JP6361172B2 - ロボット、ロボットシステム、及び制御装置 - Google Patents
ロボット、ロボットシステム、及び制御装置Info
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Description
例えば、特許文献1には、ハンドを教示された組付動作の逆方向に後退移動させる段階と、ハンドを前記組付動作と同じ方向に前進移動させながら手首に加わる力覚情報を検出する段階と、検出された力覚情報を教示時の力覚パターンと比較し、それらの一致性の有無を判定する段階と、を有する組立用ロボットによるワーク自動組付方法について記載されている。
本発明は、上記の点に鑑み為されたものであり、より正確な良否判定を行うことができるロボット、ロボットシステム、及び制御装置を提供することを目的とする。
この構成により、ロボットは、力センサーの出力情報とエンドエフェクタの位置情報を用いて、第1物体と前記第2物体とが相対移動したか否かを判定するので、力覚情報のみを用いる場合と比較して、正確な良否判定を行うことができる。
この構成により、ロボットは、時間毎の力センサーの出力情報と第1許容情報に基づいて、第1物体と第2物体とが相対移動したか否かを判定するので、時間毎の情報を用いない場合と比較して、正確な良否判定を行うことができる。
この構成により、ロボットは、時間毎のエンドエフェクタの位置情報と第2許容情報に基づいて、第1物体と第2物体とが相対移動したか否かを判定するので、時間毎の情報を用いない場合と比較して、正確な良否判定を行うことができる。
この構成により、ロボットは、第1動作の後に第2動作を指令するので、異なる方向へ相対移動させる指令に対する動作についても良否判定を行うことができ、より正確な良否判定を行うことができる。
この構成により、ロボットは、第1物体と第2物体が移動防止機能を有するか否かに応じて、制御や良否判定をすることができる。
この構成により、ロボットは、例えば第1物体と第2物体が移動防止機能を有するか否かを予め設定しなくても、移動防止機能を有するか否かを判定できる。
この構成により、ロボットは、再度の第1方向へ相対移動させる動作についても良否判定を行うことができる。例えば、ロボットは、1回目の第1方向への相対移動では動作が安定しない場合でも、2回目の第1方向への相対移動により、良否判定の精度を上げることができる。
この構成により、ロボットは、1回目の第1方向への相対移動と、2回目の第1方向への相対移動とで、許容範囲を変えることができる。
この構成により、ロボットは、結合させる動作、又は分離させる動作の両方について、良否判定を行うことができ、より正確な良否判定を行うことができる。
この構成により、ロボットは、力センサーの出力情報に基づく第1エラー情報と、ハンドの位置情報に基づく第2エラー情報を、別々に出力できる。これにより、ロボットの管理者は、エラーを識別できる。
本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るロボット10の概略的な構成例を示す図である。
ロボット10は、メスコネクタ30にオスコネクタ40を挿入し、勘合させる。ロボット10は、把持部11、力覚センサー12、アーム部13、支持台14を含んで構成される。なお、支持台14の内部には、制御装置20が設けられている。把持部11は、力覚センサー12を介して、アーム部13の先端に設けられており、3つの指を有し、オスコネクタ40を把持することができる。力覚センサー12は、把持部11とアーム部13との間に設けられ、把持部11とアーム部13との間で作用している3軸方向の力と、把持部11の取り付け方向の軸回りのモーメントとを検出する。アーム部13は、支持台14に対して、旋回可能かつ屈伸可能に連結されている。
支持台14は、アーム部13と連結されており、床面などに固定されている。
なお、位置情報は、把持しているオスコネクタ40の位置を示す情報でもある。また、位置情報は、把持部11の姿勢(向きや回転等)を示す情報を含むものであってもよく、例えば、把持しているオスコネクタ40の姿勢を示す情報でもあってもよい。また、メスコネクタ30とオスコネクタ40が勘合した場合、ハウジング内の金属ピン同士が接触し、金属ピンを介して電流を流すことができる。また、ロボット10が挿入し合うワークは、メスコネクタ30とオスコネクタ40に限らず、例えば、ナットとボルト、ネジ穴とネジ、又は鍵穴と鍵であってもよい。ワークとは、ロボット10により作業が行われる対象となる対象物をいう。
統合制御部201は、例えば、オスコネクタ40のメスコネクタ30への挿入について、挿入を開始したことを示す動作情報(「挿入開始」)や、挿入中であることを示す動作情報(「挿入中」)、又は、挿入を完了したことを示す動作情報(挿入完了)を、良否判定部204へ出力する。また、統合制御部201は、例えば、目標位置を示す指令情報を、良否判定部204へ出力する。
把持部11、アーム部13、支持台14は、動作制御部202の制御に従って動作する。
力覚センサー12は、外力による歪みを示す電気信号を出力する。
力覚検出部152は、力覚センサー12が出力した電気信号に基づいて、互いに直交する3軸方向の外力とその周りのモーメントを検出する。力覚検出部152は、検出結果に基づいて力覚情報を生成する。
検出部15は、各軸位置検出部151が生成した位置情報、及び力覚検出部152が生成した力覚情報を、統合制御部201、動作制御部202、良否判定部204へ出力する。
良否判定部204は、データベース203が予め記憶する許容範囲を示す許容情報を読み出し、位置情報プロファイル及び力覚情報プロファイルに基づいて、各作業の良否判定を行う。ここで、許容情報は、計時時刻と位置情報の許容範囲を示す情報、及び、計時時刻と力覚情報の許容範囲を示す情報である。なお、許容情報は、作業や動作毎に存在する。
このように、ロボット10は、ワークが実際に引き抜かれているか否かを判定する。これにより、ロボット10は、ワークの抜け防止機能の有無に応じて、動作を制御することができる。ここで、ワークの抜け防止機能とは、例えば、コネクタの爪であり、コネクタが一度勘合した場合に爪も勘合し、コネクタが抜けないようにする機能である。また、ロボット10は、2回の挿入動作を行う場合がある。これにより、ロボット10は、1回目の挿入動作では動作が安定しない場合でも、2回目の挿入動作により、良否判定の精度を上げることができる。1回目の挿入動作では動作が安定しない原因は、例えば、ワークに、挿入障害(例えばバリ)が有ることであり、この挿入障害は、1回目の挿入動作により除かれることがある。
(ステップS102)統合制御部201は、例えばユーザーからの動作指令に基づいて、1回目の挿入動作の動作シーケンスを読み出す。この動作シーケンスは、オスコネクタ40をメスコネクタ30へ挿入するものである。統合制御部201は、読み出した動作シーケンスに基づいて、ロボット10に、1回目の挿入動作を開始させる。その後、ロボット10は、1回目の挿入動作を行う。ここで、良否判定部204は、1回目の挿入動作が行われている間、検出部15が出力した位置情報及び力覚情報のそれぞれを、予め定められた単位の計時時刻毎に対応付け、位置情報プロファイルA及び力覚情報プロファイルAとして、データベース203へ記憶させる。その後、ステップS103へ進む。
(ステップS104)良否判定部204は、データベース203から、位置情報プロファイルA、力覚情報プロファイルA、及び、1回目の挿入動作の許容情報Aを読み出す。良否判定部204は、位置情報プロファイルA及び力覚情報プロファイルAのそれぞれが、許容情報Aが示す許容範囲Aにあるか否かを判定することで、1回目の挿入動作の良否判定(良否判定1と称する)を行う。なお、許容範囲Aには、力覚の許容範囲A1、及び位置の許容範囲A2が含まれる(図4参照)。位置情報プロファイルA及び力覚情報プロファイルAのそれぞれが許容範囲Aにある場合、良否判定部204は、1回目の挿入動作が「良」である(YES)、つまり、1回目の挿入動作が成功したと判定する。この場合、ステップS105へ進む。一方、それ以外の場合は、良否判定部204は、1回目の挿入動作が「否」である(NO)、つまり、1回目の挿入動作が失敗したと判定する。この場合、ステップS111へ進む。
なお、引き抜き動作の許容範囲Bは、ワークの抜け防止機能が有るか否かによって、異なる(図4と図5参照)。
良否判定部204がワークの抜け防止機能が有ると判定した場合(YES)、ワークは、引き抜かれておらず、ステップS103で挿入された状態のままである。この場合、ステップS110へ進む。一方、良否判定部204がワークの抜け防止機能が無いと判定した場合(NO)、ワークは引き抜かれている。その場合、ステップS108へ進む。
(ステップS109)良否判定部204は、データベース203から、位置情報プロファイルC、力覚情報プロファイルC、及び、2回目の挿入動作の許容情報Cを読み出す。良否判定部204は、位置情報プロファイルC及び力覚情報プロファイルCのそれぞれが、許容情報Cが示す許容範囲Cにあるか否かを判定することで、2回目の挿入動作の良否判定(良否判定3と称する)を行う。なお、許容範囲Cには、力覚の許容範囲C1、及び位置の許容範囲C2が含まれる(図6参照)。位置情報プロファイルC及び力覚情報プロファイルCのそれぞれが許容範囲Cにある場合、良否判定部204は、2回目の挿入動作が「良」である(YES)、つまり、2回目の挿入動作が成功したと判定する。この場合、ステップS110へ進む。一方、それ以外の場合は、良否判定部204は、2回目の挿入動作が「否」である(NO)、つまり、2回目の挿入動作が失敗したと判定する。この場合、ステップS111へ進む。
(ステップS111)統合制御部201は、ワークを所定の場所へ移動し、ロボット10を停止させる。これにより、ロボット10は、不良品と判定されたワークを所定の場所へ移動し、次のワークに対する作業を開始する準備を行う。その後、ステップS102へ戻る。
なお、上記のロボット10の作業動作において、ステップS103、S105、S108の挿入動作又は引き抜き動作の途中で、位置もしくは外力情報のいずれか一つ以上に許容範囲を外れた異常値が発生した場合には、動作完了を待たずに即時にS111に移行してもよい。
図4(A)は、1回目の挿入動作の力覚情報プロファイルA及び力覚の許容情報A1を示す。図4(A)では、縦軸が力覚情報であり、横軸が計時時刻である。図4(A)では、計時時刻毎に、実線で示す力覚の実測値と、鎖線で示す許容範囲A1が対応付けられている。なお、力覚の実測値は、挿入方向(オスコネクタ40からメスコネクタ30へ向かう方向)を負とし、力の大きさを表している。また、許容範囲については、2つの鎖線で挟まれた範囲が許容範囲である(以下、図5、6においても、同じ)。なお、本願では「許容範囲」とは、下限又は上限のいずれか一方を定めるものであってもよい。
図4(B)は、1回目の挿入動作の位置情報プロファイルA及び位置の許容情報A2を示す。図4(B)では、縦軸が位置情報であり、横軸が計時時刻である。図4(B)では、計時時刻毎に、実線で示す現在位置と、鎖線で示す許容範囲A2、一点鎖線で示す位置指令の位置が対応付けられている。位置指令は、統合制御部201が生成する指令の1つであり、ロボット10に移動させようとする位置情報である。換言すれば、位置指令は、動作シーケンスのうち位置を表すものである。なお、図4(B)の現在位置は、挿入方向を正とし、オスコネクタ40の位置を表している。
図5(A)は、引き抜き動作の力覚情報プロファイルB及び力覚の許容情報B1を示す。図5(A)では、計時時刻毎に、実線で示す力覚の実測値と、鎖線で示す許容範囲B1が対応付けられている。図5(B)は、引き抜き動作の位置情報プロファイルB及び位置の許容情報B2を示す。図5(B)では、計時時刻毎に、実線で示す現在位置と、鎖線で示す許容範囲B2、一点鎖線で示す位置指令の位置が対応付けられている。図5(A)、(B)の座標軸は、それぞれ、図4(A)、(B)のものと同じである。
図6(A)は、2回目の挿入動作の力覚情報プロファイルC及び力覚の許容情報C1を示す。図6(A)では、計時時刻毎に、実線で示す力覚の実測値と、鎖線で示す許容範囲C1が対応付けられている。図6(A)は、2回目の挿入動作の位置情報プロファイルC及び位置の許容情報C2を示す。図6(B)では、計時時刻毎に、実線で示す現在位置と、鎖線で示す許容範囲C2、一点鎖線で示す位置指令の位置が対応付けられている。なお、図6(A)、(B)の座標軸は、それぞれ、図4(A)、(B)のものと同じである。また、図6(B)の位置指令は、図4(B)の位置指令と同じものである。
図6(A)と図4(A)を比較すると、計時時刻各々において、許容範囲Cは許容範囲Bよりも狭くなっている。また、図6(A)の実測値は、図4の実測値よりも、揺らぎが少なく安定し、実測値(力)の絶対値も小さい。これは、挿入障害が1回目の挿入動作により除かれ、2回目の挿入作業が、1回目の挿入動作よりもより円滑に行われることを示している。
図7は、本実施形態に係る抜け防止機能が有るワークの一例を表す概略図である。メスコネクタ30aとオスコネクタ40aには、勘合した場合に、組み合う爪301aと爪401aが設けられている。爪301aと爪401aが組み合った場合、メスコネクタ30aとオスコネクタ40aは、挿入方向とは逆向きに引き抜こうとしても、引き抜けなくなる。ワークの抜け防止機能が有る場合には、引き抜き動作のプロファイルは、図5のものとは異なる(図8参照)。
図8(A)は、引き抜き動作の力覚情報プロファイルB’及び力覚の許容情報B1’を示す。図8(A)では、計時時刻毎に、実線で示す力覚の実測値と、鎖線で示す許容範囲B1’が対応付けられている。図8(B)は、引き抜き動作の位置情報プロファイルB’及び位置の許容情報B2’を示す。図8(B)では、計時時刻毎に、実線で示す現在位置と、鎖線で示す許容範囲B2’、一点鎖線で示す位置指令の位置が対応付けられている。図8(A)、(B)の座標軸は、それぞれ、図4(A)、(B)のものと同じである。また、図8(B)の位置指令は、図6(B)の位置指令と同じものである。
また、本実施形態では、ロボット10では、制御装置20は、オスコネクタ40とメスコネクタ30が、挿入動作の後、引き抜き方向への相対移動を防止する抜け防止機能(移動防止機能)を有するか否かを判定する。この構成により、ロボット10は、オスコネクタ40とメスコネクタ30が抜け防止機能を有するか否かに応じて、制御や良否判定をすることができる。
また、本実施形態では、ロボット10では、制御装置20は、オスコネクタ40とメスコネクタ30が抜け防止機能を有しないと判定した場合、引き抜き動作の後、2回目の挿入動作を指令する。この構成により、ロボット10は、2回目の挿入動作についても良否判定を行うことができる。例えば、ロボットは、1回目の挿入動作が安定しない場合でも、2回目の挿入動作により、良否判定の精度を上げることができる。
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
第2実施形態と第1実施形態を比較すると、ロボット10の作業動作が異なる。他の点は、同じであるので、説明は省略する。
図9のフローチャートでは、ロボット10は、最初に、挿入動作を行い、その後、良否判定1を行う。ロボット10は、良否判定が「良」の場合には作業完了判定を行う。一方、良否判定が「否」の場合には引き抜き動作を行い、再度、挿入動作を行う。つまり、本実施形態に係るロボット10は、最初の挿入動作で失敗した場合に、引き抜き動作及び再度の挿入動作を行うものである。
(ステップS207)良否判定部204は、ワークの抜け防止機能が有るか否かを判定する。良否判定部204がワークの抜け防止機能が有ると判定した場合(YES)、ステップS110へ進む。一方、良否判定部204がワークの抜け防止機能が無いと判定した場合(NO)、ワークは、抜けている。その場合、ステップS108へ進む。
この構成により、ロボット10は、挿入が失敗したときでも、その他の条件により、当該ワークに対する動作を成功したと判定できる。つまり、1度動作が失敗したワークでも、ロボット10は、失敗から回復させることができ、動作を「良」(成功)とすることができる。
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
第3実施形態と第1実施形態を比較すると、制御装置20が、ロボット10の外部に設けられている。他の点(例えば、各構成の機能)は、同じであるので、説明は省略する。
図10は、本発明の第3実施形態に係るロボットシステム100の概略的な構成例を示す図である。ロボットシステム100は、メスコネクタ30にオスコネクタ40を挿入し、勘合させる。ロボットシステム100は、ロボット10、制御装置20を含んで構成される。つまり、ロボットは、把持部11と力覚センサー12を備え、メスコネクタ30とオスコネクタ40とを相対移動させる。制御装置20は、ロボット10を動作させる。制御装置20は、力覚センサー12の出力情報と把持部11の位置情報とを用いて、メスコネクタ30とオスコネクタ40とが相対移動した否かを判定する。
図11は、本実施形態に係るロボットシステム100の機能構成を示す概略ブロック図である。ロボット10は、把持部11、力覚センサー12、アーム部13、支持台14、検出部15、制御装置20を含んで構成される。検出部15は、各軸位置検出部151、力覚検出部152を含んで構成される。制御装置20は、統合制御部201、動作制御部202、データベース203、良否判定部204を含んで構成される。
なお、上記各実施形態において、ロボット10は、良否判定1、2、3で「否」であると判定した場合に、エラーを出力してもよい。ここで、ロボット10は、力覚情報プロファイルが許容範囲にないのか、又は、位置情報プロファイルが許容範囲にないのかに応じて、エラーを分けてもよい。例えば、ロボット10は、力覚情報プロファイルが許容範囲にない場合にエラーコード「E1」を出力し、位置情報プロファイルが許容範囲にない場合にエラーコード「E2」を出力してもよい。また、ロボット10は、力覚情報プロファイル及び位置情報プロファイルが許容範囲にない場合には「E3」を出力してもよい。
このように、ロボット10では、制御装置20は、力覚センサー12の力覚情報を用いて、オスコネクタ40とメスコネクタ30とが相対移動していないと判定した場合に、エラーコード「E1」(第1エラー情報)を出力させる。一方、制御装置20は、把持部11の位置情報を用いて、オスコネクタ40とメスコネクタ30とが相対移動していないと判定した場合に、エラーコード「E1」とは異なるエラーコード「E2」(第2エラー情報)を出力させる。この構成により、ロボット10は、力覚センサー12の力覚情報に基づくエラーコード「E1」と、把持部11の位置情報に基づく把持部11の位置情報を、別々に出力できる。これにより、ロボット10の管理者は、エラーを識別できる。
また、ロボット10は、所定の条件により、力覚情報プロファイル又は位置情報プロファイルのいずれか1つを用いて良否判定を行うように切り替えてもよい。例えば、ロボット10は、作業動作の回数、動作の回数、良否判定の回数、これらの回数に対する良品の割合、又は、作業動作開始からの経過時間に応じて、この切り替えを行う。また、ロボット10は、力覚情報プロファイル又は位置情報プロファイルに基づいて、この切り替えを行ってもよい。具体的には、ロボット10は、作業動作毎の力覚情報プロファイル又は位置情報プロファイルを比較し、プロファイルがほとんど同じ場合には(例えば、98%以上の確率で、プロファイルのずれが所定の範囲に収まる場合には)、そのプロファイルも用いることを止めてもよい。これにより、ロボット10は、2つのプロファイルを比較する場合と比較して、作業を早めることができる。
引き抜き動作で、ワークを完全に引き抜いてしまった場合、ロボット10は、再度の挿入で、ワーク同士のさらなる位置合わせが必要な場合や、挿入の際の抵抗力が大きくなってしまう場合がある。また、ワークの構造や耐性によっては、ワークが壊れてしまう可能性もある。ロボット10は、ワーク同士が完全に引き抜かれる手前で、引き抜き動作を完了するので、より円滑に、2回目の挿入動作をすることができる。
なお、2回目の挿入動作の際の移動量は、引き抜きの際の移動量と同じであってもよい。
図12は、各実施形態に係るワークの別の一例を表す概略図である。図12(B)は、図12(A)のD−D’断面の断面図である。ネジ40bは、部材301bのバカ穴H1を介して、部材302bのタップ穴H2に螺入される。バカ穴H1は、ネジ40bの外径よりも大きい穴である。
また、ロボット10は、ワークが「バカ穴」を有すると判定した場合、挿入方向に直交する向きの成分を持つように、ワーク同士を相対移動させてもよい。例えば、ロボット10は、部材301bにネジ40bを挿入後、引き抜き動作を行う。ロボット10は、引き抜き動作の完了後、部材301b又はネジ40bを挿入方向に直交する方向へ動かす。ロボット10は、例えば、挿入方向に直交する方向の力を検出した場合、ネジ40bが部材301bに挿入されていたと判定する。あるいは、ロボット10は、部材301b又はネジ40bが完全に引き抜かれている位置において、部材301b又はネジ40bを挿入方向に直交する方向へ動かし、その後、挿入動作をして、挿入方向の力を検出した場合、ネジ40bが部材301bに挿入されていたと判定する。つまり、ネジ40bをバカ穴H1に当てることで、ネジ40bがバカ穴H1に、挿入されていたことを確認する。判定後、ロボット10は、部材301b又はネジ40bを挿入方向に直交する方向へ動かす前の位置に、部材301b又はネジ40bを戻し、再び、2回目の挿入動作を行う。
また、ロボット10は、ワークが抜け防止機能を有すると判定した場合には、図3の作業動作を行い、ワークが抜け防止機能を有しないと判定した場合には、図9の作業動作を行ってもよい。例えば、ワークが抜け防止機能を有すると判定した場合には、ロボット10は、図3の作業動作により、抜け防止機能が正常に機能しているか否かを確認できる。なお、ロボット10は、ロボット動作開始の前に、ワークの種類(バカ穴の有無、抜け防止機能の有無)を判定し、図3又は図9のいずれの作業動作を行うかを選択し、選択した作業動作を行ってもよい。
図13は、上記各実施形態の変形例に係る双腕のロボット10aの概略的な構成例を示す図である。図13は、ロボット10aの外観を示す正面図である。ただし、制御装置20は、便宜的に表すものであり、ロボット10aの本体内部に設けられている。ロボット10aは、アーム部13A、13Bと、制御装置20を含んで構成される。なお、アーム部13Aは、力覚センサー12A及び把持部11Aを有し、アーム部13Bは、力覚センサー12B及び把持部11Bを有している。
この場合、ロボット10a(制御装置20aの良否判定部204)は、力覚センサー12Aの力覚情報又は力覚センサー12Bの力覚情報のいずれか一方或いは両方と、許容情報に基づいて、良否判定を行っても良い。例えば、ロボット10aは、力覚センサー12Aの力覚から力覚センサー12Bの力覚を差し引いた値(又は除算した値)と、その許容情報に基づいて、良否判定を行っても良い。また、ロボット10aは、把持部11Aの位置情報又は把持部11Bの位置情報のいずれか一方或いは両方と、許容情報に基づいて、良否判定を行っても良い。例えば、ロボット10aは、把持部11Aの位置から把持部11Bの位置を差し引いた相対位置と、その許容情報に基づいて、良否判定を行っても良い。
また、上述した実施形態における制御装置C1の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。制御装置C1の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
Claims (10)
- 第1物体と第2物体とを相対移動させるアームを備えるロボットの動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1物体と前記第2物体とを第1方向へ相対移動させる第1動作を指令し、
前記第1動作の後、前記アームに設けられているエンドエフェクタの位置情報と、前記アームと前記エンドエフェクタの間に設けられている力センサーの出力情報と、を用いて、前記第1物体と前記第2物体とが相対移動したか否かを判定する第1の判定を行い、
前記第1の判定において、前記第1物体と前記第2物体とが相対移動したと判定した場合、前記第1物体と前記第2物体とを、前記第1方向とは異なる第2方向へ相対移動させる第2動作を指令し、
前記第1動作の後、前記第1物体と前記第2物体とが前記第2方向へ相対移動することを防止する移動防止機能を有するか否かを判定する第2の判定を行い、
前記第2の判定において、前記第1物体と前記第2物体とが前記移動防止機能を有しないと判定した場合、前記第2動作の後、前記第1物体と前記第2物体とを前記第1方向へ相対移動させる第3動作を指令する、
制御装置。 - 時間と前記力センサーの出力情報の許容範囲とを対応付けた第1許容情報を記憶するデータベースを含み、
前記制御部は、時間毎の前記力センサーの出力情報と前記第1許容情報に基づいて、前記第1の判定を行う、
請求項1に記載の制御装置。 - 前記データベースは、時間と前記エンドエフェクタの位置情報の許容範囲とを対応づけた第2許容情報を記憶し、
前記制御部は、時間毎の前記エンドエフェクタの位置情報と前記第2許容情報に基づいて、前記第1の判定を行う、
請求項2に記載の制御装置。 - 前記第2方向は、前記第1方向と逆方向であり、
前記制御部は、前記第3動作の開始後、前記力センサーの出力情報、前記エンドエフェクタの位置情報、前記第1許容情報および前記第2許容情報を用いて、前記第1物体と前記第2物体とが相対移動したか否かを判定する第3の判定を行い、
前記第1の判定に用いられる前記第1許容情報と、前記第3の判定に用いられる前記第1許容情報と、の前記力センサーの出力情報の許容範囲が異なり、
前記第1の判定に用いられる前記第2許容情報と、前記第3の判定に用いられる前記第2許容情報と、の前記エンドエフェクタの位置情報の許容範囲が異なる、
請求項3に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記第2動作の開始後、前記力センサーの出力情報又は前記エンドエフ
ェクタの位置情報に基づいて、前記第2の判定を行う、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の制御装置。 - 前記第1動作は、前記第1物体と前記第2物体を結合させる動作であり、
前記第2動作は、前記第1物体と前記第2物体を分離させる動作である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の制御装置。 - 前記第1動作は、前記第1物体と前記第2物体を分離させる動作であり、
前記第2動作は、前記第1物体と前記第2物体を結合させる動作である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の制御装置。 - 前記制御部は、
前記第1の判定において、前記力センサーの出力情報を用いて、前記第1物体と前記第2物体とが相対移動していないと判定した場合に、第1エラー情報を出力し、
前記第1の判定において、前記エンドエフェクタの位置情報を用いて、前記第1物体と前記第2物体とが相対移動していないと判定した場合に、前記第1エラー情報とは異なる第2エラー情報を出力する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の制御装置。 - 第1対象物と第2物体とを相対移動させるアームを備え、
前記アームには力センサーおよびエンドエフェクタが設けられており、
請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置によって、前記アームの動作が制御される、ロボット。 - ロボットと、
前記ロボットに設けられるエンドエフェクタと、
前記ロボットと前記エンドエフェクタとの間に設けられる力センサーと、
前記請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置と、
を備える、ロボットシステム。
Priority Applications (1)
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