以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、第一実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に構成される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,残高表示器59が設けられている。
なお、図1の39は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠39に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート17が設置されている。普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、普通図柄抽選での当選時のみ入球可能となっている。
第1,第2始動口11,12に遊技球が入球すると、複数種類の乱数が抽出され、保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定の回数にわたり、所定時間の開放が行われる。具体的には、通常モード時であれば、1回の当選により約2.6秒の開放が2回行なわれる。
第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域には、複数の普通入賞口31~34が配設されている。
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの特図表示装置9と、4個のLEDからなる特図保留数表示装置18と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで大当り抽選の結果を報知する大当り演出が行われる。
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
また、図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、第一実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置、電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントSW14a、一般入賞口31~34に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW31a等からの検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。これにより、主制御装置80は、当該パチンコ機50全体の制御を司るよう構成されている。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特図表示装置9,特図保留数表示装置18,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠開放SW35,内枠開放SW36,球切れSW23,払出SW21,満杯SW22からの信号が入力され、満杯SW22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW23により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW22,球切れSW23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。発射制御装置84は、発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW28からのタッチ信号、発射停止SW29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。このように、サブ統合制御装置83,演出図柄制御装置82,および演出図柄表示装置6は、主制御装置80からのデータ及びコマンド(信号、或いは通知)に基づいて、各種演出を実行するよう構成されている。
[動作の説明]
[第一実施形態]
次に、第一実施形態におけるパチンコの動作について説明する。
第一実施形態のパチンコ機50は、常時入賞が可能な第1始動口11と、上述した普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞が可能となる第2始動口12が設けられており、第1,第2始動口11,12への入賞に起因して抽出された乱数による大当り抽選が行われる。そして、大当り抽選の際には、特図表示装置9にて特別図柄の変動表示が行われると共に、これらを停止表示することで大当り抽選の結果が報知される。また、これと並行して、演出図柄表示装置6の画面上で、特別図柄に対応した演出図柄を変動表示させた後にこれらを停止表示させ、大当り抽選の結果を報知する疑似演出が行われる。
また、パチンコ機50では、第1,第2始動口11,12への入賞により抽出された乱数(数値データ)が、最大4個まで保留記憶として記憶され、特図保留数表示装置18にて保留記憶の数が表示されると共に、各保留記憶に対応する保留図柄が表示される。また、大当り抽選で当たると、所定ラウンド数の大当り遊技が行われる。
そして、大当り遊技の終了後は、一定期間(所定数の大当り抽選が行われるまでの期間)にわたり、パチンコ機50の遊技状態が、大当り抽選で当る確率が上昇する確変モードとなり、また、これと同時に、普通図柄抽選での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選での当選時の第2始動口12の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される時短モードとなる。なお、確変モードと時短モードのどちらでもない遊技状態を、通常モードと記載する。
また、パチンコ機50では、保留図柄として複数の種類が設けられており、各種類の保留図柄は、対応する保留記憶が消化される直前に表示された場合における、該保留記憶により大当りとなる確率である信頼度が異なっている。そして、各種類の保留図柄を表示することで、対応する保留記憶により大当りとなる可能性の有無や、該可能性の大きさを示唆する「保留予告演出」が行われる。また、この保留予告演出の一つとして、一旦表示された保留図柄としての一次保留図柄(一次保留表示とも呼称する)を、信頼度(大当りとなる確率)の異なる他の種類の保留図柄としての最終保留図柄(最終保留表示とも呼称する)に変化させる「保留変化演出(単に保留変化とも呼称する)」が行われる。なお、この保留変化演出では、対応する保留記憶が消化されるまで最終保留図柄(最終保留表示)が表示され、最終保留図柄の種類により、該保留記憶により大当りとなる可能性の有無や、該可能性の高さが示唆される。
なお、仮に保留記憶が記憶されて最初の保留図柄が表示されてから、最後に保留記憶が消化されるまでの期間において、保留変化演出(保留変化)が、複数回実行されるような構成においては、初回の保留変化における変化後の保留図柄は、次回の一次保留図柄に相当する。このように、保留変化が単一の変化で終わらず、2段変化、3段変化、というように段階的に実行される構成も採用可能である。
さらに、保留変化演出が行われる際には、一次保留図柄の種類が変化することを示唆する前兆演出が行われると共に、保留変化演出が行われないいずれかの保留図柄に対しても、疑似的な「前兆演出」が行われる。この前兆演出には複数の態様が設けられており、抽選により、前兆演出が行われる保留図柄の種類や、該保留図柄に対応する保留記憶により大当りとなるか否か等に応じた確率でこの態様が選択される。よって、遊技者には、保留変化演出が行われるか、或いは、保留図柄に対応する保留記憶が消化される直前になるまで、表示されている保留記憶が一次保留図柄であるのか最終保留図柄であるのかわからない。
なお、言うまでも無く、保留予告演出や保留変化演出は、大当り抽選の結果を常に正確に予告するというものではなく、予告が外れる場合もあり、無論、保留予告演出や保留変化演出が行われていない保留記憶による大当り抽選で当ることもある。すなわち、所謂ガセ演出も併せて備えている。
また、本実施形態では、上述した「保留変化演出」等に加えて、該保留変化演出の実行前において、保留変化演出が実行されることを示唆する「前兆演出」を表示可能に構成されている。また、本実施形態では、「前兆演出」は、当該前兆演出実行開始(発生)を起点として、保留変化が実行されるタイミングの種別、及び、タイミングの種類が異なる複数種類の種別(後で図20にて詳述する)を備えている。これら本実施形態の、「保留変化演出」、および「前兆演出」については、後で詳述する。なお、「前兆演出」についても、「保留変化演出」と同様に、所謂ガセ演出を備えている。
以下では、第一実施形態のパチンコ機50の動作について詳細に説明すると共に、「保留変化演出」、「前兆演出」、および「前兆変化演出」について説明する。
(1)メインルーチンについて
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、図5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S75に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数1,2の更新(S45)を行うことで、各種乱数(数値データ)の更新を実行する。
なお、初期値乱数は、0~3899の範囲であり、乱数の大きさは3900である。
また、大当り判定用乱数は、0~3899の範囲であり、乱数の大きさは3900である。なお、通常モードにおいて大当りとなる値の数は13(大当り確率は1/300)で、775~778,1775~1778,2775~2779となる。また、確変モードにおいては、大当りとなる値の数は、13よりも大きい数となる。
また、大当り図柄決定用乱数の値は、0~59の範囲であり、乱数の大きさは60である。
また、変動パターン決定用乱数1の値は、0~1020の範囲であり、乱数の大きさは1021である。
また、変動パターン決定用乱数2の値は、0~600の範囲であり、乱数の大きさは601である。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50),始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当った際に行われる大当り遊技を制御する大当り遊技処理と(S60)を行う。また、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S70)を実行する。
また、S75では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(2)始動入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶の生成等を行う始動入賞確認処理について、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンにて実行される入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S100では、主制御装置80は、第1,第2始動口SW11a,12aの検出信号に基づき、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、本処理を終了する。
S105では、主制御装置80は、保留記憶の数が上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S105:No)、S107に処理を移行し、肯定判定の場合は(S105:Yes)、本処理を終了する。
S107では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、疑似演出において、リーチ状態となった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(ノーマルリーチやスーパーリーチ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等の、すなわち数値データを抽出し、事前記憶バッファ(所定記憶領域)に記憶し、S110に処理を移行する。なお、事前記憶バッファは、後述するS110にて保留記憶バッファに数値データを記憶するための保留記憶バッファとは異なるバッファであって、該事前記憶バッファには、保留記憶バッファに記憶される数値データと同じデータが、保留記憶バッファへの記憶に先んじて記憶される。
S110では、主制御装置80は、上記S107で抽出して事前記憶バッファに記憶した数値データと同じ数値データを抽出し、保留記憶として保留記憶バッファに記憶する。S107とS110では、抽出を2回行っても良いし、1回の抽出により同値をそれぞれのバッファに記憶するようにしても良い。
すなわち、S110では、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入球したことに起因して、数値データとしての各種乱数を抽出すると共に、該抽出した数値データを保留記憶として記憶する。
そして、消化されていない保留記憶の数を示す保留数コマンドを、サブ統合制御装置83に送信し、S115に処理を移行する。
S115では、主制御装置80は、S107にて事前記憶バッファに記憶した大当り決定用乱数等の数値データ(すなわち、新たに発生した保留記憶に対応し、保留記憶バッファに記憶された数値データと同じ内容のデータ)について判定する先読み判定処理を実行し、本処理を終了する。
本実施形態の先読み判定処理(S115)は、後述する当否判定処理の実行前に、事前記憶バッファに記憶された数値データが大当りとなる内容を備えているか否かを確認する処理である。
なお、始動入賞確認処理の制御は、以下に示す3種類のプロセスの何れかで構成されることも可能である。
先ず、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したか否かを判定し、入賞した場合には数値データを抽出し、次に保留記憶が満杯でないか否かを判定し、満杯でない場合に、前記数値データを事前記憶バッファに記憶し、該事前記憶バッファに記憶した数値データをコピーして該コピーを保留記憶バッファに記憶するようにしても良い。
或いは、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したか否かを判定し、入賞した場合には数値データを抽出し、次に保留記憶が満杯でないか否かを判定し、満杯でない場合に、前記数値データを事前記憶バッファと、保留記憶バッファの両方に、記憶するようにしても良い。
或いは、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したか否かを判定し、入賞した場合には数値データを抽出し、該抽出した前記数値データを事前記憶バッファに記憶し、次に保留記憶が満杯でないか否かを判定し、満杯でない場合に、事前記憶バッファに記憶された前記数値データをコピーして該コピーを保留記憶バッファに記憶し、満杯である場合には、事前記憶バッファに記憶された前記数値データを消去するようにしても良い。
上述した3種類の何れのプロセスを採用した場合であっても、先読み判定処理では、事前記憶バッファに記憶された数値データを判定対象とし、判定結果をサブ統合制御装置83に送信するものである。
なお、先読み判定処理は、事前記憶バッファに記憶された数値データを判定対象とする構成に限定せず、保留記憶バッファに記憶された数値データを判定対象とするように構成するようにしても良い。
(3)先読み判定処理について
次に、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。つまり、以下に説明する処理は、始動入賞確認処理(図8)のS115の先読み判定処理である。
なお、先述したように、本処理において判定対象となる新たに発生した保留記憶に係る各種乱数(数値データ)とは、事前記憶バッファに記憶された数値データであって、保留記憶バッファに記憶された数値データではない。
また、これに限らず、保留記憶バッファに記憶された数値データを対象とする構成であっても良い。
また、事前記憶バッファを備えずに保留記憶バッファのみを備えて、該保留記憶バッファに記憶された数値データを判定対象とするように構成しても良い。
S150では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が特定値(大当り抽選で当りとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S150:Yes)、S155に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S150:No)、S160に処理を移行する。
S155では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド1を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
一方、S160では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が特定値(疑似演出でスーパーリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S160:Yes)、S165に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S160:No)、S170に処理を移行する。
S165では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド2を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
また、S170では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が特定値(疑似演出でノーマルリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S170:Yes)、S175に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S170:No)、S180に処理を移行する。
S175では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド3を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
一方、S180では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数1,2が、上記特定値のうちのいずれでもないことを示す先読みコマンド4を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
以上が本実施形態の先読み判定処理であるが、判定確認の結果として先読みコマンド1~4を、サブ統合制御装置83に送信するのに併せて、保留数(保留記憶数)に関する情報(コマンド、信号)も送信する構成としても良い。
(4)当否判定処理について
次に、保留記憶として記憶された、すなわち保留記憶バッファに記憶された数値データの内の、大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図8~11のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
まず、図8に関して、S200では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
S205では、主制御装置80は、特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、図10のS280に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
S210では、主制御装置80は、特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、図11のS290に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、図9のS215に処理を移行する。
続いて図9に関して、S215では、主制御装置80は、保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、本処理を終了する。
S220では、主制御装置80は、保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い保留記憶を選択し、後述するS230、S235、S245、S250、S255、S260、及びS265等にて参照するために、該保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動処理して、S225に処理を移行する。
S225では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、S235に処理を移行する。
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
一方、S235では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、通常モードに対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
このように本実施形態のS230およびS235は、始動入賞確認処理のS110にて、保留記憶バッファに記憶された数値データに基づいて、大当り遊技を発生させるか否かの当否判定すなわち大当り判定を実行する処理である。
S240では、主制御装置80は、S230又はS235の判定結果を参照して、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
S245では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定することで、当該大当り図柄に対応して予め定められた大当り遊技のラウンド数等を決定する。そして、S250に処理を移行する。
S250では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S255に処理を移行する。
S255では、主制御装置80は、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S270に処理を移行する。
一方、S240で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
なお、本実施形態では、S260にて、ハズレ時の消化した保留記憶に係る変動パターン(変動時間)を決定すると共に、これに先立って、ハズレ図柄を決定する処理を行う。この構成に限定することなく、S260の実行前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えるように構成しても良い。
このようにS245、S250及びS260は、大当りとなるか否かの判定結果に基づいて、該判定結果を示す特別図柄すなわち、大当り図柄又はハズレ図柄を、決定する処理である。
S265では、主制御装置80は、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新等を行い、S270に処理を移行する。
S270では、主制御装置80は、上述したS220においてデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、S275に処理を移行する。
S275では、主制御装置80は、特別図柄の変動時間や大当り抽選の結果等を示す変動開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信すると共に、特別図柄の変動を開始させ、本処理を終了する。なお、変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、大当り抽選の結果、特別図柄の変動時間をもとに、特別図柄の変動時間と同じ時間の演出の中から演出図柄表示装置6にて表示する疑似演出を選択し、選択した疑似演出を表示させる。また、変動開始コマンドは、さらに、大当り抽選により消化された保留記憶が、第1始動口11への入賞により生成されたものであるか、第2始動口12への入賞により生成されたものであるかを示しても良い。
続いて図10に関して、特図の変動表示中に移行するS280では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S280:No)、本処理を終了する。
S285では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄すなわち、上述したS245またはS260にて決定した大当り図柄又はハズレ図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
このように、S285は、大当りとするか否かの当否判定結果に基づいて決定された特別図柄に係る大当り図柄またはハズレ図柄を表示させる処理である。
続いて図11に関して、特図の確定表示中に移行するS290では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S290:Yes)、S295に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S290:No)、本処理を終了する。
S295では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S300に処理を移行する。
S300では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるか否か、すなわち大当り図柄であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S300:No)、S340に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S310)、その後、S315に処理を移行する。
S315では、主制御装置80は、時短モードであることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S330),大当り開始演出処理(S335)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
一方、S300にて否定判定が得られた場合に移行するS340では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S340:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S345)。そして、確変回数が0である場合には(S345:Yes)、確変フラグをクリアし(S350)、S355に処理を移行する。
S355では、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S355:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を参照する(S360)。そして、時短回数が0である場合には(S360:Yes)、時短フラグをクリアし(S365)、S370に処理を移行する。
S370では、主制御装置80は、状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(5)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、図12~14のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
S400では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合には(S400:No)、本処理を終了する。
S405では、主制御装置80は、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、図13のS430に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S405:No)、S410に処理を移行する。
S410では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、図13のS450に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S410:No)、S415に処理を移行する。
S415では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S415:Yes)、図14のS470に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S415:No)、S420に処理を移行する。
S420では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S420:No)、本処理を終了する。
S425では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図13に関して、大入賞口14の開放中に移行するS430では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S430:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S430:No)、S435に処理を移行する。
S435では、主制御装置80は、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S435:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S435:No)、本処理を終了する。
S440では、主制御装置80は、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S445に処理を移行する。
S445では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS450では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S455に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S450:No)、本処理を終了する。
S455では、主制御装置80は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S455:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S455:No)、S465に処理を移行する。
S460では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S465では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図14に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS470では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S470:No)、本処理を終了する。
続くS475,S480では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S485に処理を移行する。
S485では、主制御装置80は、大当り遊技後に確変モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S485:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定すると共に(S490)、確変フラグをセットし(S495)、S500に処理を移行する。
S500では、主制御装置80は、大当り遊技後に時短モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S500:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S505)、時短フラグをセットし(S510)、S515に処理を移行する。
S515,S520では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
(6)保留表示処理について
次に、保留記憶が生成された際に、該保留記憶に対応する保留図柄を演出図柄表示装置6に表示する保留表示処理について、図15に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。
なお、図15の「保留表示処理」は、保留記憶が生成された際すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入球して新たな保留記憶が行われた際、実行される処理である。
S600で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から上述した先読みコマンド1~4を受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S600:Yes)、S605に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S600:No)、本処理を終了する。
上述したように、「先読みコマンド1~4」は、「始動入賞確認処理」(図6)にて、遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入球し(S100:Yes)、保留記憶が上限数(例えば4個)に達していない場合に(S105:No)、保留記憶が記憶される都度、先読み判定処理(S115)にて、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンド(情報或いは信号とも呼称する)である。
S605で、サブ統合制御装置83は、先ず、先読みコマンド1~4を受信したことに基づいて「保留表示決定用乱数」を抽出し、該抽出した乱数を、保留記憶毎に設けられた所定の「保留表示演出用バッファ」に格納する。次いで、該格納した乱数と、受信した先読みコマンドの種別毎の内容に基づいて、最終的に表示する保留図柄の種別(最終保留図柄或いは、最終保留表示とも呼称する)を選択決定する。
詳述すると、本実施形態では、後述する複数種類の保留図柄を備えており、S605は、当該保留記憶(受信した先読みコマンド1~4の対象となる保留記憶)が消化される直前、すなわち当該保留記憶に基づく変動表示が開始される直前のタイミングで、前記複数種類の保留図柄のうちの何れを表示するか、を決定する処理である。
なお、この処理にて選択決定される図柄には、後述する通常保留図柄(通常保留表示とも呼称する)も含まれる。例えば、表示の開始から消化まで通常保留図柄が継続して表示され、後述する保留変化演出を行わないような場合、当該S605では、最終保留図柄として通常保留図柄が選択決定されるものである。また、保留変化を行うのであれば、最初につまり一次保留図柄として通常保留図柄が選択表示され、保留変化によって他の特別保留1~4の何れかに変化する場合も、本実施形態は備えている。
サブ統合制御装置83は、S605にて、図19に記載の保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1~4)の中から新たな保留記憶に対応して変動表示開始直前に表示する最終保留図柄の種類を選択し、S610に処理を移行する。
[保留図柄の種別について]
ここで一旦、図19を参照してS605で選択決定される保留図柄の種別について説明する。なお、便宜上、本実施形態の説明において、通常保留図柄を通常保留、特別保留図柄を特別保留、最終保留図柄を最終保留等と、省略して呼称する場合がある。本実施形態では、保留記憶に対応して、該保留記憶に基づいて大当りとなることの信頼度が異なる複数種類の保留図柄を備える。これら複数種類の保留図柄は、何れも保留消化の直前すなわち変動表示の開始直前に表示されて、対応する変動表示の結果が大当りとなることの期待度を示唆することが可能な最終保留(最終保留図柄)である。そして、本実施形態の何れの保留図柄も、人間を象った形状の「人型保留図柄」で表示される。先ず、通常保留は、白抜きの「人型保留図柄1」であって、信頼度は設定されていない。特別保留1は、通常保留と同じ輪郭を備えるが、内部にハッチングが施された「人型保留図柄2」であって、信頼度は2%が設定されている。特別保留2は、特別保留1と略同様の態様であるが、象られた人間の下半身部分が赤色で表示された「人型保留図柄3」であって、信頼度は10%が設定されている。特別保留3は、特別保留2と略同様の態様であるが、象られた人間の全身が赤色で表示された「人型保留図柄4」であって、信頼度は20%が設定されている。特別保留4は、通常保留から特別保留3の輪郭とは異なり、両手を上に挙げた人間を象った輪郭であって、更に、全身が赤色で表示された「人型保留図柄5」であって、信頼度は40%が設定されている。このように、本実施形態では、輪郭や内部の表示態様が異なる各種「人型保留図柄」を表示することで、異なる信頼度を示唆するよう構成されている。そして、「人型保留図柄」は、後述する前兆演出によって、活性化してより期待度の高い「人型保留図柄」に保留変化するよう演出される。そして、前兆演出はその種別に応じて、「人型保留図柄」の活性化に関して、即効性が異なるイメージで設定されている。このように、本実施形態の保留図柄は、該保留図柄が消化直前に表示されることで示唆する大当りとなる確率すなわち信頼度が異なる複数種類の保留図柄が設けられている。
なお、図19に図示していないが、信頼度が設定された最終保留図柄ではなく、ガセの保留変化演出を実行する際に、一次保留図柄から変化する特殊保留図柄を備えるようにしても良い。該特殊保留図柄は、図19に示した何れかの保留図柄から、他の保留図柄への変化の中途過程を遊技者に想起させる意匠を象ったものが好適である。例えば、一次保留図柄が白色で、最終保留図柄が赤色のものを備えている場合には、特殊保留図柄をピンク色に設定してみたり、手を下方に向けたデザインの特別保留3を一次保留図柄としたとき、手を上方に向けたデザインの特別保留4への変化過程を想起させるように、特殊保留図柄は手を中途まで持ち上げたデザインで設定することが好ましい。但し、このような変化過程を想起容易なデザインに限定せず、単に一次保留図柄でも最終保留図柄でもないことを想起させることが可能なデザインで特殊保留図柄を設定することも可能である。なお、特殊保留図柄が表示された後には、再度、該特殊保留図柄が表示される前の一次保留図柄に復帰する演出、すなわち保留変化演出が失敗した旨を示すガセ保留変化演出を行うよう構成されることが好ましい。よって、一次保留図柄から特殊保留図柄に変更される演出は、本発明の「保留変化演出」には相当しないものである。特殊保留図柄については後で、図38~図41にて、特殊保留図柄の表示態様の一例を示して説明する。なお、図38~図41に図示した特殊保留図柄(特殊保留態様)は、通常保留および特別保留1~4の何れかから、他の通常保留および特別保留1~4の何れかへの保留変化を期待させる過程(プロセス)を示す態様である。詳述すると、何れの保留態様でもない、敢えて言えば、「変化のための一時的な崩壊状態」を象っている。
図15に戻って、S610で、サブ統合制御装置83は、上記「保留表示演出用バッファ」に格納した乱数に基づいて、「保留変化演出」を実行するか否かを決定するための抽選処理を実行し、S615に処理を移行する。(なお、本実施形態の説明において、便宜上、保留変化演出を単に保留変化と呼称する場合がある。)
本実施形態の「保留変化演出」は、保留記憶に係る保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1~4)が表示開始されてから、当該保留記憶に基づく変動表示開始に伴い消去されるまでに、当初表示された保留図柄から、他の保留図柄に変化する演出である。
なお、該抽選処理を、上記乱数のみに基づき実行する構成に限定せず、例えば、S605で選択決定した最終保留図柄の種別と上記乱数に基づいて抽選を行うように構成しても良い。
S615で、サブ統合制御装置83は、「保留変化演出」を実行するか否かの判定を行い、肯定判定である場合には(S615:Yes)、S620に処理を移行し、否定判定である場合には(S615:No)、S640に処理を移行する。
S620で、サブ統合制御装置83は、保留図柄が変化する前の、つまり最初に表示される一次保留図柄(一次保留表示とも呼称する)を、通常保留図柄および特別保留図柄1~3の内から選択決定する処理を実行し、S625に処理を移行する。つまり、本実施形態の保留変化演出は昇格する場合のみを備えるため、該保留変化演出を実行することが決定した場合に選択される一次保留図柄は、少なくとも最上位の特別保留図柄4以外の特別保留図柄及び通常保留図柄の中から選択される。更に詳述すれば、先に決定した最終保留図柄を参照して該最終保留図柄よりも下位の特別保留図柄及び通常保留図柄の中から選択される。
なお、上述したS605およびS620は、受信した先読みコマンドの種別毎の内容に基づいて、通常保留図柄および特別保留図柄1~4の内から何れかを選択決定する制御処理である。
S625で、サブ統合制御装置83は、S620で選択決定された一次保留図柄を、演出図柄表示装置6に表示する処理を行い、S630に処理を移行する。
S630で、サブ統合制御装置83は、保留変化演出の結果として、対象となる一次保留図柄を最終保留図柄に保留変化させる表示位置、換言すれば、保留変化演出を実行する時期(タイミング)を決定する処理を行い、S635に処理を移行する。
[保留変化演出を実行する時期について]
ここで一旦、図21(a)を参照して、本実施形態の保留変化演出を実行する時期について説明する。本実施形態では保留変化演出を実行する時期として、図に示すように、第1実行時期から第5実行時期までの、5種類の実行時期が設けられている。各実行時期の設定内容は、始動入賞に起因した保留記憶の発生に基づいて、保留変化の対象となる保留図柄の表示が開始された時点を起点として、以下のような内容で設定される。
先ず、第1実行時期は、保留図柄の表示開始から、3秒間が経過した後である。第2実行時期は、保留図柄の表示開始から、8秒間が経過した後である。第3実行時期は、保留図柄の表示開始後にシフト処理が1回実行されてから、3秒間が経過した後である。第4実行時期は、保留図柄の表示開始後にシフト処理が2回実行されてから、3秒間が経過した後である。第5実行時期は、保留図柄の表示開始後にシフト処理が3回実行されてから、3秒間が経過した後である。
本実施形態の保留変化演出の実行時期の種別や内容については、上述したような設定となっている。但し、保留変化演出を実行するタイミングを、上記した実行時期という側面以外にも、保留図柄が何れの表示位置となった時点か、つまり表示位置の種別によって設定することも可能である。そのため、ここでは更に、上記「表示位置」について説明する。本実施形態における、上記4個の表示位置とは、演出図柄表示装置6に設定された保留図柄の表示位置(例えば図28参照)であって、保留記憶の保留上限数である4個に対応して、最古且つ最も早く消化される保留図柄が表示される表示位置を1個目とした場合に、最新且つ最も遅く消化される保留図柄が表示される表示位置までの、合計4個の表示位置(領域)である。
また、上記「表示位置」に表示される保留図柄について説明する。本実施形態では、保留記憶の有無や、該保留記憶の大当りとなる期待度を示唆する保留標識として、演出図柄表示装置6に表示される画像である保留図柄を備える構成としている。しかし、これに限らず、例えばランプやLED等の発光部材によって、保留標識を構成するようにしても良い。つまり、発光部材の点消灯により保留記憶の有無を示唆し、発光態様(色等)により大当りとなる期待度を示唆するようにしても良い。さらにこのような構成とする場合は、例えば4個のLEDを演出図柄表示装置6の近傍且つ外周に沿って点在させ、該LEDに対して、演出図柄表示装置6における演出表示が影響可能な配置とすることが好適である。これにより、演出図柄表示装置6にて前兆演出を実行した場合に、当該演出の対象となるLEDを、遊技者は容易に、認識可能となり、このような構成であっても本発明を実現することが可能である。
なお、S630において、当該保留記憶に関する保留変化の実行時期を、第1~第5実行時期の内に何れかに決定する場合、当該保留記憶が最古の保留記憶を起点として何個目の保留記憶であるかの判断を行い、そもそも、保留記憶が消化されるまでの期間、換言すれば消化されるまでのシフト処理の回数から判断して、保留変化を実行可能な実行時期を決定する処理が行われるよう構成されている。具体例を挙げて詳述すると、例えば今回表示された一次保留表示が、最古の保留図柄を1個目と仮定すれば、2個目の保留図柄となる。この場合、当該保留図柄は、1シフトで最古の保留図柄となり、2シフトで保留が消化されるので、消去されてしまう。よって、当該ケースにおいてS630では、第4および第5実行時期を選択しても、保留変化を実行不能となるので、第4および第5実行時期を除外した残りの第1~第3実行時期の中から選択決定するように制御される。このように、当該保留記憶の消化までの期間を参照して、本実施形態のS630は、保留変化の実行時期の種別を決定するものである。
再度、図15に戻って、S630の保留変化実行時期決定処理終了後の保留表示処理について説明する。S635で、サブ統合制御装置83は、S630で決定した保留変化の実行時期の種別に基づいて、以下に説明する処理を行い、S655に処理を移行する。
すなわち、S630で決定した保留変化の実行時期の種別を参照して、第1実行時期であれば第1実行時期カウンタを、そして、第2実行時期であれば第2実行時期カウンタを、カウントアップ可能に設定する。また、第3実行時期であれば第3実行時期フラグに、第4実行時期であれば第4実行時期フラグに、第5実行時期であれば第5実行時期フラグに、其々1を設定する。このように設定した実行時期カウンタ及び実行時期フラグの情報を、第1~第4保留変化バッファの内で当該保留記憶に対応した保留変化バッファに格納する。
ここで、当該保留記憶に対応した保留変化バッファとは、今回発生した保留記憶が、上限数4個の保留記憶の内、何れの保留記憶であるか、換言すれば保留記憶された時系列上で、どの順位の保留記憶であるか、によって其々異なる保留変化バッファを本実施形態は備えている。具体的には、最古の保留記憶に対応して第1保留変化バッファが、2番目に古い保留記憶に対応して第2保留変化バッファが、3番目に古い保留記憶に対応して第3保留変化バッファが、そして最も新しい保留記憶に対応して第4保留変化バッファが設けられている。なお後述するが、この保留変化バッファ内に記憶された情報は、保留記憶がシフトするに伴って、順次シフト処理される。これにより、刻々とシフト変化して順位が変動しても、個々の保留記憶に対応した固有の情報を記憶可能となっている。
また、本実施形態において、実行時期カウンタがカウントアップ可能に設定される、とは、設定されたカウンタが、本処理の終了後に移行する「保留シフト表示処理」(図16)のS705において、カウントアップされる対象となる状態に設定されるということを意味している。当該設定が為されていない場合、S705で第1~第4保留変化バッファを確認したときに、カウントアップの対象とならず、カウント値の加算が行われない構成となっている。よって、図21(a)にて説明した実行時期の中で、第1および第2実行時期のみが、保留図柄の表示を起点として所定時間経過後(3秒後、または8秒後)に、保留変化を実行する時期とする設定となっているので、保留図柄の表示時に実行されるS635では即時、カウントアップを開始可能な設定処理が行われる。一方、第3実行時期~第5実行時期は、所定回数(1回~3回)のシフト後から各々3秒間経過後に、保留変化を実行する時期とする設定となっているので、S635では上述したように、各種実行時期に対応した実行時期フラグを立てる(1を設定する)ことで、実行時期カウンタのカウントアップ可能な設定の待機状態であることを示唆するように構成されている。なお、各実行時期カウンタは、所定の時間、例えば3秒間であれば、カウントアップの結果として、3秒間に相当するカウント値に到達することで3秒間を計時可能な計時手段である。
S615で否定判定、すなわち保留変化演出を実行しないと判定されたとき、S640で、サブ統合制御装置83は、S605で決定した最終保留図柄を、演出図柄表示装置6に表示する処理を行い、S645に処理を移行する。S640では、保留変化演出を行わない場合に、一旦表示を行うと最終段階まで該表示を維持することとなる保留図柄の表示を行う。
このように、上述したS625およびS640は、始動口への入球に基づいて抽出された数値データ(乱数値)が保留記憶として記憶されると、保留記憶に対応する保留図柄を表示する制御処理である。
S645で、サブ統合制御装置83は、「前兆演出」を実行するか否かを決定するための抽選処理を実行し、S650に処理を移行する。
S650で、サブ統合制御装置83は、「前兆演出」を実行するか否かの判定を行い、肯定判定である場合には(S650:Yes)、S655に処理を移行し、否定判定である場合には(S650:No)、つまり保留変化演出を行わず、さらにガセの前兆演出すら行わない場合、本処理を終了して「保留シフト表示処理」へ移行する。
このように、本実施形態では、「保留変化演出」が実行されない場合でも、「前兆演出」が実行される可能性を有するように構成されている。これにより、たとえ最終保留図柄として通常図柄が選択されており、「保留変化演出」が実行されないことが内部的に決定されている状態であっても、所謂ガセ演出としての「前兆演出」が実行されると、遊技者は保留図柄が変化するのではないか、と期待する。これにより、長時間に亘って遊技者に期待を維持させることが可能となる。
S655で、サブ統合制御装置83は、保留変化演出に先駆けて行う、又は、ガセ演出として行う、前兆演出の実行時期すなわち第1~第4出現時期の何れかを選択すると共に、併せて、前兆演出の種別を決定する処理を行い、S660に処理を移行する。
[前兆演出の出現時期について]
ここで一旦、図21(b)を参照して、本実施形態の前兆演出の出現時期等について説明する。本実施形態では前兆演出を実行する時期、換言すれば前兆演出が出現する出現時期の種別として、図に示すように、第1出現時期から第4出現時期までの、4種類の出現時期が設けられている。各出現時期の設定内容は、始動入賞に起因した保留記憶の発生に基づいて、あたかも前兆演出の影響を受けたことで保留変化が為される対象となる保留図柄の表示が開始された時点を起点として、以下のような内容で設定される。
先ず、第1出現時期は、保留図柄の表示開始から、1秒間が経過した後である。第2出現時期は、保留図柄の表示開始後にシフト処理が1回実行されてから、1秒間が経過した後である。第3出現時期は、保留図柄の表示開始後にシフト処理が2回実行されてから、1秒間が経過した後である。第4出現時期は、保留図柄の表示開始後にシフト処理が3回実行されてから、1秒間が経過した後である。
本実施形態のS655では、これらの内、何れかの出現時期が選択される。さらに、S655では、出現時期の種別の選択に加えて、以下に説明する前兆演出の種別の選択も併せて行う。
[前兆演出の表示態様等について]
続けて一旦、図20を参照して、本実施形態の前兆演出の表示態様等について説明する。本実施形態では、前兆演出A~Eの5種類の前兆演出を備える。図に示すように、先ず前兆演出Aは、「ご飯」を象った表示態様で、当該前兆演出が実行されたときの保留変化率は2%に設定され、当該前兆演出が実行された後の、1シフト後、2シフト後、及び3シフト後の何れかのタイミングで保留変化が実行されるように設定されている。前兆演出Bは、「飲み薬」を象った表示態様で、当該前兆演出が実行されたときの保留変化率は15%に設定され、当該前兆演出が実行された後の、1シフト後、及び2シフト後の何れかのタイミングで保留変化が実行されるように設定されている。前兆演出Cは、「注射」を象った表示態様で、当該前兆演出が実行されたときの保留変化率は30%に設定され、当該前兆演出が実行された後の、直後、数秒後、及び1シフト後の何れかのタイミングで保留変化が実行されるように設定されている。前兆演出Dは、「手術」を象った表示態様で、当該前兆演出が実行されたときの保留変化率は30%に設定され、当該前兆演出が実行された後の、直後、及び数秒後の何れかのタイミングで保留変化が実行されるように設定されている。前兆演出Eは、「魔法」を象った表示態様で、当該前兆演出が実行されたときの保留変化率は50%に設定され、当該前兆演出が実行された後の、直後のタイミングで保留変化が実行されるように設定されている。このような5種類の前兆演出は、上述したように、「人型保留図柄」をより期待度の高い「人型保留図柄」に保留変化させる、つまり活性化させる演出的な役割を持たせている。すなわち、活性化の即効性に関して、前兆演出A(ご飯)は最も低く、前兆演出E(魔法)に向かうに従って、活性化の即効性は高くなる演出的な設定となっている。
なお、本実施形態は、図20に示したように5種類の前兆演出を備える。これらの前兆演出は、対象となる保留図柄に対して出現した場合に、当該保留図柄が後で、すなわち所定時間経過後に、保留変化する可能性がある旨を示唆する演出である。そして、本実施形態ではガセの前兆演出も備えており、必ずしも前兆演出が出現したからといって、保留変化が行われるとは限らないよう構成されている。但し、このような構成に限らず、特定の前兆演出が出現した場合には、その前兆演出の対象となる保留図柄は必ず保留変化するように構成しても良い。これにより、保留変化の実行が約束された特定の前兆演出の発生を遊技者は心待ちにして、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図20に示した「前兆演出の実行を起点とした保留変化のタイミング」は、図21(a)及び(b)にて説明した「保留図柄の表示を起点として設定される保留変化の具体的な実行時期」と「保留図柄の表示を起点として設定される前兆演出の具体的な出現時期」の相互関係によって実現されるタイミングである。つまり、前記両方の時期を組み合わせることにより、結果的に遊技者から見れば、あたかも「前兆演出の出現」から所定時間後のタイミングで、該前兆演出の影響によって、「保留変化の実行」が行われたかのような印象を与える作用を為している。しかし、保留変化と前兆演出はそもそも個別に設定された各種のタイミングを備えているだけである。本実施形態では、それらを適宜組み合わせることで、結果的に実現されるタイミングが、図20には示されている。演出の流れを遊技者が見たとき、前兆演出が出現し、所定時間経過後に、保留変化が行われるが、内部的には保留変化の実行可否、保留変化の実行時期の決定が行われ、続いて前兆演出の出現時期の決定、出現する前兆演出の種別の決定等の制御が行われている。このように、演出上の流れとは逆の流れで本実施形態の制御は処理が行われる。但し、これに限らず、見た目の流れと同様の制御が行われるように構成されても良い。つまり、一次保留図柄が表示され、該保留図柄に対して前兆演出を出現させ、該前兆演出の出現から所定時間経過後に、保留変化を実行する流れに従って、個々の制御処理を行うようにしても良い。
また、図20に示した各前兆演出に設定された保留変化率は、当該前兆演出の実行を起点として設定される保留変化のタイミングの全て(例えば、前兆演出Aであれば、1シフト後、2シフト後、及び3シフト後)において保留変化が実行されなかった場合のみ、保留変化しなかったとして算定し、複数種類のタイミングの内の何れかで保留変化が発生した場合には、保留変化したとして算定した結果の数値である。
また、図20に示した「前兆演出の実行を起点とした保留変化のタイミング」は、当該前兆演出が出現した場合に、保留変化の実行される可能性があるタイミング、である。よって、当該前兆演出が出現した場合に、それ以外のタイミングで保留変化が実行されることは無いよう本実施形態では設定されている。よって、保留変化の実行される可能性があるタイミング、であることから、そのタイミングとなっても保留変化しない場合も備えられている。但し、これに限定せず、当該前兆演出が出現し、そのタイミングが到来したときには、必ず保留変化するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、図20に示した各前兆演出に設定された保留変化率は、当該前兆演出の保留変化が可能なタイミングが複数種類備えられている場合、何れのタイミングにも均等の変化率となるように設定されている。例えば、前兆演出C(注射)であれば、直後、数秒後、および1シフト後の何れも、保留変化率は10%で合計すると30%となるよう構成されている。しかし、これに限らず、タイミングの種別に応じて、異なる保留変化率となるように構成しても良い。例えば、直後が5%、数秒後が10%、そして1シフト後が15%、と設定しても良い。これにより、タイミングの種別に応じて遊技者が抱く保留変化の期待感が異なり興趣が向上する。また、タイミングの発生する順序において、遅く発生するタイミングとなるほどに保留変化率が高くなるので、早い段階のタイミングで保留変化しなくても、遊技者は諦めることなく、徐々に期待感が増して遊技の興趣が向上すると共に、保留変化することへの期待感をより長い時間に亘って維持することが可能となる。
[設定の特徴1について]
さらに、本実施形態の設定の特徴1について、引き続き図20を参照して説明する。例示して説明すると、1回の前兆演出E(魔法)が出現してから、直後に、当該前兆演出の対象の一次保留図柄に関して保留変化が実行されるように設定されている、と共に、1回の前兆演出A(ご飯)が出現してから、直後には、当該前兆演出の対象の一次保留図柄に関して保留変化が実行されないように設定されている。つまり、前兆演出の種別により、前兆演出の実行から同じ所定時間が経過しても、保留変化を実行する場合と実行されない場合を備えている。図20には、この例に限らず、他の前兆演出の組み合わせでも同様の条件を満たす設定が為されている。このように設定されることにより、出現した前兆演出の種別によって、出現から所定時間が経過しても保留変化が実行される場合と実行されない場合が発生するので、遊技者は保留変化を期待して、出現した前兆演出の種別が何であるかに注意が注がれ、保留変化に対する期待感を維持可能な期間を異ならせることとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
[設定の特徴2について]
また、本実施形態の設定の特徴2について、引き続き図20を参照して説明する。例示して説明すると、1回の前兆演出A(ご飯)が出現した場合と、1回の前兆演出E(魔法)が出現した場合とで、1回の前兆演出が実行された後に前兆演出の対象の一次保留図柄が保留変化する可能性が有るタイミングの数は、前兆演出Aの場合は「1~3シフト後」の3回であるのに対して、前兆演出Eの場合は「直後」の1回のみである。つまり、前兆演出の種別に応じて、該前兆演出の対象となる保留図柄が保留変化する可能性が有るタイミングの数を、異なるタイミングの数となるように設定されている。図20には、この例に限らず、他の前兆演出の組み合わせでも同様の条件を満たす設定が為されている。このように設定されることにより、出現した前兆演出の種別によって、保留変化が実行されるかもしれないと期待できるタイミングの回数が異なるので、遊技者は保留変化を期待して、出現した前兆演出の種別が何であるかに注意が注がれ、保留変化に対する期待感を維持可能な期間(タイミング回数が少なければ短く、多ければ長い期間)を異ならせることとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
[設定の特徴3について]
また、本実施形態の設定の特徴3について、引き続き図20を参照して説明する。例示して説明すると、1回の前兆演出A(ご飯)が出現した場合と、1回の前兆演出E(魔法)が出現した場合とで、1回の前兆演出が実行された後に前兆演出の対象の一次保留図柄が保留変化する可能性が有るタイミングの数は、前兆演出Aの場合は「1~3シフト後」の3回であるのに対して、前兆演出Eの場合は「直後」の1回のみで、前兆演出Aの方が前兆演出Eより多く設定される。しかし、1回の前兆演出が実行された後に前兆演出の対象の一次保留図柄が保留変化する可能性(保留変化率)は、前兆演出Aの場合は「2%」であるのに対して、前兆演出Eの場合は「50%」で、前兆演出Aの方が前兆演出Eより低く設定される。図20には、この例に限らず、他の前兆演出の組み合わせでも同様の条件を満たす設定が為されている。このように設定されることにより、出現した前兆演出の種別によって、例えば、第1前兆演出は、保留変化が実行されるかもしれないと期待できるタイミングの回数が所定回数であり、保留変化が実行される可能性は所定の確率であるとき、これに対して、第2前兆演出は、保留変化が実行されるかもしれないと期待できるタイミングの回数が前記所定回数より多いが、保留変化が実行される可能性は前記所定の確率より低く設定される。したがって、第1前兆演出が出現すると、保留変化の期待出来るタイミングは第2前兆演出の場合よりも少ないが、保留変化の可能性を示す確率は第2前兆演出の場合より高くなるので、僅かな回数のチャンスに遊技者は集中する。また、第2前兆演出が出現すると、保留変化の可能性を示す確率は第1前兆演出の場合より低くなるが、保留変化の期待出来るタイミングは第1前兆演出の場合よりも多くなるので、より多くの回数のチャンスに亘って遊技者は期待を維持する。このように、設定することで、保留変化に対する期待感を維持できる期間と期待感の高さの組み合わせによって、設定が単純ではなくなり、遊技の興趣が向上する。
なお、このような設定に限らず、例えば、第1前兆演出は、保留変化が実行されるかもしれないと期待できるタイミングの回数が所定回数であり、保留変化が実行される可能性は所定の確率であるとき、これに対して、第2前兆演出は、保留変化が実行されるかもしれないと期待できるタイミングの回数が前記所定回数より多く、さらに、保留変化が実行される可能性も前記所定の確率より高く設定される、ようにしても良い。
[設定の特徴4について]
また、本実施形態の設定の特徴4について、引き続き図20を参照して説明する。例示して説明すると、1回の前兆演出C(注射)が出現した場合と、1回の前兆演出D(手術)が出現した場合とで、1回の前兆演出が実行された後に前兆演出の対象の一次保留図柄が保留変化する可能性が有るタイミングの数は、前兆演出Cの場合は「直後」、「数秒後」および「1シフト後」の3回であるのに対して、前兆演出Dの場合は「直後」および「数秒後」の2回で、前兆演出Cの方が前兆演出Dより多く設定される。しかし、1回の前兆演出が実行された後に前兆演出の対象の一次保留図柄が保留変化する可能性(保留変化率)は、前兆演出Cと前兆演出Dは、共に「30%」で同じである。つまり、異なる種別の前兆演出において、各々1回の前兆演出が実行された後に前兆演出の対象の一次保留図柄が保留変化する可能性が有るタイミングの数は異なるが、保留変化率は同じに設定される場合を備えている。図20において、このような条件に合致するケースは、上記組合せのみである。ただ、この他にも、同様の条件に合致した場合を備えていても良い。このように設定されることにより、前兆演出の種別によって、同じ保留変化率であっても、保留変化の可能性の有るタイミング数が異なるので、保留変化への期待感をより長く維持したいと願う遊技者は、何れの前兆演出が出現するかを注目するので、遊技の興趣が向上する。
[前兆演出と保留変化の実行パターンについて]
さらに続けて一旦、図22を参照して、本実施形態の前兆演出と保留変化の実行パターンについて説明する。本実施形態では、先述したS630で決定される保留変化の実行時期種別と、S655で選択される前兆演出の出現時期の種別と、同じくS655で選択される前兆演出の種別とによって、図22の選択テーブルに示すような内容で、前兆演出と保留変化の実行パターンが設定される。図示した「1シフト後」、「2シフト後」、「3シフト後」、「数秒後」、および「直後」は、図20に示した保留変化のタイミングに相当する。つまり、選択された保留変化の実行時期と、決定された前兆演出の出現時期の相互の関係によって具現化されるタイミングであって、遊技者が演出の流れを見たときに、前兆演出の実行を起点とした保留変化のタイミング種別を示している。また、「━」は、前兆演出が実行されるものの、仮に保留変化が実行されると仮定したときの実行時期が到来しても、対象となる保留図柄に関して保留変化が行われない場合を示している。さらに、「/」は、そもそも前兆演出が実行されない場合を示している。例えば、第1実行時期(保留図柄が表示されてから3秒後)且つ、第4出現時期(保留図柄が3シフトされてから1秒後)の場合のように、対象となる保留図柄の表示から3秒後に保留変化が行われるのに、該保留変化の前兆演出は保留図柄が3シフトして更に1秒後に行われるような、そもそも前兆演出として機能しないようなタイミングとなる場合、前兆演出を非実行となるように当該テーブルでは設定されている。なお、本実施形態で、「数秒後」とは、前兆演出の発生から7秒間後、を意味している。また、「直後」とは、前兆演出の発生から2秒間後、を意味している。無論、本実施形態の「数秒後」を「7秒間後」に限定せず他の時間に設定しても良い。同じく、「直後」を「2秒間後」に限定せず他の時間に設定しても良い。なお、本実施形態では、図22に図示した「1シフト後」、「2シフト後」、「3シフト後」、「数秒後」および「直後」の、何れかの場合の設定条件(実行時期種別、出現時期種別と前兆演出種別)で所定の前兆演出を出現させた後、さらに、当該設定条件の実行時期が到来しても、保留変化を実行しないようにすることで、「ガセ演出」を実行する構成を備えている。しかし、これに限らず、「ガセ演出」を実行しないように構成しても良い。
本実施形態では、図22に示す前兆演出と保留変化の実行パターンテーブルに記載のパターンの何れかを選択することで、前兆演出の種別と、該前兆演出が出現してからどのようなタイミングで保留変化が実行されるか、という設定を、「保留表示処理(図15)」の「保留変化実行時期決定処理」(S630)の決定、および、次に説明する「前兆演出選択処理」(S655)の選択にて行うよう構成されている。
再度、図15に戻って、S655の前兆演出選択処理終了後の保留表示処理について説明する。S655の終了後に移行するS660で、サブ統合制御装置83は、S655で決定した前兆演出の出現時期の種別や前兆演出の種別に基づいて、以下に説明する処理を行い、本処理を終了して「保留シフト表示処理」に移行する。
すなわち、S655で決定した前兆演出の出現時期の種別を参照して、第1出現時期であれば第1出現時期カウンタを、カウントアップ可能に設定する。また、第2出現時期であれば第2出現時期フラグに、第3出現時期であれば第3出現時期フラグに、第4出現時期であれば第4出現時期フラグに、其々1を設定する。このように設定した出現時期カウンタ及び出現時期フラグの情報を、第1~第4前兆演出バッファの内で当該保留記憶に対応した前兆演出バッファに格納する。また、出現時期カウンタ及び出現時期フラグの情報に併せて、S655で選択した前兆演出の種別情報も対象となる前兆演出バッファに記憶する。
なお、このような第1~第4前兆演出バッファに係る構成は、先述した第1~第4保留変化バッファと同様の構成となっている。つまり、4個の保留記憶に対して、其々保留変化バッファと前兆演出バッファが備えられており、個々の保留記憶に関する保留変化および前兆演出に関して必要な情報が確実に記憶保持可能となっている。
また、第1~第4出現時期カウンタにおいても、先述した第1~第5実行時期カウンタと同様の構成が採用されている。但し、第1~第4出現時期カウンタは、カウントアップ可能に設定された場合、「保留シフト表示処理」(図16)のS700において、カウントアップされる。
ここで、当該保留記憶に対応した前兆演出バッファとは、今回発生した保留記憶が、上限数4個の保留記憶の内、何れの保留記憶であるか、換言すれば保留記憶された時系列上で、どの順位の保留記憶であるか、によって其々異なる前兆演出バッファを本実施形態は備えている。具体的には、最古の保留記憶に対応して第1前兆演出バッファが、2番目に古い保留記憶に対応して第2前兆演出バッファが、3番目に古い保留記憶に対応して第3前兆演出バッファが、そして最も新しい保留記憶に対応して第4前兆演出バッファが設けられている。なお後述するが、この前兆演出バッファ内に記憶された情報は、保留記憶がシフトするに伴って、順次シフト処理される。これにより、刻々とシフト変化して順位が変動しても、個々の保留記憶に対応した固有の情報を記憶可能となっている。このような前兆演出バッファの構成は、先述した保留変化バッファの構成と同様である。
また、本実施形態において、出現時期カウンタがカウントアップ可能に設定される、とは、設定されたカウンタが、本処理の終了後に移行する「保留シフト表示処理」(図16)のS700において、カウントアップされる対象となる状態に設定されるということを意味している。当該設定が為されていない場合、S700で第1~第4前兆演出バッファを確認したときに、カウントアップの対象とならず、カウント値の加算が行われない構成となっている。よって、図21(b)にて説明した出現時期の中で、第1出現時期のみが、保留図柄の表示を起点として所定時間経過後(1秒後)に、保留変化を実行する時期とする設定となっているので、保留図柄の表示時に実行されるS660では即時、カウントアップを開始可能な設定処理が行われる。一方、第2出現時期~第4出現時期は、所定回数(1回~3回)のシフト後から各々1秒間経過後に、前兆演出を出現させる時期とする設定となっているので、S660では上述したように、各種出現時期に対応した出現時期フラグを立てる(1を設定する)ことで、出現時期カウンタのカウントアップ可能な設定の待機状態であることを示唆するように構成されている。なお、各出現時期カウンタは、所定の時間、例えば1秒間であれば、カウントアップの結果として、1秒間に相当するカウント値に到達することで1秒間を計時可能な計時手段である。
以上が、本実施形態の「保留表示処理」に関する説明である。次いで、「保留表示処理」に続いて実行される「保留シフト表示処理」について、図16を参照して説明する。
(7)保留シフト表示処理について
次に、サブ統合制御装置83のタイマ割り込み時にカウントアップ可能なカウンタがあればカウントアップし、且つ保留消化の際に該保留記憶に対応する保留図柄を演出図柄表示装置6にてシフト表示する保留シフト表示処理について、図16に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて、「保留表示処理」に続いて、定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。
S700で、サブ統合制御装置83は、第1~第4前兆演出バッファの内容を確認し、カウントアップ可能に設定された第1~第4出現時期カウンタがあれば、当該カウンタのカウント値をインクリメント処理し、S705に処理を移行する。
S705で、サブ統合制御装置83は、第1~第4保留変化バッファの内容を確認し、カウントアップ可能に設定された第1~第4実行時期カウンタがあれば、当該カウンタのカウント値をインクリメント処理し、S710に処理を移行する。
S700では第1~第4前兆演出バッファを、またS705では第1~第4保留変化バッファの内容を確認するが、これらのバッファは、先述したように、現時点で記憶されている保留記憶に対応して設けられている。つまり、現時点で1個の保留記憶が記憶されているのであれば、第1前兆演出バッファと第1保留変化バッファが、当該保留記憶に対応して設定されている。また、現時点で4個の保留記憶が記憶されているのであれば、第1~第4前兆演出バッファと第1~第4保留変化バッファが、各保留記憶に対応して設定されることになる。1個の保留記憶に対して、前兆演出に係る情報を格納する前兆演出バッファと、保留変化に係る情報を格納する保留変化バッファが、各々1つずつ備えられる。
S710で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から保留数コマンド(保留情報)を受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S710:Yes)、S715に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S710:No)、本処理を終了する。なお、保留数コマンドは、上述した当否判定処理(図9)の保留情報送信処理(S270)にて、主制御装置80から送信される情報(コマンド)である。
S715で、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6に表示されている最も古い保留記憶に対応する保留図柄を消去すると共に、これ以外に保留図柄が表示されている場合には、残りの全ての保留図柄の表示位置を、演出図柄表示装置6の画面(図28参照)に向かって左方に各々1個シフトし、S720に処理を移行する。また、S715では、保留図柄のシフト表示処理に併せて、第1~第4前兆演出バッファおよび第1~第4保留変化バッファに格納された情報もシフト処理する。つまり、第1前兆演出バッファおよび第1保留変化バッファの記憶情報を消去し、他の前兆演出バッファや保留変化バッファが有る場合は、それぞれ1つずつシフトして、最も新しい前兆演出バッファおよび保留変化バッファを消去する。これにより、シフト後の現時点における保留記憶に其々対応した前兆演出バッファおよび保留変化バッファが、確実に設定される。
S720で、サブ統合制御装置83は、第1~第4前兆演出バッファを順次確認し、その内で、第2~第4出現時期フラグに1が設定されているか否かを個別に判定する。該判定にて1が設定されている場合には、記憶されている選択内容を確認して出現時期カウンタのカウントアップ開始時期が到来したか否かを判定し、カウントアップ可能な時期が到来したと判定された場合は、予定された第2~第4出現時期カウンタをカウントアップ可能に設定すると共に、該出現時期カウンタに対応した出現時期フラグを0クリアして、S725に処理を移行する。このようにS720でカウントアップ可能に設定された出現時期カウンタは、次の割り込み処理にて本処理を行う際、S700でカウントアップされる対象となる。
なお、「出現時期カウンタのカウントアップ開始時期が到来したか否か」の判定について、例を挙げて説明する。保留記憶が3個ある状態で、新たに始動入賞が発生して保留記憶されたとき、先述した保留表示処理のS655で、出現時期種別として第3出現時期と、前兆演出種別として前兆演出B(飲み薬)が選択されると、S660では、第4前兆演出バッファには、第3出現時期フラグが1に設定され、前兆演出種別情報として前兆演出B(飲み薬)が記憶されたと仮定する。この場合、第3出現時期は「保留図柄が2シフトされてから1秒間後」であることから、当該保留図柄が表示されてから2シフトすなわち、S710での肯定判定が2回実行されるまで第3出現時期フラグは0クリアされず、2回実行されると第3出現時期フラグは0クリアされ、代わって、当該前兆演出バッファ(この時点では既に2回シフトしているので第2前兆演出バッファ)に第3出現時期カウンタがカウントアップ可能に設定され、1秒間の計時が開始可能な状態となる。該カウンタは、次の本処理実行時に、S700にてカウントアップされる。このように、予め定められたカウンタのカウントアップ開始可能時期に基づいて、例えば上記したようにシフト回数が予定回数に到達したか否かといった判定を行うことで、時期の到来を判定するように構成されている。
S725で、サブ統合制御装置83は、第1~第4保留変化バッファを順次確認し、その内で、第3~第5実行時期フラグに1が設定されているか否かを個別に判定する。該判定にて1が設定されている場合には、記憶されている決定内容を確認して実行時期カウンタのカウントアップ開始時期が到来したか否かを判定し、カウントアップ可能な時期が到来したと判定された場合は、予定された第3~第5実行時期カウンタをカウントアップ可能に設定すると共に、該実行時期カウンタに対応した実行時期フラグを0クリアして、本処理を終了する。このようにS725でカウントアップ可能に設定された実行時期カウンタは、次の割り込み処理にて本処理を行う際、S705でカウントアップされる対象となる。
なお、「実行時期カウンタのカウントアップ開始時期が到来したか否か」の判定について、例を挙げて説明する。保留記憶が3個ある状態で、新たに始動入賞が発生して保留記憶されたとき、先述した保留表示処理のS630で、実行時期種別として第5実行時期が決定されると、S635では、第4保留変化バッファには、第5実行時期フラグが1に設定されて記憶されたと仮定する。この場合、第5実行時期は「保留図柄が3シフトされてから3秒間後」であることから、当該保留図柄が表示されてから3シフトすなわち、S710での肯定判定が3回実行されるまで第5実行時期フラグは0クリアされず、3回実行されると第5実行時期フラグは0クリアされ、代わって、当該保留変化バッファ(この時点では既に3回シフトしているので第1保留変化バッファ)に第5実行時期カウンタがカウントアップ可能に設定され、3秒間の計時が開始可能な状態となる。該カウンタは、次の本処理実行時に、S705にてカウントアップされる。このように、予め定められたカウンタのカウントアップ開始可能時期に基づいて、例えば上記したようにシフト回数が予定回数に到達したか否かといった判定を行うことで、時期の到来を判定するように構成されている。
以上が、本実施形態の「保留シフト表示処理」である。次いで、「保留シフト表示処理」に続いて実行される「前兆演出処理」について、図17を参照して説明する。
(8)前兆演出処理について
次に、予め選択された前兆演出の出現時期が到来したら予定の前兆演出を演出図柄表示装置6にて表示する前兆演出処理について、図17に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて、「保留シフト表示処理」に続いて、定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。
S800で、サブ統合制御装置83は、第1~第4前兆演出バッファの内容を順次確認して、記憶された第1~第4出現時期カウンタのカウント値が所定値に到達したか否か、すなわち前兆演出の出現時期が到来したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S800:Yes)、S805に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S800:No)、本処理を終了して「保留変化処理」に移行する。
S805で、サブ統合制御装置83は、S800で所定値に到達したと判定された出現時期カウンタを格納している前兆演出バッファの内容を確認して、記憶されている前兆演出種別を選択して、S810に処理を移行する。
S810で、サブ統合制御装置83は、S805で選択した前兆演出の表示を開始して、S815に処理を移行する。
S815で、サブ統合制御装置83は、S800で所定値に到達したと判定された出現時期カウンタを、カウントアップ不能とする処理を行い、本処理を終了して「保留変化処理」に移行する。
このように本実施形態の「前兆演出処理」は、前兆演出の対象として予め定められて記憶された保留図柄に対して、当該保留図柄が信頼度の異なる他の保留図柄に保留変化する可能性が有ることを示唆する前兆演出を実行させる手段である。
(9)保留変化処理について
次に、予め選択された保留変化の実行時期が到来したら一次保留図柄を予定の最終保留図柄に保留変化する演出を演出図柄表示装置6にて表示する保留変化処理について、図18に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて、「前兆演出処理」に続いて、定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。
S900で、サブ統合制御装置83は、第1~第4保留変化バッファの内容を順次確認して、記憶された第1~第5実行時期カウンタのカウント値が所定値に到達したか否か、すなわち保留変化の実行時期が到来したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S900:Yes)、S905に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S900:No)、本処理を終了する。
S905で、サブ統合制御装置83は、S900で所定値に到達したと判定された実行時期カウンタを格納している保留変化バッファの内容を確認して、記憶されている所定の最終保留図柄種別を選択して、S910に処理を移行する。
S910で、サブ統合制御装置83は、表示されている一次保留図柄を、S905で選択した最終保留図柄に変更する変更表示を開始して、S915に処理を移行する。
S915で、サブ統合制御装置83は、S900で所定値に到達したと判定された実行時期カウンタを、カウントアップ不能とする処理を行い、本処理を終了する。
このように本実施形態の「保留変化処理」は、表示された一次保留図柄を、該一次保留図柄とは信頼度の異なる最終保留図柄に変更(保留変化)させる手段である。
以下、本実施形態の「前兆演出および保留変化演出」について、いくつかの代表的なパターンを例として、図23~図27のタイミングチャート、および図28~図37の表示態様説明図等を参照しつつ、詳述する。
(10)第5実行時期、第1出現時期および前兆演出Aが選択された場合について
図22に示すように、第5実行時期、第1出現時期および前兆演出Aが選択されると、前兆演出Aが出現してから3シフト後に保留変化が実行される。当該パターンについて、以下に、図23のタイミングチャート、及び図28~図29の表示態様説明図等を参照して説明する。
先ず図21を再度参照すると、当該パターンは、保留変化の実行時期として、保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が3シフトされてから3秒後とされ、前兆演出の出現時期として、同じく保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が表示されてから1秒後とされ、出現する前兆演出種別は前兆演出Aが選択されるパターンである。よって、実行時期と出現時期は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。本実施形態では、この両者の組み合わせによって、図22に示すように、前兆演出Aの出現を起点として、あたかも「3シフト後」に、保留変化が実行されたかのように遊技者に見せることが可能となっている。
図28(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面には、特別図柄に対応した装飾図柄100が変動表示中であり、記憶されている保留記憶に対応した3個の保留図柄800~802が表示されている。この時に、始動入賞が発生して4個目の新たな保留記憶が記憶されて、保留表示処理(図15)のS605で最終保留表示として「特別保留1」が選択され、S620で一次保留表示として「通常保留」が選択され、S625によって一次保留表示処理が実行されると、図28(b)に示すように、保留図柄803が、「通常保留」の態様で表示開始される。当該表示開始は、図23にて保留図柄表示が非表示から表示に変化したタイミングで示される。
この時、同じ保留表示処理(図15)内のS630で、保留変化実行時期として「第5実行時期」が決定され、S635で、「第5実行時期フラグ」に1を設定して、該情報を、4個目の新たな保留記憶に対応した「第4保留変化バッファ」に記憶し、また、S655で、前兆演出出現時期として「第1出現時期」が選択されると共に、前兆演出種別として「前兆演出A」が選択され、S660で、「第1出現時期カウンタ」をカウントアップ可能に設定して、前兆演出種別と併せて、該情報を、4個目の新たな保留記憶に対応した「第4前兆演出バッファ」に記憶した場合を仮定する。
「第1出現時期カウンタ」は、カウントアップ可能に設定されたことで、「保留シフト表示処理」(図16)のS700を実行する都度、カウントアップが繰り返され、「前兆演出処理」(図17)のS800にて肯定判定、すなわち「1秒間」に相当するカウント値に到達したと判定されると、「第1出現時期」が到来したとして、S810により「前兆演出A」の表示が開始される。当該「前兆演出A」の表示開始は、図23にて保留図柄表示が非表示から表示に変化してから、「1秒間」が経過した「第1出現時期」のタイミングで示される。なお、このとき、図28(c)に示すように、保留表示から1秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄803の直上に、「前兆演出A」の態様にて前兆演出表示900が表示開始される。
図28(c)にて実行中の変動表示が終了して、図28(d)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄800に対応した保留記憶が消化される。このとき、「保留シフト表示処理」(図16)のS715によって、最古の保留図柄の消去および残存する保留図柄のシフト処理、加えて表示中の前兆演出表示のシフト処理、及び第1~第4前兆演出バッファと第1~第4保留変化バッファの内容も併せてシフト処理される。そして、「第5実行時期フラグ」に1が設定されていることから、S725にて確認の対象となるが、決定内容である「第5実行時期」が「保留図柄が3シフトされてから3秒後」であるため、カウントアップ時期が未到来と判定される。このような処理が為されると、図28(e)に示すように、保留図柄800が消去され、保留図柄801~803がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。併せて、前兆演出表示900も保留図柄803の直上にシフト表示される。
図28(e)の状態から、さらに続けて、2~3シフト処理が行われるとその都度、1シフト処理の場合と同様に、「保留シフト表示処理」(図16)のS715が実行される。但し、3シフト処理の際には、S725の確認処理において、決定内容である「第5実行時期」が「保留図柄が3シフトされてから3秒後」であるため、カウントアップ時期が到来したと判定されて、「第5実行時期カウンタ」がカウントアップ可能に設定される。カウントアップ可能に設定された「第5実行時期カウンタ」は、「3秒間」に相当するカウント値に到達するまで、割り込み毎に「保留シフト表示処理」(図16)のS705にてカウントアップが行われる。当該カウント値が、「保留変化処理」(図18)のS900にて前記所定のカウント値に到達したと判定されると、S905で保留図柄803に対応した「第1保留変化バッファ」の内容を確認する。該確認により、格納されている保留変化後の保留表示種別である「特別保留1」に基づいて、S910で一次保留表示としての「通常保留」から、最終保留表示としての「特別保留1」に、保留変化が行わるよう制御処理される。
このような制御処理が行われると、図28(e)の状態から、実行中の変動表示が終了して、図28(f)に示すように装飾図柄100が確定表示する。次に保留図柄801に対応した保留記憶が消化されて、先述した図28(e)の場合と同様、図28(g)に示すように保留図柄803の表示開始から2回目のシフト処理が行わる。さらに、図28(h)に示すように2シフト後の変動表示が終了して、保留図柄802に対応した保留記憶に基づく変動表示が開始されることで、図29(a)に示すように保留図柄の発生から3回目のシフトが為される。図29(a)は3シフト直後の表示態様である。図29(a)の状態から、前記「第5実行時期カウンタ」により計時される「3秒間」が計時されると、図29(b)に示すように、前兆演出表示900の直下に位置する保留図柄803が、一次保留表示としての「通常保留」から、最終保留表示としての「特別保留1」に保留変化する。さらに、図29(c)~図29(f)は、保留変化した保留図柄803に対応した保留記憶に基づく変動表示(4シフト目)が行われて、その結果、大当りとなる状態を示している。
前兆演出表示900の表示開始後における保留変化の実行タイミングについて、図23を参照して説明する。「前兆演出A」は、保留図柄の表示開始を起点として、「第1出現時期(保留図柄が表示されてから1秒後)」が到来すると、出現する。これに対して、「保留変化演出」は、同じく保留図柄の表示開始を起点として、「第5実行時期(保留図柄が3シフトされてから3秒後)」が到来すると、実行される。このように、本実施形態の「第1出現時期(保留図柄が表示されてから1秒後)」と「第5実行時期(保留図柄が3シフトされてから3秒後)」は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。しかし、これらを適宜組み合わせることによって、保留図柄803に係る「保留変化演出」が、保留図柄803を対象とした前兆演出表示900の表示開始を起点として、あたかも、該表示開始から3シフト後(図20および図22参照)に行われたかのような演出タイミングを実現可能としている。
(11)第4実行時期、第1出現時期および前兆演出Bが選択された場合について
図22に示すように、第4実行時期、第1出現時期および前兆演出Bが選択されると、前兆演出Bが出現してから2シフト後に保留変化が実行される。当該パターンについて、以下に、図24のタイミングチャート、及び図30~図31の表示態様説明図等を参照して説明する。
先ず図21を再度参照すると、当該パターンは、保留変化の実行時期として、保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が2シフトされてから3秒後とされ、前兆演出の出現時期として、同じく保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が表示されてから1秒後とされ、出現する前兆演出種別は前兆演出Bが選択されるパターンである。よって、実行時期と出現時期は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。本実施形態では、この両者の組み合わせによって、図22に示すように、前兆演出Bの出現を起点として、あたかも「2シフト後」に、保留変化が実行されたかのように遊技者に見せることが可能となっている。
図30(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面には、特別図柄に対応した装飾図柄100が変動表示中であり、記憶されている保留記憶に対応した3個の保留図柄810~812が表示されている。この時に、始動入賞が発生して4個目の新たな保留記憶が記憶されて、保留表示処理(図15)のS605で最終保留表示として「特別保留2」が選択され、S620で一次保留表示として「特別保留1」が選択され、S625によって一次保留表示処理が実行されると、図30(b)に示すように、保留図柄813が、「特別保留1」の態様で表示開始される。当該表示開始は、図24にて保留図柄表示が非表示から表示に変化したタイミングで示される。
この時、同じ保留表示処理(図15)内のS630で、保留変化実行時期として「第4実行時期」が決定され、S635で、「第4実行時期フラグ」に1を設定して、該情報を、4個目の新たな保留記憶に対応した「第4保留変化バッファ」に記憶し、また、S655で、前兆演出出現時期として「第1出現時期」が選択されると共に、前兆演出種別として「前兆演出B」が選択され、S660で、「第1出現時期カウンタ」をカウントアップ可能に設定して、前兆演出種別と併せて、該情報を、4個目の新たな保留記憶に対応した「第4前兆演出バッファ」に記憶した場合を仮定する。
「第1出現時期カウンタ」は、カウントアップ可能に設定されたことで、「保留シフト表示処理」(図16)のS700を実行する都度、カウントアップが繰り返され、「前兆演出処理」(図17)のS800にて肯定判定、すなわち「1秒間」に相当するカウント値に到達したと判定されると、「第1出現時期」が到来したとして、S810により「前兆演出B」の表示が開始される。当該「前兆演出B」の表示開始は、図24にて保留図柄表示が非表示から表示に変化してから、「1秒間」が経過した「第1出現時期」のタイミングで示される。なお、このとき、図30(c)に示すように、保留表示から1秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄813の直上に、「前兆演出B」の態様にて前兆演出表示910が表示開始される。
図30(c)にて実行中の変動表示が終了して、図30(d)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄810に対応した保留記憶が消化される。このとき、「保留シフト表示処理」(図16)のS715によって、最古の保留図柄の消去および残存する保留図柄のシフト処理、加えて表示中の前兆演出表示のシフト処理、及び第1~第4前兆演出バッファと第1~第4保留変化バッファの内容も併せてシフト処理される。そして、「第4実行時期フラグ」に1が設定されていることから、S725にて確認の対象となるが、決定内容である「第4実行時期」が「保留図柄が2シフトされてから3秒後」であるため、カウントアップ時期が未到来と判定される。このような処理が為されると、図30(e)に示すように、保留図柄810が消去され、保留図柄811~813がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。併せて、前兆演出表示910も保留図柄813の直上にシフト表示される。
図30(e)の状態から、さらに続けて、2シフト処理が行われると、1シフト処理の場合と同様に、「保留シフト表示処理」(図16)のS715が実行される。但し、今回の2シフト処理の際には、S725の確認処理において、決定内容である「第4実行時期」が「保留図柄が2シフトされてから3秒後」であるため、カウントアップ時期が到来したと判定されて、「第4実行時期カウンタ」がカウントアップ可能に設定される。カウントアップ可能に設定された「第4実行時期カウンタ」は、「3秒間」に相当するカウント値に到達するまで、割り込み毎に「保留シフト表示処理」(図16)のS705にてカウントアップが行われる。当該カウント値が、「保留変化処理」(図18)のS900にて前記所定のカウント値に到達したと判定されると、S905で保留図柄813に対応した「第2保留変化バッファ」の内容を確認する。該確認により、格納されている保留変化後の保留表示種別である「特別保留2」に基づいて、S910で一次保留表示としての「特別保留1」から、最終保留表示としての「特別保留2」に、保留変化が行わるよう制御処理される。
このような制御処理が行われると、図30(e)の状態から、実行中の変動表示が終了して、図30(f)に示すように装飾図柄100が確定表示する。次に保留図柄811に対応した保留記憶が消化されて、先述した図30(e)の場合と同様、図30(g)に示すように保留図柄813の表示開始から2回目のシフト処理が行わる。図30(g)は2シフト直後の表示態様である。図30(g)の状態から、前記「第4実行時期カウンタ」により計時される「3秒間」が計時されると、図30(h)に示すように、前兆演出表示910の直下に位置する保留図柄813が、一次保留表示としての「特別保留1」から、最終保留表示としての「特別保留2」に保留変化する。さらに、図31(a)~図31(f)は、保留変化した保留図柄813に対応した保留記憶に基づく変動表示(4シフト目)が行われて、その結果、大当りとなる状態を示している。
前兆演出表示910の表示開始後における保留変化の実行タイミングについて、図24を参照して説明する。「前兆演出B」は、保留図柄の表示開始を起点として、「第1出現時期(保留図柄が表示されてから1秒後)」が到来すると、出現する。これに対して、「保留変化演出」は、同じく保留図柄の表示開始を起点として、「第4実行時期(保留図柄が2シフトされてから3秒後)」が到来すると、実行される。このように、本実施形態の「第1出現時期(保留図柄が表示されてから1秒後)」と「第4実行時期(保留図柄が2シフトされてから3秒後)」は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。しかし、これらを適宜組み合わせることによって、保留図柄813に係る「保留変化演出」が、保留図柄813を対象とした前兆演出表示910の表示開始を起点として、あたかも、該表示開始から2シフト後(図20および図22参照)に行われたかのような演出タイミングを実現可能としている。
(12)第4実行時期、第2出現時期および前兆演出Cが選択された場合について
図22に示すように、第4実行時期、第2出現時期および前兆演出Cが選択されると、前兆演出Cが出現してから1シフト後に保留変化が実行される。当該パターンについて、以下に、図25のタイミングチャート、及び図32~図33の表示態様説明図等を参照して説明する。
先ず図21を再度参照すると、当該パターンは、保留変化の実行時期として、保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が2シフトされてから3秒後とされ、前兆演出の出現時期として、同じく保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が1シフトされてから1秒後とされ、出現する前兆演出種別は前兆演出Cが選択されるパターンである。よって、実行時期と出現時期は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。本実施形態では、この両者の組み合わせによって、図22に示すように、前兆演出Cの出現を起点として、あたかも「1シフト後」に、保留変化が実行されたかのように遊技者に見せることが可能となっている。
図32(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面には、特別図柄に対応した装飾図柄100が変動表示中であり、記憶されている保留記憶に対応した2個の保留図柄820~821が表示されている。この時に、始動入賞が発生して3個目の新たな保留記憶が記憶されて、保留表示処理(図15)のS605で最終保留表示として「特別保留3」が選択され、S620で一次保留表示として「特別保留2」が選択され、S625によって一次保留表示処理が実行されると、図32(b)に示すように、保留図柄822が、「特別保留2」の態様で表示開始される。当該表示開始は、図25にて保留図柄表示が非表示から表示に変化したタイミングで示される。
この時、同じ保留表示処理(図15)内のS630で、保留変化実行時期として「第4実行時期」が決定され、S635で、「第4実行時期フラグ」に1を設定して、該情報を、3個目の新たな保留記憶に対応した「第3保留変化バッファ」に記憶し、また、S655で、前兆演出出現時期として「第2出現時期」が選択されると共に、前兆演出種別として「前兆演出C」が選択され、S660で、「第2出現時期フラグ」に1を設定して、前兆演出種別と併せて、該情報を、3個目の新たな保留記憶に対応した「第3前兆演出バッファ」に記憶した場合を仮定する。
図32(b)にて実行中の変動表示が終了して、図32(c)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄820に対応した保留記憶が消化される。このとき、「保留シフト表示処理」(図16)のS715によって、最古の保留図柄の消去および残存する保留図柄のシフト処理、及び第1~第4前兆演出バッファと第1~第4保留変化バッファの内容も併せてシフト処理される。そして、「第2出現時期フラグ」に1が設定されていることから、S720にて確認の対象となり、選択内容である「第2出現時期」が「保留図柄が1シフトされてから1秒後」であるため、カウントアップ時期が到来したと判定される。これにより、「第2出現時期カウンタ」をカウントアップ可能に設定する。続いて、「第4実行時期フラグ」に1が設定されていることから、S725にて確認の対象となるが、決定内容である「第4実行時期」が「保留図柄が2シフトされてから3秒後」であるため、カウントアップ時期が未到来と判定される。このような処理が為されると、図32(d)に示すように、保留図柄820が消去され、保留図柄821~822がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。
「第2出現時期カウンタ」は、カウントアップ可能に設定されたことで、「保留シフト表示処理」(図16)のS700を実行する都度、カウントアップが繰り返され、「前兆演出処理」(図17)のS800にて肯定判定、すなわち「1秒間」に相当するカウント値に到達したと判定されると、「第2出現時期」が到来したとして、S810により「前兆演出C」の表示が開始される。当該「前兆演出C」の表示開始は、図25にて保留図柄表示が非表示から表示に変化して、1シフト処理が行われてから、「1秒間」が経過した「第2出現時期」のタイミングで示される。なお、このとき、図32(e)に示すように、保留表示開始を起点として、1シフト処理が行われてから1秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄822の直上に、「前兆演出C」の態様にて前兆演出表示920が表示開始される。
図32(e)にて実行中の変動表示が終了して、図32(f)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄821に対応した保留記憶が消化される。このとき、「保留シフト表示処理」(図16)のS715によって、最古の保留図柄の消去および残存する保留図柄のシフト処理、加えて表示中の前兆演出表示のシフト処理、及び第1~第4前兆演出バッファと第1~第4保留変化バッファの内容も併せてシフト処理される。そして、「第4実行時期フラグ」に1が設定されていることから、S725にて確認の対象となり、決定内容である「第4実行時期」が「保留図柄が2シフトされてから3秒後」であるため、カウントアップ時期が到来したと判定される。これにより、「第4実行時期カウンタ」をカウントアップ可能に設定する。このような処理が為されると、図32(g)に示すように、保留図柄821が消去され、保留図柄822~823がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。併せて、前兆演出表示920も保留図柄822の直上にシフト表示される。
カウントアップ可能に設定された「第4実行時期カウンタ」は、「3秒間」に相当するカウント値に到達するまで、割り込み毎に「保留シフト表示処理」(図16)のS705にてカウントアップが行われる。当該カウント値が、「保留変化処理」(図18)のS900にて前記所定のカウント値に到達したと判定されると、S905で保留図柄822に対応した「第1保留変化バッファ」の内容を確認する。該確認により、格納されている保留変化後の保留表示種別である「特別保留3」に基づいて、S910で一次保留表示としての「特別保留2」から、最終保留表示としての「特別保留3」に、保留変化が行わるよう制御処理される。
このような制御処理が行われると、保留図柄822の表示開始を起点として2シフト処理の直後である図32(g)の状態から、前記「第4実行時期カウンタ」により計時される「3秒間」が計時されると、図32(h)に示すように、前兆演出表示920の直下に位置する保留図柄822が、一次保留表示としての「特別保留2」から、最終保留表示としての「特別保留3」に保留変化する。さらに、図33(a)~図33(d)は、保留変化した保留図柄822に対応した保留記憶に基づく変動表示(3シフト目)が行われて、その結果、大当りとなる状態を示している。
前兆演出表示920の表示開始後における保留変化の実行タイミングについて、図25を参照して説明する。「前兆演出C」は、保留図柄の表示開始を起点として、「第2出現時期(保留図柄が1シフトされてから1秒後)」が到来すると、出現する。これに対して、「保留変化演出」は、同じく保留図柄の表示開始を起点として、「第4実行時期(保留図柄が2シフトされてから3秒後)」が到来すると、実行される。このように、本実施形態の「第2出現時期(保留図柄が1シフトされてから1秒後)」と「第4実行時期(保留図柄が2シフトされてから3秒後)」は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。しかし、これらを適宜組み合わせることによって、保留図柄822に係る「保留変化演出」が、保留図柄822を対象とした前兆演出表示920の表示開始を起点として、あたかも、該表示開始から1シフト後(図20および図22参照)に行われたかのような演出タイミングを実現可能としている。
(13)第2実行時期、第1出現時期および前兆演出Dが選択された場合について
図22に示すように、第2実行時期、第1出現時期および前兆演出Dが選択されると、前兆演出Dが出現してから数秒後に保留変化が実行される。当該パターンについて、以下に、図26のタイミングチャート、及び図34~図35の表示態様説明図等を参照して説明する。
先ず図21を再度参照すると、当該パターンは、保留変化の実行時期として、保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が表示されてから8秒後とされ、前兆演出の出現時期として、同じく保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が表示されてから1秒後とされ、出現する前兆演出種別は前兆演出Dが選択されるパターンである。よって、実行時期と出現時期は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。本実施形態では、この両者の組み合わせによって、図22に示すように、前兆演出Dの出現を起点として、あたかも「数秒後」に、保留変化が実行されたかのように遊技者に見せることが可能となっている。
図34(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面には、特別図柄に対応した装飾図柄100が変動表示中であり、記憶されている保留記憶に対応した1個の保留図柄830が表示されている。この時に、始動入賞が発生して2個目の新たな保留記憶が記憶されて、保留表示処理(図15)のS605で最終保留表示として「特別保留4」が選択され、S620で一次保留表示として「特別保留3」が選択され、S625によって一次保留表示処理が実行されると、図34(b)に示すように、保留図柄831が、「特別保留3」の態様で表示開始される。当該表示開始は、図26にて保留図柄表示が非表示から表示に変化したタイミングで示される。
この時、同じ保留表示処理(図15)内のS630で、保留変化実行時期として「第2実行時期」が決定され、S635で、「第2実行時期カウンタ」をカウントアップ可能に設定して、該情報を、2個目の新たな保留記憶に対応した「第2保留変化バッファ」に記憶し、また、S655で、前兆演出出現時期として「第1出現時期」が選択されると共に、前兆演出種別として「前兆演出D」が選択され、S660で、「第1出現時期カウンタ」をカウントアップ可能に設定して、前兆演出種別と併せて、該情報を、2個目の新たな保留記憶に対応した「第2前兆演出バッファ」に記憶した場合を仮定する。
「第1出現時期カウンタ」は、カウントアップ可能に設定されたことで、「保留シフト表示処理」(図16)のS700を実行する都度、カウントアップが繰り返され、「前兆演出処理」(図17)のS800にて肯定判定、すなわち「1秒間」に相当するカウント値に到達したと判定されると、「第1出現時期」が到来したとして、S810により「前兆演出D」の表示が開始される。当該「前兆演出D」の表示開始は、図26にて保留図柄表示が非表示から表示に変化してから、「1秒間」が経過した「第1出現時期」のタイミングで示される。なお、このとき、図34(c)に示すように、保留図柄831の表示開始から1秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄831の直上に、「前兆演出D」の態様にて前兆演出表示930が表示開始される。
また「第2実行時期カウンタ」も、カウントアップ可能に設定されたことで、「保留シフト表示処理」(図16)のS705を実行する都度、カウントアップが繰り返され、「保留変化処理」(図18)のS900にて肯定判定、すなわち「8秒間」に相当するカウント値に到達したと判定されると、「第2実行時期」が到来したとして、S905で保留図柄831に対応した「第2保留変化バッファ」の内容を確認する。該確認により、格納されている保留変化後の保留表示種別である「特別保留4」に基づいて、S910で一次保留表示としての「特別保留3」から、最終保留表示としての「特別保留4」に、保留変化が行わるよう制御処理される。なお、このとき、図34(d)に示すように、保留図柄831の表示開始から8秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄831が、一次保留表示としての「特別保留3」から、最終保留表示としての「特別保留4」の態様に変化する保留変化演出が実行される。さらに、図34(e)~図35(b)は、保留変化した保留図柄831に対応した保留記憶に基づく変動表示(2シフト目)が行われて、その結果、大当りとなる状態を示している。
前兆演出表示930の表示開始後における保留変化の実行タイミングについて、図26を参照して説明する。「前兆演出D」は、保留図柄の表示開始を起点として、「第1出現時期(保留図柄が表示されてから1秒後)」が到来すると、出現する。これに対して、「保留変化演出」は、同じく保留図柄の表示開始を起点として、「第2実行時期(保留図柄が表示されてから8秒後)」が到来すると、実行される。このように、本実施形態の「第1出現時期(保留図柄が表示されてから1秒後)」と「第2実行時期(保留図柄が表示されてから8秒後)」は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。しかし、これらを適宜組み合わせることによって、保留図柄831に係る「保留変化演出」が、保留図柄831を対象とした前兆演出表示930の表示開始を起点として、あたかも、該表示開始から数秒後(図20および図22参照)の一例である7秒後に行われたかのような演出タイミングを実現可能としている。
(14)第5実行時期、第4出現時期および前兆演出Eが選択された場合について
図22に示すように、第5実行時期、第4出現時期および前兆演出Eが選択されると、前兆演出Eが出現してから直後に保留変化が実行される。当該パターンについて、以下に、図27のタイミングチャート、及び図36~図37の表示態様説明図等を参照して説明する。
先ず図21を再度参照すると、当該パターンは、保留変化の実行時期として、保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が3シフトされてから3秒後とされ、前兆演出の出現時期として、同じく保留図柄の表示開始を起点として、該保留図柄が3シフトされてから1秒後とされ、出現する前兆演出種別は前兆演出Eが選択されるパターンである。よって、実行時期と出現時期は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。本実施形態では、この両者の組み合わせによって、図22に示すように、前兆演出Eの出現を起点として、あたかも「直後」に、保留変化が実行されたかのように遊技者に見せることが可能となっている。
図36(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面には、特別図柄に対応した装飾図柄100が変動表示中であり、記憶されている保留記憶に対応した3個の保留図柄840~842が表示されている。この時に、始動入賞が発生して4個目の新たな保留記憶が記憶されて、保留表示処理(図15)のS605で最終保留表示として「特別保留1」が選択され、S620で一次保留表示として「通常保留」が選択され、S625によって一次保留表示処理が実行されると、図36(b)に示すように、保留図柄843が、「通常保留」の態様で表示開始される。当該表示開始は、図27にて保留図柄表示が非表示から表示に変化したタイミングで示される。
この時、同じ保留表示処理(図15)内のS630で、保留変化実行時期として「第5実行時期」が決定され、S635で、「第5実行時期フラグ」に1を設定して、該情報を、4個目の新たな保留記憶に対応した「第4保留変化バッファ」に記憶し、また、S655で、前兆演出出現時期として「第4出現時期」が選択されると共に、前兆演出種別として「前兆演出E」が選択され、S660で、「第4出現時期フラグ」に1を設定して、前兆演出種別と併せて、該情報を、4個目の新たな保留記憶に対応した「第4前兆演出バッファ」に記憶した場合を仮定する。
図36(b)にて実行中の変動表示が終了して、図36(c)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄840に対応した保留記憶が消化される。このとき、「保留シフト表示処理」(図16)のS715によって、最古の保留図柄の消去および残存する保留図柄のシフト処理、及び第1~第4前兆演出バッファと第1~第4保留変化バッファの内容も併せて、1シフト目のシフト処理が実行される。そして、「第4出現時期フラグ」に1が設定されていることから、S720にて確認の対象となり、選択内容である「第4出現時期」が「保留図柄が3シフトされてから1秒後」であるため、カウントアップ時期が未到来と判定される。続いて、「第5実行時期フラグ」に1が設定されていることから、S725にて確認の対象となるが、決定内容である「第5実行時期」が「保留図柄が3シフトされてから3秒後」であるため、カウントアップ時期が未到来と判定される。このような処理が為されると、図36(d)に示すように、保留図柄840が消去され、保留図柄841~843がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。
図36(d)にて実行中の変動表示が終了して、図36(e)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄841に対応した保留記憶が消化される。このとき、「保留シフト表示処理」(図16)のS715によって、最古の保留図柄の消去および残存する保留図柄のシフト処理、及び第1~第4前兆演出バッファと第1~第4保留変化バッファの内容も併せて、2シフト目のシフト処理が実行される。そして、今回も、S720にて「第4出現時期」が、また、S725にて「第5実行時期」が、共に未到来と判定される。このような処理が為されると、図36(f)に示すように、保留図柄841が消去され、保留図柄842~844がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。
図36(f)にて実行中の変動表示が終了して、図36(g)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄842に対応した保留記憶が消化される。このとき、「保留シフト表示処理」(図16)のS715によって、最古の保留図柄の消去および残存する保留図柄のシフト処理、及び第1~第4前兆演出バッファと第1~第4保留変化バッファの内容も併せて、3シフト目のシフト処理が実行される。そして、「第4出現時期フラグ」に1が設定されていることから、S720にて確認の対象となり、選択内容である「第4出現時期」が「保留図柄が3シフトされてから1秒後」であるため、カウントアップ時期が到来したと判定される。これにより、「第4出現時期カウンタ」をカウントアップ可能に設定する。続いて、「第5実行時期フラグ」に1が設定されていることから、S725にて確認の対象となり、決定内容である「第5実行時期」が「保留図柄が3シフトされてから3秒後」であるため、カウントアップ時期が到来したと判定される。これにより、「第5実行時期カウンタ」をカウントアップ可能に設定する。このような処理が為されると、図36(h)に示すように、保留図柄842が消去され、保留図柄843~844がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。図36(h)は、保留図柄843の表示開始を起点として3シフト処理の実行直後の状態である。
「第4出現時期カウンタ」は、カウントアップ可能に設定されたことで、「保留シフト表示処理」(図16)のS700を実行する都度、カウントアップが繰り返され、「前兆演出処理」(図17)のS800にて肯定判定、すなわち「1秒間」に相当するカウント値に到達したと判定されると、「第4出現時期」が到来したとして、S810により「前兆演出E」の表示が開始される。当該「前兆演出E」の表示開始は、図27にて保留図柄表示が表示開始され、該表示開始から3シフト後の、更に「1秒間」が経過した「第4出現時期」のタイミングで示される。なお、このとき、図37(a)に示すように、保留図柄843の表示開始後に実行された3シフト処理から1秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄843の直上に、「前兆演出E」の態様にて前兆演出表示940が表示開始される。
また「第5実行時期カウンタ」も、カウントアップ可能に設定されたことで、「保留シフト表示処理」(図16)のS705を実行する都度、カウントアップが繰り返され、「保留変化処理」(図18)のS900にて肯定判定、すなわち「3秒間」に相当するカウント値に到達したと判定されると、「第5実行時期」が到来したとして、S905で保留図柄843に対応した「第1保留変化バッファ」の内容を確認する。該確認により、格納されている保留変化後の保留表示種別である「特別保留1」に基づいて、S910で一次保留表示としての「通常保留」から、最終保留表示としての「特別保留1」に、保留変化が行わるよう制御処理される。なお、このとき、図37(b)に示すように、保留図柄843の表示開始後に実行された3シフト処理から3秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄843が、一次保留表示としての「通常保留」から、最終保留表示としての「特別保留1」の態様に変化する保留変化演出が実行される。さらに、図37(c)~図37(f)は、保留変化した保留図柄843に対応した保留記憶に基づく変動表示(4シフト目)が行われて、その結果、大当りとなる状態を示している。
前兆演出表示940の表示開始後における保留変化の実行タイミングについて、図27を参照して説明する。「前兆演出E」は、保留図柄の表示開始を起点として、「第4出現時期(保留図柄が3シフトされてから1秒後)」が到来すると、出現する。これに対して、「保留変化演出」は、同じく保留図柄の表示開始を起点として、「第5実行時期(保留図柄が3シフトされてから3秒後)」が到来すると、実行される。このように、本実施形態の「第4出現時期(保留図柄が3シフトされてから1秒後)」と「第5実行時期(保留図柄が3シフトされてから3秒後)」は、何れも保留図柄の表示開始を起点として設定されている。しかし、これらを適宜組み合わせることによって、保留図柄843に係る「保留変化演出」が、保留図柄843を対象とした前兆演出表示940の表示開始を起点として、あたかも、該表示開始の直後(図20および図22参照)の一例である2秒後に行われたかのような演出タイミングを実現可能としている。
以上のように、図23~図27のタイミングチャート、および図28~図37の表示態様説明図等を参照して、本実施形態の「前兆演出および保留変化演出」について、5つの代表的な例を示して説明した。本実施形態は、このように複数種類の前兆演出の種別を備え、前兆演出の種別によっては、保留変化の可能性を有するタイミングとして、異なるタイミングを複数種類備えた設定となっている。このような構成によって、保留変化に係る前兆演出により遊技者が保留変化に対して期待感を維持できる時間に関して、長短異なる長さの時間を備えた趣向性の高い弾球遊技機を提供可能となっている。
この点、より具体的には、例えば1回の前兆演出A(ご飯)が実行された場合には、当該実行から1シフト後、2シフト後、又は3シフト後に、保留変化する可能性を有するが、一方、1回の前兆演出C(注射)が実行された場合には、当該実行の直後、数秒後、又は1シフト後に、保留変化する可能性を有する。換言すれば、よって、前兆演出C(注射)が出現したときには、前兆演出A(ご飯)で保留変化が期待できる2シフト後や3シフト後において、そのタイミングが到来したとしても、保留変化することは期待出来ない。
このように構成することにより、前兆演出が実行されてから保留変化が行われる可能性があるタイミングが、例えば前兆演出A(ご飯)と前兆演出C(注射)とで異なるので、遊技者は前兆演出の違いにより、保留変化に対する期待感を感じる期間の長さが異なり、趣向性の高い演出を遊技者に提供することができる。
また、両前兆演出は保留変化の可能性のあるタイミング数が共に同じ3種類であるものの、前兆演出A(ご飯)は比較的長い期間に亘って期待感を維持でき、前兆演出C(注射)は比較的早い段階で結論を遊技者に提供できるように設定されており、前兆演出の種別によって保留変化への期待を維持する期間の長さが異なるように構成されることで、どのような前兆演出が出現するかに関して遊技者を惹き付けることができ、面白みの有る遊技機を提供することができる。
また、前兆演出A(ご飯)が出現したのなら、直後、数秒後、または1シフト後に保留変化しなかったとしても、未だ残りの2シフト後、と3シフト後の2回に亘って、保留変化するタイミングが設けられているので、最悪3シフトが終了するまでの比較的長い期間に亘って、保留変化の期待感を維持することができる。
なおこの場合、両前兆演出の保留変化率(図20参照)が、前兆演出A(ご飯)は、前兆演出C(注射)よりも低いとしても、比較的長い時間に亘って期待感を維持できるので興趣が向上する。
また逆に、前兆演出C(注射)は、前兆演出A(ご飯)より保留変化率が高いので、同じタイミング数であっても、個々のタイミングで前兆演出(A)の場合より期待することができる。また、保留図柄が表示されている期間の早い段階で保留変化が発生するか否かの結論が遊技者に示されるので、保留図柄が表示されている残りの時間を遊技者は他の面白みに興味を移すことが出来る。
また、他の点において例示して詳述すると、例えば1回の前兆演出A(ご飯)が実行された場合と、1回の前兆演出E(魔法)が実行された場合とで、各々1回の前兆演出が実行された後に、該前兆演出の対象の保留図柄が保留変化する可能性を有するタイミングの種別数は、前兆演出A(ご飯)が実行された場合が「1シフト後、2シフト後、および3シフト後」の3個であるのに対して、前兆演出E(魔法)が実行された場合が「直後」の1個で、異なるように設定されている。
このように構成することにより、前兆演出が実行されてから保留変化が行われる可能性があるタイミングの回数が、例えば前兆演出A(ご飯)と前兆演出E(魔法)とで異なるので、遊技者は前兆演出の違いにより、保留変化に対する期待感を感じる回数が異なり、趣向性の高い演出を遊技者に提供することができる。
また、両前兆演出は保留変化の可能性のあるタイミング数が異なる。つまり、前兆演出A(ご飯)は3回のタイミングを備えて比較的長い期間に亘って期待感を維持でき、前兆演出E(魔法)は直後の1回だけに設定されており、結果的に、前兆演出の種別によって保留変化への期待を維持する期間の長さが異なるように構成されることで、どのような前兆演出が出現するかに関して遊技者を惹き付けることができ、面白みの有る遊技機を提供することができる。
ここで、前兆演出や保留図柄の表示態様に関して、上述してきた第一実施形態とは異なる、「変形例」を、図38~図41を参照して説明する。予めここで、上述した第一実施形態との相違点の概要を説明する。上述した第一実施形態では、前兆演出表示を保留変化が実行されるタイミングまで継続して維持するが、この点、以下の「変形例」では比較的早期に表示を終了(消去)する。また、上述した第一実施形態では、特殊保留図柄(保留図柄の特殊保留態様)を備えなかったが、この点、以下の「変形例」では前兆演出が消去されたタイミングで、特殊保留図柄を表示開始し、保留変化の実行予定タイミングまで表示を維持する。なお、図38および図39は、「変形例」の内で、前兆演出に対応して第一実施形態の図28および図29で説明した場合と同じタイミングで保留変化が実行される場合の例であり、図40および図41は、前兆演出が行われて、第一実施形態の図28および図29で説明した場合と同じタイミングが到来しても、保留変化が実行されない、ガセ演出の場合の例である。
(15)「変形例」において、前兆演出出現後に保留変化が実行される場合について
図22に示すように、第5実行時期、第1出現時期および前兆演出Aが選択されると、前兆演出Aが出現してから3シフト後に保留変化が実行される。
図38(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面には、特別図柄に対応した装飾図柄100が変動表示中であり、記憶されている保留記憶に対応した3個の保留図柄850~852が表示されている。この時に、始動入賞が発生して4個目の新たな保留記憶が記憶されて、図38(b)に示すように、保留図柄853が、「通常保留」の態様で表示開始される。
保留図柄853の表示開始から1秒間が経過すると、図38(c)に示すように、保留表示から1秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄853の直上に、「前兆演出A」の態様にて前兆演出表示900が表示開始される。
保留図柄853の表示開始から6秒間が経過すると、すなわち、図38(c)に示す前兆演出表示900の表示開始から5秒間が経過すると、図38(d)に示すように、前兆演出の対象となる保留図柄853の直上から、前兆演出表示900が表示終了により消去される。さらに、前兆演出表示900の消去に伴い、保留図柄853は、「通常保留」の態様から「特殊保留」の態様に変化する。
「変形例」の「特殊保留」態様は、「通常保留」態様から、「特別保留1」態様、「特別保留2」態様、「特別保留3」態様、および「特別保留4」態様の何れかに保留変化するか、若しくは保留変化に失敗して「通常保留」態様に戻るか(ガセ演出)、の過程であることを示唆可能な表示態様に設定されている。すなわち、「通常保留」態様から保留変化の前提状態として、一旦崩壊したかのような異形状にて、象られた表示態様となっている。
図38(d)にて実行中の変動表示が終了して、図38(e)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄850に対応した保留記憶が消化される。前兆演出表示900の表示開始から1回目のシフト処理が為されると、図38(f)に示すように、保留図柄850が消去され、保留図柄851~853がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。このとき、保留図柄853は、上記「特殊保留」態様を維持したままシフト表示される。
図38(f)の状態から、さらに続けて、2~3シフト処理が行われると、図38(f)の状態から、実行中の変動表示が終了して、図38(g)に示すように装飾図柄100が確定表示する。次に保留図柄851に対応した保留記憶が消化されて、先述した図38(f)の場合と同様、図38(h)に示すように保留図柄853の表示開始から2回目のシフト処理が行わる。さらに、図39(a)に示すように2シフト後の変動表示が終了して、保留図柄852に対応した保留記憶に基づく変動表示が開始されることで、図39(b)に示すように保留図柄の発生から3回目のシフトが為される。図39(b)は3シフト直後の表示態様である。
このように「変形例」では、前兆演出表示900を比較的早期に消去しても、前兆演出表示900の対象となる保留図柄853を「特殊保留」態様とし、更に当該「特殊保留」態様を複数回のシフト処理が実行されても維持するように構成されている。これにより、遊技者は前兆演出の対象であって保留変化の可能性を有する保留図柄が何れの保留図柄であるかを、前兆演出表示900を指標とすることなく、保留図柄853の「特殊保留」態様を指標とすることにより、判別可能となる。よって、シフト表示や新たな保留図柄が表示されることによって、遊技者が保留変化の可能性を有する保留図柄を見失うことがなく、確実に遊技の興趣を提供することができる。
図39(b)の状態から、「3秒間」が経過すると、図39(c)に示すように、保留図柄853が、「特殊保留」態様から、最終保留表示としての「特別保留1」に保留変化する。さらに、図39(d)~図39(g)は、保留変化した保留図柄853に対応した保留記憶に基づく変動表示(4シフト目)が行われて、その結果、大当りとなる状態を示している。
(16)「変形例」において、前兆演出出現後に保留変化が非実行、すなわちガセ演出が実行される場合について
図22に示すように、第5実行時期(当該実施例ではガセ演出であるため保留変化を非実行とすることが予め決まっていることから、当該実行時期は仮の決定時期である)が決定され、第1出現時期および前兆演出Aが選択されると、前兆演出Aが出現してから3シフト後に保留変化が実行される。なお、当該図40および図41に示す演出例は、上述した図38および図39に示した保留変化を実行するパターンに対するガセ演出となるので、保留変化の実行可否以外は、同様の処理が為される。
図40(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面には、特別図柄に対応した装飾図柄100が変動表示中であり、記憶されている保留記憶に対応した3個の保留図柄850~852が表示されている。この時に、始動入賞が発生して4個目の新たな保留記憶が記憶されて、図40(b)に示すように、保留図柄853が、「通常保留」の態様で表示開始される。
保留図柄853の表示開始から1秒間が経過すると、図40(c)に示すように、保留表示から1秒後の状態として、前兆演出の対象となる保留図柄853の直上に、「前兆演出A」の態様にて前兆演出表示900が表示開始される。
保留図柄853の表示開始から6秒間が経過すると、すなわち、図40(c)に示す前兆演出表示900の表示開始から5秒間が経過すると、図40(d)に示すように、前兆演出の対象となる保留図柄853の直上から、前兆演出表示900が表示終了により消去される。さらに、前兆演出表示900の消去に伴い、保留図柄853は、「通常保留」の態様から「特殊保留」の態様に変化する。
図40(d)にて実行中の変動表示が終了して、図40(e)に示すように装飾図柄100が確定表示すると、次に保留図柄850に対応した保留記憶が消化される。前兆演出表示900の表示開始から1回目のシフト処理が為されると、図40(f)に示すように、保留図柄850が消去され、保留図柄851~853がシフト表示され、保留記憶が消化されたことに基づく装飾図柄100の変動表示が開始される。このとき、保留図柄853は、上記「特殊保留」態様を維持したままシフト表示される。
図40(f)の状態から、さらに続けて、2~3シフト処理が行われると、図40(f)の状態から、実行中の変動表示が終了して、図40(g)に示すように装飾図柄100が確定表示する。次に保留図柄851に対応した保留記憶が消化されて、先述した図40(f)の場合と同様、図40(h)に示すように保留図柄853の表示開始から2回目のシフト処理が行わる。さらに、図41(a)に示すように2シフト後の変動表示が終了して、保留図柄852に対応した保留記憶に基づく変動表示が開始されることで、図41(b)に示すように保留図柄の発生から3回目のシフトが為される。図41(b)は3シフト直後の表示態様である。
図41(b)の状態から、「3秒間」が経過すると、図41(c)に示すように、保留図柄853が、「特殊保留」態様から、「通常保留」に戻って保留変化が失敗することで、ガセ演出が実行される。さらに、図41(d)~図41(g)は、ガセ演出により「通常保留」に戻った保留図柄853に対応した保留記憶に基づく変動表示(4シフト目)が行われて、その結果、ハズレとなる状態を示している。
(17)「変形例」の制御等について
上述したように、「変形例」は、前兆演出表示を消去するタイミングで、前兆演出の対象となる保留図柄の態様を、保留変化の可能性を有する旨を示唆する特殊保留態様に変更し、予定された保留変化のタイミングまで、或いはガセ演出であれば前記タイミングと同様のタイミングまで、この表示態様を維持する構成を備えている。しかし、このような演出表示すなわち、特殊保留態様の表示の開始から終了までの表示を、先述した第一実施形態の制御で実現することは困難である。つまり、最初に、前兆演出の出現時期、前兆演出の種別、対象となる保留図柄に係る一次保留図柄の種別、特殊保留態様の種別、および最終保留図柄の種別、保留変化のタイミング(つまり、特殊保留態様から最終保留図柄への変更時期)等を含む、所謂「演出シナリオ」を選択決定して、該シナリオに従って予定された演出を予定されたタイミングで順次展開する制御処理を備える必要がある。本発明は、このような制御処理に基づいて、「変形例」に示した演出により実現するようにしても良い。
また、上述した「変形例」において、特殊保留態様としては、「前兆演出A」の態様で表示される前兆演出表示900に対応して、1種類の特殊保留態様(上述した、あたかも図柄が崩壊したかのような異形状にて象られた態様)のみを例示した。当該1種類の特殊保留態様のみを備えて、前兆演出がどのような態様にて実行されても、対象となる保留図柄を前記1種類の特殊保留態様に変化させるようにしても良い。つまり、「前兆演出A」の態様に限らず、他の態様である、前兆演出B~Eの態様の前兆演出であっても、一様に前記1種類の特殊保留態様に変化させるよう構成しても良い。なお、これに限らず、特殊保留態様を複数種類備えて、前兆演出の態様種別に応じて、異なる特殊保留態様に変化させるように構成しても良い。例えば、「前兆演出A(ご飯)」の場合と、「前兆演出C(注射)」の場合とで、異なる特殊保留態様に変化させるようにする。これにより、前兆演出表示が消去されても、特殊保留態様が維持されているので、これを視認できる限り常時、遊技者は一目瞭然に保留変化率の高さを推定することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、前兆演出の態様種別に基づいて異なる特殊保留態様に変化させる構成に限らず、例え前兆演出の態様種別が同じであっても、大当りとなる期待度の高さに応じて、特殊保留態様の種別を異ならせるように構成しても良い。これにより、前兆演出の態様種別では保留変化率が期待出来なかったとしても、特殊保留態様の種別が期待できれば、遊技者は落胆したり期待が向上したり、様々な気分に変化するので、遊技の興趣がさらに向上する。
以上、本発明に係る実施形態を説明してきたが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、これに限定することはない。例えば、上述した実施形態では保留変化は1段階しか行わない構成を例示したが、「保留図柄の2段階に亘る保留変化」が行われる構成でも良い。保留変化後に再度、保留消化までの変動表示の残数を確認し、実行可能な範囲を選択対象としてその選択対象の中から2回目の保留変化を決定して実行するようにしても良い。また、結果的に2段階の保留変化を行うようにする構成として、1回目の保留変化で既に期待度が設定された保留図柄を表示する段階を介して、2回目の保留変化で再び、異なる期待度が設定された他の最終保留図柄を表示するようにして、2段階の保留変化を行うようにしても良い。これにより1度の処理で、予め実行される2回の保留変化のシナリオを決定しておいて、これに従って保留変化演出を実行することができる。
消化前の保留記憶に対応した保留図柄の表示に関するものに限らず、例えば保留記憶の消化後、すなわち変動表示中の保留記憶に係る所謂、「変動中保留図柄」についての保留変化に関しても、本発明の作用を及ぼすように構成しても良い。つまり保留図柄および変動中保留図柄に関する保留変化について、前兆演出の種別に基づき、所定時間経過後に保留変化を行う可能性において異なる設定としたり、保留変化の可能性のあるタイミングの頻度において異なる設定としたり、するように構成しても良い。これにより、前兆演出の種別が影響を及ぼす範囲が拡大される。つまり、保留変化の対象を保留図柄に限定せず、変動中保留図柄にまで拡大できる。また、これにより、遊技者が前兆演出によって保留変化が発生するかも、と期待を維持出来る期間が、変動表示が終了するまで延長され遊技の興趣を向上させることができる。
上述した実施例では、保留記憶が発生したときに、すなわち最初に表示される保留図柄として、大当りとなる期待度(信頼度)が設定されていない通常保留(図19参照)が表示される場合や、信頼度が設定された他の特別保留1~4の何れかが表示される場合、を備えた構成とした。しかし、これに限らず、常に最初は大当りとなる期待度(信頼度)が設定されていない通常保留が表示され、保留変化が実行されることで、大当りとなる期待度(信頼度)が設定された特別保留1~4の何れかが表示されるように構成しても良い。これにより、常に最初は大当りとなる期待が持てない状態から開始されるので、最初に僅かでも期待の持てる特別保留が表示されてそのままガセで終わってしまう、といった落胆を遊技者に抱かせることがない。
また、上述した実施例で、前兆演出の出現を起点として見たときの、保留変化の実行時期の内容に関して、例えば「直後」は2秒後に限定せず、「数秒後」は7秒後に限定せず、「シフト後」はシフト処理から1秒後に限定するものでは無い。時間の設定は適宜、変更可能である。何れにしても、保留変化の実行時期と前兆演出の出現時期の設定と、これらの組み合わせによって、あたかも前兆演出の出現を起点として所定時間経過後に保留変化が実行されたかのような演出タイミングが実現できるのであれば、他の設定を採用しても構わない。
また、上述した実施例では、始動入賞に起因して抽出した数値データを記憶する記憶手段として、主制御装置80は、事前記憶バッファと、保留記憶バッファを備える構成を例示した。そして、先読み判定処理では事前記憶バッファに記憶された数値データを判定対象とし、当否判定処理では保留記憶バッファに記憶された数値データを判定対象とするようにした。さらに、主制御装置80からの先読み信号を受信したことにより、サブ統合制御装置83は、保留表示処理(図15)にて、所定の保留記憶に対応して、第1~第4保留変化バッファと、第1~第4前兆演出バッファと、を設定して、保留変化に係る情報、または、前兆演出に係る情報を記憶するようにしている。しかし、このように保留変化と前兆演出に係る情報を個別のバッファに記憶する構成に限定せず、各保留記憶毎に、両者を1個のバッファに記憶するようにしても良い。また、S605で設定される保留表示演出用バッファと、第1~第4保留変化バッファと、第1~第4前兆演出バッファと、を保留記憶毎に一つのバッファに集約しても良い。さらに、このような保留変化および前兆演出に係る情報を、サブ統合制御装置83が備えるのではなく、主制御装置80が備える保留変化バッファにまとめて記憶するようにしても良い。
また、上述した実施例のサブ統合制御装置83は、保留表示処理(図15)のS635にて、実行時期カウンタのカウントアップ可能な時期が到来していればカウントアップ可能に設定し、未だその時期が到来していなければ実行時期フラグに1を設定し、該フラグに1が設定されていることに基づいてシフト処理毎に保留シフト表示処理(図16)のS725にて、予定されたカウントアップ可能な時期が到来したか否かを判定の結果、時期到来であれば実行時期カウンタをカウントアップ可能に設定する、処理を行う構成となっている。また同じく、サブ統合制御装置83は、保留表示処理(図15)のS660にて、出現時期カウンタのカウントアップ可能な時期が到来していればカウントアップ可能に設定し、未だその時期が到来していなければ出現時期フラグに1を設定し、該フラグに1が設定されていることに基づいてシフト処理毎に保留シフト表示処理(図16)のS720にて、予定されたカウントアップ可能な時期が到来したか否かを判定の結果、時期到来であれば出現時期カウンタをカウントアップ可能に設定する、処理を行う構成となっている。しかし、このような制御処理の構成に限定することなく、本発明の保留変化と前兆演出の演出タイミングを実現可能であれば他の制御処理を採用するようにしても、無論問題ない。同様に、「保留表示処理」、「保留シフト処理」、「前兆演出処理」、及び「保留変化処理」の構成に関しても、例示した制御に限定することなく他の制御処理としても構わない。
また、上述した実施例では、保留図柄の表示開始を起点とした保留変化の実行時期と、保留図柄の表示開始を起点とした前兆演出の出現時期とを適宜組み合わせることで、あたかも前兆演出の出現(実行開始)から所定時間経過後に保留変化が行われたかの印象を遊技者に与える構成となっている。しかし、遊技者が認識する保留変化の実行時期が、必ずしも「前兆演出の出現(実行開始)から所定時間経過後」に限らず、「前兆演出の終了(実行終了)から所定時間経過後」としても良い。これにより、表示が開始された前兆演出がいつ消去されるか、を遊技者は注視するので、興趣が向上する。またこのとき、前兆演出の実行時間を複数種類備え、何れの実行時間を選択するかを例えば抽選決定するように構成しても良い。これにより、今回の前兆演出がどれだけの期間に亘って実行されるかが遊技者は予測不能であり、一層前兆演出の終了時期を遊技者は注視するようになって、更に遊技の興趣が向上する。
さらに、上述した実施例では、前兆演出は1つの保留図柄に対して出現した場合に、当該保留図柄に対応した保留記憶が消化されるまでの間、新たに後続する前兆演出は行われない構成を例示した。しかし、これに限らず例えば、1つの保留図柄に対して1回目の前兆演出が出現したとき、当該1回目の前兆演出に固有に設定された「前兆演出の実行を起点として保留変化のタイミング」のうち、最も遅いタイミングが発生したことに基づいて、2回目の前兆演出を当該保留図柄に対して出現させるようにしても良い。2回目に限定せず、3回目以上の前兆演出を実行するようにしても構わない。このような構成の場合、最初の前兆演出を実行するか否かの判定時に、対象となる保留記憶の消化までの期間において何回の前兆演出を実行するかを決定するようにしても良いし、今回の前兆演出が終了した時点で、次の前兆演出を実行するか否かの判定を行うようにしても構わない。なお、2回目以降の前兆演出が、1回目の前兆演出の種別と同じ種別が選択される構成であっても良いし、異なる種別となるようにしても良い。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
第1始動口11及び第2始動口12が、始動口の一例に相当する。
始動入賞確認処理(図6)の抽出乱数保留記憶処理(S110)が、数値データ抽出手段、および保留記憶手段の一例に相当する。
当否判定処理(図9)のS230およびS235が、大当り判定手段の一例に相当する。
始動入賞確認処理(図6)の先読み判定処理(S115)が、数値データ確認手段の一例に相当する。
当否判定処理(図9)のS245、S250およびS260が、特別図柄表示制御手段の一例に相当する。
図19に示す通常保留図柄、特別保留図柄1~4が、保留標識の一例に相当する。
保留表示処理(図15)のS625およびS640が、保留標識表示手段の一例に相当する。
保留変化処理(図18)は、保留変化実行手段の一例に相当する。
パチンコ機50が、弾球遊技機の一例に相当する。
保留表示処理(図15)の保留変化実行時期決定処理(S630)が、タイミング決定手段の一例に相当する。
前兆演出処理(図17)は、前兆演出実行手段の一例に相当する。
保留表示処理(図15)の前兆演出選択処理(S655)が、前兆演出決定手段の一例に相当する。
前兆演出Aが、第2前兆演出の一例に相当するとき、前兆演出B、C、DおよびEが、第1前兆演出の一例に相当する。
前兆演出Bが、第2前兆演出の一例に相当するとき、前兆演出C、DおよびEが、第1前兆演出の一例に相当する。
前兆演出Cが、第2前兆演出の一例に相当するとき、前兆演出A、B、DおよびEが、第1前兆演出の一例に相当する。
前兆演出Dが、第2前兆演出の一例に相当するとき、前兆演出A、BおよびEが、第1前兆演出の一例に相当する。
前兆演出Eが、第2前兆演出の一例に相当するとき、前兆演出AおよびBが、第1前兆演出の一例に相当する。