JP6355007B1 - シーラントフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、引き裂き性に優れ、かつ直進的な引き裂き性を有するシーラントフィルムの製造方法を提供することにある。本発明は、プロピレン系ブロック共重合体樹脂を含有する樹脂をインフレーション法の押出フィルム製造装置に供給し、1.0〜2.9のブロー比かつ7〜60のドローダウン比で溶融押出することを特徴とするシーラントフィルムの製造方法に関するものである。

Description

本発明は、食品等を包装した状態で加熱や加圧による殺菌、調理が可能なレトルト包装等に使用するシーラントフィルムの製造に関する。
食品の包装材として、プラスチック素材を使用したフレキシブルパッケージングが世界的に使用されており、新興国への広がりとともに益々増大傾向を示している。こうした中、高温で加圧・加熱殺菌(レトルト殺菌)されたレトルト食品は、その利便性から今後の食品包装市場での需要の高まりが見込まれている。レトルト食品は常温流通が可能であり、食べる際の手軽さに加え、流通における取り扱いのしやすさも有り、コールドチェーンの発達が不十分な地域への拡大も期待される。
レトルト食品における包装袋の構成としては、ポリエステルやポリアミド樹脂からなる二軸延伸フィルムを外装面に使用し、ガスバリア性に優れたアルミ箔や蒸着フィルム等を中間層とし、ヒートシール性に優れたプロピレン系樹脂からなる無延伸フィルムが最内層に用いられている。またレトルト食品は、常温で長期間流通されるため、強いシール強度や、耐衝撃性にも優れることが求められる。このため、プロピレン系樹脂は、耐衝撃性に優れるエチレン−プロピレンブロック共重合体、或いは当該樹脂に適宜熱可塑性エラストマーを配合したフィルム等が好適に使用されている。
レトルト食品を食する際には、一般的に熱湯で湯煎して温める場合が多く、加熱後、包装袋の上端に設けられたノッチからフィルムを引き裂いて開封する。しかしながら、従来の耐衝撃性に優れたプロピレン系樹脂を使用した包装袋は、開封時の引き裂き性が十分ではなく、開封に強い力が必要となる場合や、一旦裂け始めた後もシーラントの伸びにより引っかかりが生じ、一定の力で完全に開封しない場合があった。また、裂けの方向が一定方向に生じない場合も多く、快適、安全な開封性が実現できない場合があった。
引き裂き性やその方向性を制御するために、特許文献1には特定の成膜条件でプロピレン系樹脂フィルムの複屈折を促進したり、結晶核剤の追添でフィルムのコシを向上する方法が開示されている。しかし、この方法ではフィルムの剛性が向上することで引き裂き性の向上は認められるものの、その方向性の制御については不十分であった。また、特許文献2には特定のプロピレン系樹脂と特定のプロピレン系エラストマーを配合した樹脂組成物を、縦方向に少なくとも4倍一軸延伸する方法が開示されている。しかし、このような高い倍率で一軸延伸する方法では、得られたフィルムは軽く直進的に引き裂けるが、同時に配向結晶化が大きく進行することで、シール開始温度が大幅に上昇してしまう。このため、複合される他の延伸基材やアルミ箔の加工適性範囲を超える温度で製袋する必要性が生じ、フィルムの二次加工適性が低下する問題があった。
特開2011−162667号 特表2012−500307号
本発明が解決しようとする課題は、引き裂き性に優れ、かつ直進的な引き裂き性を有するシーラントフィルムの製造方法を提供することにある。
本願発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本願発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、プロピレン系ブロック共重合体樹脂を含有する樹脂をインフレーション法の押出フィルム製造装置に供給し、1.0〜2.9のブロー比かつ7〜60のドローダウン比で溶融押出することを特徴とするシーラントフィルムの製造方法を提供する。
本発明のシーラントフィルムは、プロピレン系ブロック共重合体樹脂を含有する樹脂を特定のブロー比及び特定のドローダウン比にてインフレーション法により成形することにより優れた引き裂き性及び好適な直進引き裂き性を有することから、一方向に好適に裂けが生じやすく、また裂けが生じた後も引裂強度のばらつきが生じにくい好適な引き裂き性を有する。また、当該好適な引き裂き性を実現しながらも、シール開始温度が大幅に上昇することなく好適なシール性を実現できる。このため、本発明のシーラントフィルムを使用した包装袋は、開封時や開封が生じ始めた後の内容物のこぼれや飛散が生じにくい。
このため、本発明の製造方法により製造されたシーラントフィルムは、各種食品等の包装用途、特にレトルト用のシーラントフィルムとして好適に使用できる。さらに、好適な耐破袋性も実現しやすいことから、これら用途に好適である。
本発明のシーラントフィルムの製造方法は、プロピレン系ブロック共重合体樹脂を含有する樹脂をインフレーション法の押出フィルム製造装置に供給し、1.0〜2.9のブロー比かつ7〜60のドローダウン比で溶融押出することで行われる。
インフレーション法としては、空冷インフレーション法が好ましく、上向きの空冷インフレーション法が特に好ましく使用できる。フィルムを単層とする場合には押出機一台と単層サーキュラーダイを使用し、多層とする場合には複数台の押出機と多層サーキュラーダイを使用する。これらを用いて円筒状の溶融樹脂を上向きに押し出したのち、必要に応じて円筒状の溶融樹脂を膨張させて引き取ると共に、空冷にて溶融樹脂を冷却固化させた後、適宜裁断して所望のフィルムを得ることができる。
インフレーション法におけるドローダウン比とは、ラインスピードVL(m/min)とダイス出口速度V0(m/min)の比に相当し、VL/V0で算出される。またブロー比とは、ダイスの直径D0とバブルの最終径DLの比に相当し、DL/D0から算出される。本発明においてドローダウン比は、7〜60とするが、15〜55とすることが好ましく、25〜50とすることがより好ましく、35〜45とすることが特に好ましい。また、ブロー比は、1.0〜2.9とすることが好ましく、1.0〜2.5とすることがより好ましく、1.1〜2.0とすることがさらに好ましく、1.1〜1.5とすることが特に好ましい。これらの値を上記範囲に調整することで、ダイから吐出された樹脂が流れ方向に支配的に引き伸ばされ、優れた引き裂き性及び直進的な引き裂き性が発現し易くなる。
インフレーション法において、押出機及びダイスの温度は、180〜220℃であることが好ましい。ダイスの直径は、100〜1200mmであることが好ましく、100〜800mmであることがより好ましく、150〜500mmであることがさらに好ましい。ダイスのリップ開度は0.5〜5mmであることが好ましく、1.5〜4.5mmであることがより好ましく、2.0〜4.0mmであることがさらに好ましい。吐出量は10〜400Kg/hであることが好ましく、20〜300Kg/hであることがより好ましく、50〜250Kg/hであることがさらに好ましい。ラインスピードは、ダイスの直径、ブロー比、及び吐出量によって異なるが、10〜150m/minであることが好ましく、20〜100m/minであることがさらに好ましい。前記条件にてインフレーション成形することにより、好適なシール性が得やすくなる点でも好ましい。
本発明のシーラントフィルムの製造方法に用いられる樹脂はプロピレン系ブロック共重合体樹脂を含有するものであるが、該プロピレン系ブロック共重合体樹脂としては、プロピレンと他のα−オレフィンとを含有する樹脂を使用できる。α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示でき、なかでもエチレンが耐熱性や耐衝撃性に優れているため好ましい。プロピレン−エチレンブロック共重合体は、特に限定されないが、例えば第一工程において、プロピレンを主体とした重合体ブロックを重合し、第二工程において、エチレンとプロピレンの共重合体ブロックを重合して得られる。
プロピレン系ブロック共重合体樹脂中のα−オレフィン含有量は、耐衝撃性やヒートシール強度を得やすいことから1〜20モル%であることが好ましく、3〜17モル%であることがより好ましい。
プロピレン系ブロック共重合体樹脂の融点は、耐熱性と耐衝撃性のバランスから155〜165℃であることが好ましく、157〜163℃であることがより好ましい。
プロピレン系ブロック共重合体樹脂のメルトフローレート(MFR)は、成形が容易であり、また好適な耐衝撃性を得やすいことから、0.5〜10g/10分(230℃、21.18N)であることが好ましく、0.8〜8g/10分であることがより好ましく、1〜6g/10分であることがさらに好ましい。
本発明に使用するプロピレン系ブロック共重合体樹脂は、Tダイ成膜法において冷却ロール40℃で、厚み60μmとなるように成形した時の曇り度が、60%以下となるプロピレン系ブロック共重合体であることが好ましく、45%以下となるプロピレン系ブロック共重合体であることが好ましく、35%以下となるプロピレン系ブロック共重合体であることが好ましい。曇り度がこの範囲であると、インフレーション成形で得られたフィルムの外観が良好となる点で好ましい。
本発明のシーラントフィルムは、プロピレン系ブロック共重合体樹脂を樹脂成分中の70質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することがより好ましい。当該範囲とすることで、包装袋として好適な耐熱性と耐破袋性とを実現できる。本発明のシーラントフィルムを多層構成とする場合には、各層のプロピレン系ブロック共重合体樹脂の含有量を当該範囲とすることが好ましい。
本発明のシーラントフィルムは、樹脂成分として上記プロピレン系ブロック共重合体樹脂のみを使用することも好ましいが、高溶融張力ポリプロピレン樹脂を併用することも好ましい。高溶融張力ポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂の主鎖に長鎖分岐を導入した構造や、架橋させた構造を有しており、溶融時の張力を高めたものである。高溶融張力ポリプロピレン樹脂を含有することで、インフレーション成形が困難であったポリプロピレン系樹脂でも、ブロー比1.0〜2.9までの条件の範囲で安定した成膜を可能とする点で好ましい。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂の含有量は、シーラントフィルムに含まれる樹脂成分中の0.1〜30質量%とすることが好ましく、2〜25質量%とすることがより好ましく、3〜20質量%とすることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、製膜安定性を得易くなる点で好ましい。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂の組成としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、或いはプロピレン−エチレンブロック共重合体のいずれでも良いが、耐熱性の点で、プロピレン単独重合体のタイプが好ましい。メルトフローレート(MFR)は、0.1〜18g/10分(230℃、21.18N)が好ましく、0.5〜8g/10分(230℃、21.18N)がより好ましく、0.8〜6.0g/10分(230℃、21.18N)がさらに好ましい。上記MFRのものを使用することにより、好適な成膜性やプロピレン系ブロック共重合体との良好な相溶性を得やすくなる。また、溶融張力(230℃)は0.03N〜0.40Nが好ましく、0.08〜0.25Nがより好ましい。
本発明のシーラントフィルムは、他の樹脂を併用することも好ましい。当該他の樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレン等)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられる。
なかでも、ポリエチレン系エラストマー、特に、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体は、プロピレン系ブロック共重合体との相溶性が良好で、耐衝撃性が高くなるため好ましく使用できる。
当該他の樹脂を使用する場合には、シーラントフィルムに含まれる樹脂成分中の1〜20質量%とすることが好ましく、5〜15質量%とすることがより好ましい。当該範囲とすることで、耐衝撃性を向上させやすく、また、良好な耐熱性や剛性を得やすくなる。
ポリエチレン系エラストマーのメルトフローレート(MFR)は、0.5〜10g/10分(190℃、21.18N)が好ましいが、好適な引き裂き性が得やすいことから、1〜8g/10分であることがより好ましい。また、プロピレン系ブロック共重合体に配合した際の良好な成形性を得やすくなる。
ポリエチレン系エラストマーの密度は、0.870〜0.943g/cmの範囲が好ましい。耐衝撃性、或いは耐衝撃性と剛性の両立など、プロピレン系ブロック共重合体の改質目的に合わせて、適宜選択すればよい。特に耐衝撃性を向上させたい場合には、0.870〜0.910g/cmであることが好ましく、特に剛性を高めたい場合には0.910〜0.943g/cmであることが好ましい。
本発明のシーラントフィルムは、その赤外分光法(IR)により測定される配向度が0.1〜0.7であることが好ましく、0.15〜0.55であることがより好ましく、0.2〜0.45であることが更に好ましい。当該配向度の範囲であると、フィルム引き裂き時の好適な直進引き裂き性が得られると共に、シール温度の高温化の影響が生じにくく、好適なヒートシール性を実現できる。
当該配向度は、赤外分光法(IR)により測定されるものあり、具体的には、透過赤外分光光度計を用いて測定した赤外二色比(D)より、下記の式から算出される。
配向度F=(Dmax−1)/(Dmin+2)
Dmax:偏光子を回転させて測定した最大透過率
Dmin:同様に測定した最小透過率
なお、当該数値は997cm−1における吸収を用いて算出する。
本発明のシーラントフィルム中には、本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加剤を配合してもよい。当該添加剤としては、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、顔料等を例示できる。
本発明のシーラントフィルムの厚みは使用する用途や態様に応じて適宜調整すればよいが、包装用途における耐熱性や流通時の耐破袋性、ヒートシール性等の観点から、その総厚みが20〜150μmであることが好ましく、40〜100μmであることがより好ましい。
本発明のシーラントフィルムは、単層構成であっても、複数層が積層された多層構成であってもよい。多層構成とする場合には、各層が同一の樹脂組成であっても良いが、異なる樹脂組成であってもよい。いずれの場合にも、フィルム中の上記プロピレン系ブロック共重合体樹脂の含有量を70質量%以上とすることで、好適なシール性や引き裂き性を実現でき、各層が上記例示した配合にて構成されることが好ましい。
本発明のシーラントフィルムの好ましい構成の例としては、両表層の表面性状を制御しやすいことから、二層構成のシーラントフィルム又は三層構成のシーラントフィルムの構成を例示できる。
本発明のシーラントフィルムは、レトルト用包装材として使用する場合、他の基材フィルムと貼りあわせて使用できる。他の基材フィルムとしては、特に限定されるものではないが、本発明の効果を容易に発現させる観点から、プラスチック基材、特には二軸延伸された樹脂フィルムを用いることが好ましい。また透明性を必要としない用途の場合はアルミ箔を組み合わせて使用することもできる。
延伸された樹脂フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリエステル(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を中心層とした共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、アルミナ蒸着PET、シリカ蒸着PET、アルミナ・シリカ二元蒸着PET、シリカ蒸着PA、アルミナ蒸着PA等が挙げられる。これらは、単独あるいは複合化して使用しても良い。
本発明のシーラントフィルムと、延伸された各種の基材フィルムを貼りあわせる方法としては、主に二つの加工方法が使用されている。一つは、本発明のシーラントフィルム、又は基材フィルムのラミネート面に必要に応じてアンカーコート剤を塗布し、加熱溶融されたポリマー膜(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)を、本発明のシーラントフィルムと基材フィルムのラミネート面の間に薄膜状に押し出して圧着、積層させる、押出ラミネート法である。もう一つは、基材フィルムのラミネート面に接着剤を塗布した後、本発明のシーラントフィルムと基材フィルムを圧着、積層させるドライラミネート法であるが、レトルト包装に使用する場合ドライラミネート法が好ましい。
ラミネート用の接着剤は、ポリオール/イソシアネートによる硬化が一般的であり、レトルト用途等の高機能用途には多く利用されている。また従来、貼り合わせはアルミ箔とシーラントフィルムの組み合わせが一般的であったが、各種の透明蒸着フィルムが市販されるようになっており、内容物の視認性向上の要求から、透明蒸着フィルムとシーラントフィルムの貼り合わせも多くなっている。
ラミネート用接着剤に用いられるポリオールとしては、例えば、後述するポリオールそのもの、或いはポリオールと後述するポリカルボン酸類とを反応させて得られるポリエステルポリオール、或いは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の活性水素原子を2個有する化合物類を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマー類を付加重合したポリエーテル類等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等のグリコール類、プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の活性水素原子を2個有する化合物類を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマー類を付加重合したポリエーテル類等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、イソシアネート基を分子内に少なくとも2つ有する有機化合物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート;これらのポリイソシアネートのアダクト体、これらのポリイソシアネートのビュレット体、または、これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体などのポリイソシアネートの誘導体(変性物)などが挙げられる。
また、前記イソシアネートと前記ポリオールとをイソシアネート基が過剰となる混合比で反応したものを用いてもよい。
接着剤において、前記ポリオールの水酸基当量と前記ポリイソシアネートのイソシアネート当量との当量比ポリオール/イソシアネートが0.5〜5.0であることが好ましい。
本発明の包装材は、上記シーラントフィルムをシーラントとする構成により、良好なシール性と、好適な引き裂き性による良好な開封性を実現できる。また、好適な耐熱性や耐破袋性を実現できることから、上記シーラントフィルムを各種基材と積層して形成される包装材は、レトルト食品用の包装材として好適に適用できる。
本発明の包装材は、平袋型、自立性包装袋(スタンディングパウチ)型、チュ−ブ型等の各種形状へ製袋可能な包装袋として好適に使用できる。具体的には、例えば、フィルム状の包装材1枚をシーラント層同士が対向するように折り重ね、または、本発明のフィルム状の包装材2枚をシーラント層同士が対向するように重ね合わせ、その周辺端部をヒートシールして、レトルト食品等の包装袋(レトルトパウチ)に製袋できる。また、必要に応じて、VノッチやIノッチ等の開封開始部を設けてもよい。
本発明の包装材及び当該包装材を使用したレトルト食品用包装袋は、ボイル、レトルト殺菌等の高温熱水条件下での処理を必要とする食品の包装に好適に使用でき、例えば、カレー、シチュー、スープ、調理用ソース等の各種のレトルト食品包装用途に好適に適用できる。
(実施例1)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(1)(MFR3.2g/10min(230℃、21.18N)、融点162℃)98質量%と高溶融張力のプロピレン単独重合体(1)(MFR1.0g/10min(230℃、21.18N)、融点161℃、溶融張力(230℃)0.23N)2質量%を用いて、層(A)用押出機(口径40mm)、層(B)用押出機(口径50mm)、層(C)用押出機(口径40mm)に供給して200℃で溶融した。その溶融した樹脂を、直径200mm、リップ開度3.2mmのスパイラル型5層ダイを備えた空冷インフレーション法の共押出多層フィルム製造装置に供給して、ブロー比が1.3、ドローダウン比が43となるように共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、外層側から層(A)/層(B)/層(C)の層構成で、各層の厚みが、20/60/20%の全厚60μmのシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例2)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(1)(98%と高溶融張力のプロピレン単独重合体(1)2質量%を用いて、層(A),(B),(C),(D),(E)用の各押出機(口径40mm)に供給して200℃で溶融した。その溶融した樹脂を、直径150mm、リップ開度3.2mmのスパイラル型5層ダイを備えた空冷インフレーション法の共押出多層フィルム製造装置に供給して、ブロー比が1.5、ドローダウン比が37となるように共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、外層側から層(A)/層(B)/層(C)/層(D)/層(E)の5層構成で、各層の厚みが、20/20/20/20/20%の全厚60μmのシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例3)
共溶融押出時のリップ開度を1.2mm、ブロー比を2.0、ドローダウン比を11とした以外は、実施例2と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例4)
共溶融押出時のブロー比を2.3、ドローダウン比を27とした以外は、実施例2と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例5)
共溶融押出時のリップ開度を1.2mm、ブロー比を2.5、ドローダウン比を9とした以外は、実施例2と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例6)
共溶融押出時のブロー比を2.8、ドローダウン比を20とした以外は、実施例2と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例7)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(1)93質量%と高溶融張力のプロピレン単独重合体(1)2質量%、エチレン−ブテン1ランダム共重合体(1)(MFR3.5g/10min(190℃、21.18N)、密度0.885g/cm3)5質量%とした以外は、実施例2と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例8)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(1)70質量%と高溶融張力のプロピレン単独重合体(1)20質量%、エチレン−ブテン1ランダム共重合体(1)10質量%とした以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例9)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(2)(MFR2.5g/10min(230℃、21.18N)、融点163℃)85質量%、高溶融張力のプロピレン単独重合体(1)5質量%、エチレン−ブテン1ランダム共重合体(1)10質量%、ドローダウン比を39とした以外は、実施例2と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例10)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(3)(MFR3.0g/10min(230℃、21.18N)、融点162℃)82質量%、高溶融張力のプロピレン単独重合体(2)(MFR3.0g/10min(230℃、21.18N)、融点161℃、溶融張力(230℃)0.13N)8質量%、エチレン−ブテン1ランダム共重合体(1)10質量%、ドローダウン比を36とした以外は、実施例2と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例11)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(3)75質量%、高溶融張力のプロピレン単独重合体(2)15質量%、エチレン−ブテン1ランダム共重合体(1)10質量%とした以外は、実施例10と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例12)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(3)70質量%、高溶融張力のプロピレン単独重合体(2)25質量%、エチレン−αオレフィン共重合体(1)(MFR3.6g/10min(190℃、21.18N)、密度0.931g/cm3)5質量%とした以外は、実施例10と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例13)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(4)(MFR5.0g/10min(230℃、21.18N)、融点157℃)82質量%、高溶融張力のプロピレン単独重合体(2)8質量%、エチレン−ブテン1ランダム共重合体(1)10質量%とした以外は、実施例10と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例14)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(4)(MFR5.0g/10min(230℃、21.18N)、融点157℃)77質量%、高溶融張力のプロピレン単独重合体(2)8質量%、エチレン−ブテン1ランダム共重合体(1)15質量%とした以外は、実施例10と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例15)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(1)100質量%、ブロー比を1.5、ドローダウン比を39とした以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(実施例16)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(2)90質量%とエチレン−ブテン1ランダム共重合体(1)10質量%とした以外は、実施例15と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(比較例1)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(1)98質量%と高溶融張力のプロピレン単独共重合体(1)2質量%を用いて、層(A),(B),(C),(D),(E)用の各押出機(口径40mm)に供給して200℃で溶融した。その溶融した樹脂を、直径150mmリップ開度1.2mmのスパイラル型5層ダイを備えた空冷インフレーション法の共押出多層フィルム製造装置に供給して、ブロー比が2.8、ドローダウン比が6となるように共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、外層側から層(A)/層(B)/層(C)/層(D)/層(E)の5層構成で、各層の厚みが、20/20/20/20/20%の全厚60μmのシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(比較例2)
共溶融押出時のリップ開度を3.2mm、ブロー比を3.0、ドローダウン比を18とした以外は、比較例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(比較例3)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(2)90質量%とエチレン−ブテン1ランダム共重合体10質量%を用いて、層(A)用押出機(口径40mm)、層B用押出機(口径50mm)、層C用押出機(口径50mm)に供給して250℃にて溶融した。その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール包の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック温度及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して、ドローダウン比が18となるように共溶融押出を行って、フィルムの層構成が外層側から層(A)/層(B)/層(C)の3層構成で、各層の厚み比率が20/60/20%の全厚60μmのシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(比較例4)
押出機に供給する樹脂を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(1)95質量%と高溶融張力のプロピレン単独重合体(1)5質量%とした以外は、比較例3と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(比較例5)
プロピレン単独共重合体(1)(MFR2.5g/10min(230℃、21.18N), 融点163℃)を用いて、層(A),(B),(C),(D),(E)用の各押出機(口径40mm)に供給して200℃で溶融した。その溶融した樹脂を、直径150mm、リップ開度3.2mmのスパイラル型5層ダイを備えた空冷インフレーション法の共押出多層フィルム製造装置に供給して、ブロー比が1.5、ドローダウン比が35となるように共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、外層側から層(A)/層(B)/層(C)/層(D)/層(E)の5層構成で、各層の厚みが、20/20/20/20/20%の全厚60μmのシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(比較例6)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(1)90質量%と、エチレン-ブテン1ランダム共重合体(1)10質量%の樹脂混合物を、層(A)用押出機(口径40mm)、層(B)用押出機(口径50mm)、及び層(C)用押出機用(口径40mm)に供給して250℃で溶融した。その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が層(A)/層(B)/層(C)の3層構成で、各層の厚み比率が20/60/20%、全厚みが240μmとなるように押出た。40℃の水冷金属冷却ロール上で固化し、次いで、近接ロール延伸法により120℃で縦4倍延伸した後、125℃で熱固定し、全厚み60μmのシーラントフィルムを得た。また、オンラインで層(A)の表面にコロナ処理を施した。
(1)曇り度
得られたシーラントフィルムを、JIS K7105に基づきヘイズメーター(日本電飾工業株式会社製)を用いて測定した(単位:%)。
(2)配向度
日本分光株式会社製透過赤外分光光度計を用いて測定した赤外二色比(D)より、下記の式から算出した。
配向度F=(Dmax−1)/(Dmin+2)
Dmax:偏光子を回転させて測定した最大透過率
Dmin:同様に測定した最小透過率
また、997cm−1における吸収を用いて算出した。
(3)引き裂き強度
JIS K7128−1(トラウザー法)に従い、23℃、50%Rhの恒温室内にて流れ方向の引き裂き強度を測定した。
0.4N以下 ◎ ; 著しく引き裂き性に優れる
0.4〜1.0N 〇 ; 引き裂き性を有する
1.0N以上 × ; 引き裂き性に劣る
(4)直進引き裂き性
得られたシーラントフィルムから、流れ方向の長さが150mm、幅方向の長さが50mmの試験片を切り出し、幅方向の中央に20mmの間隔で2本の切れ込みを20mm入れ、切れ込みの先端の幅を実測した(W0)。切れ込みの先端部に、予め用意した厚み0.3mm、幅15mm、長さ160mmのポリエステルシートをテープで貼り付けた。貼り付けたポリエステルシートを180°方向に折り返し、その先端部及びそれとは反対に位置する切れ込み部を除いた試験片を引っ張り試験機に取り付け、1000mm/minのスピードで、200mm引き裂き、その終点の幅を実測した(W1)。得られた測定値にもとづき、以下の式から保持率を求め、直進引き裂き性の指標とした。
保持率[%]= W1/W0×100
100±10% ◎ ; 著しく直進引き裂き性に優れる
100±10〜30% 〇 ; 直進引き裂き性を有する
100±30%超 × ; 直進引き裂き性に劣る
(5)シール強度
厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム上に、ワイヤーバーを用いて、塗布厚みが3.5g/mとなるようにポリエステル系接着剤を塗布した。接着剤を乾燥後、上記にて得られたシーラントフィルムのコロナ処理面を貼り合わせ、40℃で24時間乾燥し、ヒートシール試験用ラミネートフィルムを得た。得られたフィルムを用いて、190℃、0.2MPa、1秒の条件でヒートシールした試験片を作成し、オートクレーブを用いて、121℃、30分の加熱処理を施した。加熱処理後の試験片を15mm幅に裁断し、引張試験機にて、シール強度を測定した。30N/15mm以上のものは、包装用途において良好なシール強度を有するものと評価した。
(6)フィルムインパクト
シーラントフィルムを0℃の環境下で4時間そのままの状態で静置した。その後、テスター産業製BU−302型フィルムインパクトテスターを用いて、振り子の先端に1インチのヘッドを取り付け、衝撃強度を測定した。0.5J以上のものは、包装用途において良好な耐衝撃性を有するものと評価した。
(7)耐レトルト性
厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム上に、ワイヤーバーを用いて、塗布厚みが3.5g/mとなるようにポリエステル系接着剤を塗布した。接着剤を乾燥後、シーラントフィルムのコロナ処理面を貼り合わせ、40℃で3日間乾燥し、耐レトルト試験用ラミネートフィルムを得た。得られたフィルムを用いて、内寸100mm×160mmとなるよう、190℃、0.2MPa、1秒の条件でヒートシールした3方袋を作成し、水200mlを入れ、同じ条件で密封シールした。次いで、レトルト釜を用いて、121℃、30分の加熱処理を施した。
〇:破袋や微量な水漏れ等の発生が無い
×:破袋、或いは水漏れが発生
Figure 0006355007
Figure 0006355007
Figure 0006355007
上記表より明らかなとおり、実施例1〜16の本願発明のシーラントフィルムは、優れた引き裂き性と良好な直進引き裂き性を有するものであった。また同時に好適なシール性及び耐レトルト性を有するものであった。一方、比較例1〜4のシーラントフィルムは、引き裂き性に劣るものであった。特に比較例1及び2のシーラントフィルは、直進引き裂き姓も劣るものであった。また、比較例5のシーラントフィルムは直進引き裂き性に劣り、また良好なフィルムインパクトも得られないものであった。さらに、比較例6のシーラントフィルムはシール強度が低く、ヒートシール界面で剥離が生じるものであった。

Claims (4)

  1. プロピレン系ブロック共重合体樹脂と、ポリエチレン系エラストマーとを含有するシーラントフィルムの製造方法であって、
    前記シーラントフィルムに含まれる樹脂成分中の前記プロピレン系ブロック共重合体樹脂の含有量が70質量%以上であり、前記シーラントフィルム中に含まれる樹脂成分中の前記ポリエチレン系エラストマーの含有量が1〜20質量%であり、
    前記プロピレン系ブロック共重合体樹脂と、前記ポリエチレン系エラストマーとを含有する樹脂配合物をインフレーション法の押出フィルム製造装置に供給し、1.0〜2.9のブロー比かつ7〜60のドローダウン比で溶融押出することを特徴とするシーラントフィルムの製造方法。
  2. 前記押出フィルム製造装置に供給する樹脂配合物が、高溶融張力のポリプロピレン樹脂を含有する請求項1記載の製造方法。
  3. 前記高溶融張力のポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR)が0.1〜18g/10分(230℃、21.18N)である請求項2に記載の製造方法。
  4. 赤外吸収分光法(IR)により測定されるシーラントフィルムの配向度が0.1〜0.7である請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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