JP6353318B2 - ラミネートパック型電池 - Google Patents
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Description
しかし、ステンレスラミネートフィルムの基材に用いられるステンレス鋼は、硬い材質のため、タブ部の外形状に追従し難く、隙間無く接合することが難しくなる。このため、従来のアルミラミネートフィルムを用いたラミネートパック型電池の製造工程では接合することが難しかった。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るラミネートパック型電池の斜視図である。また、図2は図1のII−II断面を模式的に示した図である。
図1及び図2に示すように、このラミネートパック型電池(ラミネートセルとも称する)10は、ラミネートフィルム11A、11Bからなる電池外装体12内に発電要素13を収容し、リチウムイオン二次電池を構成したものである。なお、電池外装体12内には電解液の注入も行われる。
例えば、各ラミネートフィルム11A、11Bの基材には、オーステナイト系ステンレス鋼箔が用いられ、オーステナイト安定度が高い金属箔を用いる場合と比べて、プレス成形性を高めている。また、基材は、C、Si、Mn、Ni,Cr、Cu、Mo、Nを適量含み、強度、耐食性、プレス成形性等を十分に備えている。
各ラミネートフィルム11A、11Bには、他方のラミネートフィルム11B、11Aの反対側に凹んで発電要素13を収容する収容凹部31A、31Bがそれぞれ形成される。より具体的には、一方のラミネートフィルム11Aには、他方のラミネートフィルム11Bよりも深い収容凹部31Aが形成され、この収容凹部31A内に発電要素13の殆どを収容する。他方のラミネートフィルム11Bは、ほぼ平坦に近い浅い収容凹部31Bが形成される。
これら収容凹部31A、31Bの深さが異なる点を除いて各ラミネートフィルム11A、11Bは同様であるため、以下、一方のラミネートフィルム11Aを中心に説明し、他方のラミネートフィルム11Bの同様部分は同一符号を付して示し、重複説明は省略する。
図2及び図3に示すように、ラミネートフィルム11Aは、長方形の矩形シートに形成されたステンレスラミネートフィルムに対し、事前に中央部を絞り加工することによって、上方に凹む収容凹部31Aと、この収容凹部31Aの周囲を囲う枠状の縁部32とが一体に形成される。なお、縁部32は、ラミネートフィルム11A、11B同士を熱溶着によって接合する領域である。
つまり、ラミネートフィルム11A、11Bにステンレスラミネートフィルムを用いる目的は、従来よりも電池外装体12(特に収容凹部31A、31B)の強度を高めるためであるから、その目的を満足する強度を有するステンレスラミネートフィルムを用いる必要がある。このため、従来以上に圧力をかけなければ短辺部32Sを適切に変形させることができなくなる。
即ち、アルミラミネートフィルムの基材厚みを変化させることで、目的を満足する強度を有するアルミラミネートフィルムを用いることも可能であるが、重量及び体積エネルギー密度を求める観点から、ステンレスラミネートフィルムを用いることが好ましい。
なお、図4に示すように、薄肉部位(図4中、符号αで示すハッチング領域)は短辺部32Sだけであり、それ以外の領域である長辺部32L、及び収容凹部31A、31Bは薄肉部位よりも大の厚み寸法(図2中、符号d0で示す)に形成されている。これにより、短辺部32Sを集電タブ部20、23の外形状に追従させて変形させることができるようにしている。
これにより、上記ラミネートセル用注液装置の接合工程時に作用する圧力によって各短辺部32Sを集電タブ部20、23の外形状に追従させて変形させ、集電タブ部20、23との間に隙間なく接合することが可能になる。
しかも、前記縁部32は、前記収容凹部31A、31Bを囲う矩形の枠形状に形成され、前記縁部32の枠形状を構成する各辺部32L、32Sのうち、前記集電タブ部20、23が通る短辺部32Sだけが前記薄肉部位に形成されるので、短辺部32Sの一部だけをプレス等で薄くする場合と比べて、短辺部32Sの薄肉加工がし易い。また、長辺部32Lを薄肉部位に形成しないので、電池外装体12の強度向上に有利である。
このため、短辺部32Sを、集電タブ部20の外形状に沿って屈曲する形状に予め成型する成型工程を行っていれば、集電タブ部20の外縁に対応する領域を十分に屈曲させて状態で接合でき、気密性を容易に確保できる。
図6に示すように、プレス金型として、短辺部32Sの集電タブ部20(又は集電タブ部23)の領域AR1をプレスする第1金型K1と、集電タブ部20(又は集電タブ部23)の左右の領域AR2、AR3をそれぞれプレスする一対の第2金型K2、K3とを設け、集電タブ部20の外縁に沿った形状となるように、第1〜第3金型K1〜K3により短辺部32Sをプレスする。
この成型工程には、プレス力を調整することにより短辺部32Sを厚さd1に薄くするプレス工程と、集電タブ部20(又は集電タブ部23)の外縁に沿った形状に成型する成型工程とが含まれる。このため、薄型化・成型が同時に行われる。
その後は、アルミラミネートフィルム用のラミネートセル用注液装置を用いれば、短辺部32Sを集電タブ部20との間に隙間なく接合することができる。この場合も、アルミラミネートフィルムのラミネートパック型電池の製造工程をそのまま使用して製造することが可能となる。
図7は第2実施形態を示す。第2実施形態では、短辺部32Sのうち集電タブ部20、23が通る領域だけを薄肉部位(図7中、符号αで示すハッチング領域)に形成している。より具体的には、集電タブ部20、23の縁部と重なる領域(図6中、AR1に対応する領域)、及び、各集電タブ部20、23の外縁部に対応する領域(図5中、AR0に対応する領域)の縁部間と重なる領域の双方を含む領域を薄肉部位とし、従来の一般的な接合工程時に作用する圧力で変形可能にしている。
この構成によれば、集電タブ部20、23の外形状に沿って変形させて接合し易くしつつ、薄肉部位の領域を少なくすることができる。従って、第1実施形態と比べて電池外装体12の強度向上に有利である。なお、薄肉部位の領域が異なる点以外は、第1実施形態と同一に形成すれば良い。また、第1実施形態と同様、集電タブ部20、23には集電タブ部用の樹脂層(図示せず)が設けられている。
図8は第3実施形態を示す。第3実施形態では、短辺部32Sのうち集電タブ部20、23の縁部に対応する領域(図6中、AR1に対応する領域)だけを薄肉部位(図8中、符号αで示すハッチング領域)に形成している。
この構成によれば、集電タブ部20、23の外形状に沿って変形させて接合し易くしつつ、薄肉部位の領域をより少なくすることができる。従って、第1及び第2実施形態と比べて、電池外装体12の強度向上により有利である。なお、薄肉部位の領域が異なる点以外は、第1実施形態と同一に形成すれば良い。また、第1実施形態と同様、集電タブ部20、23には集電タブ部用の樹脂層(図示せず)が設けられている。
図9は第4実施形態を示す。第4実施形態では、短辺部32Sと長辺部32Lの両方、つまり、収容凹部31A、31Bの周囲を囲う枠状の縁部32の全体を薄肉部位(図9中、符号αで示すハッチング領域)に形成している。
この構成によれば、プレス工程により成型しやすい、という効果が得られる。例えば、収容凹部31A、31Bの強度を確保する一方で、縁部32には強度がそれほど要求されない、或いは、縁部32に柔軟性を持たせたい等の場合に本実施形態の構成を適用すれば良い。また、第1実施形態と同様、集電タブ部20、23には集電タブ部用の樹脂層(図示せず)が設けられている。
例えば、上述の実施形態では、収容凹部31A、31Bが長方形状に凹んだ形状の場合を説明したが、これに限らず、正方形状等の他の形状で凹んだ形状であっても良く、形状は限定されない。また、ラミネートフィルム11A、11Bの両方に収容凹部31A、31Bを形成する場合を説明したが、一方だけに形成し、他方は平面状に形成しても良い。
また、電池外装体12を構成するラミネートフィルム11にステンレスラミネートフィルムを用いる場合を説明したが、厚いアルミラミネートフィルム、或いは、他の比較的硬い金属材を基材に用いた金属ラミネートフィルムを用いても良い。
さらに、リチウムイオン二次電池に本発明を適用する場合を説明したが、他の二次電池や一次電池に本発明を適用しても良い。
11A、11B ラミネートフィルム
12 電池外装体
13 発電要素
20、23 集電タブ部
31A、31B 収容凹部
32 縁部
Claims (3)
- 発電要素をラミネートフィルムで覆うと共に前記ラミネートフィルムを接合して電池外装体を形成し、前記ラミネートフィルムの接合部を前記発電要素から延びる集電タブ部が通って外部に露出するラミネートパック型電池において、
前記ラミネートフィルムにおける前記集電タブ部の少なくとも外縁に対応する領域は、前記ラミネートフィルムの他の領域と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位に形成され、前記集電タブ部の外形状に沿って変形して接合されており、
前記電池外装体は、前記発電要素を収容する収容凹部と、前記収容凹部を囲むと共にラミネートフィルム同士を接合した部位である縁部とを備え、
前記縁部のうち、前記集電タブ部が通る領域、及び、前記集電タブ部の外縁に対応する領域だけが前記薄肉部位に形成されることを特徴とするラミネートパック型電池。 - 発電要素をラミネートフィルムで覆うと共に前記ラミネートフィルムを接合して電池外装体を形成し、前記ラミネートフィルムの接合部を前記発電要素から延びる集電タブ部が通って外部に露出するラミネートパック型電池において、
前記ラミネートフィルムにおける前記集電タブ部の少なくとも外縁に対応する領域は、前記ラミネートフィルムの他の領域と比べて厚み寸法が小さい薄肉部位に形成され、前記集電タブ部の外形状に沿って変形して接合されており、
前記電池外装体は、前記発電要素を収容する収容凹部と、前記収容凹部を囲むと共にラミネートフィルム同士を接合した部位である縁部とを備え、
前記縁部の全体が前記薄肉部位に形成されることを特徴とするラミネートパック型電池。 - 前記ラミネートフィルムは、基材にステンレスを用いたステンレスラミネートフィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のラミネートパック型電池。
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