以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態における基板作業システム300の構成について説明する。
図1に示すように、基板作業システム300は、基板作業装置100と通知手段200とを備える基板作業システムである。第1実施形態において、基板作業装置100は、具体的には部品実装機である。
基板作業装置100は、一対のコンベア2により基板900をX1方向側からX2方向側に搬送し、所定の実装作業位置Mにおいて基板900に部品31を実装する装置である。また、基板作業装置100は、自動運転により基板900に対して実装作業を行うように構成されている。
基板作業装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識カメラ7とを備えている。
一対のコンベア2は、基板900を水平方向(X方向)に搬送するように構成されている。コンベア2は、搬送中の基板900を実装作業位置Mで停止させた状態で保持するように構成されている。また、一対のコンベア2は、Y方向の間隔を調整可能に構成されている。
部品供給部3は、一対のコンベア2の両外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品供給部3には、テープフィーダ3aを支持する台車3bが配置されている。
テープフィーダ3aは、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き付けられたリール(図示せず)を保持している。テープフィーダ3aは、リールを回転させて部品31を保持するテープを送出することにより、テープフィーダ3aの先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、たとえば、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品を示す概念である。
台車3bは、下端部に車輪を含んでいる。台車3bは、複数のテープフィーダ3aを支持した状態で、移動可能に構成されている。所定のテープフィーダ3aの部品31がなくなるかまたは残数が少なくなって、部品31を補充する場合には、オペレータは基板作業装置100に台車3bが配置された状態か、場合によっては、基板作業装置100から台車3bを外した状態で部品31を供給(補充)する。
ヘッドユニット4は、ノズル41を下端に含む複数のヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。
ノズル41は、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、それぞれ、テープフィーダ3aから供給される部品31を吸着して保持し、基板900に搭載するように構成されている。
基板認識カメラ43は、基板900のフィデューシャルマーク(図示せず)を撮影するように構成されている。これにより、基板900の部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。
支持部5は、モータ51を含んでいる。支持部5は、モータ51を駆動させることにより、ヘッドユニット4を支持部5に沿ってX方向に移動させるように構成されている。
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、モータ61を含んでいる。レール部6は、モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4はXY方向に移動可能である。
部品認識カメラ7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識カメラ7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態を認識するために、ノズル41に吸着された部品31を撮像するように構成されている。また、部品認識カメラ7は、各ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側から撮影するように構成されている。これにより、部品31の吸着状態(吸着姿勢)を取得することが可能である。
通知手段200は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)を含み、基板作業装置100に接続されている。通知手段200は、制御部210と、表示部220とを含んでいる。通知手段200には、入力装置230が接続されている。制御部210は、CPU211およびメモリ212を有しており、基板作業システム300の全体の動作制御を行うように構成されている。制御部210(CPU211)は、生産プログラムに基づいて、基板作業に関する処理を行うように構成されている。メモリ212には、オペレータに定期的かつ規則的に要求される作業の内容と、行われるべき日時とが記憶されている。また、メモリ212には、オペレータに要求される作業(要求作業)と対応づけて、要求作業をオペレータが完了するのに必要な時間情報が記憶されている。表示部220は、液晶モニタを含み、各種情報を表示するように構成されている。なお、表示部220はタッチパネルであってもよい。通知手段200は、オペレータによる入力装置230を介した入力操作を受け付けることが可能である。
なお、オペレータに要求される作業としては、定期的かつ規則的に要求される作業、定期的ではあるが不規則的に要求される作業、および、偶発的に要求される作業がある。定期的かつ規則的に要求される作業は、装置の点検などに関する作業であり、たとえば、ファン回転確認作業(図5参照)である。定期的ではあるが不規則的に要求される作業は、装置の自動運転に関する作業であり、たとえば、セット位置xの部品補充作業である。偶発的に要求される作業は、装置のエラーに関する作業であり、たとえば、コンベア2上につっかえた基板900を取り除く作業である。
通知手段200は、オペレータが不在である不在時間帯(以下、不在時間帯という)を判断し、不在時間帯よりも前の第1時間帯、および、不在時間帯よりも後の第2時間帯のうち少なくともいずれかの時間帯において、不在時間帯にオペレータに要求する作業(以下、不在時間帯の要求作業という)に関する通知をオペレータに対して行うように構成されている。通知手段200(制御部210)は、オペレータが不在になったことを判断するとともに、不在時間帯の要求作業に関する通知を表示部220を介してオペレータに対して行う。なお、通知手段200が不在時間帯の要求作業をオペレータに通知する動作は、制御部210が表示部220を制御することによって行われる。また、制御部210は、要求作業に関する通知を行う場合には、基板作業装置100の動作を停止する。また、「オペレータが不在である時間帯(不在時間帯)」とは、オペレータが基板作業装置100から離れており、基板作業装置100に対して操作や作業が行えない時間帯を示す概念である。
制御部210は、オペレータにより入力された不在時間帯情報500をメモリ212(図1参照)に記憶するように構成されている。
図3に示すように、制御部210は、オペレータにより入力された不在時間帯情報500に基づき、不在時間帯の開始時刻より前の第1設定時刻(たとえば、不在時間帯の開始時刻の30分前の時刻)になると、不在時間帯の要求作業の抽出を行い、不在時間帯の要求作業に関する通知(第1時間帯における事前通知)をオペレータに対して行うように構成されている。この不在時間帯の開始時刻より前の第1設定時刻は、オペレータにより設定され、不在時間帯の前の第1時間帯に含まれる時刻である。
図4に示すように、制御部210は、基板作業装置100の稼働状況と、定期的かつ規則的に要求される作業の情報とに基づいて、不在時間帯における要求作業を抽出する。制御部210は、要求作業が本来要求される予定時刻と、要求作業の種別と、要求作業の内容とが対応付けられた予定作業リスト510として要求作業を抽出する。また、制御部210は、抽出された要求作業をオペレータが完了するのに必要な時間情報をメモリ212から取得するように構成されている。
図4に示す例では、セット位置x(図1参照)の部品補充、ファン回転確認およびノズル(ノズル41、図1参照)洗浄を要求作業として抽出する例を示している。具体的には、制御部210は、基板作業装置100の稼働状況に基づいて、セット位置xの部品補充通知を要求作業として抽出する。詳細には、制御部210は、部品31の消費ペースから部品供給部3(テープフィーダ3a)の部品31の残数を判別し、部品31がなくなる時間を予測して、不在時間帯の要求作業としてセット位置xの部品補充通知を抽出する。また、制御部210は、メモリ212に予め記憶されている定期的かつ規則的に要求される作業の情報に基づいて、不在時間帯の要求作業としてファン回転確認通知およびノズル(ノズル41、図1参照)洗浄通知を抽出する。なお、ファンは、基板作業装置100に設けられる発熱する機器などを冷却するファンであり、図示を省略している。また、図4において、「種別1」とは、基板作業装置100の稼働に関して、定期的ではあるが不規則的に要求される必須の作業(行わなければ基板作業装置100が予定時刻に停止する作業)であることを示し、「種別2」とは、定期的かつ規則的に要求される作業(行わなくても基板作業装置100が予定時刻に直ちに停止しない作業)であることを示している。
図5に示すように、制御部210は、要求作業を抽出すると予定作業実施指定画面520を表示部220に表示する。予定作業実施指定画面520は、抽出された不在時間帯の要求作業のうち第1時間帯において行う作業をオペレータに選択させる画面である。予定作業実施指定画面520において、制御部210(通知手段200)は、不在時間帯にオペレータに要求する作業が複数ある場合には、通知においてオペレータに要求する複数の作業を一括して通知するように構成されている。定期的かつ規則的に要求される作業は、項目521において「Y」または「N」が選択可能になっている。オペレータにより「Y」が選択された作業は、第1時間帯において行われる作業であり、「N」が選択された作業は、第1時間帯において行われない作業である。制御部210(通知手段200)は、第1時間帯に作業に関する通知を行った場合に、通知された作業のうちオペレータが行わなかった作業(項目521において「N」が選択された作業)についての通知を第2時間帯に再度行うように構成されている。すなわち、項目521において「N」が選択された作業は、通知タイミングが第2時間帯まで先延ばしされ、第2時間帯に事後通知(図3参照)として、再度通知される。制御部210(通知手段200)は、第2時間帯に作業に関する通知を行う場合において、作業に関する通知を不在時間帯には行わずに第2時間帯に行うように構成されている。また、制御部210は、先延ばしされた作業を第2時間帯に再度通知(第2時間帯における事後通知)する場合には、設定に基づいて、先延ばしされた作業を不在時間帯の終了時刻より後の第2設定時刻(たとえば、不在時間帯の終了時刻の5分後の時刻)に再度通知する(図3参照)ように構成されている。この不在時間帯の後の第2設定時刻は、オペレータにより設定され、不在時間帯の後の第2時間帯に含まれる時刻である。
項目521の設定は、オペレータにより行われる。なお、第1時間帯において必須の作業(「種別1」の作業)は、オペレータにより「Y」または「N」が任意に選択できないようになっている(項目521が「−」になっている)。制御部210は、オペレータにより確定ボタン522が押下されると、項目521において「Y」または「N」が選択された状態をメモリ212(図1参照)に記憶する。また、オペレータにより不在時間帯の要求作業が行われると、制御部210は、不在時間帯の要求作業が行われたことを記憶する。
また、制御部210は、オペレータの要求に応じて、不在時間帯の要求作業が本来要求される予定時刻と異なる時刻に行われたことをオペレータが確認できるように構成されている。具体的には、制御部210は、不在時間帯の要求作業が実際に行われた時刻と、本来要求される予定時刻とをグラフまたは表に示して表示部220に表示する制御を行うように構成されている。
また、制御部210は、図2に示すように、オペレータにより対応不可ボタン501が押下されたことに基づき、対応不可ボタン501が押下された時刻後の直近の要求作業を抽出するように構成されている。そして、制御部210は、抽出した直近の要求作業の予定時刻までに基板作業装置100の位置に戻ってこなければならない旨の警告(図3参照)を表示部220に表示するように構成されている。これにより、オペレータは、直近の要求作業の予定時刻までに基板作業装置100の位置に戻ってくるように意識することができる。なお、オペレータにより対応不可ボタン501が押下された場合には、制御部210は、抽出した直近の要求作業までに基板作業装置100の位置に戻ってこなければならない旨の警告が表示部220に表示された時刻の直後から不在時間帯(オペレータが不在で対応不可時間帯)になったと判断する。また、制御部210は、オペレータにより対応可ボタン502が押下された場合には、対応可ボタン502が押下された時刻の直後から不在時間帯でなくなった(オペレータの対応可能時間帯に復帰した)と判断する。
次に、図6を参照して、予め分かっている不在時間帯が入力されている場合において、この基板作業システム300の入力された不在時間帯に基づく要求作業通知処理について説明する。この処理は、通知手段200(制御部210)により実施される。
まず、ステップS1において、制御部210は、不在時間帯前の第1設定時刻になったか否かを判断する。制御部210は、不在時間帯前の第1設定時刻になるまでこの判断を繰り返し、不在時間帯より所定時間先行する第1設定時刻になると、ステップS2に処理を進める。
ステップS2において、制御部210は、不在時間帯の要求作業を抽出する。具体的には、制御部210は、不在時間帯情報500(図2参照)と、基板作業装置100の稼働状況と、メモリ212に予め記憶されている定期的かつ規則的に要求される作業の情報とに基づいて、不在時間帯における要求作業を予定作業リスト510(図4参照)として抽出する。
ステップS3において、制御部210は、抽出された不在時間帯の要求作業があるか否かを判断する。不在時間帯の要求作業がある場合には、制御部210はステップS4に処理を進める。一方、不在時間帯の要求作業がない場合には、制御部210は入力された不在時間帯に基づく要求作業通知処理を終了する。
ステップS4において、制御部210は、第1時間帯における事前通知を行うか否かを判断する。具体的には、制御部210は、抽出された不在時間帯の要求作業が必須の作業(図5の予定作業実施指定画面の項目521が「−」である作業であって、その作業が実施されない場合には基板作業装置100が運転停止となる作業)を含んでいる場合、または、抽出された不在時間帯の要求作業を不在時間帯までにオペレータが行うことが可能な時間の猶予がある場合には、ステップS5に処理を進め、予定作業実施指定画面520(図5参照)による事前通知を行う。一方、制御部210は、抽出された不在時間帯の要求作業が必須の作業を含んでおらず、かつ、抽出された不在時間帯の要求作業を不在時間帯までにオペレータが行うことが可能な時間の猶予がない場合には、ステップS7に処理を進める。
ステップS6において、制御部210は、第1時間帯に行わない作業が選択されたか否かを判断する。具体的には、制御部210は、予定作業実施指定画面520の項目521(図5参照)において「N」が選択されたか否かを判断する。そして、制御部210は、「N」が選択された項目521がある場合には、第1時間帯に行わない作業が選択されたと判断し、ステップS7に処理を進める。一方、制御部210は、「N」が選択された項目521がない場合には、第1時間帯に行わない作業が選択されなかったと判断し、制御部210は入力された不在時間帯に基づく要求作業通知処理を終了する。
ステップS7において、制御部210は、第1時間帯に事前通知されなかった作業を第2時間帯において事後通知するように設定する。
ステップS8において、制御部210は、不在時間帯後の第2設定時刻になったか否かを判断する。制御部210は、不在時間帯後の第2設定時刻になるまでこの判断を繰り返し、不在時間帯後の第2設定時刻になると、ステップS9に処理を進める。
ステップS9において、制御部210は、第2時間帯における第2設定時刻に事後通知を行う。なお、ステップS9において、作業に関する通知よりも優先度が高い通知情報がある場合には、制御部210(通知手段200)は、作業に関する通知よりも先に優先度が高い通知情報を通知する制御を行う。具体的には、制御部210は、定期的ではあるが不規則的に要求される作業、または、偶発的に要求される作業のいずれかの作業がある場合には、定期的かつ規則的に要求される作業よりも先に通知する制御を行う。その後、制御部210は入力された不在時間帯に基づく要求作業通知処理を終了する。
なお、複数の不在時間帯が設定されている場合には、図6に示す不在時間帯に基づく要求作業通知処理において制御部210は、不在時間帯毎にステップS1からステップS9までの処理を順次行うようにしている。すなわち、複数の不在時間帯が設定されている場合でも、オペレータに不在時間帯毎に適正に通知することができる。
次に、図7を参照して、基板作業システム300の対応不可ボタン501が押下される場合の要求作業通知処理について説明する。この処理は、通知手段200(制御部210)により実施される。
ステップS11において、制御部210は、対応不可ボタン501が押下されたか否かを判断する。具体的には、制御部210は、対応不可ボタン501が押下されるまでこの判断を繰り返し、対応不可ボタン501が押下されると、ステップS12に処理を進める。
ステップS12において、制御部210は、直近の必須の要求作業を抽出する。具体的には、制御部210は、基板作業装置100の稼働状況と、メモリ212に予め記憶されている定期的かつ規則的に要求される作業の情報とに基づいて、対応不可ボタン501が押下された時刻直後における直近の必須の要求作業を抽出する。
ステップS13において、制御部210は、オペレータが不在となる前に事前通知をすべく、対応不可ボタン501が押下された後すみやかに通知を行う。具体的には、制御部210は、不在となる前に抽出した直近の必須の要求作業を実施すべき旨の警告、および、抽出した直近の必須の要求作業を実施すべき予定時刻までには基板作業装置100の位置に戻ってこなければならない旨の警告(図3参照)の両方を表示部220に表示する制御を行う。その後制御部210は、対応不可ボタン501が押下された後から、抽出された直近の必須の要求作業までの時間帯における要求作業を抽出し、この抽出された要求作業を、直近の必須の要求作業を実施すべき予定時刻以降、あるいは対応可ボタン501が押下された以降に、表示部220に表示する制御を行い、対応不可ボタン501が押下される場合の要求作業通知処理を終了する。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、オペレータが不在である不在時間帯を判断し、不在時間帯よりも前の第1時間帯、および、不在時間帯よりも後の第2時間帯のうち少なくともいずれかの時間帯において、不在時間帯にオペレータに要求する作業に関する通知をオペレータに対して行う通知手段200を設ける。これにより、オペレータが不在である不在時間帯がある場合でも、不在時間帯にオペレータに要求する作業を不在時間帯よりも前の第1時間帯、および、不在時間帯よりも後の第2時間帯のうち少なくともいずれかのオペレータが駐在する時間帯に調整し、オペレータに通知することができる。その結果、不在時間帯にオペレータに要求する作業に関する通知をオペレータに適正に伝えることができる。また、不在時間帯にオペレータに要求する作業を不在時間帯よりも前の第1時間帯に調整してオペレータに通知する場合には、オペレータは、不在時間帯の前に、要求された作業を行うことができる。これにより、オペレータが不在である不在時間帯に基板作業システム300が停止するのを抑制することができる。また、不在時間帯にオペレータに要求する作業を不在時間帯よりも後の第2時間帯に調整してオペレータに通知する場合には、オペレータは、不在時間帯の後に、不在時間帯に要求された作業を適正に把握し、要求された作業を行うことができる。
また、第1実施形態では、第2時間帯に作業に関する通知を行う場合において、作業に関する通知を不在時間帯には行わずに第2時間帯に行うように通知手段200を構成する。これにより、オペレータによる作業のために基板作業システム300の動作を停止させた状態で作業に関する通知を行う場合にも、作業に関する通知を不在時間帯に行って基板作業システム300が停止するのを抑制することができる。これにより、基板作業システム300による基板900の生産効率が低下するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、第1時間帯に作業に関する通知を行った場合に、通知された作業のうちオペレータが行わなかった作業についての通知を第2時間帯に再度行うように通知手段200を構成する。これにより、第1時間帯に通知された作業のうちオペレータが行わなかった作業を、第2時間帯においてオペレータがしそこなうのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、不在時間帯にオペレータに要求する作業が複数ある場合には、通知においてオペレータに要求する複数の作業に関する作業を一括して通知するように通知手段200を構成する。これにより、第1時間帯、および、第2時間帯のそれぞれの時間帯において行う必要がある作業の全体の内容をオペレータに容易に認識させることができる。
また、第1実施形態では、第2時間帯に作業に関する通知を行う場合において、作業に関する通知よりも優先度が高い通知情報がある場合には、作業に関する通知よりも先に優先度が高い通知情報を通知するように通知手段200を構成する。これにより、不在時間帯にオペレータに要求する作業の通知をオペレータに適正に伝えつつ、作業に関する通知よりも優先度が高い通知を先にオペレータに認識させることができる。その結果、オペレータはより優先度が高い通知に対して適切に対処することができる。
(第2実施形態)
以下、図8を参照して、本発明の第2実施形態による基板作業システム310(図1参照)の構成について説明する。
この第2実施形態では、不在時間帯の要求作業の通知を第1時間帯に行う第1実施形態と異なり、不在時間帯の要求作業の通知を第1時間帯には行わず、第2時間帯にのみ行う基板作業システム310について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用いるとともに、説明を省略する。
通知手段200(図1参照)は、制御部250と、表示部220とを含んでいる。第2実施形態では、通知手段200(制御部250)は、オペレータが不在である不在時間帯よりも後の第2時間帯において、不在時間帯の要求作業に関する通知をオペレータに対して行うように構成されている。なお、制御部250は、オペレータにより対応可ボタン502(図2参照)が押下された場合には、対応可ボタン502が押下された時刻の直後から不在時間帯でなくなった(オペレータの対応可能時間帯に復帰した)と判断する。
具体的には、図8に示すように、制御部250が、オペレータにより入力された不在時間帯(図2参照)、または、オペレータにより対応不可ボタン501(図2参照)が押下された後の不在時間における要求作業を未実施の作業リスト530として抽出する制御を行う。制御部250は、不在時間帯に本来行うべき要求作業の通知がある場合には、不在時間帯には通知を行わず、要求作業が本来要求される時刻(図8における発生時刻)と、要求作業の内容とを対応付けて未実施の作業リスト530としてメモリ212(図1参照)に記憶する。制御部250は、未実施の作業リスト530に基づいて、第2時間帯になった際に通知(事後通知)を行う。
次に、図9を参照して、基板作業システム310の不在時間帯に基づく要求作業通知処理について説明する。この処理は、通知手段200(制御部250)により実施される。
ステップS21において、制御部250は、不在時間帯が終了したか否かを判断する。制御部250は、不在時間帯が終了するまでこの処理を繰り返し、不在時間帯が終了すると、ステップS22に処理を進める。
ステップS22において、制御部250は、不在時間帯の要求作業を抽出する。具体的には、制御部250は、不在時間帯情報500と、基板作業装置100の稼働状況と、メモリ212に予め記憶されている定期的かつ規則的に要求される作業の情報とに基づいて、不在時間帯における要求作業を未実施の作業リスト530としてメモリ212(図1参照)に記憶する。
ステップS23において、制御部250は、作業に関する通知よりも優先度が高い通知情報があるか否かを判断する。作業に関する通知よりも優先度が高い通知情報がある場合には、制御部250はステップS24に処理を進め、優先度が高い通知情報の通知を行う。一方、作業に関する通知よりも優先度が高い通知情報がない場合には、制御部250はステップS25に処理を進める。具体的には、制御部250は、定期的ではあるが不規則的に要求される作業、または、偶発的に要求される作業のいずれかの作業がある場合には、定期的かつ規則的に要求される作業よりも先に通知する制御を行う。
ステップS25において、制御部250は、抽出された不在時間帯の要求作業があるか否かを判断する。(不在時間帯の要求作業の有無のデータはステップS22によりもたらされる。)不在時間帯の要求作業がある場合には、制御部250はステップS26に処理を進める。一方、不在時間帯の要求作業がない場合には、制御部250は不在時間帯に基づく要求作業通知処理を終了する。
ステップS26において、制御部250は、第2時間帯における事後通知を行う。その後、制御部250は、不在時間帯に基づく要求作業通知処理を終了する。
図9に示す基板作業システム310の不在時間帯に基づく要求作業通知処理においては、オペレータによる不在開始予定時刻と不在終了予定時刻との両データの入力による予定されている不在時間帯、および予定外に不在となるために対応不可ボタン501が押下されることにより制御部210に情報が与えられる不在時間帯の両方が対象となる。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、オペレータが不在である不在時間帯を判断し、不在時間帯よりも後の第2時間帯において、不在時間帯にオペレータに要求する作業に関する通知をオペレータに対して行う通知手段200を設ける。これにより、オペレータが不在である不在時間帯がある場合でも、不在時間帯にオペレータに要求する作業を不在時間帯よりも後のオペレータが駐在する第2時間帯に調整し、オペレータに通知することができる。その結果、不在時間帯にオペレータに要求する作業に関する通知をオペレータに適正に伝えることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
以下、図10〜図12を参照して、本発明の第3実施形態による基板作業システム320の構成について説明する。
この第3実施形態では、1台の基板作業装置100を備える第1および第2実施形態と異なり、複数の基板作業装置100a〜100yを備える基板作業システム320について説明する。なお、上記第1および第2実施形態と同様の構成については同じ符号を用いるとともに、説明を省略する。
図10に示すように、第3実施形態による基板作業システム320は、複数の基板作業装置100a〜100yと、複数の通知手段200a〜200eと、サーバ400とを備えている。通知手段200a〜200eには、それぞれ、5台の基板作業装置100a〜100e(100f〜100j、100k〜100o、100p〜100t、100u〜100y)が接続されている。また、通知手段200a〜200eは、それぞれ、サーバ400に接続されている。
図10に示す例では、1台の通知手段200a(200b、200c、200d、200e)、および、5台の基板作業装置100a〜100e(100f〜100j、100k〜100o、100p〜100t、100u〜100y)により、1つのラインが構成されている。また、グループ1は、2つのライン(ライン1および2)を含み、オペレータAにより担当される。グループ2は、1つのライン(ライン3)を含み、オペレータBにより担当される。グループ3は、2つのライン(ライン4および5)を含み、オペレータCおよびDにより担当される。なお、「グループ」とは、各オペレータが担当する基板作業装置の区分を示す概念である。
通知手段200a(200b、200c、200d、200e)は、制御部210a(210b、210c、210d、210e)と、表示部220a(220b、220c、220d、220e)とを含んでいる。通知手段200a(200b、200c、200d、200e)には、入力装置230a(230b、230c、230d、230e)が接続されている。制御部210aは、ライン1の5台の基板作業装置100a〜100eを制御するように構成されている。同様に、制御部210bは、ライン2の5台の基板作業装置100f〜100jを制御するように構成されている。制御部210cは、ライン3の5台の基板作業装置100k〜100oを制御するように構成されている。制御部210dは、ライン4の5台の基板作業装置100p〜100tを制御するように構成されている。制御部210eは、ライン5の5台の基板作業装置100u〜100yを制御するように構成されている。
なお、通知手段200b〜200eは、それぞれ、基本的に通知手段200aと同様の構成であるため、通知手段200b〜200eのうち通知手段200aと同様の構成については、説明を省略する。
図11は、制御部210aは、オペレータAにより入力された不在時間帯情報500を示したものである。制御部210aは、オペレータAにより入力された不在時間帯情報500に基づいて、不在時間帯情報500に対応する時間帯にはオペレータが不在であると判断する。詳細には、制御部210aは、通知手段200aの入力装置230aまたは通知手段200bの入力装置230bのいずれか一方を介して入力されたオペレータAの不在時間帯情報500に基づいて、不在時間帯情報500に対応する時間帯にはオペレータAが基板作業装置100a〜100j(グループ1)から離れており不在時間帯であると判断する。
同様に、制御部210d(210e)は、通知手段200dの入力装置230dまたは通知手段200eの入力装置230eのいずれか一方を介して入力されたオペレータCおよびDの両者の不在時間帯情報500に基づいて、不在時間帯情報500に対応する時間帯にはオペレータCおよびDが基板作業装置100p〜100y(グループ3)から離れており不在時間帯であると判断する。また、制御部210d(210e)は、グループ3のように1つのグループを複数のオペレータが担当する場合には、全てのオペレータが不在となる時間帯のみ不在時間帯として判断する。
また、通知手段200a(200b)は、オペレータAの不在時間帯情報500をサーバ400に転送するように構成されている。これにより、オペレータAの不在時間帯情報500は、サーバ400を介し、通知手段200aの表示部220aおよび通知手段200bの表示部220bの両方で確認することが可能である。
制御部210aは、第1実施形態と同様に、基板作業装置100a〜100jの稼働状況と、メモリ212に予め記憶されている定期的かつ規則的に要求される作業の情報とに基づいて、不在時間帯における要求作業を抽出する。図12に示す例では、制御部210a(210b)が、オペレータA(グループ1)の不在時間帯における要求作業を抽出し、予定作業実施指定画面520を表示部220a(220b)に表示した状態を示したものである。制御部210a(210b)は、グループ1に属する基板作業装置を特定する番号(100a〜100j)と、要求作業が本来要求される予定時刻と、要求作業の種別と、要求作業の内容とが対応付けられた予定作業実施指定画面520を表示部220a(220b)に表示させる。すなわち、制御部210a(通知手段200a)は、グループ1においてオペレータAが複数の基板作業装置100a〜100jを担当する場合に、第1時間帯において、複数の基板作業装置100a〜100jを担当するオペレータAに対して、複数の基板作業装置100a〜100jの各々についての作業に関する通知を表示部220a(220b)を介して一括して行うように構成されている。
同様に、制御部210cは、オペレータBが担当する(グループ2に属する)基板作業装置を特定する番号(100k〜100l)と、要求作業が本来要求される予定時刻と、要求作業の種別と、要求作業の内容とが対応付けられた予定作業実施指定画面520を表示部220cに表示させる。また、制御部210d(210e)は、オペレータCおよびDが担当する(グループ3に属する)に属する基板作業装置を特定する番号(100p〜100y)と、要求作業が本来要求される予定時刻と、要求作業の種別と、要求作業の内容とが対応付けられた予定作業実施指定画面520を表示部220d(220e)に表示させる。
また、通知手段200a(200b)は、オペレータA(グループ1)の予定作業実施指定画面520のデータをサーバ400に転送するように構成されている。これにより、通知手段200a(200b)は、第1実施形態と同様の第1時間帯において予定作業実施指定画面520(図12参照)による事前通知や、第2時間帯における事後通知に関する内容を通知手段200aの表示部220aおよび通知手段200bの表示部220bの両方でオペレータに確認させることが可能である。また、通知手段200a(200b)は、第2実施形態と同様の第2時間帯における事後通知に関する内容を通知手段200aの表示部220aおよび通知手段200bの表示部220bの両方でオペレータに確認させることが可能である。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、オペレータが不在である不在時間帯を判断し、不在時間帯よりも前の第1時間帯、および、不在時間帯よりも後の第2時間帯のうち少なくともいずれかの時間帯において、不在時間帯にオペレータに要求する作業に関する通知をオペレータに対して行う通知手段200a(200b、200c、200d、200e)を設ける。これにより、第1実施形態と同様に、不在時間帯にオペレータに要求する作業に関する通知をオペレータに適正に伝えることができる。
また、第3実施形態では、上記のように、オペレータAが複数の基板作業装置100a〜100jを担当する場合に、第1時間帯および第2時間帯のうち少なくともいずれかの時間帯において、複数の基板作業装置100a〜100jを担当するオペレータAに対して、複数の基板作業装置100a〜100jの各々についての作業に関する通知を一括して行うように通知手段200a(200b)を構成する。これにより、オペレータAが複数の基板作業装置100a〜100jを担当する場合でも、オペレータAは、各々の基板作業装置100a〜100jにおける作業を各々の基板作業装置100a〜100jにおいて確認する必要がないので、利便性を向上させることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、本発明の基板作業装置が部品実装機である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、印刷機および検査装置など、部品実装機以外の基板作業装置に適用してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、オペレータによる不在開始予定時刻と不在終了予定時刻との両データの入力による予定の不在時間帯データは、不在時間帯情報500としてメモリ212に記憶され、この不在時間帯情報500が図6および図9に示す不在時間帯に基づく要求作業通知処理において用いられる。すなわち、予定されている不在時間帯情報は何時でも入力可能であり、利便性の高い基板作業システムとすることができる。
しかしながら、オペレータによる予定の不在時間帯データの入力完了時刻が、不在開始予定時刻から所定時間先行していない場合(第1設定時刻より後の場合)には、図6のステップS1でYesとはならず、この場合は、不在開始予定時刻に対応不可ボタンが押下げられたとして図7の要求作業通知処理を行うようにする。これにより、利便性の高い基板作業システムとすることができる。
また、上記第1〜第3実施形態では、対応不可ボタン501が押下された際に、対応不可ボタン501が押下された時刻後の直近の必須の要求作業を抽出する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、対応不可ボタン501が押下された時刻からオペレータにより設定された所定時刻までの要求作業を抽出してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、対応不可ボタン501が押下された際に、直近の必須の要求作業を実施すべき旨の警告、および、直近の必須の要求作業を実施すべき予定時刻までには基板作業装置100の位置に戻ってこなければならない旨の警告(図3参照)の両方を表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、対応不可ボタン501が押下された際に、直近の必須の要求作業を実施すべき旨の警告、または、直近の必須の要求作業を実施すべき予定時刻までには基板作業装置100の位置に戻ってこなければならない旨の警告のうちいずれか一方のみを表示してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、基板作業装置100(100a〜100y)の外部に通知手段200(200a〜200e)が配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通知手段は、基板作業装置に内蔵されていてもよい。
また、上記第1および第3実施形態では、第1時間帯および第2時間帯の両方に不在時間帯の要求作業の通知を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1時間帯にのみ不在時間帯の要求作業の通知を行ってもよい。
また、上記第3実施形態では、複数の基板作業装置を含むラインに1台の通知手段を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の基板作業装置の各々に通知手段を設けてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、表示部220(220a、220b、220c、220d、220e)を介して、不在時間帯の要求作業の通知を行うを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、音声により不在時間帯の要求作業の通知を行ってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、オペレータに要求する複数の作業を一括して通知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、オペレータに要求する複数の作業を順次、通知してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、オペレータにより入力された不在時間帯情報500、または、オペレータにより対応不可ボタン501が押下されたことに基づいて、オペレータが基板作業装置100から離れたこと(不在時間帯になること)を判断する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、オペレータがGPS機能を有する携帯端末を所持し、通知手段がGPS機能を有する携帯端末の位置情報を取得できるように基板作業システムを構成してもよい。これにより、オペレータが不在時間帯情報を入力しない場合や、オペレータにより対応不可ボタン501が押下されない場合でも、オペレータの位置情報に基づいて、オペレータが基板作業装置から離れたこと(不在時間帯になったこと)を判断することが可能である。
また、上記第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローを用いて説明したが、たとえば、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。