JP2004172409A - 反応容器のクリーニング方法及び成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜装置において反応容器内に付着した薄膜をフッ素を含むクリーニングガスでクリーニングするにあたり、その後ウエハに対して成膜処理をおこなったときに薄膜へのフッ素の混入を抑えること。
【解決手段】反応容器内にクリーニングガスを供給しながら反応容器内の温度を検出し、クリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度をT0とすると、温度検出値がピーク値Tpに達したとき、あるいはその後T0+0.5(Tp−T0)の値になるまでの間にクリーニングガスの供給を止める。この方法は温度検出値と設定値との比較により実施してもよいが、クリーニングガスの供給を開始してから設定温度になるまでの時間を予め求め、経過時間を管理することによりクリーニングガスの供給を止めるようにしてもよい。
【選択図】 図2
【解決手段】反応容器内にクリーニングガスを供給しながら反応容器内の温度を検出し、クリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度をT0とすると、温度検出値がピーク値Tpに達したとき、あるいはその後T0+0.5(Tp−T0)の値になるまでの間にクリーニングガスの供給を止める。この方法は温度検出値と設定値との比較により実施してもよいが、クリーニングガスの供給を開始してから設定温度になるまでの時間を予め求め、経過時間を管理することによりクリーニングガスの供給を止めるようにしてもよい。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被処理体に対して成膜処理を行った反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングする方法及びこの方法を実施する成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程の一つとして成膜工程があり、成膜を行う装置として例えば縦型熱処理装置である減圧CVD(chemical vapor deposition)装置が知られている。この減圧CVD装置はその周囲にヒータが設けられた縦型の反応容器である例えば石英製の反応管内に、多数の半導体ウエハ(以下ウエハという)を棚状に配置したウエハボートを搬入し、減圧下の反応管内に成膜ガスを供給して例えば窒化ケイ素膜などの絶縁膜あるいポリシリコン膜などを成膜するものである。
【0003】
このような成膜処理を繰り返し行うと、反応管内に薄膜が積層されていくが、これを放置しておくと膜剥がれが起こってウエハのパーティクル汚染の原因になるし、また反応管の外のヒータからの輻射光の透過が阻害されウエハの温度が不安定になることから、所定のタイミングで反応管内をクリーニングすることが必要である。クリーニングする手法の一つとしてフッ酸溶液で洗浄するウエット洗浄があるが、反応管を炉本体から着脱しなければならないためダウンタイムが長いという欠点がある。
【0004】
一方ドライクリーニングを行う方法も知られており、例えば特許文献1には、ポリシリコン膜を成膜した後、反応管内をある温度T1まで加熱してクリーニングガスとしてClF3ガスを導入し、ClF3ガスとポリシリコン膜との反応熱を熱電対によって監視し、その監視温度が反応熱によって上昇した後、前記温度T1に収束した時点をクリーニングの完了として検出することが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−306628号公報の段落0026及び段落0032
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら反応容器内の温度が元の温度に収束した時点をエンドポイントとしてクリーニングガスを停止すると、装置の運転を再開した後の初期のウエハについては、成膜された薄膜中のフッ素濃度が高い。その理由は反応管内の温度が元の温度に収束した時点では反応管の内壁及びウエハボートなどの石英製品に付着している膜が除去されて更にオーバエッチングされ、クリーニングガス中のフッ素が石英中に浸透し、また薄膜が除去される直前にはその薄膜はかなり薄くなるのでそのときにフッ素が膜を通り抜けて石英中に浸透し、このフッ素が初期の成膜処理中に石英から飛散してウエハの薄膜内に取り込まれることが要因であると考えられる。このようにウエハの薄膜中のフッ素濃度が高くなると、今後半導体デバイスが薄型化したときにデバイスの特性に悪影響を及ぼす懸念、例えばデバイスのゲート酸化膜までフッ素が抜けたときには時間−電圧の関係がシフトする懸念がある。
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、被処理体に対して成膜処理を行った反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングするにあたり、被処理体へのフッ素の混入を抑えることのできるクリーニング方法及び成膜装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理体に対して成膜処理を行った反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングする方法において、
反応容器内にクリーニングガスを供給しながら反応容器内の温度を検出する工程と、
この工程で検出した温度がピーク値Tpに達した後、クリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した値になるまでの間にクリーニングガスの供給を止める工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
クリーニングが開始されると反応容器内に付着している薄膜とクリーニングガスとが反応して反応容器内の温度が上昇し、そのときの温度ピーク値は、反応容器の内壁などに付着している薄膜の大部分が除去された状態であるという指標となるものである。従って上記のタイミングでクリーニングガスの供給を止めれば反応容器内の薄膜をほとんど(あるいは完全に)除去することができ、しかも反応容器内の例えば反応容器の内壁である石英部分や被処理体保持具などの石英製品へのフッ素の浸透を抑えることができ、装置の運転を再開して被処理体を成膜処理したときにその初期の頃の被処理体の薄膜へのフッ素の混入量が低減する。
【0010】
また本発明は、クリーニングガスを停止するタイミングを時間で管理してもよく、反応容器内にクリーニングガスを供給した時点から経過時間を計測する工程と、この工程で計測した経過時間が予め設定した時間に至ったときにクリーニングガスの供給を止める工程と、を含み、
前記予め設定した時間は、反応容器内の温度がピーク値Tpに達したときからクリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した温度になるまでの間の所定の時点に対応する時間とするようにしてもよい。
【0011】
そして本発明に係る装置は、反応容器内にて被処理体に対して成膜処理する成膜装置において、
反応容器内にフッ素を含むクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、
反応容器内の温度を検出する温度検出部と、
クリーニングガスの供給時に前記温度検出部で検出した温度がピーク値Tpに達した後、クリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した値になるまでの間にクリーニングガスの供給を止める手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
更に他の発明に係る装置は、反応容器内にて被処理体に対して成膜処理する成膜装置において、
反応容器内にフッ素を含むクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、
反応容器内にクリーニングガスを供給した時点から経過時間を計測する時間計測部と、
この時間計測部で計測した経過時間が予め設定した時間に至ったときにクリーニングガスの供給を止める手段と、を含み、
前記予め設定した時間は、反応容器内の温度がピーク値Tpに達したときからクリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した温度になるまでの間の所定の時点に対応する時間であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のクリーニング方法を実施する成膜装置をバッチ式の減圧CVD装置に適用した実施の形態について説明する。図1中の1は、例えば石英で作られた内管1a及び外管1bよりなる二重管構造の反応容器である反応管であり、反応管1の下部側には金属製の筒状のマニホールド11が設けられている。前記内管1aは上端が開口されており、マニホールド11の内方側にて支持されている。外管1bは上端が塞がれており、下端がマニホールド11の上端に気密に接合されている。12はベースプレートである。
【0014】
図1は反応管1内にウエハWが搬入されて成膜処理する状態を示しており、前記反応管1内には、複数枚例の被処理体をなすウエハWが各々水平な状態で上下に間隔をおいて保持具である石英製のウエハボート2に棚状に載置されている。より具体的にはこのウエハボート2には、例えば25枚の製品ウエハが搭載され、その上下にダミーウエハなどが搭載される。ウエハボート2は蓋体21の上に例えば石英製の保温ユニット22の設置領域を介して保持されている。保温ユニットは22は石英フィンなどの断熱ユニット及び発熱体ユニットを組み合わせて成り、その中央には、回転軸23が貫通していてボ−トエレベ−タ24に設けられたモ−タMにより回転軸23を介してウエハボ−ト2が回転する。
【0015】
前記蓋体21は、ウエハボート2を反応管1内に搬入、搬出するためのボートエレベータ24の上に搭載されており、上限位置にあるときにはマニホールド11の下端開口部を閉塞する役割を持つものである。
【0016】
また反応管1の周囲には、これを取り囲むように例えば抵抗発熱ヒータ素線よりなる加熱手段であるヒータ30が設けられている。このヒ−タ30の一例としては、例えば細い高純度のカ−ボンファイバの束を複数用いて編み込むことにより形成された線状の可撓性のカ−ボンワイヤを例えば透明な石英管の中に封入して構成されたものなどを挙げることができる。この例では反応管1内の熱処理雰囲気の大部分を受け持つメインヒータ及びその上下に配置されたサブヒータ並びに天井部に設けられたサブヒータが設けられているが、符号は便宜上全て「30」を付してある。なおヒータ30の周囲には図示していないが、炉本体が設けられる。
【0017】
反応管1内には例えば上下方向の異なる位置に例えば熱電対からなる複数の温度検出部4が設けられ、この例ではウエハWの載置領域の上下方向の中央部である中段部、下端に近い下段部、上端に近い上段部、上段部と中段部の間の上中段部に夫々温度検出部4(41〜44)が設けられている。
【0018】
前記マニホールド11の周囲には、第1の成膜ガス供給管41、第2の成膜ガス供給管42及びクリーニングガス供給管5が設けられ、夫々内管1aの中にガスを供給できるようになっている。第1の成膜ガス供給管41及び第2の成膜ガス供給管42は夫々成膜ガスである例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)ガス及びアンモニア(NH3)ガスを供給するためのものであり、図示しないガス供給源に接続されている。
【0019】
またクリーニングガス供給管5は、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部をなすものであり、クリーニングガスの供給、停止を行うためのバルブ61が設けられている。このバルブ61の上流側は2本の分岐管51、52に分岐されており、一方の分岐管51にはフッ素(F)ガス供給源62、バルブ63、流量調整部64が、また他方の分岐管52にはフッ化水素(HF)ガス供給源65、バルブ66、流量調整部67が夫々上流側からこの順に設けられている。なお便宜上図示していないが、更にこの例では窒素(N2)ガス供給管がマニホールド11に設けられており、クリーニング時には、フッ素ガス及びフッ化水素ガスと共に窒素ガスが反応管1内に供給されるようになっている。
【0020】
前記マニホールド11には、内管1aと外管1bとの間の空間から排気できるように排気管13が接続されており、この排気管13を通じて真空ポンプ14により反応管1内を減圧できるようになっている。
【0021】
更にこの減圧CVD装置はコンピュータからなる制御部7を備えている。この制御部7は、反応管1内の圧力、温度及びガスの供給などの制御を行うものであるが、ここでは本実施の形態に関連の深い部分に関して説明する。制御部7は温度検出部4(41〜44)の温度検出値を取り込んでヒータ30の温度制御を行うが、成膜処理後に行うクリーニング工程においてはこの温度検出値に基づいてプログラム71によりバルブ61を閉じるための制御信号を出力し、クリーニングガスの供給を止める役割を持っており、またバルブ61、63、66及び流量調整部64、67の制御信号を出力してクリーニングガスであるフッ素ガス及びフッ化水素ガスの流量を調整するなどの役割もある。
【0022】
ここでクリーニングガスの供給を停止するための手法について図2を参照しながら述べると、図2は、ウエハWに対して成膜処理を行うことにより反応管1内に薄膜が付着した後、ウエハWが存在しない状態でクリーニングガスを供給したときの反応管1内の温度プロファイル(経時変化)を示すものである。成膜処理は例えばジクロルシランガス及びアンモニアガスを用いて窒化シリコン膜を成膜する処理であり、窒化シリコン膜の累積膜厚が例えば1.5μmになっときに例えば300℃を少し越えた温度に設定してクリーニングガスを供給するようにしている。時刻t1にてクリーニングガスを供給すると次式の反応により窒化シリコン(Si3N4)が分解され、このときの反応熱により反応管1内の温度がT0から昇温して時刻t2にてピーク値Tpになり、その後温度が低下して時刻T3に元の温度T0に収束する。
【0023】
Si3N4+4HF+4F2 →3SiF4+2H2+2N2 ……(1)
本実施の形態では、このような温度経時変化データを予め取っておいて温度ピーク値Tpを把握し、クリーニングガスを供給した後このTpを設定値として、温度検出値がピーク値Tpになったときにクリーニングガスを停止するようにプログラム71が組まれている。なお本発明における、クリーニングガスの供給時に温度がピーク値Tpに達した後、所定のタイミングでクリーニングガスの供給を止める手段は、この例ではプログラム71及び図示しないCPUなどに相当する。
【0024】
ところで実際には反応管1内には下から成膜ガスが供給されることからその長さ方向にわずかながら温度傾斜が付けられている場合があり、このため各温度検出部4(41〜44)の温度検出値の温度経時変化パターンはわずかながら異なる場合がある。従ってこの温度データを各温度検出部4(41〜44)毎に取っておいて各温度検出部4(41〜44)毎の温度ピーク値Tpを求めておき、それらを設定値として、実際にクリーニングを行うときには各温度検出部4(41〜44)の温度検出値と対応する温度ピーク値とを比較し、各温度検出値の中でどれか一つでも対応する温度設定値(ピーク値Tp)に達したときにバルブ61の停止信号を出力するようにプログラム71が組まれている。
【0025】
また本発明は、各温度検出部4(41〜44)の温度検出値の中で一番初めにピーク値になるものを予め把握しておき、その温度検出部4の温度検出値と、対応する温度設定値と、を比較してバルブ61を止めるようにしてもよいし、あるいはまた各温度検出部4(41〜44)のいずれかの温度検出値、例えば中段部の温度検出部41の温度検出値のみを監視対象とし、その温度検出値が対応する温度設定値(Tp)になったときにクリーニングガスを停止するようにしてもよい。更にはまた各温度検出部4(41〜44)の温度検出値を制御部7内に取り込んで、そのうちの2個、3個または4個(全部)が対応する温度設定値(Tp)になったときにクリーニングガスを停止するようにしてもよい。
【0026】
次に上述の実施の形態の作用について述べる。先ずこの減圧CVD装置では成膜処理が行われる。即ち、被処理体であるウエハWを所定枚数ウエハボ−ト2に棚状に保持してボ−トエレベ−タ24を上昇させることにより反応管1内に搬入する(図1の状態)。ウエハボ−ト2が搬入されてマニホールド11の下端開口部が蓋体21により塞がれた後、反応管1内の温度をプロセス温度まで昇温させると共に、排気管13を通じて真空ポンプ15により所定の真空度に反応容器内を真空排気する。
【0027】
こうして反応容器内がプロセス温度に安定した後、第1の成膜ガス供給管41及び第2の成膜ガス供給管42から夫々ジクロルシランガス及びアンモニアガスを供給しながら所定の真空度に調整し、ウエハWに窒化シリコン(Si3N4)膜を成膜する。このときウエハボ−ト2はモ−タMにより回転している。こうして成膜処理が所定時間行われた後、成膜ガスの供給を停止して反応管1内の温度を降温し、ウエハボ−ト2を反応容器から搬出(アンロ−ド)する。
【0028】
このような成膜処理を行うと、反応管1、ウエハボート2及び保温ユニット22などにも窒化シリコンの膜が付き、所定の累積膜厚に対応する回数だけ処理した後、クリーニングを行う。なお本発明では成膜処理を行うたびに毎回クリーニングを行ってもよい。
【0029】
続いてクリーニングについて説明すると、先ず反応管1内を例えば300℃程度に維持しておいて、ウエハWを搭載せずにウエハボート2を反応容器内に搬入し、所定の真空度まで真空引きする。次いでクリーニングガスであるフッ素ガス及びフッ化水素ガスを例えばいずれも2SLMの流量で、また窒素ガスを8SLMの流量で反応管1内に供給しながら図示しない圧力調整部により反応管1内の圧力を例えば19.95kpa(150Torr)に維持するように制御し、クリーニング処理を行う。
【0030】
図3はクリーニング時の例えば中段部の温度検出部41の温度検出値の推移を示す図であり、時刻t1にてクリーニングガスを供給すると既述の(1)式の反応が起こって反応管1の内壁及びウエハボート2などに付着している窒化シリコン膜が除去されていくと共にその反応熱により温度が上昇していく。そして温度検出値が既述のようにして予め設定した温度設定値(Tp)になると、バルブ61の閉信号を出力しこれにより時刻t2にバルブ61が閉じてクリーニングガスの供給が停止しクリーニングが終了する。その後はクリーニング時の反応熱が生じないので反応管1内の温度が低下する。
【0031】
上述の実施の形態によれば、クリーニングガスを供給した後の温度上昇のピーク値を予め把握しておいて温度検出値がそのピーク値になったときにクリーニングガスの供給を止めるようにしているため、後述の実施例からも明らかなように、その後の成膜処理によりウエハWに成膜される窒化シリコン膜中のフッ素の混入量を低減することができる。その理由は次のように考えられる。クリーニングにより上記の(1)式の反応が進行するが、反応管1内の窒化シリコン膜が全て除去されると反応が終了し反応熱が発生しなくなる。しかし反応熱の発生により反応管1の温度も上昇するので、反応が終了した後は反応管1の熱容量により直ぐには温度は低下しないと考えられる。このため反応管1内の温度は反応熱がなくなっても反応管1からの熱により元の温度よりも高くなっており、従って図2において反応管1内の温度が元の温度T0に戻った時刻t3においては、反応管1内に付着している窒化シリコン膜が既に除去されてからある程度の時間が経過しており、その間反応管1の内壁及びウエハボート2がクリーニングガス雰囲気にさらされてオーバエッチングが起こっていると思われる。
【0032】
一方において温度ピーク値Tpにおいて窒化シリコン膜が完全に除去されているかは明らかではない。仮に全て除去されているとしたら、温度ピーク値Tpになった時点(時刻t2)にてクリーニングガスの供給を止めたとき(図3)と止めないとき(図2)との間で温度の経時変化に差はないはずであるが、実験によるとクリーニングガスを止めたときの方が温度の落ち方がわずかに早くなっている。このことは温度がピーク値Tpになった後も反応が進行していると推測される。しかし反応管1内の温度がピーク値Tpを越えるということは、ピーク値Tpを境にして窒化シリコン膜の膜厚が急激に薄くなっていると見ることができ、上記の温度推移の差と反応管1の熱容量の両者とを考え合わせると、反応管1内の窒化シリコン膜が完全に除去されるのは温度ピーク値Tpを過ぎてから元の温度T0に戻るまでの間にあると考えられ、しかも完全に除去されるタイミングは温度ピーク値Tpを過ぎてからそれほど長くは経っていない時点であると思われる。なお窒化シリコン膜が相当薄い状態では、目視で膜が付着しているか否かを確認することは極めて困難である。
【0033】
以上のことから温度ピーク値は、反応管1の内壁などに付着している窒化シリコン膜の大部分が除去された状態であるという指標となるものであり、上述実施の形態のように温度検出値がピーク値Tpに達した時点でクリーニングガスの供給を止めれば、反応管1の内壁及びウエハボート2などの石英製品に付着した窒化シリコン膜をほとんど(あるいは完全に)除去することができ、しかも反応管1の内壁などの石英部分へのフッ素の浸透を抑えることができ、装置の運転を再開してウエハWを成膜処理したときにその初期の頃のウエハW上の窒化シリコン膜へのフッ素の混入量が低減する。従って今後半導体デバイスが薄膜化してもデバイスの特性例えばゲートの時間−電圧特性に悪影響を及ぼすおそれがないことから有効な技術である。更にまた従来のように反応管1内の温度がクリーニング開始前に設定した温度T0に収束するのを待つ手法に比べて格段にクリーニングに要する時間が短くなる。
【0034】
本発明者の実験によると、温度検出値がピーク値Tpに達した後、温度上昇分の5割落ちるまでにクリーニングガスの供給を止めれば、元の温度T0に収束したときをエンドポイントとするよりも反応管1の内壁等にフッ素が浸透することを抑えられることを把握している。温度上昇分の5割落ちた温度とは、T0+0.5(Tp−T0)で表される温度である。図4は、成膜処理後のクリーニング時の温度の経時変化を示す図2と同様のグラフであり、時刻t4にて温度がピーク値Tpから、温度上昇分の50%落ちたことを示している。
【0035】
従って本発明では、クリーニングガスの供給を停止するための温度設定値Tsとしては、ピーク値Tpに限らずピーク値Tpを越えた後、T0+0.5(Tp−T0)で表される温度になるまでの間の選択した(所定の)温度であってもよい。図5はこの場合のフローを示し、ステップS1にてクリーニングガスの供給を開始し、温度が上昇中か否かを判定し(ステップS2)、ピーク値Tpを越えた後、温度検出値が予め設定した温度Tsになったか否かを判定し(ステップS3)、設定温度Tsになったときにクリーニングガスの供給を停止するようにしている(ステップS4)。
【0036】
以上において、本発明は温度検出値を監視してクリーニングガスを停止するための信号を出力する代わりに、温度検出値がピーク値Tpになるまでの時間あるいはピーク値Tpを越えて設定値まで低下するのに要する時間を予め調べておき、経過時間を管理して予め設定した時間になったときにクリーニングガスの供給を停止するようにしてもよい。図6はこのような実施の形態を示す図であり、この例は、制御部7内の時間計測手段であるタイマ72をクリーニングガスの供給を開始したときに動作させ、反応管1内の温度がピーク値Tpに達したときからこのピーク値Tpを過ぎてT0+0.5(Tp−T0)になるまでの間の所定の時点に対応する時間が経過したときにタイムアップし、これにより出力手段73からバルブ61を閉じるための制御信号を出力するように構成されている。
【0037】
【実施例】
実施例1
ウエハに窒化シリコン膜を成膜してその累積膜厚が1.5μmになった後、反応管内をクリーニングし、このときクリーニングガスを供給してから40分が経過するまでの間の温度を図1で述べたように4個の温度検出部4(41〜44)を用いて検出し、温度の経時変化を調べた。図7は各温度検出部41〜44で検出した温度の経時変化であり、(イ)は上段部の温度(温度検出部43の温度検出値)、(ロ)は上中段部の温度(温度検出部44の温度検出値)、(ハ)は中段部の温度(温度検出部41の温度検出値)、(ニ)は下段部の温度(温度検出部42の温度検出値)である。この図から分かるように、上段の温度がピーク値になるタイミングがわずかに遅れるが、各段の温度がピーク値になるタイミングは概ね揃っているといえる。またクリーニングガスの供給を開始した時点からおよそ35分経過した時点(時間軸の40分付近)では各段の温度は元の温度に収束している。
【0038】
そこで図7の時間軸の40分でクリーニングガスの供給を止めた場合と、中段の温度がピーク値になった時点(時間軸の17分付近)でクリーニングガスの供給を止めた場合との夫々について、その反応管内で成膜された窒化シリコン膜中のフッ素濃度を調べた。いずれの場合もクリーニングを行う前に累積膜厚が1.5μmになるように窒化シリコン膜の成膜処理を行っている。またいずれにおいてもクリーニング後の成膜処理に用いた基板は、フッ化水素溶液(フッ酸溶液)を用いてウエットクリーニングを行った反応管を用いてウエハ上に窒化シリコン膜を成膜したものを用いた。これは下地に同じ膜を用いることにより分析装置であるSIMSの感度変化を避けるためである。
【0039】
フッ素濃度の測定は、両者のウエハ上の窒化シリコン膜についてSIMSにより深さ方向のフッ素濃度のプロファイルを求めることにより行った。結果は図8に示すとおりである。(a)、(b)は夫々クリーニングを行う際、温度がピーク値になったとき(時間軸の17分)にクリーニングガスの供給を止めたときの下段側及び上段側のウエハ上の窒化シリコン膜中のフッ素濃度であり、(c)、(d)は夫々クリーニングを行う際、温度が元の温度に収束したとき(時間軸の40分)にクリーニングガスの供給を止めたときの下段側及び上段側のウエハ上の窒化シリコン膜中のフッ素濃度である。この結果から温度が元の温度に収束した時をエンドポイントとするクリーニング方法に比べて本発明によるクリーニング方法はフッ素濃度を低減できることが理解される。
【0040】
実施例2
クリーニングを行う際、温度がピーク値になってから温度上昇分の50%下がったときにクリーニングガスの供給を止め、その後同様にして下段側及び上段側のウエハ上の窒化シリコン膜中のフッ素濃度を調べた。より具体的にはクリーニング時の上段部の温度検出部43の温度検出値が図7から分かるように302℃から312℃までの10℃上昇していることから当該温度検出値が5℃下がった時点つまり317℃になったときにクリーニングガスの供給を止めた。窒化シリコン膜中のフッ素濃度はピーク値でクリーニングガスを止めた場合と同等の結果であった。
【0041】
参考実験
また上述の実験の他に次のような実験を行った。即ち、成膜処理を行った後の反応管内にクリーニングガスを供給し、反応管内の温度が元の温度に収束するまでクリーニングを行った当該反応管と、成膜処理を1度も行っていない新品の反応管とを夫々用いて同じプロセス条件で窒化シリコン膜を成膜し、膜中のフッ素濃度を調べたところ、新品の反応管を用いた場合の方がフッ素濃度が一桁近く少なかった。このことからクリーニングガス中のフッ素が反応管の内壁などを介してウエハ上の薄膜に混入することが明らかである。
【0042】
なおフッ素を含むクリーニングガスとしては上述のガスに限られず、ClF3ガスなどであってもよいし、被処理体に形成される薄膜としてはポリシリコン膜あるいはTEOSを原料とするシリコン酸化膜などであってもよい。また成膜装置としてはバッチ式のものに限らず枚葉式のものであってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、被処理体に対して成膜処理した後の反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングするにあたり、反応容器の内壁などへのフッ素の浸透を抑えることができ、装置の運転を再開して被処理体を成膜処理したときにその初期の頃の被処理体の薄膜へのフッ素の混入量が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施の形態に係る成膜装置の一例の構造を示す縦断側面図である。
【図2】クリーニングガスを反応管内に供給したときにおける反応管内の温度推移を示す説明図である。
【図3】クリーニングガスを反応管内に供給しときに反応管内の温度がピーク値になった時点でクリーニングガスの供給を止めた場合の温度推移を示す説明図。
【図4】クリーニングガスを反応管内に供給したときにおける反応管内の温度推移と設定値の設定範囲とを対応させた説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態におけるクリーニング時のフローを示すフロー図である。
【図6】本発明の更に他の実施の形態における制御部を示す構成図である。
【図7】クリーニングガスを反応管内に供給したときにおける反応管内の複数の位置の温度推移の実際のデータを示す説明図である。
【図8】本発明方法と比較方法との夫々でクリーニングを行ったときに、その後の成膜処理で成膜された薄膜中のフッ素濃度を示す説明図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
1 反応管
11 マニホ−ルド
13 排気管
2 ウエハボート
3 ヒータ
41 第1の成膜ガス供給管
42 第2の成膜ガス供給管
43 流量調節部
5 クリーニングガス供給管
61 バルブ
7 制御部
71 プログラム
72 タイマ
73 出力手段
【発明の属する技術分野】
本発明は被処理体に対して成膜処理を行った反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングする方法及びこの方法を実施する成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程の一つとして成膜工程があり、成膜を行う装置として例えば縦型熱処理装置である減圧CVD(chemical vapor deposition)装置が知られている。この減圧CVD装置はその周囲にヒータが設けられた縦型の反応容器である例えば石英製の反応管内に、多数の半導体ウエハ(以下ウエハという)を棚状に配置したウエハボートを搬入し、減圧下の反応管内に成膜ガスを供給して例えば窒化ケイ素膜などの絶縁膜あるいポリシリコン膜などを成膜するものである。
【0003】
このような成膜処理を繰り返し行うと、反応管内に薄膜が積層されていくが、これを放置しておくと膜剥がれが起こってウエハのパーティクル汚染の原因になるし、また反応管の外のヒータからの輻射光の透過が阻害されウエハの温度が不安定になることから、所定のタイミングで反応管内をクリーニングすることが必要である。クリーニングする手法の一つとしてフッ酸溶液で洗浄するウエット洗浄があるが、反応管を炉本体から着脱しなければならないためダウンタイムが長いという欠点がある。
【0004】
一方ドライクリーニングを行う方法も知られており、例えば特許文献1には、ポリシリコン膜を成膜した後、反応管内をある温度T1まで加熱してクリーニングガスとしてClF3ガスを導入し、ClF3ガスとポリシリコン膜との反応熱を熱電対によって監視し、その監視温度が反応熱によって上昇した後、前記温度T1に収束した時点をクリーニングの完了として検出することが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−306628号公報の段落0026及び段落0032
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら反応容器内の温度が元の温度に収束した時点をエンドポイントとしてクリーニングガスを停止すると、装置の運転を再開した後の初期のウエハについては、成膜された薄膜中のフッ素濃度が高い。その理由は反応管内の温度が元の温度に収束した時点では反応管の内壁及びウエハボートなどの石英製品に付着している膜が除去されて更にオーバエッチングされ、クリーニングガス中のフッ素が石英中に浸透し、また薄膜が除去される直前にはその薄膜はかなり薄くなるのでそのときにフッ素が膜を通り抜けて石英中に浸透し、このフッ素が初期の成膜処理中に石英から飛散してウエハの薄膜内に取り込まれることが要因であると考えられる。このようにウエハの薄膜中のフッ素濃度が高くなると、今後半導体デバイスが薄型化したときにデバイスの特性に悪影響を及ぼす懸念、例えばデバイスのゲート酸化膜までフッ素が抜けたときには時間−電圧の関係がシフトする懸念がある。
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、被処理体に対して成膜処理を行った反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングするにあたり、被処理体へのフッ素の混入を抑えることのできるクリーニング方法及び成膜装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理体に対して成膜処理を行った反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングする方法において、
反応容器内にクリーニングガスを供給しながら反応容器内の温度を検出する工程と、
この工程で検出した温度がピーク値Tpに達した後、クリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した値になるまでの間にクリーニングガスの供給を止める工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
クリーニングが開始されると反応容器内に付着している薄膜とクリーニングガスとが反応して反応容器内の温度が上昇し、そのときの温度ピーク値は、反応容器の内壁などに付着している薄膜の大部分が除去された状態であるという指標となるものである。従って上記のタイミングでクリーニングガスの供給を止めれば反応容器内の薄膜をほとんど(あるいは完全に)除去することができ、しかも反応容器内の例えば反応容器の内壁である石英部分や被処理体保持具などの石英製品へのフッ素の浸透を抑えることができ、装置の運転を再開して被処理体を成膜処理したときにその初期の頃の被処理体の薄膜へのフッ素の混入量が低減する。
【0010】
また本発明は、クリーニングガスを停止するタイミングを時間で管理してもよく、反応容器内にクリーニングガスを供給した時点から経過時間を計測する工程と、この工程で計測した経過時間が予め設定した時間に至ったときにクリーニングガスの供給を止める工程と、を含み、
前記予め設定した時間は、反応容器内の温度がピーク値Tpに達したときからクリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した温度になるまでの間の所定の時点に対応する時間とするようにしてもよい。
【0011】
そして本発明に係る装置は、反応容器内にて被処理体に対して成膜処理する成膜装置において、
反応容器内にフッ素を含むクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、
反応容器内の温度を検出する温度検出部と、
クリーニングガスの供給時に前記温度検出部で検出した温度がピーク値Tpに達した後、クリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した値になるまでの間にクリーニングガスの供給を止める手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
更に他の発明に係る装置は、反応容器内にて被処理体に対して成膜処理する成膜装置において、
反応容器内にフッ素を含むクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、
反応容器内にクリーニングガスを供給した時点から経過時間を計測する時間計測部と、
この時間計測部で計測した経過時間が予め設定した時間に至ったときにクリーニングガスの供給を止める手段と、を含み、
前記予め設定した時間は、反応容器内の温度がピーク値Tpに達したときからクリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した温度になるまでの間の所定の時点に対応する時間であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のクリーニング方法を実施する成膜装置をバッチ式の減圧CVD装置に適用した実施の形態について説明する。図1中の1は、例えば石英で作られた内管1a及び外管1bよりなる二重管構造の反応容器である反応管であり、反応管1の下部側には金属製の筒状のマニホールド11が設けられている。前記内管1aは上端が開口されており、マニホールド11の内方側にて支持されている。外管1bは上端が塞がれており、下端がマニホールド11の上端に気密に接合されている。12はベースプレートである。
【0014】
図1は反応管1内にウエハWが搬入されて成膜処理する状態を示しており、前記反応管1内には、複数枚例の被処理体をなすウエハWが各々水平な状態で上下に間隔をおいて保持具である石英製のウエハボート2に棚状に載置されている。より具体的にはこのウエハボート2には、例えば25枚の製品ウエハが搭載され、その上下にダミーウエハなどが搭載される。ウエハボート2は蓋体21の上に例えば石英製の保温ユニット22の設置領域を介して保持されている。保温ユニットは22は石英フィンなどの断熱ユニット及び発熱体ユニットを組み合わせて成り、その中央には、回転軸23が貫通していてボ−トエレベ−タ24に設けられたモ−タMにより回転軸23を介してウエハボ−ト2が回転する。
【0015】
前記蓋体21は、ウエハボート2を反応管1内に搬入、搬出するためのボートエレベータ24の上に搭載されており、上限位置にあるときにはマニホールド11の下端開口部を閉塞する役割を持つものである。
【0016】
また反応管1の周囲には、これを取り囲むように例えば抵抗発熱ヒータ素線よりなる加熱手段であるヒータ30が設けられている。このヒ−タ30の一例としては、例えば細い高純度のカ−ボンファイバの束を複数用いて編み込むことにより形成された線状の可撓性のカ−ボンワイヤを例えば透明な石英管の中に封入して構成されたものなどを挙げることができる。この例では反応管1内の熱処理雰囲気の大部分を受け持つメインヒータ及びその上下に配置されたサブヒータ並びに天井部に設けられたサブヒータが設けられているが、符号は便宜上全て「30」を付してある。なおヒータ30の周囲には図示していないが、炉本体が設けられる。
【0017】
反応管1内には例えば上下方向の異なる位置に例えば熱電対からなる複数の温度検出部4が設けられ、この例ではウエハWの載置領域の上下方向の中央部である中段部、下端に近い下段部、上端に近い上段部、上段部と中段部の間の上中段部に夫々温度検出部4(41〜44)が設けられている。
【0018】
前記マニホールド11の周囲には、第1の成膜ガス供給管41、第2の成膜ガス供給管42及びクリーニングガス供給管5が設けられ、夫々内管1aの中にガスを供給できるようになっている。第1の成膜ガス供給管41及び第2の成膜ガス供給管42は夫々成膜ガスである例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)ガス及びアンモニア(NH3)ガスを供給するためのものであり、図示しないガス供給源に接続されている。
【0019】
またクリーニングガス供給管5は、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部をなすものであり、クリーニングガスの供給、停止を行うためのバルブ61が設けられている。このバルブ61の上流側は2本の分岐管51、52に分岐されており、一方の分岐管51にはフッ素(F)ガス供給源62、バルブ63、流量調整部64が、また他方の分岐管52にはフッ化水素(HF)ガス供給源65、バルブ66、流量調整部67が夫々上流側からこの順に設けられている。なお便宜上図示していないが、更にこの例では窒素(N2)ガス供給管がマニホールド11に設けられており、クリーニング時には、フッ素ガス及びフッ化水素ガスと共に窒素ガスが反応管1内に供給されるようになっている。
【0020】
前記マニホールド11には、内管1aと外管1bとの間の空間から排気できるように排気管13が接続されており、この排気管13を通じて真空ポンプ14により反応管1内を減圧できるようになっている。
【0021】
更にこの減圧CVD装置はコンピュータからなる制御部7を備えている。この制御部7は、反応管1内の圧力、温度及びガスの供給などの制御を行うものであるが、ここでは本実施の形態に関連の深い部分に関して説明する。制御部7は温度検出部4(41〜44)の温度検出値を取り込んでヒータ30の温度制御を行うが、成膜処理後に行うクリーニング工程においてはこの温度検出値に基づいてプログラム71によりバルブ61を閉じるための制御信号を出力し、クリーニングガスの供給を止める役割を持っており、またバルブ61、63、66及び流量調整部64、67の制御信号を出力してクリーニングガスであるフッ素ガス及びフッ化水素ガスの流量を調整するなどの役割もある。
【0022】
ここでクリーニングガスの供給を停止するための手法について図2を参照しながら述べると、図2は、ウエハWに対して成膜処理を行うことにより反応管1内に薄膜が付着した後、ウエハWが存在しない状態でクリーニングガスを供給したときの反応管1内の温度プロファイル(経時変化)を示すものである。成膜処理は例えばジクロルシランガス及びアンモニアガスを用いて窒化シリコン膜を成膜する処理であり、窒化シリコン膜の累積膜厚が例えば1.5μmになっときに例えば300℃を少し越えた温度に設定してクリーニングガスを供給するようにしている。時刻t1にてクリーニングガスを供給すると次式の反応により窒化シリコン(Si3N4)が分解され、このときの反応熱により反応管1内の温度がT0から昇温して時刻t2にてピーク値Tpになり、その後温度が低下して時刻T3に元の温度T0に収束する。
【0023】
Si3N4+4HF+4F2 →3SiF4+2H2+2N2 ……(1)
本実施の形態では、このような温度経時変化データを予め取っておいて温度ピーク値Tpを把握し、クリーニングガスを供給した後このTpを設定値として、温度検出値がピーク値Tpになったときにクリーニングガスを停止するようにプログラム71が組まれている。なお本発明における、クリーニングガスの供給時に温度がピーク値Tpに達した後、所定のタイミングでクリーニングガスの供給を止める手段は、この例ではプログラム71及び図示しないCPUなどに相当する。
【0024】
ところで実際には反応管1内には下から成膜ガスが供給されることからその長さ方向にわずかながら温度傾斜が付けられている場合があり、このため各温度検出部4(41〜44)の温度検出値の温度経時変化パターンはわずかながら異なる場合がある。従ってこの温度データを各温度検出部4(41〜44)毎に取っておいて各温度検出部4(41〜44)毎の温度ピーク値Tpを求めておき、それらを設定値として、実際にクリーニングを行うときには各温度検出部4(41〜44)の温度検出値と対応する温度ピーク値とを比較し、各温度検出値の中でどれか一つでも対応する温度設定値(ピーク値Tp)に達したときにバルブ61の停止信号を出力するようにプログラム71が組まれている。
【0025】
また本発明は、各温度検出部4(41〜44)の温度検出値の中で一番初めにピーク値になるものを予め把握しておき、その温度検出部4の温度検出値と、対応する温度設定値と、を比較してバルブ61を止めるようにしてもよいし、あるいはまた各温度検出部4(41〜44)のいずれかの温度検出値、例えば中段部の温度検出部41の温度検出値のみを監視対象とし、その温度検出値が対応する温度設定値(Tp)になったときにクリーニングガスを停止するようにしてもよい。更にはまた各温度検出部4(41〜44)の温度検出値を制御部7内に取り込んで、そのうちの2個、3個または4個(全部)が対応する温度設定値(Tp)になったときにクリーニングガスを停止するようにしてもよい。
【0026】
次に上述の実施の形態の作用について述べる。先ずこの減圧CVD装置では成膜処理が行われる。即ち、被処理体であるウエハWを所定枚数ウエハボ−ト2に棚状に保持してボ−トエレベ−タ24を上昇させることにより反応管1内に搬入する(図1の状態)。ウエハボ−ト2が搬入されてマニホールド11の下端開口部が蓋体21により塞がれた後、反応管1内の温度をプロセス温度まで昇温させると共に、排気管13を通じて真空ポンプ15により所定の真空度に反応容器内を真空排気する。
【0027】
こうして反応容器内がプロセス温度に安定した後、第1の成膜ガス供給管41及び第2の成膜ガス供給管42から夫々ジクロルシランガス及びアンモニアガスを供給しながら所定の真空度に調整し、ウエハWに窒化シリコン(Si3N4)膜を成膜する。このときウエハボ−ト2はモ−タMにより回転している。こうして成膜処理が所定時間行われた後、成膜ガスの供給を停止して反応管1内の温度を降温し、ウエハボ−ト2を反応容器から搬出(アンロ−ド)する。
【0028】
このような成膜処理を行うと、反応管1、ウエハボート2及び保温ユニット22などにも窒化シリコンの膜が付き、所定の累積膜厚に対応する回数だけ処理した後、クリーニングを行う。なお本発明では成膜処理を行うたびに毎回クリーニングを行ってもよい。
【0029】
続いてクリーニングについて説明すると、先ず反応管1内を例えば300℃程度に維持しておいて、ウエハWを搭載せずにウエハボート2を反応容器内に搬入し、所定の真空度まで真空引きする。次いでクリーニングガスであるフッ素ガス及びフッ化水素ガスを例えばいずれも2SLMの流量で、また窒素ガスを8SLMの流量で反応管1内に供給しながら図示しない圧力調整部により反応管1内の圧力を例えば19.95kpa(150Torr)に維持するように制御し、クリーニング処理を行う。
【0030】
図3はクリーニング時の例えば中段部の温度検出部41の温度検出値の推移を示す図であり、時刻t1にてクリーニングガスを供給すると既述の(1)式の反応が起こって反応管1の内壁及びウエハボート2などに付着している窒化シリコン膜が除去されていくと共にその反応熱により温度が上昇していく。そして温度検出値が既述のようにして予め設定した温度設定値(Tp)になると、バルブ61の閉信号を出力しこれにより時刻t2にバルブ61が閉じてクリーニングガスの供給が停止しクリーニングが終了する。その後はクリーニング時の反応熱が生じないので反応管1内の温度が低下する。
【0031】
上述の実施の形態によれば、クリーニングガスを供給した後の温度上昇のピーク値を予め把握しておいて温度検出値がそのピーク値になったときにクリーニングガスの供給を止めるようにしているため、後述の実施例からも明らかなように、その後の成膜処理によりウエハWに成膜される窒化シリコン膜中のフッ素の混入量を低減することができる。その理由は次のように考えられる。クリーニングにより上記の(1)式の反応が進行するが、反応管1内の窒化シリコン膜が全て除去されると反応が終了し反応熱が発生しなくなる。しかし反応熱の発生により反応管1の温度も上昇するので、反応が終了した後は反応管1の熱容量により直ぐには温度は低下しないと考えられる。このため反応管1内の温度は反応熱がなくなっても反応管1からの熱により元の温度よりも高くなっており、従って図2において反応管1内の温度が元の温度T0に戻った時刻t3においては、反応管1内に付着している窒化シリコン膜が既に除去されてからある程度の時間が経過しており、その間反応管1の内壁及びウエハボート2がクリーニングガス雰囲気にさらされてオーバエッチングが起こっていると思われる。
【0032】
一方において温度ピーク値Tpにおいて窒化シリコン膜が完全に除去されているかは明らかではない。仮に全て除去されているとしたら、温度ピーク値Tpになった時点(時刻t2)にてクリーニングガスの供給を止めたとき(図3)と止めないとき(図2)との間で温度の経時変化に差はないはずであるが、実験によるとクリーニングガスを止めたときの方が温度の落ち方がわずかに早くなっている。このことは温度がピーク値Tpになった後も反応が進行していると推測される。しかし反応管1内の温度がピーク値Tpを越えるということは、ピーク値Tpを境にして窒化シリコン膜の膜厚が急激に薄くなっていると見ることができ、上記の温度推移の差と反応管1の熱容量の両者とを考え合わせると、反応管1内の窒化シリコン膜が完全に除去されるのは温度ピーク値Tpを過ぎてから元の温度T0に戻るまでの間にあると考えられ、しかも完全に除去されるタイミングは温度ピーク値Tpを過ぎてからそれほど長くは経っていない時点であると思われる。なお窒化シリコン膜が相当薄い状態では、目視で膜が付着しているか否かを確認することは極めて困難である。
【0033】
以上のことから温度ピーク値は、反応管1の内壁などに付着している窒化シリコン膜の大部分が除去された状態であるという指標となるものであり、上述実施の形態のように温度検出値がピーク値Tpに達した時点でクリーニングガスの供給を止めれば、反応管1の内壁及びウエハボート2などの石英製品に付着した窒化シリコン膜をほとんど(あるいは完全に)除去することができ、しかも反応管1の内壁などの石英部分へのフッ素の浸透を抑えることができ、装置の運転を再開してウエハWを成膜処理したときにその初期の頃のウエハW上の窒化シリコン膜へのフッ素の混入量が低減する。従って今後半導体デバイスが薄膜化してもデバイスの特性例えばゲートの時間−電圧特性に悪影響を及ぼすおそれがないことから有効な技術である。更にまた従来のように反応管1内の温度がクリーニング開始前に設定した温度T0に収束するのを待つ手法に比べて格段にクリーニングに要する時間が短くなる。
【0034】
本発明者の実験によると、温度検出値がピーク値Tpに達した後、温度上昇分の5割落ちるまでにクリーニングガスの供給を止めれば、元の温度T0に収束したときをエンドポイントとするよりも反応管1の内壁等にフッ素が浸透することを抑えられることを把握している。温度上昇分の5割落ちた温度とは、T0+0.5(Tp−T0)で表される温度である。図4は、成膜処理後のクリーニング時の温度の経時変化を示す図2と同様のグラフであり、時刻t4にて温度がピーク値Tpから、温度上昇分の50%落ちたことを示している。
【0035】
従って本発明では、クリーニングガスの供給を停止するための温度設定値Tsとしては、ピーク値Tpに限らずピーク値Tpを越えた後、T0+0.5(Tp−T0)で表される温度になるまでの間の選択した(所定の)温度であってもよい。図5はこの場合のフローを示し、ステップS1にてクリーニングガスの供給を開始し、温度が上昇中か否かを判定し(ステップS2)、ピーク値Tpを越えた後、温度検出値が予め設定した温度Tsになったか否かを判定し(ステップS3)、設定温度Tsになったときにクリーニングガスの供給を停止するようにしている(ステップS4)。
【0036】
以上において、本発明は温度検出値を監視してクリーニングガスを停止するための信号を出力する代わりに、温度検出値がピーク値Tpになるまでの時間あるいはピーク値Tpを越えて設定値まで低下するのに要する時間を予め調べておき、経過時間を管理して予め設定した時間になったときにクリーニングガスの供給を停止するようにしてもよい。図6はこのような実施の形態を示す図であり、この例は、制御部7内の時間計測手段であるタイマ72をクリーニングガスの供給を開始したときに動作させ、反応管1内の温度がピーク値Tpに達したときからこのピーク値Tpを過ぎてT0+0.5(Tp−T0)になるまでの間の所定の時点に対応する時間が経過したときにタイムアップし、これにより出力手段73からバルブ61を閉じるための制御信号を出力するように構成されている。
【0037】
【実施例】
実施例1
ウエハに窒化シリコン膜を成膜してその累積膜厚が1.5μmになった後、反応管内をクリーニングし、このときクリーニングガスを供給してから40分が経過するまでの間の温度を図1で述べたように4個の温度検出部4(41〜44)を用いて検出し、温度の経時変化を調べた。図7は各温度検出部41〜44で検出した温度の経時変化であり、(イ)は上段部の温度(温度検出部43の温度検出値)、(ロ)は上中段部の温度(温度検出部44の温度検出値)、(ハ)は中段部の温度(温度検出部41の温度検出値)、(ニ)は下段部の温度(温度検出部42の温度検出値)である。この図から分かるように、上段の温度がピーク値になるタイミングがわずかに遅れるが、各段の温度がピーク値になるタイミングは概ね揃っているといえる。またクリーニングガスの供給を開始した時点からおよそ35分経過した時点(時間軸の40分付近)では各段の温度は元の温度に収束している。
【0038】
そこで図7の時間軸の40分でクリーニングガスの供給を止めた場合と、中段の温度がピーク値になった時点(時間軸の17分付近)でクリーニングガスの供給を止めた場合との夫々について、その反応管内で成膜された窒化シリコン膜中のフッ素濃度を調べた。いずれの場合もクリーニングを行う前に累積膜厚が1.5μmになるように窒化シリコン膜の成膜処理を行っている。またいずれにおいてもクリーニング後の成膜処理に用いた基板は、フッ化水素溶液(フッ酸溶液)を用いてウエットクリーニングを行った反応管を用いてウエハ上に窒化シリコン膜を成膜したものを用いた。これは下地に同じ膜を用いることにより分析装置であるSIMSの感度変化を避けるためである。
【0039】
フッ素濃度の測定は、両者のウエハ上の窒化シリコン膜についてSIMSにより深さ方向のフッ素濃度のプロファイルを求めることにより行った。結果は図8に示すとおりである。(a)、(b)は夫々クリーニングを行う際、温度がピーク値になったとき(時間軸の17分)にクリーニングガスの供給を止めたときの下段側及び上段側のウエハ上の窒化シリコン膜中のフッ素濃度であり、(c)、(d)は夫々クリーニングを行う際、温度が元の温度に収束したとき(時間軸の40分)にクリーニングガスの供給を止めたときの下段側及び上段側のウエハ上の窒化シリコン膜中のフッ素濃度である。この結果から温度が元の温度に収束した時をエンドポイントとするクリーニング方法に比べて本発明によるクリーニング方法はフッ素濃度を低減できることが理解される。
【0040】
実施例2
クリーニングを行う際、温度がピーク値になってから温度上昇分の50%下がったときにクリーニングガスの供給を止め、その後同様にして下段側及び上段側のウエハ上の窒化シリコン膜中のフッ素濃度を調べた。より具体的にはクリーニング時の上段部の温度検出部43の温度検出値が図7から分かるように302℃から312℃までの10℃上昇していることから当該温度検出値が5℃下がった時点つまり317℃になったときにクリーニングガスの供給を止めた。窒化シリコン膜中のフッ素濃度はピーク値でクリーニングガスを止めた場合と同等の結果であった。
【0041】
参考実験
また上述の実験の他に次のような実験を行った。即ち、成膜処理を行った後の反応管内にクリーニングガスを供給し、反応管内の温度が元の温度に収束するまでクリーニングを行った当該反応管と、成膜処理を1度も行っていない新品の反応管とを夫々用いて同じプロセス条件で窒化シリコン膜を成膜し、膜中のフッ素濃度を調べたところ、新品の反応管を用いた場合の方がフッ素濃度が一桁近く少なかった。このことからクリーニングガス中のフッ素が反応管の内壁などを介してウエハ上の薄膜に混入することが明らかである。
【0042】
なおフッ素を含むクリーニングガスとしては上述のガスに限られず、ClF3ガスなどであってもよいし、被処理体に形成される薄膜としてはポリシリコン膜あるいはTEOSを原料とするシリコン酸化膜などであってもよい。また成膜装置としてはバッチ式のものに限らず枚葉式のものであってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、被処理体に対して成膜処理した後の反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングするにあたり、反応容器の内壁などへのフッ素の浸透を抑えることができ、装置の運転を再開して被処理体を成膜処理したときにその初期の頃の被処理体の薄膜へのフッ素の混入量が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施の形態に係る成膜装置の一例の構造を示す縦断側面図である。
【図2】クリーニングガスを反応管内に供給したときにおける反応管内の温度推移を示す説明図である。
【図3】クリーニングガスを反応管内に供給しときに反応管内の温度がピーク値になった時点でクリーニングガスの供給を止めた場合の温度推移を示す説明図。
【図4】クリーニングガスを反応管内に供給したときにおける反応管内の温度推移と設定値の設定範囲とを対応させた説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態におけるクリーニング時のフローを示すフロー図である。
【図6】本発明の更に他の実施の形態における制御部を示す構成図である。
【図7】クリーニングガスを反応管内に供給したときにおける反応管内の複数の位置の温度推移の実際のデータを示す説明図である。
【図8】本発明方法と比較方法との夫々でクリーニングを行ったときに、その後の成膜処理で成膜された薄膜中のフッ素濃度を示す説明図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
1 反応管
11 マニホ−ルド
13 排気管
2 ウエハボート
3 ヒータ
41 第1の成膜ガス供給管
42 第2の成膜ガス供給管
43 流量調節部
5 クリーニングガス供給管
61 バルブ
7 制御部
71 プログラム
72 タイマ
73 出力手段
Claims (6)
- 被処理体に対して成膜処理を行った反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングする方法において、
反応容器内にクリーニングガスを供給しながら反応容器内の温度を検出する工程と、
この工程で検出した温度がピーク値Tpに達した後、クリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した値になるまでの間にクリーニングガスの供給を止める工程と、を含むことを特徴とする反応容器のクリーニング方法。 - 被処理体に対して成膜処理を行った反応容器内をフッ素を含むクリーニングガスによりクリーニングする方法において、
反応容器内にクリーニングガスを供給した時点から経過時間を計測する工程と、
この工程で計測した経過時間が予め設定した時間に至ったときにクリーニングガスの供給を止める工程と、を含み、
前記予め設定した時間は、反応容器内の温度がピーク値Tpに達したときからクリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した温度になるまでの間の所定の時点に対応する時間であることを特徴とする反応容器のクリーニング方法。 - 反応容器は石英製であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の反応容器のクリーニング方法。
- 反応容器内にて被処理体に対して成膜処理する成膜装置において、
反応容器内にフッ素を含むクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、
反応容器内の温度を検出する温度検出部と、
クリーニングガスの供給時に前記温度検出部で検出した温度がピーク値Tpに達した後、クリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した値になるまでの間にクリーニングガスの供給を止める手段と、を備えたことを特徴とする成膜装置。 - 反応容器内にて被処理体に対して成膜処理する成膜装置において、
反応容器内にフッ素を含むクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、
反応容器内にクリーニングガスを供給した時点から経過時間を計測する時間計測部と、
この時間計測部で計測した経過時間が予め設定した時間に至ったときにクリーニングガスの供給を止める手段と、を含み、
前記予め設定した時間は、反応容器内の温度がピーク値Tpに達したときからクリーニングガスを供給する前の反応容器内の温度T0と(Tp−T0)×0.5とを加算した温度になるまでの間の所定の時点に対応する時間であることを特徴とする成膜装置。 - 反応容器は石英製であることを特徴とする請求項4または5記載の成膜装置。
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JP2002337082A JP2004172409A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 反応容器のクリーニング方法及び成膜装置 |
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