JP6360407B2 - サセプタの洗浄方法 - Google Patents
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先ず、被処理基板への成膜処理を行い、被処理基板を取り出した後、反応管内を所定の高温環境とし、クリーニングガスを供給することにより、カーボンサセプタに付着しているシリコン系の付着物に対しエッチングを開始する。
ここで、エッチング時間は、被処理基板に形成した膜厚に、所定の係数を乗算して得られた時間に、除去残しが無いように所定の時間を加算し設定される。
更には、過剰なクリーニングガスによるエッチングのために、カーボンサセプタがダメージを受け易いという技術的課題があった。
尚、前記第1の期間と第2の期間のそれぞれにおいて、前記サセプタの温度測定を行うための複数回のモニタリング期間が設けられるとともに、各モニタリング期間において前記サセプタの温度の最高値と最低値とを検出する複数のサンプリング期間が設けられることが望ましい。
また、前記各モニタリング期間は、少なくとも前記サセプタが軸周りに1回転する期間であることが望ましい。
また、前記サンプリング期間は、0.05sec以下であることが望ましい。
これにより、従来は過剰となっていた付着物の除去作業を短縮し、コストを低減するとともに、生産性を向上させ、且つサセプタの寿命を延長することができる。
図1は、本発明に係るサセプタの洗浄方法が実施されるエピタキシャル成長炉の断面図である。図2は、本発明のサセプタの洗浄方法の流れを示すフローである。また、図3は、サセプタの洗浄処理の際に加熱されるサセプタの温度変化を示すグラフであり、図4は、サセプタの温度変化を拡大して示すグラフである。
図1に示すエピタキシャル成長炉1は、被処理基板であるシリコンウエハ(以下、単にウエハと呼ぶ)Wの表面にシリコンエピタキシャル膜を気相成長する反応管としての石英ベルジャ2と、前記石英ベルジャ2内の反応室5に配置され、複数のウエハWを保持するカーボンサセプタ3(サセプタ)とを備える。
石英ベルジャ2は、円筒形状の胴部の下端側が徐々に先細りしたシリンダであり、その上端開口が蓋体8により閉じられている。
また、石英ベルジャ2の周りには、反応室5内を加熱するための加熱部4として、例えば多数のハロゲンランプが配置されている。
また、測定されたカーボンサセプタ3の温度情報は、コンピュータとしての制御部14に入力されるとともに、例えば液晶モニタ画面を有する温度表示部15に表示されるようになっている。
また、ドライエッチングを行うために、反応室5内のカーボンサセプタ3を高温に加熱するが、図3のグラフに示すように加熱開始から所定時間の経過までは、測定箇所によって温度にばらつきが大きく安定しない。即ち、図示するように加熱開始から約1000秒を経過するまでは、最大10℃近くのばらつきが生じ、その後ばらつきは収束する。本発明にあっては、この経過時間によって変化する温度のばらつきの変化を利用したものとなる。
尚、前記のように制御部14は、コンピュータプログラムが実行されることにより、そのプログラムに従って制御動作するが、前記プログラムは、サセプタ洗浄のためのエッチング完了のタイミングが、エッチングの際に加熱されるサセプタの温度のばらつきが収束してから所定時間経過後という本願発明者の知見に基づき作成されたものである。
制御部14は、図2のフローに示すように、加熱部4により反応室5内を加熱し、カーボンサセプタ3の温度を上昇させる(図2のステップS1)。
石英ベルジャ2内において、例えばバランスガスとしての水素に20〜40%の塩化水素ガスを混入したクリーニングガスを導入し、回転軸10によりカーボンサセプタ3を回転させながら、ドライエッチングを開始する(図2のステップS2)
各モニタリング期間においては、温度センサ12により複数回(例えば400回)のサンプリングが行われ、サンプリングで得られた温度の最大値(max)と最小値(min)とが抽出されて演算に用いられる。
尚、温度の最大値(max)と最小値(min)とを精度よく得るために、サンプリング時間は0.05sec以下とされ、モニタリング期間は少なくともカーボンサセプタ3が軸周りに1回転する期間(例えば20sec)が確保され、さらに、イニシャル期間は本実施形態では2min(望ましくは1min以上3min以下)とされる。
前記イニシャル期間と同様に、各モニタリング期間においては、温度センサ12により複数回(例えば400回)のサンプリングが行われ、サンプリングで得られた温度の最大値(max)と最小値(min)とが抽出され演算に用いられる。
即ち、最新期間での検出温度は、演算式(2)により得られる。尚、式(2)においてmaxは検出温度の最大値、minは検出温度の最小値である。
即ち、制御部14において実行されるコンピュータプログラムには、温度のばらつきが1℃以下に収束してから所定時間の経過後に、エッチング処理が終了するという処理手順が定義され、これに沿って制御動作がなされることで実際のエッチング処理の終了のタイミングに合わせてエッチングガスの供給が停止する。
これにより、従来は過剰となっていた付着物の除去作業を短縮し、コストを低減するとともに、生産性を向上させ、且つカーボンサセプタ3の寿命を延長することができる。
また、前記実施の形態においては、カーボンサセプタ3の温度を非接触に温度センサ12を用いて検出するものとしたが、これも限定されるものではなく、カーボンサセプタ3に対して接触式の温度センサを用いて温度検出する構成としてもよい。
実施例の条件として、温度センサのサンプリング時間を0.05sec以下、モニタリング期間をカーボンサセプタの1回転の時間である20sec、イニシャル期間及び最新期間をそれぞれ2minとした。
この条件下において、エッチング終了までに使用したクリーニングガス(塩化水素ガス)の量、エッチング時間を測定した。
比較例1では、従来実施していたように、被処理基板に形成されたエピタキシャル膜厚に、所定の係数を乗算して得られた時間に基づきエッチング時間を設定した。
具体的には、エッチング時間を25minとした。
以上の実施例の結果、本発明によれば、カーボンサセプタに付着した付着物の除去残しが生じることなく、エッチング時間を短縮し、クリーニングガスの無駄な消費を抑えることができることを確認した。
2 石英ベルジャ(反応管)
3 カーボンサセプタ(サセプタ)
4 加熱部
5 反応室
6 ガス導入管
7 ガス排気管
8 蓋体
10 回転軸
11 ザグリ
12 温度センサ
13 放射温度計
14 制御部
15 温度表示部
W シリコンウエハ(被処理基板)
Claims (4)
- 反応管内のサセプタに付着した付着物をエッチングにより除去するサセプタの洗浄方法であって、
前記サセプタを軸周りに回転させながら加熱するとともに、前記反応管内に所定のクリーニングガスを供給するステップと、
第1の期間と該第1の期間に続く第2の期間とにおける前記サセプタの表面温度をそれぞれ検出し、第1の期間におけるサセプタの表面温度のばらつきの大きさ(max−min)の平均値から第2の期間におけるサセプタの表面温度のばらつきの大きさ(max−min)の平均値を引いた温度差を測定する工程を、前記温度差が予め決められた第1の温度差以上になるまで、クリーニングガスによるエッチングの進行中であるとし、前記工程を繰り返すステップと、
前記温度差が第1の温度差以上になった後に、第1の期間と該第1の期間に続く第2の期間とにおける前記サセプタの表面温度をそれぞれ検出し、第1の期間におけるサセプタの表面温度のばらつきの大きさ(max−min)の平均値から第2の期間におけるサセプタの表面温度のばらつきの大きさ(max−min)の平均値を引いた温度差を測定する工程を、前記温度差が、前記第1の温度差より小さい予め決められた第2の温度差以下になるまで繰り返すステップと、
前記温度差が第2の温度差以下になるとエッチングの終了が近いと判定し、所定時間の経過後にクリーニングガスの供給を停止するステップと、
を含むことを特徴とするサセプタの洗浄方法。 - 前記第1の期間と第2の期間のそれぞれにおいて、前記サセプタの温度測定を行うための複数回のモニタリング期間が設けられるとともに、各モニタリング期間において前記サセプタの温度の最高値と最低値とを検出する複数のサンプリング期間が設けられることを特徴とする請求項1に記載されたサセプタの洗浄方法。
- 前記各モニタリング期間は、少なくとも前記サセプタが軸周りに1回転する期間であることを特徴とする請求項2に記載されたサセプタの洗浄方法。
- 前記サンプリング期間は、0.05sec以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載されたサセプタの洗浄方法。
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