以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。以下の説明では、図1の右上方、左下方、右下方、左上方、下方、および上方を、それぞれ、印字装置1の前方、後方、右方、左方、上方、および下方と定義する。
図1を参照し、第一実施形態に係る印字装置1の概略構成を説明する。印字装置1は、着脱可能なテープカセット6(図10参照)を装着し、テープカセット6に収容された印字媒体であるテープ100(図10参照)に文字、数字、図形等のキャラクタを印字することが可能である。テープ100は、印字媒体であり、例えば接着剤が塗布されて剥離紙が貼りつけられた印字テープである。テープカセット6には、加熱されることによってテープ100にキャラクタを熱転写するインクリボン(図示略)が収容される。
印字装置1の形状は、略直方体状である。印字装置1は、本体筐体2とカバー5とを主に備える。本体筐体2およびカバー5は、それぞれ、樹脂製である。本体筐体2の下面の後部には、キーボード11が設けられる。キーボード11は、種々の文字入力等を行う。キーボード11の前方には、機能キー群12が設けられる。機能キー群12は、電源の入切、印字キー等、印字装置1の各種制御を行う。機能キー群12の前方には、液晶ディスプレイ13が設けられる。液晶ディスプレイ13は、入力した文字や記号等を表示する。カバー5は、本体筐体2の上側に開閉自在に装着される。以下、カバー5が本体筐体2に対して閉じられた状態を「閉塞状態」という。カバー5が本体筐体2に対して開かれた状態を「開放状態」という。開放状態から閉塞状態に切り替わる過程を「閉塞過程」という。
なお、本体筐体2の内部には、制御基板(図示略)、電源基板(図示略)等が設けられる。制御基板は、制御回路を構成し、印字装置1を制御する。電源基板は、電源回路を構成する。
図2から図4を参照し、印字装置1の内部構成を説明する。本体筐体2の上面には、開放状態で外部に開口する本体開口部20が形成される。本体開口部20の右側後部には、電池装着部21が設けられる。電池装着部21は、複数(本実施形態では、6本)の電池212を着脱可能である。本体開口部20において、電池装着部21の前側には、カセット装着部22が設けられる。カセット装着部22は、テープカセット6を着脱可能である。以下、カセット装着部22にテープカセット6が装着された状態を「装着状態」という。
カセット装着部22には、リボン巻取軸33、テープ送りローラ軸32、ヘッドホルダ291等が設けられる。リボン巻取軸33は、カセット装着部22の略中央部に立設される。リボン巻取軸33は、テープカセット6に設けられた後述のリボン巻取スプール631に挿入されて回転駆動する。テープ送りローラ軸32は、カセット装着部22の右前角部に立設される。テープ送りローラ軸32は、後述のテープ送りローラ632に挿入されて回転駆動する。ヘッドホルダ291は、リボン巻取軸33の右方に立設される。ヘッドホルダ291の右面には、複数の発熱素子を有するサーマルヘッド29が設けられる。印字装置1は、サーマルヘッド29の発熱素子への通電を制御し、個々の発熱素子を個別に発熱させることで、テープカセット6から引き出されたテープ100(図10参照)の印字面にインクリボン(図示略)によってキャラクタを印字する。
本体筐体2の右前角部には、切断用ノブ14が設けられる。切断用ノブ14の左側には、本体開口部20の前壁を前後方向に貫通する排出口26が設けられる。排出口26の後側には、切断機構141が設けられる。切断機構141は、切断用ノブ14が本体筐体2の内側に向けて押下されることで駆動し、キャラクタが印字されたテープ100を切断する。切断機構141によって切断されたテープ100は、排出口26から排出される。
排出口26の左側には、本体開口部20の後壁の上端部から下方に凹む凹部27が形成される。凹部27の下面には、下方に凹む係合口271が設けられる。本体開口部20の後端部の左右両側には、下方に凹む一対の係合口28が設けられる。
カセット装着部22の右側には、平面視板状の保護部36が設けられる。保護部36は、後述のサイドセンサ本体部8およびローラホルダ38の上側に配置される。なお、図3、図4では、便宜的に保護部36を省略している。保護部36には、保護部36を上下方向にそれぞれ貫通するローラホルダカム案内孔361とサイドセンサカム案内孔362とが設けられる。ローラホルダカム案内孔361とサイドセンサカム案内孔362は、保護部36において前後方向に並んで形成される。ローラホルダカム案内孔361には、閉塞状態で後述のローラホルダカム54(図5参照)が貫通する。サイドセンサカム案内孔362には、閉塞状態で後述のサイドセンサカム55(図5参照)が貫通する。
図3、図4に示すように、保護部36の下側にはローラホルダ38が設けられる。ローラホルダ38の後端部には、上下方向に延びる回動軸37が設けられる。ローラホルダ38は、回動軸37によって左右方向に回動可能に軸支される。ローラホルダ38は、巻きバネ39(図8参照)によって右方へ回動するように付勢されている。詳しくは後述するが、ローラホルダ38は、閉塞過程で後述のローラホルダカム54によって左方へ回動する。ローラホルダ38は、左方に開口する開口部を有する。ローラホルダ38の開口部の前後方向の略中央部には、プラテンローラ30が平面視反時計回りに回転可能に軸支される。閉塞状態では、ローラホルダ38が左方へ回動しているため、プラテンローラ30は、テープ100をサーマルヘッド29に押圧する。ローラホルダ38の開口部の前端部には、テープサブローラ31が平面視反時計回り回転可能に軸支される。閉塞状態では、ローラホルダ38が左方へ回動しているため、テープサブローラ31は、テープ100を後述のテープ送りローラ632(図10参照)に押圧する。
保護部36の下側、且つ、プラテンローラ30と回動軸37との間には、受台81とサイドセンサ本体部8とが設けられる。受台81は、正面視L字状であり、下面が本体開口部20に固定される。受台81の左面である受面811には、左方に延出する第一支軸821(図7参照)および第二支軸822(図7(B)参照)が設けられる。第一支軸821および第二支軸822は、それぞれ、円柱状であり、互いに平行に延びる。以下、第一支軸821の径(前後方向の最大長さ)を「長さL1」という(図7(A)参照)。サイドセンサ本体部8は、第一支軸821と第二支軸822とによって左右方向に移動可能に支持される。サイドセンサ本体部8の詳細構造は後述する。
図5を参照し、カバー5の構成を説明する。カバー5は、閉塞状態において本体筐体2の上側に配置して本体開口部20を覆う。カバー5の形状は、平面視略矩形状である。カバー5には、押圧部51、一対の係合片52、ローラホルダカム54、サイドセンサカム55等が設けられる。押圧部51は、カバー5の前端部における左右方向中央部よりも左側から下方に延出する板状部材である。押圧部51は、閉塞状態において凹部27(図2参照)を前側から覆う。
押圧部51の下端部の中央部には、下方に突出する係合片511が設けられる。係合片511は、係合口271(図2参照)に係合可能である。一対の係合片52は、カバー5の後端部の左右両側から下方に突出する。一対の係合片52は、それぞれ、一対の係合口28(図2参照)に係合可能である。
ローラホルダカム54は、カバー5の右前端部近傍から下方に突出するカム部材である。ローラホルダカム54の形状は、上下方向を長手方向とした略直方体状であり、その先端部は正面視略三角形状である。詳しくは後述するが、ローラホルダカム54は、閉塞過程で、ローラホルダ38を左右方向に移動させる(図3、図4参照)。
サイドセンサカム55は、カバー5の右端部近傍における前後方向略中央部から下方に突出するカム部材である。詳しくは後述するが、サイドセンサカム55は、閉塞過程で、サイドセンサ本体部8を左右方向に移動させる(図8、図9参照)。
サイドセンサカム55は、平板部551、第一突出部552、および第二突出部553を備える。平板部551は、側面視略矩形状の板状部材である。第一突出部552および第二突出部553は、平板部551の下端部(カバー5とは反対側の端部)に前後方向に並んで配置された一対の突出部である。第一突出部552は、第二突出部553よりも前側に配置される。
第一突出部552は、第一部材552Aと第二部材552Bとを備える。第一部材552Aは、前後方向および上下方向に延びる側面視略矩形状の板状部材である。第二部材552Bは、第一部材552Aの後端部から左方に延びる正面視略矩形状の板状部材である。第二部材552Bの下端部は、左方に沿って上方に傾斜する方向に延びる。第二部材552Bの左端部は、閉塞状態において後述の基準面953(図6参照)と略平行に延びる。第二部材552Bの上端部は、カバー5に接続される。
第二突出部553は、第一部材553Aと第二部材553Bとを備える。第一部材553Aは、前後方向および上下方向に延びる側面視略矩形状の板状部材である。第二部材553Bは、第一部材553Aの前端部から左方に延びる正面視略矩形状の板状部材である。第二部材553Bの下端部は、左方に沿って上方に傾斜する方向に延びる。第二部材553Bの左端部は、閉塞状態において後述の基準面953と略平行に延びる。第二部材553Bの上端部は、カバー5に接続される。第一実施形態では、第二突出部553の上下方向の長さは、第一突出部552の上下方向の長さよりも大きい。
第一突出部552と第二突出部553との間には、溝部554が形成される。溝部554は、第一部材552Aの後端部、平板部551の下端部、および第一部材553Aの前端部によって囲まれた部位である。以下、第一突出部552のうち溝部554とは反対側の端部と、第二突出部553のうち溝部554とは反対側の端部との前後方向における間の距離を「距離D1」という。溝部554の下端部(カバー5とは反対側の端部)における前後方向の長さを「長さL2」という。長さL2は、長さL1よりも大きい。
カバー5の前後方向の略中央部の左部には、平面視略矩形状に開口するカバー開口部56が形成される。カバー開口部56は、装着状態、且つ、閉塞状態において後述の窓部66(図3参照)に対向する。
カバー5の下面には、複数の押さえピン571〜575が立設される。複数の押さえピン571〜575は、装着状態、且つ、閉塞状態においてテープカセット6の上面をカセット装着部22に押圧する。これにより、テープカセット6は、カセット装着部22に対して上下方向の位置を位置決めされる。
上記構成によれば、カバー5は、開放状態から閉塞状態に切り替えられる場合、一対の係合片52が一対の係合口28にそれぞれ係合する。次いで、閉塞過程において、カバー5は、それぞれ係合した一対の係合片52および一対の係合口28を回動軸として、前側下方に回動する。次いで、カバー5は、係合片511と係合口271とが係合し、開放状態から閉塞状態に切り替えられる。
カバー5は、閉塞状態から開放状態に切り替えられる場合、押圧部51が内側へ押下されながら、それぞれ係合した一対の係合片52および一対の係合口28を回動軸として、後側上方に回動する。これにより、係合片511と係合口271との係合が解除され、カバー5は閉塞状態から開放状態に切り替えられる。
図6、図7を参照し、サイドセンサ本体部8の詳細構造を説明する。図7(A)は、サイドセンサ本体部8および受台81の平面図である。図7(B)は、図7(A)のX3−X3線矢視方向断面図である。サイドセンサ本体部8の形状は、略直方体状である。サイドセンサ本体部8は、機械式センサ85、誘導部4、固定部400、および保持部91を備える。
図6に示すように、機械式センサ85は、基板86とスイッチ部87とを備える。基板86の形状は、側面視略矩形状の板状である。基板86の左面には、保持面861が形成される。保持面861は、閉塞状態、且つ、装着状態において、後述の指標面70(図10参照)を向く面である。基板86の下端部の後部には、側面視略矩形状に上方に凹む凹部881が形成される。基板86の前端部における上下方向の中央部には、側面視矩形状に後方に凹む係合部882が形成される。基板86における凹部881の上側には、側面視円形状の第一貫通孔89が形成される。第一貫通孔89は、基板86における上下方向の略中央部を左右方向に貫通する。
スイッチ部87は、保持面861において、第一貫通孔89よりも前側に配置される。スイッチ部87には、左方に突出する複数(第一実施形態では、4つ)のスイッチ端子871〜874(図7(A)参照)が設けられる。4つのスイッチ端子871〜874は、それぞれ、後述する4つの指標部651〜654(図10参照)に対応する位置に設けられる。4つのスイッチ端子871〜874の各形状は、正面視略三角形状の平板状である。4つのスイッチ端子871〜874は、それぞれ独立してスイッチ部87に対して進退可能である。機械式センサ85は、スイッチ端子871〜874の少なくとも一つが押下された場合には、押下されたスイッチ端子に応じてオン信号を制御回路(図示略)に出力するように構成される。制御回路は、機械式センサ85から入力された出力信号に基づいてテープ100の種類(例えば、テープ幅等)を判別可能である。
誘導部4は、基板86の右面の後側略半分に設けられる板状の部材である。誘導部4の下端部の後部には、側面視略矩形状に上方に凹む凹部41が形成される。凹部41の形状は、凹部881の形状と略等しい。誘導部4の右面には、特定面42と第一傾斜面43とが形成される。特定面42は、誘導部4の右面の下側略半分に設けられ、保持面861と略平行に延びる面である。第一傾斜面43は、特定面42の上端部に連続して設けられ、上方に沿って左方に傾斜する方向に延びる面である。
誘導部4の後部における上下方向の略中央部には、左右方向に貫通する側面視円形状の第二貫通孔44が形成される。第二貫通孔44の径は、第一貫通孔89の径と略等しい。第二貫通孔44の右側の開口縁は、特定面42と第一傾斜面43とによって形成される。つまり、第一傾斜面43は、前後方向に第二貫通孔44と並ぶ位置から上方に沿って左方に傾斜する方向に延びる。以下、第一傾斜面43の前端部から後端部までの前後方向の長さのうち最小長さを「長さD2」という。なお、特定面42の前後方向の最大長さは、長さD2と略等しい。第二貫通孔44の径(前後方向の最大長さ)を「長さD3」という。長さD1は、長さD3よりも大きい。長さD2は、長さD1よりも大きい。
固定部400は、第四貫通孔401およびネジ403を備える。第四貫通孔401は、第一傾斜面43の略中央部に設けられ、側面視円形状に誘導部4を左右方向に貫通する。第四貫通孔401の右部には、座ぐり402が形成される。ネジ403は、第四貫通孔401を貫通し、基板86に締め込まれることにより、誘導部4を基板86に連結する。以下、座ぐり402の上端部における左右方向の長さを「長さT1」という。ネジ403の頭部における左右方向の長さを「長さT2」という。長さT1は、長さT2よりも大きい。ゆえに、ネジ403の右端部は、座ぐり402の開口縁に囲まれた領域よりも左方に位置する。換言すると、ネジ403が基板86に締め込まれた場合、正面視でネジ403の頭部全体が座ぐり402の内部に収まるため、ネジ403の頭部は第一傾斜面43よりも右方に突出しない。
保持部91は、枠部92、規制部93、係合部94、およびガイド軸95を備える。枠部92は、上下方向および前後方向に延びる板状の基部と、基部の周縁に沿って右方に突出する周壁とを有する、右側に開口する箱状である。枠部92の周壁の右端部は、枠部92の開口縁に沿って接触面923を形成する。接触面923は、保持面861と略平行に延びる平面である。枠部92の基部の略中央には、左右方向に貫通する側面視略矩形状のスイッチ開口部96が形成される。4つのスイッチ端子871〜874は、スイッチ開口部96から左方に突出する。枠部92の左面の後方上側には、左方に突出する基準片84(図7参照)が設けられる。
規制部93は、枠部92の後下部から右方に突出する側面視U字状の部材である。規制部93の前後方向の長さは、凹部881および凹部41の各前後方向の長さよりもわずかに小さい。規制部93は、凹部881および凹部41に挿入され、凹部41よりも右方に突出する。規制部93には、左右方向に貫通する側面視円形状の補助貫通孔932が形成される。補助貫通孔932の径は、第二支軸822の径よりもわずかに大きい。補助貫通孔932には、第二支軸822が貫通する。規制部93の右端部は、補助貫通孔932の輪郭に沿って補助面931を形成する。補助面931は、保持面861と略平行に延びる。
係合部94は、枠部92の前端部における左右方向の中央部から上方に突出する板状部材である。保持部91は、係合部94が係合部882に係合することで機械式センサ85に固定される。この場合、接触面923は、保持面861と接触して機械式センサ85を支持する。
ガイド軸95は、枠部92の後部における左右方向の略中央部から右方に突出する円柱状の軸部材である。ガイド軸95の外径は、第一貫通孔89および第二貫通孔44の各径よりもわずかに小さい。ガイド軸95は、第一貫通孔89および第二貫通孔44を貫通し、第二貫通孔44よりも右方に突出する。
図7(B)に示すように、ガイド軸95には、左右方向に貫通する第三貫通孔952が形成される。第三貫通孔952の左端部の径は、第三貫通孔952の右端部の径よりも大きい。第三貫通孔952の最小径である右端部の径は、長さL1よりもわずかに大きい。第三貫通孔952には、第一支軸821が貫通する。第一支軸821は、第三貫通孔952における左右方向の略中央から右側の部分と接触する。以下、ガイド軸95の径(前後方向の最大長さ)を「長さL3」という。長さL3は、長さL2よりも大きい。
図6に示すように、ガイド軸95の右端部は、第三貫通孔952の周囲に沿って基準面953と第二傾斜面954とを形成する。基準面953は、第一傾斜面43の右端部よりも右方で、保持面861と略平行に延びる面である(図7(B)参照)。第二傾斜面954は、基準面953の上端部に連続して設けられ、上方に沿って左方に傾斜する方向に延びる面である。第二傾斜面954の左端部は、第二貫通孔44の右側の開口縁における左端部よりも左方に位置する。つまり、第二貫通孔44の右側の開口縁における左端部は、左右方向において、第二傾斜面954の左端部と基準面953との間に位置する(図7(B)参照)。なお、接触面923から基準面953までの距離は、接触面923から補助面931までの距離と等しい。したがって、基準面953および補助面931は受面811に同時に接触可能である(図7(B)参照)。
図7に示すように、第一支軸821の左端部近傍には、第一支軸821の軸から離間する方向にやや突出するバネ規制部97が設けられる。バネ規制部97よりも右側には、第一支軸821に巻回された圧縮コイルバネ83が設けられる。圧縮コイルバネ83は、バネ規制部97によって第一支軸821の左端部から外れないように規制される。バネ規制部97の右端部は、第三貫通孔952の左右方向の略中央部に設けられた段差部で係止されている。圧縮コイルバネ83は、サイドセンサ本体部8を受面811の方向(右方)に付勢する。なお、基準面953および補助面931が、それぞれ、受面811に接触した場合、サイドセンサ本体部8は、右方への移動が規制される。
上記構成によれば、補助貫通孔932の径は、第二支軸822の径よりもわずかに大きい。第三貫通孔952の最小径である右端部の径は、長さL1よりもわずかに大きい。互いに平行に延びる第一支軸821および第二支軸822は、それぞれ、第三貫通孔952および補助貫通孔932を貫通する。これにより、サイドセンサ本体部8は、第一支軸821および第二支軸822に沿って移動可能である。
図10を参照し、テープカセット6の概略構成を説明する。なお、以下の説明では、図10の右下方、左上方、右上方、左下方、上方、および下方を、それぞれ、テープカセット6の右方、左方、後方、前方、上方、および下方と定義する。
テープカセット6の形状は、平面視略長方形の箱型状である。テープカセット6の四隅には、角部681が設けられる。角部681は、テープ100の種類にかかわらず、同一の形状(上下方向、前後方向、および左右方向の長さ、並びに位置関係が同一)に形成される。角部681は、平面視略直角をなすように外側方向に突出する。ただし、右前方の角部681は、テープカセット6がカセット装着部22に装着されたときに、切断機構141(図3参照)と干渉しないように、直角はなさない。
テープカセット6は、リボン巻取スプール631およびテープ送りローラ632を回転可能に支持する。リボン巻取スプール631には、リボン巻取軸33が挿入される。リボン巻取スプール631は、リボン巻取軸33の回転に伴って回転し、インクリボン(図示略)を巻き取る。テープ送りローラ632には、テープ送りローラ軸32が挿入される。テープ送りローラ632は、テープ送りローラ軸32の回転に伴って回転し、テープサブローラ31と共に、テープ100を搬送する。
テープカセット6の右側面には、アーム状に突出するアーム部65が設けられる。ヘッド挿入部62は、アーム部65とアーム部65に対向する側壁部781とによって、平面視略U字状に形成される。ヘッド挿入部62には、ヘッドホルダ291(図3参照)が挿入される。
アーム部65の右面である指標面70の上後部には、基準孔641が形成される。基準孔641には、装着状態において、閉塞過程でサイドセンサ本体部8(図7参照)が左方に移動することにより、基準片84(図7参照)が挿入される。
指標面70には、4つの指標部651〜654が設けられる。指標部651〜654は、テープ100の種類を判別するため、テープ100の種類に対応した特定の配置パターンに応じて特定箇所が貫通する。例えば、図10に示すテープカセット6では、指標部651〜654のうちの指標部652が貫通して孔部が形成され、指標部651,653,654は面部が形成される。この場合、孔部が形成された指標部652には、スイッチ端子872が貫通するため、スイッチ端子872は、押下されない。一方、スイッチ端子871,873,874は、面部が形成された指標部651,653,654によって押下される。このようにスイッチ端子871〜874は、予めテープの種類に応じて特定箇所が貫通する指標部651〜654によって選択的に押下される。
テープカセット6の上面の略中央には、前後方向を長手方向とした平面視略矩形状の窓部66が形成される。使用者は、閉塞状態において、カバー開口部56を介して窓部66を視認することができ、テープ残量を確認できる。
上記構成によれば、テープカセット6がカセット装着部22に装着される場合、リボン巻取スプール631およびテープ送りローラ632に、それぞれ、リボン巻取軸33およびテープ送りローラ軸32が挿入されながら、ヘッド挿入部62にヘッドホルダ291が挿入される。これにより、テープカセット6がカセット装着部22に装着されて、印字装置1は装着状態となる。
図8、図9、図11を参照し、装着状態の印字装置1において、閉塞過程におけるサイドセンサ本体部8およびサイドセンサカム55等の動きを説明する。図11において、軌跡Q1は、溝部554の中心の移動軌跡である。回動軸Pは、閉塞過程におけるカバー5(図5参照)の回動軸であり、それぞれ係合した一対の係合片52(図5参照)および一対の係合口28(図2参照)を通る左右方向に延びる軸である。点Gは、第一支軸821の中心点である。第一実施形態では、点Gは、回動軸Pよりも下方に設けられる。距離Aは、回動軸Pと点Gとの間における前後方向の距離である。第一実施形態では、距離Aは、例えば80mmである。距離Bは、回動軸Pと点Gとの間における上下方向の距離である。第一実施形態では、距離Bは、例えば9mmである。
閉塞過程では、カバー5は、回動軸Pを回動軸として前側下方に回動する。この場合、ローラホルダカム54およびサイドセンサカム55は、それぞれ、ローラホルダカム案内孔361およびサイドセンサカム案内孔362に進入する。ローラホルダカム案内孔361にローラホルダカム54が進入すると、ローラホルダカム54の正面視略三角形状の先端部がローラホルダ38の右面を左方に押圧する。これにより、ローラホルダカム54は、回動軸37を軸として巻きバネ39の付勢力に抗してローラホルダ38を左方に回動させる。この場合、プラテンローラ30は、サーマルヘッド29との間でテープ100を挟み込み、且つ、テープサブローラ31は、テープ送りローラ632との間でテープ100を挟み込む。
第二突出部553の上下方向の長さは、第一突出部552の上下方向の長さよりも大きい。軌跡Q1は、点Gに向かって上方から下方に向かう方向を示す。したがって、サイドセンサカム案内孔362にサイドセンサカム55が進入すると、第二部材552B(図5参照)よりも先に第二部材553B(図5参照)の下端部が第一傾斜面43に対して摺動する。これにより、サイドセンサカム55は、サイドセンサ本体部8を圧縮コイルバネ83の付勢力に抗して左方に移動させる。カバー5が前側下方にさらに回動すると、第二部材553Bと共に第二部材552Bの下端部が第一傾斜面43に対して摺動する。これにより、サイドセンサカム55は、サイドセンサ本体部8を圧縮コイルバネ83の付勢力に抗してさらに左方に移動させる。
カバー5が前側下方にさらに回動すると、第一支軸821が溝部554内に進入し、第二部材552B,553Bの上端部が第二傾斜面954に対して摺動する。これにより、サイドセンサカム55は、サイドセンサ本体部8を圧縮コイルバネ83の付勢力に抗してさらに左方に移動させる。この場合、第二突出部553の上下方向の長さは、第一突出部552の上下方向の長さよりも大きいため、第二部材552B,553Bの上端部は略同時に第二傾斜面954に対して摺動する。
カバー5が前側下方にさらに回動すると、第一支軸821が溝部554内にさらに進入し、第二部材552B,553Bのそれぞれの左端部が略同時に基準面953に対して摺動する。この場合、基準面953と第二部材552B,553Bの各左端部とは略平行であるので、サイドセンサ本体部8は移動しない。これにより、テープカセット6に対するサイドセンサ本体部8の位置が決まる。以下、図9に示すように、第二部材552B,553Bのそれぞれの左端部が基準面953に接触している場合のサイドセンサ本体部8の位置を「検出位置」という。検出位置では、サイドセンサ本体部8は指標面70に近接する。図8に示すように、基準面953および補助面931が受面811に接触している場合のサイドセンサ本体部8の位置を「退避位置」という。退避位置では、サイドセンサ本体部8は指標面70から離隔する。
以上のように、サイドセンサカム55は、閉塞過程において、第一支軸821が溝部554内に進入し、且つ、第一突出部552および第二突出部553が第一傾斜面43、第二傾斜面954、基準面953の順に接触することで、サイドセンサ本体部8を退避位置から検出位置に移動させる。
図9に示すように、閉塞状態で、サイドセンサ本体部8が検出位置に位置する場合、スイッチ端子871〜874は、指標部651〜654によって選択的に押下される。これにより、印字装置1はテープの種類を判別できる。
以上説明したように、第一実施形態において、第一傾斜面43は、第二貫通孔44と前後方向に並ぶ位置から、上方に沿って左方に傾斜する方向に延びる。長さD2は、長さD3よりも大きい。ガイド軸95の右端部には、基準面953と第二傾斜面954とが形成される。基準面953は、第一傾斜面43の右端部よりも右方に設けられる。第二傾斜面954は、ガイド軸95の右端部において、基準面953の上端部から上方に沿って左方に傾斜する方向に延びる。第三貫通孔952には、第一支軸821が貫通する。サイドセンサカム55は、第一突出部552および第二突出部553と溝部554とを有する。第一突出部552および第二突出部553は、カバー5とは反対側の端部に設けられ、前後方向に並んで配置される。溝部554は、第一突出部552と第二突出部553との間に形成される。長さL2は、長さL1よりも大きく、長さL3よりも小さい。サイドセンサカム55は、閉塞過程において、第一支軸821が溝部554内に進入し、且つ、第一突出部552および第二突出部553が第一傾斜面43、第二傾斜面954、基準面953の順に接触することで、サイドセンサ本体部8を退避位置から検出位置に移動させる。ゆえに、誘導部4は、第一傾斜面43によってサイドセンサカム55を第二傾斜面954に誘導するため、印字装置1はサイドセンサカム55によって、サイドセンサ本体部8を退避位置から検出位置へ適切に移動させることができる。
第二傾斜面954の上端部は、第二貫通孔44の右側の開口縁における左端部よりも左方に位置する。これにより、サイドセンサカム55は、閉塞過程において第一傾斜面43から第二傾斜面954に移動するときに、ガイド軸95の外周部に接触しづらい。したがって、印字装置1は、サイドセンサカム55を第一傾斜面43から第二傾斜面954に容易に誘導できる。
固定部400は、第四貫通孔401とネジ403を備える。第四貫通孔401の右部には、座ぐり402が形成される。また、長さT1は、長さT2よりも大きい。ゆえに、ネジ403の右端部は、座ぐり402の開口縁に囲まれた領域よりも左方に位置する。これにより、サイドセンサカム55は、閉塞過程において第一傾斜面43に対して摺動するときに、ネジ403のネジ頭に接触しづらい。したがって、印字装置1は、サイドセンサカム55を第一傾斜面43に対して容易に摺動させることができる。
長さD2は、長さD1よりも大きい。これにより、第一傾斜面43において第一突出部552および第二突出部553が接触できる面積が広くなる。したがって、誘導部4は、第一傾斜面43によってサイドセンサカム55を第二傾斜面954に誘導しやすくなるため、印字装置1は、サイドセンサカム55によってサイドセンサ本体部8を退避位置から検出位置へ安定的に移動させることができる。
軌跡Q1は、点Gに向かって上方から下方に向かう方向を示す。第二突出部553の上下方向の長さは、第一突出部552の上下方向の長さよりも大きい。これにより、第二部材552B,553Bの上端部は、略同時に第二傾斜面954に対して摺動する。同様に、第二部材552B,553Bの左端部は、略同時に基準面953に対して摺動する。したがって、印字装置1は、サイドセンサカム55によってサイドセンサ本体部8を退避位置から検出位置へ安定的に移動させることができる。
なお、上記第一実施形態において、カセット装着部22が本発明の「装着部」の一例である。テープ送りローラ軸32が本発明の「搬送手段」の一例である。サーマルヘッド29が本発明の「印字手段」の一例である。閉塞状態が本発明の「第一状態」の一例である。開放状態が本発明の「第二状態」の一例である。検出位置が本発明の「第一位置」の一例である。退避位置が本発明の「第二位置」の一例である。サイドセンサ本体部8が本発明の「センサ部」の一例である。第一支軸821が本発明の「支持部」の一例である。サイドセンサカム55が本発明の「カム部」の一例である。保持面861が本発明の「第一面」の一例である。複数のスイッチ端子871〜874が本発明の「複数の検出スイッチ」の一例である。機械式センサ85が本発明の「センサ基板」の一例である。接触面923が本発明の「接触部」の一例である。ガイド軸95が本発明の「軸部」の一例である。基準面953が本発明の「第二面」の一例である。ネジ403が本発明の「連結部材」の一例である。印字装置1の上方が本発明の「第一方向」の一例である。印字装置1の右方が本発明の「第二方向」の一例である。印字装置1の左方が本発明の「第三方向」の一例である。印字装置1の前方または後方が本発明の「第四方向」である。
なお、本発明の印字装置1は、上記第一実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、図12に示すように、点Gは、回動軸Pよりも上方に設けられてもよい。軌跡Q2は、後述の溝部540の中心の移動軌跡である。変形例では、距離Aは、例えば70mmである。変形例では、距離Bは、例えば10mmである。この場合、軌跡Q2は、点Gに向かって下方に沿って前方に傾斜する方向を示す。この場合、印字装置1は、サイドセンサカム55の代わりにサイドセンサカム550を備えてもよい。
図13を参照し、サイドセンサカム550を説明する。サイドセンサカム550は、平板部510、第一突出部520、および第二突出部530を備える。平板部510は、側面視略矩形状の板状部材である。一対の突出部である第一突出部520および第二突出部530は、平板部510のカバー5とは反対側の端部に前後方向に並んで配置される。第一突出部520は、第二突出部530よりも前側に配置される。
第一突出部520は、第一部材520Aと第二部材520Bとを備える。第一部材520Aは、前後方向および上下方向に延びる側面視略矩形状の板状部材である。第一部材520Aの後端部は、下方に沿って前方に傾斜する方向に延びる。第二部材520Bは、第一部材520Aの後端部から左方に延びる正面視略矩形状の板状部材である。第二部材520Bの下端部は、左方に沿って上方に傾斜する方向に延びる。第二部材520Bの左端部は、閉塞状態において基準面953(図6参照)と略平行に延びる。第二部材520Bの上端部は、カバー5に接続される。
第二突出部530は、第一部材530Aと第二部材530Bとを備える。第一部材530Aは、前後方向および上下方向に延びる側面視略矩形状の板状部材である。第一部材530Aの前端部は、下方に沿って前方に傾斜する方向に、第一部材520Aの後端部と略平行に延びる。第二部材530Bは、第一部材530Aの前端部から左方に延びる正面視略矩形状の板状部材である。第二部材530Bの下端部は、左方に沿って上方に傾斜する方向に延びる。第二部材530Bの左端部は、閉塞状態において基準面953と略平行に延びる。第二部材530Bの上端部は、カバー5に接続される。サイドセンサカム550では、第二突出部530の上下方向の長さは、第一突出部520の上下方向の長さよりも小さい。
第一突出部520と第二突出部530との間には、溝部540が形成される。溝部540は、第一部材520Aの後端部、平板部510の下端部、および第一部材530Aの前端部によって囲まれた部位である。
上記構成によれば、図12に示すように、カバー5が前側下方に回動すると、第二突出部530が第一傾斜面43に対して摺動する。これにより、サイドセンサカム550は、サイドセンサ本体部8を圧縮コイルバネ83(図7参照)の付勢力に抗して左方に移動させる。カバー5が前側下方にさらに回動すると、第二突出部530が第二傾斜面954に接触する前に、第一突出部520が第二突出部530と共に、第一傾斜面43に対して摺動する。これにより、サイドセンサカム550は、サイドセンサ本体部8を圧縮コイルバネ83の付勢力に抗して左方にさらに移動させる。
カバー5が前側下方にさらに回動すると、第一支軸821が溝部540内に進入し、第一突出部520と第二突出部530とが第二傾斜面954に対して摺動する。これにより、サイドセンサカム550は、サイドセンサ本体部8を圧縮コイルバネ83の付勢力に抗して左方にさらに移動させる。この場合、第二突出部530の上下方向の長さは、第一突出部520の上下方向の長さよりも小さいため、第一突出部520と第二突出部530とは略同時に第二傾斜面954に対して摺動する。カバー5が前側下方にさらに回動すると、第一支軸821が溝部540内にさらに進入し、第一突出部520と第二突出部530とが略同時に基準面953に対して摺動する。これにより、テープカセット6に対するサイドセンサ本体部8の位置が決まる。
以上のように、サイドセンサカム550は、閉塞過程においてサイドセンサ本体部8を退避位置から検出位置に移動させる。軌跡Q2は、点Gに向かって下方に沿って前方に傾斜する方向を示す。第二突出部530の上下方向の長さは、第一突出部520の上下方向の長さよりも小さい。これにより、第一突出部520と第二突出部530とは、略同時に第二傾斜面954に対して摺動する。同様に、第一突出部520と第二突出部530とは、略同時に基準面953に対して摺動する。したがって、印字装置1は、サイドセンサカム550によってサイドセンサ本体部8を退避位置から検出位置へ安定的に移動させることができる。
印字装置1は、固定部400の代わりに、図14に示すように、固定部410を備えてもよい。固定部410が固定部400と異なる点は、設けられる位置のみである。固定部410が誘導部4を基板86に固定する方法は固定部400と同じであるため、説明は省略する。固定部410は、誘導部4の前側下方に設けられる。固定部410の上端部は、ガイド軸95の下端部よりも下方に位置する。すなわち、固定部410は、誘導部4において、サイドセンサカム55が接触する位置とは異なる位置に設けられる。したがって、印字装置1は、閉塞過程において、サイドセンサカム55を、第一傾斜面43、第二傾斜面954、および基準面953に対して容易に摺動させることができる。
以下、図15を参照し、本発明の第二実施形態を説明する。なお、第二実施形態に係る印字装置10は、サイドセンサ本体部8の代わりにサイドセンサ本体部8Aを備える点で第一実施形態の印字装置1とは異なる。サイドセンサ本体部8Aについてのみ説明し、他の部材の説明は省略する。なお、サイドセンサ本体部8Aにおいて、第一実施形態のサイドセンサ本体部8と同等形状の部材には同一符号付して説明を省略する。以下、図15の上方、下方、右方、左方、表面側、および裏面側を、それぞれ、サイドセンサ本体部8Aの右方、左方、上方、下方、後方、および前方と定義する。
サイドセンサ本体部8Aは、機械式センサ85、保持部91A、誘導部4A、および一対のネジ400Aを備える。保持部91Aは、ガイド軸95の代わりに延出部98Aを備える点で保持部91とは異なる。延出部98Aには、左右方向に貫通する側面視円形状の第一特定貫通孔99Aが形成される。延出部98Aおよび第一特定貫通孔99Aは、それぞれ、図7(B)に示すガイド軸95および第三貫通孔952における接触面923よりも左側の部分と同等形状である。
誘導部4Aは、基板86の右面の後側略半分に設けられる。誘導部4Aの形状は、略直方体状である。誘導部4Aは、第二貫通孔44の代わりに特定ガイド軸95Aを備える点で誘導部4とは異なる。特定ガイド軸95Aには、左右方向に貫通する側面視円形状の第二特定貫通孔952Aが形成される。特定ガイド軸95Aは、誘導部4Aの後部における上下方向の略中央部から左右方向に延び、第一貫通孔89を貫通する。特定ガイド軸95Aの左端部は、延出部98Aの右端部に接触する。このとき、第二特定貫通孔952Aおよび第一特定貫通孔99Aは、左右方向に連通する。第二特定貫通孔952Aは、図7(B)に示す第三貫通孔952における接触面923よりも右側の部分と同等形状である。なお、第二特定貫通孔952Aおよび第一特定貫通孔99Aには、第一支軸821が貫通する。第二特定貫通孔952Aの径(前後方向の最大長さ)は、長さL1よりもわずかに大きい。したがって、サイドセンサ本体部8Aは、第一支軸821および第二支軸822に沿って移動可能である。
一対のネジ400Aは、延出部98Aの上下両側に設けられる。一対のネジ400Aは、それぞれ、保持部91Aの枠部92側から枠部92、基板86、誘導部4Aの順に貫通し、保持部91A、機械式センサ85、および誘導部4Aを固定する。
上記構成によれば、サイドセンサカム55は、閉塞過程において、第一支軸821が溝部554内に進入し、且つ、第一突出部552および第二突出部553が第一傾斜面43、特定面42の順に接触することで、サイドセンサ本体部8Aを退避位置から検出位置に移動させる。詳細には、サイドセンサカム案内孔362にサイドセンサカム55が進入すると、第二部材553Bの下端部が第一傾斜面43に対して摺動する。これにより、サイドセンサカム55は、サイドセンサ本体部8Aを圧縮コイルバネ83の付勢力に抗して左方に移動させる。カバー5が前側下方にさらに回動すると、第二部材553Bと共に第二部材552Bの下端部が第一傾斜面43に対して摺動する。これにより、サイドセンサカム55は、サイドセンサ本体部8Aを圧縮コイルバネ83の付勢力に抗してさらに左方に移動させる。
カバー5が前側下方にさらに回動すると、第一支軸821が溝部554内に進入し、第二部材552B,553Bのそれぞれの左端部が特定面42に対して摺動する。この場合、特定面42と第二部材552B,553Bのそれぞれの左端部とは略平行であるので、サイドセンサ本体部8Aは移動しない。これにより、テープカセット6に対するサイドセンサ本体部8Aの位置(検出位置)が決まる。
以上説明したように、サイドセンサ本体部8Aは、保持部91が備えるガイド軸95および第三貫通孔952における接触面923よりも左側の部分と同等形状である部材(延出部98Aおよび第一特定貫通孔99A)を誘導部4Aが備える点で、サイドセンサ本体部8とは異なる。
第一傾斜面43は、特定面42の上端部から上方に沿って左方に傾斜する方向に延びる。長さD2は、第二特定貫通孔952Aの前後方向の長さよりも大きい。第一特定貫通孔99Aおよび第二特定貫通孔952Aには、第一支軸821が貫通する。サイドセンサ本体部8Aは、第一支軸821に沿って移動可能である。サイドセンサカム55は、第一突出部552および第二突出部553と溝部554とを有する。第一突出部552および第二突出部553は、カバー5とは反対側の端部に設けられ、前後方向に並んで配置される。溝部554は、第一突出部552と第二突出部553との間に形成される。長さL2は、長さL1よりも大きく、特定面42の前後方向の最大長さよりも小さい。サイドセンサカム55は、閉塞過程において、第一支軸821が溝部554内に進入し、且つ、第一突出部552および第二突出部553が第一傾斜面43、特定面42の順に接触することで、サイドセンサ本体部8Aを退避位置から検出位置に移動させる。ゆえに、誘導部4Aは、第一傾斜面43によってサイドセンサカム55を特定面42に誘導するため、印字装置10は、サイドセンサカム55によってサイドセンサ本体部8Aを退避位置から検出位置へ適切に移動させることができる。
なお、上記第二実施形態において、カセット装着部22が本発明の「装着部」の一例である。テープ送りローラ軸32が本発明の「搬送手段」の一例である。サーマルヘッド29が本発明の「印字手段」の一例である。閉塞状態が本発明の「第一状態」の一例である。開放状態が本発明の「第二状態」の一例である。検出位置が本発明の「第一位置」の一例である。退避位置が本発明の「第二位置」の一例である。サイドセンサ本体部8Aが本発明の「センサ部」の一例である。サイドセンサカム55が本発明の「カム部」の一例である。保持面861が本発明の「第一面」の一例である。複数のスイッチ端子871〜874が本発明の「複数の検出スイッチ」の一例である。機械式センサ85が本発明の「センサ基板」の一例である。接触面923が本発明の「接触部」の一例である。第一傾斜面43が本発明の「特定傾斜面」の一例である。特定ガイド軸95Aが本発明の「特定軸部」の一例である。一対のネジ400Aが本発明の「固定部」の一例である。印字装置10の上方が本発明の「第一方向」の一例である。印字装置10の右方が本発明の「第二方向」の一例である。印字装置10の左方が本発明の「第三方向」の一例である。印字装置10の前方または後方が本発明の「第四方向」の一例である。