JP6364585B2 - 遊技機 - Google Patents
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こうした事情を背景として、昨今では上記当否判定を実行する前に、対象となる保留記憶が大当りとなるか否かを事前判定して判定結果に基づいて、対象となる保留記憶が大当りとなる期待度を示す先読み情報(本願の全体先読み標識)を保留図柄に付随して表示して、当否判定までの期間において遊技者の期待を煽る演出、すなわち所謂「先読み保留変化演出」を備えた遊技機が多く見受けられるようになった。
例えば、先読み情報(本願の全体先読み標識)を、「あ」、「た」、「る」、および「かも」といった複数の部分先読み情報(本願の部分先読み標識)に分割して構成して、これらを「先読み保留変化演出」の対象となる保留記憶から、それ以降に発生した保留記憶に対応する保留図柄に順次、付随して表示することで期待度報知態様の完了形に至るようにしたもの(例えば、特許文献1の実施例3の図28参照)も、その一例である。
また、対象となる保留記憶に係る変動表示の開始に際して当否判定が実行されてしまうと、部分先読み情報(本願の部分先読み標識)は消去されてしまうことで、変動表示中に再確認しようとしても不可能であった。
さらに、変更する部分先読み標識の位置、個数等のパターンを複数種類備えて、それら複数種類のうちから何れかを適宜選択して変更を行うようにしてもよい。
これによって、先読み標識変更演出のバリエーションが豊富となり遊技の興趣が向上する。
また、変更時期は、対象となる保留記憶に対応した図柄の変動表示が終了するまでであれば、他の時期とすることも考えられる。対象となる保留記憶に対応した図柄の変動表示の実行中、変動表示の終了時、或いは対象となる保留記憶に対応した図柄の変動表示の実行前すなわち、対象となる保留記憶より古い保留記憶に対応し且つ部分先読み標識が付随表示された保留図柄の変動表示開始時や変動中若しくは変動終了時など、適宜様々な時期で実行するようにしても良い。これによって、先読み標識変更演出の実行時期のバリエーションが豊富となり遊技の興趣が向上する。
特に変動中保留図柄に最後尾の部分先読み標識が付随表示されている場合には、当該変動表示の結果に遊技者は注視するので、当否判定の結果が報知されるタイミングを、一目瞭然に遊技者が認知する材料となる。
(1)全体の構成について
図1に示すように、第一実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に構成される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されている。対して、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物に内蔵されると共に、普通電動役物が入球不能な閉鎖状態から、所定の開放時間に亘って入球可能な開放状態に移行して、該開放状態中に普通電動役物に入球することによって入球が可能となるように構成されており、普通電動役物を開放するか否かの普通図柄抽選で当選し、普電開放遊技時のみ入球可能となっている。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、上述したように、普通図柄抽選での当選時に、所定の回数にわたり、所定時間の開放が行われる。具体的には、通常モード(通常遊技状態)時であれば、1回の当選により約2.6秒の開放が2回行なわれる。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
これにより、主制御装置80は、当該パチンコ機50全体の制御を司るよう構成されている。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
発射制御装置84は、発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
このように、サブ統合制御装置83、演出図柄制御装置82、および演出図柄表示装置6は、主制御装置80からのデータ及びコマンド(信号、或いは通知)に基づいて、各種演出を実行するよう構成されている。
[第一実施形態]
次に、第一実施形態におけるパチンコの動作について説明する。
また、演出図柄表示装置6の画面上では、上記特別図柄に対応した演出図柄を変動表示させる疑似演出に加えて、特図表示装置9にて表示される保留図柄に対応した疑似的な保留図柄(後述する図15参照)が表示される。
また、本実施形態では、変動開始により消化されて変動中である保留記憶を示す変動中保留図柄も表示されるように構成されている。
さらに、本実施形態では、変動表示が終了した保留記憶を示す変動済み保留図柄も表示されるように構成されている。
これらの構成及び作用については、本発明の要部であるので、後で詳述するものとする。
そして、大当り遊技の終了後は、一定期間(所定数の大当り抽選が行われるまでの期間)にわたり、パチンコ機50の遊技状態が、大当り抽選で当る確率が上昇する確変モードとなり、また、これと同時に、普通図柄抽選処理での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選処理での当選時の第2始動口12(普通電動役物)の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される時短モードとなる。なお、確変モードと時短モードのどちらでもない遊技状態を、通常モードと記載する。
なお、本実施形態において、保留図柄は、保留記憶が記憶されている状態であれば常時、表示される。しかし、変動中保留図柄および変動済み保留図柄は、常には表示されない。具体的は、本実施形態の「先読み演出」実行時に限って表示される。これら、各種保留図柄の表示態様や、表示の条件等については、後で図15等を参照して説明する。
なお、言うまでも無く、「先読み演出」は、大当り判定の結果を常に正確に示唆(予告)するというものではなく、示唆(予告)が外れる場合もあり、無論、「先読み演出」が行われていない保留記憶による大当り判定で当ることもある。すなわち、所謂ガセ演出も併せて備えていても良い。
また、「全体先読み標識」は、複数の且つ、所定の順序で配列された「部分先読み標識」で構成される。
また、「部分先読み標識」は、上述した保留図柄、変動中保留図柄、および変動済み保留図柄に付随して表示される。なお、本実施形態の「部分先読み標識」は、保留図柄、変動中保留図柄、および変動済み保留図柄の内部に包含する態様で付随して表示されるよう構成されている。
さらに、「全体先読み標識」は、該「全体先読み標識」を構成する複数の「部分先読み標識」を其々、先読み演出の対象となる保留記憶に対応した保留図柄から、該保留図柄より古い保留図柄、変動中保留図柄、或いは変動済み保留図柄に付随して表示される。
このように複数の「部分先読み標識」で構成される「全体先読み標識」を表示することによって実行される「先読み演出」は、本発明の要部であり、後で詳述する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、図5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数1,2の更新(S45)を行うことで、各種乱数(数値データ)の更新を実行する。
また、大当り判定用乱数は、0〜3899の範囲であり、乱数の大きさは3900である。なお、通常モードにおいて大当りとなる値の数は13(大当り確率は1/300)で、775〜778,1775〜1778,2775〜2779となる。また、確変モードにおいては、大当りとなる値の数は、13よりも大きい数となる。
また、変動パターン決定用乱数2の値は、0〜600の範囲であり、乱数の大きさは601である。
次に、第1始動口11又は第2始動口12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶の生成等を行う始動入賞確認処理について、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンにて実行される入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。
本実施形態では、第1始動口11および第2始動口12の何れに入賞した場合でも、1種類の特別図柄に係る保留記憶として合算して記憶される。
すなわち、S110では、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入球したことに起因して、数値データとしての各種乱数を抽出すると共に、該抽出した数値データを特別図柄に係る保留記憶として、保留上限数を限度として記憶する。
そして、消化されていない特別図柄に係る保留記憶の数を示す保留数コマンドを、サブ統合制御装置83に送信し、S115に処理を移行する。
本実施形態の先読み判定処理(S115)は、記憶された数値データが大当りとなる内容を備えているか否か、すなわち特定の数値と合致するか否かを、後述する当否判定処理の前に、先んじて確認する処理である。
さらに、確認した結果に係る情報(信号)である各種先読みコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
次に、新たに発生した特別図柄に係る保留記憶に関し、これに対応する大当り決定用乱数等の値と合致するか否かを判定する先読み判定処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
なお、本実施形態では、図7に示す処理は、上記S115において実行される処理である。
また、他の構成として、ハズレ図柄も複数備え、該ハズレ図柄には予め大まかな変動内容が指定されており、変動パターン決定用乱数を用いて変動パターンを選択する構成も考えられる。この場合は、大当り図柄決定用乱数ではなく、図柄決定用乱数となる。
大まかな変動内容とは、リーチを行わずにハズレる変動か、リーチを行った後にハズレる変動か、或いは、疑似連続変動(一変動中に、あたかも複数回変動したかのように見せかける変動演出)を行なう変動か、といった情報である。そして、該大まかな変動内容が、ハズレ図柄によって指定されており(例えばリーチハズレの場合は変動パターン決定用乱数にて、複数あるリーチ演出の中から選択することになる。)、これにより、図柄情報を先読みコマンドで送るだけで、サブ統合制御装置83は当否結果、及び変動内容を把握することができ、その内容によって「先読み演出」を実行するか否かを決定することができる。
先読み判定処理で判断する内容は特に限定するものではなく、「先読み演出」で行ないたい内容に合致したデータを主制御装置80が送ればよい。
「変動テーブル種別コマンド」は、現状、後述する当否判定処理(図9参照)のS250及びS260にて変動パターンを決定する際に参照する変動テーブルが、平均変動時間の異なる第1変動テーブル又は第2変動テーブルの何れに設定されている状態であるかを判断し、参照することが設定されている変動テーブルの種別を示唆するコマンドである。
本実施形態では、通常遊技状態では第1変動テーブルが、ST期間に対応した時短遊技状態中には第2変動テーブルが参照されるように設定されているので、上記判定に際し、確変フラグ又は時短フラグの値を判定し、該フラグに1が設定されていれば第2変動テーブルを、0が設定されていれば第1変動テーブルを参照する状態にあると判断し、当該内容のコマンドを生成する。
なお、このような構成に限らず、参照する変動テーブル種別を示唆するフラグを個別に備えてこれを判定するようにしても良いし、参照する変動テーブル種別を示唆する情報を所定のバッファに格納して、該格納された情報を判定するようにしても良い。
次に、保留記憶として記憶された大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図8〜11のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
このように本実施形態のS230およびS235は、始動入賞確認処理のS110にて記憶された数値データに基づいて、大当り遊技を発生させるか否かの当否判定すなわち大当り判定を実行する処理である。
なお、上述したハズレ図柄を複数備える構成の場合には、S240で否定判定時に移行する上記S260において、ハズレ図柄決定処理が行なわれるように構成すれば良い。
S250では、上述したように、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定するものであるが、所定の変動テーブルを参照して該決定が行われる。
本実施形態において、変動テーブルには、変動パターン決定用乱数に対応した複数の変動パターンが設定されており、更にこれらの変動パターンには個々に変動時間が指定されている。
また、本実施形態の変動テーブルは、設定された変動パターンが指定する変動時間の平均である平均変動時間に関して、比較的長時間である平均変動時間(例えば、15秒間)に設定された第1変動テーブルと、該第1変動テーブルよりも比較的短時間である平均変動時間(例えば、5秒間)に設定された第2変動テーブルとを備える。
なお、平均変動時間の時間差は、リーチ演出の出現率による差であったり、リーチなしハズレでの変動時間の差であったりと、他のパラメータの差異の度合を反映することで、色々考えられる。
そして、本実施形態では、変動パターン決定処理にて参照する変動テーブルとして、上記第1変動テーブル又は第2変動テーブルの何れかが選択されており、選択されている変動テーブルに基づいて上記決定処理が為されるようになっている。
第1変動テーブルが参照される場合には、変動時間が比較的長時間となる傾向にあり、大当りとなるか否かの「変動演出」に対して充分な演出時間を充当することができ、一変動単位の多彩で趣向性に溢れた演出を遊技者に提供し易くなる。また、第2変動テーブルが参照される場合には、変動時間が比較的短時間となる傾向にあり、変動がテンポよくスピィーディーに消化されて、単位時間あたりの大当りの期待度が増し、大当りによる出玉を遊技者に期待させ易くなる。
よって、S250では、先ず、現在参照することになっている変動テーブルの種別を判断し、該判断の結果に基づいて第1変動テーブル又は第2変動テーブルの何れかを参照して、変動パターンの決定処理を行うものである。
すなわち、S250は、平均変動時間の異なる第1変動テーブル又は第2変動テーブルの何れかを参照して、変動パターンを選択する処理である。
なお、このようなS250の処理の内容は、後述するS260においても同様である。
なお、本実施形態では、S260にて、ハズレ時の消化した保留記憶に係る変動パターン(変動時間)を決定すると共に、これに先立って、ハズレ図柄を決定する処理を行う。この構成に限定することなく、S260の実行前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えるように構成しても良い。これにより、上述したハズレ図柄を複数備える構成であれば、好適な制御処理を行うことができる。
このようにS245及びS260は、大当りとなるか否かの判定結果に基づいて、該判定結果を示す特別図柄すなわち、大当り図柄又はハズレ図柄を、決定する処理である。
すなわち、S275では、上記S250又はS260で決定した変動パターンの種別を示す変動パターン信号(コマンド)を、サブ統合制御装置83に送信する処理を行う。
また、変動開始コマンドは、さらに、大当り抽選により消化された保留記憶が、第1始動口11への入賞により生成されたものであるか、第2始動口12への入賞により生成されたものであるかを示しても良い。
このように、S285は、大当りとするか否かの当否判定結果に基づいて決定された特別図柄に係る大当り図柄またはハズレ図柄を表示させる処理である。
S300では、主制御装置80は、確定表示されていた特図(特別図柄)が大当り時のものであるか否か、すなわち大当り図柄であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S300:No)、S340に処理を移行する。
また、パチンコ機50は、確変カウンタを備える。確変カウンタは、ST期間である所定の変動回数(例えば、100回)に対応したカウンタ値(例えば、100)がST期間開始時に設定され、変動終了毎にデクリメント処理されるカウンタである。該確変カウンタが0となることで、ST期間が終了する。
S350で、主制御装置80は、確変フラグに0を設定して、S355に処理を移行する。
また、パチンコ機50は、上記確変カウンタとは別に時短カウンタを備える。時短カウンタは、時短状態である所定の変動回数(例えば、100回)に対応したカウンタ値(例えば、100)が時短状態開始時に設定され、変動終了毎にデクリメント処理されるカウンタである。該時短カウンタが0となることで、時短状態が終了する。
図示しないが、主制御装置80は、時短フラグが1であることに基づいて、普通電動役物の開放時間を延長する「開放延長制御処理」を備える。
S365で、主制御装置80は、時短フラグに0を設定して、S370に処理を移行する。
(5)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、図12〜14のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
続いて図13に関して、大入賞口14の開放中に移行するS430では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S430:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S430:No)、S435に処理を移行する。
S445では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S465では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
S485では、主制御装置80は、大当り遊技後に確変モードに移行するか否か、すなわちST期間に移行するか否か、を判定し、肯定判定の場合には(S485:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数、ST回数例えば、100回)に相当するカウンタ値を確変カウンタに設定すると共に(S490)、確変フラグに1をセットし(S495)、S500に処理を移行する。
次に、本実施形態のサブ統合制御装置83により演出図柄表示装置6の画面上に表示される疑似的な保留図柄について、図15を参照して説明する。本実施形態では上述したように、複数種類の保留図柄として、保留図柄、変動中保留図柄、および変動済み保留図柄を備える。
図15(a)に示すように、本実施形態では、保留図柄は円形状、変動中保留図柄は四角形状、および変動済み保留図柄は三角形状で表示される。何れも、所定の表示領域に表示され、それぞれの保留図柄に対応した保留記憶の存否を示す。つまり、表示されることで対応する保留記憶が存在することを示唆し、表示されないことで存在しないことを示唆する。但し、本実施形態では変動中保留図柄、および変動済み保留図柄は、「先読み演出」実行時に限って表示される。
また、第1保留図柄表示領域91aの保留図柄に対応した保留記憶の変動表示開始条件が成立すると、第1保留図柄表示領域91aの保留図柄が消去され、第2保留図柄表示領域91b以降に保留図柄が表示されている場合、其々、直左の領域に1個ずつシフトして変位表示される。例えば、図15(b)の状態であれば、変動中の疑似図柄300が変動終了すると、保留図柄100が消去され、保留図柄101は第1保留図柄表示領域91aに、保留図柄102は第2保留図柄表示領域91bに、シフト処理される。
また、変動済み保留図柄表示領域93の何れかに変動済み保留図柄が表示されている際、新たに保留記憶が消化されると、現時点で表示されている変動済み保留図柄の図示直左側の領域に前記変動済み保留図柄が各々シフト表示される。よって、変動済み保留図柄表示領域93に複数の変動済み保留図柄が表示されている場合、図示最も左側に表示された変動済み保留図柄が「最古の変動済み保留図柄」となっている。
例えば、図15(b)の第2変動済み保留図柄表示領域93bと第3変動済み保留図柄表示領域93cには、変動済み保留図柄120と121が、それぞれ表示されているが、この場合、変動済み保留図柄201が「最古の変動済み保留図柄」であり、変動済み保留図柄121が「最新の変動済み保留図柄」である。この際に、新たに保留記憶が消化した場合には、第1変動済み保留図柄表示領域93aに変動済み保留図柄120が、第2変動済み保留図柄表示領域93bに変動済み保留図柄121が、シフト変位し、第3変動済み保留図柄表示領域93cには、直前まで表示されていた変動中保留図柄に対応した保留記憶に係る新たな変動済み保留図柄が表示されることとなる。
(a)先読み標識の特徴点について
先ず、本実施形態の「全体先読み標識」の特徴について、概要を説明する。
「全体先読み標識」は、「先読み演出」実行時の対象となる保留記憶について、当否判定で大当りとなる可能性の有無や、該可能性の大きさ(期待度)を示唆する標識である。そして、「全体先読み標識」は、複数の「部分先読み標識」によって構成される。
また、本実施形態の「全体先読み標識」は、複数の「部分先読み標識」が所定の順序で配列して構成される。これにより、単に複数の「部分先読み標識」を不足なく備えただけでは不可能な、例えば「四文字熟語」等による期待度の示唆が可能となる。
また、本実施形態の「全体先読み標識」は、複数の「部分先読み標識」が所定の順序で配列されたとき、最も古い各種保留図柄に付随して表示される、つまり先頭の「部分先読み標識」を、他の「部分先読み標識」に変更(後述する「先読み標識変更演出」の実行)することで、異なる期待度の示唆が可能に構成される。すなわち、今、先頭の「部分先読み標識」が「小」で、後に続く「部分先読み標識」が「チャ」、「ン」、および「ス」であるとき、「小」を「大」に変更することで、期待度を向上させることができる。
また、「全体先読み標識」は、複数の「部分先読み標識」で構成され、先読み対象の保留記憶から、該保留記憶より古い保留記憶に亘って、これらの複数の保留記憶に対応した保留図柄に付随して、且つ分散して表示される。そして、「部分先読み標識」が付随表示された保留図柄が、対応する保留記憶の消化によって消去されても、「部分先読み標識」は表示を維持するよう構成されている。そして、この表示の維持は、先読み対象となる保留記憶に係る変動表示が終了するまで実行される。これによって、「部分先読み標識」が付随した保留図柄が順次消去されていっても、最後尾の「部分先読み標識」が付随された保留図柄に対応する保留記憶に係る変動表示が終了するまで、全ての「部分先読み標識」すなわち「全体先読み標識」を、遊技者はいつでも任意に確認することができる。
また、「全体先読み標識」を構成する複数の「部分先読み標識」は、上述したように、表示の維持を先読み対象となる保留記憶に係る変動表示が終了するまで実行する、すなわち、前記変動表示の終了に基づいて、全ての「部分先読み標識」は一括して即時、消去される。これにより、変動表示が終了して確定表示された先読み対象の保留記憶に係る「先読み演出」が終了したことを明確にすることができる。また、他の保留記憶を対象とした「先読み演出」の「全体先読み標識」或いは「部分先読み標識」と混同することを防止し、遊技者の「先読み演出」に対する信頼性の低下を防止できる。
また、本発明の「全体先読み標識」を構成する複数の「部分先読み標識」は、保留図柄に付随して表示されている。つまり、保留図柄と一体的に構成されたものではなく、保留図柄に付随した状態で保留図柄とは別個に表示される構成である。これにより、保留図柄が表示終了して消去されても、「部分先読み標識」の表示が維持される。よって、保留図柄の表示状態(表示或いは消去)に関係なく、「部分先読み標識」によって「先読み演出」を実行可能とするものである。なお、後述するが本実施形態では、各種保留図柄の内部に「部分先読み標識」の所定の表示領域を包括して備える構成とすることで、保留図柄に「部分先読み標識」を付随表示しつつ、個別の表示を実現している。
本実施形態では、「先読み演出」の実行開始時に、先読み対象の保留記憶に係る「全体先読み標識」を、複数の且つ、所定の順序で配列された「部分先読み標識」で構成し、該複数の「部分先読み標識」を、前記先読み対象の保留記憶から、該記憶より古い保留記憶に亘って、前記配列に従い分散し、且つ付随することで表示を開始する。
こうして表示された「部分先読み標識」は、新たな保留記憶の消化が行われる都度、付随する保留図柄がシフトすれば該保留図柄に併せてシフトすることで付随状態を維持し、付随する保留図柄が消去されると、新たに表示された変動中保留図柄にシフトしてこれに付随し、付随する変動中保留図柄が消去されると、最新の変動済み保留図柄にシフトしてこれに付随し、付随する変動済み保留図柄がシフトすれば該変動済み保留図柄に併せてシフトすることで付随状態を維持する。
「先読み演出」の実行開始時に先読み演出の対象となる保留記憶が消化されて変動表示が開始し、該変動表示が終了して特別図柄の確定表示が行われると、当初に表示された複数の「部分先読み標識」の全ては、一括して即時、消去されて表示が終了する。因みに、この際に他の保留記憶に係る「先読み演出」が実行中であれば、該他の「先読み演出」による「部分先読み標識」は、表示が維持される。
「部分先読み標識」は、所定の「部分先読み標識表示領域」に表示される。所定の部分先読み標識表示領域は、付随する各種保留図柄によって異なる領域が設けられている。図15(c)に示すように、本実施形態では、付随する各種保留図柄が例えば、保留図柄100であれば該保留図柄100の円形状で、変動中保留図柄110であれば該変動中保留図柄110の四角形状で、変動済み保留図柄120であれば該変動済み保留図柄120の三角形状で、囲繞された部分先読み標識表示領域94(ハッチング部)に、部分先読み標識は表示される。
図15(b)には、保留図柄100に対応する保留記憶を対象とした「先読み演出」実行時の表示例が示されている。なお、変動中の疑似図柄300は、変動中保留図柄110に対応した保留記憶に係る変動表示である。
図15(b)に示す状態は、当初、保留図柄100に対応する保留記憶が発生したとき、後述する全体先読み標識R「最・強・無・比」(図16参照)が選択され、先読み対象の保留図柄100には、「比」が付随表示され、保留図柄100より先に発生した保留図柄に、順に「無」、「強」、「最」が付随表示され、その後、変動表示が終了する毎にシフト表示が3回実行された結果である。
全体先読み標識R「最・強・無・比」を構成する、「最」、「強」、「無」、および「比」は、其々、部分先読み標識である。これらの部分先読み標識は、個々に対応する各種保留図柄の部分先読み標識表示領域94に表示されることで、付随表示されるよう構成されている。
図16を参照して、本実施形態の「全体先読み標識」の種別について説明する。
本実施形態では、「先読み標識A」〜「先読み標識S」の19種類に及ぶ「全体先読み標識」を備えている。「先読み標識A」〜「先読み標識C」は例外であるが、「全体先読み標識」は各々、複数種類の「部分先読み標識」を備え、これらの「部分先読み標識」を所定の配列で表示することで構成されている。
始動入賞して先読み演出を実行すると決定し、保留記憶が上限数(4個)記憶されて、対応する4個の保留図柄が表示されている時に、先読み演出の対象となる最新の保留記憶に対応した最新の保留図柄には、「先読み標識M」の最後尾の「部分先読み標識」である「ス」が付随表示される。
先読み演出の対象となる最新の保留記憶よりも1個前すなわち1個古い保留記憶に対応した保留図柄には、「先読み標識M」の最後尾の「部分先読み標識」である「ス」よりも1個前の「ン」が付随表示される。
先読み演出の対象となる最新の保留記憶よりも2個前すなわち2個古い保留記憶に対応した保留図柄には、「先読み標識M」の最後尾の「部分先読み標識」である「ス」よりも2個前の「チャ」が付随表示される。
先読み演出の対象となる最新の保留記憶よりも3個前すなわち3個古い保留記憶に対応した保留図柄には、「先読み標識M」の最後尾の「部分先読み標識」である「ス」よりも3個前の「小」が付随表示される。
「先読み標識選択テーブル」は、図17に示すように「先読み標識選択テーブル1」〜「先読み標識選択テーブル4」の4種類が設けられている。
「シナリオ選択テーブル」は、図18および図19に示すように「シナリオ選択テーブル1」〜「シナリオ選択テーブル4」の4種類が設けられている。
図17を参照して「先読み標識選択テーブル」について説明する。
サブ統合制御装置83は、上記「先読み標識表示開始処理」(S615)にて、先読み対象の保留記憶を含めて、現状の保留記憶の個数に基づいて、参照する「先読み標識選択テーブル」の種別を決定する。すなわち、保留記憶が4個であれば、「先読み標識選択テーブル1」〜「先読み標識選択テーブル4」の内から何れかを決定する。保留記憶が3個であれば、「先読み標識選択テーブル1」〜「先読み標識選択テーブル3」の内から何れかを決定する。保留記憶が2個であれば、「先読み標識選択テーブル1」〜「先読み標識選択テーブル2」の内から何れかを決定する。保留記憶が1個であれば、「先読み標識選択テーブル1」に決定する。決定に関しては、抽選による決定を行うよう構成されている。よって、保留記憶が4個ある場合であっても、抽選により「先読み標識選択テーブル1」が決定されれば、先読み対象となる保留記憶に対応した保留図柄のみに「先読み標識A」〜「先読み標識C」の何れかが付随表示されることとなる。
このように本実施形態では、「先読み標識選択テーブル」の種別を決定に際し、保留記憶の数に基づいて、該保留記憶数を超えない「部分先読み標識」の数で構成される「先読み標識選択テーブル」の中から選択するものである。しかし、これに限らず、保留記憶数を超える「部分先読み標識」の数で構成される「先読み標識選択テーブル」も選択の対象とするように構成してもよい。この場合、「部分先読み標識」が付随することとなる「変動中保留図柄」や「変動済み保留図柄」を、付随する「部分先読み標識」を表示する最初の段階から、併せて表示するように構成することが好適である。
「先読み標識選択テーブル」の種別が決定されると、先読み対象の保留記憶に係る期待度の高さ(低、中、或いは高)に応じて、「全体先読み標識」の種別が抽選決定される。
図18及び図19を参照して「シナリオ選択テーブル」について説明する。
サブ統合制御装置83は、上記「先読み標識表示開始処理」(S615)にて、「先読み標識変更演出」を実行するか否かを抽選決定し、肯定判定となれば、先読み対象の保留記憶を含めて、現状の保留記憶の個数に基づいて、参照する「シナリオ選択テーブル」の種別を決定する。すなわち、保留記憶が4個であれば、「シナリオ選択テーブル1」〜「シナリオ選択テーブル4」の内から何れかを決定する。保留記憶が3個であれば、「シナリオ選択テーブル1」〜「シナリオ選択テーブル3」の内から何れかを決定する。保留記憶が2個であれば、「シナリオ選択テーブル1」〜「シナリオ選択テーブル2」の内から何れかを決定する。保留記憶が1個であれば、「シナリオ選択テーブル1」に決定する。決定に関しては、抽選による決定を行うよう構成されている。よって、保留記憶が4個ある場合であっても、抽選により「シナリオ選択テーブル1」が決定されれば、「シナリオ1―1」〜「シナリオ1―3」の何れかが決定される。そして、決定されたシナリオに基づいて、例えば「シナリオ1―3」に決定すれば、先読み対象の保留図柄に「先読み標識B」である「熱」が付随表示されることとなる。こうして付随表示された「熱」は、表示終了までに、つまり本実施形態では先読み対象の保留記憶に係る変動表示の開始時に、「先読み標識C」である「当」に変更する演出が実行されるものである。
このように本実施形態では、「シナリオ選択テーブル」の種別を決定に際し、保留記憶の数に基づいて、該保留記憶数を超えない「部分先読み標識」の数で構成される「シナリオ選択テーブル」の中から選択するものである。しかし、これに限らず、保留記憶数を超える「部分先読み標識」の数で構成される「シナリオ選択テーブル」も選択の対象とするように構成してもよい。この場合、「部分先読み標識」が付随することとなる「変動中保留図柄」や「変動済み保留図柄」を、付随する「部分先読み標識」を表示する最初の段階から、併せて表示するように構成することが好適である。
「シナリオ選択テーブル」の種別が決定されると、上述したように、先読み対象の保留記憶に係る期待度の高さ(低、中、或いは高)に応じて、「シナリオ」の種別が抽選決定され、決定内容に基づいて、「部分先読み標識」の付随が予定された保留図柄に付随表示される。
以上のように、本実施形態の「全体先読み標識」は構成されるが、続いて、サブ統合制御装置83による「全体先読み標識」の表示に係る具体的な処理について、図20〜図26を参照して説明する。
第1始動口11又は第2始動口12への入賞に応じて保留記憶が生成された際に、該保留記憶に対応する保留図柄を演出図柄表示装置6に表示すると共に、「先読み演出」を実行する場合には「全体先読み標識」を表示する、本実施形態の「保留表示処理」について、図20に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。
なお、図20の「保留表示処理」は、保留記憶が生成された際すなわち、特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入球して新たな保留記憶が行われた際に実行される処理である。
上述したように、「先読みコマンド1〜4」は、「始動入賞確認処理」(図6)にて、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入球し(S100:Yes)、特別図柄に係る保留記憶が上限数(例えば4個)に達していない場合に(S105:No)、保留記憶が記憶される都度、先読み判定処理(S115)にて、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンド(情報或いは信号とも呼称する)である。
また、本実施形態では先読み信号と保留記憶数を示す信号は1つのコマンドで送信する構成となっている。そのため、サブ統合制御装置83は先読み信号を受信すると、先読み判定内容と保留記憶数の情報を受け取ることができる。無論、先読み判定内容と保留記憶数を示す信号は別々のコマンドで送る構成としてもよい。
次いで、今回の新たに発生した保留記憶に対応する保留図柄を表示する処理を実行して、S610に処理を移行する。
このように、本実施形態の「保留表示処理」では、新たな保留記憶が発生すると、対応する保留図柄の表示処理(S605)と、該保留図柄に付随して「全体先読み標識」を表示する処理(S615)を、個別に備えている。先読み演出を実行しない場合には、単に保留図柄のみを表示する。
次に、「保留表示処理」の1モジュールである、「先読み標識表示開始処理」(S615)について、図21を参照して説明する。
S650で、サブ統合制御装置83は、「先読み標識変更演出」を実行するか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S650:Yes)、S685に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S650:No)、S655に処理を移行する。
「先読み標識変更演出」を実行するか否かの判定処理は、上述した「先読み演出用バッファ」に格納した「先読み演出決定用乱数」と、受信した先読みコマンドの種別毎の内容に基づいて、抽選により決定する。
S680は、表示中の保留図柄の個数が、今回新たに表示された保留図柄を含めて2個未満すなわち1個の場合、又は、表示中の保留図柄の個数が2個以上であっても「全体先読み標識」を複数の「部分先読み標識」に分割して表示しない場合に移行する処理である。
なお、S680では、「先読み演出用バッファ」に格納した「先読み演出決定用乱数」と、受信した先読みコマンドの種別毎の内容に基づいて、「先読み標識選択テーブル1」を参照して、期待度の高さに応じて「先読み標識A」〜「先読み標識C」の何れかを選択決定する。
詳述すると、S665では、「先読み演出用バッファ」に格納した「先読み演出決定用乱数」と、受信した先読みコマンドの種別毎の内容に基づいて、「先読み標識選択テーブル2」〜「先読み標識選択テーブル4」を参照して、期待度の高さに応じて「先読み標識D」〜「先読み標識S」の何れかを選択決定する。参照する「先読み標識選択テーブル」は、現在表示中の保留図柄の個数を参照して、該個数を超えない「部分先読み標識」の個数で設定されたテーブルを選択するよう構成される。
なお、既に保留図柄の何れかに、「部分先読み標識」が付随表示されている場合には、重複して表示することがないように、付随表示可能な保留図柄の個数を算出して、該算出した保留図柄の個数に対応したテーブルを参照するよう構成されている。
S685の「シナリオ決定処理」は、「先読み標識変更演出」を実行すると決定された場合に移行する処理であり、先読み対象の保留記憶に係る変動表示が終了するまでの何れの時期に、表示中の何れの「部分先読み標識」を、他の何れの「部分先読み標識」に変更するか、といった演出内容、すなわちシナリオを決定し、該シナリオに基づいて当初の「部分先読み標識」を決定する処理である。
本実施形態では、「部分先読み標識」の変更時期は、先読み対象の保留記憶に係る変動表示の開始時に限定されている。しかし、これに限らず、他の時期に変更するようにしても良いし、複数の変更時期の中から選択決定するようにしても良い。
このように、本実施形態の「先読み標識表示開始処理」(S615)では、先読み演出の対象となる保留記憶に係る当否判定が実行される前に、該保留記憶が大当りとなる特定の値であることの期待度を示唆する「全体先読み標識」を表示するものである。繰り返しになるが、「全体先読み標識」は、複数の「部分先読み標識」により構成される。
また、「先読み標識表示開始処理」(S615)では、先読み対象となる保留記憶以前に記憶された保留記憶に対応した複数の保留図柄に対して、個別に複数の「部分先読み標識」を付随して表示するものである。
次に、「先読み標識表示開始処理」の1モジュールである、「シナリオ決定処理」(S685)について、図22を参照して説明する。
サブ統合制御装置83は、「シナリオ決定処理」を実行開始すると先ず、S700で、上述したS605にて新たに表示した保留図柄を含めて現在表示中の保留図柄の個数が2個以上であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S700:Yes)、S705に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S700:No)、S725に処理を移行する。
S725は、表示中の保留図柄の個数が、今回新たに表示された保留図柄を含めて2個未満すなわち1個の場合、又は、表示中の保留図柄の個数が2個以上であっても「全体先読み標識」を複数の「部分先読み標識」に分割して表示しない場合に移行する処理である。
なお、S725では、「先読み演出用バッファ」に格納した「先読み演出決定用乱数」と、受信した先読みコマンドの種別毎の内容に基づいて、「シナリオ選択テーブル1」を参照して、期待度の高さに応じて「シナリオ1−1」〜「シナリオ1−3」の何れかを選択決定する。
詳述すると、S710では、「先読み演出用バッファ」に格納した「先読み演出決定用乱数」と、受信した先読みコマンドの種別毎の内容に基づいて、「シナリオ選択テーブル2」〜「シナリオ選択テーブル4」を参照して、期待度の高さに応じてシナリオを選択決定する。参照する「シナリオ選択テーブル」は、現在表示中の保留図柄の個数を参照して、該個数を超えない「部分先読み標識」の個数で設定されたテーブルを選択するよう構成される。
なお、既に保留図柄の何れかに、「部分先読み標識」が付随表示されている場合には、重複して表示することがないように、付随表示可能な保留図柄の個数を算出して、該算出した保留図柄の個数に対応したテーブルを参照するよう構成されている。
次に、実行中の変動表示が終了して最古の保留記憶が消化された際に、サブ統合制御装置83により実行される「保留表示更新処理」について、図23を参照して説明する。
サブ統合制御装置83は、「保留表示更新処理」を実行開始すると先ず、S750で、主制御装置80から保留数コマンド(保留情報)を受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S750:Yes)、S755に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S750:No)、本処理を終了する。
なお、保留数コマンドは、上述した当否判定処理(図9)の保留情報送信処理(S270)にて、主制御装置80から送信される情報(コマンド)である。
「図柄増減表示処理」は、本実施形態の保留図柄の消去や、消化済み保留図柄(変動中保留図柄或いは変動済み保留図柄)の表示や消去に係る処理である。
「先読み標識表示処理」は、保留図柄のシフト処理に伴い、本実施形態の保留図柄や、消化済み保留図柄(変動中保留図柄或いは変動済み保留図柄)に付随した「部分先読み標識」のシフト処理、「先読み標識変更演出」に伴う「部分先読み標識」のシナリオに基づいた変更処理、或いは「先読み演出」終了に伴う「部分先読み標識」の消去等に係る処理である。
次に、「保留表示更新処理」の1モジュールである、「図柄増減表示処理」(S755)について、図24を参照して説明する。
サブ統合制御装置83は、「図柄増減表示処理」を実行開始すると先ず、S800で、最古の保留図柄を1個だけ消去すると共に、他の保留図柄が表示されていれば、其々、1つずつ左側(図15(b)の保留図柄表示領域91を参照)の保留図柄表示領域へシフトして移転表示する処理を実行し、S805に処理を移行する。
すなわち、S800では、最古の保留図柄に対応する保留記憶が当否判定の対象として消化されることに基づいて、該保留図柄を消去する。
本実施形態では、「変動中保留図柄」及び「変動済み保留図柄」は、「先読み演出」実行中にしか表示されないよう構成されているため、「変動中保留図柄」の表示の有無を指標として、「先読み演出」の実行中か否かを判定している。
「変動中保留図柄」が「先読み演出」の対象となる保留記憶に対応している、ということは、直前に終了した変動表示が先読み対象の変動表示であったこと、また、「変動中保留図柄」に対応した保留記憶に係る「先読み演出」が終了したこと、を意味している。
このように本実施形態では、「先読み演出」の対象となる保留記憶に対応した疑似図柄(特別図柄)の変動表示が終了したことに基づいて、「先読み演出」によって「部分先読み標識」が付随表示されていた「変動中保留図柄」および「変動済み保留図柄」の全てを一括消去する。これにより、先読み対象の保留記憶に係る「先読み演出」が終了したことを明示することができると共に、後続する他の保留記憶に係る「先読み演出」が実行されている場合に、該「先読み演出」との混同を防止し、「先読み演出」毎に個別具体的な演出の実現が可能となる。
詳述すると、仮に現在表示されている最古の保留図柄に「部分先読み標識」が付随して表示されている場合、当該「部分先読み標識」は、上記S800にて消去された保留図柄に付随して表示されていたものである。S820では、保留記憶の消化により消去された保留図柄に「先読み演出」による「部分先読み標識」が付随して表示されていたのか否か、を判定する処理である。換言すれば、今回のシフト処理によって、「先読み演出」による「部分先読み標識」が付随表示された保留図柄が消去されたか否か、を判定する。
「変動中保留図柄」が表示されているということは、既に1回前のシフト処理時において、その時点での最古の保留図柄に「部分先読み標識」が付随していたこと、すなわち現在最古の保留図柄に付随表示されている「部分先読み標識」は、少なくとも先頭ではなく、2番目以降の「部分先読み標識」であることを意味する。つまり、少なくとも変動中保留図柄には「部分先読み標識」が付随表示されている。
S830で新たに表示される「変動済み保留図柄」は、現状、変動中保留図柄に付随表示されている「部分先読み標識」を付随表示する対象となる図柄である。また、既に「変動済み保留図柄」が、1個又は2個表示されている場合には、既に表示されている「変動済み保留図柄」を、其々、1つずつ左側(図15(b)の変動済み保留図柄表示領域93を参照)の変動済み保留図柄表示領域へシフトして移転表示し、第3変動済み保留図柄表示領域93cに新たな「変動済み保留図柄」を増加表示する処理を行う。
S835で新たに表示される「変動中保留図柄」は、当否判定による消化によって上記S800にて消去された最古の保留図柄に対応して表示される本発明の消化済保留図柄である。
S835で新たに表示される「変動中保留図柄」は、現状、最古の保留図柄に付随表示されている「部分先読み標識」を付随表示する対象となる図柄である。また、当該「部分先読み標識」は、複数の「部分先読み標識」の中で、先頭の「部分先読み標識」である。先頭の「部分先読み標識」とは、例えば、「先読み標識P」(図16参照)であれば、「五」が該当し、因みに、「中」は最後尾の「部分先読み標識」である。そして、「先読み演出」の対象となる保留記憶に対応した保留図柄には、この最後尾の「部分先読み標識」が付随表示されるようになっている。
次に、「保留表示更新処理」の1モジュールである、「先読み標識表示処理」(S760)について、図25を参照して説明する。
サブ統合制御装置83は、「先読み標識表示処理」を実行開始すると先ず、S850で、「部分先読み標識」を表示中か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S850:Yes)、S855に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S850:No)、本処理を終了する。
S855では、直前に終了した変動表示が先読み対象の変動表示であったか否か、また、「変動中保留図柄」に対応した保留記憶に係る「先読み演出」が終了したか否か、について判定する。
このように本実施形態では、「先読み演出」の対象となる保留記憶に対応した疑似図柄(特別図柄)の変動表示が終了したことに基づいて、「先読み演出」によって「変動中保留図柄」および「変動済み保留図柄」に付随表示されていた「部分先読み標識」の全てを一括消去する。これにより、先読み対象の保留記憶に係る「先読み演出」が終了したことを明示することができると共に、後続する他の保留記憶に係る「先読み演出」が実行されている場合に、該「先読み演出」による他の「部分先読み標識」との混同を防止し、「先読み演出」毎に個別具体的な演出の実現が可能となる。
S870では、シナリオの内容のうち、特に「部分先読み標識」の変更時期が到来したか否か、すなわち本実施形態ではこれから実行開始される変動表示が先読み対象の保留記憶に係る変動表示となるか否か、について判定する。
なお、S870で参照するシナリオの内容は、上述した「シナリオ決定処理」(図22)のS730で「シナリオバッファ」に格納されたものである。
例えば、「シナリオ3−1」が実行中である場合、先頭の「部分先読み標識」を、「微」から「激」に変更する。
このように、S880では、先読み対象の保留記憶に係る変動表示が終了するまでに、表示が維持されている複数の「部分先読み標識」の内の少なくとも何れか1つを、期待度の異なる他の「部分先読み標識」に変更する。
本実施形態では、変更時期として、変動表示の開始時としているが、変動表示中の所定の時期としても良い。また、この時期を複数種類備えて、何れの時期に実行するかを、抽選により決定するように構成しても良い。これにより、変更時期が不定となり興趣が向上する。
S885の「先読み標識移転処理」では、保留記憶が消化されて保留図柄がシフト処理されたことにより、「部分先読み標識」を、該「部分先読み標識」が本来、付随表示されるべき保留図柄に移転して表示することで、表示を維持する。
特に、S885の「先読み標識移転処理」では、「部分先読み標識」が付随表示された最古の保留図柄が消去された場合、前記「部分先読み標識」を、前記消去された最古の保留図柄から、該最古の保留図柄に対応して新たに表示される変動中保留図柄(消化済保留図柄)に移転して、表示が維持される。
これにより、「先読み演出」実行中において、「部分先読み標識」が付随表示された最古の保留図柄が消去されてしまっても、該最古の保留図柄に対応して表示される変動中保留図柄に前記「部分先読み標識」を移転して表示が維持されるので、最古の保留図柄が消去された後でも、「部分先読み標識」を確認することができる。
また、最古の保留図柄に付随していた「部分先読み標識」を、変動中保留図柄に移転して表示するので、現在変動中の保留記憶に係る期待度を容易に遊技者は認識できる。
次に、「先読み標識表示処理」の1モジュールである、「先読み標識移転処理」(S885)について、図26を参照して説明する。
サブ統合制御装置83は、「先読み標識移転処理」を実行開始すると先ず、S900で、先頭の「部分先読み標識」が「変動済み保留図柄」に付随表示されているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S900:Yes)、S905に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S900:No)、S945に処理を移行する。
最古の「変動済み保留図柄」とは、上述した「図柄増減表示処理」(図24)のS830において変動済み保留図柄表示領域93の中で左方向にシフト処理された後の、最も左側に位置する「変動済み保留図柄」である。この場合、当該最も左側に位置する「変動済み保留図柄」が、本来、先頭の「部分先読み標識」が付随表示される対象となる図柄である。
本実施形態では、「変動中保留図柄」が表示されているということは、「変動済み保留図柄」が表示されていることを前提となる。よって、S920では、該「変動中保留図柄」に付随した「部分先読み標識」を、第3変動済み保留図柄表示領域93cに表示されている「変動済み保留図柄」にシフトする。
すなわち、第1保留図柄表示領域91a(図15参照)に表示されている保留図柄に付随した「部分先読み標識」を、変動中保留図柄表示領域92に表示されている「変動中保留図柄」にシフトする。
すなわち、第2保留図柄表示領域91bに「部分先読み標識」が付随表示された保留図柄があるか、第2保留図柄表示領域91b及び第3保留図柄表示領域91cに共に「部分先読み標識」が付随表示された保留図柄があるか、或いは、第2保留図柄表示領域91b〜第4保留図柄表示領域91dの何れにも「部分先読み標識」が付随表示された保留図柄があるか、否かを判定する。
以下、本実施形態の先読み演出実行時における先読み標識の表示の具体例について、図27〜図30を参照して説明する。
図27(a)は、演出図柄表示装置6の画面に、直前の変動表示が終了して特別図柄に対応した疑似図柄300が「123」で確定表示された状態、および、消化直前すなわち最古の保留記憶に対応した保留図柄100が第1保留図柄表示領域91aに表示され、最新の保留記憶に対応した保留図柄101が第2保留図柄表示領域91bに表示された状態を示している。
「先読み演出」が実行されていないので、「部分先読み標識」、「変動中保留図柄」、および「変動済み保留図柄」は、表示されていない。
このように、本実施形態の「先読み演出」では、先読み対象の保留図柄103を含めて、これより古い、すなわち保留図柄103よりも先に消去される保留図柄101および保留図柄102に其々、「部分先読み標識」が分散して付随表示される。
このように本実施形態では、先読み演出が実行されると、予定された複数の「部分先読み標識」を全て表示するよう構成されている。よって、複数に分割された「部分先読み標識」の全てを、「先読み演出」が実行開始されただけで確認できる。このため、複数の「部分先読み標識」の全てを確認するために、遊技者は何等かの処理、例えば新たな始動入賞の発生のための新たな遊技球の発射を行うなどの行為は不要であって、これを遊技者に強制する必要がなく、余計なストレスを遊技者が受けることで興趣が低下してしまうことを防止することができる。
このように、本実施形態の「先読み演出」では、部分先読み標識205である「微」が付随された保留図柄101が消去されても、部分先読み標識205の表示を維持する。これにより、先読み対象以前の保留図柄に分散して付随表示された部分先読み標識を、保留図柄の消去によっても、「部分先読み標識」が欠落することなく表示を維持するので、遊技者は「全体先読み標識」の全体的な内容を容易にいつでも確認することができる。
また、最古の保留図柄101が消去されたときに、該保留図柄101に付随表示されていた部分先読み標識205である「微」を、最古の保留図柄101に対応して新たに表示された変動中保留図柄110に移転することで、表示を維持する。これにより、部分先読み標識205である「微」が、何れの保留記憶に対応して付随されているのか、すなわち、現在変動中の保留記憶に対応して付随されている、ということを容易に認識できる。
また、先頭の部分先読み標識205である「微」は、「先読み標識移転処理」(図26)のS950によって、変動済み保留図柄120に移転表示され、S930によって後続する部分先読み標識206である「ア」は変動中保留図柄110に移転表示され、S940によって部分先読み標識207である「ツ」は、先にシフトしていた保留図柄103に移転表示される。
図29(a)に示すように、保留図柄103に対応した、すなわち今回の「先読み演出」の対象である保留記憶について当否判定が行われることでこれが消化され、「図柄増減表示処理」(図24)のS800によって、保留図柄103が消去されて、S830によって新たに変動済み保留図柄121が増加(併せて変動済み保留図柄120を左へシフト)表示され、さらに保留図柄104が左方向にシフト処理される。
また、先頭の部分先読み標識205である「微」は、「先読み標識表示処理」(図25)のS880によって、部分先読み標識208である「激」に変更される。さらに、部分先読み標識208である「激」は、「先読み標識移転処理」(図26)のS905によって、先にシフトしていた変動済み保留図柄120に移転表示される。
また、S920によって後続する部分先読み標識206である「ア」は変動済み保留図柄121に移転表示され、S930によって部分先読み標識207である「ツ」は、変動中保留図柄110に移転表示される。
このように、本実施形態の「先読み演出」では、「先読み標識変更演出」を実行する際に、シナリオに基づいて変更時期が到来すると、部分先読み標識205である「微」を、より期待度の高い部分先読み標識208である「激」に変更する。これにより、先読み対象となる保留記憶の変動表示が終了するまで、該先読み対象の保留図柄より古い保留図柄に付随して表示された「部分先読み標識」の変化を、遊技者は注視することとなる。よって、遊技者に、報知されている期待度が向上するのではないか、という期待感を従来にない手法により抱かせることができる。
また、先読み対象となる保留記憶の変動表示が終了するまで、該先読み対象の保留図柄より古い保留図柄に付随して表示された「部分先読み標識」の表示を維持するので、変動表示の終了までの間はいつでも、遊技者が期待度を再確認することができる。
また、当該変動表示中に、新たに2個の保留記憶が発生したことで、保留図柄105、と保留図柄106が表示される。さらに、2個目の保留記憶に関して別の「先読み演出」が実行されることとなると、保留図柄105および保留図柄106には、各々、「部分先読み標識」である「点」および「火」が付随して表示される。
このように、本実施形態では、複数の保留記憶に対して、異なる「先読み演出」を実行可能に構成されている。
さらに変動表示が進展すると、図29(c)に示すように、疑似図柄300が大当り図柄で確定表示されて、大当りが報知される。
図30(a)に示すように、保留図柄103に対応した、すなわち今回の「先読み演出」の対象である保留記憶について当否判定が行われることでこれが消化され、「図柄増減表示処理」(図24)のS800によって、保留図柄103が消去されて、S830によって新たに変動済み保留図柄121が増加(併せて変動済み保留図柄120を左へシフト)表示され、さらに保留図柄104が左方向にシフト処理される。
また、先頭の部分先読み標識205である「微」は、「先読み標識移転処理」(図26)のS905によって、先にシフトしていた変動済み保留図柄120に移転表示される。
また、S920によって後続する部分先読み標識206である「ア」は変動済み保留図柄121に移転表示され、S930によって部分先読み標識207である「ツ」は、変動中保留図柄110に移転表示される。
このように、本実施形態の「先読み演出」では、先読み対象となる保留記憶の変動表示が終了するまで、該先読み対象の保留図柄より古い保留図柄に付随して表示された「部分先読み標識」の表示を維持するので、変動表示の終了までの間はいつでも、遊技者が期待度を再確認することができる。
さらに、「図柄増減表示処理」(図24)のS815によって、変動中保留図柄110、変動済み保留図柄120、および変動済み保留図柄121、の全てが一括消去される。
また、先頭の部分先読み標識205である「微」、部分先読み標識206である「ア」、及び部分先読み標識207である「ツ」は、「先読み標識表示処理」(図25)のS860によって、全てが一括消去される。
このように、本実施形態の「先読み演出」では、先読み対象となる保留記憶の変動表示が終了すると、該先読み対象の保留図柄より古い保留図柄に付随して表示されていた「部分先読み標識」の全てを一括して消去する。これにより、先読み演出が終了したことを一目瞭然に遊技者は認識できる。また、他の先読み演出による「部分先読み標識」と遊技者が混同して、錯誤による無意味な期待感を抱くことを回避することができる。
次に本発明の変形例1について説明する。変形例1は、図31(a)に示すように、「変動済み保留図柄」を備えていない点において、上述した第一実施形態と相違する。本発明の「消化済み保留図柄」として、「変動中保留図柄」のみを備えている。変動表示が終了した保留記憶に係る保留図柄は表示されず、これに付随表示される「部分先読み標識」は、何れの保留記憶に係るものかを、遊技者が想定容易な表示位置に表示される。例えば、図31(a)のように、変動表示が終了した保留記憶に関連した「部分先読み標識」である「最」および「強」は、他の「部分先読み標識」である「無」と「比」とは同一直線上の位置に表示される。
このような変形例1や2であっても、先読み対象の保留記憶以前の保留記憶に対応した複数の保留図柄に、複数の部分先読み標識を個別に付随表示し、付随表示された保留図柄が消去されても、前記付随した部分先読み標識の表示を、先読み対象の保留記憶に係る変動表示が終了するまで維持することが可能な構成である。
これにより、遊技者は、先読み対象の保留記憶に係る変動表示が終了するまで、全体先読み標識の内容を容易に確認することができるものである。
図32を参照して、その他の変形例の先読み演出時における先読み標識の表示態様について説明する。
上述した第一実施形態では、保留図柄、変動中保留図柄、及び変動済み保留図柄を形成する各種図形の内部を表示領域として、「部分先読み標識」を表示することで、各種保留図柄に「部分先読み標識」が付随表示される構成を例示した。しかし、これに限らず、例えば図32(a)に示すように、各種保留図柄の外部且つ近傍に「部分先読み標識」を表示するようにしても良い。各種保留図柄の直上、直下、直側、或いは、斜め近傍等、様々な態様が採用可能である。
さらに、図32(e)のように、各種保留図柄等に施される色彩の種別によって部分先読み標識とすることも考えられる。この場合には、「青」、「黄」および「赤」が、先読み標識変更演出の実行によって、すべて「赤」に変更されて統一されることにより、高い期待度を示唆するように構成しても良い。
例えば、上述した実施形態では、先読み標識変更のタイミングとして、先読み対象となる保留記憶に係る変動表示が開始されるタイミングに限定して実行する場合のみを例示したが、これに限らず、所定のタイミングで実行するようにしても良い。例えば、先読み対象の保留記憶に係る変動表示が実行される以前の、すなわち先読み対象の保留記憶より古い保留記憶の変動表示開始時に行うようにしても良い。前記古い保留記憶が複数ある場合には、それらの内の何れかを選択して行うようにすれば良い。つまり、先読み演出が開始されてから、所定の回数目のシフト時に実行するように構成されればよい。
また、このような所定のシフト回数目で実行する構成にあっては、期待度の高さに応じて、シフト回数を選択するようにしても良い。例えば、期待度の比較的低い演出の場合には、先読み演出の実行開始から比較的少ないシフト回数目に行うようにして、一方、期待度の比較的高い演出の場合には、先読み演出の実行開始から比較的多いシフト回数目、すなわち最終のシフト時(先読み対象となる保留記憶に係る変動表示開始時)に実行するようにすればよい。
これにより、先読み標識の変更のタイミングが遅い程、遊技者は大当りに対する高い期待を抱くこととなり、延いては先読み標識を対象となる保留記憶に係る変動表示が実行開始されるまで、注視することとなり、従来よりも先読み標識の価値を向上させることができる。
これによって、先頭に、後続する文字列が意味する内容を、先頭の文字によって、すなわち、「高」や「低」によって、その程度の差を示唆したり、或いは、「正」や「反」等によって、肯定或いは否定を示唆したりすることができ、小規模の変更で示唆内容を大きく変更が可能となる。よって、他の遊技者に期待度の変化を認知され難く、周囲の目を気にせずに遊技を可能にさせることができる。
複数の部分先読み標識を対象とする構成にあっては、全ての部分先読み標識を変更する構成すなわち、全体先読み標識を変更する構成としても良い。
これにより、大規模な変更が可能となるため、変更によって遊技者に大きな衝撃を与えることができる。また、変更演出を様々な態様で行うことができ、バリエーション豊富な演出を実現できる。
これにより、深みのある遊技性を実現できる。
これにより、状態は異なっても保留記憶に対応した保留図柄の範疇にあることを示唆することができる。
これにより、消化の前後で異なる態様となり、遊技者に当該状態を容易に認識させることができる。
これにより、当否判定の最終的な結果の判明の前後で異なる態様となるので、遊技者に当該状態を容易に認識させることができる。
これにより、全体先読み標識の設定を多様化でき、設計の自由度を向上させることができる。
これにより、保留図柄にかかる設計の自由度が向上する。
これにより、該バッファに格納された情報に基づいて、先読み対象となる保留記憶についての期待度演出に利用することが可能となる。
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
当否判定処理(図9)のS230およびS235が、当否判定手段の一例に相当する。
保留表示処理(図20)の保留図柄表示処理(S605)及びおよび保留表示更新処理(図23)の図柄増減表示処理(S755)が、保留図柄表示手段の一例に相当する。
保留表示処理(図20)の先読み標識表示開始処理(S615)及び保留表示更新処理(図23)の先読み標識表示処理(S760)が、先読み標識表示手段の一例に相当する。
パチンコ機50が、遊技機の一例に相当する。
先読み標識移転処理(図26)が、先読み標識移転手段の一例に相当する。
Claims (1)
- 始動口に遊技球が入球したことに起因して数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記抽出された数値データを保留記憶として所定数を限度に記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に記憶された保留記憶について当否判定する当否判定手段と、
前記保留記憶手段に記憶された保留記憶に対応して保留図柄を表示すると共に前記当否判定の実行により前記保留記憶が消化されることに基づいて前記保留図柄を消去する保留図柄表示手段と、
先読み演出の対象となる保留記憶に係る前記当否判定の実行前に、前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶の内の前記対象となる保留記憶が大当りとなる特定の値であることの期待度を示唆する全体先読み標識を表示する先読み標識表示手段と、を備えた遊技機において、
前記当否判定の結果に基づいて図柄の変動表示を行い前記結果に対応した態様で確定表示を行う図柄変動表示手段を更に備え、
前記全体先読み標識は、複数の部分先読み標識で構成され、
前記先読み標識表示手段は、
前記対象となる保留記憶以前の保留記憶に対応した複数の保留図柄に、前記複数の部分先読み標識を個々に付随して表示すると共に、
前記当否判定によって保留図柄が消去されても前記保留図柄に付随した部分先読み標識の表示を維持し、
前記対象となる保留記憶に対応した図柄の変動表示が終了したことに基づいて前記部分先読み標識の表示を終了し、
前記対象となる保留記憶に対応した図柄の変動表示が終了するまでに、表示が維持されている前記複数の部分先読み標識の内の少なくとも何れか1つの部分先読み標識を前記期待度の異なる他の部分先読み標識に変更する先読み標識変更手段を備え、
前記先読み標識変更手段は、
前記対象となる保留記憶の前記期待度が低い場合よりも高い場合の方が、前記変更を実行するタイミングを遅くすること、
を特徴とする遊技機。
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