JP6364211B2 - 先行エレメントの端部構造、鉄筋架台および連続地中壁の施工方法 - Google Patents
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Description
エレメント同士の接合部では、先行エレメントの端面(接合面)に切削面(凹凸面)を形成することで、後行エレメントとの接合性を確保する場合がある。
このような地中連続壁における先行エレメントと後行エレメントとの接合部には、止水性に加えて、断面力伝達性能の向上も求められている。
この接合構造では、鉄筋の張り出し部分の防護と移動防止を目的として、反力材や砕石、コンクリート防護板やインターロッキングプレート等を介設しておき、先行エレメントの構築後に引き抜きまたは除去するのが一般的である。
また、後行エレメントの掘削時には、先行エレメントの打ち継ぎ部形成具に接触することがないように、慎重に作業を行う必要がある。
鉄筋架台10は、先行エレメント1を構築する際に使用する。
本実施形態の架台本体11は、鉄筋籠12の内側空間に配設されていて、高さ方向(紙面垂直方向に延在している。
なお、架台本体11の構成は限定されるものではない。
横材111は、先行エレメントを構築する際に掘削された掘削溝の壁面に沿って配設される。
なお、縦材112を構成する材料は限定されないが、本実施形態ではL型鋼を使用する。
また、鉄筋架台10の中央部において隣り合う縦材112,112の間には、トレミー管Pを配管するためのスペースが確保されている。
なお、斜材113を構成する材料は限定されないが、本実施形態では平鋼を使用する。
なお、鉄筋籠12を構成する縦筋および横筋の鉄筋径や配筋ピッチ等は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
仕切り板13は、先行エレメントと後行エレメントとの境界部に配設される板材であって、横材111,111の端部に固定されている。仕切り板13は、高さ方向(紙面垂直方向)に延在している。
仕切り板13を構成する材料は限定されないが、本実施形態ではハット形鋼矢板を使用する。
端面カバー14は、仕切り板13よりも後行エレメント2側に配設された板材であって、地盤掘削機による切削が可能な材料により形成された平板からなる。
なお、端面カバー14を構成する材料は、地盤掘削機による切削が可能であれば限定されないが、例えばALC板(軽量気泡コンクリート板)や繊維補強コンクリート等を使用すればよい。
取付ブロック15は、図2に示すように、仕切り板13と端面カバー14との間に介設されている。
なお、取付ブロック15を構成する材料は、地盤掘削機による切削が可能であれば限定されないが、例えばALC板や繊維補強コンクリート等を使用すればよい。
また、端面カバー14は、端面カバー14を貫通してボルト受け152に螺合されたボルトにより取付ブロック15に固定されている。
さらに、取付ブロック15の側面(外面)は、粗面またはアンカー仕上げとなっている。
鉄筋161の種類は限定されるものではなく、例えば、異形鉄筋やネジ鉄筋等を使用すればよい。
なお、止水板17を構成する材料は限定されるものではないが、本実施形態では鋼板を仕切り板13に溶接することにより構成している。また、止水板17は、仕切り板13を貫通させた板状部材により形成してもよい。
先行掘削溝D1は、トレンチカッタ等の地盤掘削機により掘削する。なお、先行掘削溝の掘削方法は限定されない。
先行エレメント形成工程では、まず、図3の(b)に示すように、鉄筋架台10を先行掘削溝に設置する。
このとき、鉄筋架台10と先行掘削溝の内壁面との間にはスペーサー18が介設されている。なお、スペーサー18の材質および形状は限定されない。
そして、トレミー管Pを利用して、先行掘削溝の底面からコンクリートを打設する。トレミー管Pは、打設コンクリートの上面の上昇に伴って上昇させる。
後行掘削溝D2の掘削は、先行掘削溝D1の打設コンクリートに所定の強度が発現してから行う。
後行エレメント形成工程では、まず、後行掘削溝に後行エレメント用鉄筋籠21を設置する。
このとき、後行エレメント用鉄筋籠21と後行掘削溝D2の内壁面との間には、スペーサー(図示せず)が介設されている。なお、スペーサーの材質および形状は限定されない。
そして、トレミー管を利用して、後行掘削溝D2の底面からコンクリートを打設する。コンクリートは、先行エレメント1の接続部材16および止水板17を巻き込んだ状態で打設する。
トレミー管は、打設コンクリートの上面の上昇に伴って上昇させる。
これは、後行エレメント2を構築する際に端面カバー14を切削することで接続部材16と止水板17を露出させるため、接続部材16および止水板17を巻き込んだ状態で後行エレメント2を構築することができるからである。
例えば、取付ブロックのスリットは、必要に応じて形成すればよく、必ずしも形成されている必要はない。
また、接続部材の定着部材は、必要に応じて形成すればよい。
10 鉄筋架台
11 架台本体
12 鉄筋籠
13 仕切り板
14 端面カバー
15 取付ブロック(スペーサ)
153 スリット
16 接続部材
161 鉄筋
162 定着部材
17 止水板
2 後行エレメント
D1 先行掘削溝
D2 後行掘削溝
Claims (6)
- 先行エレメントと後行エレメントとの境界部に配設される仕切り板と、
前記仕切り板よりも後行エレメント側に配設された端面カバーと、
前記仕切り板と前記端面カバーとの間に介設されたブロック状のスペーサと、
前記仕切り板を貫通した接続部材と、
前記仕切り板の先行エレメント側面および後行エレメント側面にそれぞれ配設された止水板と、を備える先行エレメントの端部構造であって、
前記端面カバーおよび前記スペーサは、地盤掘削機で切削可能な材料からなり、
前記スペーサは、一方の端面が前記仕切り板に当接しているとともに他方の端面が前記端面カバーに当接しており、
前記接続部材の後行エレメント側の端部は、前記仕切り板と前記端面カバーとの間に形成された空間内に配置されていることを特徴とする、先行エレメントの端部構造。 - 前記仕切り板は、先行エレメント側に凸となる断面形状の溝型部を有し、
前記接続部材の後行エレメント側の端部は、前記仕切り板の溝型部で囲まれた空間内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の先行エレメントの端部構造。 - 前記スペーサの側面にスリットが形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の先行エレメントの端部構造。
- 前記接続部材が、鉄筋と、前記鉄筋の後行エレメント側の端部に形成された定着部材と、からなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の先行エレメントの端部構造。
- 架台本体と、
前記架台本体に支持された鉄筋籠と、
前記架台本体の両端部に固定された一対の仕切り板と、
前記一対の仕切り板を外側から挟むように配設された一対の端面カバーと、
前記仕切り板と前記端面カバーとの間に介設されたブロック状のスペーサと、
前記仕切り板を貫通して前記架台本体に固定された接続部材と、
前記仕切り板の両面に配設された止水板と、を備えていて、
前記スペーサは、一方の端面が前記仕切り板に当接しているとともに他方の端面が前記端面カバーに当接していることを特徴とする、鉄筋架台。 - 先行掘削溝を掘削する工程と、
請求項5に記載の鉄筋架台を前記先行掘削溝に設置するとともに前記先行掘削溝にコンクリートを打設する工程と、
前記先行掘削溝に連続する後行掘削溝を掘削する工程と、
後行エレメント用鉄筋籠を前記後行掘削溝に設置するとともに前記後行掘削溝にコンクリートを打設する工程と、を備える連続地中壁の施工方法であって、
前記後行掘削溝を掘削する際に、前記端面カバーを切削することを特徴とする、連続地中壁の施工方法。
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