JP6358587B2 - 室内外用板部材およびテーブル - Google Patents
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実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る室内外用板部材を備えたテーブルの構成を示す。このテーブルは、板形状を有する室内外用板部材1と、室内外用板部材1の裏面に固定された4つの脚部2とを有する。
図2に、室内外用板部材1の断面図を示す。木板部3は、板状に形成された木材から構成され、木材に形成された年輪6の外側に木表面7が位置すると共に年輪6の内側に木裏面8が位置する。また、木表面7と木裏面8を接続するように小口面9と木端面10が位置し、小口面9が年輪6を横断するように幅方向Wに延びると共に木端面10が年輪6の延びる長さ方向Lに延びている。このため、小口面9には、年輪6の湾曲線11が木表面7側に凸状となるように形成されている。また、木板部3は、木表面7、木裏面8、小口面9および木端面10がそれぞれ矩形状となるように形成されている。
なお、木板部3は、例えば、スギ材、ヒノキ材、パイン材および合板などの木材から構成することができる。
なお、反り拘束部12と撓み拘束部13は、木板部3に形成された拘束部用溝部14内に収められ、その表面が木板部3の木表面7および木裏面8と同一平面上に位置される。
ここで、緩み止め部5は、反り拘束部12および撓み拘束部13と同様に、プラスチック複合材料から構成されている。プラスチック複合材料としては、繊維強化プラスチックなどが挙げられ、特に引張力、強度および重さの観点から炭素繊維強化プラスチックおよびガラス繊維強化プラスチックを用いることが好ましい。
なお、図4に示すように、木板部3、形状拘束部4および緩み止め部5を覆う外装シート18を配置することが好ましく、これにより形状拘束部4および緩み止め部5を外部から見えないように隠すことができる。
まず、図5に示すように、木板部3の木表面7と木裏面8に拘束部用溝部14が形成されると共に、木板部3の木裏面8に緩み止め部用溝部15が形成される。続いて、図6に示すように、形状拘束部4の反り拘束部12と撓み拘束部13が、拘束部用溝部14内に収容されて接着剤を介して木板部3に接着される。また、緩み止め部5が、緩み止め部用溝部15内に収容されて木板部3に接着される。この時、反り拘束部12、撓み拘束部13および緩み止め部5を構成するプラスチック複合材料は、幅広い種類の接着剤に対して接着効果が得られ、例えば木板部3に好適に用いられる木工用の接着剤で接着することができる。
この時、反り拘束部12および撓み拘束部13は、木板部3と比較して大きな引張力と強度を有するプラスチック複合材料から構成されている。このため、木板部3の幅方向Wおよび長さ方向Lへの変形が反り拘束部12および撓み拘束部13の大きな引張力と強度により抑制され、木板部3の反りおよび撓みを長期間にわたって抑制することができる。また、プラスチック複合材料は、金属などの剛性が強い素材と比較して軽いため、反り拘束部12および撓み拘束部13を接着しても木板部3に大きな負荷を与えることがなく、木板部3の変形を確実に抑制することができる。
また、反り拘束部12および撓み拘束部13は、木板部3に対して接着剤を介して接着されており、その接着面積に応じて接着力を向上させることができる。このため、反り拘束部12および撓み拘束部13は、表面に凹凸を形成する、いわゆるHi−Grip処理を施すことにより表面積を高めることが好ましく、これにより接着力をさらに向上させることができる。
また、撓み拘束部13は、木板部3の幅方向Wに互いに平行に長さ方向Lに連続して延びるように形成されており、これにより少量の撓み拘束部13で木板部3の撓みを確実に抑制することができる。
また、緩み止め部5は、木板部3に対して接着剤を介して接着されており、その接着面積に応じて接着力を向上させることができる。このため、緩み止め部5は、表面に凹凸を形成する、いわゆるHi−Grip処理を施すことにより表面積を高めることが好ましく、これにより接着力をさらに向上させることができる。
また、緩み止め部5は、積層構造とすることもできる。例えば、緩み止め部5は、2層構造とし、固定具17を挿入する外側の層を複数方向に互いに交差する繊維強化プラスチックから構成すると共に、木板部3に接する内側の層をフレーク状の短繊維および粒状のペレットなどの繊維強化プラスチックまたはプラスチックから構成することができる。また、緩み止め部5は、3層構造として、固定具17が挿入される外側の層と木板部3に接する内側の層を複数方向に互いに交差する繊維強化プラスチックから構成すると共に、これらの間に配置される中間層をフレーク状の短繊維および粒状のペレットなどの繊維強化プラスチックまたはプラスチックから構成することができる。
そこで、木板部3を製造する早い段階、例えば原木を切断した後の早い段階で木板部3に反り拘束部12を接着することにより、木板部3に長期間の乾燥処理を施すことなく、木板部3に水分が含まれた状態で室内外用板部材1を製造することができ、木板部3の反りを抑制するための労力を大幅に削減することができる。
さらに、スギ材は、他の木材と比較して軽いため、室内外用板部材1を軽量化することもできる。
また、反り拘束部12と撓み拘束部13は、木板部3の変形が極端に大きくなる部分に連続して延びるように設けることが好ましい。例えば、図10に示すように、木板部3の縁部から中央部側に距離を空けて脚部21が設けられた場合には、木板部3を支持する脚部21の間に大きな撓みが生じるため、脚部21の間を延びるように撓み拘束部22を設けることにより、木板部3の撓みを充分に抑制することができる。
上記の実施の形態1では、室内外用板部材1はテーブルの天板として用いられたが、室内外で用いられる家具および建具などに幅広く用いることができ、これに限られるものではない。例えば、図12に示すように、室内外用板部材をドアに用いることもできる。このドアは、室内外用板部材25と、室内外用板部材25を回動可能に固定する蝶番26と、ドアを開閉するためのドアノブ27とを有する。
室内外用板部材25は、木材から構成された木板部28と、木板部28の木表面および木裏面に年輪の湾曲線に対向して延びるように接着される一対の反り拘束部29と、木板部28の木表面および木裏面にその長辺と平行に延びるように接着される一対の撓み拘束部30と、蝶番26の固定箇所に対応して木板部28に接着される緩み止め部31とを有する。
このように、木板部28に反り拘束部29、撓み拘束部30および緩み止め部31を接着するだけで木板部28の反りおよび撓みが拘束されると共に固定具32が木板部28に強固に固定されるため、高品質なドアを簡便に得ることができる。特に、玄関に用いられるドアは、外部に露出する外面と室内に露出する内面との間で温度および湿度の差が大きく、木板部28が大きく変形されるおそれがあるが、反り拘束部29および撓み拘束部30により木板部28の変形を確実に抑制することができる。
また、室内外用板部材25の内部が木材で満たされているため、ドアを設置した際に音漏れを確実に抑制することができる。ここで、室内外用板部材25の内部を木材で満たすことによりドアが重くなるおそれがあるが、他の木材と比較して軽いスギ材から木板部28を構成することにより、ドアを軽量化することができる。
このことから、木板部に撓み拘束部を接着することにより、木板部の撓みを確実に抑制できることがわかる。
なお、スギ材より柔らかい材木を想定して、ポリスチレンの発砲体、いわゆる発泡スチロールに緩み止め部を介して固定具を差し込んだところ固定具を発泡スチロールに固定することができた。このことから、スギ材より柔らかい材木から木板部を形成した場合でも緩み止め部を用いて固定具を強固に固定できることがわかった。
Claims (7)
- 板状に形成された板部と、
繊維材料が複数方向に延びて互いに交差するように配置された繊維強化プラスチックを含み、前記板部の固定箇所に沿うような板形状を有し、前記固定箇所に対応して接着される緩み止め部と
を備え、
前記板部を固定する固定具が、前記緩み止め部を貫通して前記板部内に差し込まれる室内外用板部材。 - 前記板部は、木材から構成される請求項1に記載の室内外用板部材。
- 前記緩み止め部は、前記繊維強化プラスチックのみからなる請求項1または2に記載の室内外用板部材。
- 前記緩み止め部は、複数の層が積層された構造を有し、前記板部から最も離れて配置される層は、繊維材料が複数方向に延びて互いに交差するように配置された繊維強化プラスチックからなる請求項1または2に記載の室内外用板部材。
- 前記緩み止め部は、前記繊維強化プラスチックの繊維材料の長さが10mm以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の室内外用板部材。
- 前記固定具は、複数のネジ山が形成され、
前記緩み止め部は、前記固定具のネジ山2つ分以上の厚みを有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の室内外用板部材。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の室内外用板部材と、
前記室内外用板部材を支持する脚部とを備えるテーブル。
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