以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、受渡ステーション3と、処理ステーション4とを備える。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、本実施形態では複数枚の半導体ウェハ(以下ウェハW)を水平状態で収容する複数のカセットCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して配置され、内部に第1搬送装置13を備える。第1搬送装置13は、カセットCと受渡ステーション3との間でウェハWの搬送を行う。
受渡ステーション3は、搬入出ステーション2に隣接して配置され、内部に受渡ブロック14と、複数の移し換え装置15a,15bとを備える。
受渡ブロック14には、ウェハWを多段に収容する第1収容部および第2収容部と、ウェハWの表裏を反転させる反転処理ユニットとが積層状態で配置される。かかる受渡ブロック14の具体的な構成については後述する。
移し換え装置15a,15bは、受渡ブロック14に隣接して配置される。具体的には、移し換え装置15aは、受渡ブロック14のY軸正方向側に隣接して配置され、移し換え装置15bは、受渡ブロック14のY軸負方向側に隣接して配置される。移し換え装置15a,15bは、受渡ブロック14に配置される第1収容部と第2収容部と反転処理ユニットとの間でウェハWの移し換えを行う。
処理ステーション4は、受渡ステーション3に隣接して配置され、複数の洗浄処理ユニット16と、複数の第2搬送装置17とを備える。複数の洗浄処理ユニット16は、第2搬送装置17のY軸正方向側およびY軸負方向側に隣接して配置される。
複数の第2搬送装置17は、上下2段に積層されており、それぞれが受渡ブロック14と洗浄処理ユニット16との間でウェハWの搬送を行う。
本実施形態では、洗浄処理ユニット16は内部にブラシ機構を有し、第2搬送装置17によって搬送されるウェハWに対して、ブラシを接触させることによる洗浄処理を行う。また、洗浄処理ユニット16は、SC1(アンモニアと過酸化水素水の混合液)などの薬液を用いた洗浄処理を行うようにしてもよい。なお、洗浄処理ユニット16は、「第1基板処理ユニット」の一例である。
また、基板処理システム1は、制御装置5を備える。制御装置5は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置5の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
次に、受渡ステーション3および処理ステーション4の具体的な構成について説明する。まず、受渡ステーション3の受渡ブロック14に設けられる第1収容部、第2収容部および反転処理ユニットならびに処理ステーション4に設けられる洗浄処理ユニット16の配置について図2を参照して説明する。図2は、第1収容部、第2収容部、反転処理ユニットおよび洗浄処理ユニットの配置図である。
なお、図2では、洗浄処理ユニット16を「SCR」、第1収容部41a,41bを「SBU」、第2収容部42a,42bを「TRS」、反転処理ユニット43a,43bを「RVS」と記載する。反転処理ユニット43a,43bは、「第2基板処理ユニット」の一例である。
図2に示すように、複数の洗浄処理ユニット16は、高さ方向に4つ並べて配置される。これら複数の洗浄処理ユニット16は、高さ方向(Z軸方向)に並ぶ2つのグループに分けられる。具体的には、上側2つの洗浄処理ユニット16aが上段グループG1に属し、下側2つの洗浄処理ユニット16bが下段グループG2に属する。
なお、図2に示す洗浄処理ユニット16は、図1に示す第2搬送装置17のY軸負方向側に配置された洗浄処理ユニット16に対応する。ここでは図示を省略するが、第2搬送装置17のY軸正方向側に配置される洗浄処理ユニット16も、図2に示す洗浄処理ユニット16と同様の構成を有している。したがって、処理ステーション4には、第2搬送装置17のY軸負方向側およびY軸正方向側にそれぞれ4つ、合計8つの洗浄処理ユニット16a,16bが配置される。
受渡ブロック14には、2つの第1収容部41a,41bと、2つの第2収容部42a,42bと、2つの反転処理ユニット43a,43bとが積層状態で配置される。第1収容部41a,41bは、第1搬送装置13(図1参照)によって基板処理システム1内に搬入されたウェハWまたは第1搬送装置13によって基板処理システム1から搬出されるウェハWが一時的に収容される場所である。
ここで、第1収容部41a,41bの構成について図3Aおよび図3Bを参照して説明する。図3Aおよび図3Bは、第1収容部41a,41bの構成を示す図である。なお、図3Aでは一例として第1収容部41aの構成を示すが、第1収容部41bの構成も第1収容部41aと同様である。
図3Aに示すように、第1収容部41aは、ベース部141と、ベース部141上に立設された3つの支持部142,143,144とを備える。3つの支持部142,143,144は、円周方向に約120度の間隔で配置されており、先端においてウェハWの外周部をそれぞれ保持する。また、各支持部142,143,144は、高さ方向に沿って複数設けられている(たとえば図3Bに示す複数の支持部142を参照)。これにより、第1収容部41aは、複数枚のウェハWを多段に収容することができる。
かかる第1収容部41aには、第1搬送装置13と移し換え装置15aとがそれぞれ異なる方向からアクセスする。具体的には、第1搬送装置13は、第1収容部41aのX軸負方向側から支持部142および支持部144の間を通って第1収容部41a内に進入する。また、移し換え装置15aは、第1収容部41aのY軸正方向側から支持部142および支持部143の間を通って第1収容部41a内に進入する。
図2に示すように、第1収容部41a,41b、第2収容部42a,42bおよび反転処理ユニット43a,43bは、下から順に、反転処理ユニット43b、第2収容部42b、第1収容部41b、第1収容部41a、第2収容部42a、反転処理ユニット43aの順番で積層される。
これらのうち上側に配置される第1収容部41a、第2収容部42aおよび反転処理ユニット43aは、上段グループG1に対応し、下側に配置される第1収容部41b、第2収容部42bおよび反転処理ユニット43bは、下段グループG2に対応する。
具体的には、上段グループG1に対応する第1収容部41a、第2収容部42aおよび反転処理ユニット43aには、上段グループG1に属する洗浄処理ユニット16aによって処理される又は処理されたウェハWが搬入される。また、下段グループG2に対応する第1収容部41b、第2収容部42bおよび反転処理ユニット43bには、下段グループG2に属する洗浄処理ユニット16bによって処理される又は処理されたウェハWが搬入される。
なお、ここでは、各グループG1,G2に第1収容部、第2収容部および反転処理ユニットが1つずつ設けられるものとするが、第1収容部、第2収容部および反転処理ユニットは、各グループG1,G2に複数設けられてもよい。
つづいて、第1搬送装置13、移し換え装置15a,15bおよび第2搬送装置17の配置について図4を参照して説明する。図4は、第1搬送装置13、移し換え装置15a,15bおよび第2搬送装置17の配置図である。
なお、移し換え装置15aは、受渡ブロック14のY軸正方向側に隣接して配置され、移し換え装置15bは、受渡ブロック14のY軸負方向側に隣接して配置される(図1参照)。また、第2搬送装置17は、処理ステーション4のY軸正方向側に配置される洗浄処理ユニット16とY軸負方向側に配置されるY軸正方向側との間に配置される(図1参照)。なお、移し換え装置15a及び移し換え装置15bの両方を受渡ブロック14のY軸正方向側またはY軸負方向側のどちらかにまとめて配置してもよい。
図4に示すように、第1搬送装置13は、ウェハWを保持する複数(ここでは、5つ)のウェハ保持機構131を備える。また、第1搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構131を用いてカセットCと第1収容部41a,41bとの間で複数枚のウェハWを同時に搬送することができる。
移し換え装置15a,15bは、図2に示す第1収容部41a,41bと第2収容部42a,42bとの間で、または、第1収容部41a,41bと反転処理ユニット43a,43bとの間でウェハWの搬送を行う。
具体的には、移し換え装置15aは、上段グループG1に対応し、ウェハ保持機構151aを用い、同上段グループG1に対応する第1収容部41aと第2収容部42aとの間、または、第1収容部41aと反転処理ユニット43aとの間でウェハWの搬送を行う。また、移し換え装置15bは、下段グループG2に対応し、ウェハ保持機構151bを用い、同下段グループG2に対応する第1収容部41bと第2収容部42bとの間、または、第1収容部41bと反転処理ユニット43bとの間でウェハWの搬送を行う。
なお、移し換え装置15aは、移し換え装置15bよりも上方に配置される。具体的には、上段グループG1に対応する移し換え装置15aは、同上段グループG1に対応する第1収容部41a、第2収容部42aおよび反転処理ユニット43aと略同等の高さに配置される。また、下段グループG2に対応する移し換え装置15bは、同下段グループG2に対応する第1収容部41b、第2収容部42bおよび反転処理ユニット43bと略同等の高さに配置される。
第2搬送装置17a,17bは、上下2段に積層される。第2搬送装置17aは、ウェハWを保持する複数(ここでは、2つ)のウェハ保持機構171aを備える。同様に、第2搬送装置17bは、ウェハWを保持する複数(ここでは、2つ)のウェハ保持機構171bを備える。また、各第2搬送装置17a,17bは、水平方向および鉛直方向への移動が可能であり、ウェハ保持機構171a,171bを用いて第2収容部42a,42bと洗浄処理ユニット16a,16bとの間、または、反転処理ユニット43a,43bと洗浄処理ユニット16a,16bとの間でウェハWの搬送を行う。第2搬送装置17a,17bは、各ユニットの内部に対してウェハWを搬入する際は下側のウェハ保持機構171a,171bを使用し、各ユニットからウェハWを取り出す際は上側のウェハ保持機構171a,171bを使用する。
複数の第2搬送装置17a,17bのうち上段側に配置される第2搬送装置17aは、上段グループG1に対応し、同上段グループG1に対応する第2収容部42aおよび洗浄処理ユニット16a、または、反転処理ユニット43aおよび洗浄処理ユニット16aの間でウェハWの搬送を行う。また、複数の第2搬送装置17a,17bのうち下段側に配置される第2搬送装置17bは、下段グループG2に対応し、同下段グループG2に対応する第2収容部42bおよび洗浄処理ユニット16b、または、反転処理ユニット43bおよび洗浄処理ユニット16bの間でウェハWの搬送を行う。
次に、本実施形態に係る基板処理システム1による基板搬送処理の処理手順について説明する。まず、反転処理ユニット43a,43bによる処理を介することなく洗浄処理ユニット16a,16bによる処理が行われる場合における基板搬送処理の処理手順について図5を参照して説明する。
図5は、反転処理ユニット43a,43bによる処理を介することなく洗浄処理ユニットによる処理が行われる場合における基板搬送処理の説明図である。なお、図5に示す基板搬送処理は、たとえば、ウェハWの表面のみを洗浄する場合に行われる。
ここで、図5では、第1搬送装置13を「CRA」、移し換え装置15a,15bを「MPRA」、第2搬送装置17a,17bを「PRA」と記載する。また、図5では、理解を容易にするために、第1搬送装置13と受渡ブロック14との間に移し換え装置15a,15bを、受渡ブロック14と洗浄処理ユニット16a,16bとの間に第2搬送装置17a,17bを便宜的に記載する。
図5に示すように、基板処理システム1では、まず、第1搬送装置13がカセットCから未処理のウェハWを5枚まとめて取り出して上段グループG1に対応する第1収容部41aに収容する(ステップS01)。また、第1搬送装置13は、カセットCから未処理のウェハWを再び5枚まとめて取り出して、下段グループG2に対応する第1収容部41bに収容する(ステップS11)。このように、第1搬送装置13は、カセットCから取り出した未処理のウェハWを第1収容部41aに収容する処理と第1収容部41bに収容する処理とを交互に行う。
つづいて、上段グループG1に対応する移し換え装置15aは、上段グループG1に対応する第1収容部41aから未処理のウェハWを1枚ずつ取り出して上段グループG1に対応する第2収容部42aに移し換える(ステップS02)。また、下段グループG2に対応する移し換え装置15bは、下段グループG2に対応する第1収容部41bから未処理のウェハWを1枚ずつ取り出して下段グループG2に対応する第2収容部42bに移し換える(ステップS12)。
図5に示すように、第1収容部41a,41bは、互いに隣接する上段グループG1と下段グループG2の中間の高さに配置される。本実施形態のシステムはこの2グループのみ備えているので、この中間の高さ位置は受渡ブロック14における中段位置と一致する。具体的には、第1収容部41a,41bは、上段グループG1に対応する第2収容部42aおよび反転処理ユニット43aと、下段グループG2に対応する第2収容部42bおよび反転処理ユニット43bとの間で、上下2段に積層されて配置される。本実施形態では、第1収容部41aの底面が上段グループG1の底面と同じ高さとなり、第2収容部41bの上面が上段グループG2の上面と同じ高さとなるように、配置されている。
また、上段グループG1に対応する第2収容部42aは、上段グループG1に対応する第1収容部41aの上部に配置され、下段グループG2に対応する第2収容部42bは、下段グループG2に対応する第1収容部41bの下部に配置される。
このように、受渡ブロック14の中段位置に第1収容部41a,41bを配置し、その上下にそれぞれ第2収容部42a,42bを配置することで、ウェハWを第1収容部41a,41bから第2収容部42a,42bへ移し換える際の移し換え装置15a,15bの移動距離を短くすることができる。また、上記のように構成することで、上段グループG1に対応する移し換え装置15aの移動距離と、下段グループG2に対応する移し換え装置15bの移動距離とを揃えることができ、グループG1,G2間での処理時間の偏りを生じ難くすることができる。
つづいて、第2収容部42aに収容された未処理のウェハWは、上段グループG1に対応する第2搬送装置17aによって1枚ずつ第2収容部42aから取り出されて、上段グループG1の洗浄処理ユニット16aに搬送される(ステップS03)。同様に、第2収容部42bに収容された未処理のウェハWは、下段グループG2に対応する第2搬送装置17bによって1枚ずつ第2収容部42bから取り出されて、下段グループG2の洗浄処理ユニット16bに搬送される(ステップS13)。そして、洗浄処理ユニット16a,16bに搬送されたウェハWは、洗浄処理ユニット16a,16bによって洗浄処理を施される。
その後、洗浄処理ユニット16a,16bによって処理されたウェハWは、搬入時と逆の手順でカセットCへ収容される。たとえば、上段グループG1の洗浄処理ユニット16aによって洗浄処理が施されたウェハWは、上段グループG1に対応する第2搬送装置17aによって1枚ずつ洗浄処理ユニット16aから取り出されて上段グループG1に対応する第2収容部42aへ搬送される。そして、上段グループG1に対応する移し換え装置15aが、第2収容部42aからウェハWを1枚ずつ取り出して第1収容部41aへ移し換えた後、第1搬送装置13が、第1収容部41aからウェハWを5枚まとめて取り出してカセットCへ搬送する。下段グループG2についても同様である。以上説明した動作のうち、上段グループG1に関しての第1収容部41aに置かれてから再び第1収容部41aに置かれるまでの基板搬送及び移し換え動作と、下段グループG2に関しての第1収容部41bに置かれてから再び第1収容部41bに置かれるまでの基板搬送及び移し換え動作は、同時並行に実行される。
次に、反転処理ユニット43a,43bによる処理の後に洗浄処理ユニット16a,16bによる処理が行われる場合における基板搬送処理の処理手順について図6を参照して説明する。
図6は、反転処理ユニット43a,43bによる処理の後に洗浄処理ユニット16a,16bによる処理が行われる場合における基板搬送処理の説明図である。なお、図6に示す基板搬送処理は、たとえば、ウェハWの裏面を洗浄する場合に行われる。
図6に示すように、まず、第1搬送装置13がカセットCから未処理のウェハWを5枚まとめて取り出して上段グループG1に対応する第1収容部41aに収容する(ステップS21)。また、第1搬送装置13は、カセットCから未処理のウェハWを再び5枚まとめて取り出して、下段グループG2に対応する第1収容部41bに収容する(ステップS31)。
つづいて、上段グループG1に対応する移し換え装置15aは、上段グループG1に対応する第1収容部41aに収容された未処理のウェハWを1枚ずつ取り出して上段グループG1に対応する反転処理ユニット43aに搬送する(ステップS22)。また、下段グループG2に対応する移し換え装置15bは、下段グループG2に対応する第1収容部41bに収容された未処理のウェハWを1枚ずつ取り出して下段グループG2に対応する反転処理ユニット43bに搬送する(ステップS32)。反転処理ユニット43a,43bに搬送されたウェハWは、反転処理ユニット43a,43bによって表裏が反転される。
そして、上段グループG1に対応する第2搬送装置17aは、上段グループG1に対応する反転処理ユニット43aから反転処理後のウェハWを1枚ずつ取り出して上段グループG1に属する洗浄処理ユニット16aに搬送する(ステップS23)。また、下段グループG2に対応する第2搬送装置17bは、下段グループG2に対応する反転処理ユニット43bから反転処理後のウェハWを1枚ずつ取り出して下段グループG2に属する洗浄処理ユニット16bに搬送する(ステップS33)。
洗浄処理後のウェハWは、第2搬送装置17a,17bによって1枚ずつ洗浄処理ユニット16a,16bから取り出されて、第2収容部42a,42bに搬送される。つづいて、ウェハWは、移し換え装置15a,15bによって1枚ずつ第2収容部42a,42bから第1収容部41a,41bへ搬送された後、第1搬送装置13によって第1収容部41a,41bから5枚まとめてカセットCへ搬送される。以上説明した動作のうち、上段グループG1に関しての第1収容部41aに置かれてから再び第1収容部41aに置かれるまでの基板搬送及び移し換え動作と、下段グループG2に関しての第1収容部41bに置かれてから再び第1収容部41bに置かれるまでの基板搬送及び移し換え動作は、同時並行に実行される。
このように、本実施形態に係る基板処理システム1では、第1収容部41a,41bから反転処理ユニット43a,43bへのウェハWの搬送を第2搬送装置17a,17bではなく、移し換え装置15a,15bに行わせることとしている。これにより、第2搬送装置17a,17bの処理負荷が低減するため、反転処理を行う場合であっても、単位時間あたりの搬送枚数を増加させることができる。
また、本実施形態に係る基板処理システム1において、上段グループG1に対応する反転処理ユニット43aは、上段グループG1に対応する第2収容部42aの上部に配置され、下段グループG2に対応する反転処理ユニット43bは、下段グループG2に対応する第2収容部42bの下部に配置される。
このように、反転処理ユニット43a,43bは、同一のグループG1,G2に対応する第2収容部42a,42bよりも第1収容部41a,41bから遠い位置に配置される。このため、反転処理ユニット43a,43bが第1収容部41a,41bと第2収容部42a,42bとの間に配置される場合と比較して、第1収容部41a,41bから第2収容部42a,42bへウェハWを移し換える際の移し換え装置15a,15bの移動距離を短くすることができる。
ここで、反転処理ユニット43a,43bを第1収容部41a,41bと第2収容部42a,42bとの間に配置することで、第1収容部41a,41bから反転処理ユニット43a,43bへウェハWを移し換える際の移し換え装置15a,15bの移動距離を短くすることも考えられる。
しかしながら、第2収容部42a,42bは、ウェハWの表面のみを洗浄する場合、裏面のみを洗浄する場合および後述する両面を洗浄する場合のいずれのケースにおいても使用されるのに対し、反転処理ユニット43a,43bは、たとえば図4に示すように使用されないケースもある。
したがって、第2収容部42a,42bを反転処理ユニット43a,43bよりも第1収容部41a,41bの近くに配置して、第1収容部41a,41bから第2収容部42a,42bへウェハWを移し換える際の移し換え装置15a,15bの移動距離を短くする方が、基板搬送処理の単位時間あたりの搬送枚数を増加させるうえで有効である。
また、図5などに示すように、反転処理ユニット43a,43bは、第2収容部42a,42bよりも高さ寸法が大きい。このため、第1収容部41a,41bと第2収容部42a,42bとの間に反転処理ユニット43a,43bが介在していると、第1収容部41a,41bから第2収容部42a,42bへウェハWを移し換える際の移し換え装置15a,15bの移動距離が大幅に長くなってしまう。この点からも、反転処理ユニット43a,43bを第2収容部42a,42bよりも第1収容部41a,41bから遠い位置に配置することが好ましく、そのように配置することで単位時間あたりの搬送枚数を増加させることができる。
次に、洗浄処理ユニット16a,16bによる処理の前後に反転処理ユニット43a,43bによる処理が行われる場合における基板搬送処理の処理手順について図7を参照して説明する。
図7は、洗浄処理ユニット16a,16bによる処理の前後に反転処理ユニット43a,43bによる処理が行われる場合における基板搬送処理の説明図である。なお、図7に示す基板搬送処理は、たとえば、ウェハWの両面を洗浄する場合に行われる。本実施形態では、洗浄処理ユニット16aは4つのユニットのうち2つを表面用、2つを裏面用に割り当てられている。洗浄処理ユニット16bも同様の割り当てである。
図7に示すステップS41〜S43およびステップS51〜S53は、未処理のウェハWをその表裏を反転させた上で洗浄処理ユニット16a,16bへ搬送するまでの処理手順であり、図6に示すステップS21〜S23およびステップS31〜S33と同様である。
上段グループG1に属する洗浄処理ユニット16aによって裏面が洗浄されたウェハWは、上段グループG1に対応する第2搬送装置17aによって1枚ずつ洗浄処理ユニット16aから取り出された後、上段グループG1に対応する反転処理ユニット43aに再び搬送される(ステップS44)。反転処理ユニット43aに搬送されたウェハWは、反転処理ユニット43aによって表裏が反転された後、第2搬送装置17aによって1枚ずつ取り出されて洗浄処理ユニット16aへ再び搬送され(ステップS45)、洗浄処理ユニット16aによって表面が洗浄される。
下段グループG2に属する洗浄処理ユニット16bによって裏面が洗浄されたウェハWも同様に、第2搬送装置17bによって1枚ずつ洗浄処理ユニット16bから一旦取り出されて反転処理ユニット43bに搬送さる(ステップS54)。その後、ウェハWは、反転処理ユニット43bによって表裏が反転された後、第2搬送装置17bによって1枚ずつ洗浄処理ユニット16bへ再び搬送され(ステップS55)、洗浄処理ユニット16bによって表面が洗浄される。
このように、洗浄処理ユニット16a,16bと反転処理ユニット43a,43bとの間でのウェハWの搬送は、第2搬送装置17a,17bによって行われる。以上説明した動作のうち、上段グループG1に関しての第1収容部41aに置かれてから再び第1収容部41aに置かれるまでの基板搬送及び移し換え動作と、下段グループG2に関しての第1収容部41bに置かれてから再び第1収容部41bに置かれるまでの基板搬送及び移し換え動作は、同時並行に実行される。
次に、従来の基板処理システムにおいて行われる基板搬送処理と本実施形態に係る基板処理システム1との比較について説明する。図8は、従来の基板処理システムにおける基板搬送処理の説明図である。なお、図8には、反転処理ユニット43a’,43b’による処理の後に洗浄処理ユニット16a’,16b’による処理が行われる場合における基板搬送処理の処理手順を示している。
図8に示すように、従来の基板処理システム1’では、第2収容部42a’,42b’と、反転処理ユニット43a’,43b’とが、下から順に、第2収容部42b’、第2収容部42b’、反転処理ユニット43b’、反転処理ユニット43a’、第2収容部42a’、第2収容部42a’の順番で積層される。また、従来の基板処理システム1’は、1つの移し換え装置15’を備える。
従来の基板処理システム1’では、まず、第1搬送装置13’が、カセットCから未処理のウェハWを取り出して下段グループに対応する第2収容部42bに収容する(ステップS61)。第1搬送装置13’は、上段グループの洗浄処理ユニット16a’に処理させるウェハWであるか下段グループの洗浄処理ユニット16b’に処理させるウェハWであるかに関係なく、上記の処理を繰り返す。
つづいて、移し換え装置15’は、上段グループの洗浄処理ユニット16a’に処理させるウェハWを下段グループに対応する第2収容部42b’から取り出して、上段グループに対応する第2収容部42a’へ移し換える(ステップS62)。
このように、従来の基板処理システム1’では、1台の移し換え装置15’が下段グループの第2収容部42b’と上段グループの第2収容部42a’との双方にアクセスすることとしているため、移し換え装置15’の移動距離が長かった。そして、このことが、単位時間あたりの搬送枚数を増加させることを阻害する要因の一つとなっていた。
これに対し、本実施形態に係る基板処理システム1では、上段グループG1に対応する移し換え装置15aと下段グループG2に対応する移し換え装置15bとを備え、さらに、第1収容部41a,41bが受渡ブロック14の中段位置に配置され、第1収容部41aの上部に第2収容部42aが配置されるとともに第1収容部41bの下部に第2収容部42bが配置される。これにより、本実施形態に係る基板処理システム1では、移し換え装置15a,15bの移動距離を短くすることができるため、単位時間あたりの搬送枚数を増加させることができる。
つづいて、上段グループに対応する第2搬送装置17a’は、上段グループに対応する第2収容部42a’からウェハWを取り出して上段グループに対応する反転処理ユニット43a’に搬送する(ステップS63)。その後、第2搬送装置17a’は、反転処理ユニット43a’によって表裏が反転されたウェハWを反転処理ユニット43a’から取り出して上段グループに属する洗浄処理ユニット16a’に搬送する(ステップS64)。
同様に、下段グループに対応する第2搬送装置17b’は、下段グループに対応する第2収容部42b’からウェハWを取り出して下段グループに対応する反転処理ユニット43b’に搬送する(ステップS71)。その後、第2搬送装置17b’は、反転処理ユニット43b’によって表裏が反転されたウェハWを反転処理ユニット43b’から取り出して下段グループに属する洗浄処理ユニット16b’に搬送する(ステップS72)。
このように、従来の基板処理システム1’では、第2収容部42a’,42b’から反転処理ユニット43a’,43b’へのウェハWの搬送を第2搬送装置17a’,17b’が行うこととしているため、第2搬送装置17a’,17b’の処理負荷が大きかった。
これに対し、本実施形態に係る基板処理システム1では、移し換え装置15a,15bが、第1収容部41a,41bに収容されたウェハWを反転処理ユニット43a,43bへ移し換えることとした。これにより、本実施形態に係る基板処理システム1では、第2搬送装置17a,17bの処理負荷を小さくすることができるため、単位時間あたりの搬送枚数を増加させることができる。
上述してきたように、本実施形態に係る基板処理システム1は、第1搬送装置13と、第1収容部41a,41bと、複数の洗浄処理ユニット16a,16b(「第1基板処理ユニット」の一例に相当)と、複数の第2収容部42a,42bと、複数の第2搬送装置17a,17bと、複数の反転処理ユニット43a,43b(「第2基板処理ユニット」の一例に相当)と、移し換え装置15a,15bとを備える。
第1搬送装置13は、複数枚のウェハWを収容するカセットCからウェハWを取り出して搬送する。第1収容部41a,41bは、第1搬送装置13によって搬送されるウェハWを収容する。複数の洗浄処理ユニット16a,16bは、多段に積層されるとともに、高さ方向に並ぶ少なくとも2つのグループに分けられ、ウェハWに対して洗浄処理を行う。複数の第2収容部42a,42bは、上記グループの各々に対応し、第1収容部41a,41bと高さ方向において重複する位置にそれぞれ並んで配置され、ウェハWを収容する。複数の第2搬送装置17a,17bは、上記グループの各々に対応し、同一のグループに対応する第2収容部42a,42bからウェハWを取り出して同一のグループに属する洗浄処理ユニット16a,16bへ搬送する。複数の反転処理ユニット43a,43bは、上記グループの各々に対応し、第1収容部41a,41bおよび第2収容部42a,42bと高さ方向において重複する位置にそれぞれ並んで配置され、ウェハWの表裏を反転させる処理を行う。移し換え装置15a,15bは、第1収容部41a,41bに収容されたウェハWを第2収容部42a,42bに移し換えるまたは反転処理ユニット43a,43bへ搬送する。
これにより、第2搬送装置17a,17bの処理負荷を小さくすることができるため、単位時間あたりの搬送枚数を増加させることができる。
また、本実施形態に係る基板処理システム1では、第1収容部41a,41bおよび第2収容部42a,42bを含む受渡ブロック14(「処理ブロック」の一例に相当)の中段位置に第1収容部41a,41bが配置され、それぞれ異なるグループに対応する第2収容部42a,42bが、第1収容部41a,41bの上部および下部に配置される。
これにより、移し換え装置15a,15bの移動距離を短くすることができるため、単位時間あたりの搬送枚数を増加させることができる。
上述してきた実施形態では、複数の洗浄処理ユニット16が、上段グループG1と下段グループG2の2つのグループに分けられる場合の例について示したが、洗浄処理ユニット16は、3つ以上のグループに分けられてもよい。その場合、少なくとも2つの隣接するグループに関して、上記実施形態で説明した配置構成や移し換え及び搬送動作を行うようにすれば、単位時間あたりの搬送枚数を増加させることができる。
また、上述してきた実施形態では、第2基板処理ユニットが、ウェハWの表裏を反転させる反転処理ユニット43a,43bである場合の例について示したが、第2基板処理ユニットは、反転処理ユニット以外の基板処理ユニットであってもよい。たとえば、第2基板処理ユニットは、ウェハWの表面状態を検査する検査処理ユニットであってもよいし、ウェハWに対して紫外線を照射するUV照射ユニットであってもよい。
また、上述してきた実施形態では、基板処理システム1が、上段グループG1に対応する第1収容部41aと下段グループG2に対応する第1収容部41bとを備える場合の例について示したが、基板処理システム1は、上段グループG1と下段グループG2とで共用される1つの第1収容部を備えていてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。