JP6362160B2 - 固形飲料の製造方法 - Google Patents
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Description
このうち、溶解性の低さに対しては、賦形剤や結合剤として配合する水溶性高分子の配合を上げることで改善されることが報告されている。特許文献3では、緑茶粉末に澱粉、プルラン、及び/又は微結晶セルロースを10〜41質量%配合し、打錠機で圧縮成型して、易溶解性のタブレット状固形飲料を作製している。また、特許文献4では、特定の賦形剤(DE値が8〜30である低糖化度のデキストリン)と結合剤(麦芽糖)を特定の配合比率で併用することにより、打錠機で圧縮成型しても溶解性に優れる固形飲料が得られることを報告している。
(i)下記成分(A)〜(C)からなる原料組成物を混練して、均一化する工程;
(A)植物及び/又は植物抽出物の乾燥粉末、及び2糖以下の糖類を含む粉末組成物、
(B)糖アルコール組成において、マルチトールとマルトトリイトールの含有量が30〜60質量%である高糖化還元澱粉糖化物、
(C)水、
であって、(A)の質量を100質量%とした場合に、
(B)の固形分質量が、0.5〜3.0質量%、且つ、
(B)の固形分質量/((B)及び(C)の総質量)が、1/7.0〜1/1.5、
(ii)前記原料組成物を圧縮成型した後、離型させる工程、
(iii)前記原料組成物を乾燥させる工程、
を(i)〜(iii)の順番で備えることを特徴とする、固形飲料の製造方法が提供される。
また、前記成分(A)は、植物及び/又は植物抽出物の乾燥粉末を2.5〜40.0質量%、及び2糖以下の糖類を60.0〜97.5質量%含む粉末組成物であることが好ましい。
そして、前記成分(A)における2糖以下の糖類としては、ショ糖及び/又はブドウ糖を好適に用いることができる。
<固形飲料>
本発明における“固形飲料”とは、水やお湯を添加すると溶解又は均一に分散して飲料となる、固形状の組成物のことである。そして、“成型された固形飲料”とは、当該固形状の組成物が任意の形に成形された組成物を意味する。
本発明に係る固形飲料は、下記成分(A)〜(C)からなる原料組成物が圧縮成形によって成型された固形飲料である。なお、本願においては、固形飲料の全構成成分が混合された組成物を“原料組成物”と呼んでいる。以下、本発明の固形飲料の構成成分について詳述する。
本発明における成分(A)は、植物及び/又は植物抽出物の乾燥粉末と、2糖以下の糖類を含む粉末組成物である。このうち、前者(すなわち、植物及び/又は植物抽出物の乾燥粉末)は、本発明の固形飲料の風味を特徴付ける主成分である。当該植物としては、従来より飲食品として使用される植物を用いることができ、そのような例として、茶葉(日本茶、中国茶、紅茶用茶葉を含む)、果物、コーヒー豆、香料植物(桂皮や桜葉等)等の乾燥粉末及び/又は当該植物の抽出物を乾燥させた粉末を挙げることができる。このうち、植物の乾燥粉末としては、抹茶に代表される茶葉の乾燥粉末が好ましい。また、植物抽出物の乾燥粉末としては、緑茶、煎茶等に代表される茶抽出物及び/又は果汁のスプレードライ粉末、又はフリーズドライ粉末が好ましい。なお、これらの乾燥粉末は、賦形剤を含むものであってよい。
そして、前記2糖以下の糖類としては、ショ糖(砂糖、粉糖、グラニュー糖を含む)、麦芽糖、乳糖、トレハロース等の2糖、及び、ブドウ糖、果糖、ガラクトース等の単糖が挙げられる。このうち、2糖としてはショ糖、単糖としてはブドウ糖が好適である。
なお、上記以外にも、本発明の効果を損なわない範囲において、従来から飲料に使用されている種々の粉末状成分を配合することができる。そのような成分としては、3糖以上の糖類(オリゴ糖、粉飴、デキストリン等)、(人工)甘味料、乳製品、増粘剤、乳化剤、及び、塩類、香料、着色料、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、保存料等に代表される食品添加物等が挙げられる。
なお、本願では、前記植物及び/又は植物抽出物の乾燥粉末と任意成分の一部からなり固形飲料の風味を特徴づける成分を、“〜風味プレミックス”と称する場合がある。
本発明における成分(B)は、糖アルコール組成において、2糖アルコール(マルチトール)と3糖アルコール(マルトトリイトール)の含有量が合わせて30−60質量%、好ましくは33−55質量%、さらに好ましくは35−53質量%である高糖化還元澱粉糖化物である。当該2糖及び3糖アルコールの含有量が30質量%より低いものを用いた場合には、原料組成物を混練する過程でダマやムラが生じやすくなり、また、60質量%より高いものを用いた場合には、圧縮成形後に離型しにくくなる傾向がある。
本発明に用いることができる高糖化還元澱粉糖化物としては、三菱商事フードテック株式会社製のアマミール(固形分70±1質量%、糖アルコール組成が、1糖アルコール:46〜49質量%、2糖アルコール:30〜40質量%、3糖アルコール:5〜13質量%、及び4糖アルコール以上:4〜10質量%)を好適に用いることができる。
なお、前記成分(B)として粉末状の製品を用いる場合には、該製品を適切な溶媒(好適には水)に溶解して液状とした後に、本発明に用いることができる。
本発明における成分(C)は水であり、蒸留水、イオン交換水、逆浸透水等を好適に用いることができる。
<固形飲料の製造方法>
本発明に係る固形飲料は、下記工程(i)〜(iii)を経ることで簡便に製造することができる。
(i)原料組成物を混練して均一化する工程
前述した成分(A)〜(C)を混合し、混練して均一な組成物を得る工程である。当該混合及び混練には汎用の粉末混合機(例として、株式会社愛工舎製作所製ミキサー)を用いることができる。なお、必ずしも必須の工程ではないが、成分(B)と(C)を攪拌混合したものを成分(A)に添加して混練すると、混練に要する時間が短縮される場合があるのでより好ましい。
(ii)原料組成物の圧縮成型及び離型工程
工程(i)を経た原料組成物は、打錠機やプレス機を用いた汎用の方法(あるいは手による押圧)で成型することができる。例えば、前記原料組成物を金型に詰め、プレス機で加圧することで好適に成形することができる。
成型後、当該金型を逆さにして(金型に)軽い振動を与えることで、前記原料組成物を金型から離型させることができる。なお、本発明においては、金型を剥離剤で被覆する必要はなく、また、金型の一部をスライドさせて原料組成物を押し出す工程も必須ではない。
(iii)原料組成物の乾燥工程
工程(ii)を経た原料組成物を汎用の乾燥機を用いて乾燥させて、固形飲料を得る工程である。
下記組成の抹茶風味プレミックスを調製して(A)粉末組成物を作製した。続いて下記製法に従って抹茶風味固形飲料を作製し、下記項目について評価した。結果を表1に示す。
成分 質量(g)
抹茶(抹茶ST−G,マルカブ佐藤製茶株式会社製) 9.6
緑茶エキス粉末(煎茶DG−SP100、日研フード株式会社製) 5.6
人工甘味料(サンスイートSA−8020,三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)
2.4
桜葉エキス粉末(桜葉エキスE2、佐藤食品工業株式会社製) 1.6
シナモン(ケイヒ末、日本粉末薬品株式会社製) 0.8
合計 20.0g
前記抹茶風味プレミックス20.0gに対し、グラニュー糖40.0gとブドウ糖40.0gを添加して混合することにより、(A)粉末組成物100.0gを得た。
前記(A)粉末組成物100.0g、(B)水、及び表1に示した結合剤を混合した組成物(すなわち、原料組成物)に対し、愛工舎製作所製のミキサーを用いて約3分間混練した。当該混練された原料組成物を金型に詰め、上から手で押圧して成型した。次に、当該金型を逆さにし、底面をプラスチックハンマーで軽くたたいて前記原料組成物を金型から離型させた。その後、乾燥機内に移して乾燥させて(80〜90℃で2〜3時間)、台形型(上面:18×18mm、底面:22×22mm、高さ10mm)の固形飲料を得た。
製造工程について
・混練による均一化
混練後の原料組成物の状態を観察し、下記基準に従って評価した。
○:ダマ及びムラのない均一な混合物が得られた。
△:ダマ又はムラのいずれかが認められた。
×:ダマ及びムラが認められた。
・離型の容易性
○:金型の底面をプラスチックハンマーで軽く数回たたくことで、離型した。
△:金型の底面をプラスチックハンマーで軽く数回たたいても離型しないが、強打すると離型した。
×:金型の底面をプラスチックハンマーで強打しても離型しなかった。
・表面
○:固形飲料の表面を指でこすっても、表面が崩れなかった。
△:固形飲料の表面を指でこすると、表面が多少崩れた。
×:固形飲料の表面を指でこすると、表面が崩れた。
・硬さ
○:固形飲料の側面を親指と人差し指でつまんで持ち上げても崩れなかった。
×:固形飲料の側面を親指と人差し指でつまんで持ち上げると崩れた。
固形飲料1個をガラスビーカーに入れて、160mlの冷水(4℃)又は熱水(80℃)を注ぎ、スパーテルで攪拌しながら60秒後の溶解・分散の程度を目視で判断した。
○:溶け残りの塊は認められず、完全に溶解・分散していた。
×:目視できる塊が認められた。
次に、固形飲料や砂糖の成型に汎用される結合剤を用いて製造することにした。α化澱粉を2.0質量%、水を2.0質量%配合した原料組成物では、混練の過程でダマやムラが生じやすく、得られる固形飲料の保形性も劣る結果となった(比較例3)。また、高糖化澱粉糖化物(すなわち、水飴)を2.0質量%、水を2.0質量%配合した場合には、混練の過程でダマやムラが一層生じ易くなり、離型もしにくく、さらには表面がぱさぱさした固形飲料が得られた(比較例4、5)。
よって、上記結果より、混練過程におけるダマやムラの生じにくさと圧縮成形後の離型のし易さを共に得るには、糖アルコール組成において、2糖アルコール(マルチトール)と3糖アルコール(マルトトリイトール)を合わせて30〜60質量%程度、好ましくは35〜53質量%程度含有する高糖化還元澱粉糖化物を用いるとよいことが明らかとなった。
一般に、還元澱粉糖化物は、固形飲料や砂糖の成型に結合剤として用いられるものではない。また、前記高糖化還元澱粉糖化物と同程度の粘性を有する高糖化澱粉糖化物では上記効果が得られなかったことから(比較例5)、前記効果は単に結合剤として添加する化合物の粘度に起因するものではないと考えられる。
次に、(B)水と(C)高糖化還元澱粉糖化物の配合量について検討した。
これに対し、前記高糖化還元澱粉糖化物のみを4.0、又は6.0質量%配合した場合には、原料組成物の均一化と離型は容易だったが、保形性に優れる固形飲料を得ることはできなかった(比較例8、9)。なお、これらの原料組成物における前記(B)の固形分質量/((B)と(C)の総質量)の値は、1/1.43以上である。また、水のみを2.0〜6.0質量%配合した場合にも、保形性に優れる固形飲料を得ることはできなかった(比較例1、2、10、11)。
<原料組成物の組成>
成分(A)
煎茶エキス乾燥粉末(深蒸し煎茶エキスH、仙波糖化工業株式会社製) 20.0
グラニュー糖 40.0
ブドウ糖 40.0
合計 100.0
成分(B)
高糖化還元澱粉糖化物(アマミール、三菱商事フードテック株式会社製) 2.0
成分(C)
イオン交換水 2.0
<固形飲料の製造方法>
前記実施例1と同じ方法を用いて、台形状の固形飲料を製造した。
<原料組成物の組成>
成分(A)
紅茶エキス乾燥粉末(紅茶エキスパウダーN、佐藤食品工業株式会社製) 20.0
紅茶エキス乾燥粉末(紅茶エキスB0101、佐藤食品工業株式会社製) 20.0
グラニュー糖 30.0
ブドウ糖 30.0
合計 100.0
成分(B)
高糖化還元澱粉糖化物(アマミール、三菱商事フードテック株式会社製) 2.0
成分(C)
イオン交換水 2.0
<固形飲料の製造方法>
前記実施例1の製造方法においてキューブ用の金型を用いて、キューブ状の固形飲料を製造した。
<原料組成物の組成>
成分(A)
りんご果汁パウダー(つがるりんごC82、佐藤食品工業株式会社製) 17.3
レモン果汁パウダー(レモンC54、佐藤食品工業株式会社製) 2.3
リンゴ香料 0.3
くちなし色素(赤) 0.5
グラニュー糖 39.8
ブドウ糖 39.8
合計 100.0
成分(B)
高糖化還元澱粉糖化物(アマミール、三菱商事フードテック株式会社製) 2.0
成分(C)
イオン交換水 2.0
<固形飲料の製造方法>
前記実施例1と同じ方法を用いて、六角柱状の固形飲料を製造した。
<原料組成物の組成>
成分(A)
オレンジ果汁パウダー(オレンジC88、佐藤食品工業株式会社製 13.2
レモン果汁パウダー(レモンC54、仙波糖化工業株式会社製) 2.9
オレンジ香料 0.3
くちなし色素(赤) 0.5
くちなし色素(黄) 0.5
グラニュー糖 41.3
ブドウ糖 41.3
合計 100.0
成分(B)
高糖化還元澱粉糖化物(アマミール、三菱商事フードテック株式会社製) 2.0
成分(C)
イオン交換水 2.0
<固形飲料の製造方法>
前記実施例1と同じ方法を用いて、半球状の固形飲料を製造した。
<原料組成物の組成>
成分(A)
レモン果汁パウダー(レモンC54、仙波糖化工業株式会社製) 10.0
クエン酸パウダー 5.4
レモン香料 1.6
人工甘味料(サンスイートSA−8020,三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)
1.3
くちなし色素(黄) 0.5
グラニュー糖 40.6
ブドウ糖 40.6
合計 100.0
成分(B)
高糖化還元澱粉糖化物(アマミール、三菱商事フードテック株式会社製) 1.5
成分(C)
イオン交換水 1.5
<固形飲料の製造方法>
前記実施例1と同じ方法を用いて、台形状の固形飲料を製造した。
<原料組成物の組成>
成分(A)
抹茶(抹茶ST−G,マルカブ佐藤製茶株式会社製) 2.5
グラニュー糖 47.5
ブドウ糖 50.0
合計 100.0
成分(B)
高糖化還元澱粉糖化物(アマミール、三菱商事フードテック株式会社製) 2.0
成分(C)
イオン交換水 2.0
<固形飲料の製造方法>
前記実施例1と同じ方法を用いて、台形状の固形飲料を製造した。
Claims (4)
- 固形飲料の製造方法であって、下記工程(i)〜(iii);
(i)下記成分(A)〜(C)からなる原料組成物を混練して、均一化する工程;
(A)植物及び/又は植物抽出物の乾燥粉末、及び2糖以下の糖類を含む粉末組成物、
(B)糖アルコール組成において、マルチトールとマルトトリイトールの含有量の合計が30〜60質量%である高糖化還元澱粉糖化物、
(C)水、
であって、(A)の質量を100質量%とした場合に、
(B)の固形分質量が、0.7〜2.8質量%、且つ、
(B)の固形分質量/((B)及び(C)の総質量)が、1/6.0〜1/2.0、
(ii)前記原料組成物を圧縮成型した後、離型させる工程、
(iii)前記原料組成物を乾燥させる工程、
を(i)〜(iii)の順番で備えることを特徴とする、固形飲料の製造方法。 - 前記工程(ii)が、剥離剤で被覆していない金型を用いて前記原料組成物の圧縮成形を行い、且つ、前記原料組成物を該金型から押し出すことなく離型させる工程である、
請求項1に記載の固形飲料の製造方法。 - 前記成分(A)が、植物及び/又は植物抽出物の乾燥粉末を2.5〜40.0質量%、2糖以下の糖類を60.0〜97.5質量%含む粉末組成物である、
請求項1又は2に記載の固形飲料の製造方法。 - 前記成分(A)における2糖以下の糖類が、ショ糖及び/又はブドウ糖である、
請求項1−3のいずれかに記載の固形飲料の製造方法。
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