bが形成されている。なお、密着層3の形成を省略することにより、基板2上に有機絶縁層31及び配線5A、5Bを形成してもよい。有機絶縁層31は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されている。有機絶縁層31は、例えば、感光性フェノール樹脂、BCB、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、PBO等で形成されてもよい。
有機絶縁層31と各配線6との間に無機絶縁膜9及びバリア膜10がそれぞれ配置され、各配線6と各無機絶縁膜9との間にバリア膜10がそれぞれ配置されている。無機絶縁膜9及びバリア膜10は、各配線6の側面及び下面を覆っている。有機絶縁層31とビア7及びランド8との間に無機絶縁膜9及びバリア膜10が配置され、ビア7及びランド8とバリア膜10との間に無機絶縁膜9が配置されている。無機絶縁膜9及びバリア膜10は、ビア7の側面と、ランド8の側面及び下面とを覆っている。バリア膜10は、各配線6、ビア7及びランド8の構成原子であるCuが有機絶縁層31に拡散することを抑止する。
無機絶縁膜9が、各配線6の周囲を覆うことにより、各配線6の周囲に配置された有機絶縁層31を含む絶縁体の誘電率が低下する。その結果、高電流が印加される場合において、各配線6の周囲の絶縁破壊が抑止され、各配線6間のショート不良が抑止される。無機絶縁膜9が、ビア7及びランド8の周囲を覆うことにより、ビア7及びランド8の周囲に配置された有機絶縁層31を含む絶縁体の誘電率が低下する。その結果、高電流が印加される場合において、ビア7及びランド8の周囲の絶縁破壊が抑止され、各配線6とビア7及びランド8との間のショート不良が抑止される。これにより、半導体装置1の配線構造の信頼性の向上を図ることができ、高電流が印加される場合における半導体装置1の信頼性が向上する。
無機絶縁膜9は、耐熱性に優れている。各配線6、ビア7及びランド8に高電流が流れることによる各配線6、ビア7及びランド8の温度上昇に耐えることができる。したがって、各配線6、ビア7及びランド8に高電流が流れる場合においても、各配線6、ビア7及びランド8の周囲の絶縁破壊が抑止される。また、各配線6、ビア7及びランド8の熱が無機絶縁膜9に伝わることにより、各配線6、ビア7及びランド8の外周部分の酸化を抑止することができる。
〈実施例2に係る半導体装置1の製造方法〉
実施例2に係る半導体装置1の製造方法について説明する。図12〜図16は、実施例2に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。実施例2では、実施例1における配線5A、5Bを形成する工程(図3参照)と同様の工程を行う。この工程は、実施例1において説明しているで、実施例2では、その説明を省略する。
配線5A、5Bを形成する工程を行った後、図12に示すように、基板2上に有機絶縁層31Aを形成する。有機絶縁層31Aの形成は、例えば、以下の方法により行ってもよい。まず、基板2上にポリイミド樹脂を塗布する。ポリイミド樹脂として、露光された部分が硬化する液状樹脂を用いる。ポリイミド樹脂の厚さは、例えば、10μm以上20μm以下である。次いで、直径40μmのビアがパターニングされた露光マスクを用いてポリイミド樹脂を露光し、現像液を使用してポリイミド樹脂を現像処理することにより、有機絶縁層31Aを形成する。現像液は、例えば、TMAHである。有機絶縁層31Aは、配線5Bの一部が露出する溝32を有する。
次いで、図13に示すように、有機絶縁層31A上に有機絶縁層31Bを形成することにより、基板2上に有機絶縁層31を形成する。有機絶縁層31Bの形成は、例えば、以下の方法により行ってもよい。まず、基板2上にポリイミド樹脂を塗布する。これにより、有機絶縁層31A上にポリイミド樹脂が塗布されるとともに、有機絶縁層31Aの溝32内にポリイミド樹脂が塗布される。ポリイミド樹脂の厚さは、例えば、4μm以上10μm以下である。次いで、L/S=2/2μmの配線及び直径90μmのランドがパターニングされた露光マスクを用いて、有機絶縁層31A上に塗布されたポリイミド樹脂を露光する。次に、直径40μmのビアがパターニングされた露光マスクを用いて、有機絶縁層31Aの溝32内に塗布されたポリイミド樹脂を露光する。次いで、現像液を使用してポリイミド樹脂を現像処理することにより、有機絶縁層31A上に有機絶縁層31Bを形成する。現像液は、例えば、TMAHである。
有機絶縁層31は、複数の溝33を有する。有機絶縁層31Bは、有機絶縁層31Aの溝32に繋がる溝34を有する。有機絶縁層31Aの溝32の直径が約40μmであり、有機絶縁層31Bの溝34の直径が約90μmである。したがって、有機絶縁層31は、配線5Bに達する階段状の溝35を有する。
次に、図14に示すように、スパッタ装置を用いて、有機絶縁層31上にバリア膜10を形成するとともに、配線5B上にバリア膜10を形成する。バリア膜10は、有機絶縁層31の溝33の側面及び底面と、有機絶縁層31の溝35の側面及び底面とに形成される。バリア膜10の厚さは、例えば、50nm以上200nm以下である。
次いで、図15に示すように、CVDによりバリア膜10上に無機絶縁膜9を形成する。無機絶縁膜9は、有機絶縁層31の溝33内におけるバリア膜10の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層31の溝33の側面及び底面に無機絶縁膜9が形成される。また、無機絶縁膜9は、有機絶縁層31の溝35内におけるバリア膜10の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層31の溝35の側面及び底面に無機絶縁膜9が形成される。無機絶縁膜9の厚さは、例えば、100nm以上300nm以下である。
次に、図16に示すように、バリア膜10上に感光性レジストを塗布した後、露光マスクを用いて感光性レジストを露光し、現像液を使用して感光性レジストを現像処理することにより、バリア膜10上にレジストパターン36を形成する。現像液は、例えば、TMAHである。レジストパターン36は、有機絶縁層31の溝35の底面に形成された無機絶縁膜9が露出する開口を有する。
次に、図16に示すように、レジストパターン36をマスクとして異方性エッチングを
行うことにより、有機絶縁層31の溝35の底面に形成された無機絶縁膜9を除去する。すなわち、配線5B上方の無機絶縁膜9を除去する。これにより、配線5B上に形成されたバリア膜10が、有機絶縁層31の溝35内に露出する。次いで、剥離液を用いてレジストパターン36を除去する。剥離液は、例えば、NMPである。
次に、スパッタ装置を用いて、無機絶縁膜9及びバリア膜10上にCuシード層を形成する。Cuシード層の厚さは、例えば、100nm以上250nm以下である。次いで、例えば、電解めっき法により、Cuシード層上にCu層を形成する。電界めっき法は、例えば、4A/cm2程度の電流密度で行われる。これにより、有機絶縁層31の各溝33
内及び溝35内にCuシード層及びCu層が埋め込まれる。
次に、例えば、CMPにより、有機絶縁層31の表面が露出するまで、Cu層、Cuシード層、無機絶縁膜9及びバリア膜10を研磨することにより、図11に示す半導体装置1が製造される。有機絶縁層31の各溝33内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層31の各溝33内に配線6が形成される。配線6の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層31の溝35内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層31の溝35内にビア7及びランド8が形成される。有機絶縁層31の溝35の底面に形成された無機絶縁膜9が除去されているため、バリア膜10を介して配線5Bとビア7とが電気的に接続されている。
実施例2の効果を確認するため、実施例1と同様の測定方法により、実施例2に係る試験体の配線6の抵抗変化率を測定した。無機絶縁膜9の材料としてSiNを用い、バリア膜10の材料としてTiを用いた。実施例2に係る試験体について、測定時間が100時間に達しても、配線6の抵抗変化率が10%以下に抑えられていることが確認された。無機絶縁膜9として、SiO2、Al23、Ta25、Co34、WO3等の無機酸化膜、AlN等の無機窒化膜、SiC、TiC、W2C等の無機炭化膜のそれぞれを用いた場合に
ついても、同様の結果が確認された。バリア膜10の材料として、Ta、TiN及びTaNのそれぞれを用いた場合についても、同様の結果が確認された。
〈実施例3〉
実施例3に係る半導体装置1について説明する。実施例1及び実施例2と同一の構成要素については、実施例1及び実施例2と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例3は、複数の配線6、ビア7及びランド8をはんだで形成する方法について説明する。図17及び図18は、実施例3に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。実施例3では、実施例1における配線5A、5Bを形成する工程からレジストパターン15を除去する工程(図3〜図7参照)と同様の工程を行う。これらの工程は、実施例1において説明しているで、実施例3では、その説明を省略する。
レジストパターン15を除去する工程を行った後、図17に示すように、スパッタ装置を用いて、配線5B及び無機絶縁膜9上にバリア膜10を形成する。バリア膜10は、有機絶縁層4の溝12内における無機絶縁膜9の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝12の側面及び底面にバリア膜10が形成される。また、バリア膜10は、有機絶縁層4の溝14内における無機絶縁膜9の露出面と、有機絶縁層4の溝14内における配線5Bの露出面とに形成される。したがって、有機絶縁層4の溝14の側面及び底面にバリア膜10が形成される。バリア膜10の厚さは、例えば、50nm以上200nm以下である。
次に、図17に示すように、スキージ41を用いて、はんだペースト42を印刷する。これにより、有機絶縁層4の各溝12内及び溝14内に、はんだペースト42が埋め込まれる。はんだペースト42は、例えば、Sn−Ag−Cuはんだペーストである。次いで
、処理温度240℃程度の条件でリフロー(加熱処理)を行い、はんだペースト42を硬化する。
次に、図18に示すように、例えば、CMPにより、有機絶縁層4の表面が露出するまで、はんだ、無機絶縁膜9及びバリア膜10を研磨する。有機絶縁層4の各溝12内に、はんだが残存することにより、有機絶縁層4の各溝12内に配線43が形成される。配線43の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層4の溝14内にはんだが残存することにより、有機絶縁層4の溝14内にビア44及びランド45が形成される。配線5B上の無機絶縁膜9が除去されているため、バリア膜10を介して配線5Bとビア44とが電気的に接続されている。図17及び図18では、バリア膜10を形成する例を示しているが、実施例3はこの例に限定されず、バリア膜10の形成を省略してもよい。配線43、ビア44及びランド45は、導体の一例である。
実施例3の効果を確認するため、実施例1と同様の測定方法により、実施例3に係る試験体の配線43の抵抗変化率を測定した。無機絶縁膜9の材料としてSiCを用い、バリア膜10の材料としてTiを用いた。実施例3に係る試験体について、測定時間が100時間に達しても、配線43の抵抗変化率が10%以下に抑えられていることが確認された。無機絶縁膜9として、SiO2、Al23、Ta25、Co34、WO3等の無機酸化膜、SiN、AlN等の無機窒化膜、TiC、W2C等の無機炭化膜のそれぞれを用いた場
合についても、同様の結果が確認された。バリア膜10の材料として、Ta、TiN及びTaNのそれぞれを用いた場合についても、同様の結果が確認された。
〈実施例4〉
実施例4に係る半導体装置1について説明する。実施例1〜3と同一の構成要素については、実施例1〜3と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例4は、配線5A、5B、複数の配線6、ビア7及びランド8をAg(銀)で形成する方法について説明する。図19〜図21は、実施例4に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。
まず、図19に示すように、基板2を用意した後、基板2上に密着層3を形成する。密着層3は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されている。密着層3の厚さは、例えば、1μm以上5μm以下である。次いで、図19に示すように、密着層3上に配線51A、51Bを離間して形成する。配線51A、51Bの幅は、例えば、90μm程度である。なお、密着層3の形成を省略することにより、基板2上に配線51A、51Bを形成してもよい。
配線51A、51Bの形成は、例えば、以下の方法により行ってもよい。基板2上に厚さ2μmのレジスト膜を形成する。レジスト膜を露光、現像することにより、配線51A、51Bが形成される領域が開口されたレジストパターンを形成する。Agペースト印刷及びCMPを行った後、レジストパターンの剥離を行うことにより、配線51A、51Bが形成される。その後、実施例4では、実施例1における有機絶縁層4を形成する工程からレジストパターン15を除去する工程(図4〜図7参照)と同様の工程を行う。これらの工程は、実施例1において説明しているで、実施例4では、その説明を省略する。
レジストパターン15を除去する工程を行った後、図20に示すように、スキージ41を用いて、導体ペースト52を印刷する。導体ペースト52は、例えば、Agペースト、Au(金)ペースト、Al(アルミニウム)ペーストである。これにより、有機絶縁層4の各溝12内及び溝14内に、導体ペースト52が埋め込まれる。次いで、処理温度100℃、処理時間30分の条件でリフロー(加熱処理)を行い、導体ペースト52を硬化する。
次に、図21に示すように、例えば、CMPにより、有機絶縁層4の表面が露出するまで、導体及び無機絶縁膜9を研磨する。有機絶縁層4の各溝12内に、導体が残存することにより、有機絶縁層4の各溝12内に配線53が形成される。配線53の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層4の溝14内に導体が残存することにより、有機絶縁層4の溝14内にビア54及びランド55が形成される。配線51B上の無機絶縁膜9が除去されているため、配線51Bとビア54とが電気的に接続されている。各配線53と各無機絶縁膜9との間にバリア膜10がそれぞれ配置されてもよい。ビア54及びランド55と無機絶縁膜9との間にバリア膜10が配置されてもよい。バリア膜10は、配線53、ビア54及びランド55の構成原子が有機絶縁層4及び無機絶縁膜9に拡散することを抑止する。配線53、ビア54及びランド55は、導体の一例である。
実施例4の効果を確認するため、実施例1と同様の測定方法により、実施例4に係る試験体の配線53の抵抗変化率を測定した。導体ペースト52としてAgペーストを用い、無機絶縁膜9の材料としてSiCを用い、バリア膜10の材料としてTiを用いた。実施例4に係る試験体について、測定時間が100時間に達しても、配線53の抵抗変化率が10%以下に抑えられていることが確認された。無機絶縁膜9として、SiO2、Al23、Ta25、Co34、WO3等の無機酸化膜、SiN、AlN等の無機窒化膜、TiC、W2C等の無機炭化膜のそれぞれを用いた場合についても、同様の結果が確認された。
導体ペースト52として、Auペースト及びAlペーストのそれぞれを用いた場合についても、同様の結果が確認された。バリア膜10の材料として、Ta、TiN及びTaNのそれぞれを用いた場合についても、同様の結果が確認された。
〈実施例5〉
実施例5に係る半導体装置1について説明する。実施例1〜4と同一の構成要素については、実施例1〜4と同一の符号を付し、その説明を省略する。図22は、実施例5に係る半導体装置1の断面図である。半導体装置1は、基板2、密着層3、有機絶縁層4、配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8、複数の無機絶縁膜9、複数のバリア膜10及び複数の有機絶縁膜61を備えている。有機絶縁膜61は、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、PBO等で形成されている。有機絶縁層4の内部に配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8、複数の無機絶縁膜9、複数のバリア膜10及び複数の有機絶縁膜61が設けられている。
有機絶縁層4と各配線6との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、配線6から有機絶縁層4に向かって、バリア膜10、有機絶縁膜61及び無機絶縁膜9の順に配置されている。無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61は、各配線6の側面及び下面を覆っている。有機絶縁層4とビア7との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、ビア7から有機絶縁層4に向かって、バリア膜10、有機絶縁膜61及び無機絶縁膜9の順に配置されている。有機絶縁層4とランド8との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、ランド8から有機絶縁層4に向かって、バリア膜10、有機絶縁膜61及び無機絶縁膜9の順に配置されている。無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61は、ビア7の側面と、ランド8の側面及び下面とを覆っている。
有機絶縁膜61の誘電率は、無機絶縁膜9の誘電率より小さい。無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61が、各配線6の周囲を覆うことにより、各配線6の周囲に配置された有機絶縁層4を含む絶縁体の誘電率が更に低下する。その結果、高電流が印加される場合において、各配線6の周囲の絶縁破壊が更に抑止され、各配線6間のショート不良が更に抑止される。無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61が、ビア7及びランド8の周囲を覆うことにより、ビア7及びランド8の周囲に配置された有機絶縁層4を含む絶縁体の誘電率が更に低下す
る。その結果、高電流が印加される場合において、ビア7及びランド8の周囲の絶縁破壊が更に抑止され、各配線6とビア7及びランド8との間のショート不良が更に抑止される。
実施例5に係る半導体装置1の構造を以下のように変形してもよい。
〈実施例5の変形例1〉
バリア膜10の形成を省略してもよい。有機絶縁層4と各配線6との間に、無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、配線6から有機絶縁層4に向かって、有機絶縁膜61及び無機絶縁膜9の順に配置されてもよい。有機絶縁層4とビア7との間に、無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、ビア7から有機絶縁層4に向かって、有機絶縁膜61及び無機絶縁膜9の順に配置されてもよい。有機絶縁層4とランド8との間に、無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、ランド8から有機絶縁層4に向かって、有機絶縁膜61及び無機絶縁膜9の順に配置されてもよい。
〈実施例5の変形例2〉
バリア膜10及び有機絶縁膜61の配置を替えてもよい。有機絶縁層4と各配線6との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、配線6から有機絶縁層4に向かって、有機絶縁膜61、バリア膜10及び無機絶縁膜9の順に配置されてもよい。有機絶縁層4とビア7との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、ビア7から有機絶縁層4に向かって、バリア膜10、有機絶縁膜61及び無機絶縁膜9の順に配置されている。有機絶縁層4とランド8との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、ランド8から有機絶縁層4に向かって、有機絶縁膜61、バリア膜10及び無機絶縁膜9の順に配置されてもよい。
〈実施例5の変形例3〉
無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61の配置を替えてもよい。有機絶縁層4と各配線6との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、配線6から有機絶縁層4に向かって、有機絶縁膜61、無機絶縁膜9及びバリア膜10の順に配置されてもよい。有機絶縁層4とビア7との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、ビア7から有機絶縁層4に向かって、有機絶縁膜61、無機絶縁膜9及びバリア膜10の順に配置されてもよい。有機絶縁層4とランド8との間に、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61がそれぞれ配置され、ランド8から有機絶縁層4に向かって、有機絶縁膜61、無機絶縁膜9及びバリア膜10の順に配置されてもよい。
〈実施例5に係る半導体装置1の製造方法〉
実施例5に係る半導体装置1の製造方法について説明する。図23〜図25は、実施例5に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。実施例5では、実施例1における配線5A、5Bを形成する工程から無機絶縁膜9を形成する工程(図3〜図6参照)と同様の工程を行う。これらの工程は、実施例1において説明しているで、実施例5では、その説明を省略する。
無機絶縁膜9を形成する工程を行った後、図23に示すように、例えば、CVDにより無機絶縁膜9上に有機絶縁膜61を形成する。有機絶縁膜61は、有機絶縁層4の溝12内における無機絶縁膜9の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝12の側面及び底面に有機絶縁膜61が形成される。また、有機絶縁膜61は、有機絶縁層4の溝14内における無機絶縁膜9の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝14の側面及び底面に有機絶縁膜61が形成される。有機絶縁膜61の厚さは、例えば、100nm以上300nm以下である。
次いで、図24に示すように、有機絶縁膜61上に感光性レジストを塗布した後、露光マスクを用いて感光性レジストを露光し、現像液を使用して感光性レジストを現像処理することにより、有機絶縁膜61上にレジストパターン62を形成する。現像液は、例えば、TMAHである。レジストパターン62は、有機絶縁層4の溝14の底面に形成された有機絶縁膜61が露出する開口を有する。
次に、図24に示すように、レジストパターン62をマスクとして異方性エッチングを行うことにより、有機絶縁層4の溝14の底面に形成された無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61を除去する。すなわち、配線5B上に形成された無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61を除去する。これにより、配線5Bの一部が、有機絶縁層4の溝14内に露出する。次いで、剥離液を用いてレジストパターン62を除去する。剥離液は、例えば、NMPである。
次に、図25に示すように、スパッタ装置を用いて、配線5B及び有機絶縁膜61上にバリア膜10を形成する。バリア膜10は、有機絶縁層4の溝12内における有機絶縁膜61の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝12の側面及び底面にバリア膜10が形成される。また、バリア膜10は、有機絶縁層4の溝14内における有機絶縁膜61の露出面と、有機絶縁層4の溝14内における配線5Bの露出面とに形成される。したがって、有機絶縁層4の溝14の側面及び底面にバリア膜10が形成される。バリア膜10の厚さは、例えば、50nm以上200nm以下である。
次に、スパッタ装置を用いて、配線5B及びバリア膜10上にCuシード層を形成する。Cuシード層の厚さは、例えば、100nm以上250nm以下である。次いで、例えば、電解めっき法により、Cuシード層上にCu層を形成する。電界めっき法は、例えば、4A/cm2程度の電流密度で行われる。これにより、有機絶縁層4の各溝12内及び
溝14内にCuシード層及びCu層が埋め込まれる。
次に、例えば、CMPにより、有機絶縁層4の表面が露出するまで、Cu層、Cuシード層、バリア膜10、有機絶縁膜61及び無機絶縁膜9を研磨することにより、図22に示す半導体装置1が製造される。有機絶縁層4の各溝12内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の各溝12内に配線6が形成される。配線6の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層4の溝14内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の溝14内にビア7及びランド8が形成される。配線5B上の無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61が除去されているため、バリア膜10を介して配線5Bとビア7とが電気的に接続されている。
〈実施例5の変形例1に係る半導体装置1の製造方法〉
実施例5の変形例1に係る半導体装置1の製造方法について説明する。図26は、実施例5の変形例1に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。実施例5の変形例1では、実施例1における配線5A、5Bを形成する工程から無機絶縁膜9を形成する工程(図3〜図6参照)と同様の工程を行う。そして、実施例5の変形例1では、実施例5における有機絶縁膜61を形成する工程からレジストパターン62を除去する工程(図23及び図24参照)と同様の工程を行う。これらの工程は、実施例1及び実施例5において説明しているで、実施例5の変形例1では、その説明を省略する。
レジストパターン62を除去する工程を行った後、スパッタ装置を用いて、配線5B及び有機絶縁膜61上にCuシード層を形成する。Cuシード層の厚さは、例えば、100nm以上250nm以下である。次いで、例えば、電解めっき法により、Cuシード層上にCu層を形成する。電界めっき法は、例えば、4A/cm2程度の電流密度で行われる
。これにより、有機絶縁層4の各溝12内及び溝14内にCuシード層及びCu層が埋め
込まれる。
次に、図26に示すように、例えば、CMPにより、有機絶縁層4の表面が露出するまで、Cu層、Cuシード層、無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61を研磨する。有機絶縁層4の各溝12内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の各溝12内に配線6が形成される。配線6の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層4の溝14内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の溝14内にビア7及びランド8が形成される。配線5B上の無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61が除去されているため、配線5Bとビア7とが電気的に接続されている。
〈実施例5の変形例2に係る半導体装置1の製造方法〉
実施例5の変形例2に係る半導体装置1の製造方法について説明する。図27〜図30は、実施例5の変形例2に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。実施例5の変形例2では、実施例1における配線5A、5Bを形成する工程から無機絶縁膜9を形成する工程(図3〜図6参照)と同様の工程を行う。これらの工程は、実施例1において説明しているで、実施例5の変形例2では、その説明を省略する。
無機絶縁膜9を形成する工程を行った後、図27に示すように、例えば、スパッタ装置を用いて、無機絶縁膜9上にバリア膜10を形成する。バリア膜10は、有機絶縁層4の溝12内における無機絶縁膜9の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝12の側面及び底面にバリア膜10が形成される。また、バリア膜10は、有機絶縁層4の溝14内における無機絶縁膜9の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝14の側面及び底面にバリア膜10が形成される。バリア膜10の厚さは、例えば、50nm以上200nm以下である。
次に、図28に示すように、例えば、CVDによりバリア膜10上に有機絶縁膜61を形成する。有機絶縁膜61は、有機絶縁層4の溝12内におけるバリア膜10の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝12の側面及び底面に有機絶縁膜61が形成される。また、有機絶縁膜61は、有機絶縁層4の溝14内におけるバリア膜10の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層4の溝14の側面及び底面に有機絶縁膜61が形成される。有機絶縁膜61の厚さは、例えば、100nm以上300nm以下である。
次いで、図29に示すように、有機絶縁膜61上に感光性レジストを塗布した後、露光マスクを用いて感光性レジストを露光し、現像液を使用して感光性レジストを現像処理することにより、有機絶縁膜61上にレジストパターン63を形成する。現像液は、例えば、TMAHである。レジストパターン63は、有機絶縁層4の溝14の底面に形成された有機絶縁膜61が露出する開口を有する。
次に、図29に示すように、レジストパターン63をマスクとして異方性エッチングを行うことにより、有機絶縁層4の溝14の底面に形成された無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61を除去する。すなわち、配線5B上に形成された無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61を除去する。これにより、配線5Bの一部が、有機絶縁層4の溝14内に露出する。次いで、剥離液を用いてレジストパターン63を除去する。剥離液は、例えば、NMPである。
次いで、スパッタ装置を用いて、有機絶縁膜61上にCuシード層を形成する。Cuシード層の厚さは、例えば、100nm以上250nm以下である。次いで、例えば、電解めっき法により、Cuシード層上にCu層を形成する。電界めっき法は、例えば、4A/cm2程度の電流密度で行われる。これにより、有機絶縁層4の各溝12内及び溝14内
にCuシード層及びCu層が埋め込まれる。
次に、図30に示すように、例えば、CMPにより、有機絶縁層4の表面が露出するまで、Cu層、Cuシード層、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61を研磨する。有機絶縁層4の各溝12内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の各溝12内に配線6が形成される。配線6の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層4の溝14内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層4の溝14内にビア7及びランド8が形成される。配線5B上の無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61が除去されているため、配線5Bとビア7とが電気的に接続されている。
〈実施例5の変形例3に係る半導体装置1の製造方法〉
実施例5の変形例3に係る半導体装置1の製造方法について説明する。図31〜図33は、実施例5の変形例3に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。実施例5の変形例3では、実施例2における配線5A、5Bを形成する工程から無機絶縁膜9を形成する工程(図12〜図15参照)と同様の工程を行う。これらの工程は、実施例2において説明しているで、実施例5の変形例3では、その説明を省略する。
無機絶縁膜9を形成する工程を行った後、図31に示すように、例えば、CVDにより無機絶縁膜9上に有機絶縁膜61を形成する。有機絶縁膜61は、有機絶縁層31の溝33内における無機絶縁膜9の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層31の溝33の側面及び底面に有機絶縁膜61が形成される。また、有機絶縁膜61は、有機絶縁層31の溝35内における無機絶縁膜9の露出面に形成される。したがって、有機絶縁層31の溝35の側面及び底面に有機絶縁膜61が形成される。有機絶縁膜61の厚さは、例えば、100nm以上300nm以下である。
次に、図32に示すように、有機絶縁膜61上に感光性レジストを塗布した後、露光マスクを用いて感光性レジストを露光し、現像液を使用して感光性レジストを現像処理することにより、有機絶縁膜61上にレジストパターン64を形成する。現像液は、例えば、TMAHである。レジストパターン64は、有機絶縁層31の溝35の底面に形成された有機絶縁膜61が露出する開口を有する。
次に、図32に示すように、レジストパターン64をマスクとして異方性エッチングを行うことにより、有機絶縁層31の溝35の底面に形成された無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61を除去する。すなわち、配線5B上に形成された無機絶縁膜9及び有機絶縁膜61を除去する。これにより、配線5B上に形成されたバリア膜10が、有機絶縁層31の溝35内に露出する。次いで、剥離液を用いてレジストパターン64を除去する。剥離液は、例えば、NMPである。
次いで、スパッタ装置を用いて、有機絶縁膜61上にCuシード層を形成する。Cuシード層の厚さは、例えば、100nm以上250nm以下である。次いで、例えば、電解めっき法により、Cuシード層上にCu層を形成する。電界めっき法は、例えば、4A/cm2程度の電流密度で行われる。これにより、有機絶縁層31の各溝31内及び溝35
内にCuシード層及びCu層が埋め込まれる。
次に、図33に示すように、例えば、CMPにより、有機絶縁層31の表面が露出するまで、Cu層、Cuシード層、無機絶縁膜9、バリア膜10及び有機絶縁膜61を研磨する。有機絶縁層31の各溝31内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層31の各溝31内に配線6が形成される。配線6の高さは、例えば、2μm程度である。有機絶縁層31の溝35内にCu層及びCuシード層が残存することにより、有機絶縁層31の溝35内にビア7及びランド8が形成される。配線5B上の無機絶縁膜9及
び有機絶縁膜61が除去されているため、バリア膜10を介して配線5Bとビア7とが電気的に接続されている。
〈実施例6〉
実施例6に係る半導体装置1について説明する。実施例1〜5と同一の構成要素については、実施例1〜5と同一の符号を付し、その説明を省略する。図34は、実施例6に係る半導体装置1の断面図である。半導体装置1は、基板2、密着層3、有機絶縁層71、配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8、複数の無機絶縁膜9、複数のバリア膜10及び複数の無機絶縁膜72を備えている。無機絶縁膜72は、例えば、SiO2
Al23、Ta25、Co34、WO3等の無機酸化膜、SiN、AlN等の無機窒化膜
、SiC、TiC、W2C等の無機炭化膜である。有機絶縁層71の内部に配線5A、5
B、複数の配線6、ビア7、ランド8、複数の無機絶縁膜9、複数のバリア膜10及び複数の無機絶縁膜72が設けられている。無機絶縁膜72は、第2の無機絶縁膜の一例である。
有機絶縁層71と各配線6との間に無機絶縁膜9、72が配置されている。無機絶縁膜9は、各配線6の側面及び下面を覆っている。無機絶縁膜72は、各配線6の上面を覆っている。配線5B上にビア7が形成されており、ビア7上にランド8が形成されている。有機絶縁層71とビア7及びランド8との間に無機絶縁膜9、72が配置されている。無機絶縁膜9は、ビア7の側面と、ランド8の側面及び下面とを覆っている。無機絶縁膜72は、ランド8の上面を覆っている。
無機絶縁膜9が、各配線6の側面及び下面を覆い、無機絶縁膜72が、各配線6の上面を覆うことにより、各配線6の周囲に配置された有機絶縁層71を含む絶縁体の誘電率が更に低下する。その結果、高電流が印加された場合において、各配線6の周囲の絶縁破壊が更に抑止され、各配線6間のショート不良が更に抑止される。また、配線6の上方に他の配線が配置される場合において、配線6と他の配線との間のショート不良が抑止される。無機絶縁膜9が、ビア7の側面と、ランド8の側面及び下面とを覆い、無機絶縁膜72が、ランド8の上面を覆うことにより、ビア7及びランド8の周囲に配置された有機絶縁層71を含む絶縁体の誘電率が更に低下する。その結果、高電流が印加された場合において、ビア7及びランド8の周囲の絶縁破壊が更に抑止され、各配線6とビア7及びランド8との間のショート不良が更に抑止される。
〈実施例6に係る半導体装置1の製造方法〉
実施例6に係る半導体装置1の製造方法について説明する。図35〜図39は、実施例6に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。図35に示すように、例えば、CVDにより有機絶縁層4上に無機絶縁膜72を形成する。無機絶縁膜72の厚さは、例えば、100nm以上300nm以下である。図35は、実施例1の図1に示す半導体装置1が備える有機絶縁層4上に無機絶縁膜72を形成した場合の工程を示している。
次に、図36に示すように、無機絶縁膜72上に感光性レジストを塗布した後、露光マスクを用いて感光性レジストを露光し、現像液を使用して感光性レジストを現像処理することにより、無機絶縁膜72上にレジストパターン73を形成する。現像液は、例えば、TMAHである。
次いで、図37に示すように、レジストパターン73をマスクとして異方性エッチングを行うことにより、無機絶縁膜72を部分的に除去する。レジストパターン73が形成されていない部分の無機絶縁膜72が除去される。次に、図38に示すように、剥離液を用いてレジストパターン73を除去する。剥離液は、例えば、NMPである。次いで、図39に示すように、有機絶縁層4上に有機絶縁層74を形成することにより、基板2上に有
機絶縁層71を形成する。有機絶縁層74は、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、PBO等で形成されている。有機絶縁層74の厚さは、例えば、4μm以上20μm以下である。
実施例6を実施例1〜5及び実施例5の変形例1〜3に適用してもよい。したがって、実施例1、2、5及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1が備える各配線6及びランド8の上面が無機絶縁膜72によって覆われてもよい。実施例3に係る半導体装置1が備える各配線43及びランド45の上面が無機絶縁膜72によって覆われてもよい。実施例4に係る半導体装置1が備える各配線53及びランド55の上面が無機絶縁膜72によって覆われてもよい。実施例1、2、5及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1が備えるランド8の上面に対する無機絶縁膜72の形成を省略してもよい。実施例3に係る半導体装置1が備えるランド45の上面に対する無機絶縁膜72の形成を省略してもよい。実施例4に係る半導体装置1が備えるランド55の上面に対する無機絶縁膜72の形成を省略してもよい。
実施例1、2、5及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1が備える各配線6及びランド8の上面に無機絶縁膜72を形成する工程は、実施例6の図35〜図39に示す工程と同様の工程により行われる。実施例3に係る半導体装置1が備える各配線43及びランド45の上面に無機絶縁膜72を形成する工程は、実施例6の図35〜図39に示す工程と同様の工程により行われる。実施例4に係る半導体装置1が備える各配線53及びランド55の上面に無機絶縁膜72を形成する工程は、実施例6の図35〜図39に示す工程と同様の工程により行われる。
〈実施例7〉
実施例7に係る半導体装置1について説明する。実施例1〜6と同一の構成要素については、実施例1〜6と同一の符号を付し、その説明を省略する。図40は、実施例7に係る半導体装置1の断面図である。半導体装置1は、基板2、密着層3、有機絶縁層4、配線5A、5B、複数の配線6、ビア7、ランド8、複数の無機絶縁膜9、複数のバリア膜10及び複数の無機絶縁膜81を備えている。無機絶縁膜81は、例えば、SiO2、A
23、Ta25、Co34、WO3等の無機酸化膜、SiN、AlN等の無機窒化膜、
SiC、TiC、W2C等の無機炭化膜である。無機絶縁膜81は、第3の無機絶縁膜の
一例である。
有機絶縁層4と配線5Aとの間に無機絶縁膜81が配置されている。無機絶縁膜81は、配線5Aの側面及び上面を覆っている。無機絶縁膜81は、配線5Bの側面及び上面を覆っている。配線5Bの側面及び上面を覆う無機絶縁膜81は、ビア7の側面を覆う無機絶縁膜9と繋がっている。すなわち、配線5Bの側面及び上面を覆う無機絶縁膜81と、ビア7の側面を覆う無機絶縁膜9とは一体的に形成されている。
無機絶縁膜9がビア7の側面を覆うとともに、無機絶縁膜81が配線5Bの側面及び上面を覆うことにより、配線5Bとビア7との接続部分におけるエレクトロマイグレーションの発生を抑止することができる。また、無機絶縁膜9がビア7の側面を覆うとともに、無機絶縁膜81が配線5Bの側面及び上面を覆うことにより、配線5Bのエッジ及びビア7のエッジにおけるエレクトロマイグレーションの発生を抑止することができる。
〈実施例7に係る半導体装置1の製造方法〉
実施例7に係る半導体装置1の製造方法について説明する。図41〜図44は、実施例7に係る半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図である。実施例7では、実施例1における配線5A、5Bを形成する工程(図3参照)と同様の工程を行う。この工程は、実施例1において説明しているで、実施例7では、その説明を省略する。
配線5A、5Bを形成する工程を行った後、図41に示すように、例えば、CVDにより密着層3上に無機絶縁膜81を形成する。密着層3の形成を省略する場合、基板2上に無機絶縁膜81を形成する。無機絶縁膜81の厚さは、例えば、100nm以上300nm以下である。無機絶縁膜81は、配線5Aの側面及び上面と、配線5Bの側面及び上面とを覆っている。
次に、図42に示すように、無機絶縁膜81上に感光性レジストを塗布した後、露光マスクを用いて感光性レジストを露光し、現像液を使用して感光性レジストを現像処理することにより、無機絶縁膜81上にレジストパターン82を形成する。現像液は、例えば、TMAHである。
次いで、図43に示すように、レジストパターン82をマスクとして異方性エッチングを行うことにより、無機絶縁膜81を部分的に除去する。レジストパターン82が形成されていない部分の無機絶縁膜81が除去される。次に、図44に示すように、剥離液を用いてレジストパターン82を除去する。剥離液は、例えば、NMPである。レジストパターン82を除去する工程を行った後、実施例1における有機絶縁層4を形成する工程から複数の配線6、ビア7及びランド8を形成する工程(図4〜図7参照)と同様の工程を行うことにより、図40に示す半導体装置1が製造される。なお、図7に示す工程では、レジストパターン15をマスクとして異方性エッチングを行うことにより、有機絶縁層4の溝14の底面に形成された無機絶縁膜9、81を除去する。
実施例7を実施例1〜6及び実施例5の変形例1〜3に適用してもよい。したがって、実施例1〜3、5、6及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1が備える配線5A及び5Bの側面及び上面が無機絶縁膜81によって覆われてもよい。実施例4に係る半導体装置1が備える配線51A及び51Bの側面及び上面が無機絶縁膜81によって覆われてもよい。実施例1〜6及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1が備える配線5A、5Bの側面及び上面に無機絶縁膜81を形成する工程は、実施例7の図41〜図44に示す工程と同様の工程により行われる。実施例4に係る半導体装置1が備える配線51A及び51Bの側面及び上面に無機絶縁膜81を形成する工程は、実施例7の図41〜図44に示す工程と同様の工程により行われる。
実施例1〜7及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1を、半導体チップに適用してもよい。例えば、実施例1〜7及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1を、積層半導体チップにおける上部の半導体チップ及び下部の半導体チップに適用してもよい。例えば、実施例1〜7及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1を、半導体チップと、当該半導体チップが搭載された回路基板とに適用してもよい。例えば、実施例1〜7及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1を、積層回路基板における上部の回路基板及び下部の回路基板に適用してもよい。例えば、実施例1〜7及び実施例5の変形例1〜3に係る半導体装置1を、多層プリント基板、LSI配線基板、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、チップパッケージ基板、ウエハーレベルパッケージ(WLP)に適用してもよい。
1 半導体装置
2 基板
3 密着層
4、4A、4B、31、31A、31B、71、74 有機絶縁層
5A、5B、6、43、51A、51B、53 配線
7、44、54 ビア
8、45、55 ランド
9、72、81 無機絶縁膜
10 バリア膜
11、12、13、14、32、33、34、35 溝
15、36、62、63、64、73、82 レジストパターン
61 有機絶縁膜

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された有機絶縁層と、
    前記有機絶縁層の内部に設けられた導体と、
    前記有機絶縁層と前記導体との間に配置され、前記導体の少なくとも側面を覆う無機絶縁膜と、
    前記有機絶縁層と前記無機絶縁膜との間に配置されたバリア膜と、
    前記導体と前記無機絶縁膜との間に配置された有機絶縁膜と、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記導体の上面が第2の無機絶縁膜で覆われていることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  3. 前記導体の下に配置された配線を備え、
    前記導体は、ビア及びランドを含み、
    前記ビアは、前記配線上に配置され、
    前記ランドは、前記ビア上に配置され、
    前記配線の上面の一部及び側面が第3の無機絶縁膜で覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 溝を有する有機絶縁層を基板上に形成する工程と、
    前記溝の少なくとも側面にバリア膜を形成する工程と、
    前記溝内における前記バリア膜の露出面に無機絶縁膜を形成する工程と、
    前記溝内における前記無機絶縁膜の露出面に有機絶縁膜を形成する工程と、
    前記有機絶縁膜を形成した後、前記溝内に導体を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 前記導体の上面に第2の無機絶縁膜を形成する工程を備えることを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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