JP6355407B2 - 溶融はんだ供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は溶融はんだ供給装置に関し、特に、微小量の溶融はんだを微細な領域に供給するための溶融はんだ供給装置に関するものである。
溶融はんだを供給する装置として、たとえば特許文献1には、加熱機構を備えたはんだ槽の底部に開口穴を設け、はんだ槽内に設けたシャフトが上下することにより開口穴を開閉し、開口穴から溶融はんだを吐出させる装置が開示されている。
特許文献2には、はんだ槽の上部からはんだ槽内にガスを流入し、はんだ槽内の溶融はんだに圧力を加えることにより、はんだ槽の底部に設けた穴から溶融はんだを吐出させる装置が開示されている。
特許文献3には、溶融はんだを吐出する開口部に設けたプレートを用いて排出ノズルからの溶融金属の流出を閉止させる装置が開示されている。
特開昭60−92072号公報 特開2008−178892号公報 特開平10−156520号公報
近年、半導体素子の微細化に伴い、半導体素子が載置される基板上の電極が微細化する傾向にある。このため、ターゲットとしての微細な電極上に微小量の溶融はんだを高精度に供給する必要がある。
特許文献1の装置においては、はんだ槽の底部の溶融はんだを供給する開口穴と当該開口穴の開閉弁に相当するシャフトとが互いに直接接触する構成を有している。このためシャフトが上下方向に移動する際に開口穴が擦れて摩耗し変形することに伴い、開口穴を閉じる際にシャフトが開口穴を完全に塞ぐことができなくなり、開口穴の溶融はんだの供給量が意図せず変動するなど、供給量の制御が困難になる不具合を起こす可能性がある。
特許文献2の装置においては、溶融はんだ槽内を正圧にすることにより溶融はんだを吐出させ、溶融はんだ槽内を負圧にすることにより溶融はんだの吐出を停止させる。この場合、溶融はんだ槽内の圧力を正圧と負圧との間で切り替える際に、残圧によって意図せず溶融はんだがはんだ槽の底部に設けた穴から排出される可能性がある。このように溶融はんだの吐出の制御の手段として溶融はんだ槽内の圧力のみを用いることは不十分である可能性がある。
特許文献3の装置においては、排出ノズルの先端部にプレートが載置されるが、そのプレートおよびプレートを駆動させる油圧シリンダは相当の厚みを有する。このためプレートおよび油圧シリンダの厚みの分だけ、排出ノズルとはんだが供給されるターゲットとの距離を大きくする必要がある。微細な電極上に微小量の溶融はんだを高精度に供給するためには、排出ノズルとターゲットとの距離を極力小さくすることが好ましい。しかし特許文献3においては上記のように当該距離が大きくなるため、高精度な溶融はんだの供給が困難になる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、微小量の溶融はんだを高精度に所望の位置に供給することが可能な溶融はんだ供給装置を提供することである。
本発明の溶融はんだ供給装置は、はんだ槽内に仕切り板が設けられ、シャフトが仕切り板の開口穴を開閉することにより、溶融はんだの吐出を制御する。第2のはんだ槽の内壁面は、少なくとも前記第1のはんだ槽と反対側の領域において、第1のはんだ槽の内壁面に沿って延びる。
本発明によれば、はんだ槽外に溶融はんだを吐出する開口穴がシャフトにより開閉されることがないため、当該開口穴の摩耗による変形を抑制し、溶融はんだの供給の精度を高めることができる。またはんだ槽外に溶融はんだを吐出する開口穴をシャフトで開閉する場合に要求される、シャフトの開口穴に対する位置精度が要求されないため、はんだ槽内の圧力を制御可能な装置を容易に製造することができる。
実施の形態1における溶融はんだ供給装置の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態1の溶融はんだ供給装置の仕切り板開口穴を開いた状態を概略的に示す断面図である。 実施の形態1の溶融はんだ供給装置の仕切り板開口穴を閉じた状態を概略的に示す断面図である。 実施の形態1の溶融はんだ供給装置の変形例の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態2における溶融はんだ供給装置の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態3における溶融はんだ供給装置の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態3の溶融はんだ供給装置の作用効果を説明するための断面図である。 実施の形態4における溶融はんだ供給装置の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態5における溶融はんだ供給装置の構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態5の溶融はんだ供給装置の仕切り板開口穴を開いた状態を概略的に示す断面図である。 実施の形態5の溶融はんだ供給装置の仕切り板開口穴を閉じた状態を概略的に示す断面図である。 実施の形態6における溶融はんだ供給装置を用いて溶融はんだを供給する態様の第1例を概略的に示す断面図である。 実施の形態6における溶融はんだ供給装置を用いて溶融はんだを供給する態様の第2例を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず本実施の形態の溶融はんだ供給装置の構成について、図1を用いて説明する。図1を参照して、本実施の形態の溶融はんだ供給装置10は、はんだ槽1と、はんだ槽1に含まれるノズル2と、はんだ槽1内に設置されたシャフト3とを主に有している。
はんだ槽1は溶融はんだ4を内部に収納可能な容器状の構成を有している。はんだ槽1は平面視において円形状を有していてもよいし、正方形状(矩形状)を有していてもよい。
ノズル2ははんだ槽1内の溶融はんだ4が収納される領域の底側の壁面(図1における下側の面)として設置された平板状の部材であり、はんだ槽1内の溶融はんだ4をはんだ槽1外に吐出する役割を有している。したがってノズル2は、はんだ槽1の本体を構成する筒状の部分の、図1の最下部の平面視における外縁部と接続するように、平板状の部材が図1の左右方向に延在するように、配置されている。
ノズル2は、たとえば平面視における中央部に、はんだ槽1内の溶融はんだ4を吐出する開口部としてのノズル開口穴2aが形成されている。ノズル開口穴2aはノズル2の一方の主表面(たとえば図1の上側の面)からこれに対向する他方の主表面(たとえば図1の下側の面)までノズル2を貫通するように形成されている。ノズル開口穴2aはたとえば平面視において直径が0.1〜0.5mmの円形であることが好ましいがこれに限られず、たとえば平面視において正方形状を有していてもよい。したがってノズル開口穴2aははんだ槽1の下方を向くように形成されている。このためノズル開口穴2aからは溶融はんだ4が図の下方に吐出される。
シャフト3ははんだ槽1内に設けられ、図1における上下方向(第1の方向)に延びる部材であり、後述するようにはんだ槽1内を図1の上下方向に移動可能である。シャフト3は平面視において円形状であってもよいが、正方形状であってもよい。
はんだ槽1全体の側部に相当する筒状の部分(言い換えればはんだ槽1内の溶融はんだ4が収納される領域の内壁面の近く)には、加熱機構としてのヒータ5が配置されている。ヒータ5ははんだ槽1の側部が延びる図1の上下方向に沿うように延びている。ヒータ5はこれに囲まれる、はんだ槽1内の溶融はんだ4を加熱することによりこれを溶融する。溶融はんだ4はたとえばSn−3Ag−0.5Cu、Sn−0.7Cuが用いられることが好ましい。
はんだ槽1には加圧ガス供給口6が設置されている。図1においてははんだ槽1内の溶融はんだ4が収納される領域の真上に加圧ガス供給口6が配置されている。加圧ガス供給口6は、はんだ槽1内にガスを放出することによりはんだ槽1内の溶融はんだ4に図1の下向きの圧力を加える装置である。
加圧ガス供給口6から放出されるガスは、不活性ガスであるたとえば窒素であることが好ましい。このようにすれば、たとえばはんだ槽1内の溶融はんだ4の表面が大気に曝露された場合に起こり得る、溶融はんだ4の表面の酸化を、抑制することができる。
溶融はんだ供給装置10において溶融はんだ4は、ノズル開口穴2aから図の下方に吐出される。このため加圧ガス供給口6は、溶融はんだ4に対して、溶融はんだ4を吐出させる方向である図の下向きの圧力を加える。このように加圧ガス供給口6から放出されるガスが下向きの圧力を加えることを可能とするために、加圧ガス供給口6は、はんだ槽1内の上方に、ガスの出口が下方を向くように配置されている。
はんだ槽1内には仕切り板7が配置されている。仕切り板7ははんだ槽1内をこれより上方の第1のはんだ槽1aとこれより下方の第2のはんだ槽1bとに区分するように形成された平板状の部材である。仕切り板7の主表面はノズル2の主表面とほぼ平行になるように、図1の左右方向(第2の方向)に延びるように配置されることが好ましい。またノズル2は第2のはんだ槽1bの底部に形成されるため、ノズル開口穴2aは(第1のはんだ槽1aの下側に配置された)第2のはんだ槽1bの内部につながるように形成されている。
仕切り板7は、たとえば平面視における中央部に、仕切り板開口穴7aが形成されている。仕切り板開口穴7aは仕切り板7の一方の主表面(たとえば図1の上側の面)からこれに対向する他方の主表面(たとえば図1の下側の面)まで仕切り板7を貫通するように形成されている。
仕切り板開口穴7aはたとえば平面視において直径が1〜2mmの円形であることが好ましいがこれに限られず、たとえば平面視において正方形状を有していてもよい。上記のように仕切り板開口穴7aはノズル開口穴2aよりも大きくなるように形成されることが好ましいが、その場合、ノズル開口穴2aは平面視において仕切り板開口穴7aと完全に重なるように(すなわち平面視において仕切り板開口穴7a内にノズル開口穴2aが収まるように)形成されることが好ましい。
仕切り板7ははんだ槽1内に配置されるため、仕切り板開口穴7a内ははんだ槽1内の他の領域と同様に溶融はんだ4で充填され得る。仕切り板7および仕切り板開口穴7a内の領域は、はんだ槽1内の第1のはんだ槽1aと第2のはんだ槽1bとの境界部に相当し、この領域をここでは第3のはんだ槽1cと定義する。
以上のはんだ槽1(ノズル2を含む)、シャフト3、加圧ガス供給口6および仕切り板7は、いずれも耐食性のある材質により形成されることが好ましく、具体的には、たとえばステンレス、チタン、カーボンからなる群から選択される1種により形成されることが好ましい。
シャフト3は、本実施の形態においては特に第1のはんだ槽1aに配置されている。シャフト3は、特にその先端部であるシャフト先端部3aが、平面視において仕切り板開口穴7aの最上面と重なり、かつ仕切り板開口穴7aを上方から塞ぎ得る大きさを有している。したがってシャフト3(特にシャフト先端部3a)は平面視において仕切り板開口穴7aよりも大きく、かつ仕切り板開口穴7aと完全に重なるよう、仕切り板開口穴7aの外側まで延在する大きさを有するように形成されることが好ましい。
シャフト3は、シャフト先端部3aが仕切り板開口穴7aを開閉することにより、はんだ槽1内からはんだ槽1外への溶融はんだ4の吐出を制御可能である。次に溶融はんだ供給装置10の動作について、図2および図3を用いて説明する。
先述のようにシャフト3ははんだ槽1(第1のはんだ槽1a)内を図1の上下方向に移動可能である。図2を参照して、たとえばシャフト3が図1の上方向に移動し、シャフト3の図1の下側の端部であるシャフト先端部3aが仕切り板7の上方に離れ、仕切り板開口穴7aを開いた(塞がない)状態となった場合を考える。なおシャフト3の図1の上下方向の移動は一般公知のエアシリンダまたはモータによりなされることが好ましく、応答性を向上させる観点から一般公知のステッピングモータによりなされることがより好ましい。
図2においては加圧ガス供給口6からはガスが図2の下向きに噴出され、これによりはんだ槽1内の溶融はんだ4には図2の下向きに圧力が加えられる。図2においては仕切り板開口穴7aが開いているため、第1のはんだ槽1aと第2のはんだ槽1bとは分離されておらず第3のはんだ槽1cを介在して1つにつながった状態となっている。このため加圧ガス供給口6のガスによる下向きの圧力は第1のはんだ槽1a内の溶融はんだ4のみならず第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4にも加えられる。
一方、ノズル開口穴2aにおけるはんだ槽1(第2のはんだ槽1b)内の溶融はんだ4には、ノズル開口穴2aから図2の上向きに表面張力が加えられる。
したがって、図2のようにシャフト3の全体が仕切り板7よりも上方(第1のはんだ槽1a側)に配置された状態においては、第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4には、ノズル開口穴2aからの上向きの表面張力よりも、加圧ガス供給口6のガスによる下向きの圧力および第1および第2のはんだ槽1a,1b内の溶融はんだ4の自重による下向きの力の方が大きく加わる。このためノズル開口穴2aからはんだ槽1外へ溶融はんだ4が下向きに吐出される。このときノズル開口穴2aと対向するように溶融はんだ4が供給されるターゲット8を配置すれば、ターゲット8上に溶融はんだ4を供給することができる。ターゲット8はたとえば微細な電極を有する電子基板、または当該電子基板上の微細な電極などである。位置がずれないように当該微細な電極上に高精度に溶融はんだ4を供給するためには、ノズル開口穴2aとターゲット8との(図2の上下方向に関する)距離を極力小さくすることが好ましい。
次に図3を参照して、たとえばシャフト3が図1の下方向に移動し、シャフト先端部3aが仕切り板開口穴7aを上方から塞ぐように仕切り板7の上側の主表面上に接触した状態となった場合を考える。このとき仕切り板開口穴7aは閉じた状態となっている。
仕切り板開口穴7aが閉じられる(塞がれる)ため、第1のはんだ槽1a内の溶融はんだ4と第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4とは仕切り板7により互いに分離された状態となる。このため第1のはんだ槽1a内の溶融はんだ4には加圧ガス供給口6からのガスによる下向きの圧力が加わったとしても、少なくとも第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4には当該下向きの圧力が加わらなくなる。また仕切り板7により第1のはんだ槽1aと第2のはんだ槽1bとが区分されるため、第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4には第1のはんだ槽1a内の溶融はんだ4の自重による下向きの力が加わらなくなる。このため第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4に加わる下向きの力は、ほぼ第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4の自重による力のみとなる。
したがって第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4には、下向きの力よりも、ノズル開口穴2aからの図2の上向きの表面張力の方が大きく加わる。このため、溶融はんだ4はノズル開口穴2aから下向きに吐出しなくなる。つまりターゲット8上への溶融はんだ4の供給が停止する。この溶融はんだ4の供給の停止のタイミングを制御することにより、ターゲット8上に供給する溶融はんだ4の量を精密に制御することができる。
なお図1においても図3と同様に、シャフト3が下降しシャフト先端部3aが仕切り板開口穴7aを塞いだ状態となっている。このため図1においても図3と同様に、ノズル開口穴2aからの溶融はんだ4の吐出は止められる。
本実施の形態においては、仕切り板開口穴7aの開時および閉時の双方において、ノズル開口穴2aはたとえばシャフト先端部3aにより塞がれることなく、常時開いた状態となっている。つまりノズル開口穴2aは仕切り板開口穴7aの開時および閉時の双方において、シャフト3(シャフト先端部3a)から離間している。なおここで開時とは図2のように仕切り板開口穴7aがシャフト先端部3aにより塞がれていない状態を、閉時とは図3のように仕切り板開口穴7aがシャフト先端部3aにより塞がれた状態を、それぞれ意味する。
このようにノズル開口穴2aは塞がれていないにも拘わらず、図3のように仕切り板開口穴7aをシャフト先端部3aで塞ぐだけで、ノズル開口穴2aからの溶融はんだ4の吐出を止めることができる。
なお図2のように仕切り板開口穴7aの開時における溶融はんだ4の吐出量は、ノズル開口穴2aの平面視における大きさ、加圧ガス供給口6から流出されるガスにより溶融はんだ4に加えられる圧力、およびシャフト3による仕切り板開口穴7aを開放した時間に依存する。一例として、ノズル開口穴2aが平面視において直径が0.15mmの円形状であり、加圧ガス供給口6からのガスによる圧力が50KPaであり、仕切り板開口穴7aの開放時間が10msである場合、4mgの溶融はんだ4を供給することができる。
次に本実施の形態の変形例について、図4を用いて説明する。図4を参照して、当該変形例の溶融はんだ供給装置10の構成は基本的に図1の溶融はんだ供給装置10と同様であるが、はんだ槽1にガス排出口9が設置されている。
図4においてははんだ槽1内の溶融はんだ4が収納される領域の真上にガス排出口9が配置されている。しかしこれに限らず、たとえばはんだ槽1の側部に相当する筒状の部分にガス排出口9が形成されていてもよい。
加圧ガス供給口6からの不活性ガスは、図2のようにシャフト3が仕切り板開口穴7aを塞がない開時において第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4に下向きの圧力を加える観点からは、少なくとも仕切り板開口穴7aの開時において供給されればよい。より具体的には、少なくとも仕切り板開口穴7aが開く直前から仕切り板開口穴7aが閉じる(塞がれる)直後までの間に不活性ガスが供給されればよい。しかしはんだ槽1内の溶融はんだ4が大気に曝露されることによる酸化を抑制する観点からは、仕切り板開口穴7aの開時および閉時の双方においてガスが供給されることが好ましく、常時ガスが供給されていてもよい。
そこで常時ガスがはんだ槽1内に供給された場合においてもはんだ槽1内のガスによる圧力が異常に増加する不具合の発生を抑制するために、図4の溶融はんだ供給装置10には、はんだ槽1内のガスを微小量ずつはんだ槽1外に排出させる機能を有するガス排出口9が設置されている。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においてはノズル開口穴2aからの溶融はんだ4の吐出を制御する際に、ノズル開口穴2aにシャフト3を直接接触させる代わりに、はんだ槽1内の仕切り板開口穴7aにシャフト先端部3aを宛がい仕切り板開口穴7aが開閉される。これにより図2および図3に示すように、第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4に対して上向きに加わる表面張力に対する、第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4に対して下向きに加わる力の大小関係を制御することで、ノズル開口穴2aからの溶融はんだ4の下向きの吐出を行なったり行なわなかったりの制御ができる。
本実施の形態のシャフト3は、微細な領域に微小な量のノズル開口穴2aを供給するため、通常は平面視における大きさが非常に小さくなったノズル開口穴2aと常時離間しているため、ノズル開口穴2aがシャフト3の接触を受けることにより摩耗し変形する可能性が排除される。このため、変形したノズル開口穴2aから意図せず溶融はんだ4が漏出したり、ノズル開口穴2aからの溶融はんだ4の供給量が変動(たとえば異常に増加)するなどの不具合の発生する可能性を低減することができる。
このことは、仕切り板開口穴7aの閉時には第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4にはそのはんだの自重による下向きの力のみが加わるのに対し、仕切り板開口穴7aの開時には加圧ガス供給口6からのガスによる下向きの力と第1のはんだ槽1a内の溶融はんだ4の自重による下向きの力が追加されることにより、実現される。
またたとえば図2の開時の状態から図3の閉時の状態に切り替える(すなわち溶融はんだ4の供給を終える)際に、ノズル開口穴2aが塞がれることがない。このため、たとえばこれを塞ぐ際にノズル開口穴2aの微小な隙間から溶融はんだ3が勢いよく飛散するなどの不具合を抑制することができる。
また本実施の形態においては、微細なノズル開口穴2aを貫通し塞ぐために、シャフト3をノズル開口穴2aに対して高精度に位置合わせする必要がない。このため溶融はんだ供給装置10全体の構成を単純にすることができ、溶融はんだ供給装置10を容易に製造することができる。
さらに、加熱により溶融されたはんだをターゲット8に供給する技術は、固形のはんだを供給した後に加熱処理を施す技術に比べて工程数を削減することができる。溶融はんだ供給装置10はヒータ5の加熱により溶融されたはんだ4を供給可能な構成を有する。このため工程数を削減し、低コストでの溶融はんだ4の供給が可能である。
(実施の形態2)
図5を参照して、本実施の形態の溶融はんだ供給装置20は、仕切り板開口穴7aが仕切り板7の主表面に直交する方向(すなわち図5の上下方向)に対して傾いた形状を有している。またシャフト3の図5の下側の端部において、平面視における外縁が面取りされており、シャフト外縁面取り部3bを有している。シャフト外縁面取り部3bは、仕切り板開口穴7aと同様に仕切り板7の主表面に直交する方向(シャフト3の延びる図5の上下方向)に対して傾いた形状を有しており、シャフト3の延びる方向に対して仕切り板開口穴7aとほぼ同じ角度だけ傾いていることが好ましい。
図5はシャフト3が仕切り板開口穴7aを塞ぐ閉時の状態を示しているが、このとき第1のはんだ槽1aから下方に移動したシャフト先端部3aは、仕切り板7を上方から下方へ貫通して仕切り板7の下側の主表面と重なる位置に配置される。したがってシャフト3の一部は第3のはんだ槽1cに達するように下降しており、仕切り板開口穴7aとシャフト外縁面取り部3bとが互いに接触するように、シャフト3が仕切り板開口穴7a内に挿入される。この点において本実施の形態は、シャフト先端部3aが仕切り板7の最上面に接触するように仕切り板開口穴7aを塞ぎ、閉時においてもシャフト3が仕切り板開口穴7a内に挿入されることなく第1のはんだ槽1a内に配置される実施の形態1(図3)と異なっている。
図示されないが、溶融はんだ供給装置20においても、仕切り板開口穴7aの開時にはたとえば実施の形態1(図2)と同様に、シャフト先端部3aが仕切り板7の上方に離れる。
なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態のように仕切り板開口穴7aが図5の上下方向(第1の方向)に対して傾斜した形状を有し、シャフト3がシャフト外縁面取り部3bを有することにより、仕切り板開口穴7aを塞ぐ際にシャフト3を仕切り板開口穴7a内に精度よく挿入することができる。仕切り板開口穴7aが第1の方向に対して傾いていれば、シャフト外縁面取り部3bとの間に隙間を生じる可能性を低減することができ、閉時には第1のはんだ槽1aと第2のはんだ槽1bとを確実に区分させることができる。
このため開時と閉時とにおける第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4が受ける力の違いをより明瞭にすることができる。したがって開時と閉時とにおけるノズル開口穴2aからの溶融はんだ4の吐出をいっそう高精度に制御することができ、溶融はんだ供給装置20の信頼性を向上することができる。
(実施の形態3)
図6を参照して、本実施の形態の溶融はんだ供給装置30は、第2のはんだ槽1bの外壁の図の左右方向(第2の方向)に関する寸法a1は、第1のはんだ槽1a(および第3のはんだ槽1c)の外壁の第2の方向に関する寸法a2よりも小さくなっている。第2のはんだ槽1bの図の上下方向(第1の方向)に関する寸法はbとなっている。
なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、図7を用いて本実施の形態の作用効果について説明する。
図7を参照して、たとえば溶融はんだ供給装置30により溶融はんだ4が供給されるターゲット8としての電子基板の主表面上に部品11などが搭載された場合を考える。ここでは大きさの等しい部品11が2つ、ターゲット8の主表面上に搭載されており、それらの図7の左右方向の間隔はa3であり、a1<a3<a2であるものとする。
部品11を含めてターゲット8を全体的に見れば、部品11が搭載された領域は他の領域に比べて電子基板の主表面の上方に突起している。しかし本実施の形態のはんだ槽1は、a3よりも左右方向の寸法a1が小さい第2のはんだ槽1bが2つの部品11に挟まれた領域に嵌るように下方に設置することが可能である。
仮に実施の形態1などのように、はんだ槽1の全体が同じ左右方向の寸法a2を有する場合、寸法がa3である2つの部品11に挟まれたターゲット8の表面領域に溶融はんだ4を供給したい場合には、はんだ槽1の最下部(ノズル開口穴2a)が部品11の最上部よりも上方に配置される必要がある。このためノズル開口穴2aとターゲット8との図の上下方向の距離が大きくなり、位置がずれないように微細な電極などのターゲット8上に高精度に溶融はんだ4を供給することが困難になる可能性がある。
しかし本実施の形態においては、図6の寸法bの分だけはんだ槽1を下方に設置することができるため、図7のような突起物(部品11)が存在するターゲット8上においても、ノズル開口穴2aとターゲット8との図の上下方向の距離を小さくすることができる。このため位置がずれないように当該微細な電極などのターゲット8上に高精度に溶融はんだ4を供給することがいっそう容易になる。
したがって図6の第2のはんだ槽1bの上下方向の寸法bは、ターゲット8に搭載された部品11の上下方向の高さが高い場合ほど大きくすることが好ましい。
なお本実施の形態のように第2のはんだ槽1bの外壁の寸法a3が小さくなっても、ノズル開口穴2aからの溶融はんだ4の吐出量が少なくなるなどの影響が及ぶことはない。これは溶融はんだ4の吐出量はノズル開口穴2aの平面視における大きさと加圧ガス供給口6から放出されるガスの圧力とに依存するが、第2のはんだ槽1bの外壁の寸法a3には依存しないためである。
(実施の形態4)
図8を参照して、本実施の形態の溶融はんだ供給装置40は、仕切り板7がノズルと一体となるように形成されている。このため仕切り板開口穴7aとノズル開口穴2aとが一体となるように接続されている。ここで一体とは、2つ以上の領域が併せて1つの部材を構成するように合体していることを意味する。
仕切り板開口穴7aとノズル開口穴2aとにより第2のはんだ槽1bが形成されている。仕切り板開口穴7a内は第3のはんだ槽1cであるため、本実施の形態においては第2のはんだ槽1bと第3のはんだ槽1cとが同一の領域として形成されている。
なお仕切り板開口穴7aとノズル開口穴2aとにより第2のはんだ槽1bが形成されるため、第2のはんだ槽1bの容積が非常に小さくなることを抑制する観点から、本実施の形態においては他の実施の形態に比べて仕切り板7の(図の上下方向の)厚みが大きくなっており、かつ仕切り板開口穴7aの(図の左右方向の)幅が広くなっていることが好ましい。しかし本実施の形態はこのような態様に限られない。
またノズルと一体として形成された仕切り板7は、はんだ槽1の一部をなすものとして形成されてもよい。さらに仕切り板7は、筒状の部材であるはんだ槽1の本体(側部)とも一体となるように形成されてもよい。
図8においては、シャフト3が、第1のシャフト部分3cと、第2のシャフト部分3dとを有する構成となっている。第1のシャフト部分3cは、図の上下方向(第1の方向)に延びる長尺形状を有する部分である。第2のシャフト部分3dは、第1のシャフト部分3cの図の下側の端部(第2のはんだ槽1b側の先端部)に接続され、図の左右方向(第2の方向)に関する寸法が第1のシャフト部分3cの当該寸法よりも大きい部分である。本実施の形態においては、第1のシャフト部分3c、第2のシャフト部分3dはともに第1のはんだ槽1a内に配置されている。
このような構成を有するのは、本実施の形態の溶融はんだ供給装置40は、他の実施の形態の同装置に比べて仕切り板開口穴7aの幅が広くなっているためであり、幅の広い仕切り板開口穴7aを塞ぐことを可能とするためにシャフト3の先端部に相当する第2のシャフト部分3dの幅を第1のシャフト部分3cの幅よりも広くしている。しかしこのような態様に限らず、本実施の形態においても、たとえば全体の幅を広くすることにより、他の実施の形態と同様に第1の方向に延びる棒状の部分のみを有するシャフト3が用いられてもよい。
なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においては仕切り板7とノズルとを一体になるように、または仕切り板7とはんだ槽1とを一体になるように形成することにより、溶融はんだ供給装置40全体の構成部品数を減少させることができる。このため製造工程を簡略化することができ、コストを低減することができる。
また溶融はんだ供給装置40全体の構成部品数を減少させることにより、仕切り板7に加わる負荷を分散することができ、装置の寿命を延ばすことができる。これは本実施の形態においては仕切り板7が図の上下方向に関して厚く形成されるためである。
さらに、たとえばはんだ槽1とノズル2と仕切り板7とが別個の部材として形成される場合にはこれらの間に熱応力などの負荷が発生し得る。しかし本実施の形態ではこれらが一体の部材として形成されるため、上記の負荷を排除することができ、装置の寿命を延ばすことができる。
(実施の形態5)
図9〜図11を参照して、図9は実施の形態1の図1に、図10は実施の形態1の図2に、図11は実施の形態1の図3に、それぞれ相当する状態を示している。すなわち図10および図11は本実施の形態における動作を示しており、図10は開時を、図11は閉時を、それぞれ示している。
本実施の形態の溶融はんだ供給装置50は、シャフト3が第1のシャフト部分3cと、第2のシャフト部分3dとを有している。第1のシャフト部分3cは、第1のはんだ槽1a側(図の上側)から、第1のはんだ槽1aおよび仕切り板開口穴7aを貫通するように、図の上下方向(第1の方向)に延在している。第2のシャフト部分3dは、第2のはんだ槽1b内に存在し、第1のシャフト部分3cの第2のはんだ槽1b側(図9〜図11の下側)の先端部において第1のシャフト部分3cに接続され、第1のシャフト部分3cと合わせて一体のシャフト3を構成している。
より具体的には、第2のシャフト部分3dは、シャフト先端部3aと、シャフト接続部3eとを有している。シャフト先端部3aは、他の実施の形態のシャフト先端部3aと同様に、シャフト3全体の図の下側の先端部に相当する。シャフト接続部3eは第2のシャフト部分3dの図の上側の表面であり、第2のシャフト部分3dが第1のシャフト部分3cと接続する表面である。以上のように第1のシャフト部分3cと第2のシャフト部分3dとを有するシャフト3は全体として、第1のはんだ槽1aから、仕切り板開口穴7aを貫通して第2のはんだ槽1bに達するように図の上下方向に延在している。
第1のシャフト部分3cは、平面視において仕切り板開口穴7aよりも小さいことが好ましく、かつ平面視において仕切り板開口穴7aと重なる(仕切り板開口穴7a内に収まる)ように配置される。このため第1のシャフト部分3cは仕切り板開口穴7aと接触することなく、図の上下方向に移動可能である。
これに対して第2のシャフト部分3dは、平面視において仕切り板開口穴7aよりも大きくなっており、かつ平面視において仕切り板開口穴7aと重なっている。すなわち第2のシャフト部分3dは、平面視において、仕切り板開口穴7aの外側まで延在しており、かつ仕切り板開口穴7aの全体を覆うように仕切り板開口穴7aと完全に重なっている。
第1のシャフト部分3cおよび第2のシャフト部分3dは、上記の他の実施の形態のシャフト3と同様の材質により形成されている。また第1のシャフト部分3cおよび第2のシャフト部分3dは平面視において円形であってもよいし、たとえば正方形状であってもよい。
図10を参照して、たとえばシャフト3が図9の下方向に移動し、第2のシャフト部分3dの図9の上側の端部であるシャフト接続部3eが仕切り板7の下方に離れ、仕切り板開口穴7aを開いた場合を考える。このときの第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4には図2の第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4と同様に力が加わる。したがって下向きの力が大きく加わることにより、ノズル開口穴2aからはんだ槽1外へ溶融はんだ4が吐出される。
図11を参照して、たとえばシャフト3が図9の上方向に移動し、第2のシャフト部分3dのシャフト接続部3eが仕切り板開口穴7aを下方から塞ぐように仕切り板7の下側の主表面上に接触した状態となった場合を考える。このとき仕切り板開口穴7aは閉じた状態となっている。
シャフト3を図9の上方向に移動する際には、第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4にはシャフト3が溶融はんだ4を上方に引き上げることによる上向きの力が加わる。またシャフト3が上方向に上がり終え仕切り板開口穴7aを閉じた状態においては、図3と同様に、第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4には下向きの力よりも上向きの表面張力の方が大きく加わる。以上により溶融はんだ4のノズル開口穴2aからの吐出は起こらなくなる。これが図11に示す状態である。
以上のように、本実施の形態においては、仕切り板開口穴7aを閉じる際にシャフト3を上方に引き上げる。また第2のはんだ槽1b内の第2のシャフト部分3dのシャフト接続部3eが仕切り板7に接触するか否かにより仕切り板開口穴7aの開閉がなされるため、閉時において第3のはんだ槽1c(仕切り板開口穴7a内)は第1のはんだ槽1a内と一体となる。この点において本実施の形態は、仕切り板開口穴7aを閉じる際に第1のはんだ槽1a側からシャフト3を下方に押し付けるため閉時において第3のはんだ槽1c(仕切り板開口穴7a内)が第2のはんだ槽1b内と一体となる実施の形態1などと異なっている。
なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においては、仕切り板開口穴7aを閉じる動作を行なう際にシャフト3を上方に引き上げる。すなわち第2のはんだ槽1b内の、特にノズル開口穴2aの近くの溶融はんだ4は上方に引き上げられる。この溶融はんだ4が上方に引き上げられる力により、第2のはんだ槽1b内の溶融はんだ4には図の上向きの力が大きく加わる。これにより、仕切り板開口穴7aを閉じる動作を行なう際にノズル開口穴2aから溶融はんだ4が漏出する可能性を低減する効果をいっそう高めることができる。このため所望の位置に所望の量の溶融はんだ4を高精度に供給することができる。
(実施の形態6)
図12を参照して、本実施の形態の溶融はんだ供給装置60は、ノズル2が互いに間隔をあけて複数のノズル開口穴2aを有している。なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の溶融はんだ供給装置60を用いれば、たとえばターゲット8としてのたとえば電子基板上に互いに間隔をあけて複数形成された電極のそれぞれの上に、同時に溶融はんだ4を供給することができ、製造タクトを短縮することができる。またたとえばターゲット8としての電極の大きさおよび個数に応じて、複数のノズル開口穴2aのそれぞれの平面視における大きさおよび位置を変更すれば、複数のターゲット8のそれぞれの大きさなどが異なる場合においてもそれらに対して同時に最適な量の溶融はんだ4を供給することができる。
図13は、本実施の形態の溶融はんだ供給装置60を用いて、ターゲット8上の広い範囲に溶融はんだ4を供給する例を示している。本実施の形態の溶融はんだ供給装置60を用いれば、図12のように互いに間隔をあけて複数の小さい溶融はんだ4の供給領域を形成することもできるが、図13のように複数のノズル開口穴2aのそれぞれから供給される溶融はんだ4同士を1つのターゲット8上で連続させることにより、1つの大きい溶融はんだ4の供給領域を形成することもできる。
図13より、本実施の形態においては、たとえば実施の形態1などに比べて広い範囲に溶融はんだ4を供給することができ、その広い範囲の溶融はんだ4の全体の厚みをより均一にすることができるといえる。つまり本実施の形態は、特に面積の大きい電極上に溶融はんだ4を供給することができる。
以上の各実施の形態の溶融はんだ供給装置の特徴を適宜組み合わせて用いてもよい。たとえば実施の形態6と実施の形態4の構成を組み合わせ、複数のノズル開口穴2aを有するノズルが仕切り板7(およびはんだ槽1)とが一体(1つの部材)となった構成を構成してもよい。あるいは実施の形態6と4との組み合わせに、さらに実施の形態2のような仕切り板開口穴7aの傾斜形状、および/または実施の形態3のような外壁の幅が狭い第2のはんだ槽1bを有する構成であってもよい。さらに実施の形態5のシャフト3が各実施の形態に用いられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 はんだ槽、1a 第1のはんだ槽、1b 第2のはんだ槽、1c 第3のはんだ槽、2 ノズル、2a ノズル開口穴、3 シャフト、3a シャフト先端部、3b シャフト外縁面取り部、3c 第1のシャフト部分、3d 第2のシャフト部分、3e シャフト接続部、4 溶融はんだ、5 ヒータ、6 加圧ガス供給口、7 仕切り板、7a 仕切り板開口穴、8 ターゲット、9 ガス排出口、10,20,30,40,50,60 溶融はんだ供給装置。

Claims (8)

  1. 溶融はんだを収納可能であり、前記溶融はんだを吐出可能な開口部が形成されたはんだ槽と、
    前記はんだ槽内に設けられ、前記はんだ槽を第1のはんだ槽と第2のはんだ槽とに区分する仕切り板と、
    前記はんだ槽内に設けられ、前記第1のはんだ槽と前記第2のはんだ槽とを結ぶ第1の方向に延び、前記第1の方向に移動可能なシャフトと、
    ガスにより前記はんだ槽内の前記溶融はんだを吐出させる方向の圧力を加える加圧ガス供給口とを備え、
    前記仕切り板を貫通するように仕切り板開口穴が形成され、
    前記シャフトは、前記仕切り板開口穴を開閉することにより、前記開口部における前記溶融はんだの吐出を制御可能であり、
    前記第2のはんだ槽の内壁面は、少なくとも前記第1のはんだ槽と反対側の領域において、前記第1のはんだ槽の内壁面に沿って延びる、溶融はんだ供給装置。
  2. 前記はんだ槽はノズルを含み、
    前記開口部は前記ノズルに形成されており、
    前記開口部は前記仕切り板開口穴の開時および閉時の双方において前記シャフト3から離間している、請求項1に記載の溶融はんだ供給装置。
  3. 前記仕切り板と前記ノズルとは一体として形成される、請求項2に記載の溶融はんだ供給装置。
  4. 前記ノズルは互いに間隔をあけて複数の前記開口部を有する、請求項2または請求項3に記載の溶融はんだ供給装置。
  5. 前記はんだ槽には加熱機構が設置されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の溶融はんだ供給装置。
  6. 前記仕切り板開口穴は前記仕切り板の主表面に直交する方向に対して傾いた形状を有する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の溶融はんだ供給装置。
  7. 前記開口部は前記第2のはんだ槽の内部につながるように形成され、
    前記第2のはんだ槽の外壁は前記第1のはんだ槽の外壁よりも、前記第1の方向に直交する第2の方向に関する寸法が小さい、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の溶融はんだ供給装置。
  8. 前記シャフトは前記第1のはんだ槽から前記仕切り板開口穴を貫通して前記第2のはんだ槽に達するように延在し、
    前記シャフトは前記仕切り板開口穴を貫通し前記第1の方向に延びる第1のシャフト部分と、前記第1のシャフト部分の前記第2のはんだ槽側の先端部において前記第1のシャフト部分に接続された第2のシャフト部分とを含み、
    前記第2のシャフト部分は前記仕切り板開口穴を開閉可能である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の溶融はんだ供給装置。
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