JP2021104624A - 積層板 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた低損失特性を有すると共に、フッ素樹脂含有層と金属箔層との剥離強度に優れた積層板を提供すること。【解決手段】実施形態によると、積層板が提供される。積層板は、ガラスクロスと、ガラスクロスの両面上に形成され、接着性の変性PFA樹脂を含むフッ素樹脂含有層と、フッ素樹脂含有層に接する金属箔層とを備える積層板が提供される。金属箔層は、フッ素樹脂含有層に接する第1面と、第1面に対向する第2面とを有し、第1面の表面粗さは1μm以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、積層板に関する。
近年の情報通信環境において多様化及び高度化が進む中、高周波帯域を使用した通信システムが注目を集めている。高周波帯域の中でも、いわゆるミリ波と呼ばれる30GHz以上の高周波は、伝送情報容量が非常に多いが、伝送損失が大きくなりやすいという特徴がある。そのため、ミリ波を伝送させた場合であっても伝送損失を低減することが可能なミリ波用低損失基板の需要が高まっている。
フッ素樹脂は電気特性が非常に優れた材料であるため、フッ素樹脂を含む誘電体と、導体としての金属箔とを備えた積層板は、高周波帯域を利用した種々のアプリケーションに使用されている。こうした積層板においては、誘電体と導体との界面を電気信号が通過するため、当該界面が平滑であるほど伝送損失は小さくなる。
しかしながら、フッ素樹脂は他材料との接着性が低い。それ故、例えば、伝送損失を低減させる目的で、金属箔においてフッ素樹脂との接触面の平滑性を高めると、フッ素樹脂と金属箔との接着が困難になるという問題があった。
国際公開第2016/104297号 国際公開第2018/043683号
本発明は上記事情に鑑みてなされ、優れた低損失特性を有すると共に、フッ素樹脂含有層と金属箔層との剥離強度に優れた積層板を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、ガラスクロスと、ガラスクロスの両面上に形成され、接着性の変性PFA樹脂を含むフッ素樹脂含有層と、フッ素樹脂含有層に接する金属箔層とを備える積層板が提供される。金属箔層は、フッ素樹脂含有層に接する第1面と、第1面に対向する第2面とを有し、第1面の表面粗さは1μm以下である。
本発明によると、優れた低損失特性を有すると共に、フッ素樹脂含有層と金属箔層との剥離強度に優れた積層板を提供することができる。
実施形態に係る積層板の一例を概略的に示す断面図。 実施形態に係る積層板の他の例を概略的に示す断面図。
プリント配線基板などの積層板を高周波に対応させるためには、伝送損失の低減化が重要である。伝送損失のファクターは、主に、導体損失、表面粗さに起因した損失、及び、誘電体損失の3種類に分けられる。これら全てのファクターについて伝送損失を抑えることが望ましい。
実施形態に係る積層板によると、上記3種類のファクターの中でも、特に表面粗さに起因した損失を低減することができる。表面粗さに起因した損失とは、具体的には、導体である金属箔層の表面(第2面)及び裏面(第1面)のうち、誘電体としてのフッ素樹脂含有層と接着する裏面(第1面)の表面粗さに起因した損失を指す。つまり、表面粗さに起因した損失は、金属箔層の第1面の表面粗さに応じて変化する。なお、本願明細書及び特許請求の範囲における表面粗さとは、JIS C 6515−1998に準拠して測定される「最大高さRz」を意味する。
フッ素樹脂は、比誘電率が低い上に誘電正接も低いという優れた電気特性を有する反面、他の材料との接着性に劣る。それ故、従来、金属箔層として第1面の表面粗さが比較的大きい金属箔を使用することによって、アンカー効果を利用して金属箔層とフッ素樹脂含有層との優れた接着性を確保することが行われている。例えば、金属箔の凹凸(表面粗さ)が5μm以上である場合には、アンカー効果を利用してフッ素樹脂との接着性を確保しやすい。しかしながら、第1面の表面粗さが大きい金属箔を使用すると、表面粗さ損失が大きいため、十分な低損失特性を達成することが困難である。
実施形態に係る積層板が備える金属箔層は、フッ素樹脂含有層と接する第1面の表面粗さが1μm以下である。それ故、表面粗さ損失を大きく低減することができる。しかしながら、表面粗さが1μm以下である金属箔とフッ素樹脂とを接着させる場合、接着面の凹凸が小さいことから、通常のフッ素樹脂を使用する場合にはアンカー効果が発現しにくく、十分な剥離強度を得ることが困難である。
実施形態に係る積層板は、フッ素樹脂含有層が接着性の変性PFA樹脂を含むため、これに積層される金属箔層の第1面の表面粗さが1μm以下であっても優れた剥離強度を達成することができる。
以下、実施形態に係る積層板を詳細に説明する。
<積層板>
積層板は、芯材としてのガラスクロス、ガラスクロスの両面上に設けられたフッ素樹脂含有層及び金属箔層を備えている。積層板は、例えば、リジッド基板又はフレキシブルプリント基板の材料として用いられる、金属張積層板でありうる。
図1は、実施形態に係る積層板の一例を示す概略断面図である。積層板1は、ガラスクロス2と、ガラスクロス2の両面上に形成され、接着性の変性パーフルオロアルコキシアルカン樹脂を含むフッ素樹脂含有層3と、フッ素樹脂含有層3に接する金属箔層4とを備える。
フッ素樹脂含有層3は、ガラスクロス2の一方の面上に形成された第1フッ素樹脂含有層3aと、ガラスクロス2の他方の面上に形成された第2フッ素樹脂含有層3bとを含む。フッ素樹脂含有層3は、第1フッ素樹脂含有層3aと、第2フッ素樹脂含有層3bとからなっていてもよい。第1フッ素樹脂含有層3aと、第2フッ素樹脂含有層3bとは、ガラスクロス2が有し得る開口部、織組織の隙間及びヤーン同士の隙間において互いに溶着していてもよい。ガラスクロス2及びフッ素樹脂含有層3は、これらが一体化したファブリック5を構成し得る。ファブリック5は、積層板1においては誘電体として機能し得る。ファブリック5は、金属箔層4aと接する面6と、金属箔層4bと接する他の面7とを有している。
図1では、金属箔層4が第1フッ素樹脂含有層3a上及び第2フッ素樹脂含有層3b上のそれぞれに形成されている場合を示している。金属箔層4は、第1フッ素樹脂含有層3a及び第2フッ素樹脂含有層3bのいずれか一方の表面上にのみ形成されていてもよい。金属箔層4は、導体であり得る。
フッ素樹脂含有層3上に形成された金属箔層4a及び4bは、それぞれ、フッ素樹脂含有層3に接する第1面と、第1面に対向する第2面とを有する。金属箔層4の第1面は、フッ素樹脂含有層3との界面を構成している。第1面の表面粗さは1μm以下であるため、金属箔層4とフッ素樹脂含有層3との界面は平滑性が高い。
図2は、実施形態に係る積層板の他の例を示す概略断面図である。図2に示す積層板1は、金属箔層4aと金属箔層4bとの間にファブリック5を複数枚備えていることを除いて、図1に示す積層板1と同様の構成を有している。図2に示す積層板1は、ガラスクロス2及びフッ素樹脂含有層3から構成されたファブリック5を複数枚備えている。複数のファブリック5は、それらの主面が互いに接するように積層されている。図2では、積層板1がファブリック5を3枚以上備えている場合を模式的に示しているが、ファブリック5の枚数は2枚であってもよい。
積層板1の厚さは、例えば、0.03mm−0.5mmの範囲内にあり、好ましくは、0.1mm−0.3mmの範囲内にあることが好ましい。なお、積層板1の厚さとは、ガラスクロス2、フッ素樹脂含有層3及び金属箔層4の積層方向に沿った積層板の厚さを意味する。
積層板1の厚さは、例えば、ガラスクロス2上に設けられる第1フッ素樹脂含有層3a及び第2フッ素樹脂含有層3bの厚さを所望の厚さとすることにより調整することができる。或いは、積層板1の厚さは、ファブリック5の枚数を変更することにより調整することができる。積層板1の製造方法は後述の実施例にて説明する。
積層板1において、フッ素樹脂含有層3と金属箔層4との剥離強度は高い方が好ましく、例えば0.8kN/m以上であり、好ましくは1.0kN/m以上である。ここで、フッ素樹脂含有層と金属箔層との剥離強度は、JIS C 6481に準拠して測定することができる。
(ガラスクロス)
積層板はガラスクロスを備えているため、面方向への線膨張を抑制することができる。また、剛性が高まるため、屈曲しても箔切れを抑制することができる。積層板がガラスクロスを備えていない場合には、リフローに耐えることが困難な可能性がある。
ガラスクロスの厚さは、例えば、0.01mm−0.2mmの範囲内にあり、好ましくは0.03mm−0.06mmの範囲内にある。ガラスクロスは、開繊糸からなる開繊ガラスクロスであることが好ましい。
上述の通り、積層板として優れた低損失特性を達成するためには、金属箔層に起因した導体損失、特に表面粗さ損失を低減することが重要である。しかしながら、より優れた低損失特性を達成するためには、ガラスクロスに起因した誘電体損失も低減することが望ましい。
具体的には、ガラスクロスは、周波数1GHzの条件での比誘電率が5以下であり、且つ、誘電正接が0.002以下であることが好ましい。比誘電率及び誘電正接がこの数値範囲を満たしていると、誘電体損失を大きく低減することができる。比誘電率及び誘電正接は低いほど好ましい。ガラスクロスの比誘電率及び誘電正接を測定する際には、JIS R 1641:2007に準拠して測定することができる。
ガラスクロスは開繊クロスであることが好ましい。開繊クロスは、ガラス糸のフィラメント間が開いた状態、例えば毛羽立った状態であるため、フッ素樹脂含有層がガラスクロス内部によく浸透する。但し、ガラス繊維ヤーンの表面には、大きな突起になりうる毛羽欠点、及び、糸抜けなどの欠陥が少ないことが好ましい。こうした大きな欠陥が少ないことにより金属箔層が損傷するのを抑制することができる。ガラスクロスの織組織は特に制限されず、例えば平織りである。
ガラスクロスの単位面積当たりの質量は、例えば、10g/m2〜200g/m2の範囲内にある。ガラスクロスの糸密度は、例えば30本/25mm〜90本/25mmの範囲内にある。ガラスクロスの縦方向の糸密度と、横方向の糸密度とは異なっていてもよい。ガラス繊維ヤーン1本当たりのTEX番手は、例えば1g/1000m−100g/1000mの範囲内にある。
(フッ素樹脂含有層)
フッ素樹脂含有層は、接着性の変性パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)樹脂を含む。接着性の変性PFA樹脂は、他の材料との接着性に優れる変性PFA樹脂である。通常のPFA樹脂は、テトラフルオロエチレンとペルフルオロエーテルとの共重合体であるのに対して、接着性の変性PFA樹脂は、金属箔層との接着性向上をもたらす変性モノマー単位を更に含んでいる。
フッ素樹脂が接着性の変性PFA樹脂を含有することにより、金属箔層との接着性が向上する理由は明らかになっていないが、変性モノマー単位が有する特定の官能基に起因して、金属箔層との接着性が向上している可能性がある。
接着性の変性PFA樹脂は溶融成形可能である上、通常のPFA樹脂が備えるような、耐熱性、耐薬品性、耐候性、低摩擦性、非粘着性、撥水撥油性及び電気特性を備えている。接着性の変性PFA樹脂の電気特性とは、例えば、低い比誘電率及び誘電正接を指している。接着性の変性PFA樹脂の周波数1GHzの条件における比誘電率は、2.06以下であることが好ましく、誘電正接は0.002以下であることが好ましい。接着性の変性PFA樹脂の比誘電率及び誘電正接を測定する際には、JIS 2138:2007に準拠して測定することができる。接着性の変性PFA樹脂の比誘電率及び誘電正接が上記の数値範囲を満たすことにより、積層板は優れた低損失特性を有することができる。
接着性の変性PFA樹脂のメルトフローレートは、好ましくは10g/10min−25g/10minの範囲内にある。接着性の変性PFA樹脂の引張強度は、例えば35MPa以上である。接着性の変性PFA樹脂の曲げ弾性率は、例えば600−680MPaの範囲内にある。接着性の変性PFA樹脂の融点は、例えば290℃−300℃である。
接着性の変性PFA樹脂の例は、AGC株式会社製のFluon+ EA−2000である。
フッ素樹脂含有層は、金属箔層との剥離強度に優れている限り、接着性の変性PFA樹脂とは異なる他のフッ素樹脂を含んでいてもよく、添加剤などを含んでいてもよい。他のフッ素樹脂は、例えば、溶融成形が可能なフッ素樹脂である。溶融成形が可能なフッ素樹脂とは、メルトフローレートが、例えば2g/10min−40g/10minの範囲内にあるフッ素樹脂である。フッ素樹脂含有層は、接着性のPFA樹脂を80質量%以上含むことが好ましい。フッ素樹脂含有層は、実質的に接着性のPFA樹脂からなることがより好ましい。
他のフッ素樹脂は、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマ(ETFE)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマ(FEP)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群より選ばれる少なくとも1種でありうる。
(金属箔層)
金属箔層は、金属箔からなる層である。金属箔は、特に限定されず、積層板の用途に応じて適宜選択すればよい。たとえば、電子機器に積層板を用いる場合、金属箔の材質としては、銅または銅合金、ステンレス鋼またはその合金、ニッケルまたはニッケル合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金が挙げられる。電子機器、電気機器に用いられる通常の積層板においては、圧延銅箔、電解銅箔等の銅箔が多用されており、実施形態に係る積層板においても銅箔が好適である。
金属箔層は、上述したように、フッ素樹脂含有層に接する第1面と、第1面に対向する第2面とを有する。第1面の表面粗さは1μm以下である。第1面の表面粗さは、金属箔層とフッ素樹脂含有層との剥離強度が所望の値を満たしている限り、小さい方が好ましい。所望の値とは、積層板の用途に応じて要求される剥離強度の値を意味しており、例えば1.0kN/m以上である。第2面の表面粗さは、特に限定されないが、例えばRzで1.8μm以下である。
金属箔の表面には、防錆層(クロメート等の酸化物皮膜)や耐熱層が形成されていてもよい。また、フッ素樹脂含有層との剥離強度を高くするために、金属箔層の第1面にカップリング剤処理等を施してもよい。
金属箔の厚さは、特に限定されず、積層板の用途に応じて、充分な機能が発揮できる厚さであればよい。金属箔層の厚さは、例えば、0.01mm−0.04mmの範囲内にある。
<積層板の製造方法>
実施形態に係る積層板は、例えば、下記の工程(1)−(4)を含む方法により製造することができる。
(1)ガラスクロスを1枚、及び、接着性の変性PFA樹脂を含むフッ素樹脂フィルムを2枚準備し、前記ガラスクロスの両面上に接着性の変性PFA樹脂を含む前記フッ素樹脂フィルムを積層して第1積層体を得る。
第1積層体において、ガラスクロスは2枚のフッ素樹脂フィルムにより挟み込まれている。但し、第1積層体において、フッ素樹脂フィルムは、ガラスクロスに溶着されていない。ガラスクロスとしては、上述したものを使用することができる。
フッ素樹脂フィルムは、接着性の変性PFA樹脂を含むシート状のフィルムである。フッ素樹脂フィルムの厚さは、例えば12μm−100μmである。フッ素樹脂フィルムは、接着性の変性PFA樹脂からなっていてもよい。
(2)少なくとも一方の主面の表面粗さが1μm以下である金属箔を用意する。
金属箔としては、上述したものを使用することができる。
(3)表面粗さが1μm以下である主面が、前記フッ素樹脂フィルムと接するように、前記金属箔を前記第1積層体上に積層して第2積層体を得る。
ここで、金属箔は、第1積層体の一方の面上に積層されていてもよく、両面上に積層されていてもよい。但し、第2積層体において、フッ素樹脂フィルムは、ガラスクロス及び金属箔に溶着されていない。
工程(3)の後に、第2積層体が含む金属箔上に、金属箔を保護するための保護あて箔を積層させてもよい。保護あて箔としては、熱圧プレスの際の加熱温度に耐え得るものであれば特に限定されず、耐熱性プラスチックフィルム(非熱可塑性ポリイミドフィルム等)、金属箔(銅箔、アルミニウム箔、SUS箔等)等が挙げられる。保護あて箔は、例えば、積層板を製造した後に、積層板を所望の大きさに切断する際に金属箔層を保護するために設けられる。それ故、積層板を所望の大きさに切断した後には、保護あて箔は金属箔層上から剥離され得る。
保護あて箔の厚さは、35μm以上が好ましい。保護あて箔の厚さが薄いと、熱圧プレスの際の緩衝および保護の役目を充分に果たさないおそれがある。保護あて箔は、単層構造であってもよく、2層以上の多層構造であってもよい。
(4)前記第2積層体に熱圧プレスを施して実施形態に係る積層板を得る。
工程(4)における熱圧プレスの詳細を説明する。積層板へのコンタミネーションを抑制するために、熱圧プレスはクリーンルーム内で実施されることが望ましい。
熱圧プレスは、一対の熱盤から構成される熱圧プレス手段を有する真空プレス装置によって行われることが好ましい。或いは、熱圧プレスは、例えば、一対の金属ロールを供えた熱ロールラミネート装置によって連続的に実施されてもよい。
真空プレス装置は、2つ以上の部材を加熱しながら圧着できる一対以上の熱盤を有している。真空プレス装置は、熱圧プレス手段において、真空状態で熱圧プレスを施すための機構を有している。これら以外の装置構成は特に限定されるものではない。
熱圧プレス手段における加熱方式は、特に限定されるものではなく、たとえば、熱循環方式、熱風加熱方式、誘導加熱方式等、所定の温度で加熱し得る従来公知の方式を採用できる。
熱圧プレス手段における加圧方式は、特に限定されるものではなく、たとえば、油圧方式、空気圧方式、ギャップ間圧力方式等、所定の圧力を加えることができる従来公知の方式を採用できる。
熱圧プレスの際の加熱温度、プレス圧力(面圧)及び真空度の設定条件は、それぞれ、熱圧プレス処理の経過時間に応じて変化させることが可能である。例えば、熱圧プレス処理の経過時間に応じて加熱温度、プレス圧力及び真空度を段階的に高めて、或る時点からは、経過時間に応じて加熱温度、プレス圧力及び真空度を段階的に低下させることができる。具体的な設定条件の一例に関しては、後述する実施例において説明する。
熱圧プレスは、例えば、60分−150分に亘って行うことができる。
加熱温度は、例えば、常温−360℃の範囲内で設定することができる。金属箔層をフッ素樹脂含有層上に接着させるためには、接着性の変性PFA樹脂の融点以上の温度、例えば330℃−360℃で加熱することが好ましい。
プレス圧力は、例えば、5kg/cm2−50kg/cm2の範囲内で設定することができる。プレス圧力を印加しない設定も可能である。プレス圧力が不足すると、金属箔層の剥離強度が劣る傾向にある。プレス圧力が過度に高いと、積層板の寸法が変化してしまう可能性があるため好ましくない。
真空度は、例えば、0.1Torr−800.0Torrの範囲内で設定することができる。真空度が過度に低いと、各材料の層間にエアーを巻き込み、層間剥離及び/又は銅箔酸化を引き起こす可能性がある。真空度が過度に高いと、各材料の滑り崩れにより層間剥離を引き起こす可能性がある。
以上に説明した実施形態に係る製造方法によると、フッ素樹脂含有層が接着性の変性PFA樹脂を含み、且つ、積層板を構成する部材を一度の熱圧プレスによって溶着させることができるため、金属箔層の第1面の表面粗さが1μm以下であるにも関わらず、フッ素樹脂含有層と金属箔層との剥離強度に優れた積層板を得ることができる。この製造方法の場合、プリプレグ上に金属箔を接着させる場合と比較して、プリプレグを製造する必要がないため、生産効率が優れている。
また、実施形態に係る積層板の製造方法によると、金属箔層とフッ素樹脂含有層との高い接着性(剥離強度)を達成することができる。
更に、上述の方法によると、所定の厚みを有するフッ素樹脂フィルムを使用するため、複数の積層板を製造する場合には、製造される複数の積層板の総厚を同程度に統一することが容易であるという利点がある。
実施形態に係る積層板は、金属箔層をエッチングして形成されたパターン回路を備えたプリント基板でありうる。金属箔層の第1面の表面粗さが1μm以下であるため、金属箔層をパターンエッチングした場合に、金属箔残りが生じにくく、所望のパターン形状を精度良く得ることができる。それ故、ファインピッチパターンを成形する場合でも直線性に優れた線路を成形することができる。
実施形態に係る積層板は、イメージセンサー、衝突防止用車載レーダー、並びに、IoT(Internet of Things)及び5Gなどのアプリケーションを主体とした大容量無線通信等の種々の装置に搭載され得る。
[実施例]
以下に実施例を説明するが、実施形態は、以下に記載される実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラスクロスとして、低誘電ガラスクロスNEガラス(日東紡績株式会社製)IPC規格1078を用意した。ガラスクロスは巻き芯に巻き付けられた状態であり、その幅は530mmであり、厚さは0.044mmであった。このガラスクロスについて、JIS R 1641:2007に準拠して、周波数1GHzの条件での比誘電率及び誘電正接を測定したところ、その値はそれぞれ4.8及び0.0015であった。
また、接着性の変性PFA樹脂を含むフッ素樹脂フィルムとして、EA−2000(AGC株式会社製)を用意した。EA−2000は、実質的に接着性の変性PFA樹脂からなるフッ素樹脂フィルムである。フッ素樹脂フィルムは巻き芯に巻き付けられた状態であり、その幅は540mmであり、厚さは0.05mmであった。
次いで、長さが1285mmとなるようにガラスクロスを切断して、幅530mm、長さ1285mmのガラスクロスを準備した。また、長さが1285mmとなるようにフッ素樹脂フィルムを切断して、幅540mm、長さ1285mm及び厚さ0.05mmのフッ素樹脂フィルムを2枚準備した。
更に、金属箔として、片面(第1面)の表面粗さRzが1μmの銅箔を2枚用意した。銅箔の幅は1090mm、長さは1295mm及び厚さは0.012mmであった。
先に用意したガラスクロスの両面を、2枚のフッ素樹脂フィルムにより挟み込むことにより第1積層体を作製した。このとき、ガラスクロスの幅方向と、2枚のフッ素樹脂フィルムの幅方向とが一致するように積層した。ここでは、同一の構成を備えた第1積層体を2組準備した。
次いで、2枚の銅箔を用いて、これらの第1面が、それぞれ第1積層体の一方の面及び他方の面と接触するように、第1積層体を挟み込むことにより第2積層体を作製した。このとき、2組準備した第1積層体を、これらが含むフッ素樹脂フィルムの幅方向(第1積層体の幅方向)に沿って横並びに配置した。また、2組の第1積層体の幅方向と、銅箔の幅方向とが一致するように第2積層体を作製した。銅箔の第1面は表面粗さが1μm以下であり、2枚の銅箔が有する第1面は、それぞれ、第1積層体が備えるフッ素樹脂フィルムに接していた。第2積層体の厚さは0.135mmであった。
得られた第2積層体をアルミニウム箔で被覆した状態でクリーンルームに搬入した。その後、第2積層体に対して200分間に亘り熱圧プレスを実施して積層板を得た。熱圧プレス中の温度、プレス圧力(面圧)及び真空度の各設定値を下記表1に示す。得られた積層板について、2組の第1積層体として準備した部分が互いに切り離されるように、当該積層板を長さ方向に沿って切断して2枚の積層板を得た。これら2枚の積層板のうちの1枚を実施例1に係る積層板とした。得られた積層板の厚さは0.135mmであった。また、積層板が含むガラスクロスの厚さは0.011mmであった。
Figure 2021104624
表1では、熱圧プレス処理の経過時間ごとの設定値を示している。例えば、熱圧プレスの開始から20分が経過するまでの間は、熱盤の温度が250℃に設定されていたことを示している。また、例えば、熱圧プレス開始の60分後から61分が経過するまでの間は、プレス圧力が20kg/cm2に設定されていたことを示している。なお、表1中、「RT」は室温又は常温を示している。
<伝送損失の測定>
作製した積層板の伝送損失を、CBCPW(Conductor-Backed Coplanar Waveguide)法により評価したところ、伝送損失は、周波数76GHzの条件で0.056dB/mmであった。
<金属箔(銅箔)の剥離強度測定>
積層板が備える2枚の銅箔のうちの一方について、JIS C 6481に準拠して剥離強度を測定したところ、剥離強度は1.2kN/mであった。
(実施例2)
ガラスクロスとして、無アルカリガラスクロスEガラス(日東紡績株式会社製)IPC規格1080を使用したことを除いて、実施例1で説明したのと同様の方法で積層板を作製した。この積層板の厚さは0.14mmであった。
使用したガラスクロスについて、JIS R 1641:2007に準拠して、周波数1GHzの条件での比誘電率及び誘電正接を測定したところ、その値はそれぞれ6.8及び0.0035であった。
実施例2に係る積層板の伝送損失を、実施例1で説明した<伝送損失の測定>に従って評価したところ、伝送損失は、周波数76GHzの条件で0.062dB/mmであった。また、実施例1で説明した<金属箔(銅箔)の剥離強度測定>に従って銅箔の剥離強度を測定したところ、剥離強度は1.2kN/mであった。
(比較例1)
金属箔層として、片面(第1面)の表面粗さRzが7μmの銅箔を使用したことを除いて、実施例2で説明したのと同様の方法で積層板を作製した。使用した銅箔の厚さは0.018mmであった。得られた積層板の厚さは0.14mmであった。
比較例1に係る積層板の伝送損失を、実施例1で説明した<伝送損失の測定>に従って評価したところ、伝送損失は、周波数76GHzの条件で0.08dB/mmであった。また、実施例1で説明した<金属箔(銅箔)の剥離強度測定>に従って銅箔の剥離強度を測定したところ、剥離強度は1.41kN/mであった。
(比較例2)
金属箔層として、片面(第1面)の表面粗さRzが7μmの銅箔を使用したことを除いて、実施例1で説明したのと同様の方法で積層板を作製した。使用した銅箔の厚さは0.018mmであった。得られた積層板の厚さは0.14mmであった。
比較例2に係る積層板の伝送損失を、実施例1で説明した<伝送損失の測定>に従って評価したところ、伝送損失は、周波数76GHzの条件で0.07dB/mmであった。また、実施例1で説明した<金属箔(銅箔)の剥離強度測定>に従って銅箔の剥離強度を測定したところ、剥離強度は1.40kN/mであった。
以上の結果を下記表2にまとめる。
Figure 2021104624
銅箔の表面粗さが1μmである実施例1及び2に係る積層板は、比較例1及び2に係る積層板と比較して伝送損失に優れていた。剥離強度に関しては、実施例1及び2に係る積層板の方が比較例1及び2と比較して劣っていたが、1.2kN/mという剥離強度は実用的に優れた範囲内である。
実施例1及び2に係る銅箔は表面粗さが1μm以下であるため、表面粗さに起因した伝送損失を大きく低減することができた。また、これら実施例1及び2では、フッ素樹脂フィルムとして実質的に接着性の変性PFA樹脂からなるフィルムを用いたことに加えて、ガラスクロス、フッ素樹脂フィルム及び銅箔を熱圧プレスにより一度に溶着して積層板を作製したため、実用的に優れた剥離強度と、優れた低損失特性を達成することができた。
実施例1は、ガラスクロスとして比誘電率が4.8であり、誘電正接が0.0015であるものを使用したため、表面粗さ損失のみならず、誘電体損失が実施例2と比較して小さかったと考えられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…積層板、2…ガラスクロス、3…フッ素樹脂含有層、3a…第1フッ素樹脂含有層、3b…第2フッ素樹脂含有層、4a、4b…金属箔層、5…ファブリック、6、7…面。

Claims (4)

  1. ガラスクロスと、
    前記ガラスクロスの両面上に形成され、接着性の変性パーフルオロアルコキシアルカン樹脂を含むフッ素樹脂含有層と、
    前記フッ素樹脂含有層に接する金属箔層とを備え、
    前記金属箔層は、前記フッ素樹脂含有層に接する第1面と、前記第1面に対向する第2面とを有し、
    前記第1面の表面粗さは1μm以下である積層板。
  2. 前記金属箔層は、銅箔である請求項1に記載の積層板。
  3. 前記ガラスクロスについて、周波数1GHzの条件での比誘電率は5以下であり、且つ、誘電正接は0.002以下である請求項1又は2に記載の積層板。
  4. 厚さが0.03mm−0.5mmの範囲内にある請求項1−3の何れか1項に記載の積層板。
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