JP6364184B2 - プリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板に関する。
近年、金属箔(薄膜パターン)によってアンテナ等の高周波回路を絶縁基板の上に形成し、マイクロ波領域(1〜30GHz)やミリ波領域(30〜300GHz)の周波数帯に対応できるプリント配線板の開発が進められている。このようなプリント配線板として、誘電特性の優れたフッ素樹脂による絶縁基板に、金属箔(例えば銅箔)を接着して構成したものが知られている。
絶縁基板に対する金属箔の接着力は、主として金属箔の接着面における凹凸による投錨効果により得られ、この凹凸(表面粗さ)が大きいほど高い接着力(高い剥離強度)が得られる。このため、従来では、金属箔の接着面に粗化処理や黒化処理が施されていた。
しかし、金属箔の接着面を粗くすると、伝送損失が大きくなり、特に高周波領域では表皮効果により電流が表層に集中することから、表層での抵抗が大きくなって、プリント配線板としての特性を低下させてしまう。
そこで、接着面に粗化処理や黒化処理を施さないで金属箔の接着強度を高めるために、例えば特許文献1に記載のプリント配線板が提案されている。このプリント配線板は、繊維質補強材にPTFEを含浸させてプリプレグを形成し、このプリプレグと金属箔とを樹脂フィルムを介して接着させている。そして、この特許文献1では、前記樹脂フィルムとして、LCP(液晶ポリマー)とPFAとによる複合フィルムが採用されており、粗化処理等がされていない平滑面を有する金属箔を、前記複合フィルムを介してプリプレグに接着させている。
特開2007−98692号公報
前記特許文献1に記載の構成を備えたプリント配線板によれば、金属箔の剥離強度を高めることができると共に、金属箔には粗化処理や黒化処理が施されていないことから、高周波帯域での使用に好適なものとなる。
そこで、特許文献1に記載の発明と同様に、本発明は、金属箔の剥離強度を確保しつつ高周波での使用を好適とすると共に、プリプレグにおいても新たな技術的手段を備えさせてプリント配線板の機能をより高めることを目的とする。
(1)本発明は、繊維質補強材にフッ素樹脂を含浸させてなるプリプレグと、このプリプレグに積層されているPFAを含む層と、この層上に設けられている金属箔と、を備え、前記プリプレグ及び前記層により構成される誘電体の主成分をPFAとするプリント配線板であって、前記プリプレグには前記フッ素樹脂としてPFAの他にPTFEが含まれていることを特徴とする。
なお、前記PFA、前記PTFEは、次のとおりである。
・PFA:テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
・PTFE:ポリテトラフルオロエチレン
プリプレグを形成するために、フッ素樹脂のディスパージョン(分散液:フッ素樹脂の微粒子を液体に分散させた分散液)を繊維質補強材に含浸させるが、本発明によれば、このフッ素樹脂にはPFAの他にPTFEが含まれることで、プリプレグにシワが生じにくくなる。なお、プリプレグにシワが生じると、その上に設けられるPFAを含む層、及び金属箔に対して前記シワの影響を与えてしまい、プリント配線板の品質を低下させるおそれがある。
更に、シワが生じにくくするためにプリプレグにはPTFEが含まれているが、PTFEは金属箔との接着性が好ましくない。しかし、このプリプレグと金属箔との間にPFAを含む層が介在することで、金属箔の接着面を粗化処理や黒化処理しなくても、又は低粗度の粗化処理しか施さなくても、その剥離強度を確保することができる。そして、金属箔の接着面に粗化処理等を施す必要がないことから、金属箔における伝送損失の低下を防ぐことができ、高周波領域においても良好に使用することができる。
(2)また、前記誘電体に含まれるPFAの体積比は、70%以上であり90%以下であるのが好ましく、これにより、誘電体の主成分をPFAとしたプリント配線板となる。
(3)また、前記プリプレグに含まれるPFAとPTFEとの体積比は、1:1であるのが好ましく、これにより前記プリプレグと前記層との間における剥離強度を向上させることができる。
本発明によれば、金属箔の剥離強度を確保しつつ高周波での使用を好適とすると共に、プリプレグにはフッ素樹脂としてPFAの他にPTFEが含まれることで、プリプレグにシワが生じにくくなる。この結果、プリプレグの上に設けられる層においてもシワの発生を防ぎ、金属箔による所定形状の導体パターンを形成しやすくなり、プリント配線板の品質を向上させることが可能となる。
本発明のプリント配線板の一部を示す断面図である。 実施例と従来例との構成、及び各種の試験結果をまとめた表である。 従来のプリント配線板の一部を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のプリント配線板の一部を示す断面図である。このプリント配線板5は、プリプレグ10と、このプリプレグ10の上に設けられる層と、金属箔30とを備えている。本実施形態では、プリプレグ10の上に設けられる前記層は、樹脂製フィルム20であり、一層のプリプレグ10を中間層として、その両側にフィルム20,20が積層され、更に、これらフィルム20,20の表面に金属箔30が積層されている。なお、図示しないが、プリプレグ10の片側にのみフィルム20及び金属箔30を形成したプリント配線板であってもよい。
プリプレグ10は、繊維質補強材11にフッ素樹脂12を含浸させてなる。本実施形態では、繊維質補強材11として、ガラス織布(例えば、Eガラス(アルミナ棚珪酸ガラス)クロス)が使用されている。なお、繊維質補強材11は、ガラス織布の他に、ガラス不織布やアラミド不織布等であってもよい。
そして、この繊維質補強材11に含浸させるフッ素樹脂12は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)である。繊維質補強材11に対するフッ素樹脂12の含浸は、両面に各1回行われる。ただし、プリプレグ10が所定の厚さを有するように、複数回繰り返し行われるようにしてもよい。
フィルム20は、このプリプレグ10に積層されており、PFAを含む。本実施形態のフィルム20は、PFAとLCP(液晶ポリマー)を含むフィルム(PFA系のフィルム)である。以下において、このフィルム20を、LCP/PFA複合フィルム20ということもある。
LCP/PFA複合フィルム20は、金属箔30とプリプレグ10とを接着させるためのフィルムとして機能している。フィルム20は、例えば、官能基を有するPFA(1〜20体積%)及びLCP(1〜15体積%)と、官能基を有しないPFA(65〜98体積%)との混合物をフィルム状に押し出し成形して得られるものである。フィルム20の厚さ(1層の厚さ)は例えば10〜100μm程度であり、プリント配線板5では、このフィルム20を1層又は複数層について積層する。ここで、後述するように、誘電体7に含まれるPFAの体積比を高くするためにLCP/PFA複合フィルム20の厚みをプリプレグ10の厚み(≒繊維質補強材11の厚み)よりも大きくするとよい。
なお、官能基を有するPFAは、側鎖官能基又は側鎖に結合した官能基を有するPFAを意味し、官能基にはエステル、アルコール、酸(炭酸、硫酸、燐酸を含む)、塩及びこれらのハロゲン化合物が含まれる。その他の官能基には、シアネード、カーバメート、ニトリル等が含まれる。
金属箔30は、このフィルム20上に設けられている。つまり、金属箔30は、プリプレグ10の両面にフィルム20(フィルム20の層)を介して接着される。本実施形態では、金属箔30は銅箔からなり、特に、表面粗さ(JIS−B−0601に規定された中心線平均粗さ)Raが0.2μm以下である未粗化処理が施された銅箔、又は、表面粗さ(JIS−B−0601に規定された十点平均粗さ)Rzの最大値が5μm以下である低粗度の粗化処理が施された銅箔(JIS−C−6515の種類がVのもの)である。例えば、両面が粗化処理又黒化処理されていない平滑面をなす銅箔(圧延銅箔)が使用される。なお、金属箔30の材質は銅以外であってもよい。
そして、フィルム20を介して金属箔30を積層したプリプレグ10を構成基材として、その金属箔30に所定の導体パターンを形成しプリント配線板5が得られる。プリプレグ10の両面側に導体パターンを形成する場合、両面プリント配線板となる。本実施形態では、構成基材に1層のプリプレグ10が含まれる場合について説明したが、プリプレグ10を複数枚積層してなる積層プリプレグを含む構成基材であってもよい。
このプリント配線板5の製造方法について説明する。
繊維質補強材11にフッ素樹脂12を含浸させてなるプリプレグ10と、両面が粗化処理及び黒化処理されていない平滑面をなす又は低粗度の粗化処理されている金属箔30とを、LCP/PFA複合フィルム20を介して、加熱及び加圧することにより接着する。なお、この際、PFAの融点より5℃〜40℃高く、かつ、LCPの融点より低い温度条件で加熱及び加圧する。例えば、LCP/PFA複合フィルム20によるプリプレグ10と金属箔30とを接着するための焼成温度(成形温度)は300℃〜345℃である。つまり、プリプレグ10、LCP/PFA複合フィルム20及び金属箔30を図1に示すように積層し、この積層体を300℃〜345℃の条件で焼成、加圧成形する。これにより、金属箔30は、LCP/PFA複合フィルム20を介してプリプレグ10の両面に接着され、各層は一体化する。
このようにしてプリプレグ10の両面にLCP/PFA複合フィルム20を介して金属箔30を接着してなる積層板を製造し、この積層板の金属箔30に所定の導体パターンを形成し、プリント配線板5とする。なお、導体パターンの形成は、サブトラクティブ法等の周知の手法により行なわれる。
プリプレグ10は、繊維質補強材11にフッ素樹脂12(PFA及びPTFE)のディスパージョン(分散液:PFA及びPTFEの微粒子を液体に分散させた分散液)を含浸する工程と、これを前記フッ素樹脂12の融点より低温で乾燥させる工程と、これを前記フッ素樹脂12の融点に近い温度で熱する(焼き付ける)工程とを経て作製される。必要に応じてこれらの工程を、交互に繰り返すことにより作製してもよい。
以上のように、本実施形態のプリント配線板5は、繊維質補強材11にフッ素樹脂12を含浸させてなるプリプレグ10と、このプリプレグ10に積層されているLCP/PFA複合フィルム20と、このフィルム20上に設けられている金属箔30とを備えている。そして、プリプレグ10及びフィルム20により構成される誘電体7の主成分はPFAとなっている。また、プリプレグ10には前記フッ素樹脂12としてPFAの他にPTFEが含まれている。
このプリント配線板5によれば、プリプレグ10を形成するために、フッ素樹脂12のディスパージョンを繊維質補強材11に含浸させるが、プリプレグ10を構成するフッ素樹脂12にはPFAの他にPTFEが含まれることで、プリプレグ10にシワが生じにくくなる。なお、プリプレグ10にシワが生じると、その上に設けられるフィルム20、及び金属箔30に対して前記シワの影響を与えてしまい、プリント配線板5の品質を低下させるおそれがある。例えば、プリプレグ10のシワによってフィルム20の表面にもシワが生じると、パターン形成用のマスクを貼り付けにくくなる等の不具合が起こる。
前記のとおり、プリプレグ10を構成するフッ素樹脂12にPFAの他にPTFEが含まれることで、プリプレグ10にシワが生じにくくなる理由は、次のとおりであると推測される。すなわち、PFAよりもPTFEの方が、熱膨張係数(線膨張係数)が低いため、PTFEが含まれることにより、プリプレグ10の製造時の加熱から冷却の過程で収縮が生じにくくなり、このように収縮が低減されることで、しわが発生しにくくなるためであると推測される。
なお、プリプレグ10に含まれるフッ素樹脂12がPTFEのみである場合、接着性が悪く、層間剥離が発生するおそれがある。また、プリプレグ10に含まれるフッ素樹脂12がPFAのみである場合、プリプレグ10にシワが発生したり、繊維質補強材11の繊維間にフッ素樹脂12が埋まりにくくなる。しかし、本実施形態のように、フッ素樹脂12としてPTFE及びPFAが含まれることで、PTFEは高温時に機械的強度が高く、また、流動性が低いが、PFAは流動性が高いため、このPFAの流動性を利用してPTFEを繊維間に運びやすくすることができる。
更に、前記のとおり、プリプレグ10にシワが生じにくくするために、プリプレグ10にはPTFEが含まれているが、PTFEは、金属箔30との接着性が好ましくない。しかし、このプリプレグ10と金属箔30との間にLCP/PFA複合フィルム20が介在することで、金属箔30の接着面30aを粗化処理等しなくても、又は低粗度の粗化処理しかしなくても、金属箔30の剥離強度を確保することができる。そして、金属箔30の接着面30aに粗化処理を施す必要がないか、低粗度の粗化処理しか施す必要がないことから、金属箔30における伝送損失の低下を防ぐことができ、高周波領域においても良好に使用することができるプリント配線板5が得られる。
前記のとおり、LCP/PFA複合フィルム20は、粗化処理又は黒化処理を施さない平滑な金属箔30に対しても極めて高い接着性を発揮する。その理由は、以下の(1)〜(4)とおりである。
(1)LCPは溶融状態で液晶性を示すスーパーエンプラであり、耐熱性が高く流動性が良好で固化強度が高いものであるから、LCP/PFA複合フィルムの溶融時における流動性が一般的な接着用樹脂フィルム(PFAフィルム等)に比して極めて高いため。
(2)粗化処理又は黒化処理をしていない金属箔30においても微細な凹凸が存在するため。
(3)これらの点(1)(2)から、金属箔30の表面の微細な凹凸にLCP/PFA複合フィルム20の溶融物が効果的に浸透して強力な投錨効果(アンカー効果)が発揮されるため。
(4)LCP/PFA複合フィルム20の溶融固化時の剛性が一般的な接着用樹脂フィルムより高いため。
したがって、接着用樹脂フィルムとしてLCP/PFA複合フィルム20を使用することにより、金属箔30の接着面が粗化処理又は黒化処理されない平滑面であっても、極めて高い接着強度(剥離強度)を得ることができる。なお、LCPを含まないフィルム20を用いる場合は、接着強度(剥離強度)を高めるために、低粗度の粗化処理が施されている銅箔を用いることが好ましい。
また、プリプレグ10及びフィルム20により構成される誘電体7の主成分を、PFAとしており、本実施形態では、誘電体7に含まれるPFAの体積比は、誘電体7全体を100%とすると、70%以上であり90%以下である。
このように、誘電体7を主にPFAにより構成することで、製造されたプリント配線板5にスルーホールを形成した場合、その信頼性を向上させることができる。なお、スルーホールとは、両面に金属箔30(導体パターン)が設けられたプリント配線板5をその板厚方向に貫通させた孔であって、両面の金属箔30を導通させるためにその孔に金属(金属箔30と同じ材質の金属)を充填させたものである。
ここで、プリント配線板5の誘電体にフッ素樹脂を用いると、その樹脂部の線膨張率がスルーホールに含まれる金属よりも高く、温度変化が生じるとこれらの線膨張率の相違によってスルーホールの孔の壁面にクラックが生じることがある。特にフッ素樹脂の体積比率が70%以上である場合、フッ素樹脂の線膨張率が支配的となり、温度変化に起因する伸縮の影響が顕著となる。
しかし、本実施形態のように、誘電体7を主にPFAにより構成した場合、つまり、誘電体7に含まれるPFAの体積比を70%以上とすることで、前記のようなクラックの発生を抑制することができ、主にPTFEにより構成する場合と比較して、スルーホール信頼性が向上する。
このように誘電体7を主にPFAにより構成することで、主にPTFEにより構成する場合と比較して、スルーホールの信頼性が向上する理由は、次のように推測される。
すなわち、PTFEとPFAとで線膨張率に大きな差は存在していないが、常温付近(18〜30℃)で、PTFEは分子構造に変曲点が存在するのに対して、PFAはこのような変曲点が無く、この違いがクラック発生、つまり、スルーホールの信頼性に影響を与えると推測される。
また、誘電体7に含まれるPFAの体積比が90%を超えると、プリプレグ10にシワが発生するおそれがある。例えば、プリプレグ10のシワによってフィルム20の表面にもシワが生じると、パターン形成用のマスクを貼り付けにくくなる等の不具合が起こる場合がある。
[実施例(その1)]
図2は、実施例と従来例との構成、及び各種の試験結果をまとめた表である。
実施例1は、その構成は図1に示すとおりであり、24g/mのEガラスクロスを繊維質補強材11とし、このガラスクロスにPTFEとPFAとのディスパージョンを含浸させて作製した厚さ30μmのプリプレグ10を有している。そして、このプリプレグ10の上下面それぞれに厚さ60μmのLCP/PFA複合フィルム20が配置され、更にその上下面それぞれに厚さ9μmの電解銅箔が金属箔30として配置されて得た銅張積層板である。
この銅張積層板(実施例1)のプリプレグ10に関して、ガラスクロス(繊維質補強材11)に含浸させているフッ素樹脂12は、PFA及びPTFEであり、その体積比は50:50(=1:1)である。
また、同様に、銅張積層板(実施例2)を製造し(その構成は図1に示すとおりである)、この実施例2は、プリプレグ10に関して、ガラスクロス(繊維質補強材11)に含浸させているフッ素樹脂12は、PFA及びPTFEであり、その体積比は30:70である。
さらに、同様に、銅張積層板(実施例3)を製造し(その構成は図1に示すとおりである)、この実施例3は、プリプレグ10に関して、ガラスクロス(繊維質補強材11)に含浸させているフッ素樹脂12は、PFA及びPTFEであり、その体積比は70:30である。
なお、これら実施例1,2,3及び後述の従来例1,2それぞれには、銅により表裏の銅箔を接続させたスルーホールが設けられている。また、図2に示すように、実施例1〜3の誘電体7の比誘電率は2.6以下である。
従来例1は、その構成は図1に示すとおりであるが、プリプレグとして24g/mのEガラスクロス(繊維質補強材)にPFAのみを含浸させ、その上にLCP/PFA複合フィルム及び金属箔(銅箔)を重ねて熱圧着し、銅張積層板としたものである。
また、従来例2として、24g/mのEガラスクロスを繊維質補強材51(図3参照)とし、このガラスクロス51にPTFEのディスパージョン52を複数回含浸させた。更に、その上下面それぞれに厚さ9μmの電解銅箔を金属箔54として配置し、真空プレスにより熱圧着を行い、銅張積層板(比較例)を得た。
図2に示すように、実施例1〜3のプリント配線板5において、プリプレグ10にPFAの他にPTFEを含むことから、シワの発生がない。これに対して、従来例1では、プリプレグにPFAのみが含まれ、PTFEが含まれないことから、シワが発生している。
また、実施例1〜3の銅張積層板(プリント配線板5)では、剥離強度が6N/cmを超えており、良好な剥離強度が得られる。なお、この剥離強度については、JIS C6481に準拠したプリント配線板用銅張積層板試験方法により銅箔剥離強度(N/cm)を測定している。
従来例2では、LCP/PFA複合フィルムを介在させていないことから、金属箔の剥離強度が低い。
なお、金属箔の剥離強度が高いほど細かい導体パターンを形成することが可能となる。
更に、実施例1〜3のプリント配線板5では、誘電体7におけるPFAの体積比(誘電体構成体積比)が70%以上であり、クラックは発生していない。つまり、誘電体7の主成分をPFAとすることにより、銅張積層板(プリント配線板5)にスルーホールを形成した場合、その信頼性を向上させることができる。なお、このクラック発生の試験は、−40度と125度との間の温度変化を、30分かけて、3000サイクル繰り返し行った場合のクラックの発生の有無の検査である。
これに対して、従来例2では、PFAの体積比が0であり、試験の結果、クラックが発生している。
また、実施例1に示すように、ガラスクロス(繊維質補強材11)に含浸させるフッ素樹脂の体積比をPFA:PTFE=50:50とすることにより、プリプレグ10とフィルム20との間においても優れた剥離強度を得ることができる。つまり、プリプレグ10に含まれるPFAとPTFEとの体積比は、1:1であるのが好ましく、これによりプリプレグ10とフィルム20との間における剥離強度を向上させることができる。
なお、誘電体7におけるPFAの体積(V1)とPTFEの体積(V2)との比(V1/V2)は、20倍以上であるのが好ましい。
前記実施形態では、プリプレグ10に積層されているPFAを含む層を、LCP/PFA複合フィルム20としている。この場合、このフィルム20の層にはLCPが散らばって存在している。これに対して、プリプレグ10の層にはLCPは存在していない。このため、プリプレグ10と、このプリプレグ10に積層されているPFAを含む層(LCP/PFA複合フィルム20)との境界を容易に判別することができる。
なお、プリプレグ10に積層されているPFAを含む層に、LCPが含まれない場合であっても(例えば前記層がPFAフィルムからなる場合)、この層におけるPFAの含有率と、プリプレグ10におけるPFAの含有率とが相違することで、プリプレグ10と、このプリプレグ10に積層されているPFAを含む層とを区別することができる。
本発明のプリント配線板は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、前記実施形態(図1)では、両面プリント配線板となる場合について説明したが、プリプレグ10の片面側にのみフィルム20及び金属箔30を設け、この片面側に導体パターンを形成した片面プリント配線板であってもよい。
5:プリント配線板 7:誘電体 10:プリプレグ
11:繊維質補強材 12:フッ素樹脂 20:フィルム(層)
30:金属箔

Claims (2)

  1. 繊維質補強材にフッ素樹脂を含浸させてなるプリプレグと、このプリプレグに積層されているPFAを含む層と、この層上に設けられている金属箔と、を備え、前記プリプレグ及び前記層により構成される誘電体の主成分をPFAとするプリント配線板であって、
    前記プリプレグには前記フッ素樹脂としてPFAの他にPTFEが含まれており、
    前記プリプレグに積層されている層は、PFAの他に液晶ポリマーを含み、
    前記金属箔は、前記層に対する接着面の表面粗さRaが0.2μm以下である未粗化金属箔、又は、前記層に対する接着面の表面粗さRzの最大値が5μm以下である低粗度金属箔であり、
    前記誘電体に含まれるPFAの体積比は、70%以上であり90%以下であることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記プリプレグに含まれるPFAとPTFEとの体積比は、1:1である請求項1に記載のプリント配線板。
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