JP6364184B2 - プリント配線板 - Google Patents
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しかし、金属箔の接着面を粗くすると、伝送損失が大きくなり、特に高周波領域では表皮効果により電流が表層に集中することから、表層での抵抗が大きくなって、プリント配線板としての特性を低下させてしまう。
・PFA:テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
・PTFE:ポリテトラフルオロエチレン
(3)また、前記プリプレグに含まれるPFAとPTFEとの体積比は、1:1であるのが好ましく、これにより前記プリプレグと前記層との間における剥離強度を向上させることができる。
図1は、本発明のプリント配線板の一部を示す断面図である。このプリント配線板5は、プリプレグ10と、このプリプレグ10の上に設けられる層と、金属箔30とを備えている。本実施形態では、プリプレグ10の上に設けられる前記層は、樹脂製フィルム20であり、一層のプリプレグ10を中間層として、その両側にフィルム20,20が積層され、更に、これらフィルム20,20の表面に金属箔30が積層されている。なお、図示しないが、プリプレグ10の片側にのみフィルム20及び金属箔30を形成したプリント配線板であってもよい。
そして、この繊維質補強材11に含浸させるフッ素樹脂12は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)である。繊維質補強材11に対するフッ素樹脂12の含浸は、両面に各1回行われる。ただし、プリプレグ10が所定の厚さを有するように、複数回繰り返し行われるようにしてもよい。
LCP/PFA複合フィルム20は、金属箔30とプリプレグ10とを接着させるためのフィルムとして機能している。フィルム20は、例えば、官能基を有するPFA(1〜20体積%)及びLCP(1〜15体積%)と、官能基を有しないPFA(65〜98体積%)との混合物をフィルム状に押し出し成形して得られるものである。フィルム20の厚さ(1層の厚さ)は例えば10〜100μm程度であり、プリント配線板5では、このフィルム20を1層又は複数層について積層する。ここで、後述するように、誘電体7に含まれるPFAの体積比を高くするためにLCP/PFA複合フィルム20の厚みをプリプレグ10の厚み(≒繊維質補強材11の厚み)よりも大きくするとよい。
なお、官能基を有するPFAは、側鎖官能基又は側鎖に結合した官能基を有するPFAを意味し、官能基にはエステル、アルコール、酸(炭酸、硫酸、燐酸を含む)、塩及びこれらのハロゲン化合物が含まれる。その他の官能基には、シアネード、カーバメート、ニトリル等が含まれる。
繊維質補強材11にフッ素樹脂12を含浸させてなるプリプレグ10と、両面が粗化処理及び黒化処理されていない平滑面をなす又は低粗度の粗化処理されている金属箔30とを、LCP/PFA複合フィルム20を介して、加熱及び加圧することにより接着する。なお、この際、PFAの融点より5℃〜40℃高く、かつ、LCPの融点より低い温度条件で加熱及び加圧する。例えば、LCP/PFA複合フィルム20によるプリプレグ10と金属箔30とを接着するための焼成温度(成形温度)は300℃〜345℃である。つまり、プリプレグ10、LCP/PFA複合フィルム20及び金属箔30を図1に示すように積層し、この積層体を300℃〜345℃の条件で焼成、加圧成形する。これにより、金属箔30は、LCP/PFA複合フィルム20を介してプリプレグ10の両面に接着され、各層は一体化する。
このようにしてプリプレグ10の両面にLCP/PFA複合フィルム20を介して金属箔30を接着してなる積層板を製造し、この積層板の金属箔30に所定の導体パターンを形成し、プリント配線板5とする。なお、導体パターンの形成は、サブトラクティブ法等の周知の手法により行なわれる。
(1)LCPは溶融状態で液晶性を示すスーパーエンプラであり、耐熱性が高く流動性が良好で固化強度が高いものであるから、LCP/PFA複合フィルムの溶融時における流動性が一般的な接着用樹脂フィルム(PFAフィルム等)に比して極めて高いため。
(2)粗化処理又は黒化処理をしていない金属箔30においても微細な凹凸が存在するため。
(3)これらの点(1)(2)から、金属箔30の表面の微細な凹凸にLCP/PFA複合フィルム20の溶融物が効果的に浸透して強力な投錨効果(アンカー効果)が発揮されるため。
(4)LCP/PFA複合フィルム20の溶融固化時の剛性が一般的な接着用樹脂フィルムより高いため。
ここで、プリント配線板5の誘電体にフッ素樹脂を用いると、その樹脂部の線膨張率がスルーホールに含まれる金属よりも高く、温度変化が生じるとこれらの線膨張率の相違によってスルーホールの孔の壁面にクラックが生じることがある。特にフッ素樹脂の体積比率が70%以上である場合、フッ素樹脂の線膨張率が支配的となり、温度変化に起因する伸縮の影響が顕著となる。
しかし、本実施形態のように、誘電体7を主にPFAにより構成した場合、つまり、誘電体7に含まれるPFAの体積比を70%以上とすることで、前記のようなクラックの発生を抑制することができ、主にPTFEにより構成する場合と比較して、スルーホール信頼性が向上する。
すなわち、PTFEとPFAとで線膨張率に大きな差は存在していないが、常温付近(18〜30℃)で、PTFEは分子構造に変曲点が存在するのに対して、PFAはこのような変曲点が無く、この違いがクラック発生、つまり、スルーホールの信頼性に影響を与えると推測される。
図2は、実施例と従来例との構成、及び各種の試験結果をまとめた表である。
実施例1は、その構成は図1に示すとおりであり、24g/m2のEガラスクロスを繊維質補強材11とし、このガラスクロスにPTFEとPFAとのディスパージョンを含浸させて作製した厚さ30μmのプリプレグ10を有している。そして、このプリプレグ10の上下面それぞれに厚さ60μmのLCP/PFA複合フィルム20が配置され、更にその上下面それぞれに厚さ9μmの電解銅箔が金属箔30として配置されて得た銅張積層板である。
この銅張積層板(実施例1)のプリプレグ10に関して、ガラスクロス(繊維質補強材11)に含浸させているフッ素樹脂12は、PFA及びPTFEであり、その体積比は50:50(=1:1)である。
さらに、同様に、銅張積層板(実施例3)を製造し(その構成は図1に示すとおりである)、この実施例3は、プリプレグ10に関して、ガラスクロス(繊維質補強材11)に含浸させているフッ素樹脂12は、PFA及びPTFEであり、その体積比は70:30である。
なお、これら実施例1,2,3及び後述の従来例1,2それぞれには、銅により表裏の銅箔を接続させたスルーホールが設けられている。また、図2に示すように、実施例1〜3の誘電体7の比誘電率は2.6以下である。
従来例2では、LCP/PFA複合フィルムを介在させていないことから、金属箔の剥離強度が低い。
なお、金属箔の剥離強度が高いほど細かい導体パターンを形成することが可能となる。
これに対して、従来例2では、PFAの体積比が0であり、試験の結果、クラックが発生している。
なお、誘電体7におけるPFAの体積(V1)とPTFEの体積(V2)との比(V1/V2)は、20倍以上であるのが好ましい。
なお、プリプレグ10に積層されているPFAを含む層に、LCPが含まれない場合であっても(例えば前記層がPFAフィルムからなる場合)、この層におけるPFAの含有率と、プリプレグ10におけるPFAの含有率とが相違することで、プリプレグ10と、このプリプレグ10に積層されているPFAを含む層とを区別することができる。
11:繊維質補強材 12:フッ素樹脂 20:フィルム(層)
30:金属箔
Claims (2)
- 繊維質補強材にフッ素樹脂を含浸させてなるプリプレグと、このプリプレグに積層されているPFAを含む層と、この層上に設けられている金属箔と、を備え、前記プリプレグ及び前記層により構成される誘電体の主成分をPFAとするプリント配線板であって、
前記プリプレグには前記フッ素樹脂としてPFAの他にPTFEが含まれており、
前記プリプレグに積層されている層は、PFAの他に液晶ポリマーを含み、
前記金属箔は、前記層に対する接着面の表面粗さRaが0.2μm以下である未粗化金属箔、又は、前記層に対する接着面の表面粗さRzの最大値が5μm以下である低粗度金属箔であり、
前記誘電体に含まれるPFAの体積比は、70%以上であり90%以下であることを特徴とするプリント配線板。 - 前記プリプレグに含まれるPFAとPTFEとの体積比は、1:1である請求項1に記載のプリント配線板。
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